どのような人々が無貯蓄世帯化しているのか*

H17.3.16
未定稿
どのような人々が無貯蓄世帯化しているのか*
東京学芸大学教育学部
/ (社)日本経済研究センター
鈴木
亘
要約
金融広報中央委員会が毎年発表している「家計の金融資産に関する世論調査」によれ
ば、金融資産を保有していないいわゆる無貯蓄世帯は年々増加しており、平成 15 年に
は調査世帯の 21.8%にも達している。本稿は、この無貯蓄世帯(金融資産非保有世帯)
がどのようなプロファイルの人々であるのかを「家計の金融資産に関する世論調査」15
年調査の個票データを用いて検証した。はじめに、質問票の各問を用いて、無貯蓄世帯
の定義に矛盾する世帯を抽出して、無貯蓄世帯率の精査を行った。次に、無貯蓄世帯化
する要因として、①高所得者回答拒否仮説、②将来の保証所得増仮説及び教育投資仮説、
③ 年金依存仮説、④現金化仮説、⑤生活保護仮説、生活保護モラルハザード仮説、⑥失業・
所得減仮説、⑦扶養者増仮説、⑧住宅ローン返済圧力仮説といった仮説を設定し、クロス
表を用いて、その可能性が一つずつ検証した。最後にこれらの要因を説明変数化したプ
ロビットモデルを推計し、無貯蓄世帯になる原因を同時に分析した。その結果、失業状
態と無貯蓄化は関係が無く、むしろ就業世帯で中低所得の世帯に関係が深いことがわか
った。また、扶養人数が多いことなども、無貯蓄世帯化に関係していることが分かった。
生活保護についても影響しているが、サンプルは少なくその影響は限定的である。高所
得者回答拒否仮説、年金依存仮説、現金化仮説、住宅ローン返済圧力仮説については、
それを指示する結果は得られなかった。
*金融広報中央委員会のご厚意により、「家計の金融資産に関する世論調査」の貴重な個票データを用いる
ことができた。阿部弥生さんをはじめ金融広報中央委員会の皆様に感謝したい。阿部弥生さん、チャール
ズ・ホリオカ教授、藤木裕氏をはじめとする研究会参加者からは多くの有益なコメントをいただいた。改
めて感謝を申し上げる次第である。
1
どのような人々が無貯蓄世帯化しているのか
1. はじめに
金融広報中央委員会が毎年発表している「家計の金融資産に関する世論調査」(旧貯
蓄広報中央委員会「貯蓄と消費に関する世論調査」
「貯蓄に関する世論調査」)によれば、
金融資産を保有していないいわゆる「無貯蓄世帯」は年々増加しており、平成 15 年に
は調査世帯の 21.8%にも達している(図1)。調査世帯は単身者を除く2人以上の同居
者が居る世帯であるから、その 5 分の 1 が無貯蓄世帯化しているということは実に驚く
べき数字であり、新聞など報道にも大きく採り上げられることになった。また、年間の
所得から全く貯蓄を行っていないフローの無貯蓄世帯も増加しており、同じく 2003 年
には 28.9%もの高さに達している。
貯蓄は、失業や病気、災害などのリスクに備えるための自己保険あるいはバッファ
ー・ストックとしての機能を持っているが、無貯蓄状態に陥っているということはこう
したリスクに直に晒されているということであり、危険な状態にいる可能性がある。し
たがって、このような無貯蓄化している世帯がどのような属性の人々であるのかを特定
し、その状態を分析することは社会保障政策の運営上、極めて重要であると考えられる。
しかしながら、現在、わが国で無貯蓄世帯の分析を行っている研究例は、松浦・白石
(2004)を除き存在しておらず、その重要性に鑑みて研究蓄積があまりに少ないと言わざ
るを得ない。
そこで本稿では、まさに、金融広報中央委員会「家計の金融資産に関する世論調査」
(平成 15 年度)自体の個票データを直接分析することにより、無貯蓄世帯がどのよう
な世帯であるのかを明らかにしてゆく。以下、本稿の構成は次の通りである。2節では、
「家計の金融資産に関する世論調査」データの概要について述べる。3節は、21.8%の
無貯蓄世帯率を様々な定義で精査してゆく。4節は、なぜ無貯蓄世帯になるかという点
について様々な仮説を採り上げ、精査した上で定義された新たな無貯蓄世帯率を、諸属
性から検証する。5節は、4節で採り上げた諸仮説をプロビット分析により同時に計測
することにより、無貯蓄世帯化の要因をより厳密に評価する。6節は結語である。
2.データ
本稿で用いるデータは、金融広報中央委員会が毎年行っている「家計の金融資産に関す
る世論調査」の平成 15 年調査の個票データである。この調査は、平成 13 年 4 月に金融広
報中央委員会と名称が変わる以前の旧貯蓄広報中央委員会時代から、「貯蓄と消費に関する
世論調査」あるいは「貯蓄に関する世論調査」という名称で、昭和 28 年以来連続して調
査が行われている。平成 15 年調査は、層化 2 段階無作為抽出法により全国から 400 の調査
地点を選び、各調査地点から無作為に 15 の世帯員 2 名以上の世帯を選ぶことによって 6000
の調査世帯 を標本抽出し行われており、4158 世帯からの回答を得ている(有効回答率
2
69.3%)。抽出世帯へは調査員が調査票を持参して調査方法を説明した上で、数日後に再び
訪問して調査票を点検・回収するという留置面接回収法を用いている。調査は平成 15 年 6
月 27 日から 7 月 7 日までの期間で行われた。このデータの利点は、毎年サンプルの類似性
が保たれるように、サンプリング方法や有効回答数、調査の長さや形式などを統御した調
査設計を行っている点である。残念ながら、サンプル自体は毎年違うのでパネルデータで
は な い が 、 こ う し た 調 査 設 計 を 行 っ て い る た め、 時 系 列 比 較 が 可 能 な Repeated
Cross-Section Data であるとみなすことができる。
図 3 は、各年の「家計の金融資産に関する世論調査」における金融資産総額を度数分
布に描いたものである。金融資産総額は 2000 年価格で実質化し、対数をとっているが、
無貯蓄世帯は対数が定義できないために、1 万円を加えて 0 目盛りに描かれるようにし
ている。これをみると、金融資産を保有している世帯の分布は毎年それほど変わってい
ないが、近年はやや分布の幅が広がり、格差が拡大する傾向にあることがわかる。また、
分布の対称性もそれほど変化が無いものの、やはり、近年はやや左側の貯蓄の少ない世
帯の密度が高まっており、金融資産が少なくなってゆく中で無貯蓄世帯が増加している
という連続性がある程度うかがえる。また、図 4 は、年間所得からの貯蓄額を実質化し
対数をとって度数分布にしたものである。これをみると、毎年少しずつではあるが、分
布の中心が左に移っていることがわかる。つまり、年間貯蓄額が少なくなってゆく中で
