使用上の注意改訂のお知らせ

- 医薬品の適正使用に欠かせない情報です。必ずお読み下さい。-
使用上の注意改訂のお知らせ
2010 年 7 月
劇薬
処方せん医薬品
劇薬
処方せん医薬品
この度、標記製品の「使用上の注意」を改訂致しましたので、お知らせ申し上げます。
今後のご使用に際しましては、以下の内容をご参照下さいますようお願い申し上げます。
なお、改訂添付文書を封入した製品がお手元に届くまでに、日数を要する場合がございますので、ご
了承下さいますようお願い申し上げます。
【改訂内容】(関連項目のみ抜粋)
改訂後 (下線部追記)
改訂前 (取消線部削除)
■禁忌(次の患者には投与しないこと)
(1)(略)
(2) 次の薬剤を投与中の患者:キニジン硫酸塩水和物,ベプ
リジル塩酸塩水和物,フレカイニド酢酸塩,プロパフェ
ノン塩酸塩,アミオダロン塩酸塩,ピモジド,ピロキシ
カム,アンピロキシカム,エルゴタミン酒石酸塩,ジヒド
ロエルゴタミンメシル酸塩,エルゴメトリンマレイン酸
塩,メチルエルゴメトリンマレイン酸塩,エレトリプタ
ン臭化水素酸塩,バルデナフィル塩酸塩水和物,シルデナ
フィルクエン酸塩(レバチオ),タダラフィル(アドシ
ルカ),アゼルニジピン,リファブチン,ブロナンセリ
ン,ジアゼパム,クロラゼプ酸二カリウム,エスタゾラ
ム,フルラゼパム,フルラゼパム塩酸塩,トリアゾラム,
ミダゾラム,ボリコナゾール〔「相互作用」の項参照〕
■禁忌(次の患者には投与しないこと)
(1)(略)
(2) 次の薬剤を投与中の患者:硫酸キニジン,塩酸べプリジ
ル,酢酸フレカイニド,塩酸プロパフェノン,塩酸アミ
オダロン,ピモジド,ピロキシカム,アンピロキシカム,
酒石酸エルゴタミン,メシル酸ジヒドロエルゴタミン,マ
レイン酸エルゴメトリン,マレイン酸メチルエルゴメト
リン,臭化水素酸エレトリプタン,塩酸バルデナフィル,
アゼルニジピン,リファブチン(国内未発売),ジアゼパ
ム,クロラゼプ酸二カリウム,エスタゾラム,フルラゼ
パム,塩酸フルラゼパム,トリアゾラム,ミダゾラム,
ボリコナゾール〔「相互作用」の項参照〕
3.相互作用
(1)併用禁忌(併用しないこと)
薬剤名等
(一般名〔代表的販売名〕)
キニジン硫酸塩水和物
[硫酸キニジン]
ベプリジル塩酸塩水和物
[ベプリコール]
フレカイニド酢酸塩
[タンボコール]
プロパフェノン塩酸塩
[プロノン等]
アミオダロン塩酸塩[アンカロン]
ピモジド [オーラップ]
ピロキシカム [フェルデン等]
アンピロキシカム [フルカム等]
エルゴタミン酒石酸塩
[クリアミン]
ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩
[ジヒデルゴット等]
エルゴメトリンマレイン酸塩
[エルゴメトリン]
メチルエルゴメトリンマレイン酸
塩[メテルギン等]
エレトリプタン臭化水素酸塩
[レルパックス]
バルデナフィル塩酸塩水和物
[レビトラ]
シルデナフィルクエン酸塩
[レバチオ]
タダラフィル[アドシルカ]
アゼルニジピン[カルブロック等]
リファブチン[ミコブティン]
ブロナンセリン [ロナセン]
臨床症状・
措置方法
機序・危険因子
不整脈,血液障
害,血管攣縮
等,これら薬剤
による重篤な
又は生命に危
険を及ぼすよ
うな事象が起
こるおそれが
あるので併用
しないこと.
本剤のチトク
ローム P450 に
対する競合的
阻害作用によ
り,併用した場
合これらの薬
剤の血中濃度
が大幅に上昇
することが予
測される.
3.相互作用
(1)併用禁忌(併用しないこと)
薬剤名等
(一般名〔代表的販売名〕)
硫酸キニジン [硫酸キニジン]
塩酸ベプリジル [ベプリコール]
酢酸フレカイニド[タンボコール]
塩酸プロパフェノン[プロノン等]
塩酸アミオダロン[アンカロン]
ピモジド[オーラップ]
ピロキシカム[フェルデン等]
アンピロキシカム[フルカム等]
酒石酸エルゴタミン
[カフェルゴット等]
メシル酸ジヒドロエルゴタミン
[ジヒデルゴット等]
マレイン酸エルゴメトリン
[エルゴメトリン]
マレイン酸メチルエルゴメトリン
[メテルギン等]
臭化水素酸エレトリプタン
[レルパックス]
塩酸バルデナフィル [レビトラ]
アゼルニジピン [カルブロック]
リファブチン(国内未発売)
-1-
臨床症状・
措置方法
機序・危険因子
不整脈,血液障
害,血管攣縮
等,これら薬剤
による重篤な
又は生命に危
険を及ぼすよ
うな事象が起
こるおそれが
あるので併用
しないこと.
