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News
JIKEN CENTER
自研センターニュース
2
FEBRUARY 2008
平成20年2月15日発行 毎月1回15日発行(通巻389号)
昭和51年5月27日 第三種郵便物認可
C
O
N
T
E
N
T
S
テクノ情報 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
トヨタのプラグインハイブリッドカー
2007年度 技術顧問懇談会開催・・・・・・・・・・7
リペアインフォメーションS ・・・・・・・・・・8
日産車修理のワンポイント
輸入車インフォメーション ・・・・・・・・・・15
アルファロメオ アルファ147(937AB)の
合成樹脂部品の補給形態
リサーチング ザ スケルトンズ ・・・・・・・・・16
日産 スカイライン クーペ(CKV36系)
新・事故車修理費見積システム「アウダセブン」・・18
日本アウダテックス社 ・・・・・・・・・・・・19
指数テーブル「2008年2月号」発行のお知らせ
「構造調査シリーズ」新刊のご案内 ・・・・・・・19
2007年ユニバーサル技能五輪国際大会 開催 ・・・18
2007年「構造調査シリーズ」年間発行のご案内 ・・19
ボデーリペア懇談会開催される ・・・・・・・・13
別冊 新型車情報
1 ∼□
12
トヨタ マークX ジオ(10系)
・・・・・・・・・・□
1 ∼□
12
wトヨタ カローラ・ルミオン
(150系)・・・・・・・□
1 ∼□
12
eニッサン スカイライン クーペ(CV36系)・・・・□
付録
自研センターニュース平成17年度(通巻367∼378号)総目次
TECHNO INFORMATION
テクノ情報
トヨタのプラグインハイブリッドカー
自動車工学(鉄道日本社)2007年11月号に有益な情報がありましたので同社の了承のもと、ここに紹
介させていただきます。
日常の車の使い方は、近くの駅までの送迎やその周辺での買い物がほとんどで、長距離走行は休日、
それも時々―――そんなユーザには朗報です。
プラグインハイブリッドカー(Plug in HV)の登場です。登場といっても実用化に向けての公道試験
が開始されたということです。公道走行可能車として認可を受けたテスト車は現行のプリウスがベース
です。
プラグインハイブリッドカーとは
プラグインハイブリッドカー(以下、PHVと略称)は、現行プリウス(ハイブリッドカー、以下、HV
と略称)のEV走行距離を延長し、さらに家庭電源用HVバッテリ充電器(外部電力による充電器)を搭
載した車と考えてください。もっと簡単にまとめると、家庭で充電した電力だけで、できるだけ長い距
離をEV走行することを意図したHVといえます。EV走行は、なんといっても現在の大命題である環境保
護(有害排出ガスの低減)にはいちばんです。しかし、電気自動車(EV)は一般的な自動車に必要な航
続距離、コスト、充電時間、インフラ(インフラストラクチュア=道路側の基礎設備)などの問題があ
ります。一方、HVはEVに比べると環境保護性能は多少劣ります。
EVの普及を阻む問題点は解消されており、PHVはHVとEVの良いとこ取りをした車といえます。
PHVにはEVベースとHVベースがあります。今回トヨタから発表されたPHVは、HVベースです。EV
とHVを含めて、それぞれの特徴を比較して次頁表1に示します。PHVは長い距離のEV走行が可能です
が、それはHVと比べての話です。
今回のモデルのEV走行可能距離は、13Km(10−15モード)です。従って、使用形態のイメージは
次頁図1のようになります。
2
自研センターニュース 2008年 2月号
EV走行可能距離が13Kmと短い感はありますが、多くのマイカーの使用実態からすると十分に効果が
ある距離といえます。この距離の背景には、綿密な使用実態調査と分析の存在があります。もっと長い
にこしたことはないのです。
EV
PHV
PHV
(EVベース)(HVベース)
HV
CO2
◎
○∼◎
