川 崎 市 議 会 定 例 会 会 議 録 【 速 報 版 】

平成19年(2007年)第2回川崎市議会臨時会会議録
第1日(5月21日)
平成25年12月10日(火)
平成25年(2013年)
第4回
川 崎 市 議 会 定 例 会 会 議 録
【
速
報
版
】
( 第 2 日 )
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速報版
平成25年(2013年)第4回川崎市議会定例会会議録
第2日(12月10日)
議事日程
第1
市政への考え方
第2
議案第147号 川崎市個人市民税の控除対象となる寄附金を受け入れる特定非営利活動
法人を定める条例の一部を改正する条例の制定について
議案第148号 川崎市こども文化センター条例の一部を改正する条例の制定について
議案第149号 川崎市中央卸売市場業務条例の一部を改正する条例の制定について
議案第150号 川崎市地方卸売市場業務条例の一部を改正する条例の制定について
議案第151号 川崎市競輪場内売店使用条例の一部を改正する条例の一部を改正する条
例の制定について
議案第152号 川崎市競輪場使用条例の一部を改正する条例の制定について
議案第153号 川崎市福祉センター条例を廃止する条例の制定について
議案第154号 川崎市指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営の基準等に関する条例
の制定について
議案第155号 川崎市指定介護予防支援等の事業の人員及び運営並びに指定介護予防支
援等に係る介護予防のための効果的な支援の方法の基準等に関する条
例の制定について
議案第156号 川崎市営住宅条例の一部を改正する条例の制定について
議案第157号 川崎市特定公共賃貸住宅条例の一部を改正する条例の制定について
議案第158号 川崎市駅前広場占用条例の一部を改正する条例の制定について
議案第159号 川崎市都市公園条例の一部を改正する条例の制定について
議案第160号 川崎市港湾施設条例の一部を改正する条例の制定について
議案第161号 川崎市水道条例の一部を改正する条例の制定について
議案第162号 川崎市工業用水道条例の一部を改正する条例の制定について
議案第163号 川崎市下水道条例の一部を改正する条例の制定について
議案第164号 川崎市入江崎余熱利用プール条例の一部を改正する条例の制定について
議案第165号 川崎市乗合自動車乗車料条例の一部を改正する条例の制定について
議案第166号 川崎市貸切自動車条例の一部を改正する条例の制定について
議案第167号 川崎市病院事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例の制定につ
いて
議案第168号 川崎市立学校の設置に関する条例の一部を改正する条例の制定について
議案第169号 当せん金付証票発売の限度額について
議案第170号 末長住宅新築第1号工事請負契約の締結について
議案第171号 中野島住宅新築第1号工事請負契約の締結について
議案第172号 神奈川県道高速横浜羽田空港線等に関する事業の変更の同意について
議案第173号 市道路線の認定及び廃止について
議案第174号 川崎市体育館の指定管理者の指定について
議案第175号 川崎市大山街道ふるさと館の指定管理者の指定について
議案第176号 川崎市黒川青少年野外活動センターの指定管理者の指定について
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平成25年(2013年)第4回川崎市議会定例会会議録
第2日(12月10日)
速報版
議案第177号 川崎市産業振興会館の指定管理者の指定について
議案第178号 川崎市地方卸売市場南部市場の指定管理者の指定について
議案第179号 川崎市余熱利用市民施設の指定管理者の指定について
議案第180号 川崎市橘リサイクルコミュニティセンターの指定管理者の指定について
議案第181号 川崎市葬祭場の指定管理者の指定について
議案第182号 川崎市老人福祉センター及び川崎市老人福祉・地域交流センターの指定
管理者の指定について
議案第183号 陽光ホームの指定管理者の指定について
議案第184号 川崎市老人いこいの家の指定管理者の指定について
議案第185号 川崎市久末老人デイサービスセンターの指定管理者の指定について
議案第186号 川崎市多摩川緑地パークボール場の指定管理者の指定について
議案第187号 川崎市港湾振興会館の指定管理者の指定について
議案第188号 平成25年度川崎市一般会計補正予算
議案第189号 平成25年度川崎市病院事業会計補正予算
報告第20号
地方自治法第180条の規定による市長の専決処分の報告について
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付議事件
議事日程のとおり
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速報版
出席議員
平成25年(2013年)第4回川崎市議会定例会会議録
(60人)
40番
沼
沢
和
明
1番
小
川
顕
正
41番
廣
田
健
一
2番
小
田
理恵子
42番
石
田
康
博
3番
竹
田
宣
廣
43番
浅
野
文
直
4番
粕
谷
葉
子
44番
大
島
5番
添
田
勝
45番
石
田
和
子
6番
三
宅
隆
介
46番
宮
原
春
夫
7番
猪
股
美
恵
47番
市
古
映
美
8番
川
島
雅
裕
48番
竹
間
幸
一
9番
田
村
伸一郎
49番
東
正
則
10番
原
典
之
50番
潮
田
智
信
11番
青
木
功
雄
51番
飯
塚
正
良
12番
橋
本
勝
52番
雨
笠
裕
治
13番
大
庭
裕
子
53番
花
輪
孝
一
14番
勝
又
光
江
54番
菅
原
15番
為
谷
義
隆
55番
後
藤
晶
一
16番
松
川
正二郎
56番
岩
崎
善
幸
17番
月
本
琢
也
57番
嶋
崎
嘉
夫
18番
押
本
吉
司
58番
鏑
木
茂
哉
19番
木
庭
理香子
59番
矢
澤
博
孝
20番
吉
田
史
60番
坂
本
21番
河
野
ゆかり
22番
浜
田
昌
利
23番
かわの
忠
正
24番
林
浩
美
25番
尾
作
26番
松
原
成
文
27番
吉
沢
章
子
28番
山
崎
直
史
29番
井
口
真
美
30番
佐
野
仁
昭
31番
石
川
建
二
32番
斉
藤
隆
司
33番
露
木
明
美
34番
岩
隈
千
尋
35番
山
田
益
男
36番
織
田
勝
久
37番
吉
岡
俊
祐
38番
山
田
晴
彦
39番
岡
村
テル子
子
第2日(12月10日)
明
進
茂
-------------------
均
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平成25年(2013年)第4回川崎市議会定例会会議録
出席説明員
市
出席議会局職員
局
長
古知屋
清
総務部長
平
野
誠
淳
議事調査部長
野
村
正
人
力
良
庶務課長
鈴
木
和
恵
月
哲
史
議事課長
石
塚
秀
和
彈
良
一
政策調査課長
渡
邉
議事係長
鈴
木
議事課担当係長
山
本
議事課担当係長
渡
邉
長
福
田
紀
彦
副 市 長
砂
田
慎
治
副 市 長
三
浦
副 市 長
齋
藤
病院事業管理者
秋
上下水道事業管理者
飛
総務局長
小金井
総合企画局長
瀧
峠
財政局長
小
林
市民・こども局長
加
藤
こども本部長
岡
本
経済労働局長
伊
藤
環境局長
稲
垣
正
健康福祉局長
伊
藤
弘
まちづくり局長
田
中
敬
三
建設緑政局長
大
谷
雄
二
港湾局長
大
村
研
一
川崎区長
幸 区 長
豊
上
本
野
欽
葉
也
子
中原区長
板
橋
洋
一
高津区長
秋
岡
正
充
宮前区長
石
澤
桂
司
多摩区長
池
田
健
児
麻生区長
多
田
昭
彦
会計管理者
森
下
和
子
交通局長
田
巻
耕
一
病院局長
船
橋
兵
悟
消防局長
福
井
昭
久
山
敏
子
正
人
邊
直
美
井
信
重
井
出
長
生
代表監査委員
村
田
恭
輔
監査事務局長
桑
原
賢
治
人事委員会委員長
重
見
憲
明
人事委員会事務局長
土
方
慎
也
勉
雅
介
隆
順
一
和
教育委員会委員長
峪
教 育 長
渡
智
晴
縁
岳
士
-------------------
良
市選挙管理委員会委員長
玉
充
外関係職員
隆
市民オンブズマン事務局長
栗
速報版
第2日(12月10日)
選挙管理委員会事務局長
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速報版
平成25年(2013年)第4回川崎市議会定例会会議録
第2日(12月10日)
午前10時0分開議
〔局長「ただいまの出席議員議長とも57人」と報告〕
○議長
浅野文直
休会前に引き続き、会議を開きます。
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○議長
浅野文直
本日の議事日程を報告いたします。本日の議事日程は、お手元に配付
してあります議事日程第2号のとおりであります。(資料編*ページ参照)
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○議長
浅野文直
これより日程に従い、本日の議事を進めたいと思いますが、その前に
御報告申し上げます。
既に皆様方のお手元に配付し、御報告を申し上げておきましたが、監査委員から、地方
自治法第235条の2第1項の規定による現金出納検査の結果、同法第199条第4項及び第7
項の規定による定期検査の結果並びに同条第5項及び第7項の規定による財政援助団体等
監査の結果について、それぞれ議会宛てに提出がありましたので、お知らせをいたします。
-------------------
○議長
浅野文直
それでは、日程第1及び日程第2の各案件を一括して議題といたしま
す。
直ちに、各会派の代表質問を行います。自民党代表から発言を願います。42番、石田康
博議員。
〔石田康博登壇、拍手〕
○42番
石田康博
おはようございます。私は、自由民主党川崎市議団を代表して、平成
25年第4回定例会に提出されました議案並びに市長の市政への考え方及び市政一般につい
て質問をしてまいります。
質問に入る前に、10月16日の台風26号の豪雨は日本列島に甚大な被害をもたらしました。
特に激甚災害指定を受けた東京都伊豆大島においては多くの方々が被災されました。心よ
りお見舞いを申し上げますとともに、早期の復旧をお祈り申し上げます。また、この災害
を受けて本市消防局の緊急消防援助隊として派遣部隊26隊、延べ89名が派遣され、人命救
助活動に当たっています。今後とも、台風26号の教訓を踏まえ、危機管理などの防災力の
向上に努め、対応体制の強化を推進してまいります。
さて、我が党は、10月27日に投票日の川崎市長選挙において、新人の候補を擁立し、阿
部市政を継承し、持続可能な市民都市かわさきの実現に向けて政策を訴えてまいりました。
我々は、引き続きその思いを絶やすことなく、川崎の成長と発展のために積極的な政策提
言を行ってまいります。議会においては、峻厳な姿勢で福田市長の市政運営を検証してい
くことを宣言し、以下、質問をしてまいります。
まず初めに、市長選挙の投票率について伺います。市長は、市民市長にチェンジを標榜
し、当選されたわけであります。市長の平成25年9月23日の寄稿には次のように書かれて
います。ここ20年の間、36%という低投票率で市長が選ばれてきました、これは政治の責
任なのかもしれませんが、これだけ低い投票率で市長が選ばれるということは非常に大き
な問題です、これでは選択の整合性さえ問われてしまいますと明言しています。今回の市
長選挙の投票率は、過去2番目に低い32.82%でありました。市長の言うように、選択の整
合性が問われた今回の市長選挙だっただけに、その市長のもとで市政のかじ取りが行われ
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平成25年(2013年)第4回川崎市議会定例会会議録
第2日(12月10日)
速報版
ることは、選択の整合性はさることながら、言葉の整合性を疑います。今回の市長選挙に
おいて選択の整合性があったとお感じなのか、見解を伺います。結果、有効投票数におい
て市長の得票率は38.77%、一方、我が党が推薦した候補は38%でありました。その差はわ
ず か 1 % 未 満 の 0.77 % で あ り ま す 。 ま た 、 総 有 権 者 数 に お け る 市 長 の 得 票 率 は わ ず か
12.53%でありました。全体の1割強の支持で市長に就任されたわけであります。御自分の
標榜した真の市民市長としてなり得たのか、所感を伺います。
次に、市長の基本方針について伺います。市長は、29日の本会議の中で市政への考え方
を示しました。今後、新総合計画の策定に着手するとのことですが、市長の優先する施策
を見る限り、地方交付税制度における基準財政需要額に反映されない給付事業が多く含ま
れており、結果として投資的経費を初め他の事業費を縮減しないと政策実現が不可能とな
ります。一方で、市長は、市政への考え方で、力強い産業都市と安心のふるさとを同時に
実行するとしています。しかし、財政的な観点からは、調和するどころか矛盾している施
策と指摘せざるを得ません。過去、本市では、基準財政需要額に反映されない右肩上がり
の経済成長を前提とした施策を推進し続けた結果、多額の財源不足を生じ、基金の活用を
通じた財源手当てを行ってきた経緯があります。そのため、今日まで中長期的な財政フレ
ームを策定し、中長期的な展望に立った財政運営を行ってきた経緯があります。市長は、
このような点を理解した上で市政運営を担うつもりなのか、また、公約に掲げた施策の推
進に際し、どのように財政運営を行っていくのか、その考えを伺います。小児医療費助成
事業など給付の増によるサービスの拡充がうたわれています。その費用には財政への負担
が伴います。継続事業については、規模の縮小や廃止など見直しを行わないと公約は実現
できません。多額の財源をどこに求めていくのか伺います。また、行財政改革の取り組み
の方向性と計画を明らかにすると言いますが、どのような計画とするのか伺います。首都
圏全体の都市機能分担について、首都圏の各都県や政令市が同じような機能を目指してい
たのでは、共倒れになってしまうと危機感を示しました。それでは、本市の持つべき機能
と役割とは何か伺います。また、力強い産業都市、世界に競うまちとして日本の成長モデ
ルを発信すると述べていますが、成長モデルとは何か伺います。
次に、天下りの考え方について伺います。市長は、さきの選挙で天下り反対、官僚政治
反対と訴え続けて当選をいたしました。天下りとはどのように捉えているのか伺います。
官僚政治反対、役人市長をまだ続けるのですかとも訴えてきました。我々は、自治体の成
長、発展には国とのパイプが不可欠と考えています。そこで、何ゆえ役人出身の市長を否
定されるのか、市長の考えを伺います。また、天下り禁止を徹底することは職員の再就職
を禁止することと受けとめますが、その行き先の対象範囲をどのように考えているのか伺
います。また、時期については今年度から実施するのか伺います。
次に、中学校給食の導入について伺います。市長は、さきの市長選挙において、中学校
給食をスタートし、民間事業者による給食センター方式で行うと約束をしています。早速
中学校完全給食の早期実現に向けた推進体制も整え、推進会議も設置したところでありま
す。まず、市長に伺います。阿部前市長の中学校給食の考え方をどう評価しているのか伺
います。また、何ゆえ中学校給食の導入が必要だと考えたのか伺います。川崎市議会では 、
平成23年3月16日に、中学校完全給食の早期実現を求める決議を行っています。目指す方
向性は同じであります。しかし、給食センター方式となると巨額の財政投資が必要となる
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速報版
平成25年(2013年)第4回川崎市議会定例会会議録
第2日(12月10日)
ため丁寧な議論をする必要があると考えております。そこで、市長の公約にある給食セン
ター方式の具体的な内容と導入に向けたスケジュールについて伺います。また、必要な予
算額をお示しください。
続けて、教育委員会委員長に伺います。このたび、川崎市立中学校給食の基本方針が川
崎市教育委員会より発表されました。基本方針の策定に当たりどのような過程を経て協議
し、実施を決定したのか伺います。今までは、基本方針を決定する際に関係各方面より意
見聴取を実施した上で最終的な意思決定を行ってきました。示された基本方針では、何ゆ
え現場の市立中学校長会の代表や学校給食会、保護者代表の方々及び児童生徒などの意見
聴取を行わず決定に至ったのか、教育委員会委員長に見解を伺います。また、中学校給食
推進会議の委員には教育委員会委員長が含まれていませんが、何ゆえ入っていないのか伺
います。教育委員会が属する行政委員会は、独自の執行権限を持ち、その担任する事務に
ついてみずから意思決定し、管理施行することができるとされております。確かに自治法
上、行政委員会は長の所轄のもとにあり、全て一体として行政機能を発揮するようにしな
ければならないとされておりますが、所轄という用語はそれぞれの法律の規定を必要とす
るとされており、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の第3章教育委員会及び地方
公共団体の長の職務権限、第23条第1項第11号では、学校給食に関することは教育委員会
の職務権限とされております。以上の法律からもわかるとおり、川崎市立中学校給食の基
本方針を教育委員会が決定し、今後の給食のあり方を決める組織においては、教育委員会
委員長が組織の委員長を務めるべきと考えます。見解を伺います。基本方針において早期
の実現を図るとされておりますが、具体的な工程と方式についてはどのように考えている
のか、教育委員会委員長に見解を伺います。
次に、全国学力テストの公表について市長に伺います。公約では、全国学力テストの公
表を公言されておりますが、いつまでにどのような方法で公表するおつもりなのか伺いま
す。
次に、国際戦略総合特区について伺います。10月18日、日本経済再生本部は、国家戦略
特区における規制改革事項等の検討方針を示し、11月5日には国家戦略特別区域法案の閣
議決定を行いました。本市では、検討方針に先駆けて健康・未病産業と最先端医療関連産
業の創出による経済成長プラン及び水素エネルギーフロンティア国家戦略特区による新た
な成長戦略への提案の2つを提出しています。今後、国での協議を経て特区指定地の決定
が示されます。こうした中で、市長は、本市が推進する国際戦略総合特区に対して事業継
続を図るのか、それとも事業の見直しなど新たな選択をしていくのか、見解を伺います。
また、検討方針では、医療の項目で、1、国際医療拠点における外国医師の診察、外国看
護師の業務解禁、2、病床規制の特例による病床の新設・増床の容認、3、保険外併用療
養の拡充、4、医学部の新設に関する検討などが示されましたが、県医療審議会では、検
討方針とは異なる意見が続出しています。市長は、医療項目を容認した上で国の採択を求
める考えなのか、見解を伺います。あわせて、県は、追加補正予算で約8,000平米の用地を
購入し、国家戦略特区に符合した事業を展開するようです。市長は、県、横浜市と3者で
提案した経緯を尊重して、今後とも全面的に県が選択する事業に協力していく考えなのか、
見解を伺います。あわせて、国際戦略総合特区と密接な関係となる羽田連絡道路の着工に
向けて市長はどのような考えを持たれているのか、見解を伺います。市長は、選挙公約の
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速報版
中で、羽田に隣接する立地を生かし、経済成長が進む東南アジア各国と我が国をつなぐ結
節点の役割を担う環境整備を図るとうたわれています。特区とどのような整合性を図られ
るのか、具体的な政策内容を伺います。また、ホテルやコンベンション誘致など、おくれ
ている川崎を大胆に動かすとされています。どの場所に誘致を図ろうと考えているのか伺
います。また、大田区とどのような協議を図る予定なのか、見解を伺います。また、公約
の実現に向けたタイムスケジュールをいつ公表されるのか伺います。
次に、区への分権について伺います。市長は、公約の中で、身近なことは区で決める、
権限と予算を区に移譲と掲げております。そこで、現行法制度の中でどのような事業の権
限移譲を考えているのか具体的にお示しください。また、地域課題対応事業費として予算
化されている5,500万円について、既にその支出先が硬直化し、非常に弾力性のないものと
なっています。今後の対応について伺います。こうした区への権限移譲に向けた工程表に
ついて、いつまでに示すのか伺います。あわせて、その予算及び財源についても伺います 。
次に、川崎まるごとWiFi化計画について市長に伺います。市長の選挙公約では、市内
1万カ所にアクセスポイントを整備し、ローミング料などで通信業者から収益を上げるモ
デルをつくると約束をしています。そこで、このサービスの対象は、市民、日本人観光客、
外国人観光客などが想定されますが、誰に提供するのか伺います。範囲は誰にでも無条件
に提供するのか、申込者のみなのか伺います。また、インターネットアクセス、観光情報、
防災情報、市民への行政情報など、何を提供するのか伺います。あわせて、提供により得
られる効果を伺います。また、ネットワーク構築にかかる予算について伺います。Wi-Fi
基地局の準備であるアクセスポイントは何カ所必要で、設置場所と電源はどのように確保
するのか伺います。また、その装置の所有者、装置費用や設置工事の予算についても伺い
ます。基地局アクセス回線の準備費は、市の負担として設置するのか、NTTからの有償
提供なのか、ケーブルテレビ会社からの有償提供なのか伺います。回線終端装置の設置場
所と電源の確保、回線設置工事の予算を伺います。ローミング料などで通信業者から収益
を上げる新しいモデルをつくるとしておりますが、誰から収入を得て、どれだけの収入を
見込んでいるのか伺います。
次に、平成26年度指定都市「大都市財政の実態に即応する財源の拡充についての要望」
と県の予算編成に対する要望について伺います。まず、国、県に対する要望書の内容につ
いて、市長との考え方が違う点も見受けられます。今後、市長の公約実現に向けた考えと
その要望書の内容について、率直な感想を伺います。続いて、国に対する要望についてで
す。国・地方間の税源配分の是正については、現状の税配分の状況として、国6対地方4
となっています。しかし、その配分については、地方8対国2と大きな乖離が生じていま
す。そこで、国・地方間の税源配分の是正はもちろん、市税財源の拡充や事務配分に応じ
た大都市特例税制の創設、国庫補助負担金の廃止、全額補助など、国に求めていくことが
本市の安定した財源確保には不可欠と考えます。市長として今後どのように対応していく
のか伺います。
このほど、県費負担教職員の給与負担等の道府県から指定都市への移譲について合意さ
れました。その財源内容は、国が地方財政措置を検討し、適切に講じることを前提に道府
県から指定都市に個人住民税所得割2%の税源移譲が行われることになりました。しかし
ながら、県費負担教職員分給与等の所要額について、本市では約396億円にもかかわらず、
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速報版
平成25年(2013年)第4回川崎市議会定例会会議録
第2日(12月10日)
事務移譲に伴う税源移譲については約367億円となっており、約29億円余の財源不足が生じ
ています。こうしたことは、市長が公約に掲げた習熟度別クラスの導入や市民の間からも
要望の多い少人数学級の実現に向けて大きな障害ともなりかねませんが、こうした財源問
題について、市長の考えを伺います。また、仄聞したところによりますと、横浜市におい
てはその財源不足は約190億円にも上ると推計されています。こうした市の財源不足につい
て、県に対して何らかの財源交付を要望する考えがあるのか伺います。また、この財源に
ついては、国が地方財政措置を検討し、適切に講じることを前提としております。その財
源が臨時財政対策債など本市にとって後年度負担を伴うものであってはならないと考えま
す。また、現状、臨時財政対策債の配分状況として全国総額の割合は26%であり、74%が
地方交付税で賄っています。しかしながら、指定都市でのその割合は臨時財政対策債が
49.4%であり、地方交付税の割合は50.6%となっています。本来は、地方交付税の法定税
率引き上げによって対応すべきであり、臨時財政対策債は廃止すべきと考えます。今後、
市長はどのように考えて国に対応していくのか伺います。
また、県に対する要望としては、都市計画と農地等の土地利用に関する事務権限や、福
祉、医療等の権限移譲を要望しています。本市のような都市農業が抱える問題点をどのよ
うに認識しているのか、市長に伺います。
また、介護サービス関係や指定障害福祉サービス等の業務管理、市長の公約にもかかわ
る点が多々、多々あります。今後どのように県に対し要望していくのか、市長の考えを伺
います。幼保連携型認定こども園以外のこども園の認定など、県から市へ権限移譲が合意
されました。その内容について伺います。
次に、消費税増税による想定される影響について伺います。国は、消費税を現行の5%
から8%に引き上げることを決定いたしました。本市財政にとって消費増税は地方消費税
交付金が引き上げられますので収入増となりますが、想定される増収見込みについて伺い
ます。自治体は、納税者としての側面を持っています。例えば市立病院事業会計を例に挙
げれば、医療機関は社会保険診療報酬が非課税であるため患者の方から消費税を受け取っ
ていませんが、一方では、医薬品や診療材料の仕入れや医療機器の購入などに対して消費
税を払っているため、多額の控除対象外消費税、いわゆる損税を払っていることになりま
す。こうしたことは、保育、小中学校等でも同様であり、消費税率の引き上げ後、本市は
どの程度の控除対象外消費税を払うことになると想定しているのか伺います。各証明書発
行手数料のうち課税対象となっていないものについて、消費税率の引き上げ後にかかるコ
ストによって見直すことがあるのかも伺います。
次に、入札制度について伺います。我が党を初め各会派が常に問題にしてきた入札制度
についてですが、市長の公約では、市内需の拡大で地元企業を大事にするとうたい、税金
を納め、雇用を生み出す市内事業者を大切にするとしています。公約によって入札制度が
どのように変わるのか伺います。市内業者優先発注につながる方策として、主観評価項目
制度のさらなる活用である災害協定を締結している事業者へのインセンティブや、最低制
限価格の神奈川県レベルへの引き上げ等について求めてきました。改めて見解を伺います。
建築、土木、測量、造園、設計等、技術力を持つ事業者の人材不足は深刻であります。コ
ンクリートから人へとの失策から、意味もなく公共事業がバッシングされ、疲弊しつつあ
ったところに東日本大震災が発災し、人材不足、資材不足、重機等の設備不足は深刻の度
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を深めています。被災地のみならず、東京オリンピックにより建設需要が伸びれば請負事
業者不足は深刻化し、公共工事の入札不調が相次ぐことは容易に想像できます。また、こ
のままでは災害発災時に重機を持って働いてくれる地元事業者も消えてしまいます。真っ
当に働いて真っ当な対価を得、きちんと納税していただく仕組みを今こそ再構築すべきで
あります。市長の見解と公約実現のための具体的な施策について伺います。
次に、朝鮮学校補助金について伺います。この補助金については、我が会派は疑義を訴
えてきました。本市は、支出するに当たっては必ず朝鮮学校に在籍する児童等の健全育成
を図ること等を目的としているということで正当性を主張しますが、この健全育成という
言葉を大上段に振りかざして萎縮させているように感じてなりません。広い意味での人道
主義に根差した民族教育はよいにしても、偏向甚だしい歴史教育をしていても健全育成と
言えるのでしょうか、見解を伺います。また、現地を視察してから判断するとの回答であ
りましたが、本来は、学校側からの申請に基づいて、しかも日時は任意で抜き打ち的に視
察すべきと考えます。見解を伺います。
市長は、いまだにこの補助金について明言を避けています。改めて市長の真意を伺いま
す。
次に、市長の目玉公約の一つとなる待機児童の解消について伺います。市長は、市政へ
の考え方の表明早々に、平成27年4月待機児童ゼロの実現に向けてと副題の添えられた待
機児童ゼロ対策推進本部を立ち上げられました。その迅速な対応は評価をいたすものであ
りますが、達成に向けた今後の具体的な計画を伺います。また、本市に先駆けて待機児童
ゼロを達成した他都市においては、待機児童の定義変更により目標を達成する事例も多く
見受けられ、あくまでも統計数値なだけに、瞬間的なゼロを達成したことが殊さらに大き
く取り上げられることも少なくありません。そこで、待機児童の定義見直しと将来的な目
標について、市長の見解を伺います。また、本市はこれまでも待機児童の解消に向けて多
額の費用を投じてまいりましたが、いまだ待機児童が生じている状況について、市長の率
直な感想を伺います。このたびの市政への考え方によれば、約60年前の法律で区分されて
いる認可園といわゆる認可外の保育施設の違いについて、実態に即した評価と補助が極め
てバランスを欠いていると言わざるを得ないと指摘をされています。どの程度の格差是正
を目指すのか、その格差是正に向けて認可外保育施設への助成拡充と保護者負担軽減につ
いての考え方を伺います。また、保護者負担の軽減が図られることにより、潜在的な需要
が喚起されることがその目標達成を難しくしている一因とも言われています。それと同時
に、自助を最善とする我が国の伝統的な家族観が損なわれ、育児放棄を助長しかねない危
険性も秘めていることからも、まさに市長の政治的力量が問われている課題の一つだと考
えます。我が子のためにと仕事よりも家庭での子育てを選択する親や、我が国の伝統的な
家族観に対しての市長の見解を伺います。
3歳児以降は幼稚園という選択肢も生まれることから、現状の待機児童の内訳はゼロ歳
児から2歳児までが9割を占めている一方で、3歳以上5歳未満には定員割れが生じてい
る保育園もあります。ゼロ歳から2歳児に特化した受け皿整備と3歳児以降においては、
幼児教育の拡充を含む総合的な対策が求められますが、市長の見解を伺います。また、市
長が市政への考え方で述べられたように、我が国には少子高齢化の波が押し寄せています。
また、それが杞憂に終わればいいのですが、今後において本市の人口が少子化に転じた際
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にその財政的な負担が重くのしかかることも懸念されています。かつての箱物行政の二の
舞にならないよう、財政的な見地からも来るべき将来に責任を持つべきと考えますが、市
長の見解を伺います。
次に、小児医療費助成の拡充等について伺います。本市は、これまでも段階的に所得制
限の緩和や通院助成対象年齢の拡大を図ってきました。その大きな理由の一つに財源の確
保という課題がありました。不断の決意をもって臨んだ行財政改革の成果を充当してきた
わけですが、このたびの市長の公約によれば、その対象年齢を小学校6年生まで拡大を図
