冨士発條株式会社様インタビュー記事

「心しなやかに、未来活きづくために。」
冨士発條株式会社
様
インタビュー:NPO 法人
JASIPA 関西支部
畠衛
冨士発條株式会社
宗幸
本社工場
2015 年 9 月 8 日に、JASIPA 関西支部会員である、
「株式会社ピージェイ」様のユーザー企業である、兵庫県
朝来市和田山町の「冨士発條株式会社」様を訪問し、インタビューを実施させて頂きました。
「冨士発條株式会社」様(http://www.fuji-springs.co.jp/)は、
1959 年にバネの製造会社として創業されました。
現在は、創業 57 年目を迎えられ、金属プレス加工・バネ製造会社として 3 つの工場の運営をされております。
特徴は、金型設計製作・プレス加工・ニッケルメッキ処理・組立・検査までの一貫生産です。
名
冨士発條株式会社/FUJI SPRINGS Co.,Inc.
者
代表取締役
藤井
創
業
昭和 34 年
9 月 11 日
(1959 年)
創
立
昭和 35 年
2月4日
(1960 年)
住
所
兵庫県朝来市和田山町筒江 165 番 51
社
代
表
啓
電話:079-674-1600
FAX:079-674-1601
資
本
金
9,500 万円
売
上
高
98 億円
数
570 名
種
各種金属プレス加工及びバネ製造
従
業
業
員
(2015 年 3 月)
冨士発條株式会社
様
製品紹介
今回のインタビューでは、
案内役として、「株式会社ピージェイ
「取締役
経営管理部長
石田
岡本
社長様」にも同席いただき、
善昭様」、「経営管理部
総務人事課
係長
石川
恵一様」に
お話を伺いました。
取締役
石田
経営管理部長
経営管理部
善昭様
石川
総務人事課
係長
恵一様
株式会社ピージェイ
岡本
社長様
★以下、インタビューレポート
◆まずは、社名の由来をお聞かせください。
[石田部長]
社名の由来は、このあたりはバネが地場産業ということで、会社名にそれぞれの名字を入れた「○○発條」と
か「○○スプリング」がほとんどなんです。同じように創業者が藤井と言いますので、そのまま「藤井発條」
にしてはと考えていましたが、それだけでは面白くないということと、やるからには日本を代表する会社にな
りたいという想いを込めて、日本一の銘山『富士山』と創業者の藤井の名前を準えて、「冨士発條株式会社」
と命名したと聞いております。
◆業務内容についてお聞かせください。
[石田部長]
もともとバネの製造でしたが、今は、バネから少し発展しまして、金属プレス加工をしております。
部品としては、今現在一番多いのは、携帯の充電式電池のケースです。
ハイブリッドカーに使われている車載用の電池のケースもそうです。
[畠衛]
このようなケースを作る技術というのは日本独特なのでしょうか?
[石田部長]
日本独特ということではないですが、プレスの中の加工方法で「深絞り」という方法があります。
金型にも色々なノウハウが入っています。
◆株式会社ピージェイ様のシステムを導入するきっかけは何だったのでしょうか?
[石田部長]
但馬地区の企業 20~30 社と学生 100 名程が集まる合同面談会がありまして、その時に岡本様と出会いました。
当時は、1人の担当者が独自開発したシステムを使用しており、“担当者が居なくなると動かなくなる”とい
う不安がありました。
また、お金の動きからモノの動きまでを見える化し、全社の全てのものを統括管理できる状態にしてもらえると
ころをちょうど探していたところでもありました。
近くに 5 社程システム会社はありましたが、当時の株式会社ピージェイの関貫社長(現会長)と中学の同窓生で、
顔見知りであったこともあり、安心して岡本様にご相談をさせて頂きました。
[石川係長]
社内の基幹システムは当時の担当者がほぼ一人で開発したのですが、受注管理・出荷管理の仕組みはありまし
たが、製造業で一番大切な生産管理(在庫管理など)の仕組みがありませんでした。
その部分を独自で作るとなると、結構規模が大きくなり、また社内で開発できる者が私を含めて 3 人しかいな
かったものですから、これは将来的にもメンテナンス性などを考慮したときに、どこか 1 社お付き合いをでき
るところを探さないといけないなぁと考えていた中でのちょうどいい出会いでした。
◆導入にはどのような作業がありましたか?