本剤のチトク
ローム P450 に
対する競合的
阻害作用によ
り,併用した場
合これらの薬
剤の血中濃度
が大幅に上昇
することが予
測される.
【改訂内容】つづき(関連項目のみ抜粋)
改訂後 (下線部追記)
改訂前
1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
(1)(略)
(2)(略)
(3)器質的心疾患及び心伝導障害(房室ブロック等)のある患者,
PR 間隔を延長させる薬剤(ベラパミル塩酸塩,アタザナビ
ル硫酸塩等)を使用中の患者〔本剤は軽度の無症候性 PR 間
隔の延長が認められている(「薬物動態」の項参照).〕
3.相互作用
(2)併用注意(併用に注意すること)
(1)(略)
(2)(略)
3.相互作用
(2)併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等
臨床症状・措置方法 機序・危険因子
フェンタニル,フェンタニル これら薬剤の血中 本剤が CYP3A
クエン酸塩
濃度が上昇するお におけるこれ
リドカイン塩酸塩
それがある.これ ら薬剤の代謝
エリスロマイシン
ら薬剤の副作用が を競合的に阻
カルバマゼピン
発現しやすくなる 害するためと
イトラコナゾール
お そ れ が あ る た 考えられてい
ケトコナゾール
め,充分な観察を る.
ミコナゾール
行いながら慎重に
キニーネ
投与し,必要に応
カルシウム拮抗剤
じて減量や休薬等
(アムロジピンベシル酸塩, の適切な措置を講
ジルチアゼム塩酸塩,フェロ ずること.
ジピン,ニカルジピン塩酸塩,
ニフェジピン,ニソルジピン,
ニトレンジピン,ベラパミル
塩酸塩,ニルバジピン等)
タモキシフェンクエン酸塩
トレミフェンクエン酸塩
ブロモクリプチンメシル酸塩
シンバスタチン
アトルバスタチンカルシウム
水和物
ロバスタチン(国内未発売)
クラリスロマイシン
シクロスポリン
タクロリムス水和物
エベロリムス
デキサメタゾン
シルデナフィルクエン酸塩
[バイアグラ]
タダラフィル[シアリス]
ゲフィチニブ
ダサチニブ
ニロチニブ
イリノテカン塩酸塩水和物
ビンカアルカロイド系抗悪性
腫瘍剤
(ビンクリスチン硫酸塩,ビ
ンブラスチン硫酸塩等)
アルプラゾラム
サルメテロールキシナホ酸塩
ロスバスタチンカルシウム
ロスバスタチンの 機序不明
血中濃度が上昇す
るおそれがある.
薬剤名等
臨床症状・措置方法 機序・危険因子
クエン酸フェンタニル
リドカイン
エリスロマイシン
カルバマゼピン
イトラコナゾール
ケトコナゾール
ミコナゾール
キニーネ
カルシウム拮抗剤
(ベシル酸アムロジピン,塩
酸ジルチアゼム,フェロジピ
ン,塩酸ニカルジピン,ニフ
ェジピン,ニソルジピン,ニ
トレンジピン,塩酸ベラパミ
ル,ニルバジピン等)
クエン酸タモキシフェン
クエン酸トレミフェン
メシル酸ブロモクリプチン
シンバスタチン
アトルバスタチン
ロバスタチン(国内未発売)
クラリスロマイシン
シクロスポリン
タクロリムス水和物
デキサメタゾン
クエン酸シルデナフィル
ゲフィチニブ
塩酸イリノテカン
アルプラゾラム
薬剤名等
これら薬剤の血中
濃度が上昇するお
それがある.これ
ら薬剤の副作用が
発現しやすくなる
おそれがあるた
め,充分な観察を
行いながら慎重に
投与し,必要に応
じて減量や休薬等
の適切な措置を講
ずること.
臨床症状・措置方法
本剤が CYP3A
におけるこれ
ら薬剤の代謝
を競合的に阻
害するためと
考えられてい
る.
機序・危険因子
ロペラミドの血中 機序不明
濃度が上昇するお
それがある.
塩酸ロペラミド
ロペラミドの血中濃度が上昇するおそ
れがある.
タバコ
喫煙により本剤の 機序不明
AUC が減少するお
それがある.
タバコ
喫煙により本剤の AUC が減少するおそ
れがある.
ジドブジン
本剤との併用に
よりジドブジン
の Cmax 及び AUC がそ
れぞれ減少すると
の報告がある.
ジドブジン
本剤との併用によりジドブジンの
Cmax 及び AUC がそれぞれ減少するとの報
告がある.
ロペラミド塩酸塩
本剤がグルク
ロン酸抱合を
誘導するため
と考えられて
いる.
-2-
【改訂内容】つづき(関連項目のみ抜粋)
改訂後 (下線部追記)
改訂前(取消線部削除)
(2)併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等
(2)併用注意(併用に注意すること)
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
エファビレンツ
本剤及びエファビレンツ 機序不明
の血中濃度が上昇するお
それがある.高頻度に有害
事象が発生する可能性が
あるので,臨床検査値等の
モニタリングを行いなが
ら慎重に投与すること.
ジゴキシン
ジゴキシンの血中濃度が
有意に増加したとの報告
がある.ジゴキシンの血中
濃度モニタリングを行う
など注意すること.