ゼロ貯蓄率世帯が増加していると想像される。金融資産を保有していない無貯蓄世帯は、
このようなフローの貯蓄減少の延長線上にあるのであろうか、それともそれ以外の要因
により生じているのであろうか、興味深い点である。
3.無貯蓄世帯率(金融資産非保有世帯率)の精査
無貯蓄世帯率の定義に用いられる質問は、具体的には次のようなものである。
問 2 あなたのご家庭では、現在、貯蓄を保有していますか。
(○は 1 つ)
1. 貯蓄を保有している。
2.貯蓄を保有していない。
この質問の 2 に○をつけたものが無貯蓄世帯となる。この質問に先立つ問 1 には、貯
蓄に関して「商・工業や農・林・漁業等事業のための貯蓄や、給与振込み、口座振替な
ど一時的にしか口座にとどまらないような預貯金は含めないでお答えください。以下の
質問についても同様です。」という注意書きがあり、厳密に金融資産の口座がゼロであ
ることを要求していない。したがって、定義上、貯蓄動向調査(現在は家計調査)等よ
りは無貯蓄世帯率が高くなることに注意が必要である。しかしながら、やはり 21.8%と
いう数字は驚くべき値であり、無貯蓄世帯率をもう少し精査する必要があると思われる。
なお、貯蓄には金融資産総額とフローの貯蓄額の両方の意味があり、混乱しがちである
3
ので、以下では、貯蓄の無貯蓄世帯を金融資産非保有世帯、無貯蓄世帯率を金融資産非
保有世帯率と呼ぶことにする。
さて、この貯蓄保有の有無の質問は、「1.貯蓄を保有している」を回答した場合、
問3からの金融資産に対する詳細な質問を付随するために、回答拒否者が無とする可能
性が指摘できる。また、貯蓄は一般的用語からの類推として「預金」を指すと限定して
しまっている可能性もある。さらに、問2の質問は、厳密に預金残高や金融資産がゼロ
であることを定義上要求していないために、かなり主観的な要素で「答えるほどの金融
資産残高が無い」と判断される余地を残している可能性がある。したがって、調査票に
おける他の問の回答を用いて、金融資産非保有世帯の定義と矛盾している可能性がある
サンプルをピックアップして行くことにする。
まず、以下の 2 つの質問に対して矛盾した回答を行った世帯を1次基準として除くこ
とにする。
① 問 7「金融商品の中には、株式や外貨預金のように、株価や為替相場の変動によっ
ては元本割れするものがあります。あなたのご家庭では、こういった商品をお持ち
ですか。(○は一つ)」という質問に対して、元本割資産を「持っている」とした世
帯・・・23 サンプル。
② 問 8「あなたのご家庭では、現在の貯蓄残高は 1 年前に比べて増えましたか、ある
いは減りましたか。
(○は一つ)」という質問で、「増えた」と回答した世帯・・・7
サンプル。
次に、第 2 次基準として、以下の質問を使って矛盾回答サンプルを除くことにする。
この第 2 次基準は、回答が完全に矛盾しているとは限らないものの、おそらく金融資産
を保有しているであろうと想像される基準である。
③ 問 1a の「過去 1 年間に手取り収入(税引き後)から何%(%未満は四捨五入)ぐ
らいを貯蓄しましたか」という質問に対して、貯蓄をしているとして割合を答えた
世帯・・・125 サンプル。因みにこの 125 サンプルの収入からの貯蓄割合は平均 7.2%
(最大 30%)である。しかしながら、過去1年であるから貯蓄をした後に現在まで
の間に貯蓄がゼロとなっている可能性もある。
④ 問 1b の「年間手取り収入のうちボーナスや臨時収入(税引き後)から何%(%未
満は四捨五入)ぐらいを貯蓄しましたか」という質問に対して、貯蓄をしていると
して割合を答えた世帯・・・47 サンプル。因みに、この 47 サンプルのボーナス・
臨時収入からの貯蓄割合は平均 13.8%(最大 50%)。これも、過去1年であるから
貯蓄をした後に現在までの間に貯蓄がゼロとなっている可能性もある。
⑤ 問 35「現在の生活費は、どのような収入源によっていますか(○は 3 つまで)」と
いう質問に対して、
「 4.貯蓄取り崩し」によって生活を賄っていると回答した世
4
帯・・・32 サンプル。これも、貯蓄取り崩しの結果、現在貯蓄がゼロになってしま
っているということがあり得る。
⑥ 問 19「あなたの家計(家族全体)の過去1年間の収入・支出それぞれについて、下
表の該当する欄に金額をご記入ください」という質問の過去 1 年の「年間貯蓄額」
を正の値で回答している世帯・・・94 サンプル。因みに 94 サンプルの平均年間貯
蓄額は 58.5 万円(最大 500 万円)
。
⑦ 問 19 で「年間手取り収入」を答えていない世帯・・・323 サンプル。手取り収入
を答えていない世帯は、資産についても回答拒否のつもりで「貯蓄を保有していな
い」と答えた可能性があると思われる。実際に、表1にみるように、所得について
回答していない欠損者のうち、金融資産非保有世帯率は 31.9%と高くなっている。
したがって、所得欠損世帯を全て除くことにする。
先に触れたように、「商・工業や農・林・漁業等事業のための貯蓄や、給与振込み、
口座振替など一時的にしか口座にとどまらないような預貯金は含めないでお答えくだ
さい。以下の質問についても同様です。」という注意書きがあるので、決済用のために
残高が多少ある場合も、金融資産非保有世帯の定義と矛盾はしない。ただし、貯蓄動向
調査等との比較のために、厳密に口座の残高が 0 となる場合の定義にすることも可能で
ある。これを第 3 次基準とする。
⑧問 18「あなたのご家庭では、買い物代金、旅行代金、公共料金等家計支出の資金決
済手段としてどのようなものを主に利用していますか。この1年間についてお答え
ください。(○は 2 つまで)」という質問に対して、クレジットカードを使っている
と答えた世帯・・・155 サンプル。クレジットカードを使うためには口座の厳密に
残高が 0 にはなっていないはずである。
⑧ 同様に、問 18 の公共料金等資金決済手段を尋ねる質問で、口座振替を使っている
と答えた世帯・・・507 サンプル。これも厳密には口座の残高が 0 にはなりえない。
さて、上記の判定基準から、基準 1(①②を反映)、基準 2(基準 1 のほか、③から
⑦を反映)、基準 3(基準 1,2 のほか、⑧⑨を反映)の 3 つの基準に対する金融資産非
保有世帯率を計算したものが表 2 の通りである。基準 2 の定義を用いても 14.2%であ
り、やはり驚くべき高さである点は変わらない。また、14.2%という数字は、松浦・白
石(2004)が、2002 年の郵政研究所(現在、日本郵政公社・郵政総合政策研究所)
「家
計と貯蓄に関する調査」を精査して得た 14.90%という数字に非常に近い。基準 3 の
