1 美術館の壁を取り払う 1992年、私はチーフ・キュレーターをしている ロサンゼルス現代美術館で「ヘルター・スケルタ ー:1990年代のロサンゼルス美術」展を企画しま した。この展覧会で私は、ロサンゼルスに住んで いる非常に画期的な世代のアーティストの作品を 示そうとしたばかりでなく、現代美術館の概念を 広げようとしました。というのも活気に満ちた文 化から美術館を隔ててしまう壁があるからです。 図1 グッゲンハイム美術館ビルバオ分館 fig. 1 Guggenheim Museum Bilbao 本来美術館はそうした文化の一部をなすべきなの ですが。私は視覚芸術を文学だけでなく、音楽と はありません。それは、ラディカルで未来派的な も結びつけたいと思いました。現代美術館が21世 かたちと、変わった素材使いにもかかわらず、美 紀に盛んになろうとしたら、その使命を根本的に 術が建物に合わせなければならないという、むし 再考しなければならないということは、当時明ら ろ完全に伝統的な美術館です。この点に関しては、 かだと思っていましたし、今では、よりはっきり ゲッティ・センターもまた期待はずれです。この していると思っています。現代美術館は、絵画や リチャード・マイヤーのエレガントな複合体は、 彫刻や他の伝統的な素材を使ったものに限らず、 10億ドルもかけて造られ、100万平方フィート以 視覚文化の新しいモデルの増大をどのように支え、 上(約9万3千平方メートル)の面積がありますが、 どのように観客を広げ、多様化し、教育し、楽し その中の美術館には、5万5千平方フィート(約 ませるかをはっきりと描かなければなりません。 5100平方メートル)の展示室しかありません。 これは、現代美術館の在り方が変わらなければな アーティストが使う様々な媒体、それにもまし らないということを意味します。 美術作品とアーティストのための美術館 21世紀の美術館は、それを設計した建築家のた めのものでなく、中の美術作品とそれを作ったア ーティストのためのものであるべきです。グッゲ ンハイム美術館ビルバオ分館(図1)やロサンゼル スのゲッティ・センター(図2)は、独特で、非常 に強い印象を与えることに成功しているにもかか わらず、この点については、成功しているとは言 えません。グッゲンハイム美術館ビルバオ分館が、 フランク・ゲーリーの傑作であり、グッゲンハイ ム美術館の圧倒的な成功であることは否定し難い 事実です。というのも、この建物は、これだけで、 ビルバオを大きな観光地に変え、その結果、文化 図2 ゲッティ・センター、美術館エントランス fig. 2 Museum Entrance Hall, Getty Center (Photo:S.Frances) 産業の広がりと経済成長を加速したのですから。 しかし、美術館としては、ゲーリーの建物は、展 て、21世紀の美術館の中にあるべきと思われる活 示されている美術作品と繊細に共鳴し合うもので 動の多様性に、一つの美術館で対応できるように 2 建築家に求めるのはどだい無理なことなのかもし 印象派と後期印象派の作品の立派なコレクション れません。すべての美術館は、ギャラリーだけで もあります。ベラジオでは、美術作品は大きなカ なく、図書館や教育センター、スタジオ、アーテ ジノやショッピングなどの娯楽の一部であり、そ ィストが使える工房、パフォーマンスや映画、ヴ の結果、いくつかの美術館に展示されている美術 ィデオを見せ講演を行う劇場、そして、アメニテ 作品よりもお客を引きつけているのです。 ィを備えているべきです。アメニティには、レス 現代美術館はこの戦略を学び、現代美術の観客 トラン、ショップ、座る場所のあるエントラン を多様化させ、広げるべきだと思います。美術館 ス・ホールなどがあります。美術館を一つの建物 は、周囲の環境から分離した建物ではなく、代わ の中での活動としてではなく、違った機能をもち、 りに、周囲の環境という織物の中に織り込まれた 違った観客が来る建物が集まったものとして捉え 複合体となることができるのです。この考えに基 るとよいと思います。ゲッティ・センターは、 づき、二つの全く異なったモデルを引き出し、そ 様々な建物を集めて、この方向に進もうとしまし れを総合することができるかもしれません。それ たが、実際には、建築的コンセプトとしては一枚 は、大学のキャンパスとテーマパークです。大学 岩でしか機能しませんでした。異なる建築的なヴ のキャンパスは、中庭を囲む建物の配置に由来し ィジョンによって美術館の様々な機能が満たされ ており、異なる機能を持つ建物が集まったもので るべきであることは明らかになりました。 す。テーマパークは、例えばオリジナルのディズ ニーランドもそうですが、お客がそれぞれ異なっ ラス・ヴェガスのギャラリーに学ぶこと た経験をするようにデザインされた、テーマをも った村の集まりです。この二つのモデルは、それ 視覚芸術の文化的な重要性と名声を利用する競 ぞれ違ったところもありますが、ともに様々な機 争は始まっており、かつてなかったほどの広がり 能を一か所に集める必要からできたものです。こ を見せています。ラス・ヴェガスの大変華々しい の意味で、大学とテーマパークは、批評眼を持つ ホテルとカジノの一つであるベラジオ(図3)は、 人々が、組織の活動に参加するために集まり、そ お客に、カジノや植物のある庭園、噴水、そして の活力を知的にも、文化的にも、経済的にも保証 「シルク・ド・ソレイユ」ばかりでなく、朝の8時 する空間なのです。もし美術館を計画する人が、 から夜11時まで開いている「ベラジオ美術ギャラ 文化的表現の多様性、それゆえに潜在的な観客が リー」とギャラリー・ショップを提供しています。 共同して存在できる場所を生み出すことができな ホテルのプールの反対側にあるギャラリーには、 ければ、美術館は非常に難解なものか、もしくは ヒットねらいのものかの両極端に自然となってし まうでしょう。ヒットねらいの場合は、オリジナ ルで革新的で危険なプログラムはできなくなって しまいます。 商業的な世界では、ショッピング・モールが、 様々な活動、この場合だと、ショップやレストラ ン、映画館などになりますが、それらが一つの屋 根の下に集まって、個々の店が全体の一部として 成功するという仕組みのおそらく最も成功した例 でしょう。ショッピング・モールの急増が多くの 図3 ベラジオ fig. 3 The Bellagio 弊害をもたらしたにもかかわらず、それがもたら したよい面も否定できません。それゆえ、美術館 の仕事をしている人は、ショッピング・モールを 3 その功罪を見極めながら見ることが役に立つでし ょう。そして、もしこのモデルから、美術館が社 会的にも、文化的にも、経済的にもこれから存続 していけるために、取り入れられる面があるかを 考えなければならないでしょう。私はとりわけ、 ヒットねらいの展覧会から逃れるうまい方法を考 えています。そして広く観客同士の交流によって 豊かさが引き出せるようなプログラムの母胎づく りに焦点を当て始めています。できるだけ多くの 観客とできるだけ大きな収入を引き出すために企 図5 ニューヨーク近代美術館 fig. 5 The Museum of Modern Art, New York 画されたヒットねらいの展覧会をプログラムに含 み続ける一方、より焦点を絞った観客にむけたテ 室(図5)は、1920年代のバウハウスの研究から ーマの、控えめなプロジェクトも行うことができ 現れてきたものですが、モダニズム美術の展示に ます。後者のプロジェクトは、実験的であったり、 は理想的です。その延長線上でエレガントな空間 学術的であったり、本質的に変わったものになり は、レンゾ・ピアノが設計したヒューストンにあ ます。