ポリオ撲滅アドボカシー入門

ロータリー入門
THE ROTARIAN 2 月号から
GLOBALOUTLOOK
ロータリアンのためのポリオ撲滅アドボカシー入門
© 2013 年国際ロータリー：無断複写・転載は禁じられています。
ポリオ撲滅の
メッセージを
多くの人に
届けよう
ポリオの発症数は全世界で 99％減少しました。インドはも
はやポリオ常在国ではありません。身体まひを引き起こすポ
リオの撲滅に、これまでで最も近づいていますが、私たちは
緊急事態に直面しています。この任務を終わらせるための資
金が不足しているのです。そこで私たちは自分たちが持って
いるネットワークを駆使して、この病気を撲滅させる手助け
をする必要があります。アドボカシー（政府などへの働きか
け）は、一部のシニアリーダーだけの仕事ではありません。
ポリオがいまだに世界的な課題であることを確実に伝えるこ
とは、私たち一人ひとりの責任でもあるのです。政治リー
ダーにメッセージを送り、人々のネットワークを通じて支援
を呼びかけましょう。E メールの署名の下にポリオ撲滅サイ
トのＵＲＬ（www.endpolionow.org/ja）を加えたり、資
金不足を補うための募金を目的としたチャリティーディナー
＊
を開けば 7 億ドルの資金不足を埋めることができるでしょ
う。本号では、ポリオ撲滅のメッセージを広めるためのヒン
トをご紹介します。また上記のウェブサイトからは、メディ
アへの連絡用文書や広報用素材がダウンロードできます。共
にゴールに到達し、ポリオのない世界という遺産を後世に残
しましょう。
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THE ROTARY-NO-TOMO
*2012 年 10 月現在
2013 VOL. 61 NO.2
ポリオ・プラス
アドボカシー
アドバイザー
への
インタビュー
ジュディス・ディメント
イギリスのポリオ･プラス・アドボカシー・アドバイザー
オリンピック期間中、アドボカシー活動を行いましたか。
としてジュディス・ディメント氏は、ポリオ撲滅のために
はじめはオリンピックに合わせて何かをしようと考えま
これまでに何千ポンドもの資金を集め、注目を引くような
したが、数多くのイベントの中では存在感が薄れてしまう
イベントを実施し、さらに地区内のロータリアンを総動員
と思い、パラリンピック初日に活動することに決めました。
してポリオ撲滅のメッセージを人々に伝えました。ウィン
おかげで、注目を集めることができました。
ザー・セント・ジョージロータリークラブ（ＲＣ）会員で
あるディメント氏は、マーケティング、コミュニケーショ
認識の向上を唯一の目的としていたのですか。
ン、イベントプラニングの分野での長年の経験を生かして、
当初は考えていませんでしたが、パキスタンのパラリン
広報コンサルティング会社を経営しています。ディメント
ピック委員会と話し合った後、資金が不足しているパラリ
氏と複数地区からなるロータリアンのチームは、2012 年
ンピック選手のための募金を行うことになりました。ま
のロンドンオリンピックとパラリンピックをアドボカシー
た、競技に参加するために車いすを借りなければならな
の機会ととらえ、
活動しました。彼女は政府高官に知らせ、
いニジェールの選手がいると聞き、オークションを開いて
この病気を撲滅する必要性を世界中の人々に知ってもらう
4,500 ポンド（約 60 万円）を集め、3 分の 2 はパラリンピッ
ことで、ポリオ撲滅活動のための資金不足を埋めようと活
ク選手の支援、残りはポリオ撲滅活動に寄付しました。
動を継続しています。
ILLUSTRATIONS BY OTTO STEININGER
ウィンザー城でのディナーを開催されましたが、このよ
オリンピックとパラリンピックの機会を、どのように活
うな由緒ある場所でのイベントの計画や会場の確保は、ど
用したのですか。
のように実現したのですか。
パラリンピックとポリオを結び付けて認識を高めるイベ
ウィンザー城の支配人夫妻とある行事に出席した時に休
ントを企画することに決め、ポリオの障害が残るパラリン
