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食品安全ネットワーク便り
《略 称 フ ー サ ン 便 り》
発
連絡先
第71号
2008/1
行
食品安全ネットワーク(Food Safety Network)
会長 米虫 節夫
ホームページ http://www.fu-san.jp
〒601-8141 京都市南区上鳥羽卯の花55-3
イカリ消毒株式会社 京都営業所内
TEL075-662-7890 FAX075-662-7891
日本の食の安全・安心は
から!
食品安全ネットワーク
会長 米虫節夫
あけましておめでと
うございます。新年に
当たり、 2008 年が会員
の皆様にとって素晴ら
しい年であることを祈
念いたします。
また、食品安全ネットワークも創設以来
12 年 に な り 、 日 本 に お い て も 一 定 の 評 価
を得られるようになってきたことは,誠に
喜ばしいことと考える。今年は,この傾向
をさらに強め、食品安全ネットワーク抜き
で、日本の食品安全が語れないようなネッ
トワークにしたいものである。会員諸氏の
更なるご協力をお願いしたい。
さてご存じのように食の安全・安心に関
連する事件は後を絶たず、食品安全マネー
ジメントシステム ISO22000 の 重 要性とコ
ンプライアンスの必要性が益々高まってお
り、食品安全ネットワークの果たすべき役
割も益々増大している。
昨年( 2007)は,新年早々の不二家事件か
ら一年が始まった。マスコミを始め多くの
学者・評論家・コンサルタントなどは,不
二家の品質管理体制、衛生管理体制がどう
なっているのか、それがなぜ悪いのかにつ
いて多くのところで語り、論文化され,不
二家のようにならないようにしようという
コメントは出されていたが、具体的に「で
はどうするのか」という点まで踏み込んだ
論はなかった。
食品安全ネットワークでは ISO22000 研
究会などでこの事件を検討し、具体的に何
をなすべきかを明確にした。すなわち、
-1
1) ま ず 、 倉 庫 の 点 検 を 行 う べ し : 整 理 ・
整頓が出来ているか?消費期限切れ、賞味
期限切れの原材料などがないか?などをチ
ェ ッ ク す べ き 。 2) 企 業 の ト ッ プ は 、「 食
品安全宣言 」を内外に発表すべし:当社は 、
食の安全・安心を保証すべく、コンプライ
アンスに留意した企業活動を行うという趣
旨 の 宣 言 を 出 す 。 3) そ れ を 保 証 す る た め
に、全社的な内部点検を行う:企業トップ
によるマネジメントレビューの実施。
などを提案した。この提案は、多くの人
に受け入れられ、実行され効果を上げたと
聞いている。
不二家事件に引き続き大きな事件のみを
挙げても 4 月のミートホープ社事件、 8 月
に は 石 屋 製 菓 「 白 い 恋 人 」 事 件 、 10 月 の
赤 福 事 件 と 比 内 鶏 事 件 、 11 月 に は 船 場 吉
兆事件と「食の信頼」を裏切る事件が続発
した 。しかし ,不二家・石屋製菓・赤福と 、
ミートホープ・比内鶏・船場吉兆とでは同
一に論じられない点もある。前者は,問題
はあるが商品そのものは概ね顧客が予期し
ているものであった。一方,後者は顧客に
提供された商品そのものが偽物であり、犯
罪的要素が高い。この両者を、単に「法令
違反」として同列に並べることは、たばこ
のポイ捨て的な「軽犯罪」と故意に人を殺
した「殺人罪」とを同列に並べるのと同じ
であり、厳に慎むべきだと考える。
11 月に行われた第 29 回 ISO22000 研 究会
では、過去に起こった食品関連事件を総合
的に見直すべく、エクセル上に「食品不祥
事一覧表(第 1 次案 )」を作成した。この
-
一覧表では、横方向に過去の食品不祥事事
件を並べ、縦方向にそれら事件に関する記
載、発生年月日、事件の概要、顛末、社会
的影響などを並べた。問題は、縦方向にど
