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情報通信審議会 情報通信技術分科会(第121回)
日
場
議
1
開
2
議
事
次
時:平成28年9月12日(月)
14:00~
所:第1特別会議室(8階)
第
会
題
報告事項
(1)「放送システムに関する技術的条件」のうち「衛星放送用受信設備に
関する技術的条件」の検討開始について
【平成18年9月28日付け諮問第2023号】
(2)「ITS無線システムの技術的条件」のうち「700MHz帯高度道路交通
システムの高度化に関する技術的条件」の検討開始について
【平成21年7月28日付け諮問第2029号】
(3)平成29年度ICT関係予算要求について
(4)通信・リモートセンシング衛星の現状と動向について
3
閉
会
<
配
付
資
料
>
資料121-1
「放送システムに関する技術的条件」のうち「衛星放送用
受信設備に関する技術的条件」の検討開始について
資料121-2
「ITS無線システムの技術的条件」のうち
「700MHz帯高度道路交通システムの高度化に関する技術的
条件」の検討開始について
資料121-3
平成29年度ICT関係予算要求について
資料121-4
通信・リモートセンシング衛星の現状と動向について
傍聴席
シ
ス
テ
ム
推
進
室
長
中
村
新
世
代
移
動
通
信
移
動
通
信
課 杉
長 野
電
波
政
策
課 田
長 原
電
波
部 渡
長 辺
総
合
通
信
基
盤
局 富
長 永
相
田
委
員
石
戸
委
員
近
藤
委
員
三
瓶
委
員
知
野
委
員
情報通信技術分科会(第121回) 座席表
速記
伊東
分科会長
日時: 平成28年9月12日(月) 14:00~
鈴木
分科会長代理
場所: 総務省第1特別会議室(8階)
中村
管理室長
放 久
送 恒
技
術
課
長
操作卓
宇 新
宙 田
通
信
政
策
課
長
技 野
術 崎
政
策
課
長
官 武
房 田
総
括
審
議
官
専 浜
門 口
委
員
専 伊
門 丹
委
員
関
係
者
関
係
者
森
川
委
員
水
嶋
委
員
根
本
委
員
事務局
関
係
者
関
係
者
関
係
者
関
係
者
ネ
ネ
ネ
ネ
ネ
ト
業
者
ト
業
者
ト
業
者
ト
業
者
ト
業
者
ッ
関
係
者
ッ
関
係
者
ッ
関
係
者
ッ
出入口
関
係
者
ッ
宮
本
審
理
官
資料 121-1
「放送システムに関する技術的条件」のうち
「衛星放送用受信設備に関する技術的条件」の検討開始について
1.検討の背景
衛星放送は、放送衛星より送信された 12GHz 帯の電波を各建物に設置されているアンテ
ナで受信し、LNB(Low Noise Block)により同軸ケーブルによる伝送に適した中間周波数帯
(BS・CS-IF)に変換・増幅した後、集合住宅や宅内での配信による損失を補うために再
度ブースタにより増幅され、適宜分配器により分配されることで、各戸や宅内の各部屋の
テレビ用壁面端子まで同軸ケーブルにより伝送されている。
これに関し、アンテナからテレビ用壁面端子までの間に存在する同軸ケーブルや分配器
の接続箇所等から衛星放送用受信設備の中間周波数帯の電波が漏洩し、重複する周波数を
用いる無線システムへの有害な干渉を生ずる例が報告されているが、現状では当該受信設
備からの漏洩電波のレベルについては、国の技術基準が存在していない。
従来の衛星放送の中間周波数帯は約 1~2GHz 帯であったが、2018 年から始まる衛星に
よる4K・8K実用放送(左旋円偏波を利用)の中間周波数帯は約 2.2~3.2GHz となり、
その漏洩により同一周波数帯で既にサービスを実施している他の無線システムとの共用
における懸念が指摘されている。
加えて、電波利用の高度化、IoT の進展等に伴い携帯電話等の無線システムの利用が急
増することが想定されるところ、衛星放送用受信設備のように多数設置、常時運用されて
いるシステムからの漏洩・雑音は、その進展の阻害要因となる可能性もある。
他方国際的には、欧州宇宙機関(ESA)が運用する地球観測衛星 SMOS(Soil Moisture and
Ocean Salinity)が、衛星放送の中間周波数帯と重複のある周波数帯において地球観測(受
動業務)を行っているところ、日本上空において継続的に雑音の影響を受けている旨の報
告が同機関よりなされている。すでに雑音の主たる原因として衛星放送用受信設備からの
電波漏洩が指摘されており、国際対応の面でも速やかに当該雑音の発生を抑止するための
対策を調査検討する必要がある。
・対象周波数帯
1032.23~3223.25MHz(衛星放送の中間周波数帯域)とする。
・被干渉・与干渉システムの範囲
上記対象周波数に掲げる周波数帯及び近接する無線システム等を被干渉・与干渉として
調査を行うこととする。
2.検討内容
平成 18 年9月 28 日付け諮問第 2023 号「放送システムに関する技術的条件」のうち「衛
星放送用受信設備に関する技術的条件」
1
3.検討体制
放送システム委員会(主査:伊丹 誠 東京理科大学基礎工学部教授)において検討を行
う。
4.一部答申を予定する時期
平成 29 年5月頃に最初の一部答申を予定。その後順次共用検討を実施。
2
我が国で市販されている衛星放送受信機は、取り扱い
を容易にするため、アンテナで受けた電波(12GHz帯)を、
低い周波数(中間周波数(IF)~2GHz帯)に変換し宅内に
引き込む。
この中間周波数が外部に漏洩することにより、携帯等の
システムに混信を与える事例が発生している。
中間周波数漏洩問題
衛星放送用受信設備からの電波漏洩を抑止
し、他のサービスとの共用を促進する技術的条
件について検討する必要
新たに始まる衛星4K・8K実用放送(左旋円
偏波を利用)により中間周波数帯が拡張
(約1~2GHz → 約1~3.2GHz)
携帯電話や欧州宇宙機関(ESA)が運用する
地球観測衛星SMOS(Soil Moisture and Ocean
Salinity)の地球観測への混信の発生
中間周波数の漏洩の主な事例
・古いブースターや直付けパッシブ機器の使用
・不適切な施工(いわゆる「手ひねり」など)
衛星放送用受信設備における中間周波数と重複する周波数を利用したサービスとの共用のた
め、技術的条件について検討を開始。
衛星放送用受信設備に関する技術的条件の検討について
1
JAXAほか衛星
2.25
4
2.3
6
2.7
ND25
2.75
ND1
空港監視レーダー(ASR)
2.8
ND3
ND5
110度CS左旋(中間周波数)
ルーラル
2.2
2
BS左旋(中間周波数)
2.85
ND7
FPU
2.35
8
2.9
2.95
ND11
ISMバンド
12
位置/距離測定用レーダー(実用局なし)
ND9
2.4
アマチュア
10
3.0
ND13
16
2.5
N-STAR↓
2.55
BWA(WCP)
18
地域BWA
20
2.6
BWA(UQ)
22
2
3.05
ND17
3.1
ND19
3.2
ND23
速度測定用レーダー(実用局なし)
3.15
ND21
3.25
※矢印のチャンネルは2018年からの実用放送で使用予定
船舶レーダー
ND15
※矢印のチャンネルは2018年からの実用放送で使用予定
小電力データ伝送システム
2.45
14
BS・110度CS左旋の中間周波数と同帯域の無線システム
1.05
1.1
5
航空無線航行(DME/TACAN等)
3
インマルサット↓
GPS,QZSS(L1)
1.55
ND26
(検討中)
イリジウム↑
1.6
ND2
1.15
気象衛星↓
1.7
GPS(L5)
ND6
7
ラジオゾンデ
電波天文
インマルサット↑
1.65
ND4
110度CS右旋(中間周波数)
1
BS右旋(中間周波数)
ND8
ND10
携帯電話↑
1.75
11
GPS(L2)
(特定小電力無線局等)
データ伝送用
1.2
9
FPU
1.25
1.8
ND12
画像伝送
13
17
デジタルコードレス電話
PHS
1.9
ウインド
プロファイラ
1.35
ND16
国土交通省
ARSR/SSR
携帯電話↓
1.85
ND14
アマチュア
1.3
15
携帯電話↑
1.95
ND20
発射禁止帯
電波天文
1.4
21
2.0
ND22
携帯電話↑
1.45
1.5
3
衛星バンド
2.05
ND24
携帯電話↓
ルーラル無線
23
※ND26については今後使用を検討
ND18
19
BS・110度CS右旋の中間周波数と同帯域の無線システム
アドホック
アドホック
※ 共用検討するシステム毎にアドホックグループを設置する予定
アドホック
衛星放送用受信設備作業班
放送システム委員会
技術分科会
検討体制
4
アドホック
グループ会合
衛星放送用
受信設備作業班
情通審
放送システム
委員会
情報通信審議会
技術分科会
◆
提案募集
◆
◆
9月
・検討事項・進め方
・意見募集の結果
◆
◆
5月
・委員会報告
取りまとめ
パブコメ
◆
4月
・作業班報告
◆
5月
・一部答申
予定
◆
◆
◆
3月
4月
・アドホック ・報告とりまとめ
報告
(共用対象のシステム毎に設置し、適宜開催)
◆
10月
・システムの特定
・アドホックの設置
9月9日
・検討事項・進め方、作業班設置 等
◆
9月12日
・検討開始の報告
今後の検討スケジュール
5
ESAレポート“Analysis of the impact of BSAT-3C emissions into the RF interference detected by SMOS
satellite over Japan“より、雑音の主たる原因として衛星放送用受信設備からの電波漏洩が指摘された。
(参考)ESAレポートより抜粋
6
電波政策2020懇談会 制度ワーキンググループ報告書 概要より(2018年6月公表)
(参考)電波政策2020懇談会における議論
7
8
放送関連の使途として提言された「4K・8Kテレビジョン放送高度化に向けた研究開発・実証」、「4K・8K普及促進等のための衛
星放送受信環境整備に関する支援等」、「地上デジタル放送への円滑な移行のための環境整備」、「民放ラジオ難聴対策支援」
はいずれも電波利用共益事務として妥当と考えます。
【(一社)日本民間放送連盟】】ほか民放9社
新たな周波数帯を利用する4K・8K衛星放送の普及・展開に向けて、受信環境整備のための調査研究、周知啓発活動、干渉
対策を国が支援することは適切と考えます。特にBS/CS-IF干渉対策の規模を早期に把握し、効率的な支援策の早期展開を図
ることで4K・8K実用放送の普及促進に資することを期待します。
【日本放送協会】
4K・8Kの受信設備が普及期に入る前に、電波漏洩を防止するための規格を定めることは大変重要であります。
技術的な規格の策定に加えて、受信設備の適切な施工を担保できる仕組みや漏洩電波を監視する仕組みの構築も合わせて
検討して頂くことを要望致します。
【スカパーJSAT(株)】
4K・8Kロードマップに関するフォローアップ会合の第二次中間報告(平成27年7月)に描かれた『多様な実用放送の実現を目
指す』の実現には、基幹放送事業者の左旋への参入促進と併せて、左旋の受信環境の整備による左旋の利用促進が欠かせま
せん。現行の衛星放送と同じ周波数帯の中での左旋の活用によって電波の有効利用を図るという考え方を踏まえて、本報告書
(案)では、次期における電波利用料の使途のひとつに、4K・8K普及促進等のための衛星放送受信環境整備に関する支援等
(BS/CS-IF干渉対策)が挙げられていることは、左旋の利用促進に資するものであり、時宜を得た有意義な施策であると考え
ます。
左旋受信設備が新たに設置される設備であることから、左旋による放送開始当初からの「適切な機器や施工による4K・8Kの
受信環境の整備」に向けた取り組みが、より重要となります。左旋の受信環境の整備に向けた国の積極的な役割を期待する立
場から、「受信環境整備のための調査研究」、「受信環境整備のための周知啓発活動」、「受信環境整備に対する支援」等による
支援の早期実現・実施を強く要望します。
【(株)放送衛星システム】
(参考)電波政策2020懇談会報告書にいただいたご意見①
9
【(株)NTTドコモ】
・ BS/CS-IF干渉対策に次期電波利用料を活用することは、電波の有効利用を促進するために適切であると
考えます。
・ 本施策によりBS/CS-IF漏洩による干渉被害が縮小され、電波の有効利用が促進されることを期待します。
4K・8K普及促進等のための衛星放送受信環境整備に関する支援等(BS/CS-IF 干渉対策) 放送受信設備
と携帯電話等との混信や妨害への対処等を行うことは電波の適正な利用を確保する上で必要不可欠なもの
であることから、次期の電波利用料を用いて以下の活動・支援等を行うとの報告書案に賛同します。
- 受信環境整備のための調査研究
- 受信環境整備のための周知啓発活動
- 受信環境整備に対する支援
また、本案件に関しては、通信と放送の事業の領域を跨いで影響が発生していること、また、電波の発射を
目的としない受信設備の問題でもあること等から、民間事業者のみで出来る対策には限りがあります。従って、
行政の対応として、責任部署を明確にして問題の解決を図る取り組みを行っていただくことが必要です。
なお、報告書の留意点に記載されているとおり、干渉対策の支援にあたっては、費用対効果の高い実施手
法の調査等を十分に行うことが必要です。
【ソフトバンク(株)】
(参考)電波政策2020懇談会報告書にいただいたご意見②
資料 121-2
「700MHz帯高度道路交通システムの高度化に係る技術的条件」
の検討開始について
1
検討の背景
700MHz帯高度道路交通システムは、路車間サービスを提供する基地局と、路車間サービ
ス及び車車間サービスを利用する車載器で構成され、同システムの搭載車については、昨
年(平成27年)10月に市販が開始されたところである。
同システムにより交通事故の抑止を促すためには、車載器のみならず路側機も含めて同
システムの普及を促進するとともに、安全運転支援に係るサービスの多様化を図ることが
必要とされている。また、近年、自動走行に関する研究開発等の進展に伴い、様々な道路
交通情報の適時取得に対するニーズも高まりつつある。
このような状況の中、同システムを高度化し、道路交通情報の広域提供や強靱なITSイン
フラの構築を可能とするため、路路間通信の導入について検討を行い、既存無線局への影
響等を考慮しつつ、必要な技術的条件の策定を行うものである。
2
検討内容
