1 農地利用 1)山形市 ① 実施内容 1. 主な利用先名称 と流通経路 前明石ケーキ処理場(コンポスト製造工場)→JAやまがた→利用者 前明石ケーキ処理場(コンポスト製造工場)→商社→販売店→利用者 前明石ケーキ処理場(コンポスト製造工場)→浄化センター→コンポストモニターへ試供品.利用者 PR対象 2. 1.施設見学者 2.農家(専業) 3.一般市民 4.コンポストモニター及び 農業サポーター(市農政課 が募集し、農家をお手伝い する人達) 5.市立の学校(小・中・高) 及び保育園 6.JAやまがた販売担当者 PRの方法とその効果 (PR対象、PR方法) 7.各JAの営農関係者 PR方法 効果 1. 専業農家(野菜、果樹、花卉、稲作)、コンポスト モニター及び農業サポーター自らが耕作する田畑 に無償提供し、効果を実践もらう。 2. 施設見学者へコンポスト利用を呼びかけるととも に効果を説明する。 3. 市立の学校に無償提供し、花壇等の緑化事業に活用 してもらう。 4. 県等主催のイベントに積極的に参加しての普及促 進に努める。 5. 公共施設敷地内の芝生、花に施用しながら違いを見 てもらうとともに、PR 看板を設置する。 6. JA組織へ市長名で利用拡大について依頼文書を 提出する。 7. 農業関係者の会議で積極的に PR する。 8. 農協の販売担当者を始め、利用者の施設見学を実施 し、安全・安心を PR する。 9. 県の農業技術課と協議して、エコファーマー及び特 別栽培農産物の土作り堆肥として利用できると、農 家向けのチラシを作成し、農協を通して各戸に PR する。 10.市の広報紙で PR する。 11.地産地消の考えで PR する。 1. 施設見学者等へのコンポスト(試 供品)提供により、市民の間にも 徐々に浸透。 2. コンポストモニター制度実施によ る効果。 3. 下水道資源の有効利用、循環型社 会への取り組みに対する評価。 4. 市民の食の安全・安心に対する関 心が非常に高くなったこと。 5. JAでの販売が大きく影響。 6. 職員のこれまでにない積極的な取 り組みも大きな要因。 7. 東北農政局山形農政事務所主催の 行事でも山形コンポストの試供品 配布。 1 3. 4. 5. 他部局との連携 1. 下水道部だけがいくら頑張っても限界がある。農協を例にとっても担当部署は農林部であるので、その部署にも協力を頂 き一緒に公文書を持ってお願いする。 2. 行政あげての取り組みに農協は前向きな姿勢に転じる。 3. 餅は餅屋に任せてというように、今後も担当部署からの働き掛けと連携した取り組みを行う。 利用拡大時に障害とな りうる事項と解決方法 1. コンポスト利用にあたっては、使用者側の一番の懸念は重金属の問題 *全国的に「食の安全・安心」をテーマに安全性確保の取り組みが行われている状況の中で、使用者が安心して使えるよ うに情報の提供、開示に努める。 *肥料登録していることも積極的に PR する。 2. 品質の確保 *製造者の責務であり、管理監督の行政側と常に連携しての取り組みを行う。 3. 悪いイメージの払拭 *下水汚泥発酵肥料の下水と汚泥のどちらも「汚いでー」のイメージがある。 *自分の身体及び生活に起因したものが、地下に埋設されている管に流れ込むと忘れられ、他人事になってしまう傾向と なるので、発生の元は貴方なりと訴えていく。 市場拡大に対する将来 展望 1. 山形市に隣接する市では、施設の老朽化に伴い平成 18 年度でコンポスト製造を廃止予定。 2. 東北では炭化汚泥による燃料化への取り組みが行われること。 3. 山形県の農業の見通しと主な数値目標として(H18.1.29 県政策審が知事答申の農林水産業振興計画案)販売農家に占め る環境保全型農業を実施している農家数の割合が、2004 年には 15%、2010 年には 45%に、2015 年には 70%に拡大。推 肥などを使った土づくりを基本とし化学肥料や農薬の使用量を減らした環境保全型農業を県内全域で展開する「全県エコ エリア構想」の推進を図る。