2015.11.27 日本 TMA 共催 45 一般社団法人事業再生支援協会（SRC）事業再生セミナー第一部基調講演「世界のソニーの浮き沈みを見てきた男」株式会社ワンダーワークス代表取締役　田村新吾氏第二部パネルディスカッション「事業再生第二ステージ〜いま我々は企業のために何をなすべきか〜」弁護士法人たいよう弁護士 SRC 四国支部認定事業再生士（CTP）吉村紀行氏アネスティ法律事務所弁護士 SRC 仙台支部　勝田亮氏コンセイユ・モビリエ代表中小企業診断士 SRC 東京支部認定事業再生士（CTP）井上真伯氏一般社団法人日本経営パートナーズ理事 SRC 静岡支部認定事業再生士（CTP）鳥倉大介氏新延誠税理士事務所税理士 SRC 四国支部　新延誠氏有澤会計事務所公認会計士税理士 SRC 瀬戸内支部　有澤和久氏 Sponsored 国内ビジネススクールケースコンペティション REPORT スコッツデールでの TMA 国際会議に参加して日本 TMA・日本事業再生士協会理事長　許斐義信氏 Cooperator visit 株式会社 TTM 代表取締役　土屋嘉男氏 Sponsors 2015 年 11 月 27 日発行第 45 号季刊 2013 年 11 月 25 日発行第 37 号季刊発行所　特定非営利活動法人日本ターンアラウンド・マネジメント協会発行所　特定非営利活動法人日本ターンアラウンド・マネジメント協会〒 160-0022 〒 160-0022 東京都新宿区新宿 1-7-1 新宿 171 ビル 7F 東京都新宿区新宿 1-7-1 新宿 171 ビル 7F TEL : 03-5269-2303 FAX: 03-5269-1482 TEL: 03-5269-2303 FAX: 03-5269-1482 E-mail: [email protected]　URL: http://www.tmajapan.org E-mail: [email protected]　URL: http://www.tmajapan.org 【特集】日本 TM A 共催特定非営利活動法人日本ターンアラウンド・マネジメント協会共催の「第 13 回一般社団法人事業再生支援協会（SRC）事業再生セミナー」が事業再生セミナーこのほど、東京都の京王プラザホテルで開催されました。ここで行われた基調講演とパネルディスカッションについて、その内容をお伝えします。モノ。人がやっているモノを追い越してチャンピオンになっても、 1996 年度のポートフォリオでは、IT コンピューター、半導体、井深自身は首を縦に振らないでしょう。ただし、井深は社長職パーソナルオーディオ / ビデオ、ホームオーディオ / ビデオなどを退いた後、全てを新しい社長に任せる人でしたから、どんなが書き込まれており、商品ジャンルがはっきりしているので、将マネジメントをしても彼は一切口を挟みませんでした。来のパーソナルオーディオ、将来のホームオーディオはどうなるかという議論になります。完全なポートフォリオ経営であれば、ポートフォリオ経営から、ソニーはどこへ向かうのか今後のソニーがどうなっていくかを私個人が想像しますと、1 第一部基調講演世界のソニーの浮き沈みを見てきた男株式会社ワンダーワークス代表取締役　田村新吾氏歴史上有数の〝変〟な会社、ソニー本題に入る前に、数日前ある経営者グループの会報誌に寄せた原稿の内容についてお話しします。タイトルは「未然への覚悟」です。先日、元警視総監で内閣危機管理監の米村敏朗氏とお会いする機会を得ました。東京オリンピック・パラリンピック組織委員会理事でもある米村氏は「警備というのは、何も起きなかった時に〝勝った〟と言い、1 人でも死者を出したら〝負けた〟と言う」と語っていました。そう考えると、かつての「オウム真理教事件」は負けなんです。未然防止のカギは、「予兆」の扱いです。「9.11 事件」も然り。この事件の数年前、犯人た田村新吾氏ちは米国の航空学校に入っていました。その1 人が実習訓練中、教官に「着陸よりも、旋回の仕方を詳しく教えてくれ」と要求しました。不審に思った教官の通報で FBI が学生を尋問したの方法でもない。まして金でもない」「問題は会社から与えられるですが、まあいいかと解放してしまった。この学生が、「9.11 事件」ものじゃない。自分たちで見つけ、自ら解決していくのがソニーの首謀者だったのです。この教訓を経営に置き換えると、会社である。会社の仕事、すなわち自分の仕事として、人生を賭けが倒産する前には当然予兆があります。予兆の段階で、どうすてほしい」。私は、井深大を〝奮い立つサムライたちをこしらえた男〟れば経営者を救えるか。予兆の管理が、ご来場の皆さんの専と捉えています。門になろうかと思います。