イギリスボランティアプログラム参加者レポート ・参加期間: 2014 年 7 月~2015 年 7 月 12 ヶ月予定 このレポートをご記入いただいたのは活動を始めてから約( 5 )ヶ月め頃 ・プログラムの参加動機:英語圏で暮らし、日本と異なる文化に触れることが主な目的でした。 日本の老人ホームで働いていたため、イギリスでの福祉のありかたを学ぶことにも意義を感 じて参加することに決めました。 ・ボランティア活動先に関して: 施設名:Alne Hall 種類: 障害者施設 活動先紹介:入所者数28名、スタッフ60名(内フルタイム22名)、外国人ボランティア数は現 在5名ですが、入れ替わり時に2人になったこともあります。 活動内容:時間は朝9時から夕方の4時半までですが、当番制で誰か1人のボランティアが夕 食の手伝いに1時間ほど入るため、その日は5時半までとなります。 月曜日の朝にアクティビティのスタッフとボランティアが集まってミーティングを開き、毎週の大 まかな予定を立てます。ハロウィンやクリスマスなどの大きなイベントは何週間もかけて少し ずつデコレーションやお菓子づくりなどを進めていきます。 ミーティングでは、私達外国人ボランティアからの企画も歓迎されます。いつも「何かアイデア はない?」と聞かれるので、各国の行事にまつわるイベントを企画したり、季節に関係するよ うなお菓子を作ったりという大掛かりなアクティビティの提案はここで行います。そのアイデア が提案されると、材料の調達から進行まで全てそのボランティアに任されることも多いです。 私は先日、芋版で年賀状を作りました。デンマーク人とドイツ人のボランティアは、各国のクリ スマスについて話をしたり、お菓子や特別なデコレーションを作って見せてくれました。 ルーティーンの大きな活動としては、火曜日にお菓子作り、木曜日にマッサージとアート、金 曜日に音楽の専門ボランティアの人が来てくれます。その際、私達外国人ボランティアも補助 に入ることが多いです。その他不定期ですが、ペットセラピーの犬が来たり、合唱団や演劇の グループの発表を見たり、移動動物園が来たこともありますし、月に何度かは教会の集会も あります。 ルーティーンの小さな活動としては、クロスワードパズルを解いたり、お菓子作りや編み物や 縫い物をしたり。ボウリングや競馬ゲームなどの体を動かすゲームをすることもあります。全 員でワードゲームをすることもありますが、マンツーマンで個々の利用者さんの嗜好に合わせ た作業(バースデーカード作りなど)をすることもあります。 ボードゲームや手芸、製菓材料などは全てアクティビティルームに揃っているので、その場の 状況に合わせて「じゃあ、これをやりましょう」と提案することもしょっちゅうです。夏場の気候 のいい時には、毎日のように施設の敷地内を散歩します。野生のリスやウサギ、隣の敷地で 飼われている馬などを見ることができます。 活動する上で私が気を付けているのは、個々の利用者さんの状態に合わせるということ。例 えば手が少ししか動かせない利用者さんがいるときには、少しの動きで対応できるダイスゲ ームなどを選ぶようにしています。記憶系のゲームは難易度が高いので、利用者さんのレベ ルに合わせて枚数を調整したり、集中力を高めるためラジオのボリュームを絞ったりしていま す。テーブルの配置や座る位置などもなるべく全員が楽しめるように考えています。 感想:Alne Hall は常に外国人ボランティアを4名、そのうち日本人ボランティアを1〜2名採用 しており、外国人や日本人に対する理解度が高いように思います。スタッフもみんな親切で、 私の英語のレベルに合わせて優しく話しかけてくれます。コーディネーターさんも親身になっ てくれて、ドライブやプールに連れて行ってくれたり、足りない生活用品を買い足してくれたり、 研修などにもたくさん参加させてもらっています。私は日本でも老人ホームで働いていたので すが、ここでの生活は本当にゆったりとしていてリラックスできます。まだ半年たっていないの ですが、すでに帰る日のことを考えると悲しくなってしまうほど毎日が楽しいです。 ・滞在先に関して: 形態: ボランティアは施設の屋根裏部屋(もしくは離れのような場所。2箇所に分かれてい る)に住み込みです。1人1部屋ずつ与えられ、ボランティア専用のリビングもあります。屋根 裏はボランティア専用のため、プライベート空間はしっかり確保されている印象です。 