の様な項目を並べるのが、一覧表としての
比較検討に有効かということで、大いに議
論が盛り上がった。起こってしまった不祥
事 や 事 件 を 取 り 上 げ 、「 悪 い 企 業 だ ! 」 と
断定しても仕方がない。それらの事件を見
て、我々は何を教訓として引き出さねばな
らないのか、何をなすべきかなどを検討す
べきである。食品安全ネットワークでは、
これからも前向きにこのような研究をして
いきたい。多くの人の参加を期待する。
食品衛生新 5S 、さらに食品衛生 7S を提
唱して数年、日本の食品衛生を主導する多
くの人達が 、この考えに共感され 、5S や 7S
の必要性を叫ぶ動きが活発化してきた。喜
ばしいことである。この動きをさらに進め
る べ く 、 現 在 、 ISO22000 研 究 会 の メ ン バ
ーが中心となって「 食品衛生 7S 入門 Q&A 」
(仮題)という本を作成中であり、 2 月 20
日に予定されている「食品衛生 7S シンポ
ジウム」の当日には、皆さんに披露できる
ようにと考えている。
また,食品衛生 7S シンポジウムでは、
食品分野で 5S や 7S 活動を行い成果を上げ
ておられる企業の事例報告を沢山してもら
おうと準備している。その上で、それらの
事例を「食品衛生 7S 事例集」として、皆
さんに提供できるようにしたいとの希望も
持っている。食品安全ネットワーク会員の
皆さんには、ぜひ食品衛生 7S をさらに普
及させるべく、頑張っていただきたいと考
えている。
日本の食の安全・安心は、食品安全ネッ
トワークと食品衛生 7S 抜きには語れない 。
本年も、会員の皆様と共に、大いに食品
安全ネットワークが発展することを願って
やまない。
再掲載
食品安全ネットワーク第
第2
20
0回
回 講
講演
演会
会サ
サロ
ロン
ン
『
のご
ご案
案内
内
『第
第1
1回
回7
』の
7S
S実
実践
践発
発表
表会
会』
1,日
2,場
時
所
3,内
容
挨拶
第1部
2 20日(水)
平成20年 月
午前10時30分より(受付10時00分より)
アピオ大阪 (大阪市立労働会館)
〒 540-0003 大阪市中央区森ノ宮中央1丁目17番5号
電話 06-6941-6332 FAX 06-6941-4594
10:30∼10:40
食品安全ネットワーク 会長
基調講演会
10:40∼12:00
講演①「何故、食品工場に7Sが必須なのか?」
株式会社コープ品質管理研究所 取締役所長
講演②「こうして7Sを導入しよう」
(株) QA-テクノサポート代表取締役
第2部
7S実践発表会
第3部
講評と表彰
食品安全ネットワーク
情報交換会(懇親会)
第4部
4,定
員
5,会
費
米虫
節夫氏
角野
久史氏
衣川いずみ氏
13:00∼16:30
16:40∼17:00
会長
米虫
17:10∼18:40
80 名(定員になりしだい締め切らせていただきます)
お一人様 4,000円
<発表並びに参加希望の方は事務局まで申し込んでください>
-2-
節夫氏
第7回海外研修旅行
「中国(青島・煙台・大連)ISO/HACCP 視察研修報告書」
2007 年9月2日∼6日
<行程>
9 月2日
(日)
9 月3日
(月)
9 月4日
(火)
9 月5日
(水)
9 月6日
(木)
関西国際空港発
仁川・韓国経由,中国青島空港着
JUSCOスーパージャスコ青島店 視察
青島ビール工場 視察
青島富吉高食品有限公司工場 視察
青島から煙台へ移動:バス 3.5時間
CIQ担当者より輸出食品検査体制の講演
煙台裕源水産食品公司工場 視察
煙台から青島へ移動:バス 3.5時間
スーパーカルフール 視察
青島から大連へ移動:空路
遼寧北方食品有限公司工場 視察
旅順市、大連市 市内視察
大連周水空港発
仁川・韓国経由,関西国際空港着
1.はじめに
―5日間―
同志社大学大学院ビジネス研究科
中上 姫久子
いるのかを、工場の現場に伺い、この目で
実際に確認することにある。