4.5%は、金融広報中央委員会の定義には矛盾したものではないが、ここまで厳密に口
座が 0 と定義しても、なお 5%近い人々が残るということも驚きに値する。
5
4.無貯蓄世帯化(金融資産非保有化)の原因についての仮説
本節ではなぜこれほど多くの人々が金融資産を保有していない状況にあるのかにつ
いて、いくつかの仮説を考え、検討してゆくことにする。なお、金融資産非保有世帯の
定義は、前節に定義した基準 2(非保有率 14.2%)を用いることにする。
まず、現実の制度的な要因や不確実性による偶発的な要因を考えずに、自然な状態と
して合理的に無貯蓄状態を選ぶ可能性はあるだろうか。一つの可能性は、金利が非常に
安く株式市場が低迷していること等によって、金融資産の魅力が薄れ、現金を保有して
いるというものである(現金化仮説)。また、将来の大幅な所得増が確実に期待できる
場合に、所得の目いっぱいまで消費を行っているということも考えられる(将来の保証
所得増仮説)1。これは、日本的雇用慣行を保持して高い傾斜の賃金プロファイルを持
続している大企業の従業員について特に当てはまる可能性がある。あるいは、教育投資
によって今後高い所得増を期待している場合にも、所得制約のぎりぎりまで投資を行っ
て貯蓄をしないという行動が見られる可能性がある(教育投資仮説)。いずれにせよ、
これは比較的若く、十分な教育を受けて一定の所得を得ており、教育投資の効率の高い
大卒層などにあり得ると想像される。それ以外には、もちろん、タイムプリファレンス
の非常に高い効用関数、マイオピズムやハイパーボリックな効用関数などを想定するこ
ともできるし、リスク回避度についてもいろいろな想定がし得るが、ここでは検証の方
法がないので深く触れない。
次に、現実の諸制度や制約を考えた場合の説明を考えよう。まず、第一に挙げられる
のは生活保護、あるいは今後生活保護になるためのモラルハザードである。これは、ア
メリカにおいても過少貯蓄の説明として議論されたことがあり、たとえば、Hubbard,
Skinner and Zeldes(1995)が最適消費の DP シミュレーションによって明らかにしたと
おりである。ただし、その場合、図 3 のようなほぼ対称な分布とはならず、左側の貯蓄
の少ない部分がセンサーされたような形状になるはずである。また、これまでの先行研
究から、日本の生活保護の補足率2は最大限に見積もっても 1 割程度であることが知ら
れているから(たとえば、駒村(2003))、モラルハザードを起こす余地もアメリカほ
ど大きいとは想像できない。いずれにせよ、生活保護世帯自体は、定義上、金融資産非
保有になる(生活保護仮説、生活保護モラルハザード仮説)。
また、年金受給者については毎年の年金給付水準がほぼ確定しているので、その中で
死ぬまでの生活がまかなえる場合には、金融資産を使いきってしまうこともあり得る。
これも年金による一種のモラルハザードといえるのかもしれない(年金依存仮説)
。
1
これは保有資産として人的資本を考慮して消費を行っているとも考えることができ
る。日本的雇用慣行の下では人的資本の生産性と実際の給与水準が、若いときには乖離
しているが、後にその乖離分が保障されるというのが日本的な雇用慣行であるから、そ
れを織り込んで消費していると考えられるのである。
2
絶対貧困ライン以下の世帯に対する生活保護世帯の比率。
6
さらに、不確実性がある中では失業や資産デフレといったアクシデントの結果、ある
いはそれを補う各種保険が十分に機能しなかった結果、金融資産非保有世帯に陥ったと
いう可能性がある。そのような十分に予期しえぬ偶発的要因として、①失業や予期せぬ
所得減(失業、所得減仮説)、②パラサイトシングル、要介護の両親同居といった予期
せぬ扶養者増(扶養者増仮説)、③住宅デフレと所得減によるローン返済圧力からの金
融資産非保有化(住宅ローン返済圧力仮説)、等が考えられる。最後に、統計上の問題
として、松浦・白石(2004)が指摘する高所得世帯の回答拒否による見かけ上の非保
有世帯化という可能性も指摘できる(高所得者回答拒否仮説)
。
以上の仮説を区別することは社会保障政策を考える上では、きわめて重要である。も
し、高所得者回答拒否仮説、教育投資仮説、生活保護仮説、生活保護モラルハザード仮説、
年金依存仮説、将来の保証所得増仮説、現金化仮説のようなものが支配的であれば、それ
は個人の合理的選択の結果であって政策的に介入する筋合いの話ではない。しかしながら、
失業・所得減仮説、扶養者増仮説、住宅ローン返済圧力仮説といった偶発的なショックに
よってこのような無貯蓄状態になっているのであれば、何らかの政策的な対応も検討の余
地がある。
4.1 失業・所得減仮説、扶養者増仮説
まず、第1の仮説として、失業、賃金減少などのショックによる貯蓄取崩しで無貯蓄世
帯化している可能性が挙げられる。表 3 は、問 8「あなたのご家庭では、現在の貯蓄残高は
1 年前と比べて増えましたか、あるいは減りましたか(○は一つ)」という質問の昨年の貯
蓄残高からの変化について、金融資産非保有世帯、保有世帯別のクロス表をとったもので
あるが、非保有世帯において「減った」とした世帯が 54.2%、「変わらない」とした世帯
45.8%となっており、両者とも保有世帯よりも多い。変わらないとした世帯が保有世帯の比
率よりも多いことから、非保有世帯の持続性が伺われる。さて、問9は問8の回答を受け
て貯蓄残高減少者に対して減った理由を尋ねている(複数回答)が、その理由として、
非保有世帯と保有世帯の違いが有意に説明できるものは「定期収入の減少」及び「扶養
家族増」である。後者は、パラサイトシングルやニート、要介護状態になった両親が同
居すること等による扶養家族などを指しているものと想像される。
次に、職業別の金融資産非保有世帯率をみたものが、表5である。これをみると、保
有世帯と非保有世帯で有意に割合に差があるものは、労務系職員、自営・商工・サービ
ス業であり、これらの職内の非保有世帯率も高い。一方、失業者が含まれると考えられ
る「その他職業」は有意な差が無く、非保有世帯率もそれほど突出して高いと言うわけ
ではない。また、無業率を金融資産非保有世帯と保有世帯で比較したものが、表 6 であ
る。これをみると、金融資産非保有世帯の方が無業率がかえって低い。これは年金受給
者層を除くために 64 歳以下で計算をしても同様である(表 7)。したがって、失業や失業
の継続による無貯蓄化という可能性は低いと思われる。
7
4.2 高所得者回答拒否仮説
松浦・白石(2004)は、日本郵政公社・郵政総合政策研究所の「家計の金融資産の選択
に関する調査」の個票を用いて、無貯蓄世帯の増加と資産格差拡大について分析をして
いるが、その中で、高所得者が金融資産の回答を拒否し、金融資産非保有世帯が増加し