マラビロク
マラビロクの血中濃度が 本 剤 が CYP3A
上昇するおそれがある. に よ る こ れ ら
薬剤の代謝を
競合的に阻害
するためと考
えられている.
薬剤名等
本剤の P 糖蛋白
質阻害作用に
よるものと考
えられている.
4.副作用
機序・危険因子
本剤及びエファビレンツの血中濃度が上
昇するおそれがある.高頻度に有害事象が
発生する可能性があるので,臨床検査値等
のモニタリングを行いながら慎重に投与
すること.
ジゴキシン
本剤との併用において,ジゴキシンの血中
濃度が有意に増加したとの報告がある.本
剤とジゴキシンを併用する際は,ジゴキシ
ンの血中濃度モニタリングを行うなど注
意すること.
4.副作用
承認時:国内臨床試験での総症例 118 例中 87 例(73.7%),303
件に副作用が認められた.主な副作用(5%以上)は悪心 40 件
(33.9%),下痢 30 件(25.4%),異常感覚 23 件(19.5%),嘔
吐 17 件(14.4%),口周囲感覚異常 15 件(12.7%),肝機能異常
14 件(11.9%),食欲不振 14 件(11.9%),味覚倒錯 9 件(7.6%),
CK(CPK)上昇 7 件(5.9%),倦怠感 6 件(5.1%)であった.
また,血友病患者における出血事象が 24.7%(発現症例数/血
友病症例数)に認められた.
再審査申請時:使用成績調査での総症例 915 例中 446 例
(48.7%)
,
974 件に副作用が認められた.主な副作用(5%以上)は高脂血症
84 件(9.2%),悪心 70 件(7.7%),血中ビリルビン増加 56
件(6.1%),下痢 54 件(5.9%),血中トリグリセリド増加
53 件(5.8%)であった.
国内での第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験及び拡大臨床試験(総症例 118 例)に
おいて認められた主な副作用(5%以上)は以下のとおりである.
副作用
33.9%
25.4%
19.5%
14.5%
12.7%
副作用
肝機能異常
食欲不振
味覚倒錯
CK(CPK)上昇
倦怠感
件数/総症例数
11.9%
11.9%
7.6%
5.9%
5.1%
また,血友病患者における出血事象が 24.7%(発現症例数/血
友病症例数)に認められた.
海外での第Ⅱ及び第Ⅲ相臨床試験において認められた副作用の
うち頻度の高いものは,消化器障害(悪心,下痢,嘔吐,腹痛
等),口周囲感覚異常,味覚倒錯,無力症,異常感覚,頭痛等
であった.(「その他の副作用」の項参照)
(1)重大な副作用(略)
1)錯乱,痙攣発作(頻度不明): (略)
2)脱水(頻度不明):(略)
3)高血糖,糖尿病(頻度不明):(略)
4)肝炎,肝不全(頻度不明): (略)
5)過敏症(頻度不明):(略)
6)出血傾向(頻度不明):(略)
(2)その他の副作用
(2)その他の副作用
2%以上
件数/総症例数
嘔気
下痢
異常感覚
嘔吐
口周囲感覚異常
(1)重大な副作用(略)
1)錯乱,痙攣発作(痙攣:0.1%): (略)
2)脱水(頻度不明):(略)
3)高血糖(0.2%),糖尿病(0.8%):(略)
4)肝炎(0.1%),肝不全(0.1%): (略)
5)過敏症(頻度不明):(略)
6)出血傾向(15.5%):(略)
循環器
臨床症状・措置方法
エファビレンツ
2%未満
血管拡張 (8.8%) 末梢血管障害
末梢性浮腫
心悸亢進
頻脈
低血圧
2%以上
頻度不明
循環器
PR 間隔延長
2%未満
頻度不明
血管拡張 (8.8%) 末梢血管障害
末梢性浮腫
心悸亢進
頻脈
低血圧
【改訂理由】(自主改訂)
1)禁忌・併用禁忌の項:シルデナフィル (レバチオ)、タダラフィル (アドシルカ)、ブロナンセリンの追記
シルデナフィル(商品名:レバチオ錠)及びタダラフィル (商品名:アドシルカ錠)、ブロナンセリン(商
品名:ロナセン錠)の使用上の注意と整合をとり、追記致しました。本剤の CYP3A 阻害作用によりこれら
薬剤の血中濃度が上昇し、これら薬剤による重篤な有害事象が発現するおそれがあるため、併用禁忌と致
しました。シルデナフィル、タダラフィルについては肺動脈性肺高血圧症を適応としている製剤(レバチ
オ錠、アドシルカ錠)については併用禁忌、勃起不全を適応としている製剤(バイアグラ錠、シアリス錠)
については併用注意となりますのでご注意下さい。
2)禁忌・併用禁忌の項:エルゴタミン、アゼルニジピン、リファブチンの記載の一部変更
エルゴタミンについてはカフェルゴットが販売終了したため、代表的販売名を変更致しました。
-3-
アゼルニジピンについては新たに配合剤が販売開始されたため「等」を追記致しました。
リファブチンについては既に国内で発売が開始されておりますので、国内未発売の旨を削除致しました。
3)慎重投与の項:PR 間隔延長に関する追記