平成 21 年7月 28 日付諮問第 2029 号「ITS 無線システムの技術的条件」のうち「700MHz
帯高度道路交通システムの高度化に関する技術的条件」
3
検討体制
陸上無線通信委員会(主査:安藤 真 東京工業大学 理事・副学長 産学連携推進本部長)
において検討を行う。
4
答申を予定する時期
平成 29 年2月頃
1
700MHz帯高度道路交通システムの高度化について
2
背景
●700MHz帯高度道路交通システムは、路車間サービスを提供する基地局と、路車間サービス及び車車間サービスを
利用する車載器(免許を要しない無線局)で構成され、平成23年に制度化。昨年9月に国際標準化(ITU‐R勧告M.2084)。
●同システムの搭載車は、昨年10月より市販開始。
●自動走行に関する研究開発等の進展に伴い、様々な道路交通情報の適時取得に対するニーズが高まりつつある。
●基地局間通信(路路間通信)の導入による路車間サービスのさらなる高度化、ITS(高度道路交通システム)インフラの
強靱化に向けた、電波利用に係る環境整備について、技術的検討が必要。
主な技術的条件の改定
●路路間通信の導入
既存のサービスに有害な影響を与えない範囲内で基地
局相互間を接続する路路間通信を認めることにより、
①緊急車両接近情報の広域提供
②信号情報の広域提供
③ITSインフラの強靱化 を実現
具体的検討課題等
●具体的検討事項
-路路間通信において使用される無線システムの
技術的条件
-路車間通信サービス、車車間通信サービスとの
周波数共用条件
●今後の予定
2017年2月頃 報告書とりまとめ
2017年2月頃 情通審技術分科会一部答申
3
(参考)700MHz帯高度道路交通システムの割当状況等について
割当状況
760MHzを中心とする
1波(755.5~764.5MHzの9MHz幅)を割当
(路車間通信と車車間通信で共用中)
路車間通信で利用できる通信
リソース(スロット)の一部を
路路間通信でも活用したいと
いうニーズあり
現状の共用(路車間通信と車車間通信)方法
制御周期 100ms
最大
3.024ms
1
0ms
2
3
6.24ms
12.48ms
4
18.72ms
5
6
7
24.96ms
31.2ms
37.44ms
8
43.68ms
9
49.92ms
10
56.16ms
11
62.4ms
12
68.64ms
13
74.88ms
14
81.12ms
15
87.36ms
16
93.6ms
100ms
●100msを1つの制御周期単位として、その中で路車間通信に利用できる時間帯をスロットとして予め定義している。
-6.24msおきに16個のスロットを定義(1スロットあたり最大3.024ms=連続送信可能時間)。
(最大3.024ms × 16スロット = 最大48.384ms → 最大48.384%の時間を路車間通信に利用可能)
●路車間通信で個々の基地局は、任意の100ms中最大10.5msまでしか使用できない(最大3.47スロット)。
●車車間通信は、CSMA/CA※方式により、電波の空いているときに行うことができる。個々の車載器は任意の100ms
中最大0.66msまで使用可能。(連続送信可能時間:最大0.33ms)
車車間メッセージサイズ:最大100Byte
-基地局過密エリアでも、全体の50%以上の時間を車車間通信に利用可能
路車間メッセージサイズ:最大7kByte
-基地局が全く無いエリアでは、全ての時間を車車間通信に利用可能
※CSMA/CA: Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidanceキャリアセンスによる衝突回避機能
(参考)700MHz帯高度道路交通システムのサービス(ITS Connect)
4
2015年10月、トヨタ自動車が760MHzを利用した車車間通信システム及び路車間通信システムに
対応した車の販売を開始。ITS専用周波数を利用した車車間、路車間通信の実用化は世界初。
ITS Connectとは?
【路車間通信システム】
ITS(高度道路交通システム)専用周波数(760MHz)を利用
した車と車、車と路側インフラ設備をつなぐ無線システム。
様々な情報提供等により安全で円滑な運転を支援。
対応車では、ディスプレイ表示や音声を通じて、運転者に
対する注意喚起・情報提供等を実施。
赤信号注意喚起
赤信号(本システム対応信
号)の交差点に近づいてもアク
セルペダルを踏み続けるなど、
ドライバーが赤信号を見落とし
ている可能性がある場合に、注
意喚起
【車車間通信システム】
緊急車両存在通知
信号待ち発進準備案内
緊急走行車(本システム対応
車両)が周辺にいる場合に、自
車に対するおよその方向・距離、
緊急車両の進行方向を表示
赤信号(本システム対応信
号)で停車したとき、赤信号の
待ち時間の目安を表示
右折時注意喚起
通信利用型レーダー
クルーズコントロール
先行車が本システム対応車
両の場合、先行車両の加減速
情報を用い、車間距離や速度
の変動を抑え、スムースな追従
走行を実現
交差点(本システム対応信
号)で右折待ち停車時に、対向
車線の直進車や、右折先に歩
行者がいるにもかかわらず、ド
ライバーが発進しようとするな
ど、見落としの可能性がある場
合に、注意喚起
(交差点に設置された車両検知機等の情報を取得して実現)
※本ページのイメージ図、説明などはトヨタ社ホームページに掲載されているものを再構成・簡素化等したもの
5
参考資料
ITSにおいて利用している周波数
ETC
(自動料金収受システム)
700MHz帯安全運転支援システム
6
車載レーダーシステム
24/26GHz帯UWBレーダー,
79GHz帯高分解能レーダー
車車間通信等により衝突を回避
1620
kHz
60/76GHz帯長距離レーダー
76~90
MHz
755.5~764.5
MHz
2.5GHz
5770~5850
MHz
22~29
GHz
60~61
GHz
76~77
GHz
78~81
GHz
(2) Simplified Graphic display type
kHz
GHz
VICS
(道路交通情報通信システム)
路側放送
(Highway radio)
(1) Text display type
(2) Simplified Graphic display type
(3) Map display type
狭域通信システム (DSRC・ITSスポット)
ICTを活用したITSの概要
7
狭域通信システム
道路交通情報
○ETC (2001年~)
有料道路等での自動料金収受システ
ム。(約7600万台:2016年8月末
○VICS (1996年~)
FM多重放送、電波ビーコン、
光ビーコンで情報配信。
(約5000万台:2016年3月末)
※ETC2.0、再セットアップ含む。)
ETC専用
○ITSスポット (2011年~)
高速道路上の事故多発地点の手前で
の注意喚起など、運転支援情報を提供。
プローブ情報
○携帯電話ネットワーク等
自動車メーカー等では、収集
したプローブ情報(各車両の位
置・ 速度情報等)を基に自社
の顧客向けの道路交通情報
の提供サービス等を実施。
前方車両等の自動検知
○車載レーダー(電波、超音波、赤外線)・カメラ
車両等を検知し、ドライバーへの注意喚起、車間
距離の維持、緊急時のブレーキなど運転支援。
安全運転支援システム
○車車間・歩車間通信等
位置・速度情報等をやりとりし、
出会い頭の衝突等を回避。
左右・後方の障害物の自動検知
○車載レーダー(電波、超音波)・カメラ
障害物の検知、ドライバーへの注意喚起等。
次世代ITS(高度道路交通システム)の実現イメージ
既に全国普及が進展
渋滞対策等に効果
渋滞情報の提供や料金決済など
個々のサービス提供
光ビーコン
電波ビーコン
近年、各自動車メーカー
が競って導入を推進
2020年までに世界一安全な
道路交通社会を実現
カメラやレーダーによる車載センサを
活用した高度な運転支援(自律型)
車車間通信、高分解能レーダー等を
複合的に組み合わせることによる
非常に高度な運転支援や自動走行
(自律型+協調型)
FM多重
ピピピッ
電波レーダー
カーナビ等を通じVICS情報
(渋滞、通行止め等)を表示
衝突被害軽減ブレーキ
VICS
安全運転支援システム
ピピピッ
ETC
8
白線検知
車線逸脱防止システム
自動走行システム
ITSスポット
運転支援の高度化
交通事故死者数の推移と対策
死者数
「交通戦争」
年間死者数
16,000人超
15,000
9
【バブル経済】
経済活動が活発化
→ 交通事故が再増加、
CO2による地球温暖化等
10,000
【高度成長期】
交通網の整備、
自動車の急速
 道路施設(歩道橋、
な普及
ガードレール、信号機
5,000 → 交通事故増、
等)の整備
大気汚染等
近年、減少ペース
が鈍化
車両の安全装備の
向上も貢献
 交通安全教育の徹底
 取り締まり強化
0
1960
1965
1970
1975
1980
1985
1990
1995
2000
2005
<2015年の交通事故発生状況>
 交通事故の発生件数 53万6,899件
 交通事故による死者数
4,117人 ・・・漫然運転、脇見運転、安全不確認が大きな事故要因
⇒ 近年減少傾向にはあるが、依然として厳しい状況。ITSによる安全確保が喫緊の課題。
2010 2015
年
 出会い頭や右折時の衝突事故 : 車両相互の死亡事故の約5割、重傷事故の約6割
⇒ 見通しの悪い交差点等の事故防止の取組が重要。また歩行者(特に高齢者)に関する対策も急務。
700MHz帯安全運転支援システムの概要
◆ 車車間・路車間通信のイメージ
車車間通信システム
物陰等でドライバーの死角となる
位置に存在する車両の情報等を提
供
路車間通信システム
信号情報、規制情報、歩行者情報など、ドライ
バーにとって死角となっている状況でも情報を
提供
システム概要
システムの特徴
車車間通信
車載器(陸上移動局)どうしが直接通信を行い、
周囲の車の情報(位置、速度等)を入手し、必要
に応じて安全運転支援を行う。
インフラ整備に係わらず不
特定の場所で利用可能。
路車間通信
路側機(基地局)と車載器の通信により、インフ 路側機設置箇所で確実に情
ラからの情報(信号情報、規制情報、歩行者情報 報提供が可能であり、事故
等)を入手し、必要に応じて安全運転支援を行う。 多発地点での効果が期待さ
れる。
10
自動運転の実用化を加速する79GHz帯レーダーへの周波数分配 11
2015年世界無線通信会議(WRC-15:11月2日~27日 於:ジュネーブ)において
自動車で利用されるレーダーを高性能化する周波数拡大について合意
・ レーダー用周波数の拡大により、自動車レーダーを高性能化(※)し、自動車の安全性向上への貢献や
自動運転の実用化を加速するものと期待。
※ 現在二十数cm程度の大きさのものを把握できるレーダーを7.5cm程度まで把握できる高性能化が期待
79GHz帯(77~81GHz)高分解能 レーダー
◆現在の76~81GHzにおける周波数国際分配(1次分配)
電波天文
制
動
無線標定
(レーダー)
警
報
警
報
制
動
アマチュア衛星・
アマチュア
特徴
・100m先の範囲まで、7.5cm程度のものを把握できるよう
高性能化し、歩行者等の把握が容易になることが期待
・広帯域を活かした高信頼性検知の向上
電波天文
無線標定
(レーダー)
制
動
警
報
直線道路での
オートバイ検出
76.0
76.0
交差点右左折時の
歩行者検出
路側機からの
歩行者等の検出
77.5 78.0
77.0
76GHz帯レーダー
拡大
79.0
追加割当された帯域
81.0 GHz
81.0 GHz
79GHz帯レーダー
割当周波数の拡大により、自動車の安全性向上への貢献や自動運転の実用化を加速
安全運転支援から自動走行への発展
12
「自動走行システム」等の定義(2016年5月 IT総合戦略本部「官民ITS構想・ロードマップ2016」を基に作成)
技術的
難度
レベル
完全自動走
行システム
レベル3
準自動走行
システム
レベル2
レベル1
-
(情報提供等)
安全運転支援
システム
概要
自動走行システム
レベル4
※1
システム
の区分
加速・操舵・制動を全てドライ
バー以外が行い、ドライバー
が全く関与しない状態
実現が見込まれる技術
(例)
市場化等
期待時期
完全自動走行システム
2025年目途※2
(非遠隔型)
無人自動走行移動
サービス(遠隔型等)
限定地域
2020年まで※3
自動パイロット
2020年目途※2
加速・操舵・制動のうち複数の
操作を一度にシステムが行う
状態
準自動パイロット
2020年まで※3
自動レーン変更
2017年
※ドライバー責任、監視義務あり
追従・追尾システム
市場化済
加速・操舵・制動のいずれか
の操作をシステムが行う状態
緊急自動ブレーキ
※システム責任
加速・操舵・制動を全てシステ
ムが行い、システムが要請した
ときのみドライバーが対応する
状態
※システム責任、監視義務なし(システ
ム要請前)
※ドライバー責任
運転者への注意喚起等
※ドライバー責任
赤信号注意喚起
右折時注意喚起
市場化済
(一部)
※1 車両内にドライバーは存在しないものの車両外(遠隔)にドライバーに相当する者が存在する「遠隔型自動走行システム」についてもレベル4に相当すると
見なし、今後、その位置付け・定義について検討、見直しを行う。
※2 民間企業による市場化が可能となるよう、政府が目指すべき努力目標の時期として設定。
※3 東京オリパラが開催される2020年までを目標に、高速道路における準自動パイロットや限定地域での無人自動走行サービ等の市場化等を目指す。
自動走行の実現に「電波」はどう役に立つのか
13
走行速度や交通環境等に応じ、さまざまな自動走行が想定される。
さまざまな走行状態
電波による「認知」
「判断」
「操作」
高速走行
【さまざまな“自動走行”(例)】
■高速道路において
・ 高速走行状態での自動走行
・ 低速走行状態での自動走行
・ 渋滞状況下での自動走行
・ 隊列走行
■一般道(混合交通)において
・ 市街地での自動走行(歩行者、自転
低速走行、渋滞
駐車
車 と共存)
車車間通信等による情報入手(イメージ)
■駐車場において
・ 自動駐車
■あらゆる状況下で
・ さまざまな走行状態に柔軟に対応
する汎用的な自動走行
自動走行車の基本的な仕組み
自動走行車は各種レーダー、カメラを数多く装備
レーダー情報
走行車線
先行車
カメラ情報
自車
周囲の状況を適切に把握
自動走行車は、地図情報と
周囲の情報を突き合わせて
走行方法を判断、操作
側壁
後方車
カメラ・レーダー情報
14
様々な状況に対応出来るよう
研究開発が進められている