ている可能性を指摘している。つまり、事実上の回答拒否として金融資産が無いと答え
ているというものである。そこで、表 8 は、所得階層別に保有・非保有世帯を比較した
ものであるが、非保有世帯の多い所得階層は圧倒的に低所得者の所得階層であり、高所
得者で非保有世帯率が上昇するという傾向は伺えない。したがって、本稿で用いるデー
タに関しては、高所得者の回答拒否仮説は当てはまらないと思われる。
4.3 生活保護仮説、生活保護モラルハザード仮説
ところで、表 8 において低所得者に非保有世帯が多いという点は生活保護・生活保護
モラルハザード仮説を想像させる。わが国の生活保護制度は、補足性の原則があるため
に、生活保護を受けるにあたって資産を保有していることはできない。また、貯蓄に関
しても、生活保護受給者は所得の 0.5 ヶ月分以上の貯蓄を保有することはできない。こ
うした生活保護世帯が非保有世帯であるならば、非保有世帯化になんら不思議は無いこ
とになる。しかしながら、同じく生活保護受給に当たって認められない実物資産である
持家の有無とのクロス表をとると、金融資産非保有世帯の実に 56.4%が持家を持ってお
り、生活保護を受けているあるいはこれから受けようとしてモラルハザードを起こして
いる人々が大勢であるとは考えにくい。ちなみに、この調査では生活保護世帯かどうか
はわからないが、保護世帯の特徴を捉える指標を用いて、保護世帯数を推定してみよう。
まず、世帯主が 60 歳以上の家庭については、問 35「現在の生活費は、どのような収入
源によっていますか」という質問があり、「8.国や市町村などからの公的援助」という
項目がある。これに○をつけた 12 世帯は生活保護である可能性が高いと思われる。60
歳未満については、このような明確な問は無いため、①持家無し、②金融資産無しか
20 万円以下3、③年収からの貯蓄額も 20 万円以下、④年間所得 200 万円以下4、という
基準を全て満たす 20 サンプルを保護世帯の可能性が高いものとした。こうして、60 歳
以上の 12 サンプルを加えた 32 サンプルを推定保護世帯とする。これは、全体の 1.1%、
金融資産非保有世帯の 7%程度にしかならない。
全体の 1.1%という数字は補足率に関す
る先行研究とも整合的である。非保有世帯での持家率が 56.4%もあること、わが国に
おける生活保護認定の難しさを考えると、生活保護を狙ってのモラルハザード行動とい
所得の 0.5 ヶ月分として最大限の可能性として 20 万円とした。
わが国の生活保護制度は、生活保護基準額までは働いても差額として生活保護費を受け取
れるために、ほぼ 200 万円程度までは就労収入がある可能性がある。ちなみに、問 19 の年
間収入には生活保護費は定義上入っていない。
3
4
8
う点もにわかには想像しがたい。
4.4 公的年金依存仮説、将来の保証所得増仮説
寛大な年金受給を期待して、高齢者が貯蓄を取り崩しきったことにより、非保有世帯
化した可能性はあるだろうか。表 10 は年齢階層別の非保有・保有世帯を比較したもの
であるが、割合において非保有世帯が有意に高いのは 20 代、30 代であり、60 歳代は
むしろ低く、70 歳代も有意な差が無い。したがって、年金受給者において特に金融資
産非保有世帯が多いというわけではなく、公的年金依存仮説も当てはまらないと考えら
れる。さて、割合において非保有世帯が有意に高いのは 20 代、30 代が高いということ
は、将来の保証所得増仮説と整合的である。そこで、もう少し細かくみるために、20
代の 30 代サンプルを取り出し、所得階層と非保有・保有世帯のクロス表を作ったもの
が、表 12 である。保証所得増仮説と整合的であるためには、比較的既に所得が高い層
か中間層である必要があると思われるが、圧倒的に非保有世帯が多いのは年収 150 万
以下の所得階層や 150 万から 250 万の所得階層であり、仮説とは若干の乖離があると
思われる。
4.5 現金化仮説
次に、金利が低いために、現金化して資産を持っている可能性についてはどうであろう
か。表 13 は手元現金額を非保有世帯・保有世帯で比較したものである。非保有世帯は平均
17.0 万円、保有世帯は 36.1 万円と開きがあり、仮説と整合的ではない。もっとも非保有世
帯の中には手元現金を最大 800 万円も持っている世帯もあることから、この仮説が完全に
否定されるわけではない。ちなみに、手許現金 200 万以上の非保有世帯は 8 サンプル、400
万以上は 4 サンプルであった。また、金利が低いために、実物資産化しているという可能
性も理論的には考えられるが、現実の実物資産デフレを考えると現状では想像しにくい。
4.6
住宅ローン返済圧力仮説
最後に、バブル期の前後に高い金利、高い賃金成長の想定の下に住宅ローンを組んだ
ものの、その後の所得減少や住宅資産のデフレによって住宅ローンの返済に窮し、金融
資産を取り崩してしまっているという可能性を検討しよう。まず、表 14 は住宅ローン
だけではなく、全体的な借入金の状況を比較してものである。借入金総額は、金融資産
非保有世帯 515 万円、保有世帯 502 万円と、やはり非保有世帯の方が大きい。その内
訳も、保有世帯と有意な差があるものは、公的金融機関、貸金業者、販売会社・クレジ
ット会社、知人・親戚となっており、困難な状況がわかる。また、使途についても、教
育ローンやフリーローンが保有世帯よりも多く、生活費等に使われていることが想像さ
れる。しかしながら、借入金が多いというのは、金融資産非保有の原因なのか、結果な
のかは定かではない。両者とも苦しい生活費といった共通の要因があるだけなのかもし
9
れないからである。もっとも、住宅ローンについては、少なくともそれを組んだ時点は
過去のことであるから、先決内生変数として、ある程度原因か結果かわからないという
問題は回避できていると思われる。したがって、住宅ローンの状況を次に詳しく見てみ
よう。
表 15 は、住宅ローンの返済額を持家保有世帯のみについて比較したものである。
これをみると、金融資産非保有世帯の方が平均 63.1 万円と年間返済額が大きいことが
わかる。年間所得自体は非保有世帯の方が平均 360 万円と低いから、住宅ローンが年
間所得に占める割合も 17.8%と、保有世帯の 10.7%に対して有意に高くなっている。こ
の点が、非保有化に影響している可能性がある。
5.金融資産非保有選択関数の推定
5.1 推定モデル
前節では、仮説のひとつずつを主に記述統計やクロス表を用いて検討したが、それぞ
れの要因は独立しているわけではなく、記述統計やクロス表では真の要因を分析するこ