2.今回の研修視察の所見
今回の研修旅行は 、 中国の食品製造企業
の実態が十分に認識できる研修であった。
結論的な所見を以下に示しておく。
①この度訪問した三つの企業とも、日本企
業の駐在員が直接滞在し、衛生管理、品質
管理、従業員教育、原料及び製品検査など
を ISO9001、 HACCP システムにより徹底
的に管理され 、 非常に高いレベルの管理を
されていることを確認した。
②その結果としてこれらの工場からは、安
全・安心な製品が日本に輸出されているこ
とを確認した。
③対外輸出をしている中国国内の食品企業
の安全性は、最近の中国バッシングに危機
感を持った中国政府の輸出入食品を検査・
指導する検疫機関である CIQ(中国国家質
量監督検験検疫局)が、厳しく指導してい
ることを確認した。地方 CIQ 担当者の講演
では、現実的に過去に事故を起こした企業
に対して、全商品の製造・販売の禁止を命
令していることなどから、今後問題となる
食品違反事例は、減少するものと推察され
る。
今回の中国研修視察旅
行に参加した目的は、2
つある。その内の1つは、
平成14年の冷凍食品ホ
ウレンソウ( 原産国中国)
より基準値を超えた農薬
が検出されたことに端を
発し、その後 、 日本輸入時の検疫所による
3.青島富吉高食品有限公司
受け入れ検査で、多くの農産加工食品、水
(フジッコ青島工
産物加工食品などが、残留農薬基準値を超
場・山東省・青島)
過した為に積戻しや廃棄処分命令が続出し
*日本の煮豆・佃
た。該当農産物・農産加工品では「ホウレ
煮のメーカーであ
ンソウ、大葉、しめじ、乾燥椎茸、さやえ
る「フジッコ 」(本
んどう、しょうが、落花生」など、水産品
社・神戸市)の中
・水産加工品としては「 養殖うなぎ、貝類、
国工場
生食用調理済み水産加工品、しめさば」が、
*設立:1995
新聞、雑誌などのマスコミで報道され消費
年5月に設立され、12年目 青島経済開
者に大きな衝撃と不安とを与えていた。最
発区にある。
近になり同様の事態が、アメリカ、EU諸
*従業員数は、約200名であるが季節変
外国でも大きく取り上げられ 、 中国製品に
動あり、日本人 2名
対するバッシングが起っている 。 このよう
*生産品目:椎茸、しめじ、小魚、葉唐辛
な状況下で、安全な食品を輸出するために、
子、ニシン、鮭昆布巻きなどの加工品 最
中国政府がどのような対策を取り、食品メ
近では、調味ソース、デザートなども生産。
ーカーにどのような指導・規制を行ってい
輸出高は、約4000万元(約6億円)
(2005
るのかの実情を調査し、実態を知る事であ
年 )。主な生産設備として選別コンベア、レ
る。
トルト設備、X線異物検出器、金属探知器。
もう1つの目的は、中国における食品製
設立から12年間の歩みを聴いた。進出の
造工場がどのような製造設備を持ち、どの
きっかけは、中国の昆布が安かったことと、
ような製造加工システムや人材育成を行っ
人件費が安く豊富な人材の供給が可能であ
ているのか、どのように安全管理体制のも
ったこと。現在では、佃煮、昆布巻などが
とで工場運営がなされ 、 日本へ輸出されて
−1−
中心商品となっている.中国の公的機関よ
り、2005年に HACCP の認証を取得し
ている。製品の危害としては、原料由来の
異物混入が非常に多い為、選別(目視選別、
機械選別、洗浄選別)が品質管理の主な業
務である。
現場を視察した。更衣室管理、工場内入
口の履物交換管理、着衣からの異物混入防
止チェック、エヤーシャワー、衛生的な手
洗い管理など衛生管理の基本が着実に実行
されている。昆布の作業工程は、この昆布
には砂が多いので、1枚 1 枚洗い流しの洗
浄工程を経て、昆布の長さを規格に合わせ
て選別されていた。このような原料処理は、
第1工場で行われ、第2工場では、製品に
仕上げる工程が行われていた。
工場内の壁に HACCP の手順が掲示され
ている。中国の検査事情を質問すると、今
