2011 年度 事業報告書 1.第 42 回高見順賞の贈呈 (1) 贈呈詩集 辺見 庸『眼の海』(毎日新聞社 11月刊) (2) 賞および記念品 正賞(賞状)および副賞 50 万円ならびに記念品(地球儀) (3) 選考委員 藤井貞和、瀬尾育生、吉増剛造、荒川洋治、井坂洋子 (4) 選考経過 選考会は 1 月9日午後 3 時からホテルメトロポリタンエドモントで、選考委員 全員が出席して行われました。選考の対象となった詩集は 2010 年 12 月 1 日から 2011 年 11 月末日までの 1 年間に刊行された詩集の中から選ばれ、 最終候補作品は次の6詩集でした。 ・季村敏夫詩集『ノミトビヒヨシマルの独言』(書肆山田 1月) ・和合亮一詩集 『詩ノ黙礼』(新潮社 6 月 ) ・國峰照子詩集『ドン・キホーテ異聞』(思潮社 7月) ・江夏名枝詩集『海は近い』(思潮社 8 月 ) ・渡辺玄英詩集『破れた世界と啼くカナリア』(思潮社 10 月) ・辺見 庸詩集『眼の海』(毎日新聞社 11 月) 選考会は一次選 考に携わった荒川洋治氏 から候 補作品6詩集 を選んだ 経緯の説明の後、任期五年となる藤井貞和氏を座長に選び、候補詩集につ いて順 番に意見 を述べあい、討 議しました。この時 点で選 考委 員5人ともが 『眼の海』の支持を表明しました。座長の藤井氏の提案で『詩ノ黙礼』につい て、もう少し議論をしたい旨の意見があり、 再度白熱した意見交換と討議が 長 時 間にわたってなされ、その結 果全 員 一 致 で辺 見 庸 詩 集『眼の海 』が受 賞と決定しました。 1 なお、例年 どおり詩 人、文 芸評 論家 、編 集者 など大 勢の方々にご協力 いた だきました。葉書アンケートに挙がった詩集は 48 詩集(既受賞者の詩集は除 く)でした。なお、一次選考は高橋睦郎、佐々木幹郎、荒川洋治、松浦寿輝の 四氏にお願いしています。 (5) 賞の贈呈式および記念パーティの開催。 昨年の東日本大震災の為中止になりました第41回の受賞式を第42回の 受賞式と併せ開催した。 日時:2012 年 3 月 16 日(金)午後6時 場所:ホテルメトロポリタン エドモントで開催。 式次第 司会・細見和之 1.開会のあいさつ 2.第 41 回 佐々木幹郎 選考経過報告 荒川洋治 3.賞の贈呈 入沢康夫 4.祝辞 鵜飼 5.受賞者挨拶 金 哲 時鐘 6.花束贈呈 7.第 42 回 選考経過報告 井坂洋子 8.賞の贈呈 入沢康夫 9.祝辞 高橋睦郎 10.受賞者挨拶 辺見 庸 .乾杯 辻井 喬 8.閉会のあいさつ 松浦寿輝 11.花束贈呈 2 (6) 広報関係 ・2012 年1月 9 日の選考会終了後、受賞者に連絡、受諾を得て、結果を各 新聞社、通信社及び関係機関へ広報。新聞等には翌1月 10 日の朝刊に 報道 された。また、毎 日新 聞夕 刊文 化 欄(1/20)、読売 新聞 朝 刊詩 月評 (2/21)等で紹介された。 ・賞の贈呈及び記念パーティの案内。 2.振興会会報の発行 「樹木」30 号を発行 ~内容~ ・ 選考経過 ・ 受賞詩集 『眼の海』より ・ 受賞の言葉 声の奈落―ニッポン語という残響 辺見 庸 ・ 選評 時制と「とき」 藤井貞和 二冊の詩集について 瀬尾育生 比類のない詩人の誕生 詩の日本の前に ことばのうねり 吉増剛造 荒川洋治 井坂洋子 ・ 高見賞の詩人たち 日本語訳と非日本語訳、または英訳 伊藤比呂美 受賞詩集『河原荒草』より ・ 荒磯忌によせて 高橋順子 ・ 昨年度贈賞式の顛末について 三木 卓 ・ 振興会より A5 判 44 ページ、 2012 年 3 月 16 日発行、 発行部数 550 部 3 贈呈式、パーティの出席者及び受賞者関係者に配布。 アンケート協力者、詩集寄贈者、関係諸機関等へ配布。 3.著作権の管理 高見順の著作権の許諾および協力、著作権料の受領。 著作権使用料(収録・教材使用料など) 日本文教出版(17,535 円) 文藝春秋(221 円) 日本文芸家協会管理部(76,356 円) 学研教育出版(2,100 円) 学研エデュケーション(2,100 円) 正進社(2,240 円) 光文書院(7,593 円) 日本文芸家協会管理部(55,563 円) 文理(4,200 円) 童話屋(9,450 円) 日本コスモピア(2,100 円) 学研教育出版(793 円 日本文芸家協会管理部(81,145 円) 文藝春秋(662 円) 音楽之友社(11,408 円) 光村図書出版(354,000 円) 日本文教出版(17,535 円) 河合楽器(11,489 円) 光村図書教育(1,535 円) 日本文芸家協会管理部(60,227 円) 講談社文芸文庫『如何なる星の下に』(294,000 円) 愛媛県教育委員会(2,100 円) 鹿児島市評価問題研究所(6,476 円) 中央公論社敗戦日記 E(1,178 円) 4 音楽之友社(11,250 円) 日本文芸家協会著作権管理部(61,059 円) 合計 1,094,315 (24.3.10.現在) ☆光村図書出版の教科書『国語 六下 希望』掲載補償金の入金は 平成 23 年度で終了。 ◆講談社文芸文庫から『如何なる星の下に』(解説坪内祐三)が 刊行されました。 4.荒磯忌 福井県坂井市三国町「高見順の会」と共催。 平成 23 年 7 月 17 日「荒磯忌」を開催。講師として高橋順子評議員にご足 労 をお願 いし、高 見 順 の碑 のある東 尋 坊 で碑 前 祭 を行 い、菩 提 寺 の円 蔵 寺に会場を移し法要・墓参の後、高橋順子氏『海と詩』についてのテーマで 講演が行われた。その後、「高見順の会」の会員との交流が行われた。 以上 訃報 新井豊美監事が平成24 年 1 月 21 日にお亡くなりになりました。 発足以来評議員、監事、賞の選考委員としてご尽力いただきました。 謹んでご冥福をお祈り申し上げます。 5
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