[華鐘通信] 2005 年 11 月 16 日(水) 第 1272 号 日刊 発行:上海華鐘コンサルタントサービス有限会社 ニュース提供:上海市信息中心 DAILY HUAZHONG NEWS ★ 本日のニュース <経済> 蘭TNTがCOSCOと家電メーカー向け物流サービス ・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 中古住宅取引、初めて減少=江蘇省南京 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 上海百聯集団、百貨店部門を全国展開=長江デルタでも拡大 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 上海華源集団、誠通集団傘下で再建へ=25億元を投融資 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 重慶軽紡集団、達州に苧麻取引施設=1500万元投じ-四川省 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 上海・小南国、06年にも香港上場=調達資金で店舗拡大 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 <金融証券> 保険仲介業、無資格従業員が4割強=資格者ゼロの事業者も ・・・・・・・・・・・・ 3 <産業> 中国の石炭消費、5年後に22億トン超 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 サムスン、天津でデジカメ生産=研究開発部門も設置・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 仏サンゴバンが徐州鋼鉄総廠買収=鋳鉄管事業の拠点に-江蘇省 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 武漢力諾太陽能、淮安で太陽光発電用部品生産=湖北省 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 北方機車車両、中国節能投資と提携=風力発電設備事業強化で ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 <政策・立法> 住宅販売に規制措置=過熱気味の市場引き締めへ-深セン ・・・・・・・・・・・・・・ 5 <社会> 残業時間は1日50分=北京・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 マイカー人気は凱越、POLOなど=若い世代-上海・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 ★ 中国ビジネス相談Q&A <輸出債権> 海外企業向けの輸出債権回収期限と訴訟提起について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 株価指数(15 日終値、単位:万元) 指数 増減(%) 為替レート(15 日、単位:元) 出来高 増減(%) 上海A株 1,143.06 -0.10 547,818.7 -25.25 上海B株 60.67 -0.30 3,593.5 36.21 深センA株 2,765.47 -0.63 380,814.0 26.17 深センB株 1,475.57 0.32 7,907.6 48.49 (1) 通貨 100米ドル 100HKドル 100日本円 中間価格 808.31 104.17 6.8485 日刊華鐘通信上海華鐘コンサルタントサービス㈲会員専用発行 No.1272 2005 年 11 月 16 日(水) <経済> 蘭TNTがCOSCOと家電メーカー向け物流サービス 15日付の中国英字紙『シャンハイデーリー』によると、オランダの総合物流会社TNTは14日、中 国の海運最大手・中国遠洋集団(COSCO)と折半出資で、家電メーカー向けの物流サービス会社を設 立すると発表した。新会社は倉庫を山東省青島市と広東省に置き、その合計床面積は100万平方メート ルになるという。サービスは2006年中に開始する予定。 