○∼◎
○
大気汚染
◎
○∼◎
○∼◎
○
航続距離
×
○
◎
◎
充電時間
×
△
○
◎
(不要)
専用充電
インフラ
×
(要)
×
(要)
コスト
×
△∼×
○
(不要:必要
に応じて)
◎
(不要)
○
◎
表1 PHVのEVベースとHVベースの各特性の比較
近距離:電気
近距離:電気
長距離:ハイブリッド
ハイブリッド
電気
電気
図1 PHVの使用形態のイメージ
PHVの構造
PHVは、家庭用充電器付きEV走行距離延長HVです。従って、プリウスHVに追加すべき装置は、家庭
電源用充電器と家庭電源との接続プラグ(プラグ&ケーブル)だけということになります。ただし、現
行プリウスのHVバッテリの容量では、EV走行可能距離はせいぜい1∼2Kmです。しかも、最高速度は
55Km/hです。
自研センターニュース 2008年 2月号
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従って、HVバッテリも余分に必要になります。今回のPHVには、HVバッテリモジュールがもう1セ
ット追加されます。ニッケル水素式は変更ありません。これでEV走行の最高速度100Km/hと走行距離
13Kmは、立派なものといえます。このHVバッテリの充電に必要な時間は、100V電源なら3∼4時間、
200V電源なら1∼1.5時間とされています。航続距離を現状のままで60Kmに伸ばそうとすると、実に12
個のHVバッテリモジュールを搭載する必要があるといえます。
家庭用電源
エネルギ
ガソリンスタンド
エンジン
バッテリ
モータ
燃料タンク
図2
電池を外部電力で充電し、モータによるEV走行距離を拡大
PHVの種類
先に少し触れましたが、PHVにも種類があります。EVベースとHVベースです。
EVベースは、もともとモータの出力だけであらゆる走行条件をカバーすることが可能にされていま
す。従って、PHVにするために追加が必要になるのは、EVの航続距離を伸ばすための充電用エンジンと
なります。このエンジンは、航続距離をより多く伸ばそうとするほど必要な出力(エンジンの大きさ)
は大きくなります。従って、航続距離の割切りが必要です。HVベースより小型でよいことになります。
また、そのエンジンは燃費効率が、いちばんよい運転領域での一定速度運転(回転数は変化しなくてよ
い)が可能になります。HVベースはもともとHVであり、更にエンジン走行が可能な設計です。そのた
め、PHVにするために必要な追加は、EV走行の航続距離を伸ばすためのバッテリ(容量増強)と家庭電
源用充電器です。両者の比較を図3に示します。
EVベースPHV
EVベースPHV(トヨタPHV)
電気の流れ
力の流れ
電気の流れ
力の流れ
バッテリ
発電機
バッテリ
エンジン
モータ
エンジン
発電機
モータ
図3
4
自研センターニュース 2008年 2月号
PHVのシステムの比較
TECHNO INFORMATION
どちらにするかは、ベース車(ベースシステム)および追加装置のコスト合計と、それにより得られ
るメリットとの比較です。今回のプリウスベースPHVは、HVベースが有利と判断された結果といえま
す。PHVプリウスの外部電源からの充電の様子を写真1に示します。写真2はその充電プラグです。
写真1
家庭用電源から充電中のPHVカー
写真2
充電プラグ
メリット
EV走行可能な航続距離が伸び、そのエネルギ源は家庭に送電される電力です。
この電力の全部が、仮に水力発電、風力発電、太陽光発電で得られたものだったら、理論上はCO2(二
酸化炭素)、CO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、PM(パティキュレートマター=粒子状物質)などの
有害成分はゼロとなります。火力発電の場合は発電所の煙突から発電時に有害成分が出ています。それ
でも車のエンジンで発電するより少なくなっています。トヨタによるPHVプリウスとHVプリウスのWell
to Wheelベース(原油採掘から車両の走行による消費までの全過程)のCO2排出量対比を図4に示しま