とが難しい。そこで、本節では様々な仮説を同時にコントロールした推計を行うことに
する。具体的には、金融資産非保有世帯を 1、保有世帯を 0 とする離散的被説明変数を
用いて、プロビットモデルにより諸仮説の検証を同時に行うことにする。検証に用いる
主な説明変数は、表 16 の記述統計の通りである。すなわち、所得階級ダミー、無業ダ
ミー(64 歳以下と 65 歳以上では年金受給者が含まれるかどうかで異なるため、64 歳
以下と 65 歳以上の年齢階級との交差項)
、年齢階級ダミー、
職業ダミー、持ち家の有無、
世帯人数、都市規模ダミー、地域ダミー、推定保護世帯、住宅ローン返済額/所得比率
である。所得階級ダミーは、
「高所得者回答拒否仮説」と「失業・所得減仮説」、無業ダミ
ーは「失業・所得減仮説」、年齢階級ダミーは、「年金依存仮説」、「将来の保証所得増仮説
及び教育投資仮説」
、世帯人数は「扶養者増仮説」、推定保護世帯は「生活保護仮説」、
高所得者回答拒否仮説、教育投資仮説、生活保護仮説、生活保護モラルハザード仮説、住
宅ローン返済額/所得比率は「住宅ローン返済圧力仮説」等に対応しており、これらの係数
から解釈を行うことにする。
5.2 推定結果
推定結果は、表 17 の通りである。各係数は限界効果で表示している。無業ダミーは
65 歳以上との交差項がマイナスで有意であり、これはおそらく年金受給者は貯蓄を多
く有していることの現れだと思われる。一方で、無業×64 歳以下ダミーは有意ではな
く、失業者と金融資産非保有化の関係は伺えない。所得階級別では 1200 万円以上をベ
ンチマークとして、中低所得者が有意に高くなっている。特に、150 万円以下、150 万
円から 250 万円の層は 50%以上非保有化確率が高いという結果となっている。各所得
階層は全て正の係数であることから、少なくとも「高所得者回答拒否仮説」は支持され
ないであろう。中・低所得が有意であることは、「所得減仮説」とも見て取れるが、失業は
10
関係していないということが興味深い。
年齢階層では 70 歳以上をベンチマークとして、30、40、50 代が有意であり、特に、
40 代、50 代の係数が有意に高くなっているところをみると、「将来の保証所得増仮説
及び教育投資仮説」と解釈することも難しいように思われる。またもちろん「年金依存
仮説」とは整合的ではない。職業では、管理職をベンチマークとして、自営業・商工・
サービス業、労務系職員、自由業、その他職業などが有意であり、これらの職業で非保
有化しやすいことが伺える。また、持家は負に有意であり、持家があると非保有化しに
くいことが伺える。さらに、世帯人数(扶養人数)が多いと有意に非保有化しやすい(限
界効果は一人あたり 1.9%ポイント増)ことから、被扶養者増仮説と整合的である。も
ちろん、推定保護世帯ダミーは非保有率を有意に上げている。
住宅ローンの返済圧力は、持家世帯のみに関係しているため、表 18 は持家世帯に限
り、住宅ローン返済額/所得額比率を説明変数に加えて推計してみたものであるが、有
意な結果とはなっていない。これは、全体のサンプルで行っても同様である。推定保護
世帯ダミーは持家サンプルなので除いている。そのほか興味深いのは、20 歳代ダミー
が非常に高い係数で有意であることである。20 歳代で持家を取得している世帯は親の
資産であったり、所得ダミーで捉えきれないほど恵まれた層である可能性があるから、
この点は「将来の保証所得増仮説及び教育投資仮説」といった積極的な評価が可能なの
かもしれない。その他の係数は、全体の推定とさほど違いは無い。
表 19 は、非持家世帯について同様の推定を行った結果である。所得階級が全て有意
であり、しかも係数が非常に近いことが特徴的である。非持家世帯ではあまり所得階級
の区別無く非保有化しやすいということである。
6.結語
金融広報中央委員会が毎年発表している「家計の金融資産に関する世論調査」によれ
ば、金融資産を保有していないいわゆる無貯蓄世帯は年々増加しており、平成 15 年に
は調査世帯の 21.8%にも達している。本稿は、この無貯蓄世帯(金融資産非保有世帯)
がどのようなプロファイルの人々であるのかを「家計の金融資産に関する世論調査」15
年調査の個票データを用いて検証した。はじめに、質問票の各問を用いて、無貯蓄世帯
の定義に矛盾する世帯を抽出して、無貯蓄世帯率の精査を行った。次に、無貯蓄世帯化
する要因として、①高所得者回答拒否仮説、②将来の保証所得増仮説及び教育投資仮説、
③ 年金依存仮説、④現金化仮説、⑤生活保護仮説、生活保護モラルハザード仮説、⑥失業・
所得減仮説、⑦扶養者増仮説、⑧住宅ローン返済圧力仮説といった仮説を設定し、クロス
表を用いて、その可能性が一つずつ検証した。最後にこれらの要因を説明変数化したプ
ロビットモデルを推計し、無貯蓄世帯になる原因を分析した。その結果、失業状態と無
貯蓄化は関係が無く、むしろ就業世帯で低所得の世帯に関係が深いことがわかった。ま
た、扶養人数が多いことなども、無貯蓄世帯化に関係していることが分かった。さらに、
11
自営業・商工・サービス業、労務系職員、自由業、その他職業なども無貯蓄化しやすい
職業であることがわかった。生活保護についても影響しているが、サンプルは少なくそ
の影響は限定的である。高所得者回答拒否仮説、年金依存仮説、現金化仮説、住宅ロー
ン返済圧力仮説については、それを指示する結果は得られなかった。
参考文献
金融広報中央委員会(2003)「家計の金融資産に関する世論調査」
(平成 15 年)調査結
果の概要
駒村康平(2003)「低所得世帯の推計と生活保護制度」『三田商学研究』46 巻 3 号
社会保障審議会福祉部会・生活保護制度の在り方に関する専門委員会(2004)「生活保
護制度の在り方についての中間取りまとめ」
松浦克己・白石小百合(2004)「1 章・豊かさの中の分裂? −ゼロ貯蓄、ゼロ金融資産
保有世帯の急増」
『資産選択と日本経済−家計からの視点』東洋経済新報社
Aizcorbe A., A.Kennickel and B.K. Moore(2003) “Recent Changes in U.S. Family
Finances: Evidence ofrm the 1998 and 2001 Survey of Consumer Finances,”
Federal Reserve Bulletin, January
Hubbard,R.G. J.Skinner and Zeldes,S(1995), “Precautionary Saving and Social
Insurance,” Journal of Political Economy 103(2), pp.360-99.