本剤投与時の心電図への影響を確認した海外臨床試験において軽度の無症候性 PR 間隔延長が認められま
した。第二度及び第三度(完全)房室ブロックは認められていませんが、他の PR 間隔を延長させる要因
(器質的心疾患や心伝導障害の合併患者や PR 間隔を延長させることが知られている薬剤)との組み合わ
せで臨床的な影響(房室ブロック等の心伝導障害)が発現する可能性が否定できないため追記致しました。
(参考)海外臨床試験概要
健康成人 45 例に本剤 400mgBID を 3 日間(4 回)投与したとき、3 日目において軽度の PR 間隔延長が認められた。
最大 PR 間隔は 252msec であった。
4)併用注意の項:エベロリムス、ダサチニブ、ニロチニブ、サルメテロールの追記
これら薬剤の使用上の注意と整合をとり、追記致しました。相互作用に関する直接的な報告はありません
が、本剤の CYP3A 阻害作用によりこれら薬剤の血中濃度が上昇し、副作用が現れやすくなるおそれがあり
ます。
5)併用注意の項:ビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍剤 (ビンクリスチン、ビンブラスチン等) の追記
ロピナビル・リトナビルとの併用でビンカアルカロイド毒性(血液障害)が認められたとの報告 a),b)があ
ります。ビンカアルカロイドは CYP3A で代謝されるため、本剤の CYP3A 阻害作用により同様の相互作用を
発現する可能性が否定できないため追記致しました。
(参考文献)
a) Kotb R et al.,: Eur J Haematol 2006:76 269-271
b) Makinson A et al.,: Eur J Haematol 2007:78 358-360
6)併用注意の項:シルデナフィル(バイアグラ)の記載の一部変更、タダラフィル(シアリス)の追記
タダラフィル使用上の注意と整合をとり、タダラフィルを追記致しました。CYP3A 阻害作用によりタダラ
フィルの血中濃度が上昇するおそれがあります。また、前述のとおり、シルデナフィル、タダラフィルに
ついては勃起不全を適応としている製剤(バイアグラ錠、シアリス錠)については併用注意であり、同一
成分の併用禁忌である肺動脈性肺高血圧症治療薬(レバチオ錠、アドシルカ錠)との区別を明確にするた
めに商品名を追記致しました。
7)併用注意の項:ロスバスタチンに関する追記
ロピナビル・リトナビルとの併用によりロスバスタチンの血中濃度が上昇したとの報告 c)があります。ま
たアタザナビル/リトナビル併用においても同様にロスバスタチンの血中濃度が上昇したとの報告 d)があ
ります。機序不明ながら、いずれも本剤成分が含まれていることから相互作用における本剤の影響が否定
できないため追記致しました。
(参考文献)
c) Hoddy D, et al.,: CROI 2007, Poster abstract No.564
d) Busti AJ, et al.,: J Cardiovasc Pharmacol, 51(6), 605, 2008
8)併用注意の項:ロペラミド、タバコ、ジドブジン、エファビレンツ、ジゴキシンに関する記載の一部変更
機序・危険因子の情報を追記し、記載整備致しました。
9)併用注意の項:マラビロクの追記
マラビロク使用上の注意と整合をとり、マラビロクを追記致しました。本剤との併用によりマラビロクの
血中濃度が上昇したとの報告 e)があります。本剤の CYP3A 阻害作用によりマラビロクの血中濃度が上昇す
るおそれがあります。
(参考文献)
e) マラビロク添付文書
10)副作用の項:副作用概要、重大な副作用発現頻度の記載の一部変更
本剤の再審査期間中に収集した使用成績調査データを再審査申請時として追記し、承認時(国内臨床試
験)データについても記載方法を使用成績調査データと統一しました。副作用概要を国内情報で統一す
るため、海外臨床試験情報については本項の記載から削除致しました。
重大な副作用の発現頻度についても、使用成績調査で報告されたものについて発現頻度の情報を追記致
しました。
11)副作用の項:その他の副作用 PR 間隔延長の追記
前述のとおり、本剤投与時の心電図への影響を確認した海外臨床試験において軽度の無症候性 PR 間隔延
長が認められたことから追記致しました。
-4-
以下に改訂後の使用上の注意全文を記載致しました。ご一読下さい。(下線部:今回追記)
(7) 本剤を含む抗 HIV 薬の多剤併用療法を行った患者で,免疫再
構築症候群が報告されている.投与開始後,免疫機能が回復
し,症候性のみならず無症候性日和見感染(マイコバクテリ
ウムアビウムコンプレックス,サイトメガロウイルス,ニュ
ーモシスチス等によるもの)等に対する炎症反応が発現する
ことがあるので,これらの炎症性の症状を評価し,必要時に
は適切な治療を考慮すること.