す。この背景には図5にあるように各国の発電事情があります。
各国の電力ミックス
Well to WheelベースのCO2排出量
火力発電
アメリカ
水力発電
原子力発電
ガソリン
1.0
日本
(プリウス=1)
Well to Wheel CO2排出量
100%
80%
E85
フランス
60%
0.5
40%
20%
プリウス・プラグインハイブリッドカー
25km走行(13kmEV走行)=トヨタ試算
図4
CO2排出量の比較
0%
アメリカ
図5
日本
フランス
世界各国の発電事情
自研センターニュース 2008年 2月号
5
TECHNO INFORMATION
外部からの充電を深夜に行うとすると電力料金(燃料代)を非常に安くできることにもなります。ト
ヨタによる燃料代低減率の試算を図6に示します。
試算のための走行距離は25KmでPHVは、そのうちの13KmをEV走行したものと仮定しての数値です。
ユーザとしては、プラスになるであろう車両価格とのバランスがどうなるのかが気になるところです。
〈日本の場合〉
1
8%
0.8
41%
0.6
0.4
0.2
0
図6
プリウス
PHV PHV(深夜電力)
25km走行(13kmEV走行)=トヨタ試算
PHVのメリット(燃料代の低減につながる)
PHVの技術課題はバッテリ
PHVの今後は、バッテリ次第ということになります。エネルギ密度とパワー密度がより高く、コスト
的にも見合う高性能バッテリを開発する必要があります。
例えば、現在はニッケル水素式バッテリが主流ですが、いずれリチウムイオン式バッテリが主流の座
を射止めることになるというのが大方の見方です。また、電気二重層キャパシタ(大容量キャパシタ)
という声も消えてはいません。
バッテリの高性能化は、PHVだけの課題ではありません。HVにもEVにも共通の技術課題です。バッ
テリを制するものは未来車を制するとバッテリ関係者は気合を入れているに違いありません。それだけ
に高性能化へのピッチはますます早まることが予想されます。
今回は、13Kmと発表されているEV走行航続距離も市販される時点ではもっと伸ばされている可能性
があります。
なお、モータ、発電機、インバータ、制御技術などのPHVの主流技術は、ほとんどの部分でHVプリ
ウスと共通です。
[引用文献:自動車工学・2007年11月号]
(研修部/大川光治)
6
自研センターニュース 2008年 2月号
2007年度 技術顧問懇談会開催
去る12月20日、丸の内のパレスホテルにおいて2007年度の技術顧問懇談会を開催いたしました。当懇談会
は当社の経営理念の実現に向けて、当社業務全般に亘り幅広く技術顧問からご指導・ご助言をいただくもの
ですが、1974年の初回開催から今回まで通算で33回目を数え、当社にとって歴史ある懇談会となっています。
当日は、技術顧問ならびに日本損害保険協会からもご出席をいただき、顕著な増加傾向にある研修受
験生に対する当社の研修実施態勢やリペアリサーチに関する主な取組みなど、2007年度の当社の活動内
容を中心に報告・意見交換させていただきました。
技術顧問からは、様々な視点から貴重なご意見を頂戴いたしました。当社といたしましては、当懇談
会に加えて関係各社との懇談会等を通じて意見交換を行い、得られたご意見なども参考にしつつ自動車
ユーザにとって有益なものとなるよう今後も取組んでまいります。
【懇談会詳細】
1.開催日 12月20日(木)
16:00∼18:00
於:パレスホテル 2.ご出席者
技術顧問
岡本 一雄 様 トヨタ自動車株式会社 取締役副社長
山ノ井 利美様 日産自動車株式会社 技術開発本部 副本部長(代理出席)
福尾 幸一 様 本田技研工業株式会社 執行役員
金澤 啓隆 様 マツダ株式会社 執行役員
太田 誠一 様 三菱自動車工業株式会社 執行役員
下平 隆 様 (社)日本自動車整備振興会連合会 専務理事
来賓
乙守 順市 様 (社)日本損害保険協会 損害調査部会長
3.発表テーマ
研修部 研修事業の現状
技術調査部 損傷性デザインガイドの作成
技術開発部 補修用水性塗料比較調査