年の6月頃から安全に対して急に厳しくな
り、8月末からの金土日曜日にも CIQ によ
る講習会があったが、このような日程の講
習会は中国では大変異例のことという 。 輸
出企業単位だけでなく製品ごとの申請とな
り、許可になるには CIQ の検査が必要との
ことだ。中国当局の安全・安心の行政の強
い覚悟のようなものが受け取れた。
ここの従業員に明るさを感じた。幹部か
ら定着率がよく有能な人材に恵まれ感謝し
ていると言われたのが印象に残っている。
しかしながら、現在は、原料由来の残留農
薬、添加物の検査に時間、手間、費用が掛
かり、近年、原料、人件費も高騰し、異物
検査対策費など
に影響している。
従業員教育には、
異物除去も含め
年1回5週間に
亘って衛生教育
を実施している
とのことである。
業への HACCP の教育、 初級勉強段階
2段階:2002 年∼ 2005 年 レベルが上が
り管理も徹底されるようになり、企業の
HACCP 認証取得が進むようになった。
CIQ による25項目の輸出食品安全基準
を各企業に要求することを指示した。
3段階: 2005 年∼現在 CIQ、 企業共に成
果が上がり始め、認証取得企業も増加した。
熟成段階に入った。
②中国全土で現在水産関係の300企業の
内80企業が HACCP 認証を受けている。
* CIQ により原料から製造、消費まですべ
てトレースできる体制にある。また、輸出
される商品の品質については検疫所の検査
を受けている。
*日本に輸出された食品の、日本の検疫所
(厚生労働省)による合格率は高い。
HACCP は国から強制しているが、 ISO に
ついては任意である。申請があれば CIQ で
審査する。
③今回の中国食品の問題は、中国政府とし
ても残念である。一部報道が行き過ぎてい
るところはあると感じているが、中国企業
に対して厳しい指導と、 CIQ による全商品
の検査を実施している。このことを理解し
て日本に帰国されたら関係方面に報道して
ほしい。
④中国国家 CIQ の活動 、方針などはホーム
ページ資料としてインターネットでも公開
している。
⑤ 2007 年 9 月 1 日から施行されているとい
う「 CIQ 認証ラベル」を、全輸出食品の箱
に貼り付ける制度の目的と経緯に関して質
問した。
* 07 年 3 月に米国に輸出された個別企業の
加工食品で、事故があり中国の CIQ の検査
体制に疑問を持たれた。
*それ故、 CIQ は、検査体制を強化し、全
ロットについて検査数を増加させた。
* 07 年 9 月1日から「CIQ 合格シール」を
貼ることにした。 CIQ のシールのない商品
は、CIQ の検査を受けていないことになる。
*このシールは、偽造防止をするため、CIQ
地区名、認証番号と隠し番号を入れてある。
シールは、現在のところ無料である。
*煙台市からは 07 年 9 月 8 日の船からシー
ルを貼った食品が輸出される。
4.CIQ(中国国家質量監督検験検疫局)
State Administration for Entry-Exit
Inspection and Quarantine of the
P.R.China
煙台市 CIQ の水産担当者より「煙台市に
おける食品安全行政」についての講演を傾
聴した。
講演内容:
5.煙台裕源水産食品有限公司・煙台
①中国のHACCPの歩み(概略)
豊田通商㈱東
* 1997 年 12.月 18 日に米国からHACC
京本社・煙台事
P導入の要求があった。
務所が管理・監
* 1998 年 12 月 18 日に中国から米国に輸出
督指導に当って
スタート。同時に中国全土の地域CIQに
いる会社である。
対しHACCP教育を開始した。その上で,
豊田通商㈱を通
各企業にCIQによる HACCP 取得を指導。
じて㈱川喜から
企業として HACCP 認証を受けないと輸出
も衛生管理など
できないことを徹底した。
についての指導
*教育段階的レベル