※各自動車メーカーHPより抜粋
自動走行システムの実現に向けた発展シナリオ
競争領域
横断⾃転⾞
歩⾏者(夜間)
路外逸脱警報
⾃律型システム
⾞載センサーによる
衝突回避性能の向上
⾃動⾛⾏システム
ITS(⾞⾞間、路⾞間、歩⾞間
通信)による先読み情報の活⽤
協調領域
協調型システム
出会い頭事故防⽌
歩⾏者・出会い頭事故防⽌
※USDoT及びSIP資料より抜粋
15
「戦略的イノベーション創造プログラム」(SIP)
16
 内閣府の総合科学技術・イノベーション会議では、府省・分野の枠を超えた横断型のプログラム
として、「戦略的イノベーション創造プログラム」(SIP)を創設。
 ITS関係(自動走行システム)を含め、11課題を設定。内閣府はこれらの推進のため、昨年度か
ら予算に「科学技術イノベーション創造推進費」(500億円)を計上。このうち「自動走行システ
ム」には平成26年度は約25億円、同27年度は約23億円、同28年度は約26億円を配算。
<参考>実施体制
<参考>SIP課題一覧(11課題)
課題名
革新的燃焼技術
次世代パワーエレクトロニクス
革新的構造材料
エネルギーキャリア
次世代海洋資源調査技術
自動走行システム
インフラ維持管理・更新・マネジメント技術
レジリエントな防災・減災機能の強化
次世代農林水産業創造技術
革新的設計生産技術
重要インフラ等におけるサイバーセキュリティの確保
交通事故や渋滞を抜本的
に削減し、移動の利便性を
飛躍的に向上させる自動
走行等の新たな交通シス
テムを実現
【自動走行・重要5課題】
①ダイナミックマップ
②HMI(Human Machine
総合科学技術・イノベーション会
議
ガバニングボード(有識者議員)
課題ごとに
以下の体制を整備
PD(プログラムディレクター)
(「自動走行システム」についてはトヨ
タの葛巻清吾CSTO補佐が就任)
Interface)
③セキュリティ
④歩行者事故低減
⑤次世代都市交通
自動走行システムの実現により、
①交通事故死者低減、②渋滞緩和、③高齢者移動支援
に貢献することを目指す
推進委員会
PD(議長)、総務省等関係省庁、
関係メーカー・団体、有識者、
内閣府(事務局) 等
関係府省、管理法人、
研究実施機関
ダイナミックマップとは
17
● 「ダイナミックマップ」とは、刻々と変化する動的情報も含んだ高度な地図データベースで
あり、自動走行に不可欠な構成要素。
● GPSとの補完により、GPSの精度が十分ではない環境下でも、「ダイナミックマップ情報」と
車両に搭載されている「センサー情報」を突き合わせて、自車の正確な位置推定を行うこと
ができる。
● 自車のセンサーが届かないところの状況(曲がり角の先の道路状況等)をダイナミックマップ
を通じて把握することができる。
自動走行用ダイナミックマップ(SIPで開発:地図データの構造化等)
《動的情報(<1sec) 》
紐付け
ITS先読み情報(周辺車両、歩行者情報 信号情報など)
《准動的情報(<1min) 》
事故情報、渋滞情報、狭域気象情報など
《准静的情報(<1hour)》
交通規制情報、道路工事情報、広域気象情報
《静的情報(<1month)》
路面情報、車線情報3次元構造物など
基盤
ダイナミックマップデータベースの整備、
ダイナミックマップそのものの更新・配信の方法が課題
自動走行車
自動走行実現に向けたグローバル競争
~ Googleによる自動走行技術の開発 ~
2014年 googleがハンドル等が無い“完全自動走行“
試作車を公開(5月)
18
内部処理(イメージ)
クラウドから道路構造データ等
を含む地図情報を読込み
自車周辺の状況をカメラ等で
センシングした結果と組み合
わせて走行経路を算出
 ルートを入力し、「発進」や「停止」のボタン
を押すだけで自律的に走行
 最高速度は時速25マイル(約40キロ)
 試作車を100台規模で製造、今後2年以内
にカリフォルニア州で小規模な試験運用を
開始
注)一方、カリフォルニア州は、同州において自動走行車にステアリン
グやブレーキ等、ドライバーが緊急時に対応できる装備が無い車
は、公道走行できなくなる法案を発表(2015年12月16日DMV法案)
2015年6月、自動走行車の最新モデ
ル「Prototype」を米シリコンバレー地域
の 公道で試験する計画を表明。
-車の安全性を確認するだけでなく、
地域住民の車への反応も検証
-自動走行車を公共交通のインフラ
として利用する方式も検討
(Web記事等の情報をもとに作成)
資料121-3
総務省イニシアティブ2017
- 重点施策集 -
(※主なICT関係施策を抜粋)
2016年9月12日
総務省
重点施策集 目次①
Ⅰ 地方創生と経済好循環の確立
Ⅱ 世界最先端のICT大国へ
1.地域経済の好循環の確立、地域の連携、自立促進に向けた取組
4.生産性向上につながるIoT・ビッグデータ・AI等の活用推進
■ チャレンジ・ふるさとワークなど地域経済好循環推進プロジェクトの更なる
推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
■ 新たな圏域づくりとして連携中枢都市圏・定住自立圏・集落ネットワーク圏
の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
■ 地域の自立促進(地方への移住・交流の推進、地域おこし協力隊の拡充、
地域運営組織の形成促進、JETの活用等) ・・・・・・・・・・・・・・・・7
■ 過疎対策の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
■ 地域経済応援ポイント導入による好循環拡大プロジェクトの展開
(マイナンバーカードの活用) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
■ 統計データ利活用の促進及び拠点整備 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
■ オープンデータ・ビッグデータ・クラウドの活用推進を通じた地域産業などの
生産性向上 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
■ 「IoT/BD/AI情報通信プラットフォーム」の構築と社会実装の推進・・・・・15
■ 3省(総務省、文科省、経産省)連携による次世代人工知能技術の研究開発 16
■ IoTのサービス創出支援と産学官連携による推進強化・・・・・・・・・・・17
■ 若年層に対するプログラミング教育の推進 ・・・・・・・・・・・・・・・18
■ IoTを支えるネットワークに関わる人材育成・・・・・・・・・・・・・・・18
2.ICTを活用した地域の活性化
■
■
■
■
地域のICT基盤整備(ブロードバンド・モバイル・Wi-Fi等) ・・・・・・・10
ICTを活用した街づくり等の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11
地域課題解決に資する取組へのICT専門家の派遣・・・・・・・・・・・・・12
地方創生に資する新たなテレワーク(ふるさとテレワーク)の推進 ・・・・12
3.一億総活躍社会の実現と地方創生の推進の基盤となる安定的な地方税財源
の確保
■ 地方の一般財源総額の確保と地方財政の健全化等 ・・・・・・・・・・・・13
■ 税収が安定的で偏在性の小さい地方税体系の構築 ・・・・・・・・・・・・13
■ 地方行政サービス改革の推進と財政マネジメントの強化 ・・・・・・・・・14
5.新たなイノベーションを創出する世界最高水準のICT社会の実現
■
■
■
■
■
■
■
■
都市サービスの高度化(個人属性に応じた情報提供) ・・・・・・・・・・19
4K・8Kの推進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20
グローバルコミュニケーション計画の推進 ・・・・・・・・・・・・・・・21
モバイルの競争促進・事業環境の整備 ・・・・・・・・・・・・・・・・・21
競争的資金による新たなイノベーションの創出 ・・・・・・・・・・・・・22
戦略的な国際標準化の推進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23
5G・光等の世界最高レベルのICT基盤の実現・・・・・・・・・・・・・・24
2020年に向けた電波利用環境の整備 ・・・・・・・・・・・・・・・・25
6.ICT海外展開・国際的な政策連携
■ 通信、放送システム、防災/医療ICT、セキュリティ、無線システム、郵便、
放送コンテンツ等の面的・多段的海外展開 ・・・・・・・・・・・・・・・26
■ 国際放送の実施 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27
■ 行政相談制度の海外発信 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28
■ 海外通信・放送・郵便事業支援機構(JICT)の活用 ・・・・・・・・・・・28
■ 国際ローミング料金の低廉化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28
重点施策集 目次②
Ⅲ 国民の生命・生活を守る
7.熊本地震・東日本大震災からの復興の着実な推進
■ 復旧・復興の着実な推進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29
■ 被災地における消防防災体制の充実強化 ・・・・・・・・・・・・・・・30
■ ICTによる復興の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31
8.消防防災行政の推進
■
■
■
■
■
■
■
■
熊本地震を踏まえた消防防災体制の強化 ・・・・・・・・・・・・・・・32
大規模災害に備えた緊急消防援助隊の強化 ・・・・・・・・・・・・・・33
様々な災害に対応するための常備消防力等の強化 ・・・・・・・・・・・34
地域防災力の中核となる消防団及び自主防災組織等の充実強化 ・・・・・35
火災予防対策の推進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・36
消防防災分野における女性の活躍促進 ・・・・・・・・・・・・・・・・37
防災情報の伝達体制の整備 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38
2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会等の円滑な開催に
向けた大都市等の安心・安全対策の推進 ・・・・・・・・・・・・・・・39
9.ICTの安心・安全の確保
■
■
■
■
■
■
■
安心・安全なICT利用環境の整備(消費者保護・社会的課題への対応等) ・40
サイバーセキュリティの強化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・41
放送ネットワークの強靱化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・42
インターネットの適正な利用の推進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・43
G空間2.0(Lアラートの高度利用・普及促進等) ・・・・・・・・・43
災害応急活動(自治体・医療機関等)における非常用通信手段の活用促進 ・44
自治体の情報セキュリティ対策の強化 ・・・・・・・・・・・・・・・・44
10.恩給の適切な支給
■ 恩給の適切な支給 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・45
Ⅳ 暮らしやすく働きやすい社会の実現
11.一億総活躍社会の実現に向けた取組の推進
■ 女性の活躍支援(テレワーク・女性地方公務員の活躍推進・
マイナンバーカード等への旧姓併記等) ・・・・・・・・・・・・・・・46
■「異能vation」プログラム等の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・49
12.ICTによる社会的課題の解決
■
■
■
■
医療・教育分野等のICTの活用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50
情報バリアフリーの促進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・51
若者・スタートアップ等を対象としたIoT人材育成 ・・・・・・・・・・51
自動走行・自律ロボット等による行動支援・生産性向上 ・・・・・・・・52
13. マイナンバー制度の着実な実施とマイナンバーカードの利活用の促進
■ マイナンバーカード・公的個人認証サービス等の利活用推進 ・・・・・・53
■ 地域経済応援ポイント導入による好循環拡大プロジェクトの展開
(マイナンバーカードの活用)(再掲)・・・・・・・・・・・・・・・・54
14.郵政民営化の着実な推進
■ 郵政事業の新たな展開とユニバーサルサービスの確保 ・・・・・・・・・55
Ⅴ 未来を拓く行政基盤の確立
15.行政のBPR推進・ICT化
■ 業務改革・働き方改革の推進、独立行政法人制度の適切な運用 ・・・・・56
■ 行政のICT化の推進、政府情報システムのセキュリティ確保、
政府情報セキュリティ・ICT人材の育成・研修・・・・・・・・・・・・・57
■ 行政の透明化・国民の権利利益の救済の強化 ・・・・・・・・・・・・・58
■ マイナンバーカードを活用した電子調達の効率化 ・・・・・・・・・・・59
■ 競争の導入による公共サービス改革の推進 ・・・・・・・・・・・・・・60
■ 自治体クラウドの導入の促進等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・61
■ 地方自治体における行政サービスのアウトソーシング等の推進 ・・・・・62
■ 上質の政策評価によるエビデンスに基づく政策の企画・立案の推進 ・・・63
■ 地方組織の見直し、ICTの活用等による行政評価局調査機能、
行政相談機能の強化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・63
16. 適時的確な統計の整備・提供
■
■
■
■