12
図1
「家計の金融資産に関する世論調査」における無貯蓄世帯率の推移
%
25.0
21.8
20.0
16.7
16.3
2001
2002
15.0
10.5
10.0
8.8
10.1
10.2
10.8
1996
1997
1998
12.1
12.4
1999
2000
7.9
5.0
0.0
1993
1994
1995
2003
注)「現在、貯蓄を保有していない」世帯(金融資産を保有していない世帯)の割合。
図 2 「家計の金融資産に関する世論調査」におけるゼロ貯蓄率世帯の比率
%
35.0
28.9
30.0
27.1
25.0
20.0
22.0
17.1
18.3
18.2
24.9
23.3
28.9
26.1
18.4
15.0
10.0
5.0
0.0
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
注)「年間の手取り収入から貯蓄を全くしなかった」世帯の比率。
13
2002
2003
図 3 「家計の金融資産に関する世論調査」における 金融資産保有額の度数分布
2003
0
0
.5
.5
Density
1
Density
1
1.5
2001
0
2
4
6
log(Finalcial Wealth)
8
10
0
2
8
10
8
10
8
10
.6
.4
.2
0
0
.2
.4
.6
Density
.8
1997
Density
.8 1
1999
4
6
log(Finalcial Wealth)
0
2
4
6
log(Finalcial Wealth)
8
10
0
2
.8
.6
.4
.2
0
0
.2
.4
.6
.8
Density
1
1993
Density
1995
4
6
log(Finalcial Wealth)
0
2
4
6
log(Finalcial Wealth)
8
10
0
2
4
6
log(Finalcial Wealth)
注)各年における金融資産総額(対数)の度数分布を描いたもの。金融資産総額は、各年
の物価指数で実質化している。無貯蓄世帯の度数は、0 として描かれている。細線は Kernel
Density である。
14
図 3 「家計の金融資産に関する世論調査」における年間収入からの貯蓄額の度数分布
2
Density
1.5
1
.5
0
0
.5
1
Density
1.5
2
2.5
2001
2.5
2003
0
2
4
log(Finalcial Wealth)
6
8
0
2
6
8
1997
2
Density
1.5
1
.5
0
0
.5
1
Density
1.5
2
2.5
1999
4
log(Finalcial Wealth)
0
2
4
log(Finalcial Wealth)
6
8
0
2
6
8
Density
1.5
1
.5
0
0
.5
1
Density
1.5
2
1993
2
1995
4
log(Finalcial Wealth)
0
2
4
log(Finalcial Wealth)
6
8
0
2
4
log(Finalcial Wealth)
6
8
注)各年における「年間収入からの貯蓄額」の対数を度数分布として描いたもの。貯蓄額
は、各年の物価指数で実質化している。貯蓄額がゼロの世帯の度数は、0 として描かれてい
る。Kernel Density である。
15
表 1 所得回答世帯と所得欠損世帯の金融資産非保有世帯率
所得回答
所得欠損
全体
金融資産非保有世帯
保有世帯
合計
非保有世帯率
583
323
906
2,563
689
3,252
3,146
1,012
4,158
18.5%
31.9%
21.8%
注)保有世帯は無回答者を含む。
表 2 基準別金融資産非保有世帯率
基準1
基準2
基準3
金融資産非保有世帯
保有世帯
合計
非保有世帯率
876
424
118
3,220
2,553
2,554
4,096
2,977
2,672
21.4%
14.2%
4.5%
表 3 昨年の貯蓄残高からの変化(問8)
金融資産非保有世帯
増えた
変わらない
減った
合計
保有世帯
0 **
0.0%
191 **
45.8%
226
54.2%
417
100.0%
合計
514
20.3%
745
29.4%
1,271
50.2%
2,530
100.0%
注)**は 1%、*は 5%基準で有意。
表4
貯蓄残高減少の理由(問9)
金融資産非保有世帯
定期収入が減った
土地・住宅購入
耐久消費財購入
子供養育費・
結婚費用
レジャー、旅行
株式、債券相場下落
扶養家族増加
その他
0.713
(0.453)
0.072
(0.259)
0.184
(0.388)
0.359
(0.481)
0.045
(0.207)
0.000
(0.000)
0.108
(0.311)
0.058
(0.235)
保有世帯
**
*
**
**
**
注)**は 1%、*は 5%基準で有意。
16
0.573
(0.495)
0.123
(0.328)
0.302
(0.459)
0.333
(0.471)
0.112
(0.315)
0.112
(0.316)
0.058
(0.233)
0.074
(0.263)
514
17.4%
936
31.8%
1,497
50.8%
2,947
100.0%
表5
職業別金融資産非保有世帯率
金融資産非保有世帯
14
3.3%
職業2(自営・商工・
サービス業)
80
18.9%
職業3(
事務系職員)
51
12.1%
職業4(
労務系職員)
138
32.6%
職業5(管理職)
20
4.7%
職業6(自由業)
9
2.1%
職業7(その他)
111
26.2%
合計
423
100.0%
保有世帯
職業1(農林漁業)
合計
105
4.1%
376
14.8%
546
21.5%
453
17.8%
346
13.6%
58
2.3%
657
25.9%
2,541
100.0%
*
**
**
**
119
4.0%
456
15.4%
597
20.1%
591
19.9%
366
12.4%
67
2.3%
768
25.9%
2,964
100.0%
注)**は 1%、*は 5%基準で有意。
表6
無業率の比較(全年齢)
金融資産非保有世帯
世帯主有業
世帯主無業
合計
保有世帯
369
87.0%
55
13.0%
424
100.0%
2,173
85.1%
380
14.9%
2,553
100.0%
合計
2,542
85.4%
435
14.6%
2,977
100.0%
表 7 無業率の比較(64 歳以下)
金融資産非保有世帯
世帯主有業
世帯主無業
合計
保有世帯
315
96.0%
13
4.0%
328
100.0%
1,741
93.8%
115
6.2%
1,856
100.0%
17
合計
2,056
94.1%
128
5.9%
2,184
100.0%
非保有世帯率
11.8%
17.5%
8.5%
23.4%
5.5%
13.4%
14.5%
14.3%
表8
所得階層と保有・非保有世帯の比較
金融資産非保有世帯
150万未満
保有世帯
52 **
12.3%
95 **
22.4%
111 **
26.2%
72
17.0%
46 **
10.9%
33 **
7.8%
14 **
3.3%
1 **
0.2%
424
100
150万以上250万未満
250万以上350万未満
350万以上450万未満
450万以上600万未満
600万以上800万未満
800万以上1200万未満
1200万以上
合計
120
4.7%
246
9.6%
418
16.4%
462
18.1%
475
18.6%
448
17.6%
292
11.4%
92
3.6%
2,553
100
合計
非保有世帯率
172
5.8%
341
11.5%
529
17.8%
534
17.9%
521
17.5%
481
16.2%
306
10.3%
93
3.1%
2,977
100
30.2%
27.9%
21.0%
13.5%
8.8%
6.9%
4.6%
1.1%
14.2%
注)**は 1%、*は 5%基準で有意
表9
持家の有無と保有・非保有世帯の比較
金融資産非保有世帯
持家有り
239 **
56.4%
185 **
43.6%
424
100.0%
持家無し
Total
保有世帯
1936
75.8%
617
24.2%
2,553
100.0%
合計
2175
73.1%
802
26.9%
2,977
100.0%
注)**は 1%、*は 5%基準で有意
表 10
生活保護世帯の推定
金融資産非保有世帯
保護世帯と推測
それ以外
Total
28 **
6.6%
396 **