これらのプロジェクトはそれ自体に価値は るメニル・コレクションのサイ・トゥオンブリ あるけれども、美術館のプログラムの中心になる ー・ギャラリー(図6)と、磯崎新が設計したロサ のは難しいものです。 ンゼルスのダウンタウンにある現代美術館(図7) 様々な美術をふさわしく展示する美術館 この様々なプロジェクトを収めるために、21世 紀の美術館は、様々な美術それぞれにふさわしい かたちで展示するようにデザインされた様々なギ ャラリー・スペースを持つべきだと思います。ワシ ントンDCにあるコーコラン・ギャラリー(図4)は、 古典的で、自然光が入る展示室を持ち、平面作品 を展示するには世界で最も美しい空間の一つだと 思います。ニューヨーク近代美術館のニュートラ ルで飾り立てない「ホワイト・キューブ」の展示 図4 コーコラン・ギャラリー、常設展示室 fig. 4 The Corcoran Gallery of Art, Permanent Collection 図6 メニル・コレクション、サイ・トゥオンブリー・ギャラリー fig. 6 Cy Twombly Gallery, Menil Collection 図7 ロサンゼルス現代美術館展示室 fig. 7 Museum of Contemporary Art, Los Angeles (Photo:Paula Goldman) 4 です。後者の展示室は、アド・ラインハートのよ 代以降に制作された作品を理想的に展示できるよ うなアーティストの作品の展示にはぴったりで、 うになっています。またフレキシブルであること 空間のソフトでありながらパリッとしたエッジと、 で、アーティストは自らの創造的なエネルギーを、 清潔な平面が、作品の質を引き立て、静かで集中 伝統的な空間に制限されることなく極限まで押し して見るという経験を導くことができます。 進めることができます。それは疑いなく、ロンド ンのテイト・モダン(図9)やニューヨークのDIA 倉庫を改装した展示空間 アートセンター、ボルドー現代美術館(図10)な どの美術館などに影響を与えていると思われます。 しかし、別のタイプの近現代美術は、別の空間 を必要とします。ロサンゼルス現代美術館には、 例えば、 「ヘルター・スケルター」展(図11)は、 ゲッフェン以外の場所では決して展示できません 幸いなことに、もう一つ建物があり、磯崎の建物 で展示するのがふさわしいとは言えない作品を展 示しています(図8) 。このゲッフェン・コンテン ポラリーという建物は、もともと倉庫だったもの をフランク・ゲーリーが美術を展示する空間に改 装したものです。これは巨大な面積(約5600平方 メートル)を持っており、フレキシブルであるこ とで、彫刻やインスタレーションなどアーティス トが大きなスケールで作品を制作し始めた1960年 図10 ボルドー現代美術館 fig. 10 CAPC Museum of Contemporary Art, Bordeaux でした。作品の大きさと性格は、古典的で、ニュ ートラルでじっくりと見る空間には合いませんで した。作品のほとんどは、うるさく、生々しく、 観客の感覚を乱すようなものでした。 1997年、ロサンゼルス現代美術館はロバート・ 図8 ロサンゼルス現代美術館、ゲッフェン・コンテンポラリー fig. 8 Geffen Contemporary, Museum of Contemporary Art, Los Angeles 図9 テイト・モダン fig. 9 Tate Modern ゴーバーの野心的なプロジェクトを企画しました (図12) 。それはより一層ゲッフェンのフレキシビ 図11 「ヘルター・スケルター」展、ナンシー・ルービンス fig. 11 Exhibition View of "Helter Skelter" (Photo:Paula Goldman) 5 リティを試すものでした。ゴーバーの無題のイン スタレーションは、地下水槽の網の蓋の上に聖母 新しいメディアを展示するための施設 マリア像があり、その前の階段から地下の流れる 水槽に水が勢いよく流れ込みます。地下の水槽は、 しかし、ロサンゼルス現代美術館は、二つの建 マリア像の横にある二つの開いたスーツケースの 物で広い範囲の近現代美術を展示できるにもかか 下にあるブロンズの門から見えます。流れのある わらず、これからを考え始めたとき、施設の限界 水槽を作るために、大きなスイミングプールの大 を感じ始めています。特に新しいメディアを展示 きさの土台を作り、中に何千ガロンもの水を巡回 したいとき、十分な設備がありません。レム・ク させました。 ールハースが設計したドイツのカールスルーエに もっと最近では、リチャード・セラが巨大なね あるZKM(芸術とメディアテクノロジー・センタ じれたカーブの作品を6点展示しました(図13)。 ー) (図14)のようなわけにはいかないのです。実 際、21世紀の美術館は、テクノロジーに基づいた 美術など、新しい美術を思いつき、生み出すため の実験場として機能する空間と、それを見せるた めの空間を持つべきです。そのような美術館は、 19世紀のサロンというよりは、もっとも先端的な 国際テレコミュニケーション・センターのニュー ス・ルームのようになるかもしれません。 図12 「ロバート・ゴーバー」展 fig. 12 Solo Exhibition of Robert Gober (Photo:Russel Kaye) このときは建物の壁全体を取り去ることで、彫刻 を空間に入れることができました。工業的な空間 を美術の空間に改装することは、1999年にノース アダムスに、古い製粉所が集まったものを改装し てオープンしたマサチューセッツ現代美術館や、 2000年にバンクサイドの発電所を改装してオープ ンするテイト・モダンなど、世界中の他の施設で ここ数年のうちに増えるでしょう。 図14 レム・クールハース、ZKM案 fig. 14 Rem Koolhaas, ZKM proposal 図13 「リチャード・セラ」展 fig. 13 Solo Exhibition of Richard Serra 6 想像力の遊び場 最後に、21世紀の美術館は、想像力の自由な遊 び場であるべきだと思っています。その場では、 アーティストは、妙なものから批判的なものまで 様々な日常にかかわる状況を発展させる想像力を 行使する機会を与えられます。私は、すべてのア トラクションがアーティストの作品であるような、 コペンハーゲンのティヴォリ・ガーデン(図15) 図17 ガブリエル・オロスコ《天国と地獄》 fig. 17 Gabriel Orozco, Heaven and Hell 図18 曽根裕《アミューズメント》 fig. 18 Yutaka Sone, Amusement 図15 ティヴォリ・ガーデン fig. 15 Tivoli Gardens 異なるジェット・コースターを設計しました(図 18) 。例えば、この作品は、ジェットコースターの てっぺんまでゆっくり登り、いよいよ落ちようと やディズニー・ランドのシンデレラ城(図16)の いう縁に来たとき、ぴたっと止まってしまいます。 ようなテーマ・パークを思い描いています。ガブ チャールズ・レイは、《レヴォルーション、カウ リエル・オロスコは、半分は地下で半分は地上の ンター・レヴォルーション》という題で、回転木 観覧車《天国と地獄》を設計しています(図17) 。 曽根裕は、大きな不満を引き起こす、これまでと 図16 ディズニーランド fig. 16 Disneyland 図19 チャールズ・レイ 《レヴォルーション、カウンター・レヴォルーション》 fig. 19 Charles Ray, Revolution, Counter-Revolution 7 馬を彫刻として作ることを考えました(図19) 。