ソニーの売上推移を見ていくと、創業直後の 1950 年から 80 逆の意味の予兆もあります。ここでソニーが出てきます。世界年までが〝発明時代〟で、ソニーブランドが有名になっていく面初の品物を作るとは、どういうことなのか。世界初ですから売白い時代でもあります。コンパクトディスクなどが出た 80 年代れる保証はありません。失敗もたくさんします。それでもやる。以降、〝世界初〟は生まれず応用商品が増えてきます。90 年代売れなければ負けで、売れれば勝ち。ほとんど売れなかったんに入ってからは〝混迷時代〟と言えましょう。ですが、それでも踏ん張れたところが、ソニーの前半期、創業言葉を換えると、井深時代は危険な行為にサインをした時代、者の 1 人・井深大による〝井深ソニー〟の特徴です。それ以降は安全にサインした時代です。その延長として、現在ソニーは、歴史上有数の〝変〟な会社でした。「成長領域をのポートフォリオ経営に至ります。狙う」というのはごく当然ですが、「成長領域を創る」となると、売上は、出井伸之の社長就任後の 2000 年前後に急成長してこれは危険です。社長たる者は、安全な「狙う」にサインするか、いますが、これを牽引したのはプレイステーションです。プレイ危険な「創る」にサインするかの選択肢を迫られます。ソニーのステーションは現代の若い男性には有名で、数字的には大変評物語は、敢えて危険にサインした人たちのお話でもあります。価できますが、〝井深ソニー〟的には△。何故なら、プレイステー〝井深用語〟のいくつかを取り上げましょう。「言葉ではない。ションは、ソニーじゃなく、任天堂の商品をパワーアップさせた 2 2015.11.27 つはソニーホールディング構想。十分利益を出しているエンターテインメントや金融を分離し、元祖・新生活開発企業としての将来のプロダクトの方向ではなく、その時の経済情報によってどこに投資するかという議論になるので、現在のソニーと井深ソニーとは分けて考えるべきでしょう。ベンチャー会社があれば面白いなと思います。こう考えるのは、創業時から抱いた希有壮大な志根拠がない訳ではありません。将来、1 家族分の電力は自家用 1946 年、井深大と盛田昭夫により東京通信工業株式会社との太陽パネルで作れる時代が来ます。家族の多い家と少ないして創業したばかりのソニーは、バラック小屋を拠点とする無名家では、消費電力が異なる。ソニーコンピュータサイエンス研の存在でした。設立趣意書に井深が記した「設立目的」は、「真究所でも実験しているのですが、余りすぎている電力を少ない面目なる技術者の技能を最高度に発揮せしむるべき自由闊達に家に回せるシステムが構築されると、電気代を 365 日支払わなして愉快なる理想工場の建設」。これがソニーのスタートです。くても住むようになります。それでも余った分は電力会社に売れ趣意書の後半には「日本再建、文化向上に対する技術面生ばよい。新しい意味での衣食住生活の開発を、ベンチャー会社産面よりの活発なる活動」「国民科学知識の実際的啓蒙活動」が担う訳です。などとも綴られています。社員わずか 20 数名の社長が書いた文より安全を求めるのならば、〝エンターテインメント・バンク〟章としては、希有壮大と言えるでしょう。的な発想です。プレイステーションの愛顧客は全世界で 6900 こんな小さな会社が、何故成功したのか。そこには〝エンジェ万人にものぼり、このユーザーを対象にサービスをすればそれル〟と呼ばれる支援者たちの存在がありました。酒造業を営むなりの事業になります。IBM は 1990 年代にもの作りを止め、ハー盛田家の当主、文部大臣を務める井深の義父、その義父の友ドウェアは中国の会社に任せ、彼らはサービス会社になって見人である宮内庁関係者、そのまた知人が三井銀行の人間。こう事に成長しました。いった人が、何か大きなことをやろうとしている若造たちをハラソニーは、エンターテインメントコンテンツを結構持っていまハラしながらも「面白い奴らだ」と応援してくれました。周りのすから、これもグーグルとかアップルとかサムソンに売ってしまえ人の助けが、事業には大切なのです。ばどうでしょう。ビッグスリーとは戦わず、愛顧客にしてしまうと井深の好きなメッセージは「良いものをこさえようじゃないか」いう戦略もあります。「びっくりするものを作ろう」。きれい事や格好いいことは言いま韓国の代表的企業であるサムソンが何を求めているかというせん。人の欲しがるものではなく、人のためになるものを作ろう。と、利益です。井深ソニーの場合は、新生活創造。その延長世界初の新生活を創造しよう。難しい問題が出てくれば、「面白線上に利益がある。いじゃないか」と言える風土を彼は創っていきました。企業風土を見ると、サムソンが「勝利」であるのに対して、井深ソニーは「一番いい物を一番早く」。