第1節 ケアマネジメントの基本 P36~ ケアマネジメントの意義と目的 平成28年度 京都府介護支援専門員 更新研修・再研修 ケアマネジメントとは・・ 「利用者の社会生活上のニー ズを充足させるため適切な社 会資原と結びつける手続きの 総体」 公益社団法人 京都府介護支援専門員会 1 ケアマネジメントの目的 2 ケアマネジメントの構成要素 ケアマネジメント実施の3要素 (1) コミュニティケアの推進 (2) 生活の支援 利用者 調整 社会資原 (コーディネート) (3) QOLの向上 (4) コストのコントロール 援助 ケアマネジャー ケアマネジメント機関 第2節 ケアマネジメントの課程 一連の支援は一連のプロセス のもとで展開していく ケアマネジメントプロセス 1 ケアマネジメント課程 ①入り口(entry) ↓ 1.ケースの発見→利用者を発見する 2.スクリーニング→仕分けし同時に緊急度をとらえる 3.インテーク →契約の段階 →②アセスメント →③ケース目標の設定とケアプランの作成 →④ケアプランの実施 →⑤利用者及びケア提供状況につい てのモニタリング゙及びフォローアップ →⑥再アセスメント ↓ →⑦終結 (1)ケースの発見 ・依頼者として ・退院時 ・退所時 ・民生委員 ・近隣住民 ・他の利用者 ・サービス業者より (2)スクリーニング ケアマネジメントの対象者なのか? 発見のための 報告のための 連携システム ・必ずしも「相談=支援対象」ではない 緊急性は ・今必要か? ・どの程度必要か? ・優先順位は? (3)インテーク 2 アセスメント 契約:ケアマネジメントを始めるため関係構築 23のアセスメント項目→客観的理解 ・法的責任の発生=互いの立場をはっきりさせる ・説明責任=インフォームドコンセント ・契約のための説明ツール =契約書・運営規程≒重要事項説明書 ・形式的な契約(手続き)と 契約に基づく支援(ケアマネジメント)の目的 3 ケース目標の設定とケアプラン作成 ・ニーズとディマンドを区別する。 ・目標とは望む暮らしのことであって、 単に不自由さからの脱却ではない。 ・目標には階層があり段階的に設定される。 ・利用者の属性 ・利用者の心身の状況 ・利用者の生活状況 ・利用者の生活環境 ・利用者の背景 4 ケアプランの実施 ケアプラン=サービス計画書Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ (所定の書式) →利用者の承認 どの様な手段(サービス)を用いていつまでに目標 を達成するか?=目標達成のための設計図 →ケアカンファレンス(サービス担当者会議) ・目標の共有、役割分担、家族や本人の参加 →個別援助計画の策定 ケアプラン →サービス提供 5 モニタリング モニタリング=評価(定期的、随時) ・サービスの効果は期待どおりか? →期待した効果が得られなかったら 再アセスメント ・利用者の変化はないか? ・環境の変化はないか? →変化があれば再アセスメント 第3節 ケアマネジメントにおける アセスメントの特徴 6 終結 ・利用者の死亡 ・利用者の入院 ・利用者の入所 ・利用者の自立 ・自己プラン作成 ┏→再アセスメント ┃ ↓ ┃ケアプラン変更 ┃ ↓ ┗←ケアプラン実施 終結 ケアマネジメントサイクル 1 アセスメントの意味と目的 ・アセスメント=「事前評価」「査定」 アセスメント=課題分析 ・利用者のおかれている状況 ・利用者にどの様な問題が生じているか? ・一方的な査定ではなく利用者との協働作業 ケアプラン(作成) ・必要があれば再アセスメント 2 アセスメントの方法 3 集めた情報からの生活ニーズのとらえ方 ・面接(本人・家族) アセスメント情報→課題抽出 ・病院、施設等専門家からの聴取(個人情報に配慮) ・自発的ニーズと潜在ニーズ(同意課程) ・主観的情報と客観的情報 ・アセスメントツール ・3つの要素(身体機能・精神心理・社会環境) ・効率の良い情報収集 ・狭義のニーズと広義のニーズ ・マイナス面とストレングス ・本人の能力 ・本人の嗜好と意欲 4 アセスメントでの原則 ・協働作業 ・個人情報の取り扱い(本人の同意) ・プラス面の評価→意欲の賦活、モチベーション ・尊厳の保持(その人らしさ、個別性) 第4節 ケアプランの作成・実施の特徴 1 ケアプランの意義 2 ケアプランの作成 ・ケアプランに基づく計画的支援=重要な要素 ケース目標の設定+支援の方法 ・実施状況の結果や評価 ・望む暮らし(生活の場、役割、意欲等)の共有 ・利用者の計画策定への参加 ・目標は変化するもの ・表現方法 ・×サービス優先 ○ニーズ優先 ・本人の目標≠家族の目標(認知症) 2 ケアプランの作成 シュナイダーの7原則 ①包括的な機能的アセスメント結果に基づく ②利用者や家族の参加 ③目標実現に向けられる ④特定期間の設定 ⑤フォーマルサービスとインフォーマルサービス ⑥負担額への配慮 ⑦定型化された計画用紙の使用 2 ケアプランの作成 5つのプロセス ①生活ニーズを明らかにする ②援助目標を明らかにする ③社会資原を明確にする ④頻度や時間を明記する ⑤利用者の自己負担を算定する 3 ケアプランの実施 第5節 ケアマネジメントの特徴 サービス担当者会議による関係者の合意 (1)調整機能による生活の維持・向上 ・利用者の意向の共有 (2)ケアプランによる計画的な支援 ・目標の共有 (3)価値・知識・技術による支援 ・役割分担 (4)チームアプローチによる支援 ・連絡方法 (5)セルフケア・インフォーマルケア・ ・緊急時の対応(リスク管理) 第6節介護予防ケアマネジメントの考え方か ら得られる示唆 ・介護予防の基本=「可能なことは出来る限リ本人が行う」 ・利用者の自助努力=セルフケア+フォーマルケア+イン フォーマルケア ・残存機能の発見+発揮 ・「出来ないこと」と「していないこと」の区別 ・「出来る活動」と「している活動」 フォーマルケアでの生活支援 介護予防ケアマネジメントの考え方 より高い残存機能が生かせる目標 フォーマルケア 介護保険サービス 医療保険サービス 市町村 地域支援事業 ①自己決定・自己選択の支援 ②ストレングスモデル ③目標達成の可能性への着目=成功体験 セルフケア 比較的大きな 残存機能を活用し て「できること」の 拡大を図る 残存機能の助長・能力の向上 インフォーマルケア 家族・親類等による支 援、地域のボランティ ア等による支援 第7章 施設のケアプラン 1 施設のケアプランの仕組みと特徴 (1)基本的枠組み ・利用者が長期にわたり生活する ・共通した住環境・社会環境をもつ ・表出されにくい目標 ・限定されがちな資源 ・施設の理念の存在 →施設や職員の柔軟な変化 1 施設のケアプランの仕組みと特徴 1 施設のケアプランの仕組みと特徴 (2)施設のケアプランと業務マニュアルの関係 (3)施設のケアプランの他への影響 マニュアル→業務の平準化、ルーチンワーク 多様化するニーズ実現への努力 ケアプラン→個別性を持ったニーズ、尊厳 →マニュアルの見直し、変化 施設(機能)の変化 2 施設のケアプラン作成手順の特徴 (1)ケアプラン作成・実施の過程 ・基本のPDCAサイクルは在宅ケアマネジメントと 同じ ①導入 ②アセスメント ③目標設定 ④生活ニーズの明確化 ⑤支援内容の設定 2 施設のケアプラン作成手順の特徴 (2)ケアプラン作成の基本的な手順 ①導入部分 ・入所をきっかけとする契約 ・本人が同意していない入所もある。 ②アセスメント ・基本は在宅も同じ ③アセスメント用紙の限界 ・利用者の意向を聞き取りにくい ④支援目標 ・「施設の中で」どの様な生活を望むのか ・リロケーションダメージ ⑤生活ニーズをどの様につかむか ・専門職のニーズ≠利用者のニーズの合致 ⑥ニーズにあった社会資原: →①~⑤の循環 3 誰が施設のケアプランを作成するのか (1)在宅と施設とで介護支援専門員が行うことの比較 ・施設ではプラン作成にあたり他の職員の関与が大きい (2)ケアプラン作成のためのチームアプローチ 関わる職員からの情報収集 ・問題状況把握のためのカンファレンス ・利用者との距離感による把握の違い (3)施設入所時点でのケアプラン ・先ずは情報収集、暫定的な色合いが強い ・リロケーションダメージへの対応 ・リスク管理 ・施設環境、施設内資源の役割 ⑦ケアプランによる業務内容の変化 4 在宅と施設のケアプランの関係 (1)在宅⇔施設のケアプランの連続性 ・中間施設の役割(シームレスケア) ・自己決定の支援 ・問題解決≠自己実現 ・環境変化に伴うニーズの変化 (2)社会的背景の類似点と相違点 ・在宅と施設の違い ・利用者のQOL向上はどこであっても同じ (3)具体的な共通点 ・ニーズ優先アプローチ ・インフォーマル資源としての家族の存在 (4)具体的な相違点 ・介護支援専門員の役割負担 ・業務マニュアルと個別援助計画の存在 終了 おつかれさまでした・・・
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