2009年7月2日 アブストラクト(抄録)の書き方のガイドライン(有村研究室) 有村秀孝 アブストラクトは論文の要約であり,エッセンスなので,研究発表するとき,論文を書くときに非 常に重要です.アブストラクトをきちんと書けてはじめて,論文が書けるようになると言っても過 言ではありません.そこで,明確,簡潔を心がけて書いてください. (1) 投稿に必要な情報(題目,著者,所属など)を最初にまとめておきます.氏名は絶対に間 違えないようにします.英語の場合,読みも大事です. (2) 抄録本文はダブルスペースで書き,修正し易いように配慮してください.ほとんどの学会 で文字数制限がありますので,文字数を書くことを忘れないように.一般的な構成は,背景 と目的,方法,結果,結論となります.書き方は以下のような感じになります. 学会によっ て書き方が違いますので,投稿前に余裕をもって確認するようにしてください. 背 景 と 目 的 :2,3文程度で書きます. 研究目的に関する背景を簡潔に書きます.目的は明確に, 『本研究の目的は である。』のように 書きます. 方 法 :4,5文 方法の概要を1文で書いた後,行った順番に記述します. 結 果 :1,2文 目的に対応する重要な結果だけを書きます. 結 論 :1文 結果から導かれる結論だけを書きます. アブストラクトの例(医学物理学会) ○筆頭発表者(機関名は全角 10 文字以内) 板野航(Wataru Itano) 1) ○所属機関 1) 九州大学大学院 (Kyushu University) ○部署 医学系学府保健学専攻 (Department of Health Sciences, Graduate School of Medical Sciences) ○所属機関の住所 〒812-8582 福岡市東区馬出 3-1-1 3-1-1, Maidashi, Higashi -ku, Fukuoka 812 -8582, Japan ○筆頭著者の所属先の電話番号(内線番号)及び FAX 番号 092-642-6719(FAX 兼用) ○共著者 (9 名まで) 有村秀孝2),塩山善之3),馬込大貴1),吉留郷志4),野元諭3),本田浩3), 大喜雅文2),豊福不可依2),平田秀紀2) ○共著者の所属 2) 九州大学大学院医学研究院保健学部門,3)九州大学大学院医学研究院臨床放射線科学, 4) 九州大学病院医療技術部放射線部門 ○発表形式 口頭発表 ○発表分野 放射線治療(光子) ○日本語演題(全角 50 字以内) ポータル画像と DRR 画像を用いた前立腺癌患者のセットアップのための自動照合法の開発 (41 文字) 有村 秀孝 09/7/2 18:27 ○英語演題(40 ワード) Development of Automated Verification Method for Patient Setup Based on Digitally Reconstructed Radiography and Portal Image for Prostate Cancer Treatment. ( 20 words) コメント: 学会指定の文字数制限を書い ておきます.スペースを含めた文字数の場 合があるので,注意してください. ○発表内容(全角 700 字以内) 【背景と目的】 放射線治療において照射部位の位置確認は、多くの施設では医師が目視によっ て行っている。しかし、治療計画時と治療時で照射位置にずれがある場合、目視での確認では再 有村 秀孝 09/7/2 9:54 コメント: 研究対象の問題点を明確に書 きます. 有村 秀孝 09/7/2 9:39 現性や定量正に欠け、正確な補正量を求めることは難しい。本研究の目的は、治療計画時と治療 時の照射位置のずれ量を定量的に推定する方法を開発することである。 コメント: 問題点を解決するための目的 を簡潔に書きます. 【方法】 本手法は、ポータル画像における治療計画の照射野中心を推定する方法と、ポータル 有村 秀孝 09/7/2 9:56 画像の実際の照射野中心を推定する方法から成る。ポータル画像における治療計画の照射野中心 コメント: 最初に,手法の概要を1文で書 は、DRR(digitally reconstructed radiography)画像から抽出した計画画像テンプレートとポー きます.その後,順番に簡潔に書きます. タル画像との相互相関係数または相互情報量に基づくテンプレートマッチングを用いて推定し 有村 秀孝 09/7/2 18:28 コメント: 略語は最初に full spell を書い た。さらに、ポータル画像の実際の照射野中心は、目盛点のテンプレートを用いたテンプレート ておきます. マッチングに基づいて推定した。開発した手法を前立腺癌の 4 症例に適用した。ポータル画像の 撮像は、10MV X 線を使用し、EPID(electronic portal imaging device) を用いて行った。 【結果】 本手法で求めたポータル画像における治療計画の照射野中心の位置と、マニュアルで 求めた照射野中心の位置(真と見なす)との平均の誤差は,相互相関係数と相互情報量を用いた 場合でそれぞれ 1.25mm と 1.13mm であった。 有村 秀孝 09/7/2 9:53 コメント: 目的に対応する重要な結果だ 【結論】 本手法を使うことによって治療計画時と治療時の患者位置のずれ量を定量的に推定で けを書きます. きる可能性を示すことができた. 有村 秀孝 09/7/2 9:52 コメント: 結果として誤差が小さいので, (656 文字) 「推定できる可能性がある」と言えます. 有村 秀孝 09/7/2 9:45 コメント: 現在の文字数を書きます.
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