主幹研究員 2007年RCAR関連報告
総務企画部 自研センター活動概要について
(総務企画部/野口太郎)
自研センターニュース 2008年 2月号
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REPAIR Information S
リペア インフォメーション S
日産車修理のワンポイント
今月号は、日産車の修理に当たり、ワンポイントを紹介しましょう。
(1)日産ティーダ(C11)のホーン端子の取付
日産ティーダの前側損傷車両です。エンジン
ルーム内配線、付属品の取付けでは、ホーン端子
に注意を要します。(写真1)
写真1
−配線は黒色です。こ
+配線は緑色、○
ホーンの○
+−
の車両は○
○の端子がホーンのどちらの端子にも
接続できるので、接続間違いの心配があります。
(写真2)
写真2
+端子をアース端子に間違っ
写真2の×のように○
て接続した場合は、ホーンを鳴らした瞬間、ホーン
用のヒューズが切れます。ホーン用ヒューズ
(10A)
はバッテリ前のヒューズボックス内(矢印)に
あります。(写真3)
写真3
8
自研センターニュース 2008年 2月号
REPAIR Information S
(2)日産デュアリス(J10)ドアモジュール構造の作業要領
日産デュアリス(J10)はフロントドアにモジ
ュール構造を採用しています。以下にフロントド
アモジュール(以下ドアモジュール)の取外し作
業要領を紹介します。
(写真4)
写真4
はじめにドアフィニッシャを取外し、ドアウィ
ンドウガラス(以下ガラス)をレギュレータから
切離すため、ガラスを下げてガラス取付ボルトを
取外します。
(写真5)
ガラス取付ボルトを外す
写真5
ガラス保持
ドアモジュールAssy
配線縁切り
表
写真6
取外したガラスを上方(全閉状態)で保持(今
回はサクションカップを使用)した状態でドアモ
裏
写真7
写真7は、ドアモジュールを取外した後のドア
およびドアモジュールAssyです。
ジュールへの配線を縁切りした後(写真6)
、ドア
モジュールAssy取付ボルトを外しドアから引き出
します。
自研センターニュース 2008年 2月号
9
(3)日産マーチ(BNK12)エアバッグ展開時のインストルメントパネル
衝突時にエアバッグが展開した日産マーチ
(BNK12)です。この車両のエアバッグアシスト
モジュール展開時には、インストルメントパネル
が損傷します。(写真8)
写真8
インストルメントパネルは3分割構造になっており、
エ アバッグ 展 開 時 に は イン ストル メントパッド
(部品コード68210)が取替えになります。
(図1)
図1
インストルメントアッパパネル
インストルメントパッド
インストルメントロアパネル
写真9
取外したインストルメントパネルです。
エアバッグ展開時は、インストルメントパッド
(○部)を取替えます。インストルメントアッパ&
ロアパネルは再使用可能です。(写真9)
10
自研センターニュース 2008年 2月号
写真10
取替えたインストルメントパッドとエアバッグ
アシストモジュールです。(写真10)
REPAIR Information S
(4)日産ノート(E11)ステアリングコラムAssyの簡易損傷点検
日産ノートの運転席です。ステアリングコラム
を下から見ることによって(矢印)損傷点検する
ことができます。
(写真11)
写真11
ステアリングチルトレバーを上方(ロック解除)
にした状態で、ステアリングコラム取付部を観察
します。
(写真12)
写真12
ブラケット
○凸マーク
写真13
ステアリングコラムの取付けブラケットはステ
写真14
車両から取外したステアリングコラムAssyです。
アリングメンバに取付けられ、衝撃を受けてもブ
ステアリングメンバに4箇所で取付く構造です。衝
ラケットの位置は変化しません。
撃吸収部分は2個のブラケット部(□内)で保持
衝撃吸収時にコラムチューブが縮むと○凸マーク
されています。
(写真14)
が下方に動きます。従って○凸マークの移動量(赤