るとしています。そこで伺います。まず初めに、その具体的な内容と想定される費用と財
源、達成の目標年次を伺います。あわせて、所得制限の考え方についても伺います。
また、近年は予防医学の観点から妊産婦や乳幼児の歯科検診事業が注目され、他都市に
おいては独自の補助制度を創設する事例も見受けられます。我が党としても、以前よりそ
の重要性を指摘してきましたが、本市における実現性と低年齢児における予防医療に対し
ての市長の見解を伺います。
次に、わくわくプラザ事業について伺います。わくわくプラザは、放課後や土曜日、夏
休みなどに小学校施設を活用して児童の安全な居場所及び遊びの場を確保してきました。
異 年 齢 の 交 流 と 仲 間 づ く り を 支 援 す る 事 業 と し て 、 平 成 15年 4 月 1 日 よ り 市 立 小 学 校 113
校内にわくわくプラザ室を設置し、小学校1年生から6年生までの全ての児童を対象とし
て実施しています。そこで、10年経過しさまざまな課題等の検証等が必要ですが、見解を
伺います。
また、民間放課後児童クラブなど、民設民営の学童保育から支援を求める声も上がって
いるようですが、支援をすることに対して市長はどのように考えているのか伺います。あ
わせて、わくわくプラザ事業との整合性についてはどのように考えているのかも伺います。
次に、地域の寺子屋について、市長に伺います。公約では、各学校において地域の寺子
屋を開設すると約束をしています。そこで、地域の寺子屋とはどのような仕組みで、対象
とする学校の範囲を伺います。また、スケジュールと予算について伺います。シニア世代
の経験をかしていただくとしておりますが、どのような基準で選任をされるのか伺います。
次に、がん検診の受診率を政令指定都市トップレベルに引き上げるとの公約について伺
います。今年度策定の第2期かわさき健康づくり21によると、本市のがん検診率は、平成
23年度ベースで、肺がん19.2%、大腸がん20.1%、胃がん6.2%、子宮がん22.6%、乳がん
19.7%であります。本市策定の目標値は、10年後を目途に、胃がんを15%、前述のそれ以
外のがんを30%に引き上げるとあります。公約実現に当たり、どのように目標設定をされ
るのか、スケジュール及び予算と見解を市長に伺います。
次に、障害者雇用で日本一を目指すとの公約について伺います。公約では、市長が先頭
に立ち、障害者の雇用に最も積極的な都市を目指す、就学後のサポートや就労支援のため
全力を尽くす、一時預かりなど障害児者の家族を支える体制を充実させるとあります。ま
た、市政への考え方では、障害者の暮らしを支える居住環境の整備や専門的機関による相
談・生活支援の拡充などを進めるとも記載されております。具体的な内容とスケジュール
及び財源について、市長に伺います。
次に、特別養護老人ホームについて伺います。本市も高齢者人口はふえ続ける中、要介
護認定者や65歳以上の単身高齢者も増加傾向であります。そこで、現在、平成24年度から
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平成26年度までの第5期川崎市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画において、川崎ら
しい都市型の地域居住の実現を基本方針に掲げ、2つの基本目標、つまり、1、高齢者が
住み慣れた地域で安心して暮らせるまちづくり、2として、介護が必要となっても「かわ
さき」で暮らし続けられる支え合いのまちづくりを掲げて計画を推進していますが、社会
福祉法人の立ち上げや施設の整備状況について、その進捗状況を伺います。
また、あわせて市長にお尋ねいたします。特別養護老人ホームへは、なるべく入居した
い方として4,218人もの方々が入居を待っている状況です。平成27年度以降の第6期計画で
はどういう方針で整備を進めていくのか伺います。また、平成21年度から平成23年度の第
4期計画では、基準月額4,033円だった介護保険料が平成24年度から平成26年度までの第5
期計画では5,014円と県下で一番高い介護保険料となっています。その理由について伺いま
す。
次に、有償ボランティア制度について、市長に伺います。全国初の自治体有償ボランテ
ィア制度を構築し、シニア世代を定年なしで生涯現役というスローガンを掲げています。
どのような制度なのか伺います。平成13年に総務省統計局が行った社会生活基本調査では、
ボランティアというのは、報酬を目的とせず、自分の労力、技術、時間を提供して、地域
社会や個人、団体の福祉増進のために行う活動とされています。有償ボランティアとは、
対価、報酬を目的とする活動と理解していいのか伺います。市がボランティア活動に対価、
報酬を支払うということは、臨時職員の雇用とするのか伺います。
次に、川崎縦貫鉄道計画について伺います。4年前の市長選挙の際、最大の争点は川崎
地下鉄建設の是非を問うものでありました。市長は候補者として、選挙期間中、凍結もし
くは反対の意見を明確にしておりました。しかし、今回の選挙戦においてはこの問題につ
いては何も触れていませんでしたが、市長自身どのような認識を持ってきたのか、率直な
意見を伺います。特に市長は宮前区出身であります。宮前区民は10年以上にわたって総ぐ
るみで計画推進のための運動を展開してきたことは、十二分に御承知かと存じます。当計
画を期待する宮前区民の主な理由は交通不便地域の解消であり、これを改善することが必
要不可欠と判断し、この計画実現のために取り組んできた経緯があります。また、指定都
市の中でおくれている公共交通網の整備は緊急を要する重大な課題でありました。当計画
について、現在は新たな建設コストの縮減に向けた検討等を引き続き行っていくことにな
っており、相当に長期化する見通しであります。区民がいまだ熱望するこの計画に係る市
長のスタンスを伺います。
次に、川崎縦貫道路Ⅱ期計画について、東京外かく環状道路東名以南との一本化につい
て伺います。さきに示された市長の市政への考え方でも、川崎縦貫道路と東京外かく環状
道路の一本化などを進め、交通ネットワークの充実を進めていくとのことであります。Ⅱ
期計画と東京外かく環状道路東名以南との調整をどのように図っていくのか、見解を市長
に伺います。あわせて、高速横浜環状北西線事業では、合併施工方式による横浜市負担額
は620億円で総事業費の30%、国の新直轄方式でも25%負担となるわけですので、現実問題
として第三京浜以南から首都高大師インターまでを川崎縦貫道路Ⅱ期計画とするならば、
その整備手法と事業費負担、財源について伺います。
次に、コミュニティバスの導入について伺います。本市においては、地域交通の手引き
に基づき、持続可能な路線の実現に向けて取り組んできたところであります。交通不便地
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域の解消と移動の促進を目指したコミュニティ交通の取り組みは、これまでに10の地域で
実施をしております。一定の成果が出たのは3カ所で、実験等を実施した地区が3カ所、
検討の過程にあるのが4カ所となっています。今後、市長の任期4年間の中で、例えば宮
前区の区役所と有馬方面を結ぶ路線や白幡台地区など、未実施の7カ所を対象にどこまで
導入を図ろうとしているのか伺います。コミュニティ交通の考え方にある本格運行の条件
としては、受益者負担を原則とし、運行経費の補助は行わないとしています。コミュニテ
ィバスの導入に理解のある市長は、その基準をどこに求めるのか伺います。また、採算の
とれる見込みのない交通不便地域での導入をどのように考えているのかも伺います。
次に、都市整備における交通問題対策について伺います。市長は、市政への考え方並び
に選挙に際し頒布し続けた選挙運動用ビラにおいても、市民生活の足の確保について同様
の主張を繰り広げています。幹線道路の脆弱さに対して早急な交差点改良を掲げています。
どのような計画なのか伺います。また、バス路線のあり方ですが、これは行革や市民サー
ビス向上に大きく影響します。市長は、市バスのあり方についてどのような見解と将来像
をお持ちなのか伺います。
次に、川崎市立川崎高等学校附属中学校について伺います。平成26年4月開校予定の附
属中学校の新校舎の使用開始がおくれています。新校舎使用までのスケジュールについて
伺います。また、開始までの体育授業及び運動部活動はどのように対応するのか伺います。
附属中学校では、次代を切り開く生徒にとって必要な学ぶ力、探求する力、コミュニケー
ション力、実行力、体力を育成するとのことですが、附属中学校の特色、目標について伺
います。あわせて、目指す学校像、育てたい生徒像についても伺います。
選考基準について伺います。適性検査Ⅰでは、文章や図や表・データの内容を的確に捉
え、情報を読み解き、分析し表現する力を見るとしています。また、適性検査Ⅱでは、自
然科学的な問題や数理的な問題を分析し考察する力や、解決に向けて思考・判断し、的確
に表現する力を見るとなっており、数学力に重きが置かれているようにも感じますが、見
解を伺います。また、国語、社会、算数、理科の科目別を検査としなかった理由について
伺います。面接では、質問に対する答えの内容や、6年間学ぼうとする意欲等を総合的に
見るとのことですが、評価方法について伺います。調査書では、小学校6年生の前期終了
時の全教科の評定を活用するとなっています。5年生時の評定も必要であると考えますが、
伺います。また、適性検査、面接、調査書をそれぞれ7対2対1の割合で換算した得点の
合計値をもとに上位の者から合格者を決定するとなっています。定員120名の男女の生徒割
合についての考え方を伺います。
また、市長の公約の中には、習熟度別クラスを導入する考えが示されています。附属中
学校における導入の考え方と対応について伺います。あわせて、国公立大学への進学者数
の目標はあるのか伺います。公立中学校は、小学校での受験教育を排し、受け皿として機
能させる使命があると考えます。競争意識が過熱する心配はないのか伺います。また、か
わさき教育プラン並びに川崎市教育振興計画が附属中学校ではどのように反映されている
のか伺います。
次に、学校施設等における災害対策について伺います。平成23年3月の震災以後、学校
施設や公共施設等へのさまざまな防災対策、停電対策を従来以上に対応してきました。災
害発災後、ライフラインの復旧に数日かかり、特に都市ガスにおいては復旧に20日以上要
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する場合もあります。そのような中で、LPガスは軒下在庫で容器に残量があれば、安全
を確認し、そのまま使用できるメリットがあります。LPガスを利用した発電システムを
含む災害対応型バルクシステムを導入すべきと考えますが、見解を伺います。
次に、ミューザ川崎シンフォニーホールを核とした文化行政について伺います。市長当
選後の初めての公務は、音楽のまち、映像のまち関係のイベントが続いたわけですが、そ
れについて伺います。まず、今後の音楽のまちの推進について、市長の考えを伺います。
ミューザにおける奇跡の1週間ですが、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ロイヤ
ル・コンセルトヘボウ管弦楽団、そしてベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と、3公演
とも見事にソールドアウトになったわけですが、ミューザ友の会でチケットを申し込んだ
市内、市外の人数と、最終的に友の会でチケットを購入した市内、市外別の人数を伺いま
す。いずれの演奏も会場全体を感動に巻き込み、熱狂したファンはステージ前まで寄り集
まり、楽団員が去った後もマエストロを登場させたほどでした。このミューザで演奏した
指揮者のホールに対する感想、聴衆に対しての思いがどうだったのか伺います。あわせて、
この奇跡の1週間は、多くの人から高い注目を集め、日本で世界的な3大オーケストラを
1週間で同じホールで聞くことができることはまさに奇跡だとの声も寄せられました。プ
ログラムのラインナップはバランスがとれたすばらしく見事な企画だったと称賛されまし
た。今後も世間の注目を集めるような挑戦的な企画が大いに望まれますが、今回の3大オ
ーケストラを招致した経過と今後の招致の方向性について伺います。
モントルー・ジャズ・フェスティバル・ジャパン・イン・かわさきについて伺います。
本年は、ミューザを中心に捉えての3回目のフェスティバルでしたが、今回の実績、収支
状況を伺います。また、招致を促してきた経緯もあるのでしょうが、モントルー・ジャズ・
フェスティバル・ジャパン・イン・かわさき終了後、ミューザ主催のジャズ・ナイトが開
催され、それこそ日野皓正氏を初め国内の著名なアーティストが安価で出演し、内容的に
も期待できる濃いライブになると思われます。この価格の違いは、モントルー・ジャズ・
フェスティバルのライセンス料の反映なのか、ライセンス料についても伺います。この3
年間の実施を通して見えてきた課題、特に集客と広報等の総括を伺います。
また、市長に伺いますが、来年度はスイスと日本国交樹立150周年に当たり、加えて、本
市も市制90周年に当たるわけですが、来年度の実施に向けての考え方をお示しください。
あわせて、その後の継続実施の可能性についてもお答えをください。
次に、ザルツブルク音楽祭のパブリックビューイングについてですが、今回の試行実施
の結果はどうだったのか伺います。また、来年のリアルタイムでの本格実施に向けてのザ
ルツブルク音楽祭との協議内容について改めて伺います。
この実施に向けての話し合いは、ザルツブルク音楽祭側と本市との間には信義という問
題も横たわっています。市長は、実施及びその方法についてどのようにお考えなのか伺い
ます。
毎日映画コンクール表彰式について伺います。ミューザ川崎シンフォニーホールリニュ
ーアルオープンの今年度の特徴について伺いますが、西口商店街への広がりのあるにぎわ
いの創出とか、川崎駅東側のイベント等を含めてお願いします。また、毎日映画コンクー
ル表彰式の今後の方向性、課題についてもお答えください。
本市が推進する映像のまちの今後に向けてのお考えを市長に伺います。
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次に、平成25年度病床整備事前協議の実施について伺います。本市内の2つの医療圏で
は、病床数について常に過剰地域と認識しておりましたが、このたび北部医療圏において
基準病床数に対し166床下回ったとのことであります。その理由と具体的な根拠について伺
います。新たな病床が整備できることをチャンスと捉えるべきですが、どのように活用さ
れるのか伺います。また、望ましい活用となるよう促すことが必要と考えますが、伺いま
す。特に新型インフルエンザ等の感染症対策及び災害時の対応など、危機管理体制の強化
の視点が重要となりますが、考えを伺います。申し出期限が12月27日となっていますが、
現在の申請状況を伺います。病床を整備できる機会がほとんどない中では、申請病床数が
166床を下回ることがないような対応が必要と思われますが、考えを伺います。また、事前
協議の中ではどのような審査が行われるのか伺います。病床が整備されることは地域医療
の充実につながり、市民の福祉サービスの向上が図られる一方で、ふえ続ける社会保障費
をどのように抑制していくのかという財政課題に直面することになります。166床の新たな
病床の整備が財政上にどの程度影響を与えるのか伺います。
次に、小杉町3丁目東地区第一種市街地再開発事業について伺います。本事業のスケジ
ュールでは、平成25年度都市計画決定、平成26年度組合設立認可、平成27年度着工、平成
30年度竣工となっていますが、現況と見通しについて伺います。あわせて、地域住民の方々
や地権者の方々には、これまでどのような説明が行われてきたのか、その内容について伺
います。また、権利者の保全を図り、都市再開発法に基づくまちづくりを実施することが
求められているわけですが、権利者に対するこれまでの説明に対し、権利者の方からの理
解は示されているのか伺います。また、権利者の将来設計はどのように保障されているの
か伺います。
市長に伺います。武蔵小杉駅周辺のまちづくりについては、本市の広域拠点にふさわし
いまちの形成には今後も積極的に推進することが必要であると考えます。見解を伺います。
加えて、今後の取り組みについて、市長の基本的な考え方を伺います。
次に、川崎市バス事業経営問題検討会からの答申について伺います。市バス事業を取り
巻く環境は依然として厳しい状況が見込まれていることから、昨年、川崎市バス事業経営
問題検討会が設置され、答申の重点施策として、安全・安心な輸送サービス、お客様満足
度の向上、地域貢献、経営力の強化、職員の意識改革が示されました。ラッピングバス広
告や不用品の売却にあわせ、コスト縮減で単年度1億3,000万円圧縮を行いましたが、今後
の見通しについて伺います。職員が削減され、残業時間がふえ、中には基準時間を超える
職員がおり、労働基準監督署から指導を受けることがあったと聞いておりますが、現状と
今後の対応について伺います。また、今後の大幅な利用者増が見込めない中で、本市のバ
ス事業はどのようにあるべきなのか、考えを伺います。
次に、議案第156号、川崎市営住宅条例の一部を改正する条例の制定について伺います。
かねてから市営住宅については入居希望者が大勢いることからも、使用料滞納者へは税の
投入や公平性の観点からも厳しく対応すべきと指摘してまいりました。さきの議会では、
川崎市債権管理条例が制定されていますが、今回、市営住宅条例で規定することの理由を
伺います。現在の滞納者はどの程度いるのか、改めて伺います。施行期日が来年の4月1
日となっていますが、現に滞納している者への対応について伺います。また、債権は、公
債権、私債権、どちらの扱いになるのか伺います。公債権と私債権では、延滞金の率など
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の違いがあるのか伺います。債権の時効についても伺います。本市では、使用料徴収等の
事務を川崎市住宅供給公社に委託していますが、公社には債権管理という趣旨を十分理解
した上での業務履行が求められますが、対応を伺います。使用料の延滞金の減免とはどの
ような場合が想定されるのか伺います。その判断に公社がかかわるようなことがあるのか
伺います。
次に、議案第181号、川崎市葬祭場の指定管理者の指定について伺います。まず、申請団
体が1団体となっていること、言いかえれば公募を行わなかったことについて、この共同
体が指定管理予定者となったことの理由を伺います。民間活用推進委員会では、各選定基
準について比較対象が存在しない中、どのように評価されたのか、審査過程を伺います。
指定管理者制度を導入することは、率直に言えば、さらなるサービスの拡充とコスト削減
を図るものであります。今回の審査では、事業経営の計画と管理経費縮減等への取り組み
においての評価が気になるところであります。全配点に対する評価点は約68%であります
が、この部分の選定基準の評価は約58%となっております。その理由を伺います。また、
全体では基準点とされる6割を超えているものの、一つの項目でそれを下回る形になって
いることへの考えを伺います。この部分の取り組みは指定管理料に関連してきます。この
評価を受けた指定管理料の考えを伺います。また、経営計画と管理費縮減へのさらなる取
り組みを求めるべきと考えますが、伺います。
以上で質問を終わらせていただきますが、答弁によっては再質問をさせていただきます。
(拍手)
○議長
浅野文直
〔市長
○市長
市長。
福田紀彦登壇〕
福田紀彦
それでは、私から、ただいま自民党を代表されました石田議員の御質
問にお答えいたします。
まず、市長選挙についての御質問でございますが、今回の市長選挙におきましては、投
票率が過去2番目に低い32.82%という投票率にとどまり、多くの有権者の方々に御参加い
ただけなかったことは非常に残念であると感じております。こうした投票率も踏まえなが
ら、私といたしましては、日々緊張感を持ちながら、身近な市政の実現を目指し、市民市
長として市民の方々の現場を回り、その声を市政に反映するよう注力してまいります。あ
わせて、市民の皆様とお約束した公約につきましては、任期である4年間での達成を目指
した取り組みを進め、自分の1票で市政が変わったことを実感していただくことで、さら
に参加の輪を広げ、次回の投票率が上がっていくようなサイクルを生み出していきたいと
考えております。
財政運営についての御質問でございますが、本市では、過去に右肩上がりの経済成長を
前提に創設した市民サービスを提供し続け、また、多くの事業を直営方式で実施してきた
結果、危機的な財政状況に陥ったものと理解しております。その後、前市長が財政危機を
宣言し、不断の行財政改革に取り組んだ結果、危機的な財政状況から脱却し、現在に至っ
ているものと認識しております。私が進める持続可能な社会をつくり出すためには、中長
期的な展望に立った行財政運営を行うことが大変重要であると考えています。したがいま
して、私がこの間、市民の皆様にお約束してきた施策を推進していくために、力強い産業
都市の実現に向けた取り組みや、市民の目線に立っためり張りのある改革を推進していく
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とともに、地方財政制度に基づく財政措置を効果的に活用するなどにより、安定的な財源
を確保していきたいと考えております。
行財政改革についての御質問でございますが、人口増加が続く本市においても少子高齢
化は着実に進展しており、本市に求められる行政需要はこれまで以上に増大、多様化して
います。こうした市民の皆様のさまざまなニーズに的確にお応えしていくためには、効率
的・効果的な行政体制や持続可能な行財政基盤を構築することが不可欠です。こうしたこ
とから、公共サービスにおける民間部門のさらなる活用や効率的な行政運営に向けた組織
体制の整備など、市役所の内部改革につきましてはこれまでの取り組みの経過も十分に踏
まえ、今後の方向性を早急に明らかにし、引き続き全職員が一丸となって取り組んでいく
必要があると考えています。一方で、市民の皆様に直接影響のある市民サービスの見直し
などにつきましては、今後新たな総合計画の策定作業と連携し、改革の目的や効果を明ら
かにした上で、市民や議会の皆様の声をしっかりとお聞きしながら計画策定を進めてまい
りたいと考えております。
都市機能分担についての御質問でございますが、首都圏を広く見渡してみますと、商業・
業務機能が集積した都市や産業都市、観光都市、住宅都市などさまざまな都市がそれぞれ
の特色を持っています。そのような中で、本市は首都圏の拠点都市の一つとして、生活、
文化、医療、福祉等の機能を備えた自立性の高い都市機能を有すると同時に、臨海部や
JR南武線沿線における多くの先端的な産業や研究機関の立地、多様なエネルギー産業の
集積などが大きな特徴となっており、産業都市として大きな役割を果たしています。今後
も川崎市の玄関口としての川崎駅周辺地区や、便利で活気のある小杉駅周辺地区、芸術や
文化の魅力あふれる新百合ヶ丘駅周辺地区において広域拠点の整備を推進するとともに、
臨海部におけるさらなる産業・研究開発機能の集積や、身近な暮らしやすいまちづくりの
推進、広域的な交通ネットワークの形成により首都圏が日本の頭脳となり、産業発展のエ
ンジンとなるよう九都県市首脳会議等の枠組みを活用して近隣他都市と協調しながら、環
境や暮らしと調和する最先端の力強い産業都市を目指して取り組んでまいります。
成長モデルについての御質問でございますが、この川崎は、世界への玄関口である羽田
空港に隣接する臨空都市です。また、国内でも最高レベルの冷凍冷蔵倉庫群を持つ川崎港
も積極的にポートセールスを展開し新たな航路を開拓するなど、その優位性を生かした取
り組みを進めています。さらに、首都圏の好位置に立地しており、鉄道や道路を通じて都
市へのアクセス性が抜群によいという特徴を備えています。私は、このような地理的優位
性などを持つ川崎のポテンシャルは非常に高いものと考えています。このようなポテンシ
ャルに加え、さらにライフイノベ-ションや環境技術を生かした成長産業等の育成、イン
ターネット環境の充実などに取り組むことでビジネスしやすいまちづくりを進め、力強い
産業都市として持続的に発展することが日本の新しい成長モデルになっていくものと考え
ています。
天下りの考え方についての御質問でございますが、初めに、天下りにつきましては、一
般論として、退職した公務員が国から地方自治体や関係団体、そして地方自治体から出資
法人などの職につき、在職時と同額程度の報酬で退職金が支給される形態を指すものと捉
えております。また、KING SKYFRONTにおけるライフイノベーションの推進を
初め成長戦略の推進などの場面においては、神奈川県や横浜市とともに国との連携が重要
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平成25年(2013年)第4回川崎市議会定例会会議録
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であると考えております。一方、市民の現場に出向き、その声に真摯に耳を傾け、川崎市
の地域特性などを踏まえた市民の視点に立った川崎モデルを構築し、発信していくことも、
市民の方々に地域のまちづくりに積極的に参加していただくなど市民が主役の市政を実現
していくためには、市民市長であることが必要と考えております。次に、職員の再就職の
あり方につきましては、公平性・透明性の確保は重要ですので、今年度末までにそのあり
方について、局長級を対象として、より透明性が確保できるよう方向性を検討してまいり
ます。
中学校給食についての御質問でございますが、中学校給食につきましては、子育て世代
の働き方の多様化などにより、子育て環境の整備の視点においても大きな効果があると考
えております。また、これからの川崎を担う中学生を食育の観点から、栄養のバランスに
すぐれた給食制度でサポートしていきたいと考えております。平成23年3月に市議会にお
いて中学校完全給食の早期実現を求める決議が全会一致で可決されたことは市民の総意と
して受けとめており、市民のニーズも高いものと認識しておりますので、一刻も早い導入
を目指してまいりたいと思います。次に、中学校給食の導入を図るに当たり、まず12月1
日付で中学校給食推進担当課長を配置し、早期実施に向けた推進体制の整備に着手しまし
た。さらに、年度内に体制を拡充し、新年度にはさらなる体制を整備しながら事業を推進
してまいります。また、庁内プロジェクトチームとして全庁的な推進体制を構築するため
に、私が委員長となり、副市長、関係局長で構成する中学校給食推進会議を設置いたしま
した。この推進会議におきまして、民間活力を生かしたあらゆる手法を比較検討の上、安
全・安心で温かい給食を提供できるようスピード感を持って中学校完全給食の早期実現に
取り組んでまいります。教育委員会が今年度中に実施する中学校の既存施設、設備の調査
や児童生徒、保護者へのアンケート等を踏まえ、平成26年度には、所要額や財源を精査し 、
財政負担を考慮した具体的な実施手法等についてお示ししてまいります。平成27年度には、
教育委員会で決定した実施方針に基づき、導入に向けた準備等を行います。今後、スケジ
ュール等については、中学校給食推進会議において検討を図ってまいります。
全国学力・学習状況調査の公表についての御質問でございますが、全国学力・学習状況
調査は、児童生徒の学力や学習状況を把握、分析し、教育施策の成果と課題を検証し、そ
の改善を図るとともに、学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に
生かされるものであると考えています。学力を向上するためには、学校と家庭とが力を合
わせていくことが大切であり、そのためには来年度の全国学力・学習状況調査の結果につ
いて、文部科学省が示した実施要領に基づき、なるべく早い時期に教育委員会や学校が適
切な方法で公表することが望ましいと考えております。
国際戦略総合特区についての御質問でございますが、本市では、これまで高度なものづ
くり技術や立地優位性など、本市の持つ特徴と強みを生かし、超高齢社会における課題の
解決に貢献するとともに、ライフサイエンス分野などに関連する機能の集積と新産業の創
出を目指して、総合特区制度を活用しながら、KING SKYFRONTにおいて国際戦
略拠点の形成に取り組んでまいりました。これまでの取り組みを通じて、実験動物中央研
究所や国立医薬品食品衛生研究所、仮称ものづくりナノ医療イノベーションセンターやグ
ローバルに事業を展開している民間企業など、ライフイノベーションを牽引する機能の集
積が順調に進んでいると実感しているところでございます。今後もグローバルな視点に立
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って国際戦略拠点の形成を進めるとともに、当地区に立地する研究機関や企業を初めすぐ
れたものづくり技術を有する市内企業と積極的な連携を図ることで、地域経済の活性化や
我が国経済の持続的な発展につながる取り組みを進めてまいりたいと思います。次に、国
家戦略特区における医療分野の規制改革事項についてでございますが、本年9月に本市は
神奈川県、横浜市とともに、健康・未病産業と最先端医療関連産業の創出による経済成長
プランを提出しました。この提案は、3自治体が取り組むそれぞれのプロジェクトとその
推進に当たり必要となる規制緩和等を提案したものでございまして、本市にかかわるプロ
ジェクトにつきましては、医師会や病院協会を初め関係者の皆様の御理解をいただきなが
ら取りまとめたものでございます。このたび国において決定された検討方針では、3自治
体からの提案も盛り込まれているところでございます。本市といたしましては、今後とも、
市民や関係団体の方々の御理解をいただきながら、ライフイノベーションを加速させ、地
域経済の発展や我が国の成長を牽引するよう、神奈川県、横浜市とともに取り組みを推進
してまいりたいと考えております。また、県は、KING SKYFRONTにおいて、再
生・細胞医療分野を中心に研究から事業化に向けた取り組みを推進する施設の整備を計画
しています。この施設と、既に立地している研究機関等との連携による効果も期待される
ことから、引き続き県と協調しながら取り組みを進めてまいります。
次に、羽田連絡道路についてでございますが、国際戦略拠点の形成が進む中、羽田空港
を中心としたエリアが持つポテンシャルや価値を一層高めるためにも、多摩川対岸と一体
的な拠点形成を推進することが必要であり、その実現には交通インフラも重要な要素であ
ると考えております。羽田連絡道路の整備につきましては、東京都や大田区など多岐にわ
たる関係機関との合意形成が必要であるため、これまでも国主催の特区連携に関する検討
会などで幅広く議論を進めているところですので、引き続きさまざまな場を活用して合意
形成を図り、早期の実現を目指してまいります。
次に、東南アジア各国と我が国をつなぐ取り組みといたしましては、これまで特区区域
におきましてアジアを初めとする海外マーケットを視野に入れ、事業展開する企業の誘致
や研究機関のアジア展開を支援してきたところでございます。そして、その成果として、
進出が決定したジョンソン・エンド・ジョンソン、コヴィディエン ジャパンといった世界
有数の医療機器メーカーや、既に立地している実験動物中央研究所によるアジアへの事業
展開が見込まれております。さらに、川崎生命科学・環境研究センターに設置した川崎市