■
家計調査の改善、個人消費動向を捉える新たな指標の開発 ・・・・・・・64
ビッグデータなど新たな情報源の活用の検討 ・・・・・・・・・・・・・65
公的統計の精度向上の仕組み(PDCAサイクル)の構築等 ・・・・・・・・66
公的統計における情報通信技術の国際展開 ・・・・・・・・・・・・・・67
統計オープンデータの高度化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・68
17. 主権者教育の推進
■ 民主主義の担い手である若者に対する主権者教育の推進 ・・・・・・・・69
Ⅰ.地方創生と地域経済の好循環の確立
- 2.ICTを活用した地域の活性化 -
10
(1)地域のICT基盤整備(ブロードバンド・モバイル・Wi-Fi等)
(a) 条件不利地域における光ファイバ整備の推進
電気通信事業者
離島
教育施設等
・固定系超高速ブロードバンド未整備地域のうち民間事業
者による整備が見込まれない「条件不利地域」において、
光ファイバ等の超高速ブロードバンド基盤や海底光ファ 超高速ブロードバンド
(光ファイバ等、無線も活用)
海底光ファイバ
イバ等の中継回線の整備を実施する地方公共団体に対し、
その事業費の一部を補助
過疎地域・
【予算】 情報通信基盤整備推進事業
10.0億円(28年度当初 4.0億円 28年度補正 2.0億円)
超高速ブロードバンド
(光ファイバ等、無線も活用)
辺地
一般世帯
海底光ファイバ整備(携帯電話等エリア整備事業)
54.7億円の内数
基地局
条件不利地域における光ファイバ整備のイメージ図
(b) 携帯電話がつながらない地域における整備の推進
・携帯電話等エリア整備事業
過疎地等の地理的に条件不利な地域において、地方公共団体
が携帯電話等の基地局施設等を整備する場合や、無線通信
事業者が基地局の開設に必要な光ファイバ等を整備する場合
に、その事業費の一部を補助
・電波遮へい対策事業
鉄道トンネルや医療施設等の携帯電話の電波が届かない場所
において、一般社団法人等が携帯電話等の中継施設を整備
する場合に、その事業費の一部を補助
【予算】 携帯電話等エリア整備事業 54.7億円(28年度 12.6億円)
電波遮へい対策事業 92.5億円(28年度 30.1億円)
エリア整備に必要な施設・設備
伝送路
基地局
施設
携帯電話等エリア整備事業のイメージ図
Ⅰ.地方創生と地域経済の好循環の確立
- 2.ICTを活用した地域の活性化 -
11
(c) 公共的な観光・防災拠点における
Wi-Fi環境整備の推進
・事業採算上等の問題により整備が困難な
公共的な観光・防災拠点において、
地 方 公 共 団 体 等 が Wi-Fi 環 境 の 整 備 を
行う場合に、その事業費の一部を補助
【予算】 公衆無線LAN環境整備支援事業 38.9億円
(28年度 観光・防災Wi-Fiステーション整備事業
2.6億円、
28年度 公衆無線LAN環境整備支援事業
(携帯電話等エリア整備事業)12.6億円の内数)
(2)ICTを活用した街づくり等の推進
・地域が抱える様々な課題解決や地域活性化・
地方創生を目的として、防災、医療・健康、
観光、教育等各分野における成功モデルの
普及展開を推進するとともに、ICTを活用し
た分野横断的なスマートシティ型の街づくり
を推進
【予算】 ICTスマートシティ整備推進事業 18.0億円
(ICTまち・ひと・しごと創生推進事業
28年度 2.5億円、28年度補正 3.0億円)
<各分野における成功事例(防災)>
<スマートシティ型モデルの例>
Ⅰ.地方創生と地域経済の好循環の確立
- 2.ICTを活用した地域の活性化 -
(3)地域課題解決に資する取組へのICT専門家の派遣
・地域が抱える様々な課題を解決するため、ICTの知見
等を有する「ICT地域マネージャー」等を派遣し、
ICT利活用に関する助言等を行うことで、地域情報化
の中核を担える人材を育成するとともに、活力と
魅力ある地域づくりに寄与
【予算】 地域情報化の推進(本省) 1.3億円(28年度 1.2億円)
(4)地方創生に資する新たなテレワーク
(ふるさとテレワーク)の推進
・人や仕事の地方への流れを促進し、地方でも都会
と同じように働ける環境を実現する「ふるさと
テレワーク」の全国への拡大・定着を図るため、
引き続き、ふるさとテレワークを導入する全国の
自治体等に対して、導入経費の補助等を実施
【予算】 ふるさとテレワーク推進事業 9.0億円 (28年度 7.2億円)
12
Ⅱ.世界最先端のICT大国へ
-4.生産性向上につながるIoT・ビッグデータ・AI等の活用推進-
15
(1)オープンデータ・ビッグデータ・クラウドの活用推進を通じた地域産業などの生産性向上
新事業・新サービスの創出
住民サービスの向上
(a) オープンデータ等利活用推進事業
・オープンデータ等を活用したモデル実証等に取り組むこと
により、データを活用した新事業・新サービスの創出、
住民サービスの向上等を促進
データの項目
整理・標準化
二次利用ルール、
活用ガイドの策定
データの匿名化・
加工・分析
地域における多種多様なデータの連携
【予算】 オープンデータ等利活用推進事業 7.0億円(28年度 1.9億円)
自治体行政情報
統計情報
観光情報
オリンピック・
パラリンピック関連情報
公共交通情報
農業関連情報
民間保有データ
国・自治体・公益事業者等
(2)「IoT/BD/AI情報通信プラットフォーム」の構築と社会実装の推進
・膨大なIoT機器により実空間の情報を収集し、
そのビッグデータをAIで解析することで様々な産
業分野の価値創出を行う基盤となる「IoT/BD/AI
情報通信プラットフォーム」の構築に向けて、
音声処理、自然言語処理等のAI基盤技術を多様な
分野に展開し、人間と自在な対話が可能な次世代
サービス等を実現するための社会実装や国際標準
化を推進
【予算】 「IoT/BD/AI情報通信プラットフォーム」社会実装推進事業
12.0億円【新規】
• 「IoT/BD/AI情報通信プラットフォーム」を通じた様々な分野におけるデータ収集とAIによる解析で
新たな価値を創出することが我が国の国際競争力確保にとって決定的に重要
• 音声処理、自然言語処理等のAI基盤技術をもとに、多様な分野で人間と自在な対話が
可能な次世代サービス等を実現
例:
利活用分野に
応じたAPI※等の
開発・標準化
IoT/BD/AI
情報通信
プラットフォーム
防災・インフラ分野
音声処理AI
音声
認識
音声
合成
健康・介護分野
ロボット・自動車分野
自然言語処理AI
質問
応答
知識獲得
情報抽出
超大規模
文書解析
クラウド
データ
※ API:利用者がシステムを利用するための情報のやりとりに係るインタフェース
対話
Ⅱ.世界最先端のICT大国へ
-4.生産性向上につながるIoT・ビッグデータ・AI等の活用推進-
16
(3)3省(総務省、文科省、経産省)連携による次世代人工知能技術の研究開発
・官民対話での総理指示を受けて設置された「人工
知能技術戦略会議」において、人工知能(AI)の
研究開発目標及び産業化ロードマップを策定し、
3省連携により研究開発と成果の社会 実装を
加速化
・平成29年度から脳科学の知見をAIに適用した
次世代AI技術の開発に取り組むとともに、複数の
AIがネットワーク等を介して連携し、自律的に
役割分担し、人や社会を最適に支援する革新的な
AI連携協調技術の開発等を推進
【予算】 次世代人工知能技術の研究開発 12.0億円【新規】
統合
AI-DB
AIポリシー制御
クラウドAI
現在の人工知能
脳科学の知見
(ニューラルネットワーク、
ディープラーニング)
(脳活動と知覚・行動
との関係の解明)
局所
AI-DB
業種A
局所
AI-DB
局所
AI-DB
業種B
融合
自律的に役割分担し人や社会を最適支援
次世代AIの実現
革新的なAI連携協調技術の実現
業種C
Ⅱ.世界最先端のICT大国へ
-4.生産性向上につながるIoT・ビッグデータ・AI等の活用推進-
17
(4)IoTのサービス創出支援と産学官連携による推進強化
(a) 産学官連携によるIoT推進体制の構築
・多様なIoTサービスを創出するため、膨大な数のIoT
機器を迅速かつ効率的に接続する技術等の共通基盤
技術を開発するとともに、多様なサービス提供者に
よるIoTデータの相互利用を図る先進的な社会実証を
目指した取組を推進
・あわせて、産学官連携による推進体制「スマートIoT
推進フォーラム」と連携し、欧米のスマートシティに
係る実証プロジェクト等と協調して、国際標準化に
向けた取組を強化
【予算】 IoT共通基盤技術の確立・実証
スマートコミュニティ
スマートシティ
・第4次産業革命の実現に向け、IoTサービスの創出・
展開に当たって克服すべき課題の解決に資する
リファレンス(参照)モデルを構築するとともに、
データ利活用の促進に必要なルールの明確化等を
行うための実証事業等を実施
【予算】 IoTサービス創出支援事業
13.3億円(28年度補正予算 7.0億円) 【新規】
電気・ガス.・水道
物流・交通
保守・管理
農業、漁業等
※ 様々な分野において多様なIoTサービスの実証を行い、先進的なIoTサービスの創出を推進
構内
スマートコミュニティ、スマートシティ
宅内
工場等
先進的IoTサービスの創出
に必要な共通基盤技術(例)
・・・
スマートWoT基盤技術
(Web of Things)
推進体制
スマートIoT推進
フォーラム
4.0億円(平成28年度 3.5億円)
(b) IoTサービス創出支援事業
スマートホーム
IoTサービス・デバイス
接続・管理基盤技術
連携・協力
ダイナミック制御、
自動最適化技術
規格提案、国際標準化
Ⅱ.世界最先端のICT大国へ
-4.生産性向上につながるIoT・ビッグデータ・AI等の活用推進-
(5)若年層に対するプログラミング教育の推進
(a) 若年層に対するプログラミング教育の普及推進
・論理的思考力や創造性等を高める観点から、平成28年度
より、クラウドや地域人材を活用した、プログラミング
教育の実施モデルを実証
・平成32年度以降の学校教育での必修化も踏まえ、
①多種多様な教材等(障害児や顕著な才能を示す子供に
対応するものを含む)の開発・クラウド上での共有、
②教育委員会等に対するアウトリーチ型の導入支援、等の
取組を強化
(実証プロジェクトの例)
徳島県神山町立広野小学校、(株)TENTO
プログラミングにより、
郷土芸能である阿波人
形浄瑠璃の人形に演技
をさせる教材を開発。
テレワークオフィスの従
業員を指導者として育成。
【予算】 若年層に対するプログラミング教育の普及推進 4.0億円(28年度 1.0億円)
(6)IoTを支えるネットワークに関わる人材育成
(a) IoTネットワーク運用人材育成事業
・膨大なIoT機器等が迅速・効率的にネットワークに接続
するために必要な技術を運用する人材を育成する環境
基盤を整備し、基盤の構築・運用を通して人材育成を
図り、求められるスキルの明確化やその認定の在り方を
検討
【予算】 IoTネットワーク運用人材育成事業 6.0億円【新規】
18
Ⅱ.世界最先端のICT大国へ
- 5.新たなイノベーションを創出する
世界最高水準のICT社会の実現 -
(1)都市サービスの高度化(個人属性に応じた情報提供)
・外国人観光客等に対して、スマートフォンや交通系ICカード、デジタルサイネージ等とクラウド
基盤を活用し、個人の属性(母国語や障がいの程度等)に応じた情報提供を実現するため、
①属性情報の分析に基づく各人に最適な情報配信の実証
②障がい者等にとって円滑・快適なサービスの享受
に向けた実証等を実施
【予算】 IoTおもてなしクラウド事業 10.0億円(28年度 6.5億円)
19
Ⅱ.世界最先端のICT大国へ
- 5.新たなイノベーションを創出する
世界最高水準のICT社会の実現 -
20
(2) 4K・8Kの推進
・4K・8Kを活用した次世代放送・
通信サービスの早期実現に向け、
以下の取組を推進
・2020年東京オリンピック・
パラリンピック競技大会を見据え、
- 超高精細で臨場感あふれる数多くの
4K・8Kサービスを実現するための
【2020年の目指す姿】
技術的実証及び研究開発等を実施
- 地上・BS4K放送等の実現に向け、必要な要素技術
(映像圧縮技術、誤り訂正技術、信頼性向上技術等)
を検討
- ブロードバンドを活用した放送コンテンツ配信の実証
事業を実施
- 条件不利地域における4K・8K放送の受信環境確保
のためケーブルテレビ網の光化を支援
- 衛星放送用受信設備からの中間周波数の漏洩対策など
の4K・8K放送の受信環境整備支援を実施
【予算】
・4K・8K等最先端技術を活用した放送・通信分野の事業支援
4.0億円(28年度 3.9億円、 28年度補正 地上4K放送等放送
サービスの高度化推進事業 9.0億円)
・4K・8K時代に対応したケーブルテレビ光化促進事業 20.0億円【新規】
・4K・8K普及促進等のための衛星放送受信環境整備支援等
(BS/CS-IF干渉対策) 39.8億円【新規】
2020年前後の経済効果
【超高精細映像技術の利活用のイメージ】
【ケーブルテレビ光化促進事業のイメージ】
【衛星放送受信環境整備支援のイメージ】
Ⅱ.世界最先端のICT大国へ
- 5.新たなイノベーションを創出する
世界最高水準のICT社会の実現 -
21
・8K技術の医療応用を進め、8K等の高精細医療映像
データの収集・分析を通じた診断支援の実現に向けた
取組を実施
【予算】 ・医療・健康データ利活用基盤高度化事業
3.5億円の内数(28年度補正 39.9億円の内数、
28年度 映像等近未来技術活用促進事業 1.0億円の内数)
【8K等高精細映像データの利活用イメージ】
(3) グローバルコミュニケーション計画の推進
・世界の「言葉の壁」をなくし、グローバルで自由な
交流を実現する「グローバルコミュニケーション
計画」を推進するとともに、訪日外国人への対応の
充実による観光産業の活性化等、地方創生に資する
ため、①多言語音声翻訳技術の対応領域及び対応言語
の拡大に向けた研究開発、②病院・商業施設・観光地
等における社会実証を実施しており、2020年の
東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向け
これらの取組を加速
【予算】 グローバルコミュニケーション計画の推進
19.0億円(28年度 12.6億円)
国立研究開発法人情報通信研究機構運営費交付金
296.0億円の内数(28年度 270.3億円の内数)
多言語音声翻訳システムの仕組み
駅はどこですか?