[石川係長]
まずは生産管理をお願いしようということでスタートしました。もともとあった仕組み自体にオプションを付け
ていくような感じですね。
[株式会社ピージェイ
岡本社長]
資料などはなかったので、プログラムを解析しながら構築していきました。
もともとは Delphi という言語で組まれていましたが、それを C#に変えていきました。新しい生産管理は C#
で、作らせていただいて、Delphi の部分も残したままで、連結した形ですね。
[石川係長]
I/O だけ提示して、それを繋ぐ設計はこちらでしました。
◆実際に導入をしてみていかがでしたか?
[石川係長]
2011 年 3 月にバージョン 1 を導入しました。
実際に現場に使ってもらおうとしたのですが、“この受注ありきでモノを作っていく”という考え方が強く、
システムが柔軟に対応できなかったこともあって、なかなか普及しませんでした。
受注があって、それに基づいて生産計画を立てて、それを基に作っていくというのが本来のきれいな流れなの
ですが、実際はお客様からの突発的な受注が入ったり、キャンセルになったり、ここの受注に向けて作ってい
たモノを違うところに使わないといけなくなったり・・・という作業が頻繁にありましたので、現場とはギャ
ップがありました。それで、もう一度根本から考え直そうということで・・・2011 年 10 月にバージョン 2 を
導入しました。
◆バージョン 2 は導入してみていかがでしたか?
[石川係長]
バージョン 2 を作るに当たっては、まず現場の声を知ろうというところで、現場でどのような Excel で管理し
ているのかというところから見ていきました。それをベースにバージョン 2 が出来上がっているので・・・
[畠衛]
現場の資料が、それを動かすことによって手に入るような仕組みにされた・・・欲しい資料が出てくるから、
皆さんも協力していただけるということですか?
[石川係長]
そうですね。
◆今はバージョン 2 で基本的に落ち着いているということですね。次の拡張はどうですか?
[石川係長]
バージョン 2 は製品のロットをすごく細かい単位で管理できるソフトになっているのですが、最小単位で管理
できるがゆえに、処理が重くなってしまい、「やりたいことはできるけど、重くてかなわん」という声が現場
から上がってきました。そこで、2013 年 12 月に全体的にパフォーマンスの向上のためにバージョンアップを
実施しました。
◆導入にあたり、トラブルはありませんでしたか?
[石川係長]
思うように動かなかったのはバージョン 1 の時ですね。まぁ、やってやれなくはないのですが、すごく処理が
複雑で、一元的に管理ができない、分かりづらい、と僕自身も肌で感じました。
これはバージョン 1 でずっと使い続けていくよりは、使いやすいやり方に変えたほうがいいと判断しました。
バージョン 2 は基幹システムの一部としては落ち着いています。
◆導入後の感想はいかがですか?
[石川係長]
納期が遅れることもないですし、不具合があった時も速やかに修正して頂いていますので、特に不満な点はな
いですね。誠意を持って対応して頂いているので助かります。こちらが仕様を伝え忘れたかな?という部分が
若干あっても快く修正して頂いていますのでその部分は助かっています。
◆現場の評価はいかがですか?
[石川係長]
やはり最初のとっかかりは難しくて、初めは使いにくいという声も上がっていましたが、慣れてきて使い方が
分かってくると普通にパートさんでも使えるようになりました。細かい操作説明書はありませんので、各職場
に普及するリーダーを決めて、まずはその人に集中的に教える。その人が次の人に教える。教えることでその
人自身も使い方が詳しく分かりますし・・・色々考えた結果そのように教えていました。
◆導入した側として、問題点や困ったことはありませんでしたか?