■禁忌(次の患者には投与しないこと)
(1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
(2) 次の薬剤を投与中の患者:キニジン硫酸塩水和物,ベプリ
ジル塩酸塩水和物,フレカイニド酢酸塩,プロパフェノン
塩酸塩,アミオダロン塩酸塩,ピモジド,ピロキシカム,
アンピロキシカム,エルゴタミン酒石酸塩,ジヒドロエルゴ
タミンメシル酸塩,エルゴメトリンマレイン酸塩,メチル
エルゴメトリンマレイン酸塩,エレトリプタン臭化水素酸
塩,バルデナフィル塩酸塩水和物,シルデナフィルクエン酸
塩(レバチオ),タダラフィル(アドシルカ),アゼルニ
ジピン,リファブチン,ブロナンセリン,ジアゼパム,ク
ロラゼプ酸二カリウム,エスタゾラム,フルラゼパム,フ
ルラゼパム塩酸塩,トリアゾラム,ミダゾラム,ボリコナ
ゾール〔「相互作用」の項参照〕
3.相互作用
本剤は肝チトクローム P450(CYP3A)と強い親和性を示し,他の
薬剤(特に CYP3A で代謝される薬剤)の代謝を競合的に阻害し,
血中濃度を上昇させる可能性が高い.さらに,本剤の連用により
肝チトクローム P450 の各種アイソザイムを誘導する可能性も
ある.本剤は主に肝チトクローム P450 (CYP3A)で代謝され
るが,他の薬剤との相互作用は,可能なすべての組み合わせにつ
いて検討されているわけではないので,他剤による治療中に新た
に本剤を併用したり,本剤投与による治療中に新たに他剤を併用
したりする場合には,可能な限り薬物血中濃度を測定するなど,
用量に留意して慎重に投与すること(「薬物動態」の項参照).
■使用上の注意
1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
(1) 肝機能障害のある患者〔本剤は主に肝臓で代謝されるため,
高い血中濃度が持続するおそれがある.また,B 型肝炎,C 型
肝炎,トランスアミナーゼの上昇を合併している患者では肝
機能障害を増悪させるおそれがある.〕
(2) 血友病及び著しい出血傾向を有する患者〔本剤投与による治
療中の血友病患者において,突発性の出血性関節症をはじめ
とする出血事象の増加が報告されている.〕
(3)器質的心疾患及び心伝導障害(房室ブロック等)のある患者,
PR 間隔を延長させる薬剤(ベラパミル塩酸塩,アタザナビル硫
酸塩等)を使用中の患者〔本剤は軽度の無症候性 PR 間隔の延
長が認められている(「薬物動態」の項参照).〕
2.重要な基本的注意
(1)本剤の使用に際しては,患者又はそれに代わる適切な者に,
次の事項についてよく説明し同意を得た後,使用すること.
1) 本剤は HIV 感染症の根治療法薬ではないことから,日和見
感染を含む HIV 感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可
能性があるので,本剤投与開始後の身体状況の変化につい
ては,すべて担当医に報告すること.
2) 本剤の長期投与による影響については,現在のところ不明
であること.
3) 本剤による治療が,性的接触又は血液汚染等による他者へ
の HIV 感染の危険を減少させることは明らかではないこと.
4) 本剤投与開始後,担当医の指示なしに用量を変更したり,
服用を中止したりしないこと.
5) 本剤は併用薬剤と相互作用を起こすことがあるため,服用
中のすべての薬剤を担当医に報告すること(「相互作用」の
項参照).また,本剤で治療中に新たに他の薬剤を服用する
場合,事前に担当医に相談すること.
†6) 本剤はエタノール 12%を含有する.本剤の 1 日用量(12 カプ
セル)ではエタノール約 1.4mL に相当するので,自動車の運
転等危険を伴う作業をする際には注意すること(「相互作
用」の項参照).
††6)本剤はエタノール 43%を含有する.本剤の 1 日用量(15mL)
ではエタノール約 6.5mL に相当するので,自動車の運転等
危険を伴う作業をする際には注意すること(「相互作用」の項
参照).
(2) 本剤は,チトクローム P450(CYP3A)に対する競合的阻害作
用により,種々の薬剤との相互作用が報告されている.経口
血液凝固阻止剤(ワルファリンカリウム等),免疫抑制剤(シク
ロスポリン,タクロリムス水和物等)等治療域の狭い他の薬剤
を併用する場合,併用薬剤の血中濃度のモニターや診察の回
数を増やすなど慎重に投与すること(「相互作用」の項及び「薬
物動態」の項参照).
(3) AST(GOT),ALT(GPT),γ-GTP,CK(CPK),尿酸,
コレステロール,トリグリセライド等の上昇があらわれるこ
とがあるので,定期的に生化学的検査を行うなど観察を十分
に行うこと.
(4) 動物実験(ラット)で,網膜障害が認められているので,定期
的に眼科検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められ
た場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと(「そ
の他の注意」の項参照).
(5) サキナビルメシル酸塩等 HIV プロテアーゼ阻害剤との併用に
関しては,現時点では有効性及び安全性に関するデータは不
十分であるため,推奨する用法・用量が確立されるまでは併
用しないことが望ましい(「相互作用」の項参照).
(6) 抗 HIV 薬の使用により,体脂肪の再分布/蓄積があらわれる
ことがあるので,異常が認められた場合には適切な処置を行
うこと.
-5-
(1)併用禁忌(併用しないこと)
薬剤名等
(一般名〔代表的販売名〕)
キニジン硫酸塩水和物[硫酸キニジ
ン]
ベプリジル塩酸塩水和物[ベプリコー
ル]
フレカイニド酢酸塩[タンボコール]
プロパフェノン塩酸塩[プロノン等]
アミオダロン塩酸塩[アンカロン]
ピモジド [オーラップ]
ピロキシカム [フェルデン等]
アンピロキシカム [フルカム等]
エルゴタミン酒石酸塩[クリアミン]
ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩
[ジヒデルゴット等]
エルゴメトリンマレイン酸塩
[エルゴメトリン]
メチルエルゴメトリンマレイン酸塩
[メテルギン等]
エレトリプタン臭化水素酸塩
[レルパックス]
バルデナフィル塩酸塩水和物
[レビトラ]
シルデナフィルクエン酸塩[レバチオ]
タダラフィル[アドシルカ]
アゼルニジピン [カルブロック等]
リファブチン [ミコブティン]
ブロナンセリン [ロナセン]
臨床症状
・措置方法
不整脈,血液
障 害 , 血 管攣
縮等,これら
薬剤による重
篤な又は生命
に危険を及ぼ
すような事象
が起こるおそ
れがあるので
併用しないこ
と.