音声認識技術
音声を文字に変換
スマートフォン
などに話しかける
と即座に他の
言語に翻訳して、
音声出力する
単語を確定
自然な英文に変更
音声合成技術
英文を音声に変換
the station / where / is
where is the station
Where is the station ?
病院
多言語対応ヘッド
セ ッ ト等 のウ ェ アラ
ブル機器を用い、
症状や病名の翻訳
など医師と患者の
コミュニケーションを
支援
駅は/どこ/ですか
多言語翻訳技術
英単語を検索
ekiwadokodesuka
ショッピング
①赤ちゃんは元気に
育っていますよ。
(スペイン語)②
Bebé está creciendo sano
多言語対応型
レジ端末により、
商品の購入や
問合せなど、
外国人客の要望
にきめ細やかに
対応
②(グラスの)色違い
はありますか。
(インドネシア語)①Apakah
anda memiliki warna lain?
Ⅱ.世界最先端のICT大国へ
- 5.新たなイノベーションを創出する
世界最高水準のICT社会の実現 -
22
(5)競争的資金による新たなイノベーションの創出
(a) 戦略的情報通信研究開発推進事業
・競争的資金による研究開発を通じて 、
ICTの利活用による地域社会の活性化、
中小企業の斬新な技術の発掘、若手ICT
人材の育成、外国との共同研究による
国際標準獲得等に貢献
ICT分野のイノベーション創出に向けた仕組み
研
発見・科学的知見
開
実現可能性
野心的な技術課題
に挑戦する独創的
な人材を支援
「異能vation」
【予算】 戦略的情報通信研究開発推進事業
16.4億円(28年度 15.4億円)
(b) ICTイノベーション創出チャレンジ
プログラム(I-Challenge!)
・ICT分野における我が国発のイノベーションを
創出するため、ベンチャー企業や大学等
による新技術を用いた事業化等への挑戦に対し、
「死の谷」を乗り越えるための支援を行う
「I-Challenge!」を推進
【予算】 ICTイノベーション創出チャレンジプログラム
4.7億円(28年度 2.5億円)
究
発
フ
ェ
実用性検証
ー
ズ
死の谷
コンセプト実証
開発
事業化・産業化フェーズ
製品化
製品展開(国内・国外)
競争的資金による公募型研究開発
i
ii
iii
イノベーションを創出する独創性や新規性
に富む研究開発課題を広く公募し支援
「戦略的情報通信研究開発推進事業
(SCOPE)」
新技術の事業化を目指したビジ
新技術の事業化を目指した
ネスモデルの実証を支援
ビジネスモデルの実証を支援
「ICTイノベーション創出チャレン
「ICTイノベーション創出チャレンジ
ジプログラム(I-Challenge!)」
プログラム(I-Challenge!)」
I
C
T
分
新野
事の
業研
・
新究
産開
業発
のに
創よ
る
出
Ⅱ.世界最先端のICT大国へ
- 5.新たなイノベーションを創出する
世界最高水準のICT社会の実現 -
(6)戦略的な国際標準化の推進
・ICT分野における研究開発成果の国際標準化や実用化を
加速し、イノベーションの創出や国際競争力の強化に
資するため、外国の研究機関との国際共同研究開発を
戦略的に推進
・フォーラム標準化 ※ が多様な分野に拡大している状況
を踏まえ、デジュール標準化 ※ とフォーラム標準化を
一体的かつ戦略的に推進できるよう、産学官連携に
よる国内標準化体制を抜本的に強化
※フォーラム標準化:IEEE、W3Cなど民主導のフォーラムで策定する標準化
デジュール標準化:国際電気通信連合(ITU)など公的標準化機関により
策定する標準化
【予算】 戦略的情報通信研究開発推進事業(国際標準獲得型)
16.4億円の内数(28年度 3.8億円)
23
戦略的な国際標準化の推進(例:日EU国際共同研究)
欧州委員会
①公募プロジェ
クトの合意
②
共同
公募
⑤競争的
研究資金
欧州の
研究機関
総務省
④
共同
提案
③共同
提案書作成
⑤競争的
研究資金
日本の
研究機関
外国機関との国際共同研究のテーマ
平成28年度国際共同研究
・5G(無線、ネットワーク)
EU
・ICTロボット
・光ネットワーク
・ビッグデータ
・スマートシティ
(予定)
米国
平成29年度国際共同研究
今後、相手国との協議等
により戦略的にテーマを決定。
<テーマ(協議中)>
・5G(無線、ネットワーク)
・スマートシティ/スマートホーム
国際標準化機関(ITU、ETSI等)で国際標準を獲得
Ⅱ.世界最先端のICT大国へ
- 5.新たなイノベーションを創出する
世界最高水準のICT社会の実現 -
24
(7) 5G・光等の世界最高レベルのICT基盤の実現
2012
・2020年の第5世代移動通信システム(5G)※
実現に向けて、第5世代モバイル推進フォーラム
等の場も活用し、産学官連携による研究開発、
総合実証、国際標準化活動を強力に推進
※
現在の1,000倍の通信容量、同100倍の接続機器数、
10Gbps以上のピーク通信速度、1ミリ秒以下の低遅延
等の実現を目指す。
【予算】 第5世代移動通信システム実現に向けた研究開発等
28.4億円(28年度 27.1億円)
第5世代移動通信システムの総合実証試験 27.0億円【新規】
2013
2014
2015
2016
2017
2018
国
際
対
応
・
標
準
化
5GMFによる活動
5G関連技術の研究開発
2021年
制度整備、
インフラ整備等
2014/9/30 設立
研究開発、標準化活動、国際連携、
周知啓発を戦略的に方向付け
平成27年度より、産学官連携による
5G関連技術の研究開発を推進
5G 標準化活動
●ITU-R 報告 M.2320 「携帯電話システムの
将来技術動向に関する報告」
国際電気通信連合
(ITU)
世界無線通信会議
(WRC-12)
2020
東京オリンピック・
ラグビーW杯
パラリンピック
電波産業会
「2020 and Beyond Adhoc」
推
進
体
制
研
究
開
発
2019
●ITU 5G国際ワークショップ
● ITU-R 勧告 M.2083
「5G将来ビジョンに関する新勧告」
世界無線通信会議
(WRC-15)
要求条件・サービスイメージ検討
5
G
シ
ス
テ
ム
総
合
実
証
世
界
に
先
駆
け
5
G
実
現
世界無線通信会議
(WRC-19)
インタフェース提案・評価
国際的な連携をとりつつ、5G実現に向けた標準化活動等を推進
・2020年東京オリンピック・パラリンピック
競技大会時に予想される8K映像等の巨大な
リアルタイムデータの流通等に対応するため、
現状を大幅に上回る超大容量の通信に対応可能
な次世代光ネットワーク技術の研究開発を推進
【予算】 巨大データ流通を支える次世代光ネットワーク技術の
研究開発 8.5億円(28年度 5.4億円)
・大量のデバイスがインターネットに接続されるIoT時代に向けて、膨大なアドレス空間を持つ
通信方式であるIPv6に対応したネットワークの整備を推進
【予算】 IoT対応インターネット整備支援事業 4.8億円 【新規】
・無線通信の利用拡大に伴い、逼迫する周波数を有効利用するための研究開発等を実施するほか、
国立研究開発法人情報通信研究機構に対する交付金
【予算】 電波資源拡大のための研究開発等 131.2億円(28年度 79.4億円)
国立研究開発法人情報通信研究機構運営費交付金 296.0億円(28年度 270.3億円)
Ⅱ.世界最先端のICT大国へ
- 5.新たなイノベーションを創出する
世界最高水準のICT社会の実現 -
(8)2020年に向けた電波利用環境の整備
・2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会も見据えた上で、新たなビジネス
やイノベーションを創出できるよう、電波利用をより一層推進していくための制度見直しや、
我が国ワイヤレスサービスの発展・国際競争力強化のための方策等を推進
【予算】 既存無線局との周波数共用を加速するための技術検討 14.0億円 (28年度 2.8億円)
25
Ⅱ.世界最先端のICT大国へ
– 6.ICT海外展開・国際的な政策連携 -
(1)通信、放送、防災/医療ICT、セキュリティ、無線システム、
郵便、放送コンテンツ等の面的・多段的海外展開
(a) ICT国際競争力強化パッケージ支援事業
・ICTインフラを相手国のニーズに応じて「パッケージ」
で提案し、成功事例の他国への横展開や新規分野の
開拓、重点国への戦略的支援を推進しつつ、案件受注
に向けて展開ステージの移行を促進
【予算】 ICT国際競争力強化パッケージ支援事業 15.5億円
(28年度 7.7億円、28年度補正 5.0億円)
(b) 無線通信システムの戦略的な海外展開
・我が国が強みを有する電波監視システム、レーダー等
の無線通信システムの国際的な普及展開を通じ、
我が国の技術的プレゼンスの向上、国際競争力の強化
を推進
【予算】 周波数の国際協調利用促進事業 11.8億円(新規)
26
Ⅱ.世界最先端のICT大国へ
– 6.ICT海外展開・国際的な政策連携 -
(c) 放送コンテンツの海外展開
・放送コンテンツを制作する民間事業者等と、他分野・
他産業(観光業、地場産業、他のコンテンツ等)、
地方公共団体等の関係者が幅広く協力し、「クール
ジ ャ パ ン戦 略」 、 「ビ ジ ット ジ ャパ ン 戦略 」及び
「地方の創生」等に資する放送コンテンツを制作、
発信するとともに、様々な連動プロジェクトを一体的
に展開する取組等を支援
・2018年度までに放送コンテンツ関連海外市場売上
高を現在(2010年度)の約3倍に増加させる
(「日本再興戦略2016」(平成28年6月2日閣議決定))
【予算】 放送コンテンツ海外展開助成事業
3.0億円 (28年度 2.2億円、 28年度補正 放送コンテンツ海外展開基盤総合整備事業 13.4億円)
(2)国際放送の実施
・放送法の規定に基づき、必要な事項を指定して、
NHKに国際放送を行うことを要請することにより、
-我が国の文化、産業等の事情を海外へ紹介し、
我が国に対する正しい認識を培うことによって、
国際親善の増進及び外国との経済交流の発展等を促進
-外国人向けテレビ国際放送の一層の充実強化
を図るため、現地ケーブルテレビ等を通じた配信等
の取組を推進
【予算】国際放送の実施 35.4億円(28年度 35 .4億円)
【テレビ国際放送のイメージ】
27
Ⅲ.国民の生命・生活を守る
- 7.熊本地震・東日本大震災からの復興の着実な推進
(3)ICTによる復興の推進
(a) 復興街づくりにあわせたICT基盤整備
・東日本大震災からの復興に向けた新たな街づくり
に合わせて、超高速ブロードバンド、放送の受信
環境及び公共施設等向け通信基盤・システムの
整備等のICT基盤の整備を支援
【予算】 被災地域情報化推進事業
1.8億円(28年度 2.6億円)
(b) ICT基盤の復旧への支援
◎東日本大震災により被災したICT基盤の復旧
・東日本大震災により被災した地域の超高速
ブロードバンドサービス施設、ケーブルテレビ
等の有線放送施設及び公共施設間を結ぶ地域
公共ネットワーク施設等のICT基盤の復旧を支援
震災に
より分断
【予算】 情報通信基盤災害復旧事業費補助金
2.9億円(28年度 1.9億円)
震災に
より流出
-
31
Ⅲ.国民の生命・生活を守る
- 9.ICTの安心・安全の確保
-
40
(1)安心・安全なICT利用環境の整備(消費者保護・社会的課題への対応等)
・誰もが安心・安全にICTサービスを利用できる環境の整備を目指し、良好な電波利用環境の確保、
スマートフォンの普及や新たな情報通信技術・サービスに適応した普及啓発活動、利用者利益の
確保等、様々な施策を実施
・IoT、車のIT化、ロボットの利用などICTサービスの将来動向を踏まえた諸課題への対応を実施
・増加する電気通信サービスに関する苦情・相談への対応、消費者保護ルールの実施状況の把握
及び青少年が安心・安全にインターネットを利用できる環境の整備を実施
【予算】 電気通信事業分野における消費者利益確保のための事務経費 3.4億円の内数(28年度 3.2億円の内数)
・データの自由な流通とプライバシー保護の両立を図るべく、位置情報等のプライバシー情報
についての本人関与の在り方、データ流通に係る情報の帰属や、データの管理責任に関する関係
者間の責任分担の在り方及びこれらを支える技術等に関する実証を実施
【予算】 位置情報等のプライバシー情報の利活用モデル実証事業 1.0億円【新規】
・電気通信サービスにおける事故の多様化・複雑化への対応及び非常災害時における通信確保への
対応の強化等を実施
【予算】 ネットワークの安全・信頼性対策に関する調査研究 0.2億円(28年度 0.1億円)
・現状の実効速度計測の実施状況を踏まえ、近年のモバイル通信環境の更なる多様化に対応した
実効速度計測方法を、実証等を通じて確立し、利用者が適切にサービスを選択できる環境を整備
【予算】 モバイル通信環境の多様化に対応した実効速度計測の環境整備
0.5億円 【新規】
Ⅲ.国民の生命・生活を守る
- 9.ICTの安心・安全の確保
41
-
(2)サイバーセキュリティの強化
(a) ナショナルサイバートレーニングセンター(仮称)の構築
疑似攻撃者
・官公庁、地方公共団体、独立行政法人及び重要
インフラ企業等に対するサイバー攻撃について、
実践的な演習を実施
・2020年東京オリンピック・パラリンピック
競技大会の適切な運営に向けたセキュリティ人材
の育成
・若手セキュリティエンジニアの育成
【予算】 ナショナルサイバートレーニングセンター(仮称)の構築
35.1億円(28年度 7.2億円)
(b) サイバーセキュリティ確保のための基盤強化
・我が国における情報セキュリティ対策基盤を強化する
ため、①一般のインターネットユーザのウイルス感染を
防止するための実証実験、②関係事業者間の情報共有、
③サイバーセキュリティにおける国際連携の推進
といった各種取組を実施
【予算】 ICT環境の変化に応じた情報セキュリティ対応方策の推進事業
4.0億円(28年度 4.0億円)
実践的な防御演習
社会インフラ
チケット販売
避難・誘導
公式HP
放送環境
WiFi・通信環境
Attack! Guard!