この合弁事業では、海運サービス以外への展開を目指すCOSCOと、中国事業強化を図るTNTとの 思惑が一致した。COSCOが手がける家電関連物流サービスが新事業に組み込まれるという。〔運輸・観 光〕〔電機・電子〕〔全国〕 中古住宅取引、初めて減少=江蘇省南京 11日付の『中華工商時報』によると、江蘇省南京市の長江以南の8区で、1-10月の中古住宅取引 が前年同期比2.5%減と、初めて減少に転じた。一部不動産業者が南京撤退を決定するなど影響が広がっ ている。 同報告によると、同期中の南京市の不動産住宅取引は3万1000戸。特に不動産価格安定に向けた新 政策が出た後の7-10月の落ち込みが大きかった。また8区の10月の成約は2000戸にとどまった。 そんな中、上海A株上場の上海金豊易居が昨年設立し、市内に8店舗を持つ南京金豊易居が撤退を決定 した。同社関係者は国家マクロ政策は始まったばかりで、撤退は不動産市場内部の問題のほか、新築住宅 市場の圧力もあったと説明。また手数料が上海で価格の2%、広州で約4%なのに対し、南京では1.4% と少ないことも原因だと明かす。 別の仲介業者は、南京市は規則が整っておらず、企業に不信が広がっていると指摘した。〔流通・不動産〕 〔華東〕 上海百聯集団、百貨店部門を全国展開=長江デルタでも拡大 15日付の上海紙『東方早報』によると、上海市を本拠とする中国流通大手・百聯集団は傘下の百貨店 部門の1つで、主に流行商品を取り扱う東方商厦を湖南省長沙市に進出させる。2006年春にオープン する計画で、百貨店部門の長江デルタ地区外へのチェーン展開は初めてとなる。 東方商厦は現在、上海を中心に5店を運営している。近く無錫店(江蘇省無錫市)や上海・青浦店がオ ープンする予定だ。また、百聯集団は今後5年間に長江デルタに28の東方商厦を新設する計画で、規模 は4倍に拡大することになる。〔流通・不動産〕〔華東〕 (2) 日刊華鐘通信上海華鐘コンサルタントサービス㈲会員専用発行 No.1272 2005 年 11 月 16 日(水) 上海華源集団、誠通集団傘下で再建へ=25億元を投融資 15日付の『中国証券報』や『京華時報(電子版)』によると、上海市に本社を置く紡織・製薬大手の華 源集団は、資金繰り難を解消するため、国有物流会社・誠通集団(本社・北京市)からの資金を受け入れ、 その傘下で再建を目指すもようだ。誠通集団は華源に25億元を投入するという。再建計画は国務院の国 有資産監督管理委員会の認可を得ており、近く正式発表される見通し。華源集団は紡織業を中心に展開し ていたが、2000年以降、上海医薬集団などを買収し、国内最大の医薬品メーカーとなった。資産は2 004年末時点で567億元。04年の売り上げは485億元で、利益は16億元に上った。 一方、誠通集団は、1992年に設立された国有資産監督管理委員会の直轄企業。物流や鉄鋼材の販売 などを手がけ、資産総額は約100億元。〔素材・エネルギー〕〔繊維・アパレル〕〔華東〕 重慶軽紡集団、達州に苧麻取引施設=1500万元投じ-四川省 15日付の『重慶商報(電子版) 』によると、重慶市のアパレル関連企業・重慶軽紡集団は1500万元 を投じ、四川省達州市大竹県に天然植物繊維「苧麻(ちょま=英語名ラミー)」の大型取引施設を新設する 計画だ。地元当局者がこのほど明らかにした。傘下の繊維メーカー、重慶永豊麻紡廠が運営する。 建設予定地は重慶と達州を結ぶ「達喩高速道路」の大竹インターチェンジの近く。敷地面積は1万20 00平方メートルで、年間取扱量は2万トンを超える見込み。大竹県は中国苧麻の郷といわれ、栽培面積 は約30万ムー(1ムー=約667平方メートル)。苧麻は硬めの肌ざわりで、吸汗性や速乾性に優れてい る。〔繊維・アパレル〕〔内陸〕 上海・小南国、06年にも香港上場=調達資金で店舗拡大 14日付の上海紙『東方早報』によると、上海市を拠点とする外食企業グループ、小南国集団は200 6年の香港証取上場を目指している。その対象となる「香港小南国控股有限公司」を設立し、上場準備を 進めているという。株式公開で調達した資金は、上海や香港での店舗展開に充てる方針。 小南国は1987年の設立。現在は上海で23店舗、香港で4店舗を経営している。最近は、上海での 5つ星級ホテルの建設計画や大衆向けホテル分野への参入方針を打ち出すなど、積極的な経営姿勢が目立 っている。