がなされている。今回、煙台裕源水産有限
1段階:1997 年∼ 2001 年 CIQ による企
公司の第三工場の㈱川喜へ輸出される予定
−2−
の骨なしさわらの切り身工程を視察した。
加工場:現在8工場(魚種別・企業別に工
場があり、魚種によるコンタミを防止)従
業員は、約1000人(8工場合計)冷凍
設備:4000トン
生産量:原料ペース約 12000 トン、製品ベ
ース 6000 トン、90%が日本向けに輸出。
加工品:サゴシ、さわら、さば、ホッケ、
アジ、秋刀魚、赤魚、イカなどの切り身、
骨取り、漬け魚が主である。
従業員教育:衛生管理と加工方法の研修教
育が主であり、定期的に開催されている。
特に取引先からのクレームは、社長が召集
し、責任者会議で、原因追求と再発防止対
策に取り組み責任者から各従業員へ徹底し
ている。
取引先からの指導(特に豊田通商・川喜)、
CIQ からの指導の蓄積で非常に5Sが充実
してきている。まだ、100%完全ではな
いと社長が言明し、安全・安心な事故のな
い製品をつくるべく、前向きな意気込みを
感じた。
一度事故があると CIQ により事業停止に
追い込まれる危機感を関係者全員が感じて
いると思った。
工場内視察
従業員の衛生管理においては、履物の交
換管理は、完全に分離管理(外履き、内ば
き、長靴)がされていた。作業着の管理も
徹底され、私服と作業着は、完全に部屋を
仕切って管理されている。
入室時の衛生管理においては、従業員が工
場内に入室するときは、2名の専従員が作
業着の着用の確認、手洗いの消毒の確認、
ゴム手袋の着用チェックをしておりまた手
助けもしていた。粘着ローラー掛けも2名
の専従者が、実施している。
設備・容器の衛生管理においては、加工室
は、工程により区画され、それぞれに責任
者が配置されている。包丁、まな板は、1
時間毎に専従者が交換に回っている。コン
テナなど容器も同じく専従者が回収し、洗
浄殺菌している。
骨取り作業においては、骨を抜いていく作
業を見て、感謝の気持ちで一杯になり、大
切に食べないといけないと思った。しかし、
いつまでもこのようなこと(他国での骨取
り)は続かないのではないかとも思う。
切り身工程においては、4人の従業員が8
0gの切り身を見事な速さで切っていた。
基準は、80∼85gとの事で,秤で確認
しながらカットしていたが、ほとんどが基
準内でカットされていた。金属探知機を通
し、箱詰めし、冷凍保管される。皆まじめ
に黙々と作業されていた。
責任者、衛生担当者は、帽子の色が違って
い て、 職務及び責任権限が明確にされてい
ることが理解できた。
6.北方食品有限公司(遼寧省・大連)
日本の商社双日
食料㈱と㈱太堀と
遼寧土産進出口公
司の3社の合弁会
社 遼寧省大連市
設立:1989年
で 8 年目である。
従業員数:250
名、日本人 2名。
出資額:3億円、
主な生産品目は、味付け製品(ザーサイ、
メンマ、ごぼう、春雨、山菜ミックス、き
のこなど )、 水煮製品(わらび、ぜんまい、
菜の花、なめこ、椎茸、きのこなど)塩蔵
品(わらび、ぜんまい、山筍、菜の花、あ
わびたけなど)
双日食料㈱が90%で、後の10%が中
国国内向け。
経営方針は、中国の豊富で安価な原料を
使用して、安全で競争力のある商品を提供
する。品質管理目標は、5S活動及び
ISO9001 にて管理。
山菜、きのこが中心。山菜には、髪の毛、
きのこには、虫が多く、特にかさの内に入
っている。そのため、異物対策を徹底して
いるとのことだ。主な設備として毛髪除去
機、選別ベルトコンベア、レトルト殺菌機、
X線異物探知機、金属探知器。 ISO9000 及
び HACCP を認証機関 MOODY より取得さ
れていた。
大連の CIQ のランクでは、2級だが、大
連には1級の企業は、ないとのことだ。原
料の買い付けの手順から第1工場の前処理、
第2工場の加熱工程の現場を視察した。異
物除去の大変さがよく理解できた。
7.謝辞
この研修を通し