○矢印)で損傷点検が可能となります。
(写真13)
自研センターニュース 2008年 2月号
11
整備要領書では車両に軽い衝突があった場合は、ステアリングコラムAssyの(L)寸法を点検する、基
準値から外れる場合はステアリングコラムAssyを交換する、等が記載されています。
図3
図2
基準値
L寸法
部品コード
下限値
453.6mm
48820
目標値
455.6mm
28500X
上限値
457.6mm
48080
部品名称
ステアリングコラムアッパーシャフトAssy
パワーステアリングコントローラAssy
ステアリングロアジョイントAssy
(5)日産ノート(E11)のフロントフェンダ(以下フェンダと表記)取外し時の注意事項(写真15)
フェンダはボルト6本と、シール材(硬質、軟質)に
より取付けられています。(写真16)
フェンダ取外し時にシール材を無理に剥がそう
とすると、フェンダを損傷させてしまう可能性が
あるので注意が必要です。取外しに際しては、ド
ライヤ等で温めると、比較的簡単に剥がせます。
(シール材の取付け箇所は写真17参照)
写真15
シール材(硬質)
シール材(軟質)
シール材(軟質)
シール材(硬質)
写真16
写真17
12
自研センターニュース 2008年 2月号
REPAIR Information S
(6)日産ノート(E11)エンジンルームハーネスについて
日産ノート(E11)の前方損傷車両です。○印箇所
のエンジンルームハーネスが切れています。赤○部
はターンシグナルランプのコネクタ、黄○部はフォグ
ランプのコネクタへの配線です。修復にはコネクタ
ハーネスAssyのリペアパーツがあります。
(写真18)
写真18
写真19
写真20
写真19はターンシグナルランプ部のコネクタハー
ネス Assy リペアパーツです。
写真20はフォグランプ部ハーネス コネクタAssy
リペアパーツです。
部品番号
部品名称
部品番号
部品名称
24028−AG008
サブハーネス
24028−AX03B
サブハーネス
図4はエンジンルームハーネスです。
部品番号
部品名称
24012
エンジンルームハーネス
図4
自研センターニュース 2008年 2月号
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REPAIR Information S
(7)日産ノート
(E11)助手席エアバッグの脱着要領
日産ノートのインストルメントパネルです。黄
⑤の助手席エアバッグは①∼⑤の順序で取外しま
す。(写真21)
写真21
取外し要領
インストルメントアッパパネル
写真21 ①のフロントピラーガーニッシュを取
外します。(クリップかん合)
w
図5②のインストルメントアッパパネルを取外
e
します。(クリップかん合)
③のクラスタリッドCを取外します。
(クリップ
t
r
クラスタリッドC
かん合)
④のグローブボックスAssyを取外します。(ス
インストルメント
アシストアッパパネル
クリュ6本)
グローブボックスAssy
⑤のインストルメントアシストアッパパネルを
取外します。[エアバッグモジュールのコネクタ、
図5
スクリュ2本、ボルト2本:(写真22)○箇所]
(図5)
インストルメントアシストアッパパネルです。
裏側にエアバッグモジュールが取付けられていま
インストルメント
アシストアッパパネル
す。エアバッグ展開時には両方とも取替えとなり
ます。
取付けは逆手順で行います。(写真22)
助手席エアバッグモジュール
(技術開発部/島田東一)
写真22
14
自研センターニュース 2008年 2月号
輸入車インフォメーション
アルファロメオ アルファ147(937AB)の
合成樹脂部品の補給形態
アルファロメオ アルファ147(937AB)の合成樹脂部品の材質と補給形態情報をお知らせします。
なお、2008年1月発行予定の「No.J-495
構造調査シリーズ」アルファロメオ アルファ147にも他の情報と
共に掲載されていますので是非ご利用ください。
合成樹脂部品の使用個所
5.ドアミラー
(メッキ)