海外ビジネス支援センターに海外取引に精通したコーディネーターを配置し、市内企業の
東南アジアを初めとした海外展開を支援しているところでもございます。今後も事業の海
外展開やグローバル企業との連携を図りながらライフイノベーションの取り組みを推進し
てまいりたいと考えております。
次に、ホテル、コンベンションの誘致などについてでございますが、これら施設は魅力
ある都市拠点の整備において大変重要な都市機能の一つとして認識しており、交通結節点
として利便性の高い川崎駅周辺と武蔵小杉駅周辺において誘致などに向け取り組んでいる
ところでございます。川崎駅周辺では、西口の大宮町A-2街区におきまして、新たな川
崎の顔として駅前にふさわしいホテル、コンベンションの導入について、土地所有者であ
るJR東日本に働きかけを行い、現在、JR東日本において検討をいただいております。
また、武蔵小杉駅周辺では、小杉町2丁目地区におきまして会議、レセプション、展示会
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な ど 多 様 な イ ベ ン ト に も 対 応 が 可 能 な お お む ね 1,000人 規 模 の ホ ー ル を 中 心 と し た コ ン ベ
ンションの整備について準備を進めております。その他、大規模な集客施設である等々力
陸上競技場や川崎競輪場の再整備において、従来の施設機能を拡充させ、レイアウトの工
夫により、展示やレセプションなど多目的に利用できる空間の整備も予定しております。
次に、大田区との協議についてでございますが、KING SKYFRONTにおきまし
ては、ライフイノベーションを牽引する機能が集積し、一方で、多摩川対岸の羽田では国
際会議場や展示場、ホテルなどが計画されております。本市といたしましては、羽田空港
を中心に都県境を越えて相互の機能の役割分担や連携を行うことにより、相乗効果の発現
を図ることが必要と考えており、大田区、東京都などの関係機関が参加する国主催の特区
連携に関する検討会でも提案したところでございます。大田区とは、今後も特区の連携に
関する検討会や本年4月に締結した基本協定に基づく取り組みなどを通じて協議調整を図
ってまいりたいと考えております。
次に、公約実現に向けたタイムスケジュールについてでございますが、私が掲げた公約
は4年の任期中に実現することを目指して全力で取り組んでまいります。その実現に向け
たスケジュールにつきましては、その施策ごとに適宜お示ししてまいります。
区への分権についての御質問でございますが、これまで自治基本条例に基づく市民本位
のまちづくりとして、区役所を、快適な窓口サービスの提供に加え、地域の課題をみずか
ら発見し解決する市民協働拠点とすることを基本的な考え方として、区役所機能の強化に
取り組んできたところでございます。今後につきましては、子育て環境の整備などの子育
て事業を初めとして、身近な課題は身近なところで解決するという補完性の原則に基づき、
まずは区で何ができるかを調査検討し、順次積み上げていく中で、市民や議員の皆様の声
もしっかりとお聞きしながら、区へのさらなる権限強化に向けた取り組みを行ってまいり
たいと考えております。また、地域課題対応事業費につきましては、区民との協働により
区役所が主体的に課題を解決するための予算でございますが、区ごとに異なる特色を生か
して地域に根づいたまちづくりが実施できるよう、予算編成の中で調整してまいります。
次に、区への権限移譲につきましては、ミニ市役所化に向けた制度設計を行い、法制度と
の整合を図りながら、効率的かつ効果的に取り組んでまいりたいと考えております。
Wi-Fi化計画についての御質問でございますが、これからの時代においてはインターネ
ット環境の整備が都市の価値を決める重要な要素になってくると考えております。Wi-Fi
環境の整備につきましては、市民を初め来訪者、旅行者など、市内にいる全ての人を対象
として誰もが利用できるWi-Fiアクセスポイントを設置することを考えております。こう
したインターネット環境が進んだ都市をつくることは、強いビジネス環境を創出するとと
もに、市民の皆様の利便性の向上や身近な防災、防犯、交通、教育といった各分野での住
みやすいまちづくりに役立つものと考えております。今後、新たな成長戦略、新しいサー
ビスの提供、新ビジネスの創出等につながる市内のWi-Fi環境の整備を積極的に推進する
に当たりまして、提供する情報や整備費用など、検討すべきさまざまな課題や調整の必要
な事項が多岐にわたっていることから、外部のICT関連専門家や電気通信事業者等を含
めた検討プロジェクトチームを早急に設置し、現況の把握や課題の分析など、調査研究を
進めてまいりたいと考えております。
国や県に対する要望等についての御質問でございますが、初めに、指定都市市長会及び
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議長会の連名による大都市財政の実態に即応する財源の拡充についての要望につきまして
は、社会経済情勢の変化に伴い、極めて厳しい財政運営を迫られている指定都市が協調し
て地方税財政制度などについて国に対し要望を行っているものでございます。要望項目に
つきましては、全ての指定都市が共通する内容として、協議の上、取りまとめられたもの
でございまして、本年度は本市が幹事市となり、前市長と市議会議長により国や各政党に
対して要望を行っていただいたところでございます。こうした地方税源の充実などの大都
市の実態に即応した税財政制度の確立については、私が公約として掲げる力強い産業都市
と安心のふるさとの調和によるまちづくりを実現していく上で、大変重要な取り組みであ
ると認識しております。今後もこうした指定都市として協調した取り組みを進めていくと
ともに、持続可能な行財政基盤の確立に向けて本市独自の国への働きかけを行ってまいり
たいと考えております。
次に、県の予算編成に対する要望についてでございますが、本市が抱える行政課題に的
確に対応するとともに、本市が進めるまちづくりのために広域的な視点から県と協調して
取り組むことも必要であり、県の予算編成に向けて働きかけていくことは重要であると考
えています。このたびの要望項目である京浜臨海部を核としたライフイノベーションの実
現、石油コンビナート地域の防災対策の推進、児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じた
支援の拡充など、いずれも私の公約に掲げる政策の方向性に一致しており、私が描く川崎
の将来ビジョン、川崎を日本一幸せのあふれるまち、最幸のまちにする上で欠かせないも
のでございますので、私みずから今月中旬に黒岩知事に直接お会いし、しっかりと要望を
行ってまいります。
次に、県費負担教職員の給与負担等の財政措置についてでございますが、県費負担教職
員制度につきましては、教職員の任命権は指定都市が有しているのに対しまして、給与費
負担、教職員定数等に係る権限は道府県が有しているという現行制度上のねじれを改め、
学校の設置者である指定都市が主体的に市民のニーズに応じた教育を提供できるよう、こ
れまで国等に対して制度の見直しを提案してきたところでございます。このたびの合意に
よりまして、県費負担教職員の給与負担等の事務移譲とともに、その財政措置として基幹
的税目の税源移譲が実現できたことは、画期的であり、大変意義深いものと考えておりま
す。合意した財政措置といたしましては、地方財政全体の一般財源に占める地方税と地方
交付税の比率がおおむね6対4であることを鑑み、個人住民税所得割2%分の税源移譲を
行うこと、及び、不足分については地方交付税制度により措置することとしたところでご
ざいます。この結果、指定都市合計では、所要額約8,754億円に対しまして税源移譲額は約
5,270億円となり、所要額に占める税源移譲割合は約60%になりますが、本市におきまして
は税源移譲割合が約93%となっているところでございます。今後は、不足額に対する適切
な財政措置について、道府県と連携し、国へ働きかけてまいります。なお、このたびの事
務権限の移譲に伴う財政負担につきましては、地方分権の趣旨に沿って受益と負担の関係
を明確にするため、県からの財源交付ではなく、基幹的税目の税源移譲と地方交付税との
組み合わせとしたところでございます。今後は、平成29年度をめどに円滑な事務権限の移
譲等が行われるよう県と協議調整してまいります。
次に、臨時財政対策債についてでございますが、臨時財政対策債は、地方交付税の振り
かえとして措置されているものでございまして、本市では、市民生活の安全・安心を確保
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するための施策など必要な市民サービスを提供するため地方財政制度上認められた貴重な
一般財源として活用してきたところでございます。しかしながら、臨時財政対策債は、将
来世代への負担を先送りといった課題もありますことから、先ほどの指定都市の要望にお
きまして、地方財源不足の解消は地方交付税の法定率引き上げによって対応すべきであり、
速やかに廃止することを求めてきたところでございます。また、先ほどの県費負担教職員
の給与負担等の税源移譲に係る措置不足額につきましても、全て地方交付税により措置す
べきものだと考えます。今後とも、他の指定都市と連携しながら、国に対し臨時財政対策
債の廃止を要望してまいりたいと存じます。
都市農業についての御質問でございますが、本市では、農業者の意欲的な営農活動によ
り、都市の有利性を生かした地産地消や掘り取り、摘み取りなどの観光農業を取り入れた
積極的な農業経営が展開されています。また、施設を活用した高付加価値型農業など、地
域ごとに多種多様な経営が見られ、県内トップクラスの技術を持つ農業者も数多くいらっ
しゃいます。しかし、都市化の圧力や相続税等による農地の減少、農産物価格の低迷、農
業者の高齢化や後継者問題など、本市の農業を取り巻く環境は依然として厳しい状況にあ
ると認識しています。都市農業につきましては、新鮮な農作物の供給といった生産面での
重要な役割だけでなく、緑の保全や災害時の一時避難場所など、環境、防災など多様な役
割を果たしていますので、引き続き都市農地の保全に努めてまいります。現在、農地転用
や農業振興地域の指定など農地の土地利用に関する権限の多くは県知事にありますが、都
市農地の抱える課題については、市街化が進展する周辺地域との調和などまちづくりの視
点を踏まえ、農業者の生活基盤の確保に資する柔軟な土地利用を図るなど地域の実情に即
したきめ細やかな対応が必要です。貴重な都市農地の保全を図っていくため、効率的・効
果的な施策展開に向け、転用許可権限や農業振興地域の指定権限等について包括的な移譲
を受け、本市が一元的に施策を推進することが必要と考えておりますので、引き続き県に
対して権限の移譲を求めてまいります。また、都市農業が安心して営めるよう、相続税納
税猶予制度の見直しや相続税率の引き下げなどについても、国に働きかけていきたいと考
えています。
神奈川県からの事務権限移譲等についての御質問でございますが、さまざまな身近な課
題に迅速、的確、柔軟に対応していくためには、県から基礎自治体への事務権限の移譲等
を進めていくことが必要であると考えています。都市計画と農地等の土地利用の分野や、
福祉、医療、教育等の対人サービスの分野の事務は、基礎自治体として重要なものである
と考えておりまして、移譲を受けて一体的、総合的に事務を行うことにより、市民の暮ら
しやすいまちづくりにつながるものと考えています。今後も市民ニーズを踏まえた地域課
題を解決し、さらに充実した市民サービスを提供することができるよう、神奈川県に対し
引き続き必要な事務権限の移譲や、移譲に伴う適切な財政措置について要望してまいりま
す。
次に、幼保連携型以外の認定こども園の認定事務につきましては、昨年度に設置されま
した地域主権に関する県と指定都市との意見交換会におきまして一元的、総合的な子ど
も・子育て支援施策の実施等を目的に、最優先に移譲することを求めて協議を進め、この
たび、平成27年4月から本市へ移譲することに向けて合意したところでございまして、今
後は円滑な移譲に向けて手続を進めてまいります。
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入札制度についての御質問でございますが、市内中小企業者への発注は、地域に精通し
た業者による質の高い工事施工などが期待でき、その結果、優良な市民サービスを確保で
きるとともに、市民の皆様に納めていただいた税金を有効に活用することにより、市内経
済を活性化させ、雇用の確保にもつながるものと考えられますことから、市内中小企業者
への優先発注や育成などにより、地元企業を大切にすることは大変重要なことだと考えて
おります。本市では、従来より、入札契約制度の基本方針において、予算の適正な使用に
留意しつつ、市内の中小企業者の受注の機会の増大を図ることとし、入札参加資格におい
て市内中小企業者であることを原則とするなど、市内中小企業者優先発注に努めておりま
す。新たに本市の施策に貢献している事業者を積極的に評価する取り組みとして、災害協
定を締結している事業者に限定した入札を年内にも試行実施することとしております。今
後におきましても、地元企業を大切にする仕組みづくりを進めるとともに、最低制限価格
のあり方を初めとするその他の入札契約制度につきましても、国や他の自治体の制度内容
や効果等を分析するなど検討を重ねてまいりたいと存じます。中長期的な公共工事の品質
や担い手の確保は、建設業界全体の重要な課題でございますことから、国においても法改
正を含む検討が行われておりますが、本市におきましても、建設技能労働者の人材確保対
策や工事内容等に応じた多様な入札契約制度の検討を進め、継続的な効果を発揮する入札
契約制度の改革に引き続き取り組んでまいります。
朝鮮学校補助金についての御質問でございますが、本市では、学校の所轄庁である神奈
川県が行う経常費補助を補完する立場から、整備費、研修費にかかる経費の一部や保護者
が負担する学費の一部について補助を実施してまいりました。しかしながら、神奈川県は、
朝鮮学校補助金について、平成25年度から経常費補助の予算計上を見送っている状況でご
ざいます。これまでの県を補完するというこの補助金の本来の考え方から、神奈川県が予
算計上を見送っているという状況を踏まえ、今年度の補助金の交付は行わないことといた
します。なお、来年度におきましては、予算編成の中で本市の補助のあり方について検討
してまいります。
待機児童の解消についての御質問でございますが、初めに、私の選挙公約の最重要課題
である川崎市の待機児童ゼロの実現に向けて、その対策を講じるプロジェクトチームとし
て、庁内に私をトップとした待機児童ゼロ対策推進本部を、また、区役所には区長をトッ
プとして待機児童の解消に向けた具体的な方策等を検討するため待機児童ゼロ対策推進会
議を12月1日に設置し、3日には両会議を合同開催し、各区の課題等の共有化を図ったと
ころです。今後につきましては、待機児童ゼロに向けた取り組みについて、推進本部会議 、
同会議の検討部会、区の推進会議においてしっかりと議論した上で、まずは来年2月に予
算の基本的な考え方を公表する際に具体的な内容をお示ししてまいりたいと考えておりま
す。
次に、待機児童の定義見直し等についてでございますが、本市におきましては、国の保
育所入所待機児童の定義に基づき待機児童を算定しており、今後とも国の示す定義に基づ
き待機児童を算定していく予定でございます。また、将来的な目標につきましては、今後
も受入枠の拡大のために認可保育所を整備していくことは必要ですが、現状のペースでつ
くっていくことは、財政上の問題、土地の確保の点からもかなり厳しいと考えております。
したがいまして、保育所利用申請者数の伸びを考慮し、地域保育園などから一定の質の担
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保ができている川崎認定保育園への移行により、受入枠を拡充しながら認可保育所の必要
数を計画的に整備し、継続的な保育サービスが提供できるようにしてまいりたいと考えて
おります。
次に、待機児童に対する感想でございますが、これまで尽くしてこられた待機児童解消
に向けた努力は多としますが、この待機児童の解消を含めて、市民の皆様との公約の実現
には多額な財源が必要なことは十分に認識しておりますので、めり張りをつけて本市の貴
重な財源を配分し、効率的に執行していくことが必要であります。いずれにいたしまして
も、待機児童の解消は保育の量的拡大・確保、そして質の担保の2つを実現していくこと
が重要であり、そのためには職員が一丸となって英知を結集し、この難題の解決を目指し
てまいります。
次に、認可外保育施設への助成の拡充についてでございますが、川崎認定保育園を新規
認定する際に本市からの助成対象となっていない地域保育園につきましても対象とし、本
市が定める客観的な基準を満たす場合には予算の範囲内において認定することにより、助
成対象施設の量的拡充に努めていきたいと思います。また、保護者の負担軽減につきまし
ては、川崎認定保育園に通う保育に欠ける児童の保護者に対し、月額5,000円の保育料補助
をこの10月より実施したところでございますが、認可保育所の保育料と比較しますと負担
が大きい状況でございますので、補助金額の拡充について検討してまいりたいと考えてお
ります。
次に、我が国の伝統的な家族観についてでございますが、社会経済環境の変化などを背
景として、保育所の待機児童、児童虐待、子育て家庭の社会的な孤立や格差の広がりなど 、
さまざまな社会的問題が生じております。これらの子育てを取り巻く環境の変化や社会的
問題などに対応するためには、地域や社会全体で子どもと子育て家庭を支える仕組みづく
りを視点として、その取り組みを進めることが重要であります。子育てについての第一義
的な責任は保護者にあることを前提としつつも、未来の担い手である子どもたちが健やか
に生まれ育つ環境を整えるためには、子育て家庭のさまざまなライフスタイルの中でのそ
の家庭状況に応じた支援をしていく必要があると考えております。
次に、就学前の幼児教育・保育の総合的な対策についてでございますが、平成27年度か
らの子ども・子育て支援新制度の施行に先立ちまして、国からは、待機児童解消加速化プ
ランにより、ゼロ歳から2歳児などに特化した受け入れを行う小規模保育事業の整備の推
進などとあわせ、3歳児以降については幼稚園に対する長時間預かり保育事業への支援策
などが示されてきております。本市といたしましては、国の支援策を活用しながら、ゼロ
歳から2歳児の受け入れ策を拡充するとともに、3歳児以降については、保育所だけでな
く約6割の子どもが幼稚園に通園していることを踏まえ、保護者の多様な教育・保育ニー
ズに対応できるよう、幼稚園における長時間預かり保育事業の支援を充実することにより、
3歳児以降の総合的な幼児教育・保育の充実を図ってまいりたいと考えております。
次に、少子化における財政負担についてでございますが、本市におきましては、現在、
公立保育所の建てかえ、民営化を初め、新たな保育所整備につきましては社会福祉法人や
民間事業者の活用を基本として、安心こども基金を積極的に確保し、進めております。今
後も将来の保育需要を十分に踏まえ、持続可能な社会の実現に向け、多様な手法により適
正に整備を進めてまいります。
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小児医療費助成制度についての御質問でございますが、本制度は、お子さんが病気のと
きに医療費の心配をせず、必要な医療を受けることができる制度であり、安心して子ども
を産み育てることができる環境づくりを進めていく上で大変重要な子育て支援策の一つで
あると考えております。したがいまして、本制度の拡充を公約とさせていただいたところ
です。内容につきましては、通院医療費助成の対象年齢を現行の小学校1年生までから小
学校6年生まで引き上げることとしております。これに伴い、新たに必要となる費用とし
ては、事業費全体として約13億7,000万円を見込んでおります。財源の確保につきましては、
大きな課題と受けとめておりまして、一層行財政改革の取り組みを進めていくことが必要
であると考えております。達成の目標年次につきましては、本市における子育て環境の整
備を進める中で総合的な検討が必要ですので、現行制度の運営状況及び財政状況等を見据
えながら、できるだけ早期の実現を目指してまいります。次に、所得制限についてですが、
限られた財源の中で持続可能な制度として安定的に運営するために、今後も引き続き設け
る必要があると考えております。
妊産婦等に対する歯科検診事業についての御質問でございますが、妊産婦に対しまして
は、これまでも各区保健福祉センターにおける両親学級、マザーズブラッシング事業、乳
幼児歯科相談等の実施及びホームページなどの媒体を活用した歯科保健の普及啓発の充実
に努めてきたところでございます。また、低年齢児に対する歯科保健の取り組みにつきま
しては、3歳児の虫歯のない者の割合が政令市の中でトップレベルを維持していることか
ら、一定程度の成果が出ている分野であると考えております。今後におきましては、これ
までの取り組みに加え、年齢を重ねてもいつまでも健康に暮らしていくことができるよう
に予防医療を広く進めていくことが重要であると考えておりますので、御質問にありまし
た妊産婦や乳幼児の歯科検診事業を含め、効果的な取り組みについて広く検討してまいり
たいと考えております。
放課後児童クラブについての御質問でございますが、社会福祉法に基づき、第二種社会
福祉事業の届け出をしている民間の事業者に対しては、市のホームページでの紹介や下水
道使用料の減免、事業系廃棄物処理、光化学スモッグ情報や不審者情報などの提供及び職
員に対する研修の案内などの支援を行っております。民間の事業者にはさまざまな運営形
態がありますが、わくわくプラザ事業の整合性を踏まえた上で、支援のあり方について検
討をしてまいりたいと思います。
地域の寺子屋事業についての御質問でございますが、私は、地域ぐるみで子どもの育ち
を支え、多世代で学ぶ生涯学習の拠点をつくることを目的として、地域の寺子屋を開設し、
地域の教育力を高めてまいりたいと考えております。具体的には、放課後や土曜日を中心
に、地域の方々に子どもの学習や体験活動の支援、世代間交流などをしていただきたいと
考えております。次に、事業を実施する対象の学校は、基本的には小学校を考えておりま
すが、具体的な方策、スケジュール等につきましては教育委員会が検討を進めているとこ
ろでございます。また、実施にかかる経費につきましては、子どもたちの学習を支援して
くださるボランティアの方々への謝礼や教材費、保険料などが想定されると考えておりま
す。この事業は、さまざまな地域の皆様に御協力をいただきたいと考えておりますが、特
にこれまで社会や家庭生活の中で培ってきたさまざまな経験や知識をお持ちのシニア世代
の皆様には、ぜひその能力を生かして地域の子どもたちの育ちを支えていただきたいと考
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平成25年(2013年)第4回川崎市議会定例会会議録
第2日(12月10日)
速報版
えております。
がん検診の受診率についての御質問でございますが、本年3月に策定した第2期かわさ
き健康づくり21における本市の目標値は、政令市における現在のトップレベルの受診率と
おおむね同じでございますので、目標年度を私の任期中をめどに前倒しすることにより達
成したいと考えております。財源に関しましても、現段階では国庫補助金の活用など不明
な点もございますが、必要な財源を確保し、実現に向けて取り組んでまいりたいと思いま
す。また、手法に関しましては、受診率向上に効果があると確認されている積極的な個別
受診勧奨や新たな啓発物による広報など、より効果的な手法を検討してまいります。
障害者施策についての御質問でございますが、障害者雇用につきましては、本年11月に
策定した川崎市障害者雇用・就労促進基本方針をさらに発展させていく形で、障害のある
人が障害のない人とともにあらゆる場面で生き生きと働いている姿が当たり前となる新た
な社会づくりを目指し、今年度末に策定を予定している障害者雇用・就労促進行動計画の
中で具体化してまいります。また、私が市政への考え方などでお示しした障害者の居住環
境の整備など、ライフステージに応じた地域生活支援に関する取り組みにつきましては、
来年度予定している第4次かわさきノーマライゼーションプラン策定の中で、年次ごとの
数値目標を含め、市全体の財源調整を図りながら、障害のある人が地域で安心して自分ら
しい暮らしを送ることができる自立と共生の社会づくりに向けた検討を行ってまいりたい
と考えております。
特別養護老人ホームの整備方針及び介護保険料についての御質問でございますが、初め
に、本市におきましては、要介護状態となっていてもできる限り自宅で生活を続けること
を希望される高齢者が多いことから、在宅生活を支援する居宅サービスや地域密着型サー
ビスと特別養護老人ホームの整備を一体的に進めているところでございます。第6期計画
の策定に当たり、特別養護老人ホームの整備につきましては、中重度の方の入居を基本と
しつつ、要介護度の比較的高い高齢者の在宅生活を支える複合型サービスとあわせ、いわ
ゆる団塊の世代が後期高齢者となる2025年を見据えながら、具体化してまいりたいと考え
ております。
次に、介護保険料についてでございますが、第5期計画期間におきましては、高齢化の
進展に伴う要支援・要介護認定者数の増加や施設サービスの拡充等による介護給付費の増
大を見込んだことから現行の保険料となったものと認識しております。今後も介護需要は
増加してまいりますが、本市といたしましては、給付と負担のバランスを適切に見込みな
がら、高齢者の方々がいつまでも元気なお年寄りでいていただけるよう、より一層介護予
防等の施策に取り組んでまいります。
有償ボランティア制度についての御質問でございますが、今後ますます高齢化が進む社
会においては、元気なシニア世代が社会に貢献しながら生きがいを持てる地域づくりが重
要となります。こうしたシニア世代の方々には、その経験や知識を生かしてボランティア
活動に参加し、地域課題の解決に取り組んでいただくとともに、地域でいつまでも輝いて
いただきたいと考えております。その際に一定の対価により活動の継続をサポートするこ
とで、より一層の活動の活性化を図っていく方策の一つが有償ボランティア制度であると
考えております。有償ボランティア制度における対価につきましては、あくまでもシニア
の方々のボランティア活動の継続を支援することを目的とするものであり、したがいまし
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速報版
平成25年(2013年)第4回川崎市議会定例会会議録
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て、臨時職員といういわゆる雇用の形態ではございません。いずれにいたしましても、全
庁的に十分な調査検討を行った上で、必要に応じて有識者等の意見も踏まえ、制度設計を
行ってまいります。
川崎縦貫鉄道計画についての認識とスタンスの御質問でございますが、私は、鉄道不便
地域への対応としての地下鉄整備については、必要性を否定するものではございません。
ただし、これまでの川崎縦貫鉄道計画は、本市の財政負担が膨大であること、都市部と直
結していないこと、公営であることなど、幾つかの問題があると考えております。また、
現在の川崎市には多くの重要な課題があり、限られた財源の中でこれらに対応していかな
ければならない状況でございます。したがいまして、事業化につきましては、現時点では
推進する状況にないと考えております。なお、市政への考え方でお示ししたとおり、交差
点の改良やバス路線の充実などで市民の足の充実を図ってまいりたいと考えております。
川崎縦貫道路Ⅱ期計画についての御質問でございますが、初めに、東京外かく環状道路
東名以南との調整についてでございますが、交通基盤の整備は経済活動の活性化だけでな
く、市民生活の豊かさに大きくかかわる重要課題であると認識しており、慢性的な渋滞は
大きな経済的損失であります。特に縦方向に長い本市においては、縦貫方向の移動時間の
短縮や道路混雑の解消が不可欠であることから、川崎縦貫道路の計画につきましては、外
環道との一本化など幅広く検討を行い、進めていくことで、交通ネットワークの充実を図
っていくことが重要であると考えております。こうしたことから、外環道との調整につき
ましては、今後設置される予定であります外環道東名以南についての検討の場において、
川崎縦貫道路計画を含めた幅広い検討を進めるよう国に申し入れてまいります。次に、整
備手法と事業費負担などにつきましては、今後の外環道東名以南との調整の中で明らかに
なると考えておりますが、仮に第三京浜から首都高大師インターまでを川崎縦貫道路Ⅱ期
として整備した場合、総事業費に対する本市の事業費負担割合は、高速横浜環状北西線と
同様の整備手法といたしますと、横浜市の事例と同程度になると想定されます。この事業
に係る事業費につきましては、法令により、事業が位置する自治体の負担となることから、
本市における整備効果と事業費負担のバランスをとっていくことが大変重要であると考え
ております。今後は、本市の財政状況を考慮しつつ、実現可能な計画となるよう、一本化
を含めた検討状況を踏まえた上で国と調整を図ってまいります。
コミュニティバスについての御質問でございますが、初めに、未実施箇所の考え方につ
きましては、コミュニティ交通は、その地域の交通課題の解決や高齢者の外出支援などさ
まざまな役割を担っており、地域の方々を初めとする関係者が知恵を出し合い、計画段階
から運営、運行まで協働することによって成立するものであると考えており、コミュニテ
ィ交通を必要とする地域の主体的な取り組みに対し、進捗に応じた適切な支援を行ってま
いります。次に、費用負担に関する考え方につきましては、コミュニティ交通の持続可能
な運営のためには事業性の確保が重要であり、運行経費を乗客の運賃収入によって賄うこ
とが基本であると考えています。しかしながら、本市のコミュニティ交通については、狭
隘な道路環境や乗客の需要などから中小のバス事業者が小型の車両で運行しているなど、
採算性の確保が難しい事業構造であることも理解しておりますので、支援のあり方につい
て検討することも必要であると考えております。次に、採算のとれない地域での導入につ
いてでございますが、現在、導入検討されているコミュニティ交通は、乗り合いバスタイ
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プのものでございますが、その他、空きタクシーの活用など、地域の特性に合った新たな
システムについて検討してまいりたいと考えております。
渋滞対策についての御質問でございますが、私が目指しております成長と成熟の調和に
向け、地域をつなぐ交通基盤の整備は、経済活動の活性化とともに、市民の生活の豊かさ
に大きくかかわる重要な課題であると考えております。道路における慢性的な渋滞は大き
な経済損失を招くことから、渋滞対策につきましては幹線道路網の整備をしっかりと進め
ていくとともに、一方で、その整備には長い期間と費用を要することから、渋滞が発生し
ている交差点の集中的・重点的な取り組みが必要であると考えております。私といたしま
しては、これらの課題解決のために平成26年度から3カ年を計画期間とした渋滞対策事業
の計画を策定し、スピード感を持って対策を実施してまいりたいと考えております。
