~マスター管理の詳細情報~ 1. マスター管理 搬送手段マスター、チームマスター、稼働時間マスターの設定画面を起動さ せる「マスター設定」メニューが追加されました。搬送手段リソース、作業者 リソース、稼働時間を設定するには、「マスター設定」から各マスターの項目 を選択し、設定画面を起動してください(図1-1参照)。 図1-1 マスター設定 2. 搬送手段マスターの設定方法 搬送手段リソースの設定を行うには、「マスター設定」から「搬送手段マス ター」を選択し、搬送手段マスター設定を表示させてください(図2-1参 照)。 図2-1 搬送手段マスター設定の表示 新規に搬送手段リソースをマスターに登録する場合、搬送手段マスター設定 の右クリックメニューから「新規作成」を選択してください。新規に作成され た搬送手段にはパラメータを入力してください(図2-2参照)。各パラメー タの内容は表2-1に示します。同様の手順により、複数の搬送手段リソース を搬送手段マスターに登録することができます。 図2-2 搬送手段リソースの新規作成 項目 アイコン ID 名前 幅[mm] 長さ[mm] 速度[km/h] 表2-1 搬送手段リソースのパラメータ 説明 アニメーション中に表示されるアイコン 搬送手段リソースの ID ※固有の値を入力してください 搬送手段リソースの名前 搬送手段リソースの幅 搬送手段リソースの長さ 搬送手段リソースの移動速度 搬送手段マスターから登録済みの搬送手段リソースを削除するには、搬送手 段リソースの右クリックメニューから「削除」を選択してください(図2-3 参照)。 図2-3 搬送手段リソースの削除 搬送手段マスターに登録された搬送手段リソースの並びを変更するには、右 クリックメニューから「上へ移動」もしくは「下へ移動」を選択してください (図2-4参照)。 図2-4 搬送手段マスターの並び替え(上へ移動) 3. 稼働時間マスターの設定方法 稼働時間の設定を行うには、「マスター設定」から「稼働時間マスター」を 選択し、稼働時間マスター設定を表示させてください(図3-1参 照)。稼働時間マスター設定の左側には現在、登録されている稼働時間名が 一覧表示され、右側には左側で選択した稼働時間名のパラメータが表示されま す。 また、マスターには、初期データとして「Default」という名称の稼働時間名 が登録されています。この「Default」の稼働時間名は削除することができませ んが、パラメータを任意に変更することができます。 初期データとして登録されている「Default」の稼働時間は、チームマスター の稼働時間の初期値となります。 図3-1 稼働時間マスター設定の表示 新規に稼働時間名をマスターに登録する場合、稼働時間マスター設定の下側 にある「追加」ボタンをクリックしてください。クリックすると「Untitled1」 という名称で稼働時間名が新規に登録されます(図3-2参照)。新規に登録 された稼働時間名の初期値は下記となります。追加された稼働時間名にパラメ ータを設定してください。各パラメータの内容は表3-1に示します。同様の 手順により、複数の稼働時間名を稼働時間マスターに登録することができま す。 ・開始時間=0:00 ・終了時間=0:00(開始時間の 24 時間後) ・終了動作=終了時刻で中断する 図3-2 稼働時間名の新規作成 表3-1 稼働時間名のパラメータ 項目 開始時間 終了時間 終了動作 説明 稼働を開始する時間 稼働を終了する時間 稼働終了時の動作 ※詳細は機能マニュアルの14-4をご確認ください。 稼働時間マスターから登録済みの稼働時間名を削除するには、稼働時間名の 名称の右側に表示される「×」ボタンをクリックして下さい(図3-3参 照)。 図3-3 稼働時間の削除 一つの稼働時間名には、複数の時間帯を定義することができます。稼働時間 名に稼働時間帯を追加するには、右クリックメニューから「追加」を選択して ください(図3-4参照)。同様の手順により、複数の稼働時間帯を稼働時間 名に登録することができます。 図3-4 稼働時間名の稼働時間帯を追加 稼働時間名で設定された稼働時間帯を削除するには、稼働時間帯の右クリッ クメニューから「削除」を選択してください(図3-5参照)。 図3-5 稼働時間の時間帯を削除 稼働時間名に対して複数の稼働時間帯を設定したとき、各稼働時間帯の終了 時間から次の稼働時間帯の開始時間までが稼働しない時間、すなわち、休憩時 間となります。また最後の稼働時間帯の終了時間が終業時間となります。 図3-6の例で表示している「Default」の稼働時間名で働く作業者リソース がいる場合、8:00 から 12:00 まで働き、そこから 13:00 まで休憩、その後 7:00 まで働き、帰宅するという動作を行うこととなります。 図3-6 稼働時間名の具体例 4. チームマスターの設定方法 チームマスターの設定を行うには、「マスター設定」から「チームマスタ ー」を選択し、チームマスター設定を表示させてください(図4-1参照)。 