6.ハンドル
(メッキ)
1.フロントバンパ
(外板色)
2.フロントバンパ
ヒッチプラグ
(外板色)
3.ラジエータグリル
(メッキ)
12.スポイラ (外板色)
7.ハンドル
(素地色)
4.プラグ(ヘッドランプウォッシャカバー)
(外板色)
9.リヤバンパ
(外板色)
8.リッド
(外板色)
10.リヤヒッチングフックプラグ
(外板色)
11.オーナメント
(外板色)
番号
材質記号
材質
補給形態
1
フロントバンパ
部品名
PP−TD10
ポリプロピレン
プラサフ済
2
フロントバンパヒッチプラグ
PP−TD10
ポリプロピレン
プラサフ済
3
ラジエータグリル
ABS
ABS樹脂
塗装済
4
プラグ(ヘッドランプウォッシャカバー)
ABS
ABS樹脂
プラサフ済
5
ドアミラー
ABS
ABS樹脂
メッキ
6
ハンドル(フロントドア)
PC
7
ハンドル(リヤドア)
PBT−GF20
8
リッド
PA
GF20
66−MD40
ポリカーボネート ガラス繊維
メッキ
ポリブチレンテレフタレート−ガラス繊維
無塗装
ポリアミド
プラサフ済
9
リヤバンパ
PP−TD10
ポリプロピレン
プラサフ済
10
リヤヒッチングフックプラグ
PP−TD10
ポリプロピレン
プラサフ済
11
オーナメント
PP−TD10
ポリプロピレン
プラサフ済
12
スポイラ
ABS
ABS樹脂
プラサフ済
*無塗装は、素地色のまま装着するものをさします。
(指数部/高地公子)
自研センターニュース 2008年 2月号
15
Researching The Skeletons
リサーチング ザ スケルトンズ
日産 スカイライン クーペ
(CKV36系)
この「Researching The Skeletons」では外部からは確認することができないフロントサイドメンバおよびリヤサイドメンバ内側のリインホースメント等
の位置や板厚を分かり易く紹介していくもので、データは実際に自研センターで調査した内容をまとめたものです。
今回は2007年10月に発売された日産 スカイライン クーペ(CKV36系)を取り上げます。
概要
サイドフロントメンバ、リヤサイドメンバ等の主要骨格部位には両面処理鋼板および高張力鋼板を採
用しています。(日産自動車株式会社発行の車体修復要領書より)
フロント
・サイドフロントメンバ①は五角形の断面形状になっています。
・樹脂製のラジエータコアセンタサポート②が配置されます。
・節状のリインホースメント③は中央部(フロントサスペンションメンバ取付位置)に2ヶ所、後部に
1ヶ所配置されています。単品補給は無く、サイドフロントメンバと一体の補給部品となっています。
・フロントサイドメンバフロントエクステンション④の部品を使用して、半裁作業をせずにサイドフロ
ントメンバ先端部の取替が可能な構造になっています。
・フロントサスペンションメンバ取付部⑤は単品補給が無く、サイドフロントメンバと一体の補給部品となって
います。
フロント上側
フロント正面
w
q
サイドフロントメンバ左外側
e1.0mm
16
e1.0mm
自研センターニュース 2008年 2月号
e1.0mm
サイドフロントメンバ右外側
e1.0mm
e1.0mm
e1.0mm
Researching The Skeletons
サイドフロントメンバ左内側
1.6mm
t1.6mm
フロントサイドメンバ右内側
r1.6mm
r1.6mm
1.6mm
t1.6mm
リヤ
・リヤアッパパネルは最後端部にあるため取替作業が容易にできます。
・サイドメンバリヤエクステンション⑥は単品補給が設定されています。
リヤ正面(リヤアッパパネル取付状態)
リヤ正面(リヤアッパパネル取外し状態)
サイドメンバリヤエクステンション位置
リヤ上側(リヤリヤフロア、両側リヤリヤサイドフロア取付状態)
リヤ上側(リヤリヤフロア、両側リヤリヤサイドフロア取外し状態)
1.6mm
1.0mm
2.3mm
2.0mm
1.0mm
1.6mm
1.0mm
2.0mm
リヤ下側
y
(指数部/斎藤正丈)
自研センターニュース 2008年 2月号
17
反響多数!!