ルームメイト:シェアメイトはボランティアの日本人1人、ドイツ人2人、デンマーク人1人。現在 は全員女性ですが、男性が配置されることもあります。 設備: 私はテレビは見ないので部屋に置いていませんが、ボランティアのリビングに大きなテ レビが設置されています。ボランティアのリビングには小さな冷蔵庫、ソファとテーブル、たくさ んの DVD、ゲーム機器などがあり、ボランティアのみんなで使っています。その他共有のもの はアイロン、掃除機、自転車1台と付属品(鍵、ライト、ヘルメット)、クリスマスツリーなど。寝 袋も1つあります。ボランティア3人に対して、お風呂1つとトイレ1つが提供されています。使 用中の時には1つ下のフロアにもシャワーとトイレがあるので、そちらを使うことができます。 台所はアクティビティルームのキッチンを使うことができます。洗濯機、乾燥機もボランティア 用のものがありますが、利用者さん用の機械が時々調子が悪くなり、その時はボランティア用 のを提供するため使えません。インターネットも Wifi の調子が悪い時は使えません。 ・食事に関して: 形態: 朝夕は各自ですが、昼食は利用者さんと同じものを食べています。夕食は昼の残りを 食べることがほとんどですが、冷蔵庫にあるサラダやお惣菜などで充分においしい夕食が出 来上がります。朝食は、私は食べていないのですが、他のボランティアは果物やシリアルやジ ュースなど冷蔵庫にあるものを食べているようです。アクティビティルームに IH コンロが4口、 オーブン、レンジ、冷蔵庫など全て揃っているので、そこで自炊することもできます。ある程度 の日本食材がヨークで購入できるので、持ち寄りパーティなどの時はよくキッチンを使わせて もらっています。味噌や酢などの調味料も売っていますし、ルーもあるのでカレーライス、お寿 司や白玉団子なども作ることができます。味は日本のものと少し違うこともありますが、色々 と工夫して作るのも楽しいです。 感想: 「イギリスの食事はまずい」というのは過去の話のようで、施設でもヨークの町でも、何 を食べても美味しいです。特に、チーフシェフの作るパイやターキーは絶品です。昼には毎回 デザートが付くので、太らないように気をつけるのが大変なほど(笑)。ベジタリアンメニューも ありますが、お肉の方を選ぶと野菜が少ない感じなので、ボランティアスタッフの夕食はサラ ダがメインになったりします。 ・町の様子をご紹介ください: ロンドンからの距離と交通手段: ロンドンから電車で北へ二時間ほどでヨークの駅に着き、そ こからさらに北へバスで30分ほどで施設に着きます。バス停は施設のすぐ前にあります。 住んでいる町の様子:Alne はとてもきれいな田舎町です。周りは牧場やジャガイモ畑、とうも ろこし畑などが広がり、北海道のようです。夕暮れ時などはうっとりするほど美しい景色が広 がっています。村の人口は700人程度で、小学校と役場、パブが1軒ある程度で他は何もあ りません。郵便物を出すにもポストがないので、ヨークに出かけたときに出すようにしています。 お店もないので買い物をするには自転車で10分の隣村へ出かけなければなりません。ただ、 たいていのものは住んでいる施設に揃っているし、週末には町へ出るので特に困ることはあ りません。 ・その他: ネット環境: 1階のアクティビティルームの周辺3部屋に Wifi が飛んでいるので、各自でパソ コンや iPhone を持ち込んで使っています。2 階のトレーニングルームにも有線のインターネッ ト回線があります。ただし、田舎のためか接続が悪く、特に Wifi は1週間に1度程度はつなが らない日があります。 アドバイス等 私がここへ持ってきて良かったと思うものは、長靴、折りたたみ傘、電子辞書、iPhone、ノート パソコンなどです。また、出会えて良かったものとして「ジャパン・ソサイエティ」があります。そ こで日本語を学ぶイギリス人やヨークに暮らす日本人と出会うことができ、たくさんの知識を 得、友人にも恵まれました。大きな町や大学には日本のコミュニティがあることがありますの で、ぜひ探してみることをオススメします。 Alne 村の町並み 村にはたくさんの馬、牛、羊が飼育されています。 最後に、あなたのことをお知らせ下さい。 お名前:YA 性別:女性 年齢: 40 代
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