開発法は、サムソンが「序破急」。堂々と真似て、習熟して追い越すのが戦略。井深ソニーは「市場創造」で、社員をうまく使って新生活を創造していく、という構造です。現在のソニーもその延長で来ていますが、高いブランド力をいかに維持し、磨いていくかに重点を置いています。現在のソニーのポートフォリオは、成長領域として力を入れているのがスマホ関連、強みがあって成長しているのはデバイス、ゲーム、映画産業など。成長領域は低いものの、作り方に習熟して利益を上げられるのが、デジカメ、放送機器など。どこに資金を投下したら良いかによって事業の位置付けが決められる、わかりやすい経営になっています。最初の「飛込」となったテープコーダーまだ戦後です。何もありません。時には、包丁 1 本ならぬ半田ごて 1 本で、社員は焼け野原を歩きました。短波ラジオや NHK の装置修理、蓄音機ピックアップや旧逓信省向け電圧計の製造といった業務が中心でした。しかし「危険」にサインする会社ですから、冷水に飛び込むように、敢えて問題に飛び込んでいきました。私はこれを「飛込」と呼ぶのですが、その事例を 7 つほど紹介します。最初の飛込は、「テープコーダー」の開発です。社内は英語のほとんどわからない連中ばかりでしたが、英語で言う「テープレコーダー」は日本人には発音しづらいだろうと真剣に考えて「テープコーダー」と名付けました。 2015.11.27 3 発売したのは、1950 年。当時、国内にプラスチックはほとんで「目的特化」という言葉がソニーのエンジニアの間で流行語所の近くに下宿し、見学して、得た知識や情報を手紙にして東と総スカンでした。テレビはしっかりとした大きさがなければアメどありません。あるのはセルロイドとベークライトくらい。そんになりました。京へ送る。東京から質問が来たら、また同じ要領で返信する。リカ人は好まないと言うのです。しかし、アメリカの特約店を使っな時代にテープレコーダーを作ろうとしたのです。磁気テープのまた、世界初、日本初で作った物は、使い方がわからない。「用それを繰り返してやり取りされた手紙の数は、254 通。これはて販売を始めてみると、たちどころに売れました。アメリカ人は製造が大問題でした。セロハンに磁性体を塗ると、一瞬良い音途開発」という言葉も社内で普及しました。今も、ソニー歴史資料館に保存されています。車で移動するので、車内で使えるテレビとして売れたんです。そはするがすぐダメになる。紙を使うと破れる。試作は 1 万種類現在も、様々なメーカーから続々と新製品が出てきます。しか五反田にいるソニーのエンジニアが岩間の手紙を読んで実験れに、バイヤーは気が付いていなかった。セールスマンは、現在にものぼったと言います。そしてようやく形になるのですが、最し売れない商品もある。それは「用途開発」が甘い。様々な用を繰り返し、2 年がかりでトランジスタそのものを作り、なおかと過去については詳しいが、将来に対する自信はないのです。初の頃はご飯粒を使ってテープに磁性体を塗っていました。あ途にチャレンジするのが、成功の秘訣でしょう。つそれを内蔵したラジオまで作りました。どこでも使えるので、ピクニックに持って行ってもらおうともり得ないことをやってしまうのがソニーらしさ。ソニー語録には、創業から 16 年目の頃の社内報に井深の文章が載っています。ところが、工場で作ったトランジスタは 100 個作って 97 個考えました。ところが、野外に 100 ボルトの電源はありません。「夢は実現してこそ夢、見るだけなら妄想だ」という言葉あります。「夢を持て、持てば必ずかなえられる」。それは井深の口癖でした。が不良品。ようやく完成した数百個の商品を倉庫に入れたとこそこで井深は親友の本田宗一郎に連絡し、ポータブル発電機を夢を持ったら、まず作れというのが、ソニーでした。その文章には、「創業時、1 本のエレベーターがある工場を作ろろ、夏の猛烈な暑さによってブラスチックが溶けてフニャフニャ開発してもらいます。これは歴史上、ソニーとホンダがコラボし開発に当たった木原信敏は、発明に際して「ターゲット（ユーうというのが夢だった。それが今では、我が社には 10 本もエレになってしまった。プラスチックに対する知識がほとんどなかった唯一の商品。この後、発電機は現在のホンダの主要な事業ザー）を明確にする」「ターゲットに集中する」「早くイメージのベーターがある」と書いてあります。この時の社内報には「座談たんですね。商品は全品お釈迦です。それでも止めず、もう一の一つになりました。井深は「マーケットは調査するものではな湧くものを作る」をモットーにしました。そんな木原の大好きな会」という記事もあり、「ソトからソニーをみてみれば」をテーマ度頑張ってみようと半年かけて作り直しました。そしてこれが爆く、創造するもの」という考えに自信を深めます。