暇中の予定について聞かれたので、「ポリオに関するビル
ピック選手を探しました。ブリティッシュ・パキスタン基
･ゲイツ氏の講演を聞くためにニューオーリンズでの国際
金を通してパキスタンのパラリンピック委員会と連絡を取
ロータリー（ＲＩ）年次大会に出席する予定です」と答え
り、その結果、元ポリオ患者を含むパラリンピック出場者
ました。そして、ビル・ゲイツ氏とポリオ撲滅プログラム
たちに、私たちのイベントに参加してもらえることになり
のこと、活動資金が不足していることを伝えたところ、
ウィ
ました。イングリッシュガーデンでパーティーを開き、パ
ンザー城でチャリティーディナーを開いてはどうか、と
キスタン、ニジェール、ハイチの選手を招待しました。パ
提案してくださったのです。後日、私は詳細を連絡して、
キスタンを含む一部の国では現在もポリオが深刻な問題と
ウィンザー主席司祭に取り次いでもらいました。こうして、
なっていることを、このパーティーを通じて人々に知って
70 人を招いてのウィンザー城セント・ジョージ礼拝堂で
もらいたいと思いました。
のチャリティーディナーを開くことができました。
平成 25 年　2 月号
ロータリーの友
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チャリティーディナーの内容について教えてください。
アラン O. ジャガーＲＩ理事に計画段階から協力しても
らい、当日は開会のあいさつをしていただきました。ま
た、カルヤン・バネルジー前ＲＩ会長からのあいさつに
加え、食後には、ＢＢＣの医療特派員であるファーガス・
つの理由
ポリオを撲滅させる
ウォルシュ氏による貴重な講演が行われました。インドと
ナイジェリアでのポリオ撲滅キャンペーンの様子を撮影し
たウォルシュ氏は、ポリオの世界的状況について話し、自
らが撮影した映像を紹介しました。招待客の中には、有力
（1）
命を救う
ポリオを「撲滅」ではなく、
「抑制」という方
策に切り替えたなら、今後 40 年間で 5 歳未満の
子ども 1,000 万人がポリオによって身体まひと
なる可能性があると専門家は話します。
（2）
達成可能な目標
ポリオを撲滅し、すべての子どもにワクチンを
投与する手段はそろっています。新しい 2 価ワ
クチンを使用すれば、1 回の投与で残存する 2 種
類のポリオウイルスの感染を予防することができ
ます。
なビジネスリーダーやメディア関係者も多く、結果的に 3
万 5,000 ポンド（約 480 万円）が集まり、イギリス政府か
らも 7,500 ポンド（約 100 万円）の支援が寄せられました。
ウィンザー城でのディナーは、ポリオ常在国リストから
インドが除外された直後の 2012 年 2 月に行われました。
メディアの関心を集めるために時期を調整したのですか。
偶然でした。インドでの撲滅活動が大きく進展している
のは知っていましたが、時期が重なったのは全くの幸運で
した。
ポリオ撲滅の広報と募金のために、どのようにしてあな
たの地域のクラブの意欲を高めたのですか。
自ら模範とならなければなりません。私は今年度ガバ
ナーでもあるので、世界ポリオデーに合わせて地区内の全
クラブを訪問し、メディアを視野に入れた活動を行いまし
（3）
た。ＲＩの広報補助金を利用して、一般向けの 12 ページ
価値ある投資
の新聞を 2 万 5,000 部印刷しました。一面でポリオ撲滅
医学誌『Vaccine（ワクチン）
』に掲載された
活動を取り上げ、地域住民に配布して、ポリオ撲滅への周
調査結果によると、世界的に 90 億ドルを投じて
知を図るよう各クラブにお願いしました。さらに、その効
ポリオのない世界が実現すれば、今後 20 年間で
果を把握するために、配布後、地区のウェブサイトやフェ
400 億～ 500 億ドルの経済効果があると推定さ
イスブックの閲覧者数を調べたところ、配布時期に合わせ
れています。
て地区のウェブサイトへの訪問者が増加し、さらに多くの
方がフェイスブックを閲覧したことがわかりました。
（4）
活動基盤の強化
ポリオ撲滅活動は世界各地で疾病サーベイラン