市バスのあり方についての御質問でございますが、路線バスは通勤通学や移動手段を持
たない高齢者など、市民の皆様の日常生活を支える身近な公共交通機関として重要な役割
を果たしております。川崎市におきましては、市バスと民営バスで市域におけるバスネッ
トワークを形成しており、市バスはその約4割のシェアを担っているところでございます。
高齢社会を迎えている今日、公共交通の重要性はますます高まっていることから、民営バ
スを含めたバスネットワーク全体の維持充実は大変重要なものと認識しております。この
ため、市バスにおいては、需要に応じた路線の強化、見直しを行うとともに、運行ミスで
失った信頼を回復すべく、お客様サービスの向上に向けた取り組みなどの強化を進めてい
く必要があるものと考えています。さらに、厳しい経営状況にありますことから、将来に
わたって持続可能な経営を行うため、さらなる経営改善に努めてまいりたいと考えており
ます。
今後の音楽のまち・かわさきの推進についての御質問でございますが、本市では、ミュ
ーザ川崎シンフォニーホールを中心として、フランチャイズオーケストラの東京交響楽団
や2つの音楽大学、4つの市民オーケストラ、100を超える市民合唱団、企業の吹奏楽団、
さらには国内外で活躍する音楽家など、多彩な音楽資源を活用して、音楽のまちづくりを
進めております。日ごろから御協力をいただいている市民の皆様や音楽関係の皆様に改め
て感謝を申し上げます。こうした取り組みにより、まちのにぎわいとともに音楽のまちの
裾野の拡大など、本市のイメージが大きく変わってきたと認識していることから、今後も
音楽のまち・かわさきの取り組みを後退させることなく継続し、発展させてまいります。
モントルー・ジャズ・フェスティバル・ジャパン・イン・かわさきについての御質問で
ございますが、初めに、来年度の実施についてでございますが、来年は日本とスイスの国
交樹立150周年の記念すべき年に当たることから、開催に向け、今後、関係機関と協議を行
ってまいりたいと考えております。また、ウルス・ブーヘル駐日スイス特命全権大使から
も、ぜひ連携して取り組んでまいりましょうと言っていただいております。さらに、7月
にスイスで行われるモントルー・ジャズ・フェスティバルでは、ジャパン・デーを設け、
日本の文化や、音楽と食をテーマとしたイベント開催について提案をいただいていること
から、この場を活用してさらなる川崎の魅力や情報を発信してまいりたいと考えておりま
す。次に、その後の実施についてでございますが、ことし来日したモントルー・ジャズ・
フェスティバル最高経営責任者マシュー・ジャトン氏からは、本市の取り組みが本場モン
トルー・ジャズ・フェスティバルの理念を受け継いでいると高く評価をいただいていると
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ころでございます。モントルー・ジャズ・フェスティバル・ジャパン・イン・かわさきに
つきましては、貴重なコンテンツと捉え、3年間の取り組みを検証した上で課題を整理し、
開催について、今後、関係団体と協議してまいります。
ザルツブルク音楽祭パブリックビューイングについての御質問でございますが、友好都
市のオーストリア・ザルツブルク市で毎年夏に開催される世界3大音楽祭の一つであるザ
ルツブルク音楽祭との連携を深めていくことは、音楽のまち・かわさき及び映像のまち・
かわさきを推進する本市にとりまして、国内外に本市の魅力を発信し、都市イメージの向
上を図る上で大変意義のあることと考えております。また、こうした連携を進める上で、
パブリックビューイングの開催につきましても一つの方法であると考えておりますが、本
市とザルツブルク音楽祭との関係や協議経過、プレイベントの実施結果等を勘案し、より
多くの方に鑑賞していただける運営方法や費用対効果を検証した上で、実施について本市
とザルツブルク音楽祭により協議をしてまいります。
映像のまち・かわさきの推進についての御質問でございますが、本市では、日本映画大
学や4つのシネマコンプレックス、映像に関する民間企業や団体などの恵まれた映像資源
を活用し、映像文化の振興や人材育成、地域の活性化など、さまざまな取り組みによるま
ちづくりを進めているところでございます。これらの取り組みの推進に御協力いただいて
いる市民の皆様や映像関係の企業や団体の皆様に改めて感謝を申し上げます。今後もロケ
誘致の拡大、地域の映像制作活動を通じた人材育成の支援、音楽のまち・かわさきの取り
組みとの連携など、映像のまち・かわさきの取り組みをさらに広げ、毎日映画コンクール
表彰式を中心としたまちのにぎわいの創出や都市イメージの向上につなげてまいります。
武蔵小杉駅周辺のまちづくりについての御質問でございますが、武蔵小杉駅周辺地区に
つきましては、公共施設を再編整備するとともに、さまざまな機能を駅の周辺に集積させ
た歩いて暮らせるコンパクトなまちづくりを推進しているところであり、この方針に基づ
く再開発などにより、当地区の持つまちの魅力やポテンシャルが向上したことから、首都
圏有数の人気のあるエリアとなっているところでございます。今後も、こうした考え方に
基づきまちづくりを進めるとともに、地域住民の皆様の声に耳を傾けながら活力と魅力に
あふれた広域拠点の形成を推進してまいりたいと考えております。私からの答弁は以上で
す。
○議長
浅野文直
教育委員会委員長。
〔教育委員会委員長
○教育委員会委員長
峪
峪
正人
正人登壇〕
中学校給食の導入についての御質問でございますが、初
めに、基本方針の作成過程についてでございますが、本年6月14日の総務委員会で行われ
ました中学校完全給食の実施を求める請願や陳情の審議を踏まえ、教育委員会会議におき
まして、家庭からのお弁当を基本とした中学校昼食の総括を行い、ランチサービス事業の
取り組みと現状、他都市の中学校給食の実施状況、生徒の健康増進と食事の栄養バランス、
学校給食を活用した食育の推進等の視点から、中学校における昼食のあり方について議論
を重ね、11月26日に川崎市立中学校給食の基本方針を決定いたしました。
次に、中学校給食推進会議についてでございますが、この会議は全庁的な組織であり、
教育委員会の具体的な事務執行を行う教育長が委員となっておりますので、中学校給食推
進会議で検討された内容について適宜報告を受け、教育委員会会議におきまして最終的に
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実施方針や手法等につきまして決定していくものと認識しております。
次に、基本方針についてでございますが、中学校完全給食の実施につきましては、これ
までにPTA連絡協議会からの意見要望や懇談会、陳情や請願、市長への手紙等で多くの
御意見をいただいておりましたことも踏まえ、決定したものでございます。現在、教育委
員会では実施に向けた参考資料とするために抽出による中学校1年生とその保護者、小学
校6年生とその保護者を対象に、中学校における昼食についてのアンケートを実施してい
るところでございます。また、具体的な工程と方式につきましては、今年度から開催され
る中学校給食推進会議やその検討部会において検討された内容の報告や資料等に基づき、
教育委員会会議において議論を行い、平成26年度には、財政負担を考慮し、基本方針に沿
った川崎市立中学校給食の実施方針を決定してまいります。以上でございます。
○議長
浅野文直
〔教育長
○教育長
教育長。
渡邊直美登壇〕
渡邊直美
教育委員会関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、川崎市立川崎高等学校附属中学校についての御質問でございますが、初めに、
新校舎使用までのスケジュールにつきましては、現在、川崎高等学校の敷地内において仮
設校舎の増築工事を進めており、開校時の教育活動に支障のないよう教育環境の整備を図
ってまいります。なお、新校舎につきましては、平成26年7月末竣工、その後、引っ越し
等を行いまして、平成26年9月からの供用開始を予定しております。次に、体育授業及び
運動部活動についてでございますが、仮設校舎敷地内にある屋根つき屋外運動場と大教室
運動スペースを中心に活動を行ってまいります。また、校外にもサッカー等の授業が展開
できるスペースとして、東京電力中島変電所隣接地や川崎市体育館なども活用してまいり
ます。
次に、附属中学校の特色、目標についてでございますが、川崎高等学校の学校教育目標
である「心豊かな人になろう」に基づいて、中高一貫した教育を行ってまいります。6年
間の一貫教育では、生徒の興味関心に応じてじっくりと学習を深めることが可能となりま
す。附属中学校では、体験や探究的な学習の機会を豊かにし、ICTを効果的に活用しな
がら、これからの社会で必要となる生きる力を育むことを目指してまいります。次に、目
指す学校像といたしましては、中高一貫教育校としての利点を生かした6年間のきめ細か
い指導の中で、生徒一人一人の個性や適性を重視し、基礎基本の確実な定着を図るととも
に、一人一人の進路希望が実現できる学校、また、中学生と高校生が協働的に取り組むこ
とを通して、豊かな人間性や社会性を育むことのできる学校を目指しております。育てた
い生徒像といたしましては、高い志を持って主体的に学び、これからの国際社会で活躍す
る資質を身につけた生徒と考えております。
次に、適性検査につきましては、小学校教育において身につけてきた主体的に学習に取
り組む態度とともに、習得している基礎的・基本的な知識や技能を活用して課題を解決す
るための思考力、判断力、表現力等、広く学ぶ意欲や素養、適性をはかるものでございま
す。科目別の検査としなかった理由といたしましては、学校教育法施行規則の規定におい
て、公立の中等教育学校及び併設型中高一貫教育校の入学者の決定は、学力検査を行わな
いものとするとありますので、科目別の検査はできないこととなっております。面接の評
価方法といたしましては、複数の面接官によりあらかじめ定めた観点に沿って、公平公正
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に評価してまいります。調査書についてでございますが、小学校での学習状況は6年生の
資料から見とれるものと判断しております。また、受験競争の低年齢化を招かないように
するとともに、6年生で中高一貫教育校という進路を選択する児童に配慮したものでござ
います。
次に、男女の生徒割合についてでございますが、中学校卒業後に進む川崎高等学校の入
学者選抜では男女別募集を実施していないことから、原則として男女別定員は設けないこ
とといたしました。
次に、附属中学校における学習の形態につきましては、生徒の実態を十分把握した上で、
きめ細やかな指導の充実に努めてまいりたいと考えております。また、生徒の進路希望は、
国公立大学への進学のみならず多様でございますので、生徒に生きる力を育み、一人一人
の進路実現に向けた指導、支援の充実に努めてまいります。かわさき教育プランは、多様
化する価値観の中で市民が生き生きと学び合うことのできる学習社会の実現を目指してお
り、附属中学校は社会状況の変化に伴う新たなニーズに対応するため設けたものでござい
ますので、子どもたちや保護者にとっての新たな選択肢になると考えております。
次に、学校施設の防災対策等についての御質問でございますが、現在、災害時における
避難所として指定を受ける市立学校のうち、都市ガスのみを利用している学校を対象とし
てプロパンガス設備を併設するいわゆる複数熱源化の取り組みを進めております。プロパ
ンガスは、災害時における復旧が容易とされ、避難所の熱源として有効なものと考えてお
り、対象となる120校の設置につきましては、今後5年程度での整備を計画し、関係局と協
議しているところでございます。また、災害時の電源確保といたしまして、主な避難施設
である体育館に灯油式発電機を設置し、照明やコンセントの電源とするほか、職員室等の
管理諸室の電力として太陽光発電設備に蓄電池を組み合わせ、夜間でも一部の照明や情報
通信機器の使用が可能な程度の電力を確保してまいりたいと考えております。
災害対応型バルクシステムは、大型のプロパンガスタンクを擁するガス供給ユニットと
発電機、コンロ、暖房器具などをセットとしたもので、災害時の即応性が高く、ライフラ
イン機能の確保に有効とのことでございます。平常時におけるプロパンガスの使用を想定
いたしますと、既存のガス設備との適合性や財政的な支援制度など、導入に係る調査研究
とともに避難所機能向上の観点から、関係局との協議も必要と考えております。以上でご
ざいます。
○議長
浅野文直
石田議員に申し上げます。ここで休憩をお諮りいたしたいと思います
ので、御了承願います。
お諮りいたします。暫時休憩いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長
浅野文直
御異議ないものと認めます。暫時休憩いたします。再開は午後1時と
いたします。
午後0時1分休憩
-------------------
午後1時0分再開
〔局長「ただいまの出席議員副議長とも55人」と報告〕
○副議長
飯塚正良
会議を再開いたします。
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休憩前に引き続き、自民党の代表質問に対する答弁を願います。財政局長。
〔財政局長
○財政局長
小林
小林
隆
隆登壇〕
財政局関係の御質問にお答え申し上げます。
消費増税による影響についての御質問でございますが、初めに、地方消費税交付金の増
収見込み額についてでございますが、地方消費税は、国税である消費税とともに税務署等
に納付され、その2カ月後に国から都道府県に払い込まれ、さらに2カ月から4カ月後に
都道府県から市町村に地方消費税交付金として交付されます。したがいまして、地方消費
税交付金は、前年の12月から当該年度の11月の間に納付されたものが交付原資となるもの
でございます。平成26年4月1日から地方消費税率が消費税率換算で1%から1.7%に引き
上げられることとされております。これに伴う地方消費税交付金の平年度における増収額
は、平成25年度当初予算ベースで約83億円と見込まれるところでございます。しかし、先
ほど申し上げましたとおり、平成26年度の地方消費税交付金は引き上げ前の税率により課
税された分も交付原資となっておりますので、増収額は平年度ベースに比べ相当に少ない
ものと考えております。この増収額につきましては、今後、平成26年度の予算編成の中で
精査してまいりたいと存じます。
次に、消費税率の引き上げによる歳出への影響につきましては、物品の調達や工事請負
費、委託料等に上乗せされる消費税相当分の歳出増と消費税の増収分を活用して行われる
社会保障制度の充実・安定化に資する各種福祉施策の執行に伴う歳出の増がございます。
初めに、物品調達や工事請負費等の影響額につきましては、平成25年度一般会計当初予算
ベースで試算いたしますと、課税対象支出にかかる消費税相当額が約40億円増加し、約107
億円となる見込みでございます。一方、社会保障制度の充実・安定化に資する歳出の増に
つきましては、現時点においては制度改革の内容が明らかになっておりませんので算定が
困難なところでございます。
次に、使用料や手数料などの歳入についてでございますが、申告義務のある企業会計及
びこれに準ずる特別会計につきましては、これまで消費税分の負担をその収入に転嫁して
きたところでございますが、一般会計についてはその義務がないことから、歳入への転嫁
を行ってこなかったところでございます。使用料や手数料などの歳入につきましては、受
益と負担の適正化の観点から、不断の検証や見直しを行っていくものでございまして、今
回の消費税率の引き上げに伴い行政経費が大きく増大することなどを踏まえ、改めて検証
していく必要があるものと考えております。なお、各種証明書の交付手数料につきまして
は、地方公共団体の手数料の標準に関する政令に基づく手数料もございますので、これら
につきましては国の政令改正の動きも踏まえ、適切に対応してまいりたいと存じます。以
上でございます。
○副議長
飯塚正良
市民・こども局長。
〔市民・こども局長
○市民・こども局長
加藤順一登壇〕
加藤順一
市民・こども局関係の御質問にお答え申し上げます。
世界3大オーケストラ公演についての御質問でございますが、初めに、世界3大オーケ
ストラ公演のチケット申し込み状況についてでございますが、ことしの3月末から4月15
日まで友の会会員向けに先行受け付けを行いました。その結果、市内は906人、市外は1,404
人 の 申 し 込 み が ご ざ い ま し た 。 こ の う ち チ ケ ッ ト を 購 入 し て い た だ い た 方 は 、 市 内 は 389
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人、市外は935人でございました。次に、指揮者の感想についてでございますが、ロイヤル・
コンセルトヘボウ管弦楽団を指揮したマリス・ヤンソンス氏からは、以前よりもさらに音
がよくなった、すばらしい、また、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮したサイ
モン・ラトル氏からは、このホールは世界で最もすばらしいホールの一つですなどといっ
たコメントをいただきました。次に、招致した経過と今後の方向性についてでございます
が、リニューアルオープンしたミューザ川崎シンフォニーホールが市民に良質な音楽を提
供するとともに、安全で高水準の音響を備えたホールとして復活したことを国内外へ発信
し、再び高い評価を獲得するため招致したものでございます。今後も著名なオーケストラ
のコンサートを開催することで、市民を初め多くの方々に世界最高レベルの良質な音楽に
触れる機会を提供するとともに、川崎から世界に向け、音楽のまち・かわさきの魅力を発
信してまいります。
次に、モントルー・ジャズ・フェスティバル・ジャパン・イン・かわさきについての御
質問でございますが、初めに、実績についてでございますが、11月22日から30日までの9
日間で5会場11公演のライブコンサートを中心に、2つの音楽大学でのワークショップや
ジャズアカデミー、さらには、市内各所でのフリーライブなどを実施し、昨年の1.4倍とな
る約1万5,000人の方に楽しんでいただきました。また、今回新たな取り組みとしてラ・チ
ッタデッラで開催したナイトマーケットは3日間で約6万人の来場者があったと伺ってお
ります。次に、収支状況についてでございますが、収入につきましてはチケット収入や企
業からの協賛金、市からの開催負担金、国庫補助金等となっており、支出につきましては
アーティスト費、制作運営費、広告宣伝費等でございます。なお、収支につきましては、
現在、実行委員会におきまして収支決算の処理を行っているところでございます。次に、
モントルー・ジャズ・フェスティバルのチケット料金についてでございますが、アーティ
ストの出演料を基本として設定しております。なお、モントルー・ジャズ・フェスティバ
ルのライセンス料は、アーティストの出演料とは別に1開催当たり500万円となっておりま
す。次に、3年間の総括についてでございますが、集客も順調な伸びを見せており、モン
トルー・ジャズ・フェスティバルの理念である人材育成やまちのにぎわいの創出の取り組
みにより一定程度定着し、音楽のまちの裾野の拡大に寄与したものと考えております。一
方で、チケット販売のさらなる促進に向けた早い段階からの重層的な広報の強化や、貴重
なコンテンツを生かした市内外への本市のPRが課題と考えております。
次に、ザルツブルク音楽祭パブリックビューイングについての御質問でございますが、
初めに、パブリックビューイングのプレイベントの実施結果についてでございますが、本
年8月にザルツブルク音楽祭で上演されたオペラ「ドン・カルロ」を10月13日から15日ま
での3日間でラゾーナ川崎プラザ・ルーファ広場、市民ミュージアム、昭和音楽大学、テ
アトロ・ジーリオ・ショウワをそれぞれ会場として上映いたしました。各会場では、オペ
ラの上映に加えて洗足学園音楽大学と昭和音楽大学の学生によるコンサートや、オースト
リア関連の商品の販売などを行い、にぎわいの場としても工夫をしたところでございまし
て、3日間で約2,700人の方々に楽しんでいただきました。なお、来場者にアンケートを実
施し、合計で131人の方から回答をいただきましたが、その結果、来場いただいた方の主な
年齢層は、60歳代が約41%で最も多く、70歳以上が約33%、50歳代が約14%で、合わせて
約88%でございました。また、パブリックビューイングに対する満足度は約78%、「次回
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も見たい」とする回答は約96%でございまして、おおむね来場者には満足をしていただけ
たものと考えております。次に、ザルツブルク音楽祭側との協議についてでございますが、
市の音楽交流事業に関する訪問団による本年8月のザルツブルク市訪問の際に平成26年度
の実施方法として音楽祭側から、本市におけるリアルタイムでの上映や3日間連続での実
施などに関する提案をいただいたところでございます。
次に、毎日映画コンクール表彰式についての御質問でございますが、毎日映画コンクー
ルは日本3大映画祭の一つとして今回で68回を数える伝統と権威のある映画祭で、平成21
年度から本市で表彰式を開催しており、5回目となります今回は、来年2月13日の開催に
向けて、主催者である毎日新聞社等と準備を進めているところでございます。今回の特徴
でございますが、ことし4月にリニューアルオープンしたミューザ川崎シンフォニーホー
ルで3年ぶりに表彰式を開催することから、モントルー・ジャズ・フェスティバル・ジャ
パン・イン・かわさきに出演されたジャズピアニストの佐山雅弘氏による音楽演出など、
映像のまちと音楽のまちのコラボレーションイベントを実施してまいります。また、受賞
者が登壇し挨拶をするオープニングセレモニーをラゾーナ川崎プラザ・ルーファ広場のス
テージで開催し、多くの皆様にごらんいただくことで毎日映画コンクール表彰式及び映像
のまち・かわさきをさらにアピールしてまいります。
次に、商店街でのイベント等についてでございますが、表彰式及びオープニングセレモ
ニーの会場と近接した川崎西口商店会や表彰式の開催と同時期の来年2月に開館を予定し
ております東芝未来科学館と連携し、まちのにぎわいを創出してまいりたいと考えており
ます。あわせまして、映像、映画に関するイベントとして、「映像のまち・かわさき」フ
ェスティバルを12月下旬から3月にかけて実施し、その一環として、2月1日には川崎地
下街アゼリアにおきまして、3月にはラ・チッタデッラで、川崎を主なロケ地として撮影
された映画に関する広報イベントを実施するなど、川崎駅東口のまちのにぎわいを創出し
てまいります。
次に、毎日映画コンクール表彰式の今後の方向性と課題についてでございますが、毎日
映画コンクールは、日本を代表する映画関係のコンテンツの一つであることから、そのブ
ランド力を生かしたPRとまちのにぎわいの一層の拡大が必要と考えておりますので、市
内の映像関係団体などと連携し、表彰式を活用した各種イベントを実施するなど、地域が
にぎわう、川崎ならではの映像フェスティバルの開催に向けて取り組んでまいります。以
上でございます。
○副議長
飯塚正良
〔こども本部長
○こども本部長
岡本
こども本部長。
岡本
隆
隆登壇〕
こども本部関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、朝鮮学校補助金についての御質問でございますが、朝鮮学校は学校教育に類す
る教育を行う各種学校として所轄庁である神奈川県の認可を受けており、その教育内容に
つきましても、学校の協力のもと、県が確認をし、拉致問題についての授業も行われてい
ることなどから、直ちに教育内容に問題があるとまでは言えないものと認識してきたとこ
ろでございます。次に、現地視察についてでございますけれども、今年度、県の経常費補
助金の予算が計上されていないこととの関係から、本市においても補助金を交付する根拠
がないと判断したことから、その必要性についてもないものと考えているところでござい
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速報版
平成25年(2013年)第4回川崎市議会定例会会議録
第2日(12月10日)
ます。
次に、わくわくプラザ事業についての御質問でございますが、全児童を対象とするわく
わくプラザ事業の実施により、平成14年度まで実施していました留守家庭児事業で課題と
なっていました待機児童や、未設置学区、保護者負担の解消、利用時間の拡大などの課題
を解決することができました。今後につきましても、事業の開始から10年を経過しており
ますので、開設時間や施設の老朽化、利用児童数の増加に対応するための施設の改修など
の課題を検証し、引き続き放課後の児童の健全育成の場としてわくわくプラザ事業を推進
してまいりたいと考えております。以上でございます。
○副議長
飯塚正良
〔健康福祉局長
○健康福祉局長
伊藤
健康福祉局長。
伊藤
弘
弘登壇〕
健康福祉局関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、特別養護老人ホーム整備の進捗状況についての御質問でございますが、平成20
年度に策定した特別養護老人ホーム整備促進プラン及び平成24年度から平成26年度を計画
期間とする 第5期計画 ―かわさきいきいき 長寿プラン に基づき整 備を進めて いるとこ ろ
でございまして、第5期計画の整備計画数52カ所4,293床に対して、本年7月1日現在、46
カ所3,815床を整備しており、計画の最終年度である平成26年度にはおおむね計画どおり、
52カ所4,309床が竣工する見込みとなっております。また、特別養護老人ホームの設置運営
法人の公募に際しましては、地域に根差した運営が行われるよう、市内で社会福祉事業の
実績がない場合、本市において社会福祉法人を新設することを条件としており、整備促進
プランを策定した平成20年度以降、7法人の設立を認可したところでございます。
次に、平成25年度病床整備事前協議についての御質問でございますが、初めに、神奈川
県保健医療計画で定められた本市における基準病床数は、年齢階級別人口等を含む全国統
一の算定式により算定されることとなっておりまして、本市北部保健医療圏におきまして
は、人口の増加や高齢化等の要因により、平成25年3月末現在の既存病床数に対しまして
166床の不足が生じたものでございます。
次に、病床につきましては、北部保健医療圏における医療機関の整備状況や課題等を踏
まえ、救急の受け入れや後方機能、回復期リハビリテーション、療養病床、産科、周産期
医療など、必要な医療機能のために活用されるよう、事前協議に先立って公表したところ
でございます。また、感染症や災害時など、危機事象に際しての対応についても、今回の
166床を含む本市全ての病床を効果的に活用できるよう、平時から関係医療機関との協議を
引き続き行ってまいります。
次に、事前協議の申し出状況につきましては、166床が有効に活用されるよう事前協議開
始にあわせて医療関係団体等への説明を行うとともに、県や本市のホームページなどを通
じて周知を図っているところでございます。現時点では正式な申し出はございませんが、
複数の問い合わせをいただいているところでございますので、最終的には166床を超える申
し出があるものと考えております。
次に、事前協議における審査につきましては、提出された書類をもとに、病床整備の目
的、整備場所、整備計画、医療法を初めとした関係法令、県保健医療計画、本市地域医療
計画との整合性、計画の確実性等を必要に応じてヒアリングを行いながら、本市において
精査し、その後、来年2月中に地域医療審議会にお諮りし、開設予定者の選定を行うもの
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平成25年(2013年)第4回川崎市議会定例会会議録
第2日(12月10日)
速報版
でございます。
次に、166床の整備による財政上の影響につきましては、その内容や運用状況により一概
に申し上げることは困難でございますが、ふえ続ける社会保障費の抑制という課題への対
応として、患者ニーズに応じた病院・病床機能の役割分担など、国の動向を注視しながら 、
本市におきましては、必要な病床整備とあわせ、地域包括ケアシステムの構築等、在宅に
おける医療と介護の取り組みを進めてまいります。
次に、川崎市葬祭場の指定管理者の指定についての御質問でございますが、初めに、次
期指定管理者につきましては、北部斎苑の大規模改修工事が平成29年度まで続く予定であ
ることから、一時的な休苑への対応や工事が行われる状況にあっても安全で安定的な斎苑
運営の継続とともに、斎苑の特性上、公益性、永続性の確保が求められることとなります 。
そのため、今回、指定管理予定者の選定に当たっては、競争原理を働かせ、民間ノウハウ
を生かした効率性を追求すること以上に、工事期間中における管理運営の安定性、安全性、
円滑性を確保することや、本市との緊密な連携を図ることに主眼を置いたものでございま
す。そうしたことから、本市と緊密な連携を図りつつ、公益性、永続性を確保できること、
これまで適切な管理運営を行ってきた保健衛生事業団からの円滑な事業継承が可能である
こと、他都市においてもシルバー人材センターが葬祭事業の指定管理を受託している事例
があること、火葬業務を安全で安定的に実施する必要があること等から、工事を行いなが
ら斎苑運営を継続するという特殊事情を抱えた今後の4年間に限り、非公募により本市が
出資する公益的な法人である川崎市シルバー人材センターと南北斎苑の火葬炉メーカーで
ある富士建設工業との共同体を指定管理予定者とすることについて、民間活用推進委員会
にお諮りし、承認をいただいたものでございます。
次に、民間活用推進委員会における審査過程につきましては、本年10月に委員会を開催
し、共同体を構成する川崎市シルバー人材センター及び富士建設工業についての財務状況
の分析を初め施設運営に係る公益性、永続性の確保、大規模改修中における安全で安定的
な運営等の項目について審査をお願いしたところでございます。その際の共同体からの提
案につきましては、工事期間中に管理運営を担っていく中で、斎苑運営に求められる公益
性、永続性を確保しつつ、今後の火葬需要に着実に対応していくため、本市との緊密な連
携のもとにおいて工程を踏まえた北部斎苑の円滑な運営や南部斎苑との調整等について重
点を置いた内容であったこと、また、事業や収支の計画についてあらかじめ設定した指定
管理料の範囲内で安全で安定的な管理運営が見込まれること、さらに、両法人の経営状況
についても問題がないことなどが、管理運営体制、危機管理への取り組み等を含め、総合
的に評価され、選定に至ったものでございます。
次に、事業経営の計画と管理経費縮減等への取り組み等についての評価点につきまして
は、火葬炉1炉当たりの火葬処理件数の目標値やコスト削減に対しての考え方について、
やや低目の評価になったものと考えております。
次に、指定管理料につきましては、北部斎苑の運営を継続しながら大規模工事を実施す
るという特殊事情がある中で、現行の指定管理料と同水準の経費見積もりとなっておりま
すので、おおむね適切であると考えておりますが、より効率的な事業経営に向けた取り組
みが重要であることから、今後、指定期間中におけるモニタリングや年度ごとに開催する
民間活用推進委員会からの意見等を踏まえながら、経営計画に基づく安定的かつ効率的な
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速報版