若手セキュリティエンジニアの育成
東京大会に向けた人材育成
注意喚起
(利用者)
注意喚起
(サイト管理者)
URL情報収集
Ⅲ.国民の生命・生活を守る
- 9.ICTの安心・安全の確保
42
-
(3)放送ネットワークの強靱化
・国民生活に密着した情報や災害時における生命・財産の
確保に必要な情報の提供を確保するため、ラジオの難聴
解消のための中継局の整備費用の一部を補助
【予算】 民放ラジオ難聴解消支援事業 21.0億円(28年度 10.1億円)
・被災情報や避難情報など、国民の生命・財産の確保に不可欠な情報を確実に提供するため、
以下の費用の一部を補助
①放送局の予備送信設備、災害対策補完送信所、緊急地震速報設備等の整備費用
②ケーブルテレビ幹線の2ルート化等の整備費用
(条件不利地域については、老朽化した既存幹線の更改も補助対象)
【予算】 放送ネットワーク整備支援事業 9.0億円(28年度当初 1.3億円 28年度補正 3.0億円)
①地上基幹放送ネットワーク整備事業
②地域ケーブルテレビネットワーク整備事業
国民の生命・財産の確保に不可欠な情報の確実な提供
放送メディア
放送施設の
災害対策強化
予備送信設備
本
社
送信所
災害情報の
迅速・正確な伝達
予備電源設備
緊急地震速報
緊急警報放送
災害対策補完送信所
予備送信設備、災害対策補完送信所、緊急地震速報設備等の整備を促進
既存幹線
Ⅲ.国民の生命・生活を守る
- 9.ICTの安心・安全の確保
-
43
(4)インターネットの適正な利用の推進
・インターネットを利用した名誉毀損やプライバシー侵害等への利用者対応・各種啓発活動への支援、
更なる迅速化対応の調査等、インターネットの適正な利用の推進に向けた施策を実施
【予算】 電気通信事業分野における消費者利益確保のための事務経費 3.4億円の内数(平成28年度 3.2億円の内数)
(5)G空間2.0(Lアラートの高度利用・普及促進等)
・Lアラートを介して提供される災害情報等への
地理空間情報の付与やデジタルサイネージ等の
活 用 に よ り 伝達 手 段 の 多 重化 ・ 多 様 化を図 る
た め の 実 証 を行 う と と も に、 人 的 支 援・普 及
啓発等の取組により地方公共団体における
利活用促進の環境を整備
【予算】 地域防災等のためのG空間情報の利活用推進 5.0億円(28年度 2.4億円)
ICTスマートシティ整備推進事業 18億円の内数
(ICTまち・ひと・しごと創生推進事業 28年度 2.5億円、28年度補正 3億円)(再掲)
Ⅲ.国民の生命・生活を守る
- 9.ICTの安心・安全の確保
-
(6)災害応急活動(自治体・医療機関等)における非常用通信手段の活用促進
・「大規模災害時の非常用通信手段の在り方に関する
研究会」報告書(平28年6月29日)に基づき
策定・公表されたガイドラインを指針として用いる
ことで、非常用通信手段の確保を推進
・あわせて、研修・訓練・能力認定を支援することに
より、非常用通信手段に係る人的能力の強化を推進
災害応急活動(自治体・医療機関等)において
確保すべき非常用通信手段(イメージ)
【予算】 IoT機器等の電波利用システムの適正利用のためのICT人材育成
3.3億円【新規】
EMIS:広域災害応急医療情報システム
44
Ⅳ.暮らしやすく働きやすい社会の実現
-11.一億総活躍社会の実現に向けた取組の推進-
(1)女性の活躍支援(テレワーク、女性地方公務員の活躍推進・マイナンバーカードへの旧姓併記等)
(a) 女性の活躍支援(テレワーク)
・女性の活躍推進に向けて、ICTを活用した、
時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方
を可能とするテレワークの普及を推進する
ため、セミナー開催やイベントへの出展、
先進事例の収集・広報のほか、セキュリティ
ガイドラインを更新するなど、企業等におけ
るテレワークの導入支援等を実施
【予算】 ふるさとテレワーク推進事業
9.0億円(28年度 7.2億円)
地域情報化の推進(本省)
1.3億円の内数(28年度 1.2億円の内数)
46
Ⅳ.暮らしやすく働きやすい社会の実現
-11.一億総活躍社会の実現に向けた取組の推進-
Inno
(2) 「異能vation」プログラム等の推進
・ICT分野において、破壊的な地球規模の価値創造につながるイノベーションの芽を育てるため、
大いなる可能性が ある野心的なICT研究課題に挑戦する独創的な人材を支援 する「異能
(Inno)vation」を推進
・ICT分野の研究者として次世代を担う若手人材の育成等を支援する「若手ICT研究者等育成型
研究開発」を推進
【予算】 戦略的情報通信研究開発推進事業 16.4億円の内数(28年度 15.4億円の内数)
(野心的な
技術目標)
独創的な人
(自薦・他薦)
 支援対象者:
独創的なアイデアを
持つ者
 評価の観点:
• 独創性
• 自己追究性
• 認識の明確性
• 不屈の精神
総務省
支援額:300万円(上限)
支援期間: 1年間
採択件数: 10件程度
再
挑
戦
卒
業
失敗してもゴー
ルへの道筋がたて
られ、方向性が明
確になった課題は
「高評価」
ICT分野で世界的に活躍するスーパーバイザー等(12名) 挑戦者の先駆・研究の助言・評価等
ゴールへの道筋が明確になる価値ある「失敗」を奨励
プログラム評価委員会
→ 繰り返し応募可能
業務実施機関の評価、採択案件やスーパーバイザーの承認
※ 平成28年度の総応募数は1218件(前年比115%)であり、プログラム開始以降、3年連続で増加。
49
Ⅳ.暮らしやすく働きやすい社会の実現
-12.ICTによる社会的課題の解決-
50
(1)医療・教育分野等のICTの活用
・医療、教育等の様々な分野でICTの利活用を推進することにより、各分野における課題を
解決し、より利便性の高い社会を実現
医療・介護・健康
医療機関と介護事業者間や広域の地域医療圏における情
報連携等を新たに実現し、医療・健康データを利活用す
るための情報連携基盤を構築・高度化する。また、国民
一人一人の医療・健康データの利活用モデル(PHR)や、
AIを用いたデータ分析等について研究を実施する。
クラウド型EHR
の高度化支援
教育
児童生徒等が用いる授業・学習系システムと、教職
員が用いる校務系システムとの安全かつ効果的な
情報連携方法等について、文部科学省と連携しつ
つ実証し、データ利活用による教育の高度化、学校
経営の効率化等を図る。
医療・健康
データ利活用
モデルの研究
【予算】医療・健康データ利活用基盤高度化事業 3.5億円
( 28年度 3.5億円、28年度補正 39.9億円の内数)
【予算】 スマートスクール・プラットフォーム実証事業
5.0億円【新規】
Ⅳ.暮らしやすく働きやすい社会の実現
51
-12.ICTによる社会的課題の解決-
(2)情報バリアフリーの促進
・デジタル・ディバイドを解消し、高齢者・障害者を含む
誰もがICTの恩恵を享受できる情報バリアフリー社会を
実現するため、①ウェブサイトの改善、②高齢者・障害者
に配慮した通信・放送サービス等の開発・提供、③高齢者
のICTリテラシー向上・ICT利活用を支援する人材の育成を
促進
【予算】 通信・放送分野における情報バリアフリー促進支援事業
1.1億円(28年度 0.9億円)
ウェブアクセシビリティに関する調査研究
0.2億円 (28年度 0.2億円)
(3)若者・スタートアップ等を対象としたIoT人材育成
・ 今 後 、 多 様 な 分 野 ・ 業 種 に お い て 膨 大 な 数 の IoT 機 器 の
利活用が見込まれる中で、若者・スタートアップや多様な
ユーザの電波利用に係るリテラシー向上を図ることが不可欠
・このため、①若者・スタートアップを対象としたIoT体験型
教育やハッカソン、②IoTユーザの基本知識の要件(スキル
セット)の策定、③分野毎・地域毎の講習会等の周知啓発
事業を推進し、IoT時代に必要な人材を育成
【予算】 IoT機器等の電波利用システムの適正利用のためのICT人材育成
3.3億円【新規】
学び
健康管理
行政手続
地域活動
買い物・
資産管理
デジタル・ディバイドの解消
(ICTの恩恵を享受)
Ⅳ.暮らしやすく働きやすい社会の実現
-12.ICTによる社会的課題の解決-
52
(4)自動走行・自律ロボット等による行動支援・生産性向上
・情報の伝送遅延を最小化した革新的ネットワーク、自動走行等に必要な高度地図データベース
の更新・配信技術、緊急時の自動停止・再起動等のセキュリティ技術等の開発・統合を行い、
安全・安心な自律型モビリティシステム(電気自動車、電動車いす、自律ロボット等)の開発及び
社会実証を推進し、自動走行技術の早期の社会実装、観光、福祉等の多様な分野への展開にも寄与
【予算】 自律型モビリティシステム(自動走行技術、自動制御技術等)の開発・実証 12.0億円(28年度 9.8億円)
電気自動車、
電動車いす、
自律ロボット等
統合
情報の伝送遅延を
最小化した革新的
ネットワーク
統合 リアルタイムに更新される 統合
高度地図データベース※
の更新・配信技術
緊急時の自動停止・
再起動等の
セキュリティ技術
※ダイナミックマップ
自律型モビリティシステム等の実現
各種の自律型モビリティ
システム(電気自動車、電動車いす等)
自律型電気自動車
自動走行、自動制御技術等の
多様なICT利活用分野への展開
多様な応用分野
(自律ロボット、ドローン等)
自律型電動車いす
ネットワーク制御型
工事車両
自律走行型案内ロボット
効率の良い通信方式により、
高度地図情報の
リアルタイム更新・配信
荷物運搬用
自動飛行ドローン
Ⅳ.暮らしやすく働きやすい社会の実現
- 13.マイナンバー制度の着実な実施と
54
マイナンバーカードの利活用の促進 -
(c) 社会保障・税番号制度の導入及び利活用の検討に要する経費
・マイナンバーカード及び公的個人認証サービス
の電子証明書の普及促進のため、電子証明書を
利用可能な端末やさらなる利活用シーンの拡大
に向けた取組を実施
【予算】 公的個人認証サービス利活用推進事業
6.0億円(28年度 3.5億円、28年度補正 7.4億円)
Ⅴ.未来を拓く行政基盤の確立
– 15.行政のBPR推進・ICT化 -
59
(4)マイナンバーカードを活用した電子調達の効率化
・政府調達(公共事業を除く)手続の電子化の一環として、政府が行う「物品・役務」等に係る一連
の調達手続をインターネット経由で電子的に行うため、平成26年3月から「電子調達システム」の
運用を開始し、全府省での導入を促進
・マイナンバーカード等を用いて、政府調達における契約までの一貫した電子化や契約結果等の情報
の共有等を通じて、公共調達市場における入札機会拡大と調達事務に係るコストの低減を推進
【予算】 電子調達システムの維持運用事業 8.4億円(28年度 6.5億円)
民間認証局等カード
マイナンバーカード
民間認証局等カード
マイナンバーカード
資料121-4
通信・リモートセンシング衛星の
現状と動向について
平成28年9月12日
情報通信国際戦略局
目 次
1 宇宙関連市場の現状と動向
2 我が国政府の宇宙開発推進体制
3 我が国における通信・リモートセンシング衛星開発の経緯
4 次期技術試験衛星開発の現状と動向
5 リモートセンシング衛星開発の現状と動向
6 通信・リモートセンシング衛星の今後の開発の方向性
1
2
1 宇宙関連市場の現状と動向
世界の宇宙関連市場の現状
3
 世界の宇宙産業市場は約2000億ドル(約20兆円)規模で、拡大傾向にある。
 世界の宇宙産業市場のうち、政府向けが全体の7割、商用が3割を占める。
 世界で運用されている人工衛星の機数では、通信・放送用途が半数以上を占め、リモー
トセンシング衛星が通信放送に次ぐ割合を占める。
世界の宇宙産業の売上規模
世界の宇宙機器産業の顧客(03-12年累計)
$B
商用衛星
220
200
180
160
140
120
運用中の人工衛星の機能別割合
100
80
科学
60
軍事観測
40
20
気象
通信(民間)
測位
0
2008
2009
衛星サービス
2010
地上設備 衛星製造
2011
打上げ
2012
2013
2014
■打上げ
■衛星製造
■地上設備 (衛星テレビ、ラジオ、放送設備、測位情報受信設備、カーナビシステム)
■衛星サービス (放送・通信、測位、地球観測、科学等)
出典:内閣府宇宙開発戦略推進事務局「宇宙産業振興小委員会」資料
研究開発
リモートセンシング
通信(政府)
世界の宇宙機器企業(売上額上位)
4
 世界の宇宙機器産業は、ロッキード、ボーイング、エアバス等、欧米企業が上位を独占。
 我が国では、三菱電機が19位。
順位
企業名
1
(米)ロッキードマーティン
2
事業概要
売上額(百万$)
11,440
衛星、ロケット、地上設備など
(米)ボーイング
8,673
衛星、ロケット、地上設備など
3
(欧)エアバス
6,428
衛星、ロケット、地上設備など
4
(米)ノースロップグラマン
5,008
衛星機器、地上設備製造、技術支援など
5
(米)レイセオン
4,629
衛星機器、技術支援、ソフトウェアなど
6
(米)ガーミン
2,760
GPS関連機器、ソフトウェア
7
(欧)タレスアレニアスペース
2,680
衛星、衛星関連機器など
15
(欧)アリアンスペース