ス（監視）ネットワークを築きました。このネッ
トワークを生かして、はしかの予防接種、虫下し
薬や蚊帳の配布といった保健活動を行うことがで
きます。
アドボカシー活動でどのようにソーシャルメディアを活
用していますか。
私はソーシャルメディアのない時代に育った世代ですの
で、まずは学ぶことから始めました。雑談よりも主張をはっ
きりさせた方がよい結果を得られると専門家からアドバイ
スをもらいました。私は、ツイッターのアカウントを取得
し、ポリオ撲滅だけに焦点を当て利用したところ、大変効
（5）
果がありました。私がフォローする人と、私のアカウント
をフォローする人とでポリオを中心とした世界的なつなが
成功事例をつくる
りを築くことができました。フェイスブックも重要で、私
すべての子どもにポリオ予防接種を行うことが
は個人的な目的では使用していませんが、ガバナーとして
できれば、世界のほかの保健問題も解決が可能で
の活動に使っています。また、ツイッターで発信したメッ
あるという証明になります。
セージが自動的にフェイスブックに載るように設定してい
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と広報をしたいのに人脈がないというロータリアンに対し
活動資金の
募り方
て、どのようなアドバイスがありますか。
第 34 ゾーンのポリオ撲滅活動コーディネーターである
知り合いのネットワークをフル活用していない人が意外
ロバート・ホール氏（アメリカ・ダンウッディＲＣ）は、
と多いものです。友人や家族、仕事仲間のネットワークを
2007 年 12 月以来、ポリオ撲滅のためにゾーンで 700 万
通して、思わぬ重要人物とつながることもあります。広報
ドル（約 5 億 7,400 万円）近くの募金に助力してきました。
ます。　重要な人々との人脈をお持ちですが、ポリオ撲滅の募金
やコミュニケーションの知識がない方は、書簡やメッセー
「皆が関心を持つ分野に寄付できるよう、お手伝いをした
ジを送る前に、必ず誰かに読んでもらうことをお勧めしま
だけ」とホール氏は話します。人間関係を築くこと、
また、
す。ＲＩのスタッフや資料も利用できます。私の場合、何
人々が新たな情熱を発見できるよう導くことが成功の鍵だ
かイベントを行う時には、ＲＩから入手したポリオの情報
と強調します。以下は、ホール氏が実践する寄付増進の 3
資料一式を参加者に配っています。正確な情報を載せた体
つのステップです。
裁の良い資料を人々に渡すことができます。
（1）ニーズを伝える。
ポリオ撲滅活動につい
寄付を募るのが難しいと感じたことはありますか。
て、また活動を支援すべき理由を、寄付見込者に伝えます。
いきなり誰かの所へ行って「5,000 ポンドください」と
その年のポリオ発症数や、不足している資金の額を伝える
言うわけではありません。一つの方法として、ポリオ撲滅
ことも重要ですが、人々を行動へと促すのは、何よりも、
の認識向上を目的としたイベントを開催し、参加料を払っ
心を動かすようなストーリーであると、ホール氏は話しま
てもらえば、そのお金をポリオに回すこともでき、寄付へ
す。そのようなストーリーの一例として、ホール氏は、自
のお返しをすることができます。また、
撲滅活動の現状と、
分の妻が子ども時代に公園で見たという光景に触れ、ポリ
それを達成することの重要性を知ってもらうことも大切で
オに感染し、松葉づえで歩く幼い少女をほかの子どもたち
す。そうすれば、寄付への理解が高まり、ほかの支援者を
が仲間外れにしていた様子を語ります。
紹介してくれることもあるでしょう。
ロータリアン自身が、
ポリオ撲滅のために既に 10 億ドル以上を寄付しているこ
とも、説得する上での決め手となるかもしれません。
（2）
お願いする。「まずは頼まなければ、誰も寄
付をしてくれません」とホール氏は言います。多額の寄付
寄付してくれる見込みがある人とどのように会えば、実
をお願いする場合は、1 対 1 で会う機会を設け、寄付の具
り多いものにできるでしょうか。
体的な金額を伝えた後は、静かに相手の反応を見守ります。
事前の調査が欠かせません。支援者やその企業のウェブ
