ハイドロコート・フォーリーカテーテルⅡ

**2014年 6月16日(第4版)
*2009年 7月 1日(第3版)
HY
認証番号:20900BZY00070000
機械器具 51 医療用嘴管及び体液誘導管
管理医療機器 短期的使用泌尿器用フォーリーカテーテル
34917002
ハイドロコート・フォーリーカテーテルⅡ
再使用禁止
【警告】
1.適用対象(患者)
意識障害等の患者[無意識に自己抜去すると膀胱・尿道粘膜の損
傷及びカテーテルの切断を引き起こし、カテーテルの一部が膀胱
内に残存する可能性がある。]
2.使用方法
1)バルーンを収縮させてカテーテルを抜去することが困難な場
合は、「重大な不具合の事項」の手順に従って、泌尿器科医師
等の指導の下で対処すること。
2)スタイレットを用いて挿入する際には、スタイレットがカテー
テルの先端まで達していることを確認した後、カテーテルやス
タイレットを引き戻さずに挿入すること。[スタイレットが側
孔から飛び出し、尿道粘膜を損傷する可能性がある。]
3)バルーン拡張時に異常な抵抗を感じたときは、バルーンの拡張
操作を速やかに停止しカテーテルを抜去すること。[尿道中で
のバルーン拡張が想定される。その状態で拡張すると尿道粘膜
を損傷したり、バルーンを収縮できなくなる可能性がある。
]
4)挿入または抜去する際は、バルーン内の滅菌水を完全に抜いた
後に行うこと。抜去する際に異常な抵抗を感じたときは、無理
に引き抜かないこと。[バルーン内に滅菌水が残ったまま操作
を行うと、尿道損傷やバルーン破裂の原因となる。]
【形状・構造及び原理等】
●材質
本 体:天然ゴムラテックス、親水性コーティング
付属品(付属しない製品もある)
・潤滑剤(20%グリセリン)
・スタイレット(小児用のみ)
・尿バッグ
・バルーン膨張用滅菌水入りシリンジ
<2腔>
バルーンファネル
ファネル
<3腔>
バルーンファネル
ファネル
【禁忌・禁止】
1.適用対象(次の患者には使用しないこと)
1)過去に「天然ゴム」に対してアナフィラキシー様症状の既往歴
のある患者
2)尿道を破損している患者[尿道外留置の危険性がある。]
3)尿路感染や化膿性前立腺炎を有している患者[炎症が増悪する
危険性がある。]
2.使用方法
1)再使用禁止
2)バルーン部及びシャフト部分を鉗子やピンセット等で挟まな
いこと。
[カテーテルが傷付き、切断やバルーンが破裂する可能
性がある。またインフレーションルーメンが閉塞してバルーン
を収縮できなくなる可能性がある。]
【併用禁忌】
1.オリーブ油、白色ワセリン等の動物性油脂、植物性油脂、鉱物性
油脂を含んだ潤滑剤、造影剤もしくは薬剤(軟膏剤等)を使用し
ないこと。[バルーンが破裂する可能性がある。] また日本薬局
方グリセリン(84~87%)等は使用しないこと。[易滑性が損なわれ
る可能性がある。]
2.バルーンを拡張させる際には、滅菌水以外は使用しないこと。[造
影剤を使用した場合、バルーンが破裂する可能性がある。生理食
塩液を使用した場合、結晶化しインフレーションルーメン(流路)
が閉塞してバルーンを収縮できなくなる可能性がある。空気を使
用した場合、空気が抜けてバルーンが収縮しカテーテルが抜ける
可能性がある。]
洗浄ファネル
<尿バッグ付き>
吊りバンド
輪ゴム
導尿チューブ
フィルタ
排尿チューブ
クランプ
サンプルポート
<バルーン膨張用滅菌水入りシリンジ>
カテーテルのタイプ(カタログ No.)