93.4%
424
100.0%
注)**は 1%、*は 5%基準で有意
18
保有世帯
4
0.2%
2,549
99.8%
2,553
100.0%
合計
32
1.1%
2,945
98.9%
2,977
100.0%
表 11
年齢階層の保有・非保有世帯の比較
金融資産非保有世帯
20歳代
30歳代
40歳代
50歳代
60-64歳
65-69歳
70歳以上
合計
26
6.1%
74
17.5%
87
20.5%
104
24.5%
37
8.7%
34
8.0%
62
14.6%
424
100.0%
保有世帯
**
*
*
*
60
2.4%
330
12.9%
477
18.7%
671
26.3%
318
12.5%
289
11.3%
408
16.0%
2,553
100.0%
合計
非保有世帯率
86
2.9%
404
13.6%
564
19.0%
775
26.0%
355
11.9%
323
10.9%
470
15.8%
2,977
100.0%
30.2%
18.3%
15.4%
13.4%
10.4%
10.5%
13.2%
14.2%
注)**は 1%、*は 5%基準で有意
表 12
20・30 歳代の所得階級別の保有・非保有世帯の比較
金融資産非保有世帯
150万未満
150万以上250万未満
250万以上350万未満
350万以上450万未満
450万以上600万未満
600万以上800万未満
800万以上1200万未満
1200万以上
合計
10
47.6%
21
45.7%
32
29.9%
21
16.9%
10
9.1%
5
7.7%
1
6.7%
0
0.0%
100
20.4%
注)**は 1%、*は 5%基準で有意
19
保有世帯
11
52.4%
25
54.4%
75
70.1%
103
83.1%
100
90.9%
60
92.3%
14
93.3%
2
100.0%
390
79.6%
21
100.0%
46
100.0%
107
100.0%
124
100.0%
110
100.0%
65
100.0%
15
100.0%
2
100.0%
490
100.0%
表 13
手元現金額の保有・非保有世帯の比較
平均値
金融資産非保有世帯
保有世帯
表 14
標準偏差
17.0
36.1
最小値
59.2
90.3
最大値
0.0
0.0
800.0
900.0
借入金とその内訳における保有・非保有世帯の比較
金融資産非保有世帯
借入金額残高合計
保有世帯
515.8 **
(1,030.7)
借り入れ先の内訳
うち公的金融機関
231.2
(644.2)
215.5
(750.5)
23.0
(69.9)
12.5
(59.6)
7.4
(72.0)
12.1
(57.8)
3.1
(44.4)
うち民間金融機関
うち販売会社・
クレジット会社等
うち貸金業者
うち勤務先
うち親類・
知人
うちその他
使途の内訳
住宅ローン残高
502.4
(1,195.9)
**
180.7
(586.2)
272.8
(965.4)
12.3
(102.4)
1.0
(34.5)
17.3
(128.4)
6.1
(73.8)
1.6
(29.4)
**
**
**
*
410.8
(955.6)
10.7 **
(53.2)
48.9 **
(130.1)
教育ローン残高
フリーローン残高
438.4
(1,061.7)
6.1
(45.8)
21.3
(169.4)
注)**は 1%、*は 5%基準で有意
表 15
住宅ローン返済額の保有・非保有世帯の比較
金融資産非保有世帯
住宅ローン年間返済額
年間手取り収入(
税引き後)
住宅ローン/所得比率
63.1
114.6
360.0 **
209.4
0.178 **
0.331
20
保有世帯
50.3
105.4
529.2
340.8
0.107
0.278
表 16
記述統計
金融資産非保有世帯
無業×64歳以下
無業×65歳以上
150万未満
150万以上250万未満
250万以上350万未満
350万以上450万未満
450万以上600万未満
600万以上800万未満
800万以上1200万未満
1200万以上
20歳代
30歳代
40歳代
50歳代
60∼64歳
65∼69歳
70歳代
職業1(
農林水産業)
職業2(
自営・
商工・
サービス業)
職業3(
事務系職員)
職業4(
労務系職員)
職業5(管理職)
職業6(自由業)
職業7(その他)
世帯人数
持家
地域ダミー1
地域ダミー2
地域ダミー3
地域ダミー4
地域ダミー5
地域ダミー6
地域ダミー7
地域ダミー8
地域ダミー9
都市規模1
都市規模2
都市規模3
都市規模4
都市規模5
都市規模6
推定保護世帯
住宅ローン返済額/所得比率
平均値
0.1424253
0.103124
0.0429963
0.0577763
0.1145448
0.1776957
0.1793752
0.1750084
0.1615721
0.102788
0.0312395
0.0288881
0.1357071
0.1894525
0.2603292
0.1192476
0.1084985
0.1578771
0.0399731
0.1531743
0.2005375
0.198522
0.1229426
0.0225059
0.2579778
3.47848
0.7306013
0.0520658
0.0728922
0.3070205
0.0409809
0.1387303
0.1770238
0.062479
0.0345986
0.1142089
0.2159893
0.3849513
0.1118576
0.0671817
0.0167954
0.2032247
0.0107491
0.0874515
21
標準偏差
最小値
最大値
0.3495445
0
1
0.3041718
0
1
0.2028828
0
1
0.2333591
0
1
0.3185254
0
1
0.3823206
0
1
0.3837306
0
1
0.3800381
0
1
0.3681196
0
1
0.3037329
0
1
0.1739936
0
1
0.1675203
0
1
0.3425348
0
1
0.3919335
0
1
0.4388879
0
1
0.324134
0
1
0.3110612
0
1
0.3646869
0
1
0.195929
0
1
0.360216
0
1
0.4004698
0
1
0.3989542
0
1
0.3284264
0
1
0.1483467
0
1
0.4375952
0
1
1.311047
2
7
0.443722
0
1
0.2221971
0
1
0.2600031
0
1
0.4613355
0
1
0.1982792
0
1
0.3457229
0
1
0.381753
0
1
0.2420642
0
1
0.1827915
0
1
0.3181183
0
1
0.411576
0
1
0.4866655
0
1
0.3152441
0
1
0.2503785
0
1
0.1285258
0
1
0.402466
0
1
0.1031364
0
1
0.2609946
0
5
表 17
金融資産非保有選択関数の推定 1(全体)
無業×64歳以下
無業×65歳以上
150万未満
150万以上250万未満
250万以上350万未満
350万以上450万未満
450万以上600万未満
600万以上800万未満
800万以上1200万未満
20歳代
30歳代
40歳代
50歳代
60∼64歳
65∼69歳
職業1(
農林水産業)
職業2(自営・商工・
サービス業)
職業3(
事務系職員)
職業4(
労務系職員)
職業6(
自由業)
職業7(
その他)
世帯人数
持ち家の有無
地域ダミー1
地域ダミー2
地域ダミー3
地域ダミー4
地域ダミー5
地域ダミー6
地域ダミー7
地域ダミー8
都市規模1
都市規模2
都市規模3
都市規模4
都市規模5
推定保護世帯
限界効果係数
0.0046006
-0.0525807 *
0.5069919 **
0.5022316 **
0.397164 **
0.2859206 **
0.2047647 *
0.1907612
0.141576
0.0898179
0.0774984 *
0.0963397 **
0.0720313 **
0.0042913
-0.0094671
0.0744086
0.1301812 **
0.0049274
0.1241373 **
0.1168534 *
0.1012966 **
0.0186509 **
-0.0539075 **
-0.0353976
-0.0164763
-0.0415577 *