難しいことですが、相手に考える時間を与える必要があり
サイトを訪れるなどして、時間をかけて情報収集すること
ます。承諾してもらえたら、寄付がしやすくなるよう手配
です。話の内容を練り、専門知識を交えてぬかりなく説明
を整えます（クレジットカードの使用、複数年にわたる分
できるように準備してください。私は顧客に、メディアと
割寄付など）。断られた場合、ホール氏は次の 4 つの質問
連絡を取る時は鍵となる要素を 3 つに絞るようアドバイ
をして、さりげなくその理由を探るそうです：
「ロータリー
スしていますが、このことは寄付をお願いする人と会う場
という組織に理由があるのでしょうか」「（ロータリーが
合にも当てはまります。
「自分はロータリアンであること」、
行っている）プロジェクトが理由でしょうか」「金額に問
「ポリオ撲滅のニーズ」
、
「支援方法」の 3 つです。
題があるでしょうか」「時期が問題でしょうか」。理由がわ
かれば、次に何をすべきか明確になります。場合によって
ポリオ撲滅のためにすべてのロータリアンが各自のネッ
は、数か月後に再び会って話をすることもあります。
トワークを駆使すればどんなことができますか。
ロータリアンは皆、ロータリーの大使であり、ポリオ
撲滅のためにスキルと能力を駆使しなければなりませ
（3）感謝する。
寄付してもらった後は、手書きの
ん。ポリオ・プラスはとても重要なプログラムでロータリ
感謝状を送り、その場にふさわしい場合は公の場で多額の
アンは、それに多大な力を注いできました。ポリオ撲滅を
寄付に対する感謝を表明します。多くの場合、多額の寄付
支援することは全ロータリアンの責務です。これまでの成
は夫婦での決定となるため、夫妻両方に感謝するようにし
果を誇りとしつつ、撲滅を実現させなければなりません。
ます。
– Susie Ma
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ロータリーの友
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世界の
アドボカシー
活動
オーストラリア
リー公共イメージ・コーディネーター、ボリス・クレスティ
2011 年 3 月、オーストラリアのロータ
ア氏です。「トーゴの人もプロフィール写真を替えるよう
リアンは、ジュリア・ギラード首相へ書
になり、ガボンの人もそれに続きました。コートジボワー
簡を送るキャンペーンを実施しました。この書簡は、世界
ルの人も写真を替えると、モロッコでも同じ現象が起き、
ポリオ撲滅推進計画（ＧＰＥＩ）に寄付してポリオとの闘
さらにはフランスまで波及するという具合に、キャンペー
いを支援すること、また 10 月にオーストラリアで開催さ
ンは大成功でした」
れる英連邦首脳会議にてポリオ撲滅を議題に含めるよう
オーストラリア政府に要請するものでした。同年 8 月、ロー
カナダ
タリーの地域雑誌『Rotary Down Under』も、首相へ宛
カナダのロータリアンは、ポリオ撲滅活
てた書簡を掲載しました。キャンペーンは功を奏し、ギ
動への支援を求め、国会議員へ書簡を送
ラード首相のほか、イギリスのデービッド・キャメロン首
るキャンペーンを実施しました。8 月には、カナダ出身の
相、ナイジェリアのグッドラック・ジョナサン大統領、カ
ロータリー財団のウィルフリッド J．ウィルキンソン管理
ナダのスティーブン・ハーパー首相、パキスタンのユース
委員長と国際ポリオ・プラス委員会のロバート S. スコッ
フ・ラザー・ギーラーニー首相（当時）が出席した首脳会
ト委員長が、スティーブン・ハーパー首相への書簡を送り
議の後、オーストラリア政府は、ワクチン購入、感染モニ
ました。書簡の写しはカナダ国内のロータリアンにも送ら
タリング、緊急対応のために今後 4 年間に 5,000 万豪ド
れ、地元の議員にも協力を要請するよう呼びかけると、3
ル（約 45 億円）
をＧＰＥＩへ寄付することを発表しました。
日以内に、国内のロータリアンも首相や政府高官へ働きか
首相はさらに次のように述べました「長年にわたるロータ