小児用(HY205~)
2
腔
成人用(HY210~)
成人用(HY230~)
3
腔
1/4
安全ピン
成人用(HY310~)
成人用(HY330~)
サイズ(mm)
2.7~3.3
(8~10Fr)
4.0~10.0
(12~30Fr)
4.0~10.0
(12~30Fr)
5.3~8.7
(16~26Fr)
5.3~8.7
(16~26Fr)
バルーン容量(mL)
スタイレット
3
有
10
無
30
無
10
無
30
無
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3)カテーテル挿入時に異常な抵抗を感じたときは、無理に挿入操
作を行わず、カテーテルを抜去し、挿入できなかった原因を確
認すること。
4)バルーンを拡張させる際に、バルーン容量以上の滅菌水を注入
しないこと。[バルーンが破裂したり収縮できなくなる可能性
がある。] バルーン容量は、本品、個包装の表示を確認のこ
と。
5)包装が破損・汚損している場合や製品に破損等の異常が認めら
れる場合は使用しないこと。また、再滅菌しないこと。
6)包装を開封した後すぐに使用し、使用後は医療廃棄物として適
切に処分すること。
7)カテーテルに直接針を刺して採尿をしないこと。[カテーテル
の損傷や、尿路感染の原因になる可能性がある。]
8)カテーテルの固定方法には注意すること。[体動等でカテーテ
ルがねじれたり、折れ曲がることで閉塞する可能性がある。
]
9)排尿を確認できない場合は、カテーテルが閉塞していないこと
を確認すること。
3.不具合・有害事象
●重大な不具合
バルーンを収縮させてカテーテルを抜去することが困難な場合
(以下「抜去不能」と言う)は以下の手順に従って泌尿器科医師
等の指導の下で対処すること。
抜去不能時の処置には以下の2通りの方法がある。
(1)バルーンを破裂させないで滅菌水を抜く非破裂法
(2)バルーンを破裂させる破裂法
【使用目的、効能又は効果】
本品は、経尿道的に膀胱に留置するカテーテルで、導尿,圧迫止
血及び/又は膀胱洗浄用に用いる。
【品目仕様等】
引張り強度:成人用:10N、小児用:7.5N
【操作方法又は使用方法等】
本品の使用は 1 回限りで、再使用できない。また、本品の留置期
間は 30 日以内である。
Ⅰ.尿バッグを付属しないタイプの場合
1.汚染に十分注意して包装を開封し、破損等の異常がないことを確
認する。
2.カテーテルの先端部に付属の潤滑剤を塗布する。
3.尿道口を消毒し、カテーテルを挿入する。バルーン部が膀胱内に
達した後滅菌水入りのシリンジをバルブに接続し、バルーン容量
の滅菌水をゆっくり注入してバルーンを拡張する。なお、小児用
に装着されているスタイレットは、挿入後カテーテルから抜去す
る。
4.カテーテルを軽く引き、バルーンが膀胱頸部で止まることを確認
する。
5.カテーテルを抜去する際は、シリンジをバルブに接続し、無理な
吸引操作(陰圧がかかる操作)は行わずにバルーン内の滅菌水を
完全に抜いた後、ゆっくり抜去する。
Ⅱ.尿バッグを付属するタイプの場合
1.汚染に十分注意して包装を開封し、破損等の異常がないことを確
認する。
2.使用の前に尿バッグの排尿チューブのクランプを確実に閉じ、排
尿チューブホルダに収納する。
3.カテーテルの先端部に付属の潤滑剤を塗布する。
4.尿道口を消毒し、カテーテルを挿入する。バルーン部が膀胱内に
達した後付属の滅菌水入りシリンジをバルブに接続し、バルーン
容量の滅菌水をゆっくり注入してバルーンを拡張する。なお、小
児用に装着されているスタイレットは、挿入後カテーテルから抜
去する。
5.カテーテルを軽く引き、バルーンが膀胱頸部で止まることを確認
する。
6.カテーテルを正しい位置に固定した後、尿バッグを吊りバンドを
用いてベッドサイドに吊り下げる。
7.付属の安全ピンと輪ゴムを用いて、導尿チューブが折れないよう
にベッドに固定する。
8.サンプルポートより新鮮尿の採取ができる。
9.排尿時には、排尿チューブのクランプを開放する。
10.カテーテルを抜去する際は、シリンジをバルブに接続し、無理
な吸引操作(陰圧がかかる操作)は行わずにバルーン内の滅菌水
を完全に抜いた後、ゆっくり抜去する。
注)バルーン破裂法では、破裂後バルーンの破片がカテーテルから
分離し膀胱内に残る可能性が高いので、最初にバルーン非破裂
法を試みること。
【使用上の注意】
1.使用注意
1)天然ゴムは、かゆみ、発赤、蕁麻疹、むくみ、発熱、呼吸困難、
喘息様症状、血圧低下、ショックなどのアレルギー性症状をま
れに起こすことがある。このような症状を起こした場合には、
直ちに使用を中止し、医師による適切な措置を施すこと。
2)二分脊椎症患者等の天然ゴムと接触する機会の多い人は、天然
ゴムアレルギー発症のハイリスクグループと考えられる為、使
用に際して注意すること。
3)尿石灰分の多い患者に使用する際には注意すること。[バルー
ン外表面に石灰分が付着し、抜去困難やカテーテル閉塞が起こ
る可能性がある。]
4)膀胱内に結石がある患者に使用する際には注意すること。[バ
ルーン表面と接触することにより、バルーンが破裂する恐れが
ある。]
2.重要な基本的注意
1)使用目的以外には使用しないこと。
2)表示されている量の滅菌水を使用前にバルーンに注入し、バル
ーンの片膨れ、膨張不能、漏れ等の有無を確認すること。確認
後はバルーンを収縮させること。
3.カテーテルのバルーンファネル部分を切断し滅菌水の排出をは
かる。
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<バルーン非破裂法>
1.バルーン内の滅菌水が抜けにくい場合でも、シリンジによるむり
な吸引操作(陰圧がかかる操作)は行わず、内筒(プランジャー)
を抜き取ったシリンジを再度装着することにより、バルーンの自
然収縮力を利用し収縮させるためしばらく放置する。
2.インフレーションルーメン(流路)に滅菌水を追加注入し、ゆる
やかにポンピングを行う。
(シリンジ容量によりポンピング効果
が違う場合があるので、10mL、25mL、50mL 等の何種類かのシリン
ジを用意する。)
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4.カテーテルの体外に出ている部分を切断する。
(但し、断端を尿
道内に押し込まないようにコッフェル等で固定して処置を行う
こと。
)
場合によっては、インフレーションルーメン(流路)に合う径の
留置針を差し込み、再度ゆるやかにポンピングを試みる。
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*2.有効期間
外箱に記載[自己認証による]
*【包装】
10本入り/箱、5本入り/箱、12セット/箱
**【主要文献及び文献請求先】
1.主要文献
1)Eickenberg,H.U.,etc:Non-Deflating Foley Catheter.int.