-0.039887
-0.0873108 **
-0.0433398 *
-0.0374232
-0.0476387
-0.0088588
0.0110867
0.0327642
-0.0040865
-0.0017568
0.6330173 **
標準誤差
0.0251765
0.020785
0.1527763
0.1454501
0.1390855
0.1325086
0.1233967
0.1231587
0.1222494
0.0563497
0.0381635
0.0363145
0.0304696
0.0275937
0.0226204
0.0543548
0.0383769
0.0267216
0.0352761
0.0698072
0.0371456
0.0048935
0.0160178
0.0224124
0.0222989
0.0169918
0.0234371
0.0130325
0.0166924
0.0207205
0.0228717
0.0189501
0.016656
0.0247804
0.0247453
0.0430523
0.1058323
p値
0.853
0.046
0
0
0.001
0.007
0.042
0.057
0.158
0.057
0.02
0.002
0.009
0.875
0.684
0.11
0
0.852
0
0.04
0.002
0
0
0.168
0.483
0.021
0.148
0
0.02
0.116
0.092
0.646
0.502
0.155
0.87
0.968
0
注)
*は5%基準、**は1%基準で有意。推定方法は、Probit Model。
サンプル数は、2974。Pseudo R2は 0.1621。Log likelihood は -1020.6312。
ダミー変数のベンチマークは、所得が1200万円以上、年齢が70歳、職業が職業5(
管
理職)
、地域ダミー9、都市規模6。
22
表 18
金融資産非保有選択関数の推定 2(持家世帯)
無業×64歳以下
無業×65歳以上
150万未満
150万以上250万未満
250万以上350万未満
350万以上450万未満
450万以上600万未満
600万以上800万未満
800万以上1200万未満
20歳代
30歳代
40歳代
50歳代
60∼64歳
65∼69歳
職業1(農林水産業)
職業2(
自営・
商工・
サービス業)
職業3(事務系職員)
職業4(労務系職員)
職業6(自由業)
職業7(その他)
世帯人数
地域ダミー1
地域ダミー2
地域ダミー3
地域ダミー4
地域ダミー5
地域ダミー6
地域ダミー7
地域ダミー8
都市規模1
都市規模2
都市規模3
都市規模4
都市規模5
住宅ローン返済額/所得比率
限界効果係数
-0.007029
-0.0411367
0.4614406 **
0.4386416 **
0.330856 **
0.2832489 **
0.1457644
0.1442882
0.1374531
0.4745596 **
0.0750908
0.0712737 *
0.0602045 *
0.0079253
-0.0183673
0.0435369
0.0638437 *
0.0130475
0.0667716 *
0.0735234
0.075985 *
0.0169548 **
-0.0481529 *
-0.0051126
-0.0381745 *
-0.0274079
-0.07585 **
-0.0407964 *
-0.0239428
-0.0349729
-0.017951
0.0007655
0.0244267
-0.0182818
-0.0142933
0.0291389
標準誤差
0.0220089
0.0198522
0.1624033
0.1489531
0.1349636
0.1292514
0.1060522
0.1051021
0.1120233
0.1958575
0.0469103
0.0367457
0.0295828
0.0258808
0.0195862
0.0470991
0.0347405
0.0280604
0.0334528
0.0675724
0.0367437
0.0049784
0.0179743
0.023384
0.017228
0.0219332
0.0122506
0.0163368
0.0221033
0.0230052
0.0183618
0.0158543
0.0241536
0.0212827
0.0366362
0.0172744
p値
0.756
0.106
0
0
0.001
0.004
0.085
0.086
0.119
0.002
0.054
0.024
0.025
0.754
0.382
0.291
0.034
0.63
0.021
0.184
0.02
0.001
0.049
0.83
0.04
0.278
0
0.03
0.335
0.215
0.355
0.961
0.277
0.429
0.716
0.091
注)
*は5%基準、**は1%基準で有意。推定方法は、Probit Model。
サンプル数は、2165。Pseudo R2は 0.1163。Log likelihood は -657.10097。
ダミー変数のベンチマークは、所得が1200万円以上、年齢が70歳、職業が職業5(
管
理職)、地域ダミー9、都市規模6。
23
表 19
金融資産非保有選択関数の推定 5(持家無し)
無業×64歳以下
無業×65歳以上
150万未満
150万以上250万未満
250万以上350万未満
350万以上450万未満
450万以上600万未満
600万以上800万未満
800万以上1200万未満
20歳代
30歳代
40歳代
50歳代
60∼64歳
65∼69歳
職業1(
農林水産業)
職業2(自営・商工・サービス業)
職業3(
事務系職員)
職業4(
労務系職員)
職業6(自由業)
職業7(その他)
世帯人数
地域ダミー1
地域ダミー2
地域ダミー3
地域ダミー5
地域ダミー6
地域ダミー7
地域ダミー8
都市規模1
都市規模2
都市規模3
都市規模4
都市規模5
推定保護世帯
限界効果係数
0.0432816
-0.0421841
0.9156809
0.956114
0.9839183
0.9743682
0.9695118
0.9380271
0.8819187
-0.0054205
0.0228388
0.0669314
0.0301778
-0.0517687
-0.0140312
0.1844592
0.3142568
0.0087012
0.2742734
0.3371769
0.1639149
0.0248677
0.009939
-0.0614254
-0.0465137
-0.0845089
-0.0537758
-0.0281589
-0.0877397
0.0517566
0.0900484
0.0846298
0.1113824
0.1644363
0.7324883
**
**
**
**
**
**
**
**
**
*
**
標準誤差
0.0885624
0.0728234
0.0109576
0.0078325
0.0046263
0.0074802
0.0074469
0.0099248
0.0139968
0.0862186
0.0827854
0.0907023
0.0859324
0.0790734
0.0722743
0.2703445
0.0992344
0.0696502
0.0863446
0.1845261
0.1008988
0.0127549
0.0696612
0.0514491
0.0426246
0.0442724
0.0442247
0.0588321
0.056305
0.0562042
0.0508989
0.0737376
0.0917454
0.1768826
0.0799744
p値
0.604
0.596
0
0
0
0
0
0
0
0.95
0.779
0.435
0.717
0.557
0.85
0.427
0
0.9
0
0.038
0.069
0.051
0.885
0.294
0.288
0.11
0.259
0.649
0.221
0.339
0.07
0.209
0.173
0.281
0
注)*は5%基準、**は1%基準で有意。推定方法は、Probit Model。
サンプル数は、791。Pseudo R2は 0.2215。Log likelihood は -334.92975。
ダミー変数のベンチマークは、所得が1200万円以上、年齢が70歳、職業が職業5(管
理職)、地域ダミー 9、都市規模6。地域ダミー4はドロップされている。
24