けるなどの反響がありました。「個人的な接触が大切」と、
リーの（ポリオ撲滅の）世界的な取り組みは称賛に値しま
ウィルキンソン管理委員長は語ります。9 月、カナダ政府
す。現状を変えるのは可能だということを、ここに集まっ
は国連総会中の特別会合で、ポリオ撲滅活動への寄付を発
た皆さんに訴えます」
表しました。カナダのロータリアンが集めたＧＰＥＩへの
ベナン
寄付金に対し、カナダ国際開発局とゲイツ財団がそれぞれ、
それと同額を上乗せし（最高 100 万ドルまで）
、最終的
首都コトヌーの 12 人のロータリアンは、
には 300 万ドルが集まる計画です。ウィルキンソン管理
ソーシャルメディアを利用したロータ
委員長はキャンペーンの成功を次のように語っています。
リーの「あと少し（This Close）
」キャンペーンで、300
「ロータリアンの募金活動を通して、一般の人々にも協力
万人にメッセージを伝えました。
キャンペーンを機に、ロー
をお願いすることができます。カナダ政府とゲイツ財団が
タリアンはフェイスブックのプロフィール写真を「あと少
ロータリーのポリオ撲滅活動を応援してくれることは大変
し」のポーズに替え、友人たちにアピールしました。また
心強く、さらに多くの人々に活動を知ってもらうことがで
写真に友人への「タグ」を付けて、その友人へ通知メール
きます」
が届くようにし、ロータリーのポリオ撲滅活動について簡
単な説明も付けました。これがきっかけとなって、ポリオ
フィンランド
の話題が広がり、ほかの人々もプロフィール写真を「あと
フィンランドのロータリアンが政府と
少し」のポーズに替えるようになりました。
「コトヌーで
協力し、2010 年から 2012 年までにポ
始まったこの試みが、ベナンのほかの都市でも話題となっ
リオ撲滅のために投じた資金は、104 万ドルに上ります。
て広がっていきました」と話すのは第 20 ゾーンのロータ
ロータリアンが、「Suomen Rotary」（フィンランドの地
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THE ROTARY-NO-TOMO
2013 VOL. 61 NO.2
60%
50%
40%
寄付総額における割合
ＧＰＥＩ資金調達の傾向
30%
Ｇ 8 諸国と欧州委員会
20%
ポリオ感染国
10%
0
民間部門
（ロータリーを含む）
1985-2002　2003-05　2006-09　2010-11
2012-13
区からなる非政府組織）を通して手続きを行い、ロータリ
客電話窓口で「End Polio Now」の特別な呼び出し音を採
アンが 15％以上の資金を集めると、フィンランド政府か
用しました。さらに、コーラ運搬用の冷却トラック 25 万
ら残りの資金が提供される仕組みです。資金はロータリー
台にポリオ撲滅のメッセージを掲載し、屋外看板では全国
財団を通じて世界保健機関（ＷＨＯ）へ送られます。この
予防接種日（ＮＩＤｓ）の広報を行いました。協力はこれ
協力関係を通じて、集まった資金は保健要員の研修などア
だけにとどまらず、同社は、ポリオ・ワクチンの輸送に必
フガニスタンにおけるポリオ撲滅活動に役立てられていま
要な小型トラックを提供すること、また子どもの下痢疾患
す。この取り組みは 2013 年までの予定ですが、双方とも
を減らすため危険度の高い地域できれいな水の確保を支援
協同事業の継続に関心を示しており、新たなプロジェクト
することにも同意しました。「コカ・コーラ社の協力は強
を模索中です。国立保健・福祉研究所、Suomen Rotary、
力な後押しとなります。ほかの多国籍企業も、これに続い
フィンランド外務省と社会保健省、フィンランド元ポリオ
てぜひポリオ撲滅の全国的な素晴らしい取り組みに参加し
患者協会が世界ポリオ・デーを記念して実施した特別セミ
ていただきたく思います」とパキスタン・ポリオ・プラス
ナーでもこの協同作業は紹介されました。
委員会のアジズ・メモン委員長は話します。
ナイジェリア
アメリカ
ポリオ撲滅の支援者であるナイジェリア
ジェームス L. レイシー元ＲＩ会長
のグッドラック・ジョナサン大統領が、