平成25年(2013年)第4回川崎市議会定例会会議録
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運営について共同体に要請してまいりたいと考えております。以上でございます。
○副議長
飯塚正良
まちづくり局長。
〔まちづくり局長
○まちづくり局長
田中敬三登壇〕
田中敬三
まちづくり局関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、小杉町3丁目東地区第一種市街地再開発事業についての御質問でございますが、
初めに、事業の現況につきましては、当地区では地権者により構成された小杉町3丁目東
地区市街地再開発準備組合が計画案の検討を進めており、昨年8月に環境アセスメントの
手続に着手し、年明けには完了する予定と伺っております。また、都市計画につきまして
は、ことし4月から第一種市街地再開発事業等の都市計画決定に向けた手続を進めており、
現在、都市計画法第17条に基づく縦覧を終了したところでございます。今後の見通しにつ
きましては、事業を進めるに当たり、11月15日のまちづくり委員会の審査結果も踏まえ、
準備組合を中心に市街地再開発事業の仕組みや権利変換の概要を丁寧に説明し、地権者の
不安をできる限り解消するように取り組みつつ、適切に都市計画手続を進めてまいります。
次に、地域住民への市からの説明につきましては、地域住民の要望を踏まえ、昨年の4
月から6回にわたり、町内会等へ当地区の再開発計画の概要などを説明しております。ま
た、準備組合からは、環境アセスメントの手続の中で、開発区域の周辺住民の方々に対し 、
計画の概要を説明しております。また、地権者への説明につきましては、準備組合の前身
である地元勉強会、再開発研究会が平成16年以降に会合や地権者へのアンケート、個別ヒ
アリングなどを実施し、計画概要を説明するとともに、事業への参画意向の確認などを行
ってきたと準備組合から伺っております。また、発足後の準備組合におきましては、個別
ヒアリングや勉強会を通じて計画概要を説明するとともに、再開発ニュースを22回発行し、
地権者へ配付することにより、開発の検討状況を周知したと伺っております。
次に、権利者の理解につきましては、勉強会やアンケート、個別ヒアリングなどの取り
組みにより、全権利者25名中19名の方々が準備組合に加入しており、これらの方々は事業
の推進について御理解いただいているものと考えております。また、権利者の将来設計に
つきましては、当地区では都市再開発法に定める再開発組合が施行する第一種市街地再開
発事業により、権利者は権利変換計画に基づき、従前の土地建物資産に見合う新しい建物
の一部を従後の資産として受け取る仕組みになっております。また、権利変換を希望せず
に地区外へ転出する場合につきましては、公共事業における土地建物の買い取りまたは移
転補償に相当する補償金が支払われることとなります。さらに、土地の明け渡しに伴い通
常受ける損失につきましても、市街地再開発事業の中で適切な補償がなされ、権利者の権
利保全が図られる仕組みとなっておりますので、将来の生活設計は十分可能であると考え
ております。
次に、川崎市営住宅条例を一部改正する条例の制定についての御質問でございますが、
まず、市営住宅条例で規定する理由でございますが、市営住宅の使用料が、いわゆる公債
権であるか私債権であるかは諸説あり、川崎市債権管理条例の制定趣旨を踏まえ、市営住
宅使用料の延滞金を的確に徴収するため、賃貸借契約上の特約としての性格も持つ川崎市
営住宅条例に規定するものでございます。
次 に 、 現 在 の 滞 納 者 で ご ざ い ま す が 、 平 成 25年 10月 末 現 在 の 入 居 中 の 使 用 名 義 人 1 万
5,916人のうち1,856人でございまして、このほか既に退去した者が655人でございます。次
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平成25年(2013年)第4回川崎市議会定例会会議録
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速報版
に、現に滞納している者への対応についてでございますが、川崎市債権管理条例の施行後
の債権から徴収することとし、施行前の債権については延滞金を徴収しないものといたし
ます。
次に、市営住宅使用料の債権の扱いでございますが、先ほど述べましたとおり、市営住
宅の使用料がいわゆる公債権であるか私債権であるかは諸説あるところでございますが、
本市といたしましては、地方自治法第231条の3第1項に規定される使用料と考えておりま
す。次に、いわゆる公債権と私債権の延滞金の率等の違いについてでございますが、一般
的には、公債権は法律等により率が決まっているものが多く、私債権は決められた上限率
の範囲で個別に決めることになるものと考えております。次に、債権の時効についてでご
ざいますが、公債権につきましては、時効に関し他の法律に定めがあるものを除き5年と
されております。また、私債権につきましては、一般的な債権については10年とされてお
りますが、家賃など定期的に発生する債権につきましては5年とされております。
次に、川崎市住宅供給公社の業務履行についてでございますが、川崎市住宅供給公社に
対して収納の事務を委託しているところでございますが、今後も債権管理の趣旨を踏まえ
た適正な業務履行がなされるよう管理、指導を行ってまいります。
次に、市営住宅使用料の延滞金の減免についてでございますが、天災や失業など急激な
収入の減少により生活が窮迫したこと等、本人の責めに帰すことができない事由による滞
納を想定しており、期限までに使用料をお支払いただいている方々との均衡を失すること
のないよう、今後、要綱等を定めてまいります。なお、減免の判断については、使用料な
どの金銭の請求、徴収及び減免に関するものについては委託することができないため、川
崎市住宅供給公社で判断を行うことはございません。以上でございます。
○副議長
飯塚正良
〔交通局長
○交通局長
交通局長。
田巻耕一登壇〕
田巻耕一
交通局関係の御質問にお答え申し上げます。
市バス事業についての御質問でございますが、初めに、今後の収支見通しについてでご
ざいますが、現在、市バス事業で取り組んでいるステージアップ・プランにおいては、経
営改善策として、営業所の管理委託によるコスト削減や、藤子・F・不二雄ミュージアム
線の開設、東扇島総合物流拠点地区への企業進出に対応した輸送力の増強などにより増収
を図ってまいりました。しかしながら、リーマンショックによる景気後退、本市の障害者
移動手段確保対策事業の見直しなどによる減収要因や、軽油価格の高騰などによる費用の
増嵩があり、ステージアップ・プランの目標である計画最終年度の平成25年度における収
支均衡を図ることは大変難しい状況にございます。さらに、平成26年度においては、地方
公営企業会計制度の見直しによる退職給付引当金の一括計上などにより、多額の累積欠損
金が発生することとなりますが、労働生産性の向上や運行効率性の向上などの経営改善に
取り組み、平成27年度以降の単年度収支改善を図り、累積欠損金の縮減に努めてまいりた
いと考えております。
次に、職員の労働時間についてでございますが、市バス事業の運営に当たっては必要最
小限の職員で最大の効果を発揮できるよう効率的な事業の推進に努めてきたところでござ
います。路線バス事業は欠行が許されないことから、突発的な休暇取得等があった場合は
当該乗務を予備勤務者で対応することになりますが、予備勤務者で足りないことが多く、
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速報版
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当日、公休日に当たっているほかの運転手などが時間外勤務で対応しております。このよ
うな状況が運行日の直前に起きることもあり、一部の運転手に時間外勤務が多くなること
もございます。したがいまして、時間外勤務を抑制するために計画的な休暇取得の徹底、
変形労働時間制の導入、退職動向に合わせた計画的な運転手の採用などを行い、適正な労
働時間の確保に努めてまいります。
次に、今後の市バス事業についてでございますが、事業経営の根幹である乗車料収入は
大幅な増収が見込めない中、社会経済環境の変化等により経費が増加するなど、市バス事
業を取り巻く環境は大変厳しい状況が見込まれております。このような厳しい経営環境に
あることから、変形労働時間制の導入等による労働生産性の向上や、川崎市交通局路線見
直し基本方針に基づき利用実態に即した路線の見直しを図るなど、運行効率性の向上など
の経営改善に取り組む必要があると考えております。さらに、安全な輸送サービスを第一
の使命としつつ、市バスサービスポリシーに基づく質の高いサービスを提供することなど
に取り組み、より多くの方々に安心・快適に御利用いただき、今後も市民の足としての役
割を果たしてまいりたいと考えております。以上でございます。
○副議長
○42番
飯塚正良
石田康博
石田議員。
意見要望を申し上げます。
有償ボランティア制度について申し上げます。シニア世代の経験や知識の活用という考
えは一定程度理解できますが、制度設計はこれからとのことですので指摘させていただき
ます。対価を求めないボランティア活動団体は相当数存在していて、その代表的なものは
町内会・自治会と言えます。役員の後継者や活動への参加者確保にも苦労している状況で
す。懸念されるのは、そのように現に対価を求めず活動されている方々と、一方、有償で
ボランティア活動をする方々との整合性が図られるのかということであります。活動内容
の精査や団体の線引きによっては混乱を生じることもあり得ると考えますので、制度設計
は慎重に行うべきと申し上げておきます。とりわけ有償となると、その活動の質や責任の
部分が問われることになることも申し上げておきます。
再度質問させていただきます。
今回の代表質問を通じ、市長は、各施策とも具体的な優先順位、工程表、財源について、
検討する、あるいは市民や議会と相談してとして、具体的なお答えはいただけませんでし
た。そこで、改めて、市長が考える公約の優先順位について伺います。あわせて、市長は、
短期的展望ではなく中長期的な視野で財源確保を図るとしておりますが、本市の義務的経
費が54%を超えている現状を踏まえ、長期的財政展望を見る限り、好転する要素は見受け
られません。一体、市長は財源の根拠をどこに求めて公約を公表し、施策を実行しようと
しているのか伺います。公約の実現が不可能となることが明らかになった場合、市民に対
する責任をどう考えているのか伺います。
次に、中学校給食の導入について、改めて市長に伺います。質問で、市長選挙で公約し
ていた給食センター方式の具体的な内容とスケジュールについてお聞きいたしました。ほ
かに導入手法がある中で、唯一給食センター方式を選んだ理由をお答えいただきたかった
のですが、答弁では、あらゆる手法を比較検討の上取り組んでいくとの答弁でありました。
このそごについて、どう理解すればよろしいのでしょうか、伺います。
次に、天下りの捉え方について、再度伺います。答弁では、在職時と同額程度の報酬と
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速報版
退職金が支給される形態と述べられました。本市では、退職者の再就職の際のルールが定
められており遵守されているのか、我が会派はただしてきました。一部遵守されていなか
った部分も是正されたと認識しております。述べられたことが天下りというならば、本市
には天下りはそもそも存在しなかったと考えられますが、伺います。あわせて、市長は、
本市OB職員が出資法人の職につくことは天下りと捉えていないのか伺います。
次に、国際戦略総合特区について伺います。答弁では、県、横浜市とともに取り組みを
推進するとのことですが、県ではことし5月に国際的医療人材養成機能を目的とする調査
を三菱総研に委託し、今月末に調査報告を受ける予定です。しかし県・地域医療審議会で
委員全員が反対している事業を本市としても容認、協力していく考えなのか、再度市長の
見解を伺います。
次に、川崎縦貫鉄道計画について伺います。高齢社会を迎え、高齢者が安心・安全に生
活し、外に出ることへの支援の中で重要な課題は優しい交通手段の提供で、インフラの整
備、特に地下鉄建設は将来の技術の進展を見きわめる必要があると考えます。市長は、今
までどおりの反対を貫くのか、改めて市民の声を聞いて新たな判断をするのか伺います。
当計画については、先送りした時点と社会状況は一刻ごとに変化をしています。市長とし
て状況を見きわめることの必要性は重要ですが、将来の都市像を明らかに示すことは市民
への責務であると考えます。都市像を描くとき、交通ネットワーク等のインフラ整備は重
要課題でございます。改めて当計画に取り組む姿勢について伺います。以上です。
○副議長
○市長
飯塚正良
福田紀彦
市長。
まず、選挙公約などについての御質問でございますが、初めに、公約
の優先順位につきましては、まずは川崎市を担う未来の力を養うために、子育て環境の整
備に力を入れてまいります。特に待機児童については、平成27年4月の待機児童ゼロを目
指し、対策を加速するとともに、中学校給食については育ち盛りの中学生や共働き世帯を
支える観点から、地産地消、食育や栄養バランスに配慮した温かい給食の一刻も早いスタ
ートに向けた取り組みを進めてまいります。
次に、財源確保についてでございますが、私が公約に掲げた施策は、本市を日本一幸せ
のあふれるまちとするための重要な施策であり、その実現には財源の裏づけが必要である
ことを認識しております。そのため、中長期的な視点からの力強い産業都市の実現に向け
た取り組みや、地方財政制度に基づく財政措置の効果的な活用といった財源の確保ととも
に、歳出の見直しも一体とした財政運営が必要であり、民間的な発想や市民感覚、市民目
線を持って、事業手法の見直しや施策、事業の重点化などを進めることによって対応して
まいりたいと考えております。
次に、市民の皆様にお約束をした公約の実現に向けた取り組みにつきましては、私の任
期である4年間を短期、中期、長期に分けた上で、優先順位をつけながら全ての項目を実
現してまいりたいと考えております。
次に、中学校給食についての御質問でございますが、中学校給食の実施手法や導入時期
を含めたスケジュール等につきましては、中学校給食推進会議におきまして、民間活力を
生かしたあらゆる手法を比較検討の上、安全・安心で温かい給食を、平成28年度の全校導
入を目指して取り組んでまいります。
出資法人等への再就職についての御質問でございますが、本市職員の出資法人等への再
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速報版
平成25年(2013年)第4回川崎市議会定例会会議録
第2日(12月10日)
就職におきましては、報酬限度額を年額500万円としまして、この報酬限度額の範囲内で支
給しているところでございまして、退職金につきましても支給しないものとしており、一
般論としての天下りとは異なるものと考えております。
国際戦略総合特区についての御質問でございますが、神奈川県では、国際戦略総合特区
制度を活用し、国際的な医療人材の養成機能について調査を実施しているところと伺って
います。今後はその調査結果を踏まえ、県において関係団体との協議を行い、国際的な医
療人材養成のための施策を取りまとめていくものと考えております。本市では、超高齢社
会における課題解決に向けて、ライフイノベーションを加速していくため、市民や関係団
体の方々の御理解をいただきながら取り組みを進めており、県においても県民や関係団体
の方々へ十分に御説明していただくことが重要であると考えております。御質問いただき
ました課題につきましても十分認識をしておりますので、こうしたことも踏まえて今後と
も県や横浜市と十分に協議、連携を図りながら、ライフイノベーションの推進に取り組ん
でまいりたいと考えております。
地下鉄建設に関する取り組み姿勢等についての御質問でございますが、私は、先ほども
申し上げたとおり、鉄道不便地域への対応策としての地下鉄整備については、必要性を否
定するものではございませんし、宮前区民を初めとして、市民の皆様の鉄道不便地域改善
の願いはこれまでも痛切に感じてきたところです。ただし、これまでの川崎縦貫鉄道計画
は、財政負担などの問題があると考えております。したがいまして、事業化につきまして
は現時点では推進する状況にないと考えております。なお、市政への考え方でお示しした
とおり、地域をつなぐ交通基盤は市民生活の豊かさにつながるものであり、高齢社会への
対応のあり方などについて市民の皆様の声をお聞きした上で検討を進めてまいりたいと考
えております。以上です。
○副議長
○42番
飯塚正良
石田康博
石田議員。
市長、今、政治に問われているのは、責任と信頼です。市長の言葉か
らは、残念ながらそれが見えてきておりません。天下りを批判したにもかかわらず、答弁
では、本市職員の外郭団体への再就職について容認されたのは、明らかな矛盾ではないで
しょうか。
また、これまで、市長の公約の手法を伺ってきましたが、答弁では財源の根拠が示され
ませんでした。我々がこれまで主張してきたのは、市民サービスの向上には財源がセット
でなくてはならないということであります。成長戦略を促進し、そして、不断の行財政改
革を実施することで予算を確保して、そして、財源が明確になった時点で初めて施策の実
行がかなうわけであります。そのことをぜひ留意して、今後の市政運営に臨んでください。
我々もこれから多くの政策提言を行政に投げかけてまいります。行政と議会がお互いに建
設的な議論を競い合いながら、それが市民サービスの向上につながると受けとめておりま
す。これからもしっかり市長の政策を検証していくことを述べて、あとは委員会に譲り、
質問を終わります。
○副議長
飯塚正良
55番、後藤晶一議員。
〔後藤晶一登壇、拍手〕
○55番
後藤晶一
私は、公明党川崎市議団を代表しまして、平成25年第4回定例会に提
案された市政への考え方、諸議案並びに市政一般について伺います。
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平成25年(2013年)第4回川崎市議会定例会会議録
第2日(12月10日)
速報版
国は、政権交代とねじれ国会解消により、課題はあるものの、安定した政権運営で経済
再生と震災復興の加速を最優先に景気回復への力強い歩みを着実に進めています。一方、
本市ではさきの市長選で福田新市長となりましたが、厳しい財政状況の中、少子高齢化、
防災力の強化、成長産業育成などの課題が山積しています。とりわけ、待機児童解消、小
児医療費助成拡大、中学校給食などの子育て支援策や環境施策、エネルギー政策などが喫
緊の課題です。我が党は明年、「大衆とともに」を掲げてから結党50周年を迎えます。現
場第一主義で民意をしっかりつかみ、生活者の視点からネットワーク力でこれらの市政課
題に向け全力で取り組んでいくことを誓い、以下、質問してまいります。
初めに、市政への考え方について伺います。市長はさきの市長選挙で、天下り市長にノ
ー、市民市長にイエスと主張、相手候補を強く批判し、145万政令市の市長に初当選されま
した。市民のため、市民最優先の市政の考え方は至極当然であり、私たち議員も市民から
選出された議員として、日夜市民のため、市民生活最優先で議員活動をしております。そ
こで、これまでの歴代市長を天下り市長として批判しましたが、市長の考える天下りとは
どのようなものかお答えください。また、阿部前市長はみずからの市政運営に対し90点の
採点評価をされています。3期12年の評価について改めて市長の見解を伺います。あわせ
て、前市長は本市の危機的な財政状況改善のため、行財政改革を最優先課題としてスター
トしましたが、市政全般に対する市長の現状認識と最優先課題について明らかにしてくだ
さい。本市は、これまで総合計画、3年ごとの実行計画をもとに、新総合計画「川崎再生
フロンティアプラン」を策定し取り組みを進めてきましたが、切れ目のない継続的な市政
運営、計画実行は極めて重要と考えます。総合計画の早期策定について市長の見解と取り
組みをお答えください。
また、市長は市民参加の市政を進めるため、明年から毎月、車座による市民集会の開催
を掲げていますが、内容を伺います。また、各区に予算と権限を移譲し、地域課題の解決
をすると公約に掲げていますが、区民会議など現在の施策との違い、区役所、本庁との整
合性について伺います。
財源の確保についてですが、市長の政策実現には財源確保が不可欠と考えます。政策実
現のための財源確保策について明らかにしてください。
出資法人についてですが、本市はこれまで出資法人の経営改善指針に基づき、存廃を含
めた見直しを行ってきましたが、今後の取り組みを明らかにしてください。天下りについ
てですが、市長は公約で天下り禁止の徹底を掲げていますが、取り組みを伺います。また 、
多選は自粛するとの意志を示されていますが、市長の見解と対応を伺います。また、市長
は御自身の退職金について廃止をされるとしていますが、具体的な取り組みを伺います。
次に、行財政改革について市長に伺います。市長は多くの公約を掲げていますが、平成
26年度予算にどのように反映させるのか伺います。従来の計画では、減債基金の借り入れ
は行わずに編成するとしておりましたが、見解を伺います。市債残高が全会計で1兆5,000
億円を超えており、今後も増加が懸念されますが、見解と今後の対応について伺います。
従来より不要不急の歳出削減を指摘し、将来を見据えた予算を要望してまいりましたが、
見解を伺います。今まで活用してきた財政フレームについての見解を伺います。今後、新
たな財政フレームを策定していくのかも伺います。
地方分権についてですが、地方分権の推進は大幅におくれております。推進を図るべき
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速報版
平成25年(2013年)第4回川崎市議会定例会会議録
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と考えますが、見解を伺います。また、道州制の導入も進んでおりません。道州制導入と
大都市制度について基本的な見解を伺います。
次に、防災対策について市長に伺います。東日本大震災以降、本市では地域防災計画を
見直し、防災・減災対策は喫緊の課題として推進をしております。市長は、災害対策とし
て危機管理のための組織体制の整備に取り組むとしていますが、現状の体制に対する課題
認識と具体的な取り組みについて伺います。あわせて、この夏も猛威を振るった記録的集
中豪雨や局地的なゲリラ豪雨への対策について取り組みを伺います。市長は、災害時の公
助のかなめとして消防と救急医療を挙げています。その中で、設備や技術の高度化、近隣
自治体との連携を進めるとしておりますが、具体的にお示しください。また、消防団と自
主防災組織との連携強化を公約としていますが、現状の課題認識と具体的な連携強化策に
ついて伺います。ハード面では、まち全体の耐震化を促進する必要があるとしていますが、
具体的な施策について伺います。
次に、臨海部について市長に伺います。平成23年7月、実中研再生医療・新薬開発セン
ターが運営を開始してから2年半がたち、KING SKYFRONTは国の特区に指定さ
れるなど、日本全体の成長拠点となっています。これからも重点的な取り組みを継続すべ
きですが、見解と取り組みを伺います。また、国家戦略特区についても本市の提案が通る
よう国へ積極的に働きかけるべきです。取り組みを伺います。市長は、市内の企業と東南
アジアなどを結び、海外と連携して産業を振興することも重要な戦略であるとしましたが、
具体策を伺います。2020年の東京オリンピック開催をにらみ、JR東日本が東京都心と羽
田空港を結ぶ新路線として東海道貨物支線の活用を検討しているとの報道がありました。
東海道貨物支線はKING SKYFRONTのアクセス向上にも役立つ路線であり、県も
羽田空港国際化や国際戦略特区という環境変化により貨客併用化の再検討が報道されてい
ます。本市も東海道貨物支線の貨客併用化を推進すべきです。見解と対応を伺います。関
連して、オリンピックでの市内施設の活用について伺います。市長は就任の翌日、首長外
交の第一歩を大田区長との会談からスタートさせました。臨海部の発展を見据えた上で重
要な会談であったと思いますが、県、横浜市よりも早く大田区長と会談した理由と会談内
容について伺います。大田区との協定では観光での連携も重要です。今年、外国人旅行者
は 初 め て 年 間 1,000万 人 を 超 え る 見 込 み で す が 、 今 後 ど の よ う に 観 光 施 策 を 進 め て い く の
か、具体策を伺います。
次に、子育て支援について市長に伺います。市長は、その公約の最優先事項として待機
児童ゼロを1年以内にを掲げ、特に認可外保育への助成に力を入れ、保育料負担を軽減し、
平準化していくとのことです。認可外施設の活用と保護者負担の軽減については我が党と
しても主張してきたところですが、実現に向けた具体策と保育の質をどう担保するのか伺
います。市長が市政への考え方で示された待機児童ゼロ対策推進本部について、今後の具
体的な取り組みを明らかにしてください。あわせて、財源の確保策についても伺います。
認可保育所についてですが、今後の保育所新規整備のあり方、公立保育所の民営化に関す
る基本的な考え方について伺います。現在、本市の保育行政は、第2期川崎市保育基本計
画に基づき順次拡充してきた経緯がありますが、これを抜本的に変えるのか伺います。
幼児教育に係る保護者の経済的負担の軽減についてです。市長は、子どもを安心して産
み・育てやすいまちにするとし、「母になるなら川崎市!」が目標と述べられ、子育て環
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境の整備充実を訴えておられます。保育園の拡充だけではなく、幼児教育の中枢を担う幼
稚園に通わせる父母負担の軽減策も急務であると考えますが、見解と具体策を伺います。
国では、平成27年度以降、子ども・子育て支援新制度への移行を予定しています。本市と
しても、来年度以降、新制度への移行を順次行っていく必要があります。市長は国に先駆
けて最優先で取り組むとしていますが、具体策とその財源確保の見通しについて伺います。
小児医療費助成制度についてです。市長は、小児医療費を小学校6年生まで無料化しま
すと明言されています。小児医療費の通院助成対象年齢を小学校6年生まで拡充した場合、
13億6,700万円余、さらに所得制限を撤廃した場合は25億5,800万円余の新たな予算の確保
が必要となります。県からの補助の対象は未就学児まで4分の1で、拡充は全て市の負担
となります。財源の確保が大きな課題ですが、見解と対応、今後のスケジュールを伺いま
す。
産科・小児科医療についてです。本市では本年度から向こう5年間の川崎市地域医療計
画を策定し、諸事業を展開することになっています。しかしながら、市民の医療需要に対
していまだ十分な対応ができておりません。特に産科、小児科については、医師、看護師
などの慢性的な不足が深刻化しています。見解と対応を伺います。また、産科、小児科に
係る救急医療の拡充も急務であると考えます。見解と今後の取り組みを伺います。
次に、中学校給食について市長に伺います。我が党は昭和44年以来、これまで長期にわ
たり中学校給食導入を求めてまいりました。平成3年、アンケートを実施、平成8年には
大規模な署名運動を展開し、必要性を訴えてまいりました。このたび中学校給食が、川崎
市教育委員会会議で、早期に中学校完全給食を実施するなどの基本方針が決定されました。
その後、庁内プロジェクトチームを設置し、早期実現を目指すとしていますが、今後のス
ケジュールを伺います。また、市長は、民間事業者の知恵と工夫を生かす仕組みにすると
しておりますが、具体策を伺います。あわせて、総事業費と財源について伺います。
次に、教育改革について市長に伺います。市長は、「教育こそ、日本一の川崎に!」と
掲げ、習熟度別クラスの導入を公約しました。その中で、基礎学力が十分定着していない
子どもがふえていると感じられると述べられましたが、その根拠について伺います。また、
100%の子どもがわかる授業をすると言われていますが、何をもって理解したと判断される
のか伺います。学力テストの結果をもって数値目標にするのか、それを公表するのかも伺
います。習熟度別クラスの考え方についてですが、習熟度に応じた指導及び工夫改善は各
自治体に任されているとはいえ、生徒間の優劣感情を助長しかねません。学習集団形成の
考え方を伺います。現在も行われている補充的な学習指導等との違いについて伺います。
教員不足が深刻な問題ですが、今の人員で可能なのか伺います。不足の場合の人的手当て
は具体的にどのように行うのかも伺います。
地域の寺子屋についてです。学校への設置を想定されているようですが、場所、時間、
スタッフなど具体策を伺います。市長が自治体初と掲げられた有償ボランティア制度とは
どういうものか伺います。また、有償とは実際にどれぐらいの額を想定されているのか伺
います。また、現在行われているわくわくプラザ事業との整合性について伺います。
次に、高齢者対策について市長に伺います。市長は、「県内で一番高い介護保険料から
の脱却!」要介護度改善で成功報酬、を公約に掲げました。本市の介護保険料の基準額は
5,014円、2番目は横浜市の5,000円となっており、わずか14円の差ですが、確かに県内で
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一番高いのは事実です。第5期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画で本市はなぜ県下
で一番高くなったのか、見解を伺います。また、どの程度までが高いのか、県下2番目な
らよしとするのか、介護保険料に対する評価の基準を伺います。団塊世代が高齢者になる
今、特別養護老人ホームの入居希望者はさらに増加します。当然、第5期計画より高齢者
施設を増設しなければなりません。認知症高齢者にも本格的に対策を講じなければなりま
せん。必然的に介護保険料の増額が見込まれます。さらに、本市の保険料区分も13段階と
なり、限界に来ています。市長は、介護保険料を特区制度で見直し、便利で手ごろな介護
サービスを提供すると公約しています。どのようにして達成するのか、その具体的な方法
と道筋、財源について伺います。また、便利で手ごろな介護サービスを提供するとしてい
ますが、具体的な内容と財源の根拠も伺います。特別養護老人ホームの入居申請者数は10
月1日現在で5,725人、そのうちなるべく早く入居を希望する方は4,218人です。その中で
介護度別で要介護3以上と限定しても2,768人の方が待機しています。これら高齢待機者の
解消について具体的な推進方法と達成時期をお答えください。また、認知症高齢者対策に
ついても取り組みを伺います。平成26年度は、平成27年度から始まる第6期計画の策定年
度に当たります。今後の策定スケジュールと、国からも策定に当たってのポイントが示さ
れていると仄聞しましたが、第6期計画に対する見解を伺います。
市長は、「全国初の自治体「有償ボランティア制度」でシニア世代も地域のシゴトで定
年なしの生涯現役!」を公約とされています。シニア世代の知識と経験を生かす政策実現
は当然です。既に本市でもシルバー人材センターの活用やいきいきシニアライフ促進事業