土づくりに関する項目として、農産物の栽培面積に占める推肥散布面積の割合を 20%から 65%に拡大。 4. これまでの農家一辺倒から、使用用途を緑地にも拡大計画。 *以上の状況を踏まえて、決して将来を悲観するものでもないし、良い物を作れば売れるし、エンドユーザーも信頼し てくれると確信している。 6. 利用者から寄せられる 課題 1. 2. 3. 4. 5. 6. (特に専業農家から)作物ごとの施用方法と施用量 土壌診断に基づいた適切な施用時期及び施用量のマニュアル化 土壌中の重金属の蓄積状況 コンポスト製品の臭い 大口利用者からの大容量袋での購入要望。運搬用パレットへの積載(省力化)。 専門家による土づくり等の講演会の開催要望 2 ② 流通経路フロー 施設 見学者 ●試供品の配布・PR コンポスト モニター ●試供品の配布 山形市 浄化センター (コンポスト製造・ 販売委託者) ●各種イベント ●試供品の配布 購入 市 民 購入 販売店 購入 ●教育委員会 との連携 ●試供品の配布 学 校 家 庭 購入 ●農政課との連携 ●試供品の配布・PR 東北三共有機 株式会社 (コンポスト製造・ 販売委託者) 購入 農業団体 卸 商 社 3 J A ③ パンフレット 4 5 1)鹿児島市 ① 実施内容 1. 主な利用先名称 と流通経路 鹿児島市下水汚泥堆肥化場(コンポスト製造工場) ↓販売 民間肥料生産メーカー(畜糞や食品工場から出る残渣、汚泥等を受け入れて肥料化する産業廃棄物の中間処理業者である肥 料メーカーへ、肥料の原料、発酵促進材及び水分調整材として販売) PR対象 PR方法 効果 ・ 学校等の公的機関へ花壇等の肥料として無償供与制 度を設定 ・ 市広報誌で肥料の宣伝 ・ 地元イベントでの試供品の配布 ・試供品配布や市広報誌での宣伝等 で、鹿児島市が肥料製造を行って いることを知り、購入される市民 も結構多い。 2. PRの方法とその効果 (PR対象、PR方法) 学校等の公的機関、一般市民 3. 他部局との連携 水道部により水源涵養林用肥料として購入使用されている。 4. 利用拡大時に障害とな りうる事項と解決方法 肥料の安全性が課題となると思われるが、このことを実証するために、公的機関である県農業試験場へ栽培試験、可食部分 析、残存性分析等の業務を委託している。 5. 市場拡大に対する将来 展望 海洋投棄が禁止されることから、畜糞の肥料化を始めた農家からの発酵促進材及び水分調整材としての購入量が徐々に増加 してきている。新しい需要家として期待しているところである。 6. 利用者から寄せられる 課題 肥料の販売場所が下水汚泥堆肥化場だけであるため、市民から販売場所増設の要望があるが、肥料特有の臭気の問題や公金 取扱の問題、また経費の問題等もあり実現できていない。 6 ② 流通経路フロー 民間肥料 生産メーカー ●販売 鹿児島市 下水汚泥堆肥化場 (コンポスト工場) ●学校等の公的機関へ花壇等の 肥料として無償供与制度 を設定 ●市広報誌で肥料の宣伝 ●地元イベントでの試供品の配布 ●販売 7 学校等の 公的機関、 一般市民 市 民 ③ パンフレット 8 9 10 2 緑地利用 札幌市 ① 実施内容 1. 主な利用先名称 と流通経路 コンポスト工場→肥料取扱商社→ゴルフ場 コンポスト工場→肥料取扱商社→公共施設(グラウンド、公園等) コンポスト工場→肥料取扱商社→緑化資材製造業者 コンポスト工場→造園業者→公園造成・改修工事 コンポスト工場→教育委員会→学校 コンポスト工場→公共施設(グラウンド公園等維持管理) コンポスト工場→ゴルフ場 コンポスト工場→芝生生産販売業者 PR対象 2. PR方法 効果 ゴルフ場 ・ ゴルフ場と取引のある肥料商社と連携する。 ・ 各ゴルフ場のグリーンキーパーへ直接PRする(試供 品の提供)。 ・ コンペに協賛し、景品を提供する。 ・ 各地区のグリーンキーパーの集まりに参加する(賛助 会員)。 ・ 安価で効果が認められれば、定常的 に利用してくれるゴルフ場が現れ る。 