こ の作品は、前向きの動きと、後ろ向きの動きが引 っ張り合い、木馬が全く動かないのです。その代 わり、同じ場所で揺れるだけです。ディズニーラ ンドの「マッド・ティーカップ・ライド」から思 いついたポール・マッカーシーの《回転するピカ ビアのベッド》(図20)を置くこともできるでし ょう。ひとつ確実に言えることは、私たちが21世 紀の現代美術館を作ることを考え始めたとき、ア ーティストに先導されなければならないというこ とです。 図20 ポール・マッカーシー《回転するピカビアのベッド》 fig. 20 Paul McCarthy, Spinning Picabia Bed (※このテキストは、レクチャーの内容を講師が簡潔にまとめたものです。 ) 8 Demolishing the Walls of Museum sitively as it might. In spite of its radical forms, futurist-inspired shapes, and extraordinary use of materi- In 1992, I organized the exhibition Helter Skelter: L.A. als, it is ultimately a rather traditional museum, in Art in the 1990s, for The Museum of Contemporary which the art must adjust to it, rather than visa versa. Art, Los Angeles, where I am Chief Curator. With The Getty Center also falls short of expectations in this exhibition, I sought not only to showcase the this regard. Built with a budget of a billion dollars, work of a generation of the most outstanding artists Richard Meier's elegant complex of over one million living in Los Angeles, but to expand the concept of square feet includes a museum with galleries of only the contemporary art museum. I wanted to demolish fifty five thousand square feet. the walls of the museum, which separate it from the It may be too much to expect an architect to vibrant culture of which it should be a part. I wanted design a single museum that can accommodate the to connect the visual arts not only to literature, but variety of mediums in which artists work, much less also to music. It was apparent to me then, and it is the range of activities that I believe the museum of even clearer today, that if contemporary art museums the twenty-first century should encompass. Every are to flourish in the twenty-first century, they must museum should include not only galleries, but a radically rethink their mission. They must figure out library, an education center, studios and workshops how to support the emergence of new models of visu- where artist can work, theaters for the presentation of al culture, including, but not limited to, painting, performances, films, videos and lectures, and ameni- sculpture, and other traditional mediums of art, and to ties for the public. The last should include a restau- expand, diversify, educate, and entertain audiences. rant, a shop, and an inviting plaza with places to sit. This process means that the form of the contemporary It might be productive to think of the museum not as a art museums must change. collection of activities centered in one building, but as a complex consisting of buildings that have different The Museum which Celebrates the Works of Art functions and that serve different audiences coexist- and the Artists ing with one another. The Getty Center has attempted to operate in this way, with its complex of diverse The first priority of the museum of the twenty-first building structures, but in reality functions as a mono- century should be to celebrate the works of art it lithic architectural concept. It has become apparent, houses and the artists who made them, rather than the that a different architectural vision should be architect who designed the building. In spite of their employed to satisfy the separate function of the muse- respective and very impressive achievements, the