機序
・危険因子
本剤のチトクロ
ームP450に対す
る競合的阻害作
用により,併用
した場合これら
の薬剤の血中濃
度が大幅に上昇
することが予測
される.
ジアゼパム [セルシン等]
クロラゼプ酸二カリウム[メンドン]
エスタゾラム [ユーロジン等]
フルラゼパム,フルラゼパム塩酸塩
[インスミン,ダルメート等]
トリアゾラム [ハルシオン等]
ミダゾラム [ドルミカム等]
過度の鎮静や
呼吸抑制等が
起こるおそれ
があるので併
用し ないこ
と.
本剤のチトクロ
ームP450に対す
る競合的阻害作
用により,併用
した場合これら
の催眠鎮静剤及
び抗不安剤の血
中濃度が大幅に
上昇することが
予測される.
ボリコナゾール [ブイフェンド]
ボリコナゾー
ルの血中濃度
が低下したと
の報告がある
ので併用しな
いこと.
本剤のチトクロ
ーム P450 の誘導
作用によるもの
と考えられてい
る.
(2)併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等
臨床症状・措置方法
フェンタニル,フェンタニル これら薬剤の血中濃度
が上昇するおそれがあ
クエン酸塩
る.これら薬剤の副作
リドカイン塩酸塩
用が発現しやすくなる
エリスロマイシン
おそれがあるため,充
カルバマゼピン
分な観察を行いながら
イトラコナゾール
慎重に投与し,必要に
ケトコナゾール
応じて減量や休薬等の
ミコナゾール
適切な措置を講ずるこ
キニーネ
と.
カルシウム拮抗剤
(アムロジピンベシル酸塩,
ジルチアゼム塩酸塩,フェロ
ジピン,ニカルジピン塩酸塩,
ニフェジピン,ニソルジピン,
ニトレンジピン,ベラパミル
塩酸塩,ニルバジピン等)
タモキシフェンクエン酸塩
トレミフェンクエン酸塩
ブロモクリプチンメシル酸塩
シンバスタチン
アトルバスタチンカルシウム
水和物
ロバスタチン(国内未発売)
クラリスロマイシン
シクロスポリン
タクロリムス水和物
エベロリムス
デキサメタゾン
シルデナフィルクエン酸塩
[バイアグラ]
タダラフィル[シアリス]
ゲフィチニブ
ダサチニブ
ニロチニブ
イリノテカン塩酸塩水和物
ビンカアルカロイド系抗悪性
腫瘍剤
(ビンクリスチン硫酸塩,ビ
ンブラスチン硫酸塩等)
アルプラゾラム
サルメテロールキシナホ酸塩
機序・危険因子
薬剤名等
本剤が CYP3A に
おけるこ れら薬
剤の代謝 を競合
的に阻害 するた
めと考え られて
いる.
リファンピシン
本剤の血中濃度が減 リファンピシンが
少するおそれがある. CYP3A を誘導する
ためと考えられて
いる.
セイヨウオトギリソウ
(St.John’s Wort, セン
ト・ジョーンズ・ワート)
含有食品
本剤の代謝が促進さ
れ血中濃度が低下す
るおそれがあるので,
本剤投与時はセイヨ
ウオトギリソウ含有
食品を摂取しないよ
う注意すること.
フルコナゾール
ホスフルコナゾール
キヌプリスチン・ダルホ
プリスチン
ジスルフィラム,シアナ
ミド,メトロニダゾール
等のジスルフィラム様
作用を有する薬剤
タバコ
ジダノシン
(腸溶性カプセル剤を
除く)
ジドブジン
ジゴキシンの血中濃
度が有意に増加した
との報告がある.ジゴ
キシンの血中濃度モ
ニタリングを行うな
ど注意すること.
本剤の P 糖蛋白質
阻害作用によるも
のと考えられてい
る.
トラゾドン塩酸塩
トラゾドンの血中濃
度が上昇し,悪心,め
まい,低血圧,失神を
起こす可能性がある
ので,本剤と併用する
場合は,患者の状態に
注意し,必要に応じて
トラゾドンの減量等
を考慮すること.
本剤が CYP3A にお
けるトラゾドンの
代謝を競合的に阻
害するためと考え
られている.
デラビルジン
ロペラミド塩酸塩
ロペラミドの血中濃度 機序不明
が上昇するおそれがあ
る.
テオフィリン
エチニルエストラジオー
ル
エストラジオール安息香
酸エステル
これら薬剤の血中濃度
が減少するおそれがあ
る.これら薬剤の増量
が必要となる場合があ
る.
本剤がこれら薬剤
の肝薬物代謝酵素
を誘導するためと
考えられている.
-6-
ジスルフィラムある † 本剤がエタノ
いはシアナミド-アル
ール 12%を含有
コール反応を起こす
するため.