て、恵まれた自然
と能力のある労働
力を提供してくだ
さっている中国に
感謝し、今後より
一層、日本は中国
と協力し合ってい
くべきであると実感した。次の課題として、
エンドユーザーの要求はどうあるべきなの
か、どのようにこの要求を伝えるべきなの
か、要求の伝え方に問題がないのか日本の
食育、報道のあり方も含め検証する必要を
感じた。
この研修企画にご尽力くださった株式会
社川喜の柳沢義彰氏及び関係者さまに心よ
り感謝します。また全行程でお世話下さっ
た通訳の段氏に感謝します。さらに,米虫
節夫団長はじめ同行の皆様に有意義な研修
旅行ありがとうございました。
工場視察を快く開示してくださった関係
者の皆様にこころよりお礼申し上げます。
−3−
見学会 株式会社ニイタカ びわ湖工場
2007年10月11日(木)開催
株式会社アイフードサポート
食品衛生事業部 岡部幸彦
良かったかも知れません。その後、車で目的
はじめに
食品安全ネッ
地である㈱ニイタカびわこ工場に向かいまし
トワークには、
た。行く道中も緑が豊なところで自然に囲ま
㈱サンビゴーの
れた中に、びわこ工場がありました。すでに、
見学会に続いて、
本日の会場である工場の会議室には、何人か
今回が2度目の
の参加者の方が居られて、定刻には用意され
参加となります。
ていた座席がすべて満席になり、見学会が始
株式会社アイフードサポート
食品衛生事業
まりました。
外観を見た私の印象は、このびわこ工場全
部では、営業の責任者として、お客様からの
体が洗剤を製造しているイメージを感じさせ
現場の問題に対応をしています。
弊社は、PCO業者であっても総合的な食
ないところがあり、今回のテーマである食品
品衛生からの観点でお客様と関わりながら業
安全マネジメントという面からは、どのよう
務を展開しております。しかし、今まで食品
な取り組みをされているのか?大変興味を持
衛生について、学ぶ機会が少なかった私にと
って、びわこ工場長の黒沢様からの概要説明
って、今回のセミナーに参加することができ
を聞きました。
たことは、また新しい視野を広げるきっかけ
となりました。米虫先生をはじめ、同じよう
に参加されている方々とお話しをすること
は、日常の業務では体験することのできない
貴重な体験をすることができました。今回、
冨島事務局さまから、私のような若輩者に、
セミナーの報告をする大役を頂きまして、大
変驚いておりますが、率直な感想を述べさせ
ていただきたいと思います。
研究会の雰囲気・様子
当日は爽やかな秋晴れで、予定の時間より
も早く到着することになりました。そこで、
工場見学
同行しておりました奥田が、少し寄り道をし
まず見学前に、参加者全員に渡されたイヤ
ようということで、すぐ近くにある多賀神社
ホンです。レジメにも書かれていたイヤホン
へ行きました。何をするわけでもなく、ただ、
ガイドでしたが、
緑深い自然に触れ合いながら境内をブラブラ
正直なところ拡声器代わりぐらいに思って
と散策しておりました。軽い気分転換には、
装着しました。しかし、実にこのイヤホンの
-1-
使用感が良かったので、工場見学は楽しい時
間を過ごすことが出来ました。工場見学と言
えば、作業の中で行うので、見学中の説明を
はっきりと聞く
ことができずに
終わってしまう
こともあるので
すが、このイヤ
ホンのおかげで
自分の興味のある所をじっくりと見ることも
出来ます。そして、離れた場所から説明され
る声も、はっきりと聞き取れる為、工程の説
ら「食品安全ネットワーク中国視察研修旅行」
明やポイントを逃すことなく、非常に充実し
の報告がありました。今回の中国視察は私の
た見学となりました。ほかの参加者の方も同
上司が参加する予定をしていたのですが、社
様な感想を言われていましたので、工場視察
用の為に参加できなくなりました。いろいろ
でこのようなイヤホンガイドで行うニイタカ
と中国産の食品が問題となっており、実際の
さんのアイデアはとても良いと思いました。