um. Guggenheim Bilbao (fig.1) and the Getty Center in Los Angeles (fig.2) suffer in this regard. The Studying the Strategy of a Gallery in Las Vegas, Guggenheim Bilbao is undeniably Frank Gehry s and More masterpiece and an overwhelming success for the Guggenheim Museum, for this building has single The competition is already starting to capitalize on handedly transformed Bilbao into a major tourist the cultural importance and prestige of the visual arts, attraction and has consequently accelerated the to an unprecedented extent. The Bellagio, one of the expansion of the city's culture industry and the growth most spectacular hotels and casinos in Las Vegas, of its economy. However, as a museum, Gehry's offers visitors, not only a casino, botanical garden, building does not complement the art on view as sen- fountains, the 'Cirque du Soleil,' but the 'Bellagio 9 Gallery of Fine Art,' (fig.3) which opens from 8am to whole. Although the proliferation of shopping malls 11pm, and the gallery store. Located across from the has had many negative effects, there have been unde- hotel's pool, the gallery includes an impressive collec- niably positive ones, as well. It might therefore be tion of works by Impressionist and Post-Impressionist useful for museum professionals to look critically at favorites. At the Bellagio, works of art are presented the shopping malls and to see what, if any, aspects of as part of a larger casino, shopping, and entertainment this model can be incorporated into the museum to experience and consequently draw more visitors than ensure its social, cultural, and economic viability in works of art presented in some museums. the future. Specifically, I am thinking of the possible It would behoove contemporary art museums benefits of moving away from blockbuster exhibitions to study this strategy with the goal of diversifying and and beginning to focus on the creation of a matrix of expanding the audiences for contemporary art. The programs that might draw a broad and cross-fertiliz- museum could cease to exist as a discrete building ing range of visitors. While the programs could con- and instead becomes a complex woven into the fabric tinue to include blockbuster exhibitions organized to of its surrounding environment. This concept could draw the largest possible audiences and the greatest draw on and synthesize two very different models: the possible revenues, they could also feature more mod- university campus and the theme park. The university est projects that address subjects directed toward campus, based on the quadrangle, is a collection of more focused audiences. These latter projects could buildings, each of which serves a different function. be experimental, scholarly, or quirky in nature ♢ pro- The theme park, exemplified by the original jects that are worthy in themselves but would be diffi- Disneyland, is a collection of themed villages, each cult to mount as the pivot of a museum s program. designed to produce a different experience for visitors. In spite of differences, these two models share a The Museums which Present Multiple Types of common necessity to bring diverse functions together Art Sensitively in one location. In this manner, the university and the theme park are spaces in which a critical mass of peo- In order to accommodate