チームマスター設定のチーム欄には現在、登録されているチームの一覧が表示 され、メンバー欄にはチーム欄で選択したチームのメンバーの一覧が表示され ます。マスターには、初期データとして名前が空のチームが登録されていま す。 マスターに登録するチームにはパラメータを入力してください。各パラメー タの内容は表4-1に示します。 図4-1 チームマスター設定の表示 表4-1 チームのパラメータ 項目 名前 稼働時間 要員数 説明 チームの名前を入力してください。 チーム欄で固有の値を入力してください。 チームの稼働時間名を設定してください。(次ページ参照) 本項目は設定する必要はありません。 メンバーに登録された作業者リソースの人数を表示します。 チームの稼働時間の初期値は、稼働時間マスターのリストのトップに登録さ れている稼働時間名です。稼働時間マスターに複数の稼働時間名が登録されて いる場合は、チームの稼働時間をクリックすることにより、別の稼働時間名を プルダウンメニューから設定することができます(図4-2参照)。 チームに登録されたメンバーは全員、チームに登録された稼働時間名の稼働 時間の範囲で稼働します。 図4-2 チームの稼働時間の設定 新規にチームをマスターに登録する場合、チームマスター設定のチーム欄の 右クリックメニューから「追加」を選択してください。クリックするとチーム の名前を新規に登録することができます(図4-3参照)。同様の手順によ り、複数のチームをチームマスターに登録することができます。 図4-3 チームの新規作成 チームマスターから登録済みのチームを削除するには、チームの右クリック メニューから「削除」ボタンをクリックして下さい(図4-4参照)。 図4-4 チームの削除 チームマスターに登録されたチームの並びを変更するには、右クリックメニ ューから「上へ移動」もしくは「下へ移動」を選択してください(図4-5参 照)。 図4-5 チームの並び替え(上へ移動) チームに対してメンバーとなる作業者リソースを新規に登録する場合、チー ムマスター設定のメンバー欄の右クリックメニューから「追加」を選択してく ださい。クリックすると名前が空の作業者リソースが新規に登録されます。チ ームマスターに登録する作業者リソースにはパラメータを入力してください (図4-6参照)。各パラメータの内容は表4-2に示します。 同様の手順により、複数の作業者リソースをチームマスターに登録すること ができます。 図4-6 作業者リソースの新規作成 表4-2 作業者リソースのパラメータ 項目 名前 速度[m/s] レート値 説明 作業者リソースの名前を入力してください。 作業者リソースの移動速度を設定してください。 作業者リソースの熟練度を入力してください。 チームマスターから登録済みの作業者リソースを削除するには、対象の作業 者リソースの右クリックメニューから「削除」ボタンをクリックして下さい (図4-7参照)。 図4-7 作業者リソースの削除 チームマスターに登録された作業者リソースは、パラメータのタイトルをク リックすることによりソートすることができます(図4-8参照)。 図4-8 作業者リソースのソート 5. ステーション・アクティビティの要員割当方法 ステーション・アクティビティの「割当」をクリックし、要員割当設定を表 示させてください(図5-1参照)。要員割当設定の各パラメータについては 表5-1に示します。 図5-1 要員割当設定 表5-1 要員割当設定のパラメータ 項目 作業要員数 作業者リソース 説明 対象のステーション・アクティビティを実行するために必 要な作業者数を入力してください。 ステーション・アクティビティを担当させる作業者リソー スを選択してください。 作業者リソースは、必ず作業要員数以上の人数を選択してください。 ステーション・アクティビティの実行時には、選択した作業者群を対象とし て、アイドル状態の作業者リソースの中から、設定された作業要員数だけをシ ミュレータが自動的に選択して、作業に割り当てます(図5-2参照)。 図5-2 選択した作業者群による割り当て 作業者リソースはチーム単位で割り当てることも可能です。その場合はチー ム欄の作業を割り当てるチームを選択してください(図5-3)。選択された チームのアイドル状態の作業者リソースの中からから、設定された作業要員数 だけをシミュレータが自動的に選択して、作業に割り当てます。 図5-3 チーム単位での割り当て 選択した作業者リソース数が作業要員数未満の場合には、「選択」ボタンを クリックすると、エラーメッセージが表示されます(図5-4参照)。 図5-4エラーメッセージ ~ステーション・アクティビティのビヘイビア追加~ 1. 新規のビヘイビアを追加 ステーション・アクティビティのビヘイビアに「Order Of Priority」を追加し ました。