[株式会社ピージェイ
岡本社長]
現場を把握されている石川さんがいらっしゃって、
現場を見ておられますし、システム的な知識も持っておられます。
(石川さんに)その辺の調整をまずしていただいておりましたので、
うちとしては困ったなぁというのはあまりなかったですね。
◆今後の期待やご要望はありますか?
[石川係長]
今は僕が繋ぎの SE のような形でやらせてもらっていますが、他の仕事も増えていく中で、今までどおりに対
応をしていると、他の案件が増えたときに対応しきれなくなってしまうので、そこにもうちょっと踏み込んで
もらえると助かるなぁ、というのがあります。
逆にそれも含めた見積りにしなきゃいけないのかなぁ?と思ったりはしますが・・・
“こういう機能が欲しい”
と追加で依頼したときに、“なぜその機能が欲しいのか?”というところにもっと踏み込んで欲しいです。そ
うすることで、要望したものよりもっといい案が出るかもしれない。もっと深く突っ込んでもらって、提案型
にしてもらえると、より助かるなぁと思っています。
◆株式会社ピージェイ様に依頼している一番の理由はなんですか?
[石川係長]
ソースコードの帰属権をうちに頂いていることです。そこは結構重要なポイントで、ありがたいなぁと思って
います。ソースコードも開示して頂いていますので、ちょっとした修正ならこちらで出来てしまうのです。
◆他に依頼していることはありますか?
[石川係長]
生産管理のソフトは落ち着いたのですが、そこから派生して材料管理もお願いしています。生産管理の工程で
加工するときに加工の実績を入れると、それに紐づいて材料のかけ率を見に行って、材料の使用実績や、物品
の注文先の実績を持ってきて、その材料を管理するという仕組みを導入していただいています。
◆コンピュータ系のご担当者は何名くらいいらっしゃいますか?
[石川係長]
私と部下にもう 1 人。2 名だけで社内のインフラから IT に関する事、基幹システムも含め全てやっています。
社内の勤怠管理や ID カード、その集計も全部していますし、社内にサーバを置いて、Linux 使っていますが、
データベースもポストグレス使ったりして・・・全部無料のものでしています。
[畠衛]
それは大変ですね。そのあたりもさせて頂くと良いですよね。
[石川係長]
僕も他の仕事もしないといけなくなっていて・・・そういった中での今後の期待がここに繋がっています。
◆管理のお立場として、石田部長から何かご要望はありますか?
[石田部長]
できるだけ安く!(笑)
[畠衛]
値段はね、非常に難しいですよね。我々も開発をしていますが、お金や値段というと、本当は人の数や動いた
時間よりそのものの値打ちでご判断頂くのがいいのでしょうね。それにしても、もう 4 年のお付き合いなんで
すね。
[石田部長]
実際は色々相談させてもらってから、導入までに 1 年以上かかっていますから、もう 5 年以上のお付き合いで
すね。色々な事を含めて今後も相談したいですね。
[畠衛]
地元のご縁ということもありますし、今後も是非いいご関係で、ご一緒に発展されてください。
本日はお時間を頂きまして誠にありがとうございました。
「株式会社ピージェイ」様と「冨士発條株式会社様」が
良いご関係を築かれていることがよく分かりました。
貴重なお時間を頂戴し、直接お話する機会を頂きありがとうございました。
今後のますますの発展をお祈りいたします。インタビューは以上です。
社
名
株式会社ピージェイ
者
代表取締役
創
立
平成 2 年 7 月 11 日
本
社
兵庫県豊岡市中陰 521-3
代
表
岡本
電話:0796-24-5255
昭治
FAX:0796-24-3662
大阪事業所
大阪府吹田市江の木町 13-4
資
1,000 万円
本
金
従 業 員 数
14 名