現場ではどのようなされているのか?非常に
興味のある内容でした。多くのスライドの写
工場見学終
真を見ながら、視察先の中国食品工場の様子
了後に、製造
は、今まで、私が感じていたイメージを大き
管理課長の徳
く変えるスゴイ(?)内容でした。最新の設
永様からの「び
備や技術を先進国から導入して、そこで作業
わ湖工場の品
に従事する人々の様子は、実際に行って見な
質管理とIS
ければ理解することは出来ないでしょう。し
O 22000 へ の
かし、米虫先生の説明は非常にわかりやすく、
取り組み」と題しての話がありました。びわ
米虫先生が見る視点は、とても勉強になりま
湖工場では、工程管理をすべてコンピュータ
した。残念ながら、観光気分にはあまり浸る
ーによりシステム化されており、従業員の方
時間もないハードスケジュールだったようで
が、間違った数値を入力したり、自分勝手に
すが、機会が与えられれば私も是非外国視察
工程を変更したりしても、システム自体が入
ツアーに参加したいと思いました。
力を受け付けないということを、説明されて
おられました。ヒューマンエラーを通過させ
最後に
ないように二重三重のチェックを行いなが
食品安全ネットワークのセミナーに参加さ
ら、システムが間違いを受け入れないように
せて頂くと、まだまだ自分の理解できないこ
対策が実施され、その先進的な業務運用に驚
とを知ることができます。今後もレベルの高
かされました。
い食品衛生を目指して、食の安全・安心を進
めるために勉強をしていきたいと思います。
これからもいろいろな機会に参加をさせて頂
中国視察研修旅行の報告
もう一つのプログラムとして、米虫先生か
きたいと思います。
-2-
<食品安全ネットワーク主催>
食品メーカーのための
ISO22000と7S導入セミナーのご案内
1,日
時:2008年(平成20年)3月 12日(水)∼13日(木)
2,場
所:アピオ大阪(下記の地図を参照してください)
3,定
よる
員:30名(先着順に締め切らせて頂きます。食品安全ネットワーク会員に限る、会員に
紹介も可)
下記の申込み用紙にてFAX下さい。
4,参加料: 15,000円(テキスト、新刊書「食品衛生7S入門Q&A」、情報交換会費用を
含む)
5,講
衣川
坂下
鈴木
佐藤
植松
師(敬称略)
いずみ
(株)QA-テクノサポート代表取締役
琢也
LRQAジャパン 教育研修部
厳一郎
フードクリエイトスズキ(有)
徳重
フードテクノエンジニアリング技術部品質保証・食品衛生課
繁顕
(株)コープ品質管理研究所
6,予定スケジュールと内容
9:30
10:00
12:30
13:30
第1日目 <挨拶> ISO22000の取得の
米虫会長 ポイント
衣川 いずみ
休
第2日目 日本型HACC 基 盤 整 備 の 7 S
P最新情報
の構築
佐藤 徳重
植松 繁顕
15:30
ISO22000の要求事項の解説
坂下 琢也
憩
16:30
導入に当たっ
てのアドバイス
17:00
質疑応 情報交
答
換会
鈴木厳一郎
導 入 に 当 た っ 導入に当たっ
まとめ
修了証
ての事例報告 ての事例報告 角野副会長 の交 付
①
②
10:30
14:30
<会場案内>
アピオ大阪案内図
(地下鉄中央線、長堀鶴
見緑地線、又はJR環
状線「森ノ宮駅」下車すぐ。
)
申込先
イカリ消毒(株)京都営業所内
食品安全ネットワーク
担当 鴻上
FAX 075-662-7891
TEL 075-662-7890
ISO22000セミナー (3月12日∼13日)
注:申し込み締め切りは、3 月7日(金)です。
会
社
名
参加者氏名
住
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所
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〒
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