第 21 講 三角比の図形への応用(ⅱ) 数学Ⅰ 【問題 1】 半径 2 の円に内接する △ABC があり,3 辺の比が BC : CA : AB = 7 : 5 : 3 であるという.この とき, ÐA = ア , BC = イ である. 124 【問題 2】 △ABC において, AB = 7,BC = 8,CA = 5 のとき, △ABC の面積は 接円の半径は ,内接円の半径は , △ABC の外 である. 125 【問題 3】 △ABC があり, AB = x + 3 , BC = -x + 4 , CA = 3 であるという.このとき, (1) x のとり得る値の範囲を求めよ. (2) △ABC の面積を x を用いて表せ. (3) △ABC の面積の最大値とそのときの 3 辺の長さを求めよ. 126 【問題 4】 円に内接する四角形 ABCD において,辺の長さは AB = 3,BC = 5,CD = 1 であり,cos B = 2 3 とする.このとき, (1)対角線 AC の長さは である. である. (2)円の半径は (3)辺 AD の長さは である. (4)四角形 ABCD の面積は である. 127 第 21 講 三角比の図形への応用(ⅱ) 解答 数学Ⅰ 【問題 1】 半径 2 の円に内接する △ABC があり,3 辺の比が BC : CA : AB = 7 : 5 : 3 であるという.この とき, ÐA = ア , BC = イ である. BC : CA : AB = 7 : 5 : 3 から, k > 0 とすれば, BC = 7k , CA = 5k , AB = 3k とおける. ここで,余弦定理を用いると cos A = = AB2 + CA 2 - BC2 2 × AB × CA 9k 2 + 25k 2 - 49k2 = -1 2 × 3k × 5k 2 0° < A < 180° より ÐA = 120° 正弦定理より BC = 2 × 2 sin A \ BC = 2 3 128 【問題 2】 △ABC において, AB = 7,BC = 8,CA = 5 のとき, △ABC の面積は 接円の半径は ,内接円の半径は , △ABC の外 である. s = 1 (AB + BC + CA) = 1 (7 + 8 + 5) = 10 とおくと,面積 S は 2 2 S = s( s - AB)( s - BC)( s - CA) = 10(10 - 7)(10 - 8)(10 - 5) = 10 × 3 × 2 × 5 = 10 3 よって, S = 1 AB × ACsin A より 10 3 = 1 × 7 × 5sin A 2 2 外接円の半径を R とすると,正弦定理より \ R = 8× 7 ×1 = 7 3 2R = BC sin A 3 4 3 2 また,内接円の半径を r とすると S = r (AB + BC + CA) 2 r \ 10 3 = (7 + 8 + 5) \ r= 3 2 \ sin A = 4 3 7 (別 解) 実は ÐC は有名角で,余弦定理より 82 + 52 - 72 1 cos C = = \ C = 60° 2 ×8 ×5 2 \ △ABC = 1 × 8 × 5sin 60°= 10 3 2 AB \ R= = 7 2sin60° 3 また,内接円の中心を I ,接点を D,E,F とすると, CD = CE = 3 \ AE = AF = 2,BF = BD = 5 であることが分かる.もちろん, r = 3 である. A F E I 3 B D C 30° 129 【問題 3】 △ABC があり, AB = x + 3 , BC = -x + 4 , CA = 3 であるという.このとき, (1) x のとり得る値の範囲を求めよ. (2) △ABC の面積を x を用いて表せ. (3) △ABC の面積の最大値とそのときの 3 辺の長さを求めよ. (1)三角形の成立条件は, |AB - BC|< CA < AB + BC \ |( x + 3) - ( -x + 4)|< 3 < ( x + 3) + ( -x + 4) \ |2x - 1|< 3 \ -1< x < 2 (2)余弦定理より, BA 2 + AC2 - CB2 2 BA × AC ( x + 3)2 + 32 - ( -x + 4)2 = 2( x + 3) × 3 7 + 1 x = 3( x + 3) よって, △ ABC の面積を S とすると, S = 1 AC × ABsin A 2 1 = AC × AB 1 - cos2 A 2 2 = 1 × 3( x + 3) 1 - 7x + 1 2 3( x + 3) 2 1 = 9( x + 3) - (7x + 1)2 2 = -10( x 2 - x - 2) cos A = { ( ) } 2 -10 x - 1 + 45 であるから, 2 2 -1 < x < 2 のとき, S は, x = 1 で最大値 45 = 3 10 2 2 2 (3) S = をとる. このとき,3 辺の長さは, AB = 7 , BC = 7 , CA = 3 2 2 130 【問題 4】 円に内接する四角形 ABCD において,辺の長さは AB = 3,BC = 5,CD = 1 であり,cos B = 2 3 とする.このとき, (1)対角線 AC の長さは である. である. (2)円の半径は (3)辺 AD の長さは である. (4)四角形 ABCD の面積は である. (1) △ABC に余弦定理を用いて AC2 = AB2 + BC2 - 2AB × BC cos B = 32 + 52 - 2 × 3 × 5 × 2 = 14 3 \ AC = 14 (2) sin B = 1 - cos2 B ( ) 2 2R = AC sin B 3 B 5 3 これを用いて,△ABC に正弦定理を半径 R として適用すると = 1- 2 3 D A = 1 C 5 B AC = 3 70 2sin B 10 2 (3) cos D = cos(180°- B ) = - cos B = 3 これを用いて, △ADC に余弦定理を適用すると ( 14 )2 = 12 + AD2 - 2 × 1 × ADcos D \ AD2 + 4 AD - 13 = 0 3 よって, (3AD + 13)(AD - 3) = 0 を解くと AD = 3 (4) sin D = sin(180° - B ) = sin B = 5 より 3 四角形 ABCD = △ABC + △ADC = 1 × 3 × 5sin B + 1 × 1 × 3sin D = 3 5 2 2 \ R= 131
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