Urol.Nephrol,8:171,1976
2)友吉唯夫:導尿と留置カテーテルの管理、総合臨床、20:982,1971
3)石部知行:バルーンカテーテル内容液吸引不能時の処置、日本医
事新報、2847:135,1978
4)Sawada,Y.,etc.,Use of toluene in obstruction of urinary
catheters.Critical.Care.Med.10(1):55-56,1982
5)Pearman,R.O.:Balloon Catheter which will not deflate : Simple
method of puncturing balloon. J.Uro.84:438,1960
6)Ozar,M.B:前立腺内仮性尿道に嵌頓したバルーンカテーテルの抜
去、臨泌,24:798,1970,Urological Letter(101)
7)Dees,J.E.:The Undeflatable Foley Catheter :Another technic
for removal.South.Med.J.65:236,1972
8)兼松稔、他:バルーンカテーテル抜去不能の際の対策に関する検
討、臨泌、36(4):349-354,1982
9)Melissa D.Reigle : When a Foley catheter won’t deflate.
CONTEMPORARY UROLOGY,April 1-4 1996
10)S.ALIKHAN,Emergency Management of the Nondeflating Foley
Catheter Balloon.Am J Emerg Med 1991 : 9 : 260-263
11)I.Gulmez,Management of Undeflatable Foley Catheter Balloons
in Women.Int Urogynecol J 1997,8:81-84
5.インフレーションルーメン(流路)から細い鋼線(IVH カテーテ
ルや尿管カテーテルのマンドリン等)を挿入し滅菌水の排出をは
かる。
注)仮に、バルーン非破裂法でカテーテルがすぐに抜けない場合で
も、患者の状態や尿の流出に問題がなければ、泌尿器科医師等
の判断により、無菌管理下で数時間~1両日程度経過後に再度
非破裂法を試みることもできる。
[抜去不能の原因であるイン
フレメーションルーメン(流路)の潰れが強い場合は、ある程
度時間を置くことにより潰れた部分が回復し抜去できる場合
がある。]
<バルーン破裂法>
1.あらかじめ膀胱内に 45℃ぐらいの微温湯(生理食塩液)を 100~
200mL 注入する。次いで、バルーンに大量の滅菌水、またはエー
テル等の気化しやすい液体(成人の場合 1.0~1.5mL が目安)、ま
たは、マイルドなゴム溶剤である鉱物油(成人の場合 10~15mL
が目安)をゆっくりと注入しバルーンを破裂させる。
バルーン破裂後は膀胱内を十分に洗浄する。[薬剤による炎症を
防ぐため。]
**2.文献請求先
東レ・メディカル株式会社
医療用具事業部門 マーケティング室
東京都中央区日本橋本町2-4-1
03-6262-3822
2.透視下で膀胱内に造影剤を注入後、バルーンの位置を確認し、穿
刺、破裂させる。
**【製造販売業者及び製造業者の氏名又は名称及び住所等】
**製造販売元:東レ・メディカル株式会社
東京都中央区日本橋本町2-4-1
03-6262-3833
外国製造元: ウノメディカル エスディーエヌ.ビーエイチデ
ィー.
Unomedical Sdn.Bhd.(マレーシア)
**連絡先
東レ・メディカル株式会社
医療用具事業部門 マーケティング室
東京都中央区日本橋本町2-4-1
03-6262-3822
3.男性の場合、超音波ガイド下でバルーンの位置を確認しながら会
陰部(あるいは恥骨上)
、もしくは直腸より長針で穿刺、破裂さ
せることも可能である。
4.女性の場合、長針を尿道に沿って挿入しバルーンを破裂させるこ
とも可能である。
注)バルーン破裂法の場合、バルーンより破片が分離していないか、
内視鏡で十分に観察し、状況によっては破片の回収を行うこと。
*【貯蔵・保管方法及び使用期間等】
1.貯蔵・保管方法
1)水ぬれに注意し、直射日光及び高温多湿を避け保管すること。
2)蛍光灯下やオゾンを発生する器械の周辺等に保管しないこと。
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