本ビヘイビアでは、ステーションもしくは作業者が複数の要素作業を 担当しているときに、要素作業を選択する優先順位を定義することができま す。 「Order Of Priority」を定義するには、ステーション・アクティビティの実行 条件に下記の内容を入力してください。 ・「Order Of Priority」の定義内容(図1-1の具体例参照) OOP・・・固定文字列 1 ・・・プロセスの優先順位(整数) 10 ・・・優先順位を繰り上げる閾値(整数) 図1-1 ビヘイビア「Order Of Priority」の定義内容 2. ビヘイビア「Order Of Priority」の動作内容 「Order Of Priority」の具体的な動作内容を説明します。図2-1、2のよう に定義されたプロジェクトについて説明します。 図2-1 フロアプランと生産プロセスの具体例 (矢印はステーションと要素作業の関連付け) 図2-2 投入計画の具体例 まず、ステーション・アクティビティの実行条件が未定義の場合、ステーシ ョンF4(以下、F4)が、どのように実行する要素作業の順番を決定してい るのか説明します。 F4には3つの要素作業(検査工程A~C)が関連付けられています。この ときF4内部では、3つの要素作業に対して優先順位が付けられています。そ の優先順位は、投入計画の投入順から決定されています。 現在の例では、投入計画は図2-2のように定義されています。このとき、 F4内部での各要素作業の優先順位は、下記のようになります。 製品Aの要素作業 > 製品Bの要素作業 > 製品Cの要素作業 つまり 検査工程A > 検査工程B > 検査工程C となります。 例1.F4で検査工程A~Cが実行可能なとき、F4は優先順位が最も高い検 査工程Aを実行します。 例2.F4で検査工程B、Cが実行可能なとき、F4は優先順位が高い検査工 程Bを実行します。 例3.F4で検査工程Cのみが実行可能なとき、F4は検査工程Cを実行しま す。 ※上記の例で「要素作業が実行可能なとき」とは、要素作業を実行するために 必要な部品が全て揃っている状態のことを指しています。 次にF4のビヘイビアに対して「Order Of Priority」が定義された場合につい て説明します(設定内容は図2-3参照) F4-検査工程 -検査工程A -検査工程A F4-検査工程 -検査工程B -検査工程B F4-検査工程 -検査工程C -検査工程C 図2-3 各ステーション・アクティビティの実行条件の設定内容 F4は、実行条件に入力された優先順位の値が小さい要素作業を優先しま す。優先順位はそれぞれ検査工程Aが3、検査工程Bが2、検査工程Cが1と 設定されています。そのため、F4内部での要素作業の優先順位は下記となり ます。 検査工程C > 検査工程B > 検査工程A このときの例を以下に示します。 例1.F4で検査工程A~Cがどれも1回ずつ実行可能なとき、F4は優先 順位が最も高い検査工程Aを実行します。 例2.F4で検査工程B、Cがどちらも1回ずつ実行可能なとき、F4は優 先順位が最も高い検査工程Bを実行します。 実行条件で設定されているもう一つのパラメータ「優先順位を繰り上げる閾 値」について、説明します。図2-3では検査工程A~Cは、本閾値がすべて 5回となっています。これは対象の要素作業が5回分、実行可能になった時に は、優先して対象の要素作業を実行するという意味になります。 ここで実行可能回数とは要素作業を実行するために必要な部品が滞留してい る数となります。例えばあるステーションに関連付けられた要素作業があり、 その要素作業を1回実行するために部品Aが1個必要とします。そのステーシ ョンに部品Aが2個滞留しているとき、要素作業の実行可能回数は2回となり ます。また要素作業を1回の実行に部品Aが2個必要とすると、ステーション に部品Aが2個滞留しているとき、その要素作業の実行可能回数は1回となり ます。 以下に「優先順位を繰り上げる閾値」に関する例を示します。簡単のため、 検査工程A~Cは全て1回実行するためには1個の部品が必要であるとしま す。 例1.F4 で検査工程A~Cがどれも5回以上実行可能なとき、F4は優先順 位が最も高い検査工程Cを実行します。 検査工程Aの入力部品 検査工程Bの入力部品 検査工程C 検査工程Cを実行 検査工程Cの入力部品 例2.F4 で検査工程Cが1回実行可能で、検査工程A、Bがどちらも5回以 上実行可能なとき、F4は優先条件を満たす検査工程A、Bから優先順 位が高い検査工程Bを実行します。 検査工程Aの入力部品 検査工程Bの入力部品 検査工程B 検査工程Bを実行 検査工程Cの入力部品 例3.F4で検査工程BとCが1回実行可能で、検査工程Aが5回以上実行可 能なとき、F4は優先条件を満たす検査工程Aを実行します。 検査工程Aの入力部品 検査工程Bの入力部品 検査工程A 検査工程Aを実行 検査工程Cの入力部品 以上
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