1,311
ロケット打ち上げ
16
(米)スペースシステムロラール
1,108
衛星製造
19
(日)三菱電機
930
衛星、衛星関連機器、地上設備製造など
米SPACE NEWS 2011 TOP 50 SPACE INDUSTRY MANUFACTURING AND SERVICES より
我が国の宇宙関連市場の現状
5
 我が国の宇宙産業は、近年漸増傾向で推移している。
 我が国の宇宙産業市場のうち9割弱は政府向けであり、現在は官需に依存している
状況と言える。
我が国の宇宙産業の売上規模の推移
我が国の宇宙産業の売上げの構造(2012年)
出典:内閣府宇宙開発戦略推進事務局「宇宙産業・科学技術基盤部会」資料(平成27年5月22日)
宇宙関連産業での新たな動き(世界)
6
近年、世界で宇宙関連事業に参入するベンチャー企業が数多く設立。
通信衛星分野においては、安価な衛星群を多数打ち上げることにより、高速インターネット
通信網を構築するプロジェクトが複数出現。
サービス
通信
企業名
SpaceX
LuxSpace
Aprize Satellite
Innovative Data Services
Gom Space
03b Networks
exactEarth
Kymeta
OneWeb
Skybox Imaging
Planet Labs
リモセン Dauria Aerospace
Spire
Omni Earth
Blue Origin
Garvey Spacecraft
SpaceX (再掲)
Masten Space Systems
打上サービス Rocket Lab
Stratolaunch Systems
Generation Orbit
Swiss Space Systems
Firefly Space Systems
宇宙旅行 XCOR Aerospace
(軌道輸送・ Virgin Galactic
サブオービタ Booster Space Industries
SHIPinSPACE
ル等)
創業年
2002
2004
2004
2006
2007
2007
2009
国
米国
オランダ
売上等
-
カナダ
約10M
カナダドル以上
ルクセンブルク
米国
米国
デンマーク
2012
米国
2012
英国
2009
米国
2010
米国
2011
ロシア
2012
米国
2014
米国
2000
米国
2001
米国
2002
米国
2004
米国
2007
NZ/米
2011
米国
2011
米国
2012 スイス/米
2014
米国
2000
米国
2004
米国
2006 ベルギー
2013
英国
約800M$
約3M$
約2M$
約150M$以上
-
サービス
企業名
Shackleton Energy
Astrobotic Technologies
Moon Express
惑星探査
Golden Spikes
(火星・月面・
小惑星資源) Planetary Resources
Mars One
Deep Space Industries
Inspiration Mars
Geo Optics
気象
Geo Met Watch
PlanetiQ
Nano Racks
ISS利用 Urthe Cast
Zero Gravities Solutions
Orbital Outfitter
宇宙服
Final Frontier Design
Earth 2 Orbit
Nova Nano
打上仲介
Space Flight
ECM Space Technologies
創業年
2008
2008
2010
2010
2010
2011
2013
2013
2005
2008
2012
2009
2011
2013
2006
2010
2008
2009
2010
2010
国
米国
米国
米国
米国
米国
オランダ
米国
米国
米国
米国
米国
米国
カナダ
米国
米国
米国
インド
フランス
米国
ドイツ
売上等
約3M$
約0.2M$
-
表は、内閣府『宇宙ベンチャー企業による宇宙利用拡大に関する動向調査
報告書』(2015年3月)のデータを元に編集したもの。
売上については、2013年、2014年のいずれかのもの。数字はHP等公開情報
による
通信・リモートセンシング衛星による新たなサービス例
衛星コンステレーション計画
リモートセンシング衛星による
リアルタイム地球観測網
 静止軌道(高度3.6万キロ) や低軌道に多数の衛
星を配備することで、全球対応の通信網を構築す
る衛星コンステレーション計画が世界的に進展。
 2014年Googleがシリコンバレー発ベンチャーSky
Box社を5億ドルで買収(現在の社名はTerra
Bella)。低軌道(高度500km前後)に多数の周回
衛星を配備し、高頻度で地球観測(地表状況把
握)を実施。
 Google等が出資するO3bは、インターネットアクセ
スのない30億人も含め全世界に通信環境を整備
することを目的として2007年に設立。2014年から
サービス提供を開始。
 動画の撮像や数時間毎の変化の把握が可能とな
り、既存サービスとの連携により新たな顧客を見
込む。
 OneWebは、周回衛星648機を配備することを目
指す。大手Airbus等も出資。同社以外にも同種の
ビジネスが複数検討されている。
 このほか、PlanetLabs(米国NASAのOB)や
SSTL(Surrey Satellite Tec Limited:中国衛星を
活用)など、米国を中心に同業ビジネスが展開。
低軌道・周回衛星
中軌道・赤道周回
(画像・データは公開資料から引用)
(Terra Bellaのサービスイメージ 画像・は公開資料から引用)
7
宇宙分野を活用した新たなビジネスの例
クラウド地理空間情報プラットフォーム
8
農業支援サービス
提供機関:CloudEO AG (ドイツ)
提供機関:Airbus Defense and Space (フランス)
光学・SAR衛星画像、DEM、衛星AISデータなどの地理空間情報、
ソフトウェア(アプリ)、解析データベースを販売するクラウドプ
ラットフォームを構築
衛星画像と農作物モデルを組み合わせ、ユーザに最適な化学
肥料や殺虫剤の量、場所、時期に関するアドバイスを配信。
航海情報提供サービス
通信衛星を利用したIoT/M2Mサービス
提供機関:APP4NAV LLC (フランス)
提供機関: Airbus Defense and Space , SIGFOX(フランス)
観測衛星データを含む気象・海洋情報を基に、最適な海洋ルー
ト案内を提供するアプリ。
通信衛星と地上通信ネットワークを利用したIoT/M2M通信
サービス網の構築を目指すプロジェクト。
出典:「欧米宇宙利用事例集」(2016年3月 一般財団法人宇宙利用開発システム推進機構)を引用し作成
宇宙関連産業での新たな動き(日本)
ロケット
インターステラ
テクノロジズ
(株)
(株) カムイ
スペースワーク
ス
2013年、元ライ
ブドア社長・堀
江貴文が出資。
北海道大樹町
で6回打ち上げ
実験。同年11
月には、国内初
の民間開発ロ
ケット(江崎グリ
コのポッキーロ
ケット)打ち上げ
成功。
2006年、北海
道大学や植松
電機(北海道の
宇宙部品メー
カ)等の北海道
民間企業により
設立。カムイロ
ケット(400kgf
級)の打ち上げ
成功。
リモートセンシング衛星
(株)アクセル
スペース
キヤノン電子
(株)
(株)ウェザー
ニューズ
東大発の衛星
ベンチャー。
2008年設立。
三井物産や
JSAT等が出資。
本年8月、超小
型衛星の宇宙
実証を行うため、
JAXAとの革新
的衛星技術実
証プログラム に
関する契約を締
結。
2012年から衛
星ビジネス参入。
100キロ以下1
m分解能の超
小型衛星の
2016年以降の
打ち上げを目
指す。光学系は
商用製品
(EOS5D・
PowerShot)を
転用。
2013年11月に
ドニエプルロ
ケット(ロシア)
で、アクセルス
ペース等が開
発した小型人
工衛星の打ち
上げに成功。北
極海航路の運
行支援や流氷
情報などを海運
会社に提供す
るほか、マラッ
カ海峡・中東沖
における海賊
被害防止対策
に貢献。
9
月面探査
(株) ispace
2010年、月面
探査を目標とし
て設立。Google
による国際宇宙
開発レース
「Google Lunar XPRIZE」に我が
国で唯一応募し、
2015年1月、中
間賞(50万ド
ル)を獲得。東
北大学等の研
究機関とともに
月面開発を目
的とした
「HAKUTO」プロ
ジェクトも設立。
10
2 我が国政府の宇宙開発推進体制
政府における宇宙開発利用推進体制
宇宙開発戦略本部 (H20年宇宙基本法に基づき設置)
・宇宙基本計画等の決定
本部長
内閣総理大臣
副本部長 内閣官房長官、宇宙政策担当大臣
本部員
上記以外の全ての閣僚
内閣府宇宙開発戦略推進事務局
○ 宇宙基本計画(平成28年4月1日閣議決定)
・我が国の宇宙開発利用の基礎計画
(平成27年から10年間の長期的・具体的整備計画)
宇宙開発利用の司令塔機能
・宇宙開発戦略本部の事務局
・実用準天頂衛星システムの開発・整備・運用等 (平成30年頃に打上げ・運用開始予定)
宇宙政策委員会
宇宙開発利用に係る重要事項の調査審議
委員長: 葛西 敬之 (JR東海 代表取締役名誉会長)
代 理: 松井 孝典 千葉工大惑星探査研究センター所長
委 員: 青木 節子 慶大総合政策学部教授
中須賀 真一 東大大学院工学系研究科教授
松本 紘
理化学研究所理事長
山川 宏
京大生存圏研究所教授
山崎 直子 宇宙飛行士
宇宙安全保障部会
宇宙民生利用部会
・宇宙基本計画 工程表の審議
宇宙産業・科学技術基盤部会
11
宇宙基本計画の概要
12
宇宙政策を巡る環境変化を踏まえ、
○ 「国家安全保障戦略」に示された新たな安全保障政策を十分に反映し、
○ 産業界の投資の「予見可能性」を高め産業基盤を維持・強化する ため、
今後20年程度を見据えた10年間の長期的・具体的整備計画として新たな「宇宙基本計画」を策定
環境認識・基本スタンス
【環境認識】
①宇宙空間におけるパワーバランスの変化
③宇宙空間の安定利用の必要性
⑤地球規模課題解決に宇宙が果たす役割の増大
②宇宙空間の安全保障上の重要性増大
④我が国産業基盤の揺らぎ
⑥科学技術~安全保障・産業振興の有機的サイクルの
不在
【宇宙政策の目標】
①宇宙安全保障の確保 ②民生分野における宇宙利用促進 ③産業・科学技術基盤の維持・強化
総務省関連施策
○衛星通信・衛星放送
・開発すべきミッション技術や衛星バス技術等を明確化し、打ち上げ~国際展開に至るロードマップ、国際競
争力に関する目標設定や今後の技術開発のあり方について検討(平成27年度中に結論)。
・これを踏まえた新たな技術試験衛星を平成33年度をめどに打ち上げることを目指す。
・データ量の増大、周波数枯渇に対応する光データ中継衛星の開発
○リモートセンシング分野
・現在開発中の安全保障、災害予防・対応、地球環境観測や資源探査のための取組を着実に進める。
・その他、新たなリモートセンシング衛星の開発及びセンサ技術の高度化に当たっては、わが国の技術的優
位や、学術・ユーザーコミュニティからの要望、国際協力等を踏まえ、出口が明確なものについて優先的に
進める。
参考:宇宙基本計画のフォローアップ(工程表)
13
14
3 我が国における通信・リモートセンシング
衛星開発の経緯
我が国衛星開発の経緯
1990年代
1980年代
15
2000年代
通信衛星
政府から民間実用開発
CS-3a,3b
(1988年)
Superbird-C2
(2008年)
放送衛星
スーパー
301条
(1990年)
BS-2a(1984年) BS-3a(1990年)
BS-2b(1986年) BS-3b(1991年)
 ST-2(2008年)
【台湾・シンガポール】
 Turk sat(2011年)
【トルコ】
 E’shail2(2014年)
【カタール】
BSAT-3a(2007年)
BSAT-3b(2010年)
BSAT-3c(2011年)
※いずれも外国製
政府から民間実用開発
技術試験衛星
実用化と切り離された開発へ
ETS-V(1987年)
移動体衛星通信
ETS-VI(1994年)
S帯・ミリ波・光通信実験
リモセン衛星
ADEOS(1996年)
環境観測
MOS-1(1987年)
海洋観測
JERS(1992年)
地球資源探査
TRMM(1997年)
熱帯降雨観測
OICETS(2005年)
光衛星間通信実験
AQUA(2002年)
水循環観測
ALOS(2006年)
陸域観測
ETS-VIII(2006年)
WINDS(2008年) 次期技術試験衛星
(2021年予定)
移動体通信実験 超高速インターネット実験
GOSAT(2009年)
温室効果ガス観測
GCOM-W(2012年)
水循環変動観測
SMILES(2009年)
超伝導サブミリ波サウンダ
GPM/DPR(2014年)
全球降水観測
ALOS-2(2014年)
陸域観測
16
4 次期技術試験衛星開発の現状と動向
次期技術試験衛星が目指すサービス像
ユーザ:Ka帯
-需要に応じてビーム・周波数幅可変
関門局:光
-可視地帯の局に大容量伝送
次期技術試験衛星
資源探査・撮像衛星等
光
航空機向け
ブロードバンド
通信路切換
Ka
Ka
光
Ka
Ka
陸上
(災害時避難所向け等)
