RETRO ORGANS 製品情報 ・ イントロダクション・ イントロダクション RetroOrgans は 12,500 以上のサンプル、500 プリセットを合計 3GB の容量を使用したすばらしいサウ ンドのソフトウェアオルガン音源です。UltimateSoundBank の開発チームは、何年もの月日をかけて最 高にして完璧なオルガンサウンドコレクションとそれをシンプルにアクセスして演奏するためのプラグ インの開発に取り組んできました。 まず UltimateSoundBank の開発チームは、見た目にもデザインが良いプラグインを作り、有名なトー ンホイールオルガンをそのロータリースピーカーキャビネットと共に他とは比較にならないほどのクォ リティでサンプリングし、それらをソフトウェア上で全て再現することでした。 現実的に考えてこれ はとても高い理想のように思われますが、元来 UltimateSoundBank ブランドのプラグインはミュージ シャンのニーズを満足させるために生まれたものです。したがって、RetroOrgans のサウンドクオリ ティは、他のオルガンをシミュレートしたインストルメンツでは再現できない領域に達しています。 UltimateSoundBank は、この結果こそが他のどんな機能よりも大切なものと考えています。 Making of Retro Organs 2 ・ヒストリー・ A. RetroOrgans HISTORY 1. クリエイターの紹介 Stephane Briand : サウンドエンジニア Guillaume Tell Studio のサウンドエンジニア。リアルなエレクトリック・オルガンのサウンドを録音す る際に、多大な協力を頂きました。 Stephane は、長期に渡って Guillaume Tell Studio のサウンドエンジニアを務めています。彼はエレクト リックオルガンサウンドの本物のエッセンスを捉える際に、多大な協力を頂きました。 Geoffroy Soulaine: サウンドデザイナー Jeff はオルガンサウンドに対して深い情熱を持っています。キーボードプレーヤーでもあり、サウンド デザイナーでもあります。このプラグインのオリジナルのアイディアは、ある日「ラップトップコン ピューターから簡単に演奏できる太いオルガンサウンド」の夢を見たときから始まりました。 “Jeff” はキーボードプレイヤー、サウンドデザイナーとして、オルガンサウンドにとても強い情熱を持っ ています。この音源のもともとのアイデアは彼の夢でもありました。つまり、「簡単にラップトップコン ピュータから強力なオルガンサウンドにアクセスして演奏する」という欲望です。 Making of Retro Organs 3 ・ヒストリー・ 2.Guillaume Tell Studio RetroOrgans のためのレコーディングセッションは世界でもベストなスタジオのひとつ、フランスの 首都パリにある Guillaume Tell スタジオでおこなわれました。開発チームは、すばらしい音響で有名な Studio A で連日遅くまでオルガンのサウンドの調整と収録に時間を費やし、良いオルガンサウンドを収 録するために、忍耐と高精度が必要な作業をこなしました。 クレジッド Guillaume Tell Studio は、次のアーティストやプロデューサの作品にクレジッドされています。 アーティスト Pedro Abrunhosa, Brian Adams, Charles Aznavour, Joan Baez, Ray Baretto, Jimmy Barnes, Miguel Bose, Busta Flex , Ray Charles, Phil Collins, Deacon Blue, Deep Forest, Depeche Mode, Manu Dibango, Brian Ferry, Fugees, Peter Gabriel, StanGetz, Gipsy King, Charlie Haden, Haris Halexiou, Johnny Hallyday, Latoya Jackson, Jean Michel Jarre, Elton John, Judas Priest, INXS, Iron Maiden, Salif Keita, Michel Legrand, Ute Lemper, Cheb Mami, Helen Meryll, Marcus Miller, Liza Minelli, Eddy Mitchell, Gary Moore, Ozzy Osbourne, Pet Shop Boys, Oxmo Piccino, Prince, Radiohead, Nile