週間天気予報解説資料 2016 年 12 月 5 日 10 時 00 分 発表 気象庁予報部 予報期間 12 月 6 日から 12 月 12 日まで 1.アンサンブル資料 ●アンサンブル(ENS):トラフが本州付近を6・8・10・11日に通過・接近する。これに対応して北~西日本は、低気圧が北日 本付近通過→冬型の気圧配置→移動性高気圧という経過を短い周期で繰り返す。沖縄・奄美は北から高気圧に覆われて概ね晴れ るが、9~10日は5760mのトラフが接近・通過し、前線位相がやや北上する。 ●500hPa基本場(週間予報支援図):実況は、北~西日本はゾーナル、沖縄・奄美は西南西流場で、全国的に正偏差。予報期間は、 寒冷渦がシベリアに南東進し日本谷となり、東日本は正偏差だが、その他は負偏差に転じる。また、北日本付近は高度場の南北 傾度がさらに強まり、地上気圧系の動きはさらに速まると考える。 ●8日:5400m付近のトラフが北日本を通過し、対応する低気圧も前半に弱まりながら北日本付近を通過後、高気圧が本州付近を覆 ってくる。北日本は雲が広がりやすく、雪や雨の降る所が多い。東・西日本は700hPaの乾燥域に覆われて太平洋側を中心に概ね 晴れるが、日本海側は寒気の影響で雨や雪の降る所がある。 ●9~10日:9日はリッジが本州付近を通過し、5400m付近のトラフが日本海へ進む。北日本は、トラフに対応する日本海低気圧 が発達しながら接近するため、雪や雨の降る所が多い。東・西日本の日本海側も前線がかかるため、雲が広がりやすくなり雨か 雪の降る所があるが、太平洋側では概ね晴れる。10日は5400mのトラフが千島近海へ進み、低気圧が前半に発達しながら北日本 を通過後、強い冬型の気圧配置へ移行する。北日本は雪や雨の降る所が多い。東・西日本の日本海側も雲が広がりやすく、雪か 雨の降る所が多が、太平洋側は概ね晴れる。 ●11~12日: 11日は5280m付近のトラフと5520m付近のトラフが位相を合わせて日本付近へ進み、強い冬型の気圧配置は西か ら緩んでくる。北~西日本の日本海側は雲が広がりやすく、雪や雨の降る所があるが、太平洋側は概ね晴れる。12日はリッジ が日本海と東シナ海へ進み、移動性高気圧が本州付近を覆ってくる。北~西日本は晴れる所が多いが、北・東日本の日本海側は 寒気の影響で雪か雨の降る所がある。 ●沖縄・奄美:9~10日は前線帯が北上し雲が広がりやすいが、その他の日は高気圧に覆われて概ね晴れる。 ・ アンサンブル(ENS)/27メンバー:9日にほとんどのメンバーが日本海低気圧を予想し、30°N以北が多く、発達傾向がある。 12日に日本海低気圧予想するメンバーは少ない。 ・ スプレッド:3~5日目と7日目が拡大。特定高度線は、5400mと5700mのトラフが日本付近を9~10日と11~12日に通過 する傾向は揃っている。 ・ 降水頻度分布:高降水頻度域は、9日と10日が日本海と北日本付近で発現・拡大し、日本海低気圧の発達と対応している。 ・ 予想T850時系列:北・東日本は概ね負偏差だが、9日に日本海低気圧の影響で昇温して正偏差となり、偏差が昨日より強まった。 西日本と沖縄・奄美は、平年並か正偏差で推移。 2.防災事項等 ・ 明日(6日)は発達する低気圧の影響で、北日本と北陸地方は荒れた天気となり、大荒れのおそれもある。 ・ 10日頃は発達する低気圧の影響で、北日本と北陸地方は荒れた天気となり、大荒れのおそれもある。 3.明後日予報(3時40分発表の短期予報解説資料も参照) ・ 北日本と東日本は、はじめ冬型の気圧配置だが、高気圧が本州付近から日本の東で次第に明瞭化し、冬型の気圧配置は緩む。 ・ 夜には500hPaの5400m付近のトラフが日本海に進み、対応する地上低気圧が日本海中部で発生する。 ・ 天気は、北日本や北陸は冬型の気圧配置で雲が広がり雪や雨が降る。日本海側では夜に日本海に進むトラフや低気圧の影響で雲 が広がり、夕方から雨や雪の降る所がある。その他の地域は高気圧に覆われて晴れるところが多い。 4.全般週間天気予報(案) ・ 北日本から西日本の日本海側は、低気圧や寒気の影響で曇りや雪または雨の日が多い。太平洋側は高気圧に覆われて概ね晴れる。 ・ 沖縄・奄美は数日の周期で天気が変わり、高気圧に覆われて晴れる日が多い。 ・ 最高気温・最低気温ともに、北・東日本は平年並か平年より低い日が多い。沖縄・奄美は平年並か平年より高い。西日本は、最 高気温が平年並か平年より低く、最低気温は平年並か平年より高い日が多い。 この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの 形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。
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