上海・楊浦区に建設する5つ星ホテルの投資額は約4億元。08年の開業予定で、小南国が直 接経営するという。〔飲食・サービス〕〔華東〕〔華南・港台〕 <金融証券> 保険仲介業、無資格従業員が4割強=資格者ゼロの事業者も 15日付の上海紙『東方早報』によると、国内の専業保険仲介事業者でライセンスを持っている従業員 の比率は全体の58.8%で、規定の「過半数」を満たしていない事業者が多くあるほか、中には有資格者 ゼロというケースもあることが分かった。中国保険監督管理委員会の調べで明らかになったもので、それ によると、仲介事業者は9月末時点で1680社あり、従業員数は4万7316人だった。 省・直轄市別に有資格者比率をみると、上海市は65.7%と全国で12番目の高さだった。一方、吉林 (48.6%)、広東(46.3%)、河南(40.7%)の3省はいずれも5割に満たなかった。 今年第3四半期に保険代理業者が1800万元の赤字に陥り、仲介業者は総じて厳しい経営環境にさら されているという。〔金融〕〔全国〕 (3) 日刊華鐘通信上海華鐘コンサルタントサービス㈲会員専用発行 No.1272 2005 年 11 月 16 日(水) <産業> 中国の石炭消費、5年後に22億トン超 15日付の『上海証券報』によると、国家安全生産監督管理総局の王顕政・副局長はこのほど、中国の 石炭消費は2010年時点で22億トンを超えるとの見通しを明らかにした。05年には発電能力量69 00万キロワットの発電設備が新設され、これに伴い、発電用石炭の需要が1億2000万-1億800 0万トンに増える見通しで、こうした需要は今後伸び続けるという。 中国では産炭を急ぐあまり、炭鉱事故が頻発しており、王副局長は04年の産炭量19億5600万ト ンのうち、安全が十分に確保された環境下で生産されたのは12億トン程度にすぎなかったと指摘。その 上で、今後は生産現場などを改善し、その量を10年時点で18億7000万トンまで引き上げる方針だ と強調した。〔素材・エネルギー〕〔政策〕〔全国〕 サムスン、天津でデジカメ生産=研究開発部門も設置 14日付の『北方経済時報(電子版)』によると、サムスングループのデジタルカメラ部門、サムスンテ ックウィンはこのほど、天津市の経済技術泰達電子パークでデジカメ工場の建設を始めた。投資総額は2 億4000万元。天津での生産をてこに中国市場の需要により迅速に対応し、シェア8割の日系メーカー を追い上げる方針。同グループは天津で光学カメラは生産している。 新工場の敷地面積は4万7000平方メートル。2006年10月の稼働を見込み、関連部品も生産す る計画だ。物流と生産を完全システム化し、部品の納品から製品出荷までわずか1日に短縮するという。 また、研究開発施設も併設し、中核技術を研究。さらには、現地消費者のニーズに合う新商品を開発す る方針。〔電機・電子〕〔華北・東北〕 仏サンゴバンが徐州鋼鉄総廠買収=鋳鉄管事業の拠点に-江蘇省 14日付の江蘇省紙『新華日報』や『徐州日報(電子版)』によると、フランスの建材大手、サンゴバン 社はこのほど、同省徐州市当局と、徐州鋼鉄総廠を買収することで正式合意した。買収額は7億元とみら れる。サンゴバンは同総廠を「聖戈班徐州管道有限公司」に名称変更し、海外での鋳鉄管製造の最大拠点 にする方針。 徐州鋼鉄は1958年に設立された国有企業。鋳鉄管専業メーカーとして知られるが、経営不振に陥っ ている。一方、サンゴバンは2002年に徐州鋼鉄と合弁会社を設立し、協力関係を深めてきた。〔素材・ エネルギー〕〔華東〕 武漢力諾太陽能、淮安で太陽光発電用部品生産=湖北省 14日付の江蘇省紙『新華日報』や『淮安日報(電子版)』によると、上海証取上場の武漢力諾太陽能集 団公司(本社・湖北省武漢市)はこのほど、同省淮安市淮陰区当局と、同地に太陽光発電関連部品などの 工場を建設することで合意した。発電設備に使われるホウケイ酸ガラス製品や関連材料を生産する。投資 は固定資産だけで約3億元という。 工事は3期に分けて進められ、全面完工するのは2007年。年間売り上げは3億元と見込んでいる。 武漢力諾太陽能は、山東省済南市に本拠を置く力諾集団の子会社。力諾集団は製薬やガラス、塗料製造 などの事業を手がけている。