Rodgers, Rush, Saint Preux, Debora Seffer, Paul Simon, Simple Minds, Sound Garden, Sting, 3T, Toure Kounda, Vangelis, Roger Waters, Worlds Apart, Yes, Youssou N'Dour… Making of Retro Organs 4 ・ヒストリー・ プロデューサー Georges Acogny, Prince Charles Alexander, Tom Lord Alge, Mario Barreiros, Dave Bascombe, Michael Beinhorn, Steve Boyer, Michael Brauer, Stuart Bruce, Bob Clearmountain, Simon Climie, Bruce Fairbairn, Stephen Hague, A.Harwood, Jon Kelly, Chris Kimsey, Bruce Lampcov, Mick Lanaro, Robert John (Mutt) Lange, Clive Langer, Frank Langolf, Mars Lasar, Hal Lindes, Malcom McLaren, Daniel Miller, Chris Nea , Mark Opitz, Hugh Padgham, Nick Patrick, Phil Ramone, Daniel Richard, Peter Roos, Doug Ryder, Mark Saunders, Ian Taylor, Chris Thomas, Tom Tucker, Tony Visconti, Don Was, Alan Winstanley, Youth… Making of Retro Organs 5 ・機材とテクニック・ B. 機材とテクニック 1. 機材リスト RetroOrgans のサウンドは、次の機材を使用して収録しています。 楽器(オルガン) オルガンは、我々が知る限りベストな状態の最も有名なエレクトリックオルガン(オリジナルの 40 年代 のスペックに戻したもの)使用しました。さらに他の有名なヨーロッパ製のエレクトリックオルガンも 完全なコンディションで収録しました。また、オルガンと同様に素晴らしいビンテージのロータリース ピーカーシステムも完璧な状態で収録に使用しました。 さらに、幾つかのプリセットには、Marshall JTM45、JCM800、Plexi、Fender Bassman、Twin Reverb、 Matchless Chieftain、Soldano Hot Rod、Vox AC30 などのギターアンプを通じてサウンドも収録されて います。 マイクロフォン Neuman U87、U67、U47 FET、Sennheiser MD421、AKG C414 が、実際のレコディングと同様のセッティ ングで収録に使用しました。 アウトボード機器(コンプレッサー、マイクプリアンプなど) Tubetech、Avalon AD2044、UREI 1176、Neve Prism、Jensen 990、Manley Variable-Mu、Manley Massive Passive、SSL 9000、Manley Direct Box、Avalon U5 オーディオインターフェースとコンバータ Apogee AD-800(TEFLON ハンダの特別仕様) 、MOTU HD192 オーディオソフトウェア MOTU Digital Perfomer、MachFive、BIAS Peak、Waves、Infinity Making of Retro Organs 6 ・機材とテクニック・ 2. マイクロフォンの設定 様々なセッティングを試みた後、次の方法でレコーディングをおこないました。 まず、2つのメインマイクは直角に設置し、1つはロータリースピーカに直接向き、もう1つは、横に 向けています。さらにもう1本のマイクロフォン(通常は Neuman の U47FET)で低域を収録します。 2本のメインマイクは、ロータリースピーカーから 30 〜 60cm 離して、スピーカーからのダイレクト サウンドと、ルームのアンビエントがベストな形になるように設置しました。この距離は非常に大切で、 マイクをより離すとサウンドは、立ち上がりが遅くなり、不自然な響きをします。 すべてのオルガンサウンドが、アタックからリリースが衰弱してなくなるまで、完全に収録しました。 これにより、1音1音が微細なリリース音まで、完全にリアルに再現されます。 また、レコーディング(サンプリング)をおこなう前に、オルガンのキャスターを外して、本体を直接 床に置きました。