日本版スチュワードシップ・コード遵守に関する声明

日本版スチュワードシップ・コード遵守に関する声明
2015 年 6 月
オービス・インベストメント・マネジメント・リミテッドおよびそのグループ内の関係会社(以下、総称して
「当社」といいます)は、当社の行う日本の上場株式に対する投資について、「「責任ある機関投資家」の
諸原則<日本版スチュワードシップ・コード>」を受け入れることを表明いたします。
本声明は、当社が、日本版スチュワードシップ・コードの諸原則をどのように実践していくかの概要を示
しています。
受託者責任を負う資産運用会社として、当社はお客様に対するスチュワードシップ責任を認識していま
す。当社には、運用するファンド(以下「オービス・ファンド」といいます)の利益を最大化する責任があり
ます。したがって、当社は、オービス・ファンドの運用ポートフォリオの経済的価値を保全し、またそれを
可能な限り増大させることができるような形で運用アプローチを適用すべく努めています。
当社の日本版スチュワードシップ・コードにおける 7 つの原則に対する方針の骨子は、以下の通りです。
原則 1. 機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たすための明確な方針を策定し、これを公表すべ
きである。
当社は、スチュワードシップ責任をどのように果たすかについて、お客様にご説明するために、この
スチュワードシップ・コード遵守に関する声明を作成しました。
本声明は、当社ウェブサイト www.orbis.com 上に公表されています。また、当社のスチュワードシッ
プへの取組みは、議決権行使方針に反映されており、こちらも当社ウェブサイト上に公表されてい
ます。ご質問は、[email protected] までお問い合わせください。
原則 2.
機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たす上で管理すべき利益相反について、明確な
方針を策定し、これを公表すべきである。
当社とお客様の間で生じうる利益相反は、当社とお客様の利害を一致させるために、戦略的に構
築した成功報酬および株式アナリストの報酬体系によって大幅に軽減されます。当社がお客様か
ら得る全ての収益は、主として運用パフォーマンスに基づいており、当社の株式アナリストの報酬
は、株式アナリストがお客様のために創出した長期の運用パフォーマンスに基づいています。それ
ゆえ、当社および当社の株式アナリストどちらにも、オービス・ファンドに長期投資するお客様の投
資持分の価値を守り、最大化するように直接誘引されています。当社は、個々の投資先企業を担
当する株式アナリストに対して、株主議決権を行使するにあたり、当社のお客様の利益を最大化す
るように考え、提案するよう求めています。
当社の組織構造上の他の特徴も、スチュワードシップとの関連で利益相反を軽減する役割を果た
しています。すなわち、株式を非公開とし、資産運用業およびそれに関連するオペレーションのみ
に特化した企業グループとして、利益相反を生じさせるような他の事業上の利害関係を有しており
ません。また、プールド・ファンドの運用のみを行う運用会社という立場により、個別投資一任契約
の運用を行う運用会社が直面するような、投資先企業の経営に関して異なる見解を有する顧客間
に生じる利益相反の問題を回避することができます。
しかし、それでもなお、利益相反は起こりうる場合があります。例えば、オービス・ファンドの投資先
企業またはその関連会社との間に、当社がなんらかの業務上の関係を有する場合、またそれら企
業が当社のお客様としてオービス・ファンドに投資を行う場合です。認識された利益相反は留意さ
れ、当社の取る行動がこの利益相反に影響されることなく、ただお客様の最善の利益を目的とする
ものであることが確保されるよう、注意が払われます。
原則 3. 機関投資家は、投資先企業の持続的成長に向けてスチュワードシップ責任を適切に果たすた
め、当該企業の状況を的確に把握すべきである。
ファンダメンタルズ分析を行う当社アナリストは、投資先企業に対する継続的なモニタリングを行い、
投資判断を下すための初期の分析、またその後の継続的な分析を行う際には、経営および事業の
妥当性について、環境、社会、また企業統治の面から、またそれらに限定されることなく検証を行
います。
原則 4. 機関投資家は、投資先企業との建設的な「目的を持った対話」を通じて、投資先企業と認識の
共有を図るとともに、問題の改善に努めるべきである。
ファンダメンタルズ分析を行う当社の株式アナリストは、投資先企業の本源的価値および成長可能