〔素材・エネルギー〕〔華東〕 (4) 日刊華鐘通信上海華鐘コンサルタントサービス㈲会員専用発行 No.1272 2005 年 11 月 16 日(水) 北方機車車両、中国節能投資と提携=風力発電設備事業強化で 15日付の『中国証券報』によると、鉄道車両大手の北方機車車両工業集団はこのほど、エネルギー分 野に投資する国有企業・中国節能投資公司(本社・北京市)と、風力発電設備の生産で提携する方針を明 らかにした。北方機車車両が技術を、中国節能投資が資金を出資し、新会社を設立する。北方機車車両傘 下の永済廠は風力発電設備の部品を生産し、国内シェアの8割強を握っている。中国当局は風力発電の増 強を図っているが、中核設備は輸入に依存しており、設備の国産化が課題となっている。〔自動車・輸送機 械〕〔電機・電子〕〔華北・東北〕 <政策・立法> 住宅販売に規制措置=過熱気味の市場引き締めへ-深セン 14日付の『南方都市報』などによると、住宅価格上昇が続く深セン市で市当局が引き締め策に乗り出 した。深セン市国土資源・不動産管理局は同日、市内の住宅販売に関する4つの規制措置を発表した。 新たな規制措置には、新築物件の予約販売および分割販売の禁止や、購入手続き未完の中古物件の転売 禁止などが盛り込まれ、主にデベロッパーによる投機行為の取り締まりに重点が置かれている。 同市では、南山区などの一部地域で住宅価格の上昇率が年初比30%に達する過熱ぶりを見せている。 その背景には価格上昇を狙ったデベロッパーによる住宅供給量の調整などがある。今回の規制措置で今後 はこうした価格調整行為が「禁じ手」とされ、デベロッパーには大きな打撃になるとみられている。〔流通・ 不動産〕〔政策〕〔華南・港台〕 <社会> 残業時間は1日50分=北京 12日付の『新京報』によると、北京市住民の職場での残業時間が1人1日平均で52.7分になり、1 986年より39分増加したことが、市統計局の調査で分かった。逆に食事の支度は平日で31分で19 分減少するなど、家事の時間は減少している。同局では都市部8区に住む2000人にサンプル調査を実 施。1986年のデータと比較した。その結果、労働時間は1人1日7時間52分で、週休2日制の導入 にもかかわらず、19分増加した。残業時間を年代別に見ると、31-35歳が67.4分で最高、36- 40歳の57.3分が続いた。外食の増加や家電製品の普及などで、家事労働の時間は大幅に減少。食事の 支度は休日でも1時間4分で15分減少したほか、洗濯は26分で37分も減った。洗濯機の普及率は1 家に1台を超えている。カラーテレビの普及率は100世帯に152台で、1家に2台以上は当たり前。 さらにパソコン普及率も同86.7台に達し、休日のインターネットが利用は1人1時間に上った。〔社会〕 〔インフラ〕〔華北・東北〕 マイカー人気は凱越、POLOなど=若い世代-上海 15日付の上海紙『東方早報』よると、上海市の消費者を対象に先ごろ行われたインターネットによる 意識調査では、マイカー購入を希望する若い世代のうち、25-30歳のホワイトカラーでは、上海通用 汽車の「凱旋」、上海大衆汽車の「POLO」、北京現代汽車の「伊蘭特」、東風神竜の「プジョー307」 といった普及型乗用車に人気が集まった。この調査は、自動車の団体購入サービス会社が、マイカー購入 を潜在的に希望するとみられる上海在住の若い世代1万人を対象に実施。回答者の3割が「団体購入でマ イカーを買いたい」と答えたという。〔自動車・輸送機械〕〔華東〕 (5) 日刊華鐘通信上海華鐘コンサルタントサービス㈲会員専用発行 No.1272 2005 年 11 月 16 日(水) ★ 中国ビジネス相談Q&A 海外企業向けの輸出債権回収期限と訴訟提起について Q:当社は上海市所在の日系独資企業です。3 年間未回収の香港企業向け輸出債権約 1,000 万円 に対して、外貨管理局からは罰金を課すと言われていますが、中国国内でこの香港企業に 対して訴訟を起こせば罰金は回避できるでしょうか。 3 年前の香港企業向け輸出債権約 1,000 万円が未回収となっており、地元外貨管理局からは当社に罰金を 課すと言われておりますが、その根拠は何でしょうか。中国国内でこの香港企業に対して急ぎ訴訟を起こ すことで、処罰を免れることが可能でしょうか。また、輸出債権そのものの訴訟期限は本来何年なのでし ょうか。<輸出債権><輸出核銷><訴訟> A:輸出者は輸出代金の回収義務があり、怠ると処罰されます。