これは、車輪による振動が、クリーンなサウンドの収録を妨げる要因であるためです。 同じ理由により、ロータリースピーカーもキャスターを外して設置しました。 Making of Retro Organs 7 ・機材とテクニック・ 3. ギターアンプ ロータリースピーカーの換わりに、ギターアンプを使用するテクニックは、様々なアーティストの多く のベストセラーアルバムでよく使われ、成功を収めています。このアプローチにより、これまでのオル ガンエミューレタとは違う、新たなサウンドを得ることができました。そのあたたかで、アンプ特有の コンプレッションとディストーションや、スピーカーコーンのコンプレッションは、得難いものがあり ます。 4. DI ボックス オルガンの出力を、D.I. ボックスを使用して直接レコーディングもしました。ロータリースピーカーを使 用しない純粋なサウンドも録音することで、プラグインエフェクトや外部エフェクトなどでの音作りや 処理可能なサウンドもプリセットとして収録しています。 Making of Retro Organs 8 ・サンプリング・ C. サンプリング : リアルなサウンドを収録する最高の手法 ここでいうオルガンとはハモンドオルガンを指し、アメリカ人のローレンスハモンド氏が開発した電気オ ルガンのことです。 この楽器の原理は、トーンホイールという内部にある歯車を一定速度で回して音を出 すという仕組みでしたが現在ではトーンホイールを使用したハモンドオルガンは生産されていません。 しかし、その人気は根強く今でもいろいろなジャンルで使用されています。他社のオルガン音源はこの サウンドを再現するためにモデリング技術を採用していますが、UltimateSoundBank はあえて “サンプ リング” という違うアプローチをとりました。本当にリアルなサウンドやロータリースピーカーの動き を正確に再現するには、サンプリングが最適であると判断したからです。と同時に長年の経験によって、 精度やリアリズムにおいて、ハイクォリティレベルでのサンプリングに勝るものは無いとも確信してい ます。 これを念頭におき、完璧なレコーディング技術によって、非常に高いレベルでの表現力をサンプルにも たらすことができました。もちろん、サンプリングではドローバーをリアルタイムに操作することはで きませんが、UltimateSoundBank では、ドローバーやその他のパラメータと格闘するよりも、プロによ る豊富なドローバー設定とそれに対するベストなセットアップとサウンドをすぐにお楽しみいただいと 考えています。 Making of Retro Organs 9 ・サンプリング・ 1. ドローバーとは? オリジナルのエレクトリックオルガンは、1つの鍵盤を弾いた際に、内蔵された合計で9つのトーン ホイールでそのサウンドを構成します。それぞれのトーンホイールは、ドローバーと呼ばれるスライド ボリュームで、オンやオフおよび音量を操作します。トーンホイールはオルガンサウンドを生み出すた めの倍音を発生しますので、ドローバーでその倍音成分のバランスを調節してサウンドを決定づけます。 ドローバーは標準の倍音構成;例えば、基音、オクターブ、12 度、15 度、17 度、19 度、そして 22 度で 配置されています。これに加えてサブ基音とサブ 5 度(アンダートーンと呼ばれます)が追加され、音 にパンチをあたえます。 純粋なサイン波形のコンビネーションからサウンドを生成することが可能なのは、有名なトーンホイー ルオルガンだけです。それによって、オルガンプレイヤーはリアルタイムにそれぞれのハーモニックレベル をコントロールできます。 他のエレクトリックオルガンは、ほぼすべていわゆる “減算方式” の発音方式で、(矩形波や三角波、 もしくはより複雑な波形による)倍音豊かな音色をベースに様々なフィルタで倍音成分を取り除いて サウンドを構成します。 Making of Retro Organs 10 ・サンプリング・ 2. ドローバーセッティング プリセットサウンドのドローバーの設定は、ランダムに収録されています。ドローバーの組み合わせに よる音色は最大で約 2 億 5 千 3 百万通りにもなるといわれています。この中から適切なセッティングを 探すには長い時間がかかることになるでしょう。UltimateSoundBank はユーザーが混乱したり、時間を 無駄にしないように、世界中の有名なオルガン&キーボードプレイヤーにインタビューをして、集めら れるだけの情報を集め、最もクリエィティブで音楽的なドローバーセッティングだけを集中してサンプ リングし、プリセットにしました。 3. ロータリースピーカー・キャビネット 一般的なトーンホイールオルガンのサウンドは、ロータリースピーカーシステムと密接な関係にありま す。