（1998 － 99 年度）は現在、アメリカ
ポリオ撲滅活動への予算を 2 倍近くに増額し、国内で緊
ポリオ撲滅アドボカシー・タスクフォースの委員長として
急行動計画を立ち上げました。各知事もポリオ撲滅キャン
活躍しています。ポリオ撲滅活動の資金確保のため、レ
ペーンに協力しています。ナイジェリアのロータリアンは
イシー委員長は昨年、ワシントンＤ.Ｃ. に 40 日間滞在し、
現在、地元レベルで人々の認識を高めるため、従来のリー
政府要人にポリオ撲滅のための寄付への協力を求めまし
ダーたちに “ポリオ撲滅推進大使” となってもらえるよう
た。「40 日間で相当な数の人と話すことができた」と言い
協力を求めています。著名人や芸能人以上に、イスラム聖
ます。政府関係を専門とするバン・スコヨク・アソシエイ
職者や元ポリオ患者など、大きな影響をもたらすことがで
ツのエド・ロング氏とともに、撲滅活動の最新情報を政府
きる人々の参加をロータリアンは望んでいます。ナイジェ
高官に伝え、これまでの経過と今後の計画について説明し
リア北部の 7 つの高リスク地域を対象に実施されたこの
ました。これが功を奏し、懇請を始めた 1995 年にアメリ
キャンペーンについて、ナイジェリア・ポリオ・プラス委
カ政府がアメリカ疾病対策センター（ＣＤＣ）へ投じた資
員会のオルブスイ A. オナブル委員長は、
「こうした私たち
金は約 1,100 万ドルでしたが、継続的な努力が実を結び、
の努力が、感染抑止につながることを願います」と話しま
2012 年にはそれが 1 億 1,160 万ドルへ増加、さらにア
す。
メリカ国際開発局（ＵＳＡＩＤ）へも 3,950 万ドルが充
パキスタン
てられました。「議会が一番驚いていたのは、ロータリー
が独自に集めた資金の額です」とレイシー委員長は話しま
ロータリーのパキスタン・ポリオ・プラ
す。ロータリーは毎年、ポリオ撲滅活動に寄付した議員を
ス委員会は、コカ・コーラ・ビバレッジ・
ポリオ撲滅推進功労者としてたたえ、アメリカ大統領とそ
パキスタン社と協力し、ポリオ撲滅活動を推進しました。
の他の議員にも書簡を送って同様の寄付を求めています。
コカ・コーラ社は、ボトル 7,000 万本以上にポリオに関
アメリカはこれまでに 20 億ドル以上を投じ、ＧＰＥＩの
するメッセージを記したラベルを貼り、また国内各地の顧
公共部門の中でも多くの援助を提供しています。
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ロータリーの友
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世界ポリオ
撲滅推進計画
2012－13 年度
予算
21億8,000万ドル*
不足資金 7 億ドル *
35%
支援方法
皆さんが今すぐにできることで最も大切なのは、
議員、
ビジネスリーダー、友人などにポリオ撲滅活動への協
力を求めることです。以下は、協力を呼びかけるため
の 3 つのアイデアです。
*2012年
10 月現在
ポリオ撲滅活動に関する記事を紹介する。
中でも、ロータリーの役割とサポートの必
要性を強調したものが効果的。
www.endpolionow.org/ja から入手できる
グラフを使って、ポリオ撲滅の重要性を説
明する。このグラフを通して主なメッセー
ジが一目でわかり、ソーシャルメディアを通じていつ
でも共有することが可能。
現在の資金 *
65%
例会に議員を招いて講演してもらい、そこ
ゲイツ財団と
ロータリー財団
20%
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THE ROTARY-NO-TOMO
でロータリーのポリオ撲滅活動について紹
介する。議員には、「End Polio Now」の
襟章や予防接種を受ける子どもの写真が入った額な
ど、ポリオに関係する贈り物を渡したり、議員の名義
でポリオ・プラスへ寄付し、議員の名前の入った認証
状を渡すのも一案。

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