れる。 Mail.ru 社での MMO ゲームによる収益は、ロシアのコンピュータゲーム市場 2014年に２億1,900万ドルに達し、前年比26.4％増となった。ロシアのコンピュータゲーム市場の動向市場シェアでMMOゲームに続くのが、SNSでのソさて、モスクワに住んでいると、バスや地下鉄のーシャルゲームを含むブラウザゲーム類であり、車内、銀行、病院等の公共スペースにおいて、専 18.4％のシェアを獲得している。ゲームソフトをダウ用プレイヤーやスマートフォン等のデバイスを使っンロードする必要もなく、インターネットに接続していて音楽や動画を視聴する人、電子書籍を読んでれば、様々なデバイスを通じて楽しめるため、接続いる人等を見かけることも多く、ロシア人のデジタル環境およびデバイス改良の影響を最も強く受けてライフもすっかり板についてきたような印象を受けるいるのがこのブラウザゲーム分野といえるだろう。今日この頃。今回は、暇さえあれば麻雀アプリのプまた、このような影響はモバイル機器を通じたゲレイに勤しみつつも、ここ最近のゲーム事情には全ーム事情にも大きな変化を与えている。かつては、くついていけていない筆者が、ロシアのコンピュータモバイルゲームといえば、カードゲームやオセロ、パゲーム市場について概要をまとめてみた。ズル等のシンプルなものが多かったものだが、最近 J'son & Partners Consulting社が2015年７月にではモバイル機器を通じて上述のMMOゲームのよ発表した調査結果によると、ロシアのコンピュータゲうな通信型タイトルを楽しむユーザーも増加していーム市場は2014年の時点で16億3,000万ドルのる。とはいえ、より快適なプレイ環境を重視する本規模となっており、2015年の市場規模は最終的に格的なMMOゲーマーの間では、依然としてパソコン 17億6,000万ドルに達し、前年比16％の成長、までのプレイがスタンダードであるとの分析もある。ちた2016年には18億9,000万ドルと、こちらも前年なみに、話は全く変わるが、落ち物パズルの代表比7.4％の成長が予測されるとのことだ。市場の成的タイトルともいえる『テトリス』シリーズが、ソ連の科長に大きく影響を与えているのが、インターネット利学アカデミーにて開発されたものであることを知ら用者の増加および、接続環境、デバイスの改良、ない人は意外と多い。支払いシステムの発達といったファクターである。ゲーム機本体およびソフトを必要とする、いわゆる据え置き型テレビゲーム市場においては、プレイ同時参加型オンラインゲームの人気ステーション４（ソニー・コンピュータエンタテイメント） 2014 年の同市場において、金額ベースでやXbox One（マイクロソフト）等の新ハードが登場し 38.8％と大きなシェアを獲得したのが、大規模多たことにより、2014年上半期ごろまでは一定の成人数同時参加型オンラインゲーム（MMO１）ゲーム）長が見られたものの、ルーブル価格の暴落、およであり、その多くがいわゆるRPG（ロールプレイングびそれにともなうゲーム機本体価格の高騰によりゲーム）、およびシューティングゲーム等である。停滞が見られている。伝統的に、据え置き型テレ MMOゲーム分野におけるロシア市場での主なプレビゲームは、コンピュータゲーム市場において消費イヤー（ゲームで遊ぶ人のことではない）としては、者側のコストが最も大きい部門であり、未だ落ち着ロシアの大手ポータルサイトMail.ru社（代表作：きの兆しを見せないルーブル暴落の現状において、『Warface』、『Skyforge』等）、ベラルーシで設立さ最も苦戦を強いられているカテゴリーといえる。れ、現在はキプロスに本社を置くWargaming社（代（大渡耕三）表作：『World of Tanks』、『World of Warships』等）、Innova社（代表作：『Lineage 2』等）が挙げら 106 注１． Massively Multiplayer Onlineの略。ロシアNIS調査月報2016年３月号図表１ロシアのコンピューターゲーム市場規模の推移（10億ドル） 1.89 1.76 1.63 2014年 2015年 2016年（備考）※2015年７月時点のデータであり、2015年、2016年はあくまで推定値。（出所）J'son & Partners Consulting 図表２ 2014年のロシアのゲーム市場における形態別売上シェア（％）据え置き型ゲーム 12.3% PCゲーム 14.5% MMOゲーム 38.8% 2014年の市場規模 16億3,000万ドルモバイルゲーム 15.9% ブラウザゲーム 18.4% （出所）J'son & Partners Consulting ロシアNIS調査月報2016年３月号 107