ロータリースピーカーは、開発者ドン レスリー氏の名をとってレスリースピーカーとも呼ばれます。 このシステムは、もともと部屋のどの位置にいてもサウンドが聴こえるように設計されたアンプ内蔵の スピーカーシステムですが、結果として空間的な広がりとビブラートによって、厚みのある特徴的なサ ウンドになりました。 ロータリースピーカーのサウンドを完全に再現することは、現在のどんなに優れた電子機材を使っても 完全に再現するのは非常に困難なことです。その特徴は似せることはできても細部までのニュアンスは なかなか上手く再現できません。 また、ロータリースピーカー自体とても巨大で重量もあり、(最も有名なもので、寸法が 74 x 104 x 52cm で重量は約 61Kg)運搬や設置が厄介ですが、何者にも代えがたいその豊かで複雑なサウンドは、 既に数多くのアーティストの作品の中で、オルガンサウンドやエフェクトに使われてきました。(例えば ビートルズは “Revolver” 等のレコーディングでは、ボーカルにレスリースピーカーが使用された事は良 く知られています。 このスピーカーシステムは大変ユニークな構造をしています。高音用と低音用の2つのスピーカーが回 転する構造になっています。低音スピーカーは大きな回転ドラムの上に設置され、回転板で形成されて います。高音スピーカーは回転するホーン型のスピーカーを使用しています。ドラムとホーンはそれぞ れ異なるモーターで、異なる割合で回転をします。このような組み合わせによる複雑な構造から生まれ たサウンドは、特徴的かつ神秘的で、今日に至ってもいまだに人々の心に残る魅惑的な効果を演出し続 けます。 Making of Retro Organs 11 ・サンプリング・ なぜ、ロータリースピーカーキャビネットのサウンドはサンプリングしたほうが、音が良いのでしょうか? オルガンサウンドは、ロータリースピーカーキャビネットによって、様々な効果が同時に生み出され、 耳に届きます。 ・ トレモロ効果(アンプリチュード;音量の変化) ・ ビブラート効果(ドップラー効果による微妙な音程変化) ・ フェーズシフト(位相効果) ・ 音色の変化(木製キャビネットのスビーカー回転から音量やピッチの変化だけではなく、一種 のパワー過多のワウワウ効果を生み出します。 ) ・ 反射効果(音像そのものが、側面から側面へ、前面から背面へと3次元空間移動をします。) ・ スピードモジュレーション(ロータリースピーカーシステムの回転速度を変化(速くまたは遅 く)させることで、楽曲を強調したり、色付けしたりします。) ・ サウンドの色づけ(一般的なロータリースピーカーシステムは、真空管式のアンプで音を増幅 します。(有名な “Model122” では 40W の真空管式のアンプを備えていました。)真空管は、 サウンドに暖かみと心地よい歪みをもたらします。それゆえに、サックスやギターにロータリー スピーカーを通したりしていました。かつては、ジョージ ハリスンやエリック クラプトン、ジ ミー ペイジがギターをレスリーに通して鳴らしていました。このような使用方法でも、そのも との楽器の音色にレスリーの特徴を加えたサウンド変化を演出できます。) ロータリースピーカーの高度かつ、大変複雑なサウンドの仕組みとユニークな構造と、その再現性の難 しさを理解いただけたかと思います。 それゆえに、これをサンプリングは、奇跡とも言えるこれらの特徴的な効果の組み合わせによる結果を 忠実に再現する最適な手法なのです。モデリングではそのニュアンスだけで、本物とはほど遠い結果し か得ることはできません。 このように、RetroOrgans は、オルガンやロータリースピーカーの状態管理をはじめ、真空管の温度の 上昇によるサウンドの変化、マイクの設定まで、細部にわたって細心の注意と過酷な作業によって生み 出された、簡単かつ最高クォリティのオルガン音源です。 すべてのプリセットサウンドは、カテゴリごとに細かく収録され、効果やマイクやスピーカーの種類か らサウンドを選ぶことも可能です。もちろんドローバー設定から選択することも可能です。オルガンの 設定だけではなく、スピーカーシステムやレコーディングセットアップまですべてを一括して、変更で きるのは RetroOrgans だけです。 Making of Retro Organs 12 ・最後に・ *HAMMOND、LESLIE、ハモンド、レスリーは、(株)鈴木楽器製作所の登録商標です。 RetroOragans をお楽しみいただければと存じます。 UltimateSoundBank 開発チーム Making of Retro Organs 13
© Copyright 2024 Paperzz