this variety of projects, the ple assemble to participate in the organization's activ- museum of the twenty-first century should include a ities and to ensure its continued vitality ♢ intellectu- variety of gallery spaces designed to present multiple ally, culturally, and economically. If museum plan- types of art sensitively. The classical, naturally lit gal- ners are not able to create sites in which a variety of leries of the Corcoran Gallery of Art in Washington cultural expressions, and therefore potential audi- D.C. (fig.4) are among the most beautiful spaces for ences, can synergistically co-exist, museums will the display of two-dimensional art in the world. The gravitate toward one of two extremes: either the neutral, unadorned galleries of the hyper-esoteric, or the blockbuster, which will draw the Museum of Modern Art, New York (fig.5), which large audiences at the expense of the original, innova- emerged from the research of the Bauhaus in the tive, or risky programming. 1920s, are ideal for the display of modernist art. In White Cube at In the commercial world, the shopping mall, is the same lineage are the elegant spaces of the Menil perhaps the most successful example of a structure in Collection's Cy Twombly Gallery in Houston (fig.6), which diverse activities ♢ in this case, shops, restau- designed by Renzo Piano, and of The Museum of rants, and movie theaters ♢ are bought together Contemporary Art's building downtown Los Angeles under one roof to create a critical mass in which each (fig.7), designed by Arata Isozaki. The later galleries individual component succeeds as part of a greater are perfect for the display of works by artists such as 10 Ad Reinhardt, where the soft but crisp edges and pool, we created a basement the size of a large swim- clean planes of the space accentuate the qualities of ming pool in which thousands of gallons of water cir- the works and are conducive to a quiet and contem- culated. More recently, Richard Serra could show six plative viewing experience. of his enormous torqued ellipses because our crew was able to remove an entire wall of the building and Converting Warehouses into Spaces for Display swing the sculptures into the space (fig.13). The conversion of industrial spaces into art spaces by But other types of modern and contemporary art other institutions around the world, ranging from demand different spaces. At MOCA, we are fortu- Massachusetts Museum of Contemporary Art (Mass nate to have another building in which to present MoCA), which opened in the transformed spaces of a works that cannot be shown to its best advantage in historic mill complex in North Adams in 1999, and to Isozaki's building (fig.8). This building, The Geffen the Tate Modern, which opened in the transformed Contemporary, is a former warehouse converted by spaces of Bankside Power Station in London in the Frank Gehry into a space in which to display art. Its year 2000, will increase in the coming years. immense square footage (it encompasses approximately sixty thousand square feet of gallery space) Facilities to Present New Media and its flexibility have made it ideal for presenting sculptures, installations, environments, and other Yet, in spite of the wide spectrum of modern and con- works produced since the 1960s, when artists began temporary