公共緑地 ・ 道や市町村の歩掛(仕様)に「下水道汚泥コンポスト」 の使用が記載されているケースも多く、このことから 緑化設計業者(コンサル)などが、公社へ問合せがく ・ 自治体の場合、設計コンサルの仕様 ることがある。これらの機会を逃さずに PR する。 に組み入れられ、施用効果等の実績 ・ 公園やグラウンドなどの施設を管理している業者や が認められ信用されると、継続的に 団体に試供品の提供などを行い、直接 PR する。 使用してもらえる。 ・ 「公共工事用施用マニュアル」を作成し、各場面での 施用量や施用方法などを示し、信頼を獲得する。 PRの方法とその効果 (PR対象、PR方法) 11 3. 4. 5. 6. 他部局との連携 環境局みどりの推進部への依頼及び連携 市推進部と緊密に情報を交換し連携を図った結果、市発注の緑化工事には必ず使用されることになった。 障害となりうる事項 解決方法 ・ 利用拡大に対応した製品供給(コンポスト製品 は需給バランスが非常に難しく、利用拡大に即 座に対応(増産)するのは困難である)。 ・ 生産量を見極めた上で、それに見合った販売に徹する。 ・ 施設拡大が可能であれば、販売量に見合った増産体制にする(大型倉庫 などの製品貯留施設が必要)。→生産、販売、保管量のバランスが重要。 ・ 製品配送が立て込んだ場合のスムーズな対応 (生産が順調であっても、配送体制が整ってい なければ相手先の信用は得られない)。 ・ 常に信頼できる配送業者(あるいは直接配送)を確保し、利用拡大に即 座に対応できるような体制を整えておく(業者との契約内容が重要) 。 ・ 利用拡大(利用箇所の増加、1箇所当りの利用 量の増加)に伴い、販売代金の回収リスクが増 大することは無視できない。 ・ 相手先の信用動向や回収実績(現金 or 手形などの決済手法の確認)に注 意し、万が一にも代金焦げ付きのないようにする。 ・ 大口利用が見込まれても安易に飛びつかず、常に慎重に取り扱う。 利用拡大時に障害とな りうる事項と解決方法 市場拡大に対する将来 展望 ・ 都市の再開発や郊外緑地の整備面などでは、今後も緑地の需要は高まる傾向にあると思われる。 ・ ゴルフ場はバブル以降、苦しい経営環境にあるが、ある面ではコスト意識が更に高まっており、廉価なコンポストにとって は逆に追い風状況とも言える。 ・ 下水汚泥肥料(コンポスト製品)の緑地利用には、下水道に携わる部局以外の理解や認識、及び連携が重要である。 ・ 市場拡大に順応できる体制(生産能力・販売運搬体制・アフターフォロー)を整える事が絶対条件となる。 利用者から寄せられる 課題 ・ 製品の肥効性もさることながら、臭気やハンドリングが最も問題になる事項であり、そのクリアが大前提になると思われる (特にゴルフ場では臭気はご法度) 。 ・ 特に公共工事での利用では、工事検査(工事用写真撮影)のため使用量を明らかにする必要がある。このことから、定量袋 詰品(又は大型フレコンバッグ詰品)で流通させ、工事検査を受けやすくする工夫も必要である。 ・ 緑地では、農地と違って重金属濃度が着目される場面は少なく、むしろ施用効果や価格面が問題になってくる。 ・ 配送時のトラブル(到着時刻・降ろし場所・運転手の態度・品質・荷姿等)への迅速な対応が求められる。 12 ② 流通経路フロー ●グリーンキーパーへPR(試供品提供、賛助会員、集会参加 ●コンペ協賛、景品提供 コンポスト工場 ●連携 民間肥料 生産メーカー ゴルフ場 ●PR ●建設物価掲載 公共施設 (グラウンド、 公園等) ●PR ●PR 緑化資材 製造業者 造園業者 公園造成・ 改修工事 教育委員会 学 校 芝生生産 販売業者 13 ③ パンフレット 14 15 なお、この内容は、「下水汚泥コンポストのニーズに関するアンケート調査(〜下水汚泥コンポ スト利用の現状と将来動向をさぐる〜)報告書 平成18年3月 汚泥コンポスト利用促進連絡会)」から抜粋したものです。 (社)日本下水道協会(下水
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