性を損なうおそれがあると考える問題、またそれ以外にオービス・ファンドに投資するお客様の利
益と対立するような問題について、可能な限り積極的に経営者と対話(エンゲージメント)を行いま
す。そのようなケースにおいては、上層部経営陣への面談を行うか、または文書により当社として
の懸念を表明します。また、当社が有する株主議決権を行使し、経営陣の交代を試みることもあり
ます。もし、当社の懸念に対する経営陣の対応が満足いくものではなく、また彼らのスタンスに変更
される可能性がほとんど見られない場合は、リスク考慮後のリターンを最大化するという受託者責
任を貫徹させるべく、当社はポジションを売却します。極端な場合は、変化をもたらすため、また当
社のお客様の利益を守るため、当社の懸念をプレスリリース、またはその他メディアを利用して公
表することも検討します。
それがお客様の利益にとって最善であると当社が考える場合、関連法域において適用される準拠
法および諸規則に基づき、他の投資家と協働して「集団的エンゲージメント」を行っており、今後も
行ってまいります。これにより当社の対話(エンゲージメント)の効果を高め、またお客様の利益を
守ります。
当社は、複数の業界団体に加入しており、また議決権行使助言会社と定期的に意見交換するほ
か、スチュワードシップ活動のための民間での取り組みに関与しています。これにより、スチュワー
ドシップおよび企業統治に関する対話に参加する機会を確保しています。
原則 5. 機関投資家は、議決権の行使と行使結果の公表について明確な方針を持つとともに、議決権
行使の方針については、単に形式的な判断基準にとどまるのではなく、投資先企業の持続的成長に資
するものとなるよう工夫すべきである。
当社は、株式投資家にとって株主議決権が重要な権利であると認識しており、それが当社のお客
様にとって最善の利益となるよう行使します。
当社は、運用会社として、投資意思決定を外部の第三者に委ねることが一切ないのと同様に、議
決権行使の意思決定も外部に委託するべきではないと考えています。当社は議決権行使助言会
社に意思決定を委譲することはせず、また議決権行使判断を行うにあたり、定型的な確認項目を
ひとつひとつチェックしていくような、機械的な判断を行うための基準を設けておりません。このよう
に、積極的に議決権行使の意思決定を行うことは、当社の運用哲学および当社のお客様の長期
の利益に合致するものと考えております。
当社の議決権行使方針は、オービス・ファンドにおいて保有する株式の議決権行使の考え方、また
行使結果の公表についての概要を示しています。この議決権行使方針は、当社ウェブサイト
www.orbis.com においてご覧いただけます。
原則 6.
機関投資家は、議決権の行使も含め、スチュワードシップ責任をどのように果たしているのか
について、原則として、顧客・受益者に対して定期的に報告を行うべきである。
当社は、四半期毎の詳細な議決権行使結果報告をお客様に対して作成しています。これは、当社
ウェブサイトにおける「お客様の口座(Your Account)」からご覧いただくか、またはお申し出に応じ
てご提供しています。
スチュワードシップ責任に関する取り組みに関する報告書は、最低年次で作成し、同様にお客様に
対してご提供しています。
原則 7. 機関投資家は、投資先企業の持続的成長に資するよう、投資先企業やその事業環境等に関
する深い理解に基づき、当該企業との対話やスチュワードシップ活動に伴う判断を適切に行うための実
力を備えるべきである。
当社の運用哲学の核心は、当社が判断する企業の本源的価値と比較して、それよりはるかに低い
価額で取引されている株式(運用戦略によっては債券も含まれます)を見つけ出すことにあります。
対象企業およびその事業環境に関する深い理解ならびに投資判断を行うべき実力を備えることは、
このような運用哲学を実践するため必要不可欠です。また、当社の株式アナリストは、運用プロセ
スの一環として、対象企業の経営および事業に関わる、認識された全ての問題の影響について分
析を行います。
この分析は、最初の投資に先立って、また投資開始後継続的に行われ、それらの問題が企業の本
源的価値または成長期待にとって阻害要因となるかどうかを判断しています。この判断を行うにあ
たり、必要であると考えたときは、当社アナリストは積極的に投資先企業の経営陣との対話を行い
ます。
当社のスチュワードシップ・コードへの対応方針は、年次で、また必要に応じ随時見直されます。本ステ
ートメントは概要のみを記載しています。詳細なご質問は、当社クライアント・サービス・チームまで
e-mail ([email protected] )にてお問い合わせください。