など実施しています。何が全国初なのか、どのような仕組みなのか、地域の寺子屋以外の
具体的な内容と財源の裏づけを伺います。また、以前より、高齢者本人の生きがいづくり
や介護予防につながる介護支援ボランティア・ポイント制度の導入を求めてまいりました
が、市長の見解を伺います。
次に、障害者支援について市長に伺います。市長は、障害者雇用で日本一積極的な都市
を目指し、家族を支える体制を充実させる、また、市長が先頭に立ち、障害者の雇用に最
も積極的な都市を目指す、就学後のサポートや就労支援のため全力を尽くす、一時預かり
など障害児者の家族を支える体制を充実させると公約されました。そこで、まず障害者雇
用について、障害者雇用で日本一とは何をもって日本一とするのか、現状認識と数値目標、
スケジュールと財源について具体的に伺います。先月、本市は障害者雇用・就労促進基本
方針を策定しましたが、見解と対応を伺います。一時預かりなど障害児者の家族を支える
体制の充実について、家族の方々にとっても日々切実かつ緊迫した施策です。今後どのよ
うに充実させるのか、実現までの工程、時期、財源について具体的に伺います。あわせて、
前回の議会で川崎南部に重度障害者入所施設整備を求めました。入所施設の充実策と居宅
介護サービスの充実策について具体的に伺います。
次に、女性施策について市長に伺います。目まぐるしく変化する時代に適切に対応する
には、あらゆる分野の施策の方針決定の場に女性の視点を入れることが重要です。そのた
め、市職員の管理職への女性の積極的登用や各種委員会、審議会に占める委員の割合を3
割以上にふやすべきです。見解と取り組みを伺います。我が党も推進してまいりましたが、
本市ではこれまでに市立病院の副院長ポストに女性を登用するなどしてきました。市長の
市政運営における女性登用への具体策を伺います。
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次に、がん対策について市長に伺います。市長は、がん検診の受診率を政令市トップレ
ベルにまで引き上げ、がんから市民を守ると約束されました。国のがん対策推進基本計画
では、がん検診受診率50%以上を早期実現するとしていますが、本市を含め、ほとんどの
自治体の受診率が20%台で推移している厳しい状況です。トップレベルに引き上げるため、
まず具体的に何%を目標にするのか、いつまでにどのような手法で受診率アップを図るの
か伺います。また、その財源はどうするのか伺います。あわせて、我が党が推進してきた
がん登録について見解と取り組みを伺います。
次に、まちづくりについて市長に伺います。本市は、川崎駅、武蔵小杉駅、登戸駅、新
百合ヶ丘駅周辺などを拠点整備地域として民間活力を導入し、整備を進めてきました。特
に武蔵小杉駅周辺では高層マンションが林立し、首都圏でも人気の高いまちに変容しまし
た。一方で、市長は成長の陰の部分もあり是正していかなければならないと発言をされて
います。陰の部分とは何か、どのように是正を考えているのか伺います。また、地下鉄計
画に関して市長の率直なお考えを伺います。南武線立体交差事業も市民の切実な願いです。
取り組みを伺います。関連して、交通渋滞対策として交差点改良を掲げていますが、用地
も必要であり、財源確保が課題ですが、具体策を伺います。交差点の歩行者安全確保から
歩車分離が有効です。さらに進めるべきですが、見解を伺います。
高齢化の進む中でバス路線とコミュニティバスの充実を示されましたが、具体的な取り
組みを伺います。公営住宅のあり方も重要です。本市はこれまでの建てかえを中心とする
手法から、建物を長寿命化する手法に方針を変更しましたが、見解と対応を伺います。
続いて、市長の公約である川崎まるごとWiFi化計画について伺います。市長は市内に
1万カ所のアクセスポイントを設置し、全域をカバーし無料化するとしていますが、具体
策を伺います。
次に、中小企業支援について市長に伺います。市長は公約で、市内事業者を大切にする 、
アジアの一等地である川崎の価値を高めていくと掲げましたが、具体策を明らかにしてく
ださい。市政への考え方では、市内の中小企業の間でベンチャービジネスを起こしたり、
新たな技術開発を行ったりすることが重要だと述べられました。具体的な施策を伺います。
本市はこれまで、かわさき福祉産業振興ビジョンの策定、福祉製品の認証制度「かわさき
基準」の創設、ウェルフェアイノベーションフォーラムの設立と福祉産業の育成を着実に
進めてきました。この流れをしっかりと継承し、福祉産業の発展に取り組むべきです。見
解と対応を伺います。
次に、就労支援について市長に伺います。市長は、市政への考え方の中では就労支援に
ついて触れられていませんが、働き手の減少は社会の損失であり、希望を持って働ける環
境づくりは重要な課題です。総務省の労働力調査では、平成24年における15歳から34歳ま
での、いわゆるニートの推計が全国で63万人となっており、本市においても早急な対策が
必要です。取り組みを伺います。また、待機児童対策を進める中で女性への多様な就労支
援や、市長が語られているシニア世代が輝いていることの実現には、高齢者への就業支援
も求められます。それぞれ取り組みを伺います。本市では、さまざまな個別の就職希望に
対応する支援にキャリアサポートかわさき等があり、10代から70代にわたり幅広く就労支
援を実施していますが、さらなる拡充が必要です。今後の取り組みを伺います。
次に、環境対策について市長に伺います。公害を乗り越えてきた歴史がある本市におい
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て環境問題への取り組みは最重要課題であります。しかしながら、市長は選挙公約、市政
への考え方において環境施策には触れておらず、課題認識の低さを指摘せざるを得ません。
これまで本市では川崎市環境基本条例を制定、公布するとともに、環境基本計画を全国に
先駆けて策定し、さまざまな施策を着実に推進してきました。市長の環境施策に対する基
本構想をお示しください。地球温暖化対策などの環境問題への取り組みは世界的な要請で
す。本市は最先端の取り組みを進める都市として世界でも評価されています。この強みを
さらに伸ばし、地域コミュニティの再生や技術、ノウハウをビジネスチャンスにつなげ成
長させていくべきですが、どのような構想で取り組んでいくのか伺います。一般廃棄物処
理問題を取り巻く環境や住民の認識とニーズは大きく変化しつつあり、ごみの減量化、資
源化、有効利用の促進、ごみや生活排水の処理に伴う環境負荷の低減、廃棄物処理行政の
効率化及び総合化が課題として挙げられています。これらの課題を解決するための基本的
方策を示す川崎市一般廃棄物処理基本計画が進められています。資源循環社会の構築に向
けた取り組みについて具体策を伺います。
次に、議案第154号、川崎市指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営の基準等に関する
条例の制定について及び議案第155号、川崎市指定介護予防支援等の事業の人員及び運営並
びに指定介護予防支援等に係る介護予防のための効果的な支援の方法の基準等に関する条
例の制定について伺います。これらの議案は、6月に公布された国の第3次一括法による
介護保険法の一部改正によって、介護関係でこれまで残っていた指定居宅介護支援事業所
と指定介護予防支援事業所の人員、運営等の基準について本市独自の基準を設け条例を制
定するものですが、特色と見込まれる効果を伺います。おのおのの事業所の主なサービス
内容と市内の事業所数、利用者数を伺います。また、条例成立後の利用者及び事業者への
周知徹底と本市の法令遵守の体制について伺います。
次に、議案第188号、平成25年度川崎市一般会計補正予算について伺います。区政振興費
の中の防犯対策事業費についてです。本事業は、我が党の提案により推進してきた防犯灯
のLED化ですが、今回の補正内容について伺います。また、LEDの性能も向上してい
ますが、本市の現状と今後の取り組みについて伺います。
関連して、庁舎への導入状況と今後の具体的取り組みを伺います。
次に、報告第20号、地方自治法第180条の規定による市長の専決処分の報告について伺い
ます。指定第2項16番の報告では、被害者が歩行中、路面の段差につまずいて転倒し、負
傷したものに対し損害賠償が行われました。本件は、従来の老朽化等による破損個所によ
る段差などではなく、構造上に対する損害賠償を行ったという初めてのケースで、今後、
同様のケースでも賠償することになると、歩道の安全対策としてしっかりとした計画的な
再発防止策が必要です。市内に同様な構造は何カ所あるのか、また、今後の計画的な再発
防止策について伺います。
以上で質問は終わりますが、御答弁によっては再度質問いたします。(拍手)
○副議長
飯塚正良
〔市長
○市長
市長。
福田紀彦登壇〕
福田紀彦
それでは、私から、ただいま公明党を代表されました後藤議員の御質
問にお答えします。
市政への考え方についての御質問でございますが、初めに、天下りにつきましては、一
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般論として、退職した公務員が国から地方自治体や関係団体、そして地方自治体から出資
法人などの職につき、在職時と同額程度の報酬と退職金が支給される形態を指すものと捉
えております。次に、阿部市政の評価につきましては、我が国の新しい成長産業として生
命科学、医療分野に焦点を絞り、神奈川県、横浜市と共同で国際戦略総合特区を推進して
きた点は評価しております。次に、最優先課題等についてでございますが、本市では継続
的に行財政改革の取り組みが進められてきましたが、生活保護、子ども・子育て、高齢者・
障害者福祉といった社会保障関係経費の増加などから依然として厳しい財政状況にありま
す。また、本市は、全国的に見れば平均年齢も若く、元気にあふれる都市ではありますが、
そのような本市におきましても高齢化は既に進行しており、ふえ続けてきた子どもの数も
近い将来に減少に転ずることが見込まれております。私はこのような少子高齢化への対応
が最優先課題と考えており、まずは子どもたちの笑顔があふれるまちの実現を目指し、早
急な待機児童ゼロの実現や中学校給食の実施に向けた取り組みを強力に推進することなど
により、安心して暮らせるふるさとづくりに取り組んでまいりたいと考えております。あ
わせて、川崎市をさらに発展させ、持続可能な社会を創造していくために、力強い産業都
市づくりを進め、成長と成熟が調和した市政運営を進めてまいります。次に、総合計画に
つきましては、市の施策、事業の根幹をなす計画であり、なるべく早く策定することが望
ましいと考えております。一方で、中長期的な市政運営の指針となることから、議員の皆
様、市民の皆様の御意見をお聞きしながら十分に検討することが必要でもあります。今後、
将来人口推計など策定の要件となる社会状況の変化の整理や策定スケジュールの検討には
速やかに取りかかり、平成26年度の早い時期に当面の作業方針を公表していきたいと考え
ております。
次に、区民車座集会についてでございますが、議会初日に市政への考え方で述べさせて
いただきましたとおり、私の市政運営の基本姿勢は対話と現場主義でございます。そして、
区民車座集会は特に現場主義に基づき、市長執務室から現場に足を運び、市民の皆様の市
政に対する率直な御意見を伺うために実施するものでございまして、年が明けた1月から
月に1回程度、順番に1区ずつ開催してまいります。具体的な内容につきましては、現在 、
担当職員に検討させておりますので、詳細につきましては市政だよりの1月1日号で広報
していく予定でございます。よりよいまちづくりには市民の皆様の参加が不可欠と考えて
おりますので、一人でも多くの方々に区民車座集会に参加していただきたいと思います。
次に、区への分権についてでございますが、区役所におきましては、身近な課題は身近な
ところで解決するという補完性の原則に基づき、まずは区で何ができるかを調査検討し、
順次積み上げていく中で、市民の意見を聞き、みずから課題を解決することができる責任
と権限を持った区役所とするため、各区に予算と権限を移譲し、区ごとに異なる特色を生
かして、地域に根づいたまちづくりを実施してまいりたいと考えております。区民会議に
つきましては、私も参与の立場で宮前区の区民会議にかつて何度か出席いたしましたが、
今後のあり方に課題もありますことから、区への分権を推進する中で改善に取り組んでま
いりたいと考えております。また、本庁部門につきましては、領域別に全市的な視点に立
った判断が必要な業務や、全市的な取り組みにより効率的かつ効果的な業務執行が図れる
ものを中心に担うことで、区役所と本庁との整合性を図ってまいります。こういった役割
分担のもと、市民や議員の皆様の声をしっかりとお聞きしながら、現在の施策等の見直し
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を検討してまいりたいと考えております。
次に、政策実現のための財源についてでございますが、私がこの間、市民の皆様にお約
束してきた子育て環境の整備や教育改革、安心いきいき社会の実現など、川崎を日本一幸
せのあふれるまちとするための施策には財源の裏づけが必要であると認識しております。
これらの施策推進に当たりましては、私が考える力強い産業都市づくりの取り組みや市民
目線に立っためり張りのある改革、地方財政制度に基づく財政措置の効果的な活用など、
多様な手段を講じて必要な財源を確保し、しっかりと実行してまいりたいと存じます。次
に、出資法人についてでございますが、本市においては市民ニーズが多様化する中で、民
間の経営ノウハウなどを活用することで、市が直接実施するよりも、より効率的かつ柔軟
な公共サービスの提供が可能な場合などに出資法人を活用しているところでございます。
その一方で、公共サービス部門への民間事業者の参入が進むなど、出資法人を取り巻く環
境は今後も変化していくものだと考えています。こうした状況の中、本市といたしまして
は、引き続き法人の役割や事業を検証しながら、存在意義が薄れた法人については統廃合
を含めた見直しを検討していくとともに、法人のそれぞれの役割がしっかりと果たされる
よう、経営改善など自立的な経営に向けた取り組みを進めてまいります。次に、職員の再
就職のあり方につきましては、公平性、透明性の確保が重要でありますので、今年度末ま
でにそのあり方につきまして、局長級を対象として、より透明性が確保できる方向性を検
討してまいります。次に、多選自粛につきましては、条例の制定は考えてございませんが 、
私自身がその弊害を感じており、また、出処進退は政治家にとって重要な問題であります
ことから、市民感覚とずれないよう常識的な範囲の中で対応してまいりたいと思います。
私自身の退職金につきましては、支給の必要はないものと考えておりますので、今後、議
会の皆様とも協議させていただき、条例改正等の手続を進めてまいりたいと考えておりま
す。
行財政改革についての御質問でございますが、初めに、予算編成についてでございます
が、私が掲げた公約につきましては、任期中の実現に向けて全身全霊をささげて努力して
まいります。その中でも待機児童の解消など市民の皆様に早期の実現をお約束しているも
のにつきましては、平成26年度予算における最重要課題としてしっかりと位置づけてまい
りたいと考えております。次に、減債基金からの新規借り入れにつきましては、リーマン
ショック以降、市税が大きく落ち込み、それが十分に回復していない中で、市民生活の安
全・安心を確保するために臨時的に計上しているもので、これを行うことなく収支均衡を
図ることを財政的な目標として改革に取り組んできたものと認識しております。平成26年
度予算編成に当たりましては、私が掲げた施策を初めとして、市民の皆様が安心して暮ら
せる施策の着実な推進を第一に考えているところでございまして、そのためには、これま
での改革の取り組み成果を確実に反映させるとともに、民間的な発想と市民感覚で事業の
重点化やめり張りのある改革を全庁一丸となって進め、限られた資源を効率的・効果的に
配分する予算調整を進めてまいりたいと存じます。次に、市債についてでございますが、
市債は限られた財源の中で施策を展開していく上で貴重な財源であるとともに、財政負担
の平準化や世代間の公平を図る観点からも、後年度負担に留意しつつ、有効に活用してい
く必要がございます。このため、将来世代の負担を明らかにするとともに、プライマリー
バランスなどの各種財政指標の健全性を確保しつつ、減債基金への着実な積み立てなど、
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将来負担に留意した市債の適正かつ効果的な活用を図ってまいりたいと存じます。
次に、歳出の見直しについてでございますが、私の目指す政策の推進のためには、財源
の確保とともに、歳出の見直しも一体とした財政運営が必要であり、財政収支推計等を踏
まえた中長期的な視点に立って、事業手法の見直しや施策、事業の優先順位づけ、年度間
調整などによる歳出抑制に取り組むことが重要であると認識しております。次に、財政フ
レームについてでございますが、現在の財政フレームは総合計画に掲げる事業の推進と持
続可能な財政構造の構築に向けた指針として策定されたものと理解しておりまして、前市
長による平成14年の財政危機宣言以降の計画的な行財政運営において重要な役割を果たし
てきたものと認識し、評価をしているところでございます。私は、川崎を日本一幸せのあ
ふれる最幸のまちとするためには、持続可能な社会をつくることが大切であると考えてお
り、それに向けては中長期的な視点に立った行財政運営を行うことが大変重要であると認
識しております。したがいまして、私がお示しした市政への考え方の基本政策に基づく取
り組みの実現に向けて、今後、新たな総合計画や行財政改革に関する計画を策定してまい
りますので、その中でその実行性を担保するための財政的な枠組みについても検討してま
いります。
地方分権、道州制等についての御質問でございますが、地方分権につきましては、これ
まで3次にわたる一括法が公布され、義務づけ、枠づけの見直しや基礎自治体への権限移
譲など、地域の自主性を高める取り組みが進められてきましたが、いまだ不十分な状況で
ございます。そのため、今後もさらなる事務権限の移譲や、適切な財政措置が講じられる
よう国等に対して求めていくことが重要であると考えています。また、少子高齢化の進展
など、社会経済状況が急激に変化する中で、基礎自治体がさまざまな課題に迅速、的確、
柔軟に対応していくためには、中央集権型の行財政の仕組みを分権型の仕組みに転換し、
自己決定、自己責任のもと、地域の実情に応じた行財政運営を行えるよう、国と地方の役
割などの再構築が求められているところであり、そのためには道州制への移行に向けた議
論も進めていく必要があると考えております。そして、道州制を含め、国全体の仕組みを
見直す中で、指定都市が市民に身近な基礎自治体としての役割を発揮するとともに、都市
機能の集積、地域の特性などを生かしたまちづくりや産業振興などを通じて、日本の成長
エンジンを担い、牽引する推進力となる都市経営を行っていくことで、首都圏や我が国の
発展にも貢献できるものと考えております。このため、道州が担うべき真に広域的な事務
を除き、指定都市が原則として市域に及ぶ全ての事務権限を担うことにより、地域の課題
を一元的に解決することができる新たな大都市制度の実現に向けて、他の指定都市とも連
携を図りながら取り組みを進めてまいりたいと考えております。
危機管理体制の整備についての御質問でございますが、地震災害、風水害などの災害に
際し、市民の生命や財産への被害を防止し、軽減するためには、迅速で的確な対応が重要
でございます。特に近年はゲリラ豪雨や竜巻など突発的な災害がふえていることから、迅
速な対応の必要性がますます高まっているものと考えております。そのため、地域防災計
画等、防災に関する計画の見直しを常に行うとともに、情報伝達や指揮命令などに関する
災害対応体制について改めて検証を行いながら、危機管理体制の強化に向けた取り組みを
進めてまいります。
災害時における対応についての御質問でございますが、初めに、消防の施設や設備の高
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度化についてでございますが、大規模災害時に消防が行う市内の被害情報収集活動や初期
消火活動等の初動体制は、その後における市内の被害の軽重を左右する公助のかなめとな
りますことから、大変重要なことだと考えております。具体的に優先的に取り組んでいく
課題といたしまして、現在進めております緊急消防援助隊の活動拠点の整備や消防救急無
線のデジタル化を初めとして、防災拠点としての機能を十分に発揮できない庁舎の整備や
消防用ヘリコプターの更新整備などを考えているところでございます。また、災害時に救
急医療を担っていただく救急搬送先の医療機関等と平時から情報共有に努めるとともに、
大規模災害時において国や他の都道府県等の広域的な関係機関と調整等を図ることとなる
神奈川県と連携を密にするなど体制の整備に努めてまいります。次に、消防団と自主防災
組織との連携などについてでございますが、現状では、ここ数年、自主防災組織の初期消
火訓練等の指導を担っている消防団員が減少傾向であること、さらには、訓練の指導機会
が少ないなど連携体制に課題があると認識しております。今後の具体的な自主防災組織と
の連携強化策としましては、地域との密着した活動を一層充実させるため、町内会の会合
等に消防職員とともに積極的に参加し、防災意識の高揚を図るほか、区、消防署、消防団、
各自主防災組織がお互いに日ごろから顔の見える関係をつくり、連携強化を図ってまいり
ます。
耐震化についての御質問でございますが、これまで本市では、まち全体の耐震化を促進
する施策として、平成19年3月に川崎市耐震改修促進計画を策定し、公共建築物の耐震化
を促進するとともに、木造住宅、特定建築物、民間マンション等の助成制度により、民間
建築物の耐震化に取り組んでまいりました。さらに、建築物の耐震改修の促進に関する法
律が本年5月29日に改正され、不特定多数の方々が利用する大規模建築物に対する耐震診
断の義務化などが規定されたことから、本市では平成25年度に川崎市耐震改修促進計画を
改定する作業を進めているところでございます。今後は、義務化された特定建築物に対す
る支援の拡充等を検討するとともに、各助成制度による支援により、まち全体の耐震化を
促進してまいります。
KING SKYFRONTについての御質問でございますが、本市ではこれまで高度な
ものづくり技術や立地優位性など本市の持つ特徴と強みを生かし、ライフサイエンス分野
などに関連する機能の集積と新産業の創出を目指し、総合特区制度を活用しながら
KING SKYFRONTにおいて国際戦略拠点の形成に取り組んでまいりました。これ
までの取り組みを通じて、実中研、国立医薬品食品衛生研究所、仮称ものづくりナノ医療
イノベーションセンターやグローバルに事業を展開している民間企業など、ライフイノベ
ーションを牽引する機能の集積が順調に進んできていることを実感しているところでござ
います。今後もグローバルな視点に立って国際戦略拠点の形成を進め、超高齢社会におけ
る課題の解決に貢献するとともに、地域経済の活性化や我が国経済の持続的な発展につな
がる取り組みを進めてまいりたいと思います。次に、国家戦略特区の指定に向けた対応に
ついてでございますが、本市では、本年9月に健康寿命の延伸や医療・ヘルスケア産業の
振興を目指し、早期診断技術の開発、再生医療の実用化促進などの提案を神奈川県、横浜
市と共同で行ったところでございます。さらに、水素社会の構築に向けて、地域水素ネッ
トワークの構築や水素エネルギーの活用などの取り組みにつきましても、世界最先端の水
素の大量貯蔵・輸送技術を有する千代田化工建設株式会社と共同で提案を行ったところで
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ございます。本市としては、これまでも本提案の重要性や先進性について国に対してアピ
ールしてまいりましたが、今後さらに積極的に国に働きかけてまいりたいと考えておりま
す。
市内企業の東南アジアへの展開に係る支援等についての御質問でございますが、私は、
成長著しいアジアを中心とした海外での販路開拓が市内企業にとって大きな課題と認識し
ています。本市では、本年2月にLiSEに内に川崎市海外ビジネス支援センターを開設
し、市内企業の海外展開に関するステージに合わせた支援を行っているところでございま
す。市内企業の進出ニーズの高いタイについては、本年11月に投資セミナーを開催し、来
年1月にはバンコクにおいて商談会を開催するとともに、ベトナムではホーチミンにてベ
トナム人若手技術者に日本のものづくり技術を教育するプロジェクトをことしから3年間
の予定で実施していきます。今後ともジェトロなど関係機関と連携し、KOBSのコーデ
ィネーターの個別具体的な支援により、市内企業の海外展開を積極的に支援してまいりま
す。
東海道貨物支線の貨客併用化についての御質問でございますが、本路線は京浜臨海部の
活性化や羽田空港へのアクセス向上などが期待でき、国際戦略総合特区を活用したまちづ
くりが進む中、広域鉄道ネットワークを形成する重要な交通基盤になると考えております。
一方で、関係自治体等で構成する協議会では、採算性の確保、貨物列車との運行調整など
多くの課題があるとの認識が共有されているところでございます。今後の実現に向けては、
東京オリンピック・パラリンピックの開催やJR東日本による新路線の検討など新たな環
境変化や臨海部の土地利用動向などを注視するとともに、今後、関係自治体と連携を図り
ながら、国や鉄道事業者など関係者と積極的に協議検討を進めていきたいと考えておりま
す。
オリンピックにおける市内施設の活用についての御質問でございますが、11月に開催さ
れました第64回九都県市首脳会議におきまして、2020年東京オリンピック・パラリンピッ
ク競技大会の成功に向け、大会組織委員会などと連携を図りながら総合的に支援・協力す
ることが確認されており、九都県市ではそのための組織の設置など検討することとしてお
ります。本市といたしましても、今後設置される支援組織に参加し、市内のスポーツ施設
への誘致などにつきましては、どのような協力がスポーツの推進に効果的であるかなど、
検討を進めてまいりたいと考えております。
大田区長との会談についての御質問でございますが、本市と大田区は、高度な技術や技
能を有する中小企業やグローバル企業が集積し、日本の産業をリードしてきたものづくり
のまちとしての歴史を共有しており、このような産業集積を生かすことが、両地域だけで
なく、首都圏の発展にも必要不可欠と考え、真っ先に御挨拶に伺ったものです。松原区長
とは、産業連携に関する基本協定に基づき、企業間の交流促進によるものづくりの連携を
図っていくだけでなく、京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区とアジアヘッ
ドクォーター特区との特区間連携や、さらには隣り合う自治体同士として、商業や観光の
面においても交流・連携を図っていくことを確認いたしました。次に、大田区との観光分
野における連携についてですが、産業連携に関する基本協定に基づいて、ふだんは見るこ
とが難しい大田区の町工場の作業工程を見学できるオープンファクトリーやカワサキハロ
ウィンなど、両地域をめぐる産業観光ツアーの企画、商品化を行ってきたところです。今
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後は、東海道かわさき宿交流館を活用して、旧東海道にスポットを当て、品川宿から大田
区を経て川崎宿に至るウオーキングイベントの開催や、両エリアの飲食店や銭湯をめぐる
イベントなどを実施していきたいと考えております。さらに、外国人観光客につきまして
は、羽田空港国際線ターミナルに設置している観光情報コーナーでの魅力の発信や、海外
の旅行会社やメディア関係者の招聘などを行い、誘客に努めているところです。今後も、
川崎市観光協会を初め、鉄道事業者や市内の商業施設、宿泊施設などの観光関連事業者な
どと連携し、官民が一体となって本市と大田区両エリアの観光資源を、2020年の東京オリ
ンピック・パラリンピックの開催も見据えて、国内だけでなく海外にも積極的にPRして
まいります。
子育て支援についての御質問でございますが、初めに、認可外保育施設の活用と保護者
負担軽減についてでございますが、本市におきましては、平成25年1月に認可外保育事業
再構築基本方針を策定し、複数の制度を新たな川崎認定保育園の制度へと統合する取り組
みを進めているところでございます。本年10月現在、66施設を認定しておりまして、今後
につきましても認定施設を増加してまいりたいと考えております。また、児童の保護者に
対する保育料の負担軽減につきましても、本年10月から月5,000円の補助制度を創設したと
ころでございますが、認可保育所の保育料と比較しますと負担が大きい状況でございます
ので、制度の拡充について検討してまいりたいと考えております。また、保育の質の担保
についてでございますが、川崎認定保育園に認定した施設に対しましては、児童の保育環
境の向上や保育従事者の安定した確保等を目的に運営費の助成を行っております。今後に
つきましても助成制度を継続していくとともに、保育の実施状況や施設運営について指導
監督を実施しておりますので、丁寧な指導助言に努めながら、継続的に保育の質の維持向
上を図ってまいりたいと考えております。さらに、新たな公立保育所の役割の一つとして、
公立で培ってきた保育の専門的知識、技術等を民間保育所等に効果的・効率的に伝えてい
くために、民間保育所等との連携支援の強化を図るとともに、保育人材の育成に努めてま
いります。いずれにいたしましても、保育所等の利用について、保護者の選択肢が広がる
ような保育サービスの提供に努めてまいりたいと思います。
次に、待機児童ゼロ対策推進本部の取り組みについてでございますが、私の選挙公約の
最重要課題である川崎市の待機児童ゼロの実現に向けて、その対策を講じるプロジェクト
チームとして、庁内に私をトップとした待機児童ゼロ対策推進本部を、また、区役所には
区長をトップとして待機児童の解消に向けた具体的な方策等を検討するために待機児童ゼ
ロ対策推進会議を12月1日に設置したところでございます。先日、12月3日に第1回目の
推進本部会議及び区の推進会議を合同で開催いたしました。関係局区長を初めとした出席
職員200名を超える中で、私の強い思いと考えをまず職員の方に理解していただき、待機児
童ゼロを実現するための方策を職員一丸となって検討し取り組んでいくこと、これをしっ
かりとお伝えしたところでございます。その取り組みにつきましては、今後、来年2月に
予算の基本的な考えを公表する際に、具体的な内容はお示ししていきたいと考えており、
そのためには今後、推進本部会議、区の推進会議において積極的に検討していただき、待
機児童ゼロに向けてさらなる加速化をしてまいりたいと考えております。また、待機児童
の解消につきましては、予算編成においても最重要課題と位置づけておりまして、これを
含めて、市民の皆様との公約の実現には多額の財源が必要なことは十分に認識しておりま
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す。その上で、私の市政運営の基本であります市民が主役の視点から、国の基準で示され
る施策や財政措置に市民の皆様のニーズを的確に結びつけ、身近な課題は身近なところで
解決するという補完性の原則や、行政からの公助と市民の皆様同士の共助、市民の皆様に