また、『契約法』の規定により、 国際貨物売買に関わる訴訟期限は 4 年とされていますが、実際の債権回収面を考えると、 香港での訴訟でなければ意味が無いと思われます。 1.輸出代金回収義務と「核銷」制度 外貨管理局が貴社に対して処罰を行うとしている根拠は、『輸出外貨受領照合確認管理弁法実施細則(中 国語:出口収匯核銷管理弁法実施細則)』(2003 年 9 月 8 日国家外貨管理局公布、同年 10 月 1 日施行)第 90 条「輸出企業が以下情況のうちのいずれかに該当する場合、外貨管理局は 5 万元以上 30 万元以下の罰金を 課すことができる . ..(中略).. .(四)外貨管理局の批准を経ずに一覧払い輸出項目下において通関日より 180 日を超過した未回収外貨、ユーザンス付の輸出項目下において外貨管理局に登録した回収予定日を過 ぎても未回収且つ正当な理由の無いもの」に拠ります。 「輸出核銷」とは、輸出企業が貨物の輸出通関時に税関より入手する「輸出通関申告書(中国語:出口貨物報 関単)」と当該対価の銀行口座入金時に銀行より入手する「輸出外貨回収照合確認書(中国語:出口収匯核銷 単)」を外貨管理局に提出することにより、中国からの貨物輸出に関わる税関での輸出通関データとこれに 対する外貨の回収状況とを外貨管理局にて照合・消し込みする制度のことです。 貴社はこれまで未回収の当該輸出債権に関して何も外貨管理局に事態報告をされていなかったのでしょ うか、外貨管理局は貴社に対して、貴社が故意に輸出外貨の回収を遅らせているのではないかという嫌疑 を抱いていると推察されます。 2.債権回収の訴訟提起とその有効性 中国の『契約法』(1999 年 3 月 15 日公布、同年 10 月 1 日施行)第 129 条にて「国際貨物売買契約及び技 術輸出入契約の争議による訴訟提起または仲裁申請の期限は 4 年とし、当事者がその権利が侵害を受けた ことを知った、または知りうべき日より起算する」と規定されていますので、貴社の輸出債権は中国法上は 訴訟期限内にあります。 また、貴社では、外貨管理局からの処罰を免れる既成事実作りの為に訴訟が必要と判断されているよう に思えますが、中国内で訴訟を起こせば貴社に有利な判決が出る可能性が高いとはいえ、判決の強制執行 (6) 日刊華鐘通信上海華鐘コンサルタントサービス㈲会員専用発行 No.1272 2005 年 11 月 16 日(水) 力や債権の保全面を考えると、中国内で訴訟を起こしても実際問題として当該輸出債権を回収できる可能 性は極めて低く、輸出債権の回収を第一に考えるのであれば、相手先所在地である香港にて訴訟を行う以 外に無いと思われます。 加えて、外貨管理局が処罰を行うとする根拠は、あくまで「貴社が正当な理由無く、意図的に輸出外貨の 回収を怠っているのかどうか」であり、この 3 年間の間、輸出債権回収に努力して来たが、香港企業側の怠 慢により未だ回収に至らないということを証明できる書類(香港企業とのやり取りについての社内記録及 び先方からの回答文書等)があれば、外貨管理局への説明は可能(訴訟まで行う必要は無い)と思われます。 いずれにしても、3 年もの長期間未回収となっているのであれば、輸出債権回収の為には訴訟を行うし かありませんが、中国、香港いずれの国(地域)の法律に従い、いずれの国(地域)で紛争の解決を行うのかは、 第一義的には貴社と香港企業との売買契約中の関連条項に従うしかありません。 ゆえに、売買契約書の内容を併せ確認する必要がありますが、輸出代金を支払わないということが争点 ですので、契約中の支払い義務を履行する場所は香港であり、常識的には香港にて有効な法律に基づいて 提訴することになります(売買契約の条項も本来そのように規定されているべきです)。 以 日刊 華鐘通信(非売品:会員内部刊物) 発行:上海華鐘コンサルタントサービス(有)中国上海市淮海中路 755 号新華聯大厦東楼 23 層 郵編:200020 電話+86-21-6467-1198 FAX +86-21-6467-9155 Email:[email protected] 発行責任者:古林恒雄 ニュース提供:上海市信息中心 (7) 上
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