おそれがある.
††本剤がエタノ
ール 43%を含
有するため.
喫煙により本剤の AUC 機序不明
が減少するおそれが
ある.
ジダノシンは pH 調整剤が処方されてお
り,本剤と併用した場合,胃内 pH の上昇
により本剤の溶出性が低下するため,本剤
との投与間隔を 2.5 時間以上あけること.
ジゴキシン
エファビレンツ
ワルファリンの血中濃 肝薬物代 謝酵素
度に影響を与えるおそ の関与が 考えら
れがある.頻回な INR れるが機序不明.
のモニタリングを行う
ことが望ましい.
セイヨウオトギリ
ソウにより誘導さ
れた肝薬物代謝酵
素(チトクローム
P450)が本剤の代
謝を促進し,クリ
アランスを上昇さ
せるためと考えら
れている.
本剤の血中濃度が上 こ れ ら 薬 剤 が
昇するおそれがある. CYP3A における本
剤の代謝を競合的
に阻害するためと
考えられている.
本剤がグルクロン
酸抱合を誘導する
ためと考えられて
いる.
ロスバスタチンカルシウ ロスバスタチンの血中 機序不明
ム
濃度が上昇するおそれ
がある.
ワルファリンカリウム
機序・危険因子
本剤との併用により
ジドブジンの Cmax 及
び AUC がそれぞれ減
少するとの報告があ
る.
本剤の血中濃度が減
少するおそれがある.
ネビラピン
フルチカゾンプロピオン酸 これら薬剤の血中濃度
が上昇するおそれがあ
エステル
る.本剤とフルチカゾ
ブデソニド
ンとの併用において,
クッシング症候群,副
腎皮質機能抑制等が報
告されているので,併
用は治療上の有益性が
これらの症状発現の危
険性を上回ると判断さ
れる場合に限ること.
臨床症状・措置方法
ネビラピンが
CYP3A を誘導する
ためと考えられて
いる.
本剤及びエファビレ 機序不明
ンツの血中濃度が上
昇するおそれがある.
高頻度に有害事象が
発生する可能性があ
るので,臨床検査値等
のモニタリングを行
いながら慎重に投与
すること.
本剤の血中濃度が上 デラビルジンが本
昇するおそれがある. 剤の代謝を競合的
に阻害するためと
考えられている.
薬剤名等
臨床症状・措置方法
サキナビルメシル酸塩
サキナビルのCmaxが
20倍以上,AUCが50倍
以上上昇するとの報
告がある.
イ ンジ ナビル 硫酸 塩 エ
タノール付加物
インジナビルの血中
濃度が上昇するとの
報告がある.
腎・尿路結石の副作
用が発現しやすくな
るおそれがある.適
切な水分補給と患者
のモニタリングを行
うこと.
〔「薬物動態」
の項参照〕
ネルフィナビルメシル酸
塩
ネルフィナビルの血
中濃度が上昇すると
の報告がある.〔「薬
物動態」の項参照〕
その他の HIV プロテアー
ゼ阻害剤(アンプレナビ
ル,アタザナビル硫酸塩
等)
これら薬剤の血中濃
度が上昇するおそれ
がある.
マラビロク
マラビロクの血中濃
度が上昇するおそれ
がある.
機序・危険因子
2%以上
消化器
悪心
下痢
嘔吐
腹痛
消化不良
食欲不振
鼓腸
口渇
げっぷ
潰瘍性口内炎
精神神経 異常感覚
系
頭痛
めまい
傾眠
不眠
不安
本剤が CYP3A によ
るこれら薬剤の代
謝を競合的に阻害
するためと考えら
れている.
感覚器
4.副作用
承認時:国内臨床試験での総症例 118 例中 87 例(73.7%),303
件に副作用が認められた.主な副作用(5%以上)は悪心 40 件
(33.9%),下痢 30 件(25.4%),異常感覚 23 件(19.5%),嘔
吐 17 件(14.4%),口周囲感覚異常 15 件(12.7%),肝機能異常
14 件(11.9%),食欲不振 14 件(11.9%),味覚倒錯 9 件(7.6%),
CK(CPK)上昇 7 件(5.9%),倦怠感 6 件(5.1%)であった.ま
た,血友病患者における出血事象が 24.7%(発現症例数/血友
病症例数)に認められた.
再審査申請時:使用成績調査での総症例 915 例中 446 例
(48.7%)
,
974 件に副作用が認められた.主な副作用(5%以上)は高脂血症 84
件(9.2%)
,悪心 70 件
(7.7%),
血中ビリルビン増加 56 件
(6.1%),
下痢 54 件(5.9%),血中トリグリセリド増加 53 件(5.8%)で
あった.
(1)重大な副作用
次のような症状があらわれた場合には,投与を中止するなど
適切な処置を行うこと.
1)錯乱,痙攣発作(痙攣:0.1%):錯乱,痙攣発作があらわ
れることがある.
2)脱水(頻度不明):下痢等に伴い,脱水,電解質異常があら
われることがある.
3)高血糖(0.2%),糖尿病(0.8%):高血糖,糖尿病及び糖
尿病の悪化があらわれることがある.
4)肝炎(0.1%),肝不全(0.1%):肝炎,肝不全があらわれ
ることがある.
5)過敏症(頻度不明):アナフィラキシー,皮膚粘膜眼症候群
があらわれることがある.