art that we can present in our two build- working at a significantly larger scale. The Geffen's ings, as MOCA has begun to look toward the future, flexibility has allowed artists to push their creative we have begun to perceive the limitations of our facil- energies to the limit, unconstrained by the limitations ities. In particular, we are not as well equipped as we of more traditional spaces. It has no doubt inspired like to present new media, in the way that an institu- such museum projects as the Tate Modern in London tion such as ZKM (Center for Art and Media (fig.9), DIA Center for the Arts, New York, and the Technology) in Karlsruhe, Germany, designed by CAPC Museum of Contemporary Art, Bordeaux (fig. Rem Koolhaas, is (fig.14). Indeed the museum of 10). the twenty-first century should have spaces that funcFor example, Helter Skelter (fig.11) could tion as laboratories for the invention and the creation never have been presented at any place but the of new art, including technologically based art, in Geffen. The scale, as well as the character, of the addition to spaces for viewing. Such a museum might works was at odds with more classical, neutral, and even come to resemble the newsroom of the most contemplative spaces. Most of the works were loud advanced international telecommunications centers and raw, and they assaulted the visitors senses. In more than salons of the nineteenth century. 1997, MOCA organized an ambitious project by Robert Gober that tested the flexibility of the Geffen even more dramatically (fig.12). Gober's untitled installation included a statue of the Virgin Mary standing on a sewer gate, in front of a staircase down which flowed a torrent of water into a subterranean tidal pool visible through bronze grates beneath two open suitcases flanking the statue. To create the tidal 11 Sites for the Free Play of Imagination Finally, the museum of the twenty-first century should be a site for the free play of imagination ♢ a site in which artists are given the opportunity to exercise their creativity to develop situations that engage with everyday life in a variety of ways, ranging from the whimsical to the critical. I envision a theme park of sorts, as inviting as Tivoli Gardens in Copenhagen (fig.15), or Cinderella's Castle at Disneyland (fig. 16), in which all the attractions are works created by artists. Gabriel Orozco has designed a ferris wheel called Heaven and Hell, in which one spends half the time underground and half above (fig.17). Yutaka Sone has designed a roller coaster that differs from traditional rides, in that it incorporates moments of great dissatisfaction (fig.18). For example, after the carriage has slowly ascended to the top and is almost on the verge of going over, it freezes. Charles Ray has conceived a sculptural carousel called Revolution, Counter-Revolution, in which the forward and the reverse motion are counterbalanced, so that the carousel does not move at all (fig.19). Instead, it just shakes in place. Paul McCarthy could install his Spinning Picabia Bed, (fig.20) that was inspired by the Mad Teacup Ride at Disneyland. One thing is certain: as we begin to think about reinventing the contemporary art museum in the twenty-first century, we must take the lead from artists.
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