よる自助とのバランスの視点から、めり張りをつけて本市の貴重な財源を配分し、効率的
に執行してまいりたいと考えております。
次に、認可保育所の整備等についてでございますが、これまで第2期保育基本計画に基
づき取り組んできた待機児童解消に向けた努力は多としますが、現段階では待機児童の解
消には至っておりません。受入枠の拡大のために認可保育所を整備していくことは必要で
すが、現状のペースでつくっていくことには、財政上の問題、土地の確保の点などからも
かなり厳しいと考えております。認可保育所の新規整備につきましては、保育所利用申請
者数の伸びを勘案し、川崎認定保育園等の認可外保育施設の受け皿も踏まえながら、必要
となる数を計画的に整備してまいります。また、公立保育園の民営化につきましては、執
行体制の見直し、民間部門の活用等により、保育需要の動向や施設の状況等を考慮しなが
ら、建てかえによる民営化のほか、譲渡や貸与などの手法の活用を検討し、計画的に民営
化を推進してまいります。次に、幼児教育に係る保護者の経済的負担の軽減についてでご
ざいますが、本市におきましては、私立幼稚園保育料等補助により、国の補助基準である
AランクからDランクの補助を着実に実施するとともに、市独自でDランクの第1子目へ
の上乗せ補助と国庫補助対象外のEランクに対する補助を行うことにより、保護者負担の
軽減に努めてきたところでございます。今後につきましては、国において幼児教育の段階
的な無償化の実現に向けた検討が進められておりますので、国の動向を踏まえ、引き続き
保護者負担の軽減について検討してまいります。
次に、子ども・子育て支援新制度への移行についてでございますが、新制度は、質の高
い幼児期の学校教育、保育の総合的な提供及び待機児童の解消を初めとした保育の量的拡
大・確保等を目的としております。国においては待機児童解消加速化プランを打ち出し、
新制度における小規模保育事業の先行実施等により、平成29年4月に待機児童解消を目指
しているところでございます。本市といたしましても加速化プランに参加し、財源といた
しまして安心こども基金を活用するとともに、国に先駆けて川崎認定保育園などの認可外
保育事業を有効活用するなどして、平成27年4月には待機児童の解消を図ってまいります。
小児医療費助成制度についての御質問でございますが、本制度は、お子さんが病気のと
きに医療費の心配をせず、必要な医療を受けることができる制度であり、安心して子ども
を産み育てることができる環境づくりを進めていく上で大変重要な子育て支援策の一つで
あると考えております。したがいまして、小学校6年生まで拡充を図るということを公約
とさせていただいたところです。しかしながら、本制度の拡充に当たりましては、制度を
安定的に継続して実施していくための財源の確保が大きな課題であり、一層、行財政改革
の取り組みを進めていくことが必要であると考えています。今後の制度拡充のスケジュー
ルにつきましては、本市における子育て環境の整備を進める中での総合的な検討が必要で
すので、現行制度の運営状況及び財政状況等を見据えながら、できるだけ早い時期の実現
を目指してまいります。
産科・小児科医療についての御質問でございますが、初めに、産科・小児科医師につき
ましては、医師の高齢化、女性医師が多いことによる離職率の高さ、夜間の時間外診療や
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救急への対応による激務、とりわけ産科においては24時間の体制が必要であることや、訴
訟リスク等による負担の増大などが課題になっていると認識しております。そのため、長
期的な視点で現職医師が働き続けられる環境の整備を国や県と連携しながら進めていくと
ともに、医療機関の持つ機能と役割やかかりつけ医師を持つことの普及啓発等に、より一
層取り組んでまいります。また、看護人材の確保につきましても、引き続き新規養成、定
着促進、潜在看護師の再就職支援の3つを柱として、関係団体と連携しながら取り組みを
進めてまいります。次に、産科、小児科に係る救急医療につきましては、聖マリアンナ医
科大学病院等の基幹病院を中心とした神奈川県周産期救急医療システムと連携した本市の
周産期医療ネットワークを推進するとともに、小児急病センター等の初期救急医療機関の
機能強化により、2次救急医療機関や救命救急センターの負担軽減を図りながら、身近な
ところで安心して急病時に医療を受けられる体制の充実に努め、子どもを安心して産み育
てやすい環境を整えてまいります。
中学校給食についての御質問でございますが、中学校給食の導入に向けては、12月1日
付で中学校給食推進担当課長を配置し、推進体制の整備に着手するとともに、成長期にあ
る子どもたちの食育を推進し、中学校完全給食を早期に実現することを目的に、中学校給
食推進会議を設置したところでございます。この推進会議におきまして、安全・安心で温
かい完全給食の全校実施に向けた検討、民間活力を生かした効率的な手法の検討などを行
ってまいります。教育委員会が今年度中に実施する中学校の既存施設設備の調査や児童生
徒、保護者へのアンケート等を踏まえ、平成26年度には所要額や財源を精査し、財政負担
を考慮した具体的な実施手法等についてお示ししてまいります。平成27年度には、教育委
員会で決定した実施方針に基づき、導入に向けた準備等を行います。今後、スケジュール
等につきましては中学校給食推進会議において検討を図ってまいります。
教育改革についての御質問でございますが、初めに、基礎学力の定着の根拠ですが、小
学校5年生を対象とした川崎市立小学校学習状況調査のアンケートにおいて、各教科の授
業がわかりますかという設問に「わかる」と答えた子どもの割合が53%であったことから、
基礎学力が十分に定着していないと感じたものです。義務教育の教育課程は、最低限子ど
もたちが学ばなければならないことでありますので、100%の子どもたちがわかる授業を目
指すことは大切であると考えています。全国学力・学習状況調査については、その結果を
子どもたちの学力向上のために活用してほしいと考えております。学力向上のためには、
子どもたち自身が自分の力について知ることが大切です。公表に当たっては、いたずらに
序列化につながらないことに配慮しながら、なるべく早い時期に適切な方法で公表してい
ただきたいと考えています。次に、習熟度別クラスの考え方については、現在も少人数指
導が行われていることは理解していますが、教育委員からさまざまな御意見を伺っており
ますので、今後、わかる授業をより徹底していくためにも教育委員会と議論をしていきた
いと考えています。効果的な指導方法や教員配置につきましては、実践を通して研究、検
証していくものと考えています。
地域の寺子屋事業についての御質問でございますが、この事業につきましては、各学校
の開放を行っている特別教室などを活用して、基礎的な学習や家庭学習の習慣づくりをサ
ポートする放課後の学習支援や、土曜日の体験活動、世代間交流などの実施を想定してお
ります。具体的な方策につきましては、教育委員会が検討を進めているところでございま
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すが、本市には地域教育会議や教育活動に携わるNPOなど、地域の教育力向上に寄与さ
れてきた団体がありますので、各団体のこれまでの成果を生かしていただきたいと考えて
います。また、わくわくプラザ事業は小学生の放課後の安全な居場所の確保と仲間づくり
を支援するものでございますので、位置づけが異なるものと考えております。
有償ボランティア制度についての御質問でございますが、本市におきましては、さまざ
まなシニア関連施策が行われておりますが、ボランティア活動については原則として無償
で行われている実態があります。しかしながら、より一層の活動の活性化を図っていく上
では、活動を継続できる程度の対価の必要性も検討すべきであると考えております。その
対価を得る手段の一つが有償ボランティア制度であり、特に福祉分野では自治体が主体と
なって広く行われている実態がありますが、よりシニア世代が輝くような、他都市に先駆
けた仕組みを目指した制度を構築してまいります。有償ボランティア制度に対する対価は、
あくまでもシニアの方々のボランティア活動の継続を支援することを目的とするものであ
り、今後、有償の対象とする活動をどう切り分けるかなどを含め、全庁的に十分な調査検
討を行った上で、必要に応じて有識者等の意見も踏まえ、制度設計を行ってまいります。
なお、制度実施に当たりましては、市民の活動を市民が支えることが望ましいと考えるこ
とから、寄附や協賛金など民間資金の導入を含めた財源の活用等を検討してまいります。
高齢者施策についての御質問でございますが、初めに、第5期介護保険料についてでご
ざいますが、高齢化の進展に伴う要支援・要介護認定者数の増加や、施設サービスの拡充
等による介護給付費の増大を見込んだことから、現行の保険料となったものと認識してい
ます。次に、介護保険料の水準についてでございますが、要支援・要介護認定者の増加を
抑制するよう介護予防等の施策に一層取り組むことなどにより、可能な限り保険料の上昇
を抑えるよう努めてまいります。次に、介護保険料の見直しについてでございますが、介
護サービス利用者の皆様が無理なく安心して介護サービスを利用でき、いつまでも元気な
お年寄りでいていただけるためには、利用者の介護度の維持や改善を図った介護サービス
事業者に対し、一定のインセンティブを与える仕組みが必要不可欠だと考えております。
そのためには、第6期計画の策定において、既に指定を受けている他都市の動向を踏まえ
た特区制度の活用や、既存制度内における創意工夫を凝らしながら実現に向けて取り組ん
でまいります。また、介護サービスの提供につきましても、第6期計画策定の中で、複合
型サービスや定期巡回・随時対応型訪問介護看護など高齢者が住みなれた地域で生活を持
続できる介護サービスの充実について、介護給付費の枠組みの中で給付と負担のバランス
を適切に見込みながら実施してまいりたいと考えております。次に、特別養護老人ホーム
の整備についてでございますが、本市では、要介護状態となってもできる限り自宅で生活
を続けることを希望される高齢者が多いことから、在宅生活を支援する居宅サービスや地
域密着型サービスと特別養護老人ホームの整備を一体的に進めているところでございま
す。第6期計画の策定に当たり、特別養護老人ホームの整備につきましては、中重度の方
の入居を基本としつつ、要介護度の比較的高い高齢者の在宅支援を支える複合型サービス
とあわせ、いわゆる団塊の世代が後期高齢者となる2025年を見据えながら具体化してまい
りたいと考えています。
次に、認知症高齢者対策についてでございますが、第5期計画におきましては、認知症
高齢者施策の充実を掲げており、住みなれた地域で安心して暮らせるための生活支援、医
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療と介護の連携、権利擁護体制の推進に向けた取り組みを進めているところでございます。
高齢化の進展に伴い、軽度の認知症を含む認知症高齢者や単身高齢者が急速に増加する中、
認知症施策の推進は大変重要なことと考えておりますので、高齢者の方々が地域において
安心して生活ができるよう、地域の医療機関や関係団体の方と連携を図りながら、今後に
つきましてもより一層の充実に取り組んでまいります。次に、第6期計画の策定に当たっ
ては、国から、医療、介護、予防、生活支援サービス、高齢者の住まいが切れ目なく提供
される地域包括ケアシステムの構築に向けて、中長期的視点に立った施策の展開が示され
ております。本市におきましても、2025年を見据えながら、川崎らしい都市型の地域居住
の実現を目指して、平成26年度中に計画の策定を進めてまいります。
介護支援ボランティア・ポイント制度についての御質問でございますが、本制度につき
ましては、平成23年度に試行実施した、いきいきリーダー活動ポイント制度の検証の中で、
ポイント付与者として御協力いただいた方々や介護保険運営協議会からもさまざまな課題
があるとの御意見をいただいておりますので、今後、有償ボランティア制度の制度設計の
中で、高齢者の方々の介護予防や生きがいづくりにつながるシニア世代の活力を活用した
取り組みについて検討を進めてまいります。
障害者施策についての御質問でございますが、初めに、障害者雇用・就労施策について
でございますが、私が申し上げてきた障害者雇用日本一とは、総合的、先駆的な障害者施
策の取り組みを進める中で、数ある自治体の中でも障害者雇用に最も積極的な都市と言わ
れる川崎を目指していくということを意味しているものでございます。障害者雇用を進め
るに当たっては、社会の障害者に対する意識を変えていくことや、障害があることを可能
性に変えていく取り組みが必要なものと考えておりまして、障害のある人が障害のない人
とともにあらゆる場面で生き生きと働いている姿が当たり前となる新たな社会づくりを川
崎から発信していく先導的な取り組みを展開していきたいと考えております。今後につき
ましては、総合的なコーディネート機関である就労援助センターの組織強化などによる障
害者と雇用主との新たなマッチングの取り組み推進や、福祉施設から一般就労への移行者
数等、施策における数値目標など、本年11月に策定した基本方針の内容をさらに発展させ、
本年度末に策定を予定している障害者雇用・就労促進行動計画の中で具体的にお示しして
まいります。次に、市政への考え方などでお示しした障害児者の家族を支える取り組みの
充実につきましては、来年度予定している第4次かわさきノーマライゼーションプランの
策定の中で年次ごとの数値目標を定め、障害のある人が地域で安心して自分らしい暮らし
を送ることができる自立と共生の社会づくりに向けた検討を行ってまいりたいと考えてお
ります。なお、これら事業の推進に当たっては、市全体の財源調整を図りながら必要な財
源を確保してまいりたいと考えております。また、入所施設の整備につきましては、神奈
川県障害福祉計画において入所定員総数を拡大することが必要であることから、年内には
私みずからが県に出向き、直接知事に対し要望を行ってまいります。
女性施策についての御質問でございますが、施策・方針決定の場への女性の参画は、女
性の視点を取り入れることでさまざまな市民ニーズに的確に対応した本市の施策の展開や
経済社会の活性化に役立つことなどから、大変重要であると考えております。本市におき
ましては、あらゆる分野への女性の参画が促進されるよう、川崎市男女平等推進行動計画
において市役所における管理職への女性職員登用や審議会等への女性の参画促進について
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取り組んでいるところでございまして、平成24年度の全審議会等における女性委員の比率
は30.2%となっております。現在、次期川崎市男女平等推進行動計画を策定中であり、審
議会等における女性委員の比率向上が進むよう施策として位置づけてまいります。今後に
つきましても、施策方針決定の場への女性の参画がさらに推進するよう取り組んでまいり
ます。次に、市政運営における女性登用についてでございますが、これまでも本市は女性
管理職の登用に努めておりまして、平成25年4月1日現在、管理職における女性比率は、
政令指定都市中2番目に高い14.6%となっております。今後につきましても、本格的な少
子高齢社会を迎えるなど社会状況の変化の中、女性の活躍が求められておりますので、さ
らなる能力、実績を踏まえた人材の登用、適材適所の人事配置に努めてまいりたいと思い
ます。
がん対策についての御質問でございますが、初めに、がん検診の受診率の目標につきま
しては、本年3月に策定した第2期かわさき健康づくり21におきまして、平成34年までに
肺がん、大腸がん、子宮がん及び乳がんについては30%、胃がんについては15%と定めて
おります。この目標値は、政令市における現在のトップレベルの受診率とおおむね同じで
ございますので、目標年度を私の任期中をめどに前倒しすることにより達成したいと考え
ております。財源に関しましては、現段階では国庫補助金の活用など不明な点もございま
すが、必要な財源を確保し実現に向けて取り組んでまいりたいと思います。また、手法に
関しましては、受診率向上に効果があると確認されている積極的な個別受診勧奨や新たな
啓発物による広報など、より効果的な手法を検討してまいります。次に、がん登録につい
てでございますが、がんは国民の2人に1人がかかる国民病ですが、今までがん患者を登
録する全国レベルのデータベースがありませんでしたが、このたび国においてがん登録推
進法が成立したことから、今後、全国レベルのがんの種類ごとに発症率や生存率、治療方
法などがデータベース化され、有効な治療・検診方法が明らかになり、自治体において地
域特有のがんの傾向に合わせた対策の実施が可能になると認識しております。こうしたこ
とから、私といたしましても、本市の地域特性に合致したがん対策の充実に向けて、しっ
かりと取り組んでまいります。
まちづくり関係についての御質問でございますが、武蔵小杉駅周辺地区につきましては、
民間活力を生かした再開発にあわせ、公共施設の再配置など、駅を中心とした利便性の高
い、歩いて暮らせるコンパクトなまちづくりを推進しております。一方で、急激な人口増
等による保育所の待機児童の増加、小学校における児童数の増加といった課題があると認
識しております。待機児童につきましては、全市的な最重要課題と位置づけており、武蔵
小杉駅周辺地区も含めて、本市の待機児童ゼロの実現に向けた方策を待機児童ゼロ対策推
進本部会議、区の待機児童ゼロ対策推進会議において積極的に検討し、解消に向けて加速
化をしてまいりたいと考えております。また、小学校における児童数の増加につきまして
も、計画的な学校施設の整備や新設校の設置などにより、良好な教育環境を確保してまい
ります。引き続きこれらの課題の解決に取り組み、活力と魅力にあふれた広域拠点の形成
を推進してまいります。
次に、地下鉄計画に関する考え方についてでございますが、私は、鉄道不便地域への対
応として、地下鉄整備については必要性を否定するものではございません。ただし、これ
までの川崎縦貫鉄道計画は本市の財政負担が膨大であること、都市部と直結していないこ
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と、公営であることなど幾つかの問題があると考えております。また、現在、川崎市には
多くの重要課題があり、限られた財源の中でこれらに対応していかなければならない状況
でございます。したがいまして、事業化につきましては現時点では推進する状況にないと
考えております。次に、JR南武線連続立体交差事業についてでございますが、JR南武
線は首都圏における鉄道輸送の一翼を担う大変重要な路線でございますが、尻手駅から武
蔵小杉駅間には数多くの踏切が存在し、鉄道による地域分断や幹線道路の渋滞、災害時の
交通路確保など多くの課題がございます。本事業は、駅周辺を含む沿線において魅力ある
都市拠点を形成するとともに、地域をつなぐ交通基盤の整備を図るものであり、経済活動
の活性化だけでなく、市民生活の豊かさの実現に寄与するものでございます。来年度から
は市内の現地調査に着手できるよう、国に調査採択に向けた要望を行ったところであり、
今後も早期の事業化に向けて取り組みを進めます。
次に、渋滞対策についてでございますが、私が目指しております成長と成熟の調和に向
け、地域をつなぐ交通基盤の整備は、経済活動の活性化とともに、市民の生活の豊かさに
大きくかかわる重要な課題であると考えております。道路における慢性的な渋滞は大きな
経済損失を招くことから、渋滞対策につきましては、幹線道路網の整備をしっかりと進め
ていくとともに、一方でその整備には長い期間と費用を要することから、渋滞が発生して
いる交差点の集中的、重点的な取り組みが必要であると考えております。その取り組みに
つきましては、既存の道路空間の中での創意工夫や信号制御の改良など、ハード、ソフト
両面からのさまざまな対策により、効率的・効果的な渋滞の緩和を実現してまいりたいと
考えております。いずれにいたしましても、平成26年度から3カ年を計画期間とした渋滞
対策事業の計画を策定し、スピード感を持って取り組んでまいりたいと考えております。
次に、交差点の歩車分離についてでございますが、交差点での歩車分離につきましては、
歩行者の安全確保に大きな効果があると考えております。一方で、車両の交通渋滞や、渋
滞を回避するために近隣住宅地内への通り抜けが増加するなど、周辺交通環境に影響を及
ぼす要因となることも考えられますが、県警察からは、歩行者の安全確保と全体の交通の
流れを総合的に検討して、歩車分離式信号機を設置していくと伺っておりますので、本市
といたしましては、その導入につきまして交通管理者と積極的に連携を図ってまいりたい
と存じます。
次に、バス路線とコミュニティバスについてでございますが、本市においては路線バス
ネットワークが充実しておりますが、高齢社会のさらなる進行を踏まえますと、バス路線
やコミュニティ交通など身近な交通手段をきめ細かくさらに充実していくことが重要だと
考えております。路線バスについては、バス事業者が新たな道路の整備やバス需要の変化
等の機会を捉え、バス路線の延伸や増便などに取り組める制度が必要と考えます。また、
コミュニティ交通につきましては、その地域の交通課題の解決や高齢者の外出支援などさ
まざまな役割を担っており、地域住民や交通事業者、行政による協力関係のもと、それぞ
れの役割分担に応じ責任を果たす必要があると認識しております。これまで本市ではコミ
ュニティ交通導入に向けた地域の主体的な取り組みに対し、技術的な支援を初め、実験の
経費や本格運行時に大きな負担となる初期車両の購入費、高齢者等割引の補塡など支援を
行っておりますが、その上で支援のあり方について検討するとともに、空きタクシーの活
用など、地域の特性に応じた支援についても検討してまいりたいと考えております。
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次に、公営住宅の方針についてでございますが、公営住宅につきましては、住宅に困窮
する低所得者に対して低廉な家賃の住宅を供給する役割を担っており、引き続きこの役割
を果たしていくことが大切と考えております。今後、大量供給した時代の建物が一斉に老
朽化してまいりますので、建てかえ事業量の平準化や資産活用等の観点から、建てかえと
並行して既存建物の長寿命化をしていくことが必要と考えております。そこで、既存建物
については定期的な点検と修繕により適切に維持管理を行うとともに、費用対効果を検討
した上で長寿命化のための大規模な改善を施すことにより、できるだけ長く活用してまい
ります。
Wi-Fi化計画についての御質問でございますが、これからの時代においてはインターネ
ット環境の整備が都市の価値を決める重要な要素になってくると考えております。市民の
皆様の利便性の向上や安全・安心な暮らし、地域の活性化などに向け、無料のWi-Fiアク
セスポイントを充実させ、情報通信インフラを整備していくことは本市にとって大変重要
なことと考えております。今後、さまざまなサービスの提供、ビジネスの創出にもつなが
っていく市内のWi-Fi環境の整備を積極的に推進するに当たり、検討すべきさまざまな課
題や調整の必要な事項が多岐にわたっていることから、外部のICT関連専門家や電気通
信事業者等を含めた検討プロジェクトチームを早急に設置し、現況の把握や課題の分析な
ど調査研究を進めてまいりたいと考えております。
中小企業支援についての御質問でございますが、初めに、市内事業者を大切にすること
についてですが、市内の多くの中小企業はすぐれた基盤技術や製品開発力を有しており、
川崎の産業だけでなく、日本のすぐれたものづくりを支えております。こうした中小企業
を大切にしていくことは、本市の産業の発展にとって重要なことと考えております。本市
ではこのような企業を支援する取り組みの一つとして現場主義を掲げ、市の職員が、国、
県、産業振興財団とともに企業訪問を行い、助成金や支援制度の紹介、販路拡大や新事業
展開への支援を初めとしたさまざまな経営課題解決のための支援を多面的に行っていま
す。さらに、すぐれた中小企業の製品などを川崎ものづくりブランドとして認定し、市が
積極的に発注する仕組みを整えており、このように中小企業に寄り添った支援をより一層
充実していきます。次に、アジアの一等地である川崎の価値を高めていくことについては、
川崎国際環境技術展などを通じて環境技術による国際貢献に係る取り組みを強化してまい
ります。今後は、ジェトロなど関係機関とより一層連携した海外展開支援を進めるととも
に、海外の展示会などへの積極的な参加を通じて、世界における川崎市のプレゼンスを確
立していきたいと考えております。今後さらにさまざまな課題やニーズに応じたきめ細や
かな支援を行い、中小企業の活性化に取り組んでまいります。
ベンチャービジネスや新たな技術開発についての御質問でございますが、川崎は世界で
も最高水準のすぐれた技術を持つ企業が集積する都市です。こうした市内企業のポテンシ
ャルを生かし、次から次へとベンチャービジネスや新たな技術が生まれることが、経済の
持続的な成長を図る上で大変重要であると考えています。起業を目指す皆さんの意欲を高
める取り組みや、すぐれたビジネスプランを持つベンチャーの資金調達、販路開拓を支援
し、ビジネスしやすい都市づくりを進め、川崎の地からすぐれたベンチャーを数多く生み
出していきたいと考えています。また、新川崎・創造のもりを初めとする日本有数の産業
支援拠点を生かした市内中小企業、ベンチャー企業が大企業や大学とも力を合わせて技術
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開発に取り組む場の提供や、中小製造業の新たな技術開発への助成など、成長意欲のある
企業の支援に取り組んでいます。さらに、本市では、大企業の開放特許を活用して中小企
業の新製品開発などを支援する知的財産交流会を行うとともに、市域で活動する研究者が
組織や専門分野を超えて交流するかわさき科学技術サロンを開催するなど、大企業等の研
究機関や技術力のある中小企業の集積を生かして、川崎発のイノベーションを活性化する
取り組みを積極的に展開しています。このような意欲のある中小企業、ベンチャー企業を
支援する取り組みをより一層推進することで力強い産業都市川崎をつくり、日本、ひいて
は世界の人々の幸福に貢献していきたいと考えております。
福祉産業についての御質問でございますが、私は、川崎が日本で最も幸福なまちになる
ためには、お年寄りや障害者を初め、誰もが健康で安心して暮らせることが大切であると
思います。そのためには、生き生きとした暮らしを支える製品やサービスを生み出し、必
要なときに使える環境を整えることが重要であると考えています。こうした中、川崎市で
は従来から福祉産業の振興に努め、安心いきいき社会の実現に向けた取り組みを行ってき
ましたが、この取り組みを強化するために、本年10月には福祉と産業をつなぐネットワー
ク形成の場としてウェルフェアイノベーションフォーラムを設立しています。これからは
このフォーラムを活用し、かわさき基準の普及啓発、新たな福祉製品、サービスの創出と
活用、国際貢献の推進などについて多数のプロジェクトを創設し、参加いただいた企業、
団体の皆様とともに進めていきたいと考えております。このことは力強い産業都市と安心
のふるさとの実現に大きく寄与すると考えておりますので、今後もより一層の発展に努め
てまいります。
就労支援についての御質問でございますが、労働力人口が減少する中で、若者は貴重な
将来の川崎の担い手であり、子どもたちの未来図でもありますので、ニートやひきこもり
など働きたくても働けない若者たちを支援することは重要な行政課題と考えています。こ
れらの若者に対しては、働く自信の回復や社会適応力の向上とともに、仲間づくりや職業
理解を深めることが必要であると思っています。また、社会経験を積み経験と知識を持っ
た女性は、社会を支え、経済を支える貴重な担い手であり、さらに元気で経験と知識が豊
富なシニア世代の方々も地域社会の宝物ですので、女性や高齢者の就業支援も大変重要と
考えています。こうした貴重な就労の担い手を支援するために、若者に対してはNPO法
人と協働で運営するかわさき若者サポートステーションで、心理カウンセリングや労働体
験など一人一人の段階に応じた多様な支援プログラムにより職業的自立を支援し、就業へ
の準備が整った若者や女性、高齢者に対しては、本市の就業支援室「キャリアサポートか
わさき」やハローワークとの連携により就職につなげているところです。特にキャリアサ
ポートかわさきにおいては、若者、女性、高齢者の特性に合わせた就労支援をきめ細やか
に行っております。今後は、子育て中の女性が積極的に就職活動できるよう女性の就労支
援の強化に取り組むとともに、就業支援ポータルサイト「JOB-Lかわさき」を活用し 、
インターネットを通じ企業が求人依頼できるよう利便性の向上を行うなど、関係機関や市
内の関係団体とも協力しながら就労支援のさらなる充実を図ってまいります。
環境政策についての御質問でございますが、初めに、私の環境政策に関する基本的な考
えについてでございますが、昨今の環境問題はますます多様化・複雑化しており、こうし
た中で市の環境政策は、まず第一に市民の皆様が安全で健康かつ快適な環境を享受できる
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よう展開していくことが重要であると考えています。また、その上で、広域的かつ長期的
な観点に立ち、良好な地球環境を将来の世代にしっかりと引き継いでいくことが大切であ
ると考えます。そのためには安全で安心な市民生活が営める環境づくりを基底として、低
炭素社会、資源循環社会、自然共生社会の構築に向けた施策を科学的知見に基づき統合的
に展開してまいりたいと考えております。次に、地球温暖化や気候変動など地球規模の広
域的な課題に対する取り組みについてでございますが、川崎市には公害問題や廃棄物問題
に取り組んできた過程で培ったさまざまな環境技術や環境産業の集積があり、これが本市
の強みや特徴となっております。こうした川崎の強みを最大限生かしながらグリーンイノ
ベーションを推進し、市内の環境産業の一層の振興を図るとともに、国際社会の環境問題
の改善に寄与してまいりたいと考えております。
次に、資源循環社会の構築に向けた取り組みでございますが、さまざまな環境問題の中
で、ごみの収集処理は市民の日常生活に最も身近な課題であることから、市民、事業者、
行政が信頼し協力し合える関係を築くことが何より大切でございます。こうした考えのも
と、市民の方々の御意見に耳を傾けながら、ごみの発生抑制や資源化の推進を基調とした
施策展開を図るとともに、ごみ焼却施設の削減や民間活力の導入拡大を図ることなどによ
り、さらに効果的・効率的な執行体制を整備してまいります。私からは以上でございます 。
○副議長
飯塚正良
後藤議員に申し上げます。ここで休憩をお諮りいたしたいと思いま
すので、御了承願います。
お諮りいたします。暫時休憩いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長
飯塚正良
御異議ないものと認めます。およそ30分休憩いたします。
午後3時15分休憩
-------------------
午後3時45分再開
〔局長「ただいまの出席議員副議長とも55人」と報告〕
○副議長
飯塚正良
会議を再開いたします。
休憩前に引き続き、公明党の代表質問に対する答弁を願います。市民・こども局長。
〔市民・こども局長