船舶向け
ブロードバンド
無人探査機
資源探査用
海洋プラットフォーム向け
17
世界のHTSサービスの現状
18
 マルチビーム技術等による大容量通信(数十~百Gbps程度)を実現。
 欧米をはじめ、中印露、中東諸国等少なくとも25事業者が計画(うち15事業者は打ち上げ済)。
 我が国においては、スカパーJSATが2018年下半期にHTSを打ち上げ予定(Ku帯、インテルサットと共同運用)
<システム例>
INMARSAT(I-5)
EUTELSAT(Ka-SAT)
VIASAT(VIASAT-1)
Ka帯
Ka帯
Ka帯
全世界
欧州向け
北米向け
2015-16年打上げ予定(4機中1機打上済)
2010年打ち上げ
2011年打ち上げ
※ 色の違いは、周波数の再利用を表す
回線容量: 50Gbps
ビーム数:89
ダウンリンク : 50Mbps(60cmアンテナ)
アップリンク : 5Mbps(60cmアンテナ)
※ 色の違いは、右旋/左旋、使用周波数帯の違いを表す
回線容量: 70Gbps ビーム数:82
回線容量: 140Gbps ビーム数:82
ダウンリンク :数10 Mbps
アップリンク : 10Mbps程度
ダウンリンク : 70~100Mbps
アップリンク : 2.5~20Mbps
次期技術試験衛星に関する研究開発の概要
19
通信ミッション技術
 1ユーザあたり100Mbps程度のブロードバンドサービス
の提供を可能とするマルチビームを採用。
 利用エリアのニーズに合わせて衛星ビームに割り当て
る周波数幅を柔軟に変更可能とするデジタルチャネライ
ザを開発。
 衛星ビームの照射地域を柔軟に変更可能とするデジタ
ルビームフォーミング技術を開発
既存衛星のシングルビーム
HTSのマルチビーム
光フィーダリンク技術
 ハイスループット衛星用フィーダリンクに対応可能な
10Gbpsクラスの超高速大容量の光フィーダリンク技術を
開発。
光フィーダリンク
のイメージ
バス関連技術(文部科学省・JAXA)
 電気推進(オール電化)を採用し、打ち上げ時の衛星の
質量を削減することにより、打ち上げコストの大幅な低
減を可能とする。
 供給電力の大電力化により、通信容量の増大に貢献。
化学推進
電気推進(オール電化)
通信ミッション技術の概要
20
 衛星寿命が約15年と長寿命化する中、打ち上げ後においても通信ニーズの地理的変化や、災害時の地理的なトラ
フィック集中等に対応するため、サービスエリアを柔軟に変更可能な通信衛星に対するニーズが高まっている。
 このような状況を踏まえ、一つのアンテナ給電系でマルチビームに割り当てられる通信容量やマルチビームが形成
するサービスエリアの形状・位置を軌道上で任意に変更可能なフレキシブルペイロード技術を開発する。
固定ビーム技術
(デジタルチャネライザ技術等)
 Ka帯における250MHz以上の広帯域幅に
おいても低消費電力で高速処理が可能
なデジタルチャネライザを開発。
 マルチビームの高効率化のためのアンテ
ナ給電部の高度化技術を開発。
可変ビーム技術
(デジタルビームフォーミング技術等)
 トラフィックの空間的変動に対してフレキ
シブルにビーム照射領域の変更可能なフ
レキシブルペイロード技術の研究開発を
実施。
 これを運用する地上ネットワーク機器・端
末も対応して衛星通信のフレキシビリティ
化を実現するシステムを開発。
バス分野の研究開発
『次期技術試験衛星に関する検討会』で
掲げた⽬標(バス部分抜粋)
●打ち上げコスト低減策による衛星ライフサイクルコストの低減
・推進系
・軌道遷移時間
●通信量の改善
・発⽣電⼒
オール電化(電気推進系の採⽤)
約半年の2/3以下
21
次期技術試験衛星は、将来の商⽤衛星需要動
向を踏まえ、中⼤型衛星の市場獲得にも対応可
能な4トン級程度(予定)とする。
オール電化
17〜24kW級
(従来は12kW程度)
[オール電化]
ホールスラスタ
• ⾼い国際競争⼒(⽐推⼒・推⼒)を有
するホールスラスタ(電気推進技術)を
開発し、現状の海外のオール電化衛星
(イオンエンジン使⽤)と⽐べ軌道遷移期
間を2/3(約4ヶ⽉)以下にすることを⽬指
す。
大電力化
• ⼤電⼒化する将来ミッションへの対応能⼒
を確保するため、軽量⼤電⼒太陽電池パド
ルや⾼排熱技術(展開ラジエータ)等の技術
[⼤電⼒化]
を獲得し、最⼤電⼒17〜24kW級の実現
軽量⼤電⼒太陽電池パドル を⽬指す。
展開ラジエータ
次期技術試験衛星バスイメージ図
研究開発スケジュール
22
 衛星通信の高効率化を実現するため、周波数フレキシビリティを実現する技術としてチャネライザ等(H28-H31)、エリア フレキシ
ビリティを実現する技術としてDBF等を研究開発(H29-H31)。
 開発技術を次期技術試験衛星に搭載し、軌道上評価を行うために研究開発機器の衛星バス搭載(インテグレーション)や衛
星バスに研究開発した機器を搭載した状態での試験を実施(H31-H32)
 H33年度に次期技術試験衛星を打ち上げ、軌道上で開発技術の評価(技術実証)を行う。
年度
H28
H29
H30
H31
H32
射場
作業
設計
製造
バス開発でミッション系
に関係する作業
インテグレーション
(衛星組⽴)
バス軌道上実証(OR等)
PFT
(試験)
開発機器を
バスに搭載
衛星が所定の軌道
に到達し衛星の健
全性が確認された
後、ミッション系機器
の軌道上実証を開
始
H28-H31
衛星搭載⽤チャネライザ、⼩型給電部開発
ミッション系
開発,
ミッション系
軌道上実証
(総務省)
H34〜
▲
打上
打上、
バス系の軌道
上実証
衛星バス
開発
(⽂科省)
H33
・ 次期技術試験衛星搭載⽤チャネライザ、給電部を開発。単体で環境試
験等実施、衛星側の性能は実機+シミュレーションで評価。
H29-H31
衛星搭載⽤DBF開発、地上系整備
・ 次期技術試験衛星搭載⽤DBFを開発。単体で環
境試験等実施、衛星側の性能は実機+シミュ
レーションで評価。
打上等⽀援
軌道上実証
・チャネライザ、
・射場作業や、
DBFを地上機器
軌道上で機器
(SOC, NOC,端末、
バスに開発機
の健全性確認
GW局等) と組み
器(チャネライザ、
(動作確認等)。
合わせて実運⽤状
DBF等)を搭
載した状態で
態で試験
試験
衛星インテグレーション
試験
・ 衛星バス機器、地上
SOC等との組み合わ
せて試験(⼀部準備
はH31から着⼿し、
H32に試験)
開発機器(技術)を
通信衛星市場へ
展開
技術試験衛星の国際展開ロードマップ
23
【国際受注目標】
2008年
2011年
Turksat
ST-2受注
【シンガポール 受注(2機)
/台湾】
【トルコ】
既存衛星の拡販
※衛星画像:三菱電機提供
2014年
E’shail2
受注
【カタール】
2016年
ETS-9
開発着手
ETS-9
2021年
ETS-9 軌道上実証
打ち上げ 打ち上げ後
既存衛星の⾼機能化
によるHTSの拡販
1~2年間
年間20機程度の通信放送衛星
市場で年2機のペースで国際受
注を獲得し、国際マーケットシェ
アで1割獲得を目標
年2機受注に向けた
拡販活動の本格化
24
5 リモートセンシング衛星開発の現状と動向
NICTにおける衛星リモートセンシング技術の研究開発の概要
25
NICTでは、グローバルな気候・気象監視や予測精度の向上を目標とし、以下の研究開発を実施
 地球規模で気候・気象データ等を取得するための衛星搭載型リモートセンシング技術
 リモートセンシングデータを利用して、降水・雲・環境負荷物質等に関する物理量を推定するための高度
データ解析技術
 大気環境観測を目的とした次世代の衛星観測計画の立案
NICTにおいて研究開発された衛星リモートセンシング技術の例
Earth CARE
uvSCOPE
大気汚染物質の高分解能観測
雲・エアロゾルの分布を観測
衛星ドップラー風ライダー
GPM搭載DPR
宇宙から3次元で風を計測
降水強度を3次元観測
衛星リモートセンシングデータの取得・高度解析
大気汚染予測情報の提供
台風進路予測の精度向上
ゲリラ豪雨予測の精度向上
主な衛星リモートセンシング技術の開発状況
衛星リモートセンサー
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研究開発内容
気候・気象観測分野での活用
開発運用状況
超伝導サブミリ波サウンダ
(SMILES)
超電導受信機を用いた超高感度セン
サーにより、大気存在量比1兆分の1の
超微量物質を検出
オゾン層破壊物質など大気環境負荷物
質の大気観測実証を実現
2009年打ち上げ
2010年観測終了
GPM搭載DPR
降水(降雨・降雪)強度の3次元分布を
高精度で推定するアルゴリズム開発
降水量の強さなどの把握が可能となる。
高頻度で発生する豪雨などの極端な気
象現象の予測精度を大きく向上すると期
待。
GPM主衛星を2014年打
ち上げ
uvSCOPE
大気汚染物質観測データの高次解析・
評価による観測最適化のためのモデル
研究開発
短寿命気候汚染物質のインベントリなど
を実生活に役立つ時空間レベルで実態
把握。観測最適化によりスマート観測シ
ステムを実現。
2014年ISS搭載推薦1
位を獲得
2018年ISS搭載(計画
中)
Earth CARE
雲の強度・ドップラー速度の鉛直分
布推定アルゴリズム開発
これまで不明瞭だった雲が気候に及ぼ
す影響を解明。地球温暖化に代表される
気候変動の数値予測を向上する。
2018年打ち上げ予定
衛星ドップラー風ライダー
地表から高度10 kmまでの風速・風向
分布を高精度に観測するセンサ技術の
開発
これまで見ることのできなかった3次元の
風を直接観測し、台風進路等の天気予
報の数値予報精度を向上する。
センサー開発中
テラヘルツリモートセンサー
高周波数を利用した超小型軽量、かつ
頑丈なセンサの開発。大気環境負荷物
質、水蒸気やその同位体などを計測
将来の小型センサの多数展開により数
時間、キロ級の密な時空間情報提供を
実現。水災害や環境汚染の被害最小最
適化など新産業、新サービスへのニーズ
に応えると期待。
センサー開発中
衛星リモートセンシング技術の利用例イメージ①
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 近年、大気汚染暴露による肺疾患、血疾患などが深刻化。
 ISS搭載のuvSCOPEにより、PM2.5等の環境負荷物質の分布を1km×1kmの高分解
能で把握可能となる。
 本データが高い時間分解能で連続的に取得可能となれば、ビッグデータ処理による大気
汚染予報の実現が期待できる。
現在の衛星 (25km)
ca. 25km
uvSCOPE (1km)
衛星リモートセンシング技術の利用例イメージ②
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 平成28年3月から、気象庁の気象予報に衛星搭載降雨レーダ(GPM/DPR)(平成26年打
上げ、設計寿命3年以上)の降水データが定常利用され、予報精度向上に貢献している。
平成27年9月9日18時の前3時間降水量及び地上風(関東・東北豪雨)
(画像は気象庁提供) (翌9月10日に鬼怒川の堤防が決壊)
(a)DPRを利用しない予報値
(b)DPRを利用した予報値
(c)実際の観測値
【DPRを利用した予報値(b)が、実際の観測値(c)に近く、DPRが予報精度を向上させた例】
出典:JAXA
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その他のリモートセンシング衛星データの活用事例(だいち2号)
地球観測衛星による災害対応時の貢献:
 鹿児島県桜島を震源とする地震(平成27
年8月)に伴い、だいち2号による緊急観
測を実施。
 解析結果は、地殻変動の変動源の推定
に活用。
 9月1日の噴火警戒レベルの緩和では、だ
いち2号の解析結果が判断材料として活
用された。
 だいち2号により、関東・東北豪雨(平成
27年9月)における浸水域抽出などの解
析画像を実施し、防災関連機関に提供
した。
 だいち2号の解析画像は、鬼怒川の堤
防決壊以降の浸水範囲の把握に活用さ
れた。
出典:JAXA
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6 通信・リモートセンシング衛星の
今後の開発の方向性
今後の検討の方向性
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総論
 宇宙戦略本部において検討されている「宇宙産業ビジョン」の議論との整合性を図りつ
つ、総務省及びNICTの強みを発揮できる技術開発の在り方の検討
 宇宙産業に対する国内外の利用者ニーズ及び技術開発動向を十分反映した技術開発
の在り方の検討 等
通信衛星関係
 ハイスループット衛星及びコンステレーション型通信衛星による衛星ブロードバンド技
術に対する対応の整理
 我が国通信衛星産業の国際競争力確保を念頭に置いた、次々期技術試験衛星の在り
方に関する検討
等
リモートセンシング衛星関係
 リモートセンシング衛星データを活用した新産業・新ビジネス創出のために総務省・
NICTに求められる役割の検討
 ビッグデータ、AI等のデータサイエンス技術と衛星リモートセンシングデータとの融合
技術、サービスの検討 等