新・事故車修理費見積りシステム
「アウダセブン」
ますます勢いを増す「アウダセブン」
。前号までで紹介した新機能の他にも、
「消費税(外・内税)計算機能」
や「カラー名称・イメージ色表示機能」など細かい部分の使い勝手も向上しています。これらの機能はご利用
ユーザーの皆様の要望を踏まえて、更なる利便性を追求、実現させた内容となっており、導入を済ませた工
場の皆様からも大好評です。今回は、反響の声も一部ではありますが紹介させていただきます。
消費税(外・内税)計算機能
▼消費税設定画面で設定。
〈明細画面内税表示〉
部品価格や工賃を消費税込の価格(内税)
で表示・印刷できます。
カラー名称・イメージ色表示機能
▲カラーコードを入力するとイメージ色とカラー名称が表示。
住所コード検索機能
ポップアップメニュー
リサイクル部品登録機能
▲カラーコード一覧からカラーコードを選択可能です。
見積りファイルの読取専用属性の付加機能
見積りファイルの更新履歴機能
画面解像度 1280×1024対応
導入者の声
「消費税も内税/外
税表記を選ぶことがで
き、外注としては外税、
直需のお客様へは内
税、と使い分けできて
重宝しています。
」
「作業項目確認機能
は指数テーブルの内
容を元に入力内容を
確認でき、見積り業
務が初めての人に役
立ち安心です。
」
「使い方は前のアウ
ダネオ2と変わらな
いけど結構追加され
た機能があってもっ
と便利に使えるよう
勉強中です。
」
「新機能をいろいろ試
したが指数ヘルプや
車体構造図・寸法図
など、図が多くてわか
りやすいため見積りだ
けでなく現場の作業
に役立っています。
」
などなど
使って確認
してみてねQ
お問い合わせは:日本アウダテックス株式会社 電話:03-5351-1900(代表) http://www.audatex.co.jp
18
自研センターニュース 2008年 2月号
日本アウダテックス社
指数テーブル「2008年2月号」発行のお知らせ
●2008年2月号 国産車・指数テーブル(5メーカ・6車種)
メーカ名
車 名
型 式
マークX ジオ
10系
カローラ ルミオン
150系
IS F
USE20系
日 産
エクストレイル
T31系
マ ツ ダ
デミオ
三 菱
ギャラン フォルティス
トヨタ
LEXUS
DE3AS、DE3FS、
DE5FS系
CY4A系
●2008年2月号 輸入車・指数テーブル(1メーカ・1車種)
メーカ名
アルファロメオ
車 名
型 式
アルファ147
937AB
※「2008年2月号」のみの単独販売は行っておりません。
購入を希望される方は下記「2008年版セット」
(年間購読)
をお求め下さい。
【2008年版】
・国産車セット<商品番号:2008 価格:¥18,000
・輸入車セット<商品番号:3008 価格:¥4,000>
・国産車・輸入車セット<商品番号:4008 価格:¥20,000>
※バックナンバーは、2007年版・2006年版・2005年版・2004年版の各「国産車・
輸入車セット」
「国産車セット」
「輸入車セット」
となります。なお、在庫がなくな
り次第販売を終了させていただきますのでご了承下さい。
※ご購入の際のご不明な点は、下記にお問い合わせ下さい。
◆「指数テーブル」のご注文およびお問い合わせ◆
日本アウダテックス株式会社
TEL:03-5351-1900(代)
FAX:03-5350-6305
「構造調査シリーズ」新刊のご案内
自研センターでは新型車について、損傷した場合の復元修理
の立場から見た車両構造、部品の補給形態、指数項目とそ
No.
車 名
型 式
497
ミツビシ ギャランフォルティス
CY4A系
498
ニッサン エクストレイル
T31系
499
レクサス IS-F
USE20
の作業範囲、ボデー寸法図など諸データを掲載した「構造調
査シリーズ」を発刊しておりますが、今月は右記新刊をご案内
いたしますので、是非ご利用ください。定価は1,120円です
(税込み、送料別)。
お申し込みは自研センター総務企画部までお願いします。
TEL
047-328-9111
FAX
047-327-6737
自研センターニュース 2008年 2月号
19
http://www.jikencenter.co.jp/
お詫びと訂正
2008年1月号リペアリポートの8頁に「ベローサ」と表記してありますが、正しくは「ベリーサ」です。
ここに訂正し、お詫び申し上げます。
自研センターニュース 2008.2(通巻389号)平成20年2月15日発行 昭和51年5月27日 第三種郵便物認可 発行人/鈴木 稔 編集人/小林吉文 C 発行所/株式会社自研センター 〒272-0001 千葉県市川市二俣678-28 Tel(047)328-9111(代表) Fax(047)327-6737
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定価336円(消費税込み、送料別途)
本誌の一部あるいは全部を無断で複写、複製、あるいは転載することは、法律で認められた場合を除き、
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