○市民・こども局長
加藤順一登壇〕
加藤順一
市民・こども局関係の御質問にお答え申し上げます。
防犯灯についての御質問でございますが、本市におきましては、地域における重要な防
犯対策の一つとして、町内会・自治会等に対して防犯灯の設置補助を行っており、維持管
理にかかるコストや環境負荷の低減などが期待できることから、平成22年度より防犯灯の
LED化を推進しているところでございます。今回の補正予算の内容でございますが、当
初予算では3,000灯の補助を予定しておりましたところ、要望灯数が約5,000灯となったこ
とから、その差額相当分を計上しておりまして、今回の補助事業が完了いたしますと、
LED防犯灯の導入率が全市で1割強となる予定でございます。本市といたしましては、
今後も引き続きLED防犯灯の設置促進に取り組んでまいります。以上でございます。
○副議長
飯塚正良
〔環境局長
○環境局長
稲垣
環境局長。
稲垣
正
正登壇〕
環境局関係の御質問にお答え申し上げます。
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LED照明の庁舎への導入状況についての御質問でございますが、本市におきましては、
地球温暖化対策推進基本計画の基本的施策の一つに市役所の率先取り組みを位置づけてお
り、市庁舎へのLED照明の導入につきましては、平成23年度、平成24年度の2カ年で区
役所を初めとする約1,000の公共施設にある白熱型電球約1万5,000個を全てLED照明に
交換いたしますとともに、本庁舎及び区役所の蛍光灯約2,800本をLEDに転換したところ
でございます。高効率照明の導入につきましては、公共施設への環境配慮技術の導入ルー
ルを定めた市建築物における環境配慮標準の中で重点取り組み項目として位置づけている
ところでございますので、今後におきましても、この基準に基づき、LED照明を初めと
した環境配慮技術の積極的な導入の推進に取り組んでまいります。以上でございます。
○副議長
飯塚正良
健康福祉局長。
〔健康福祉局長
○健康福祉局長
伊藤
伊藤
弘
弘登壇〕
健康福祉局関係の御質問にお答え申し上げます。
議案第154号及び第155号についての御質問でございますが、初めに、条例の特色となる
独自基準の内容につきましては、指定居宅介護支援事業所及び指定介護予防支援事業所の
運営規程に定めるべき重要事項として、事故発生時の対応、苦情相談体制、個人情報の管
理を追加し、また、支援の提供に関する記録の保存期間を2年から5年に延長するもので
ございます。これにより利用者保護の強化及び適正運営の確保という効果が見込まれると
ころでございます。次に、主なサービス内容につきましては、いずれも指定を受けた事業
者がケアプランを作成するとともに、サービス事業者等との連絡調整を行うものでござい
まして、本年10月現在、指定居宅介護支援事業所数311事業所、利用者数1万8,158人、指
定介護予防支援事業所数49事業所、利用者数7,596人でございます。次に、条例の周知につ
きましては、ホームページの掲載、メール配信サービス及び集団指導講習会等さまざまな
機会を捉えて行ってまいります。また、法令遵守の体制といたしましては、現在、指導監
査体制を整備し、介護保険事業者に対する集団指導、実地指導、監査を行っているところ
でございますので、今後につきましても、指導等を通じて介護保険法令、基準条例の内容
について法令遵守の徹底を図ってまいります。以上でございます。
○副議長
飯塚正良
建設緑政局長。
〔建設緑政局長
○建設緑政局長
大谷雄二登壇〕
大谷雄二
建設緑政局関係の御質問にお答え申し上げます。
地 方 自 治 法 第 180条 の 規 定 に よ る 市 長 の 専 決 処 分 の 報 告 に つ い て の 御 質 問 で ご ざ い ま す
が、本件は、平成20年10月に川崎区内の歩道を歩いていた方が歩道と車道にまたがって設
置されていたマンホールによる路面の段差につまずき転倒し、負傷したものでございます。
事故後、市内全域におきまして路面段差の調査を行ったところ、654カ所で同様な箇所が見
つかったことから、道路改良にあわせて段差の解消を行うとともに、マンホール所有者に
対して段差改善について通知を行い、現在までのところ198カ所で改善が図られているとこ
ろでございます。今後につきましても、計画的な改善を行うとともに、引き続き道路改良
にあわせて段差を解消するなど、より安全な歩行空間の確保に努めてまいりたいと考えて
おります。以上でございます。
○副議長
○55番
飯塚正良
後藤晶一
後藤議員。
それでは、再度、市政への考え方について質問をいたします。天下り
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の考え方ですが、一般論で公務員が退職後、関係団体、出資法人などの職につき、報酬、
退職金が支給されるものを天下りと捉えると答弁されました。そこで、本市職員の再就職
については、局長級を対象として透明性確保の方向性で検討をするとしておりますけれど
も、天下り禁止を掲げ当選をされた市長としては、方向性の検討では公約と大きく隔たり
があります。再度、天下り禁止について市長の見解と取り組みを明らかにしてください。
市政の最優先課題ですが、少子高齢化への対応を最優先とし、子どもたちの笑顔があふ
れるまち、安心して暮らせるふるさとづくりなど、本市特有の現状認識としては抽象的と
指摘せざるを得ません。力強い産業都市づくりを目指すとしていますが、具体的にお答え
ください。
財源確保策ですが、地方財政制度に基づく財政措置の効果的な活用を示されていますが、
財源確保策としては不透明で、政策課題実現には不十分と考えます。引き続き継続した不
断の行財政改革が求められます。第4次行財政改革では600人の職員削減を目標で進めてい
ますけれども、具体的な取り組みを市長に伺います。また、市民目線に立っためり張りあ
る改革とは何かお答えください。区への権限移譲ですが、答弁では各区に予算と権限の移
譲とありますが、職員の配置はどのようにするのかお答えください。
行財政改革について再度伺います。減債基金からの新規借り入れについては、取り組み
の認識では曖昧な答弁と言わざるを得ません。平成26年度予算編成は現在終盤となってい
ます。予算編成に当たり、借り入れをするのかどうか、市長の明確な答弁をいただきたい
と思います。減債基金からの借り入れは禁じ手とも言われ、行財政改革の推進を図り、結
果として借り入れなしの予算編成が望ましいものと考えます。答弁では、歳出抑制などに
取り組み、全体的にスリムな予算編成を進めていくとしていますが、平成26年度以後の減
債基金の借り入れについて市長の基本的な考えを伺います。
次に、地方分権についてですが、新たな大都市制度の実現に向けてとの答弁がありまし
たが、具体的な政策案があるのか伺います。検討している案の概要について伺います。
次に、子育て支援について再度伺います。保育の質の確保についてです。答弁では、児
童の保育環境の向上や保育従事者の安定した確保等を目的に運営費の助成をしているとの
ことですが、保育士等の保育従事者の確保と職員研修の充実強化は喫緊の課題です。現行
の助成制度をさらに拡充すべきと考えますが、見解と対応を伺います。待機児童ゼロへの
取り組みについてです。我が党が従前より主張し、各区・支所に配置された子育てサポー
ター、いわゆる保育コンシェルジュの拡充こそ必要不可欠であると思いますが、見解と取
り組みを伺います。公立保育園の民営化についてです。建てかえ、譲渡、貸与などの手法
の活用を検討するとしていますが、民営化移行には十分な期間ときめ細かい配慮が必要で
す。見解と具体策を伺います。また、指定管理保育所の譲渡についても伺います。
防災対策について再度市長に伺います。市長は公約で消防行政を強固にするとしていま
す。答弁では、緊急消防援助隊の活動拠点整備や消防救急無線のデジタル化、ヘリコプタ
ーの更新など挙げられていますが、これらの取り組みは現在、市が進めている施策を継続
する取り組みです。市長が公約に掲げたさらなる消防力の強化策とは何か、具体的にお答
えください。
次に、中学校給食について再度伺います。答弁では、全校実施に向けた検討、民間活力
を生かした効率的手法とありますが、具体的にどのようなことを想定されているのか伺い
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ます。また、平成27年度には導入に向けた準備等を行うと答弁されましたが、平成28年度
に全校同時導入と理解してよいのか伺います。市長の目指しているセンター方式では人件
費に対する国の支援が受けられません。一部導入されている親子方式の検討はどのように
行われるのか伺います。小中合築校の給食導入についてスペースは確保されているようで
すが、給食導入対象にはなっていません。導入すべきですが、取り組みを伺います。
次に、習熟度別クラスの導入について再度伺います。答弁では、わかる授業の徹底のた
め教育委員会と議論をしていくとされていますが、教育現場で混乱が起きています。現場
第一主義の市長として教育現場の意見をどのように聞いていくのか、再度伺います。習熟
度別クラス分けに対する答弁がありませんが、優劣感の助長がいじめに発展することが危
惧されます。取り組みについて再度伺います。現在行われている補充的な学習指導やゆと
り教育の見直しなどの取り組みにより学力が上昇に転じているとの報道もありますが、見
解を伺います。
次に、地域の寺子屋事業について再度伺います。現在、総合的な学習の時間で行われて
いる体験的学習や課題解決的な学習、長期休業中や放課後を活用した補習との違いについ
て伺います。具体的方策は教育委員会が検討を進めているとの答弁ですが、どのような指
示を出されたのかお答えください。
次に、有償ボランティア制度について再度伺います。市民の活動を市民が支えるとの答
弁でしたが、本市としての事業費は想定されていないのか伺います。また、現在、無償で
行われているボランティアについて新たな有償制度の適用を考えているのかお答えくださ
い。さらに、何をもって全国初の有償ボランティア制度とされているのか、再度伺います 。
次に、高齢者施策について再度伺います。介護保険料についてですが、答弁では特区制
度の活用を挙げています。岡山市の介護総合特区では、介護度の改善を進め効果の上がっ
た事業者へ介護報酬を上乗せする方法を提案、特区に指定され、3月以降、厚労省と協議
をしていますが、保険制度になじまないとの意見も多々あると聞きました。財源も市単で
賄うと仄聞しましたが、このような情勢下でどのようにして公約を達成するのか、その具
体的な方法と財源について再度取り組みを伺います。また、既存制度内の創意工夫とはど
のようなことを想定しているのか、具体例をお答えください。
特別養護老人ホームの整備についてですが、待機者解消の時期については明確な答弁が
ありません。2025年を見据えて、第6期計画ではどの程度まで解消を図るのか、市長の決
意を伺います。当然、施設増加による介護保険料アップが見込まれ、県内で一番高い保険
料となることが懸念されますが、対応を伺います。第6期計画の策定についてですが、答
弁では、川崎らしい都市型の地域居住の実現を目指すとしていますが、川崎らしいとは具
体的にどういうことを考えているのか伺います。認知症高齢者対策ですが、市政への考え
方で、認知症になっても、いざ介護が必要になったときには安心して介護が受けられる体
制が必要と言われましたが、市長が目指す体制づくりへの取り組み、財源確保について明
確にお答えください。
次に、がん対策について再度伺います。市長から、がん検診の受診率をおおむね30%を
市長の任期中に前倒しで達成するとの御答弁をいただきました。しかしながら、政令市の
トップは名古屋市で、平成23年度の子宮がん検診の受診率は52.4%となっており、目指す
のであれば50%を目標値とすべきです。名古屋市の受診率アップの要因は、ワンコイン、
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つまり500円で受けられる各種がん検診を実施したことによるものとのことです。群馬県太
田市でも同様の方式で2割アップするという大きな成果を出しています。がん検診無料ク
ーポン対象の未受診者に対する個別受診勧奨制度とあわせて実施すべきですが、見解を伺
います。
次に、Wi-Fi化計画について再度伺います。答弁では、市長公約より大幅に後退いたし
ました。検討プロジェクトチームをいつまでに立ち上げるのか伺います。結論はいつまで
に得るのか伺います。少なくも本市公共施設におけるホットスポット化はすぐにでも実施
すべきです。具体的導入計画を伺います。
環境施策について再度伺います。ごみ収集処理、ごみ焼却施設についてですが、市長は
横浜市に比べて市職員の数が人口比で約3割も多い、ごみ収集焼却など民間でできること
も公務員が行う川崎と批判をされていますが、見解と対応について伺います。以上です。
○副議長
○市長
飯塚正良
福田紀彦
市長。
まず、天下りについての御質問でございますが、本市職員の出資法人
等への再就職におきましては、報酬限度額を年額500万円としまして、この報酬限度額の範
囲内で支給しているところでございまして、退職金につきましても支給しないものとして
おり、さきにお答えした、いわゆる一般論としての天下りとは異なるものと考えています。
しかしながら、本市職員の出資法人等への再就職のあり方につきましては、今年度末まで
に、より公平性、透明性が確保できる方向性を検討してまいります。
最優先課題等についての御質問でございますが、この川崎は世界への玄関口である羽田
空港に隣接するとともに、国内有数の冷凍冷蔵倉庫群を備える川崎港を通じて、海路で世
界とつながっているという特徴があります。また、首都圏の好位置に立地しており、鉄道
や道路を通じて都心へのアクセス性が非常によいという特徴も備えています。さらに、本
市にはJR南武線沿線を中心に多くの先端的な産業や研究機関が立地するとともに、臨海
部における多様なエネルギー産業の集積などが大きな特徴となっています。このような優
位性からもたらされるポテンシャルに加え、KING SKYFRONTを中心としたライ
フイノベーションや新川崎・創造のもり地区における産学官が連携した新産業の創出、環
境技術を生かした成長産業等の育成などを一層推進することで、力強い産業都市として持
続的な発展を目指してまいります。
行財政改革についての御質問でございますが、市民の皆様のさまざまなニーズに的確に
お応えしていくために予算の重点化や組織の充実を図る一方で、社会状況の変化により効
果が減少した施策・事業については市民の皆様の御理解をいただきながら見直しを図るな
ど、効率的・効果的な行政体制や持続可能な行財政基盤の構築に向けためり張りのある改
革を進めていく必要があると考えております。こうしたことから、公共サービスにおける
民間部門のさらなる活用や、効率的な行政運営に向けた組織体制の整備などの市役所の内
部改革につきましては、これまでの取り組みの経過も十分に踏まえ、今後の方向性を早急
に明らかにし、引き続き全職員が一丸となって取り組んでいく必要があると考えておりま
す。また、市民の皆様に直接影響のある市民サービスの見直しなどにつきましては、今後、
新たな総合計画の策定作業と連携し、改革の目的や効果を明らかにした上で、市民や議会
の皆様の声をしっかりとお聞きしながら計画策定を進めてまいりたいと考えております。
次に、区への権限移譲についてでございますが、市民に身近な課題を区役所みずからが解
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決できるよう、必要な人員の配置に努めていきたいと思います。
次に、減債基金からの借り入れにつきましては、厳しい社会経済環境の中で、市民生活
の安全・安心を確保するための臨時的な手法であると認識しております。こうした減債基
金からの借り入れに頼らない持続可能な財政構造の構築に向けて、これまでの改革成果を
確実に反映させるとともに、事業の重点化やめり張りのある改革を全庁一丸となって進め、
限られた資源を効率的・効果的に配分する必要がございます。一方、本市においては、待
機児童の解消など緊急的な課題や、少子高齢化の進展に伴う多様な行政課題にも的確に対
応していかなければなりません。また、国におきましては社会保障制度の充実・安定化に
向けた制度改正が予定され、消費税率引き上げやその影響を緩和する補正予算の編成が進
められており、これらが本市を含めた地方財政に及ぼす影響を慎重に見きわめる必要もご
ざいます。こうした中で、本市を日本一幸せのあふれる最幸のまちとするため、私の最初
の予算編成に当たりましては、市民の皆様が安心して暮らせる施策の着実な推進を第一に
考え、また、これを支える財政構造の構築に向けた取り組みとともに、国の制度改正の影
響等を的確に分析した上で、予算の調整を進めてまいりたいと存じます。
新たな大都市制度についての御質問でございますが、首都圏など広域的な都市圏域の中
で、大都市を初めとした基礎自治体がそれぞれの地域の特色と資源を生かして都市機能を
分担し、互いに補完や連携をすることによって広域的な都市圏域として日本の頭脳、成長
エンジンとなるような広域連携の仕組みが構築される中で、大都市が中心的な役割を担う
ためにも新たな大都市制度は必要と考えています。このため、国と地方との役割分担を明
確にした上で、現在、大都市が行っている事務に加え、真に広域的な事務を除いて、原則
として市域において県が行っている事務や税財源の移譲を受け、大都市が一元的、総合的
な事務権限を担っていくとともに、身近な市民サービスについては市民により近いところ
で提供するという都市内分権を進めることによりまして、区の権限をさらに強化し、市民
自治を充実していく仕組みが必要と考えています。今後、本市の特別自治市に関する基本
的な考え方や区の役割、権限のあり方などを踏まえ、新たな大都市制度について検討して
まいりたいと考えています。
子育て支援についての御質問でございますが、初めに、保育士等の保育従事者の確保と
職員研修の充実強化についてでございますが、川崎認定保育園として安定した運営を確保
していくためには、保育従事者の確保と資質向上に向けた取り組みは欠かせないものであ
ると考えています。待機児童解消加速化プランにおける保育の量的拡大を支える保育士確
保等のメニューが示されておりますので、保育士の就職支援や保育士資格取得への支援な
どを進めるために活用を検討しているところでございます。また、職員研修につきまして
は、新たな公立保育所の取り組みにおいて地域の保育園等を対象として各種研修を実施す
るとともに、交流支援を図ってまいります。助成制度につきましては、子ども・子育て支
援新制度への対応を図る過程におきまして、国の補助制度の活用を図りながら拡充につい
て検討してまいりたいと考えております。次に、子育てサポーターについてでございます
が、本年度から区役所・支所の窓口に配置し、子育てに関する相談支援や保育所入所に関
する相談など実施しているところでございます。平成27年4月に待機児童ゼロを実現する
ためには、保育受入枠の拡大を図るとともに、入所不承諾者への真摯なアフターフォロー
も含めて、より丁寧な相談体制を確立する必要がございますので、体制整備の取り組みの
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平成25年(2013年)第4回川崎市議会定例会会議録
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速報版
強化を図ってまいります。
次に、公立保育園の民営化についてでございますが、2年半前に公表を行い、民営化ま
での十分な準備期間を設け、保護者説明会や川崎市、運営法人、保護者による3者会議を
適宜開催し、また、運営法人による引き継ぎ保育を実施するなど円滑な民営化移行を行っ
ているところでございます。次に、指定管理保育所の建物譲渡についてでございますが、
保育の継続性を確保することは重要でありますので、建物を譲渡した以降の運営は同一事
業者が継続して行うことが望ましいと考えております。公有財産の譲渡につきましては、
透明性及び公平性を確保するため、公募により譲渡先法人を募集いたしますが、現事業者
の運営実績の評価を選考の中で考慮できるような仕組みを検討してまいります。また、譲
渡先法人の募集や選定等のスケジュールについては、通常の指定管理者の更新時期の選定
と同様な手順で行ってまいりますので、保護者の方々に担当職員から丁寧に説明させ、御
理解いただくよう努めてまいります。
消防行政を強固にすることについての御質問でございますが、本市の消防体制は、国が
定める消防力の整備指針を指標として整備し、必要な消防力を確保しているところでござ
います。しかしながら、さきの東日本大震災等を踏まえた災害対応を考えますと、今後、
本市の消防体制をより一層強化する必要があるものと考えているところでございます。そ
こで、私の基本姿勢として掲げております現場主義を通して、現行の消防行政に係る具体
的な課題を抽出し、消防体制の見直しを図りながら強化をしていきたいと思います。
中学校給食についての御質問でございますが、中学校給食の実施手法や導入時期も含め
たスケジュール等につきましては、中学校給食推進会議におきまして、民間活力を生かし
たあらゆる手法を比較検討の上、安全・安心で温かい給食の平成28年度の全校導入を目指
して取り組んでまいります。合築校につきましては、準備が整い次第、導入してまいりま
す。
習熟度別クラスについての御質問でございますが、児童生徒に学習意欲を低下させたり、
優越感や劣等感を感じさせたりすることがないように取り組むことは大切であると考えて
います。また、現在行われている少人数指導については、教科や単元によって成果がある
ものと考えていますが、さらに多くの子どもたちにとって授業がわかると感じられるよう、
教育現場の教員の意見を聞くことも含めて、教育委員会と議論をしていきたいと考えてお
ります。
地域の寺子屋事業についての御質問でございますが、学校教育で行われている体験学習
や補習につきましては、学習指導要領に沿って行われていますが、寺子屋事業は学校教育
を補完し、地域ぐるみで子どもの教育、学習を支援するとともに、シニア世代の方々など
のさまざまな知識経験を生かして、学習指導要領にとらわれずに幅広い教育活動を展開す
るものです。私は、教育は学校、教師だけに責任を持たせるべきではなく、地域で支える
という発想の仕組みが必要であると考えています。教育委員会へは、地域が学校を支援し、
多世代で学ぶ生涯学習の拠点をつくることについて具体的な仕組みの検討と、平成26年度
からのモデル事業の実施を通した検証、研究をお願いしています。
有償ボランティア制度についての御質問でございますが、初めに、事業費につきまして
は、市民活動の自主性、自立性に配慮すると、行政からの支援だけではなく、市民が相互
に支援することが望ましいと考えておりますので、できる限り寄附や協賛金などの活用も
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平成25年(2013年)第4回川崎市議会定例会会議録
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検討してまいります。次に、有償の対象とする活動につきましては、さまざまなボランテ
ィア活動が原則として無償で行われている実態等を踏まえ、今後、実際に活動に携わって
いる皆様からも十分に御意見を頂戴して多角的な検討を行った上で、整理してまいります。
いずれにいたしましても、シニア世代の方々のボランティア活動を継続してサポートでき
るような新たな制度を構築し、シニア世代の方々が地域でいつまでも輝いていただけるよ
うに、活動の一層の活性化を図ってまいりたいと考えております。
高齢者施策についての御質問でございますが、初めに、介護保険料の上昇を抑制する手
法の一つといたしまして、介護サービス利用者の介護度の維持や改善を図った事業者に対
して一定のインセンティブを与える仕組みを創設することが必要であると考えています。
この仕組みの創設に向けて、同様の取り組みを進めている他都市からの情報収集を行うと
ともに、さまざまな補助制度の活用や、これまでの発想にとらわれない柔軟な知恵と工夫
により検討に入るように指示したところでございますので、今後、第6期計画に反映でき
るよう取り組みを進めてまいります。次に、特別養護老人ホームにつきましては、今後に
おきましても一定程度の整備が必要であると考えておりますが、施設サービスの拡充は将
来的な介護給付費や介護保険料の改定にも影響を与え、国においても施設から在宅へとい
った大きな流れの中で第6期計画の策定に向けた議論がなされている状況にあることか
ら、本市におきましても給付と負担のバランスを適切に見込むとともに、より一層の介護
予防等の施策に取り組み、いつまでも住みなれた地域で生き生きと暮らす元気なお年寄り
がふえることが、ひいては介護保険料の抑制につながるものと考えます。
次に、認知症高齢者施策につきましては、これまで医療と介護を担う多職種が連携して
認知症の方を地域で支える仕組みづくりのほか、認知症に対する正しい知識の普及啓発を
行ってまいりましたが、高齢化の進展の中、団塊世代の方々が後期高齢者となる2025年を
見据えて、医療、介護、予防、生活支援、住まいの5つの要素が含まれた地域包括ケアシ
ステムの構築は、認知症や要介護状態になったときでも安心して介護を受ける上で大変重
要であると考えております。そのため、新年度において新たな組織を庁内に整備し、必要
な予算を計上しながらシステム構築に向けた取り組みを進め、認知症対策を含む施策の充
実に努めてまいります。次に、川崎らしい都市型の地域居住の実現とは、介護が必要な方
も必要でない方も、全ての高齢者が住みなれた地域で安心して暮らせるよう都市機能が集
約されており、さまざまな地域資源が多くあるという川崎らしさを活用した第5期計画で
掲げた基本方針でございます。私は、ボランティア団体や老人クラブ、民生委員の方々な
どにより活発に行われている活動は、高齢者を支える地域資源として川崎の魅力を高める
かけがえのない財産であると考えておりますので、川崎を日本一幸せのあふれるまち、最
幸のまちにするために、次期計画におきましても、このような川崎らしさを活用した取り
組みを一層進めてまいりたいと考えております。
がん検診の受診率向上についての御質問でございますが、がん検診の受診率の目標達成
に向けましては、個別受診勧奨や新たな啓発物による広報が他都市においても受診率向上
に一定の成果を上げていることから、まずは当該手法を基本に実施し、その進捗状況を考
慮しながら、御提案をいただきましたワンコイン検診なども含め、他の手法についても、
受益者負担の適正化や費用対効果といった観点も踏まえ検討してまいりたいと考えており
ます。
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速報版
Wi-Fi化計画についての御質問でございますが、検討プロジェクトチームにつきまして
は、今年度内のできるだけ早い時期に立ち上げ、来年度中に具体的な取り組み内容を詰め
てまいります。また、本市公共施設におけるホットスポット化につきましては、本年11月
か ら 7 区 役 所 の 待 合 ロ ビ ー 等 に 1 カ 所 ず つ W i-F iア ク セ ス ポ イ ン ト の 設 置 を 行 っ て い る
ところでございます。その他の施設につきましても、今回の導入効果やプロジェクトチー
ムの検討結果を踏まえ、対応してまいりたいと考えております。
環境政策についての御質問でございますが、ごみ収集処理は、市民の皆様が安全で快適
な日常生活を送る上で不可欠な事業です。まずは現在の執行体制をしっかりと点検精査し、
収集部門、処理部門、それぞれの中で改革効果の高い業務について民間活力の導入を図る
ことを基本としてまいります。災害等、非常時における対応、サービスの質を維持するモ
ニタリング機能の確保、さらには担い手となる民間部門の状況等を総合的に勘案した上で、
着実に取り組みを進めてまいります。以上でございます。
○副議長
○55番
飯塚正良
後藤晶一
後藤議員。
それでは、再度また質問をさせていただきます。行財政改革について
ですが、減債基金の借り入れについては、5年間の財政フレームに基づき、平成26年度予
算までに行財政改革を進め、結果として収支均衡を図るとしていました。今後も健全な財
政運営を図るべきと考えますが、市長の決意を伺います。
再度市長に伺います。習熟度別クラスですが、答弁では、教育委員会と議論していくと
のことですが、教育改革は市長の目玉施策の一つです。市民最優先の市政を掲げる市長と
して、具体的な習熟度別クラスの内容と実現のためのスケジュールを示すべきと考えます
が、再度伺います。以上です。
○副議長
○市長
飯塚正良
福田紀彦
市長。
まず、再々質問の行財政改革についての御質問でございますが、減債
基金からの借り入れにつきましては、厳しい財政環境の中における臨時的な手法として計
上してまいりました。これを解消し、減債基金の借り入れに依存しない持続可能な財政構
造を構築することは大変重要なことと認識しており、今後とも行財政改革の取り組みを進
めてまいりたいと考えております。平成26年度の予算については、こうした財政健全化に
向けた取り組みを着実に推進する一方で、社会経済環境の変化に伴う行政需要に的確に対
応していく必要がございます。減債基金からの借り入れも含めた財源対策については、市
民生活を第一に考えた予算編成を進める中で、行政需要の動向や財源確保の状況を踏まえ
て、最終的には私が判断してまいりたいと存じます。
さらに、習熟度別クラスについての御質問でございますが、子どもの学力を向上させ、
理解度、有用感、好感度を高め、自己肯定感を持った子どもを育むことは誰もが願ってい
ることだと思います。私は、習熟度別クラスの考え方を導入することは、より多くの子ど
もたちにとって授業がわかると感じられるようにするために有効であると考えております
ので、今後、学校現場を訪問し、子どもたちの学習状況を視察したり教員の意見を聞くこ
とを通じて、教員委員会と議論をしていきたいと考えております。以上でございます。
○副議長
○55番
飯塚正良
後藤晶一
後藤議員。
それぞれ御答弁をいただきました。市政への考え方ですが、きょう代
表質問で初めて議論をさせていただきましたが、市長の施策は市政へのビジョンが抽象的
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であり、財源確保策と実現までの道筋が明確に示されていません。市民のための市民最優
先の施策としては極めて不十分と指摘せざるを得ません。これからもさらに議論をさせて
いただくことを表明し、私の質問を終わります。以上です。
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○副議長
飯塚正良
お諮りいたします。本日はこの程度にとどめ延会することとし、次
回の本会議は明日11日の午前10時より再開し、本日に引き続き代表質問等を行いたいと思
いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長
飯塚正良
御異議ないものと認めます。よって、そのように決定いたしました。
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○副議長
飯塚正良
本日はこれをもちまして延会いたします。
午後4時22分延会
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