6)出血傾向(15.5%):本剤投与による治療中に,突発性の出
血性関節症をはじめとする出血事象の増加が血友病患者
で報告されているので,このような症状があらわれた場合
には原疾患を考慮して,血液凝固因子を投与するなど適切
な処置を行うこと.
(2)その他の副作用
次の症状があらわれた場合には,症状に応じて適切な処置を
行うこと.( )内は海外での第Ⅱ及び第Ⅲ相臨床試験にお
いて,本剤の投与により 2%以上の患者(1,033 例中)に認めら
れた副作用の発現率をあらわす.
2%未満
便秘
食道炎
嚥下障害
膵炎
神経過敏
倦怠感
抑うつ
思考異常
末梢神経障害
異夢
失神
振戦
性欲減退
インポテンス
口周囲感覚異常
ぶどう膜炎
(26.6%) 視覚異常
味覚倒錯
(11.4%) 眼痛
知覚過敏
(5.1%) 嗅覚錯誤
耳鳴
全身症状 無力症
発熱
疼痛
多汗
体重減少
肝 臓
(47.5%)
(44.9%)
(23.6%)
(11.6%)
(9.4%)
(8.9%)
(4.3%)
(2.9%)
(2.2%)
(2.0%)
(21.5%)
(15.5%)
(9.3%)
(5.1%)
(4.3%)
(2.7%)
(22.3%)
(4.8%)
(4.7%)
(3.4%)
(2.3%)
頻度不明
アミラーゼ上昇
網膜炎
悪寒
体脂肪の再分布/蓄
胸痛
積(胸部,体幹部の脂
背部痛
肪増加,末梢部の脂肪
インフルエンザ 減少,野牛肩)
様症候群
肝機能検査異常
胆汁うっ滞性黄疸
(2.8%)
呼吸器
咽頭炎
咳
(9.8%) 呼吸困難
(2.0%)
過敏症
発疹
そう痒
(7.6%) アレルギー反応
(3.8%)
循環器
血管拡張
(8.8%) 末梢血管障害
末梢性浮腫
心悸亢進
頻脈
低血圧
代謝・
栄養
高脂血症
(4.5%) 高 コ レ ス テ ロ 血中尿酸上昇
ール血症
トリグリセライド上
昇
筋骨格
筋肉痛
(2.8%) 関節痛
関節症
筋力低下
筋痙直
皮 膚
斑状丘疹性皮疹
皮膚乾燥
(2.8%) ざ瘡
PR 間隔延長
CK(CPK)上昇
血 液
白血球減少
貧血
リンパ節症
血小板減少
好中球減少
好酸球増加
腎 臓
排尿障害
腎不全
BUN 上昇
クレアチニン上昇
腎機能障害
5.高齢者への投与
本剤は,主として肝臓で代謝される(「薬物動態」の項参照)が,高
齢者では肝機能が低下していることが多いため高い血中濃度が持
続するおそれがあるので,用量に留意して慎重に投与すること.
6.妊婦,産婦,授乳婦等への投与
(1)動物実験(ラット)で,胎盤を通過して胎児へ移行することが
報告されているので,妊婦又は妊娠している可能性のある婦
人には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合
にのみ投与すること.
(2)他の HIVプロテアーゼ阻害剤(インジナビル硫酸塩エタノール
付加物)で乳汁中への移行(ラット)が報告されているので,授
乳婦に投与する場合には,授乳を中止させること.
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7.小児等への投与
小児等に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない).
8.過量投与
本剤の過量投与が明白又は疑われた場合には,できるだけ速やか
に胃洗浄等の適切な処置を行うこと.
9.適用上の注意
†(1)本剤は,冷蔵庫内(2~8℃)で保存すること.なお,携帯等の
目的で一時的に冷蔵庫外に出す場合,25℃以上を避けること.
††(1)本剤は高温,低温(冷蔵)を避け,20~25℃で保存すること.ま
た,本剤の容器はキャップをきつく締め,保存及び患者への
処方には他の容器を用いないこと.なお,本剤はよく振って
から服用すること.
††(2)本剤の苦みはココアミルクと混合し,1 時間以内に服用する
と軽減される.
†(2)本剤の吸収に対する制酸剤の影響は検討されていない.
††(3)本剤の吸収に対する制酸剤の影響は検討されていない.
10.その他の注意
(1)海外において,本剤とサキナビルメシル酸塩を併用中の患者
で糖尿病性ケトアシドーシスが発現したとの報告がある.
(2)ラットの反復投与毒性試験において,25mg/kg/日投与で単細
胞壊死を含む肝障害が認められ,この変化は 3 ヵ月の休薬に
よっても回復しなかったとの報告がある.
(3)ラットの反復投与毒性試験において,75mg/kg/日投与で網膜
色素上皮細胞の肥大等の網膜障害が認められ,この変化は 3
ヵ月の休薬によっても回復しなかったとの報告がある.
(4) 2 年 間 長 期 投 与 が ん 原 性 試 験 で , 雄 性 マ ウ ス の 高 用 量
200mg/kg/日群において肝細胞性腫瘍の発生頻度に有意な増
加が認められたとの報告がある.
(文中凡例)
†印:ソフトカプセル添付文書の記載
††印:内用液添付文書の記載
無印:ソフトカプセル、内用液共通の記載
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