言葉は、「くらいつきの精神」でした。に、森繁久弥、高橋圭三、中村メイコ、岡部冬彦、藤山一郎と発的に売れて、ソニーは一躍有名になったのです。森山加代子しかし、出来上がったテープコーダーは 1 台も売れなかった。いった当時のそうそうたる文化人が参加してくれました。が歌う「ポケット・トランジスタ」という流行歌まで生まれました。借金をして 50 台作り、1 台の価格が 16 万円、今の価値だとこれも〝ご縁〟で、井深は社会人になる時、東芝を受けて落っこの商品にまつわるエピソードは他にもあり、米国向けに出ウォークマンで「新生活文化創造」のソニー流が確立 200 万円くらいになるでしょう。その後、井深の義父の口添えでこちます。入れてくれたのが、映画フィルムに音源を入れる PCL 荷した商品は、倉庫で 4000 個全てが盗まれてしまいます。こ最高裁を紹介してもらい、書記のサポーターとしてようやく 1 台という会社。トーキーを作る技術者として井深は社会人になりのニュースはニューヨーク・タイムズでも記事となりました。倉飛込の 3 番目は、ウォークマン。この世界的な大ヒット商品も、売れ、それを契機に 50 台を完売し、借金を返済できました。ました。職場である録音現場には森繁たちが頻繁に出入りし、庫にはソニー以外にも米国の有名メーカーのトランジスタラジオ盛田の弟さんの話では、最初の 1 台を買ったのは大阪の八百屋次第に井深を可愛がるようになった。その井深が会社を作ったが保管されていたのですが、それは盗まれなかった。それでらしいのですが、何故買ってくれたのかはわからず、事実は小というので、皆さんがこぞって助けてくれたのです。いろんな人ニューヨークっ子の注目を浴び、みんなが電気屋に殺到して瞬説よりも奇なりです。となるべく仲良くして愛される人は、後に助けてもらえます。く間に売れました。ここで学んだのは、くらいつくこと。そして、ネーミング。最初のテープの名称は「SONI-TAPE」。これも、「Y」を入れると日本人は読めないだろうと「I」にして、ソニーテープと読ませました。アメリカ人は「ソナイ」と発音するので、慌てたという笑い話もあります。このように、ソニーの名前は商品名から始まり、会社名になるのはずっと後でした。さらに、キャッチコピー。「クリアボイス」「ものをいう紙」といったコピーを考えつきます。ここで重要なノウハウは、売れなかったことによる学び。漠然といい物を作っても売れない。お客様が使おうとする目的にぴったり合っていなければならない。そこ新製品が有名になる場合、〝神風〟が吹くことがあります。日苦労とトラブルを乗り越えて成功したトランジスタ開発本でも吹きました。富士山で遭難した人が、ちょうどトランジス飛込の 2 番目は、トランジスタ開発。トランジスタは、トラン探していると知り、それを頼りに助けられたという美談がありまジスタラジオを作ることによって一世を風靡します。トランジスタを発明したのは米国のベル研究所で、公開された特許の使用権をもらったのですが、技術資料もサンプルもありません。見学は許すが、写真撮影は不可。あまりにひどい条件で、今なら権利を戻すところですが、技術担当の岩間和夫が渡米して研究タラジオを持っていた。ラジオのニュースで捜索隊が遭難者をした。これも、お客様に宣伝を助けられたケースです。ちなみにソニー流の金を掛けない PR 法を、私は「人手法」と呼んでいます。ソニーのキャラクターで、ソニー坊やというのがありました。沖縄では、地元の特約店が大変なソニーファンで、 PR 用の人形看板を数十体作ってくれました。今もまだ 13 個所に現存しています。しかしその特約店はもうありません。それなのに、人形はメンテナンスもされて綺麗に残っているんです。実は市役所がメンテナンスをしていた。ソニーの看板なんですが、下に「交通安全」と入れている。すると、市役所が公的な看板だと思ってメンテナンスしてくれていたんですね。ここで体得したのも、くらいつくこと、完遂への執念でした。そしてこの辺りから、今で言うパーソナルエンターテインメント時代の幕開けが見えます。トランジスタラジオは多くの方が使ってくれ、国民的商品になりました。そこで、トランジスタを使って、テレビ、テープコーダー、アンプ、チューナーへと応用商品を作っていきます。それまでにはない、とても小さなテレビを作りました。米国の創業時のソニーサムライたち 4 2015.11.27 斬新なキャッチコピーで PR バイヤーたちに売り込んだところ、全員が「こんな物売れない」最初は 1 台も引き合いがありませんでした。すでにテープレコーダーは市場にあり、性能の良いヘッドホンもあります。それを繋げれば良い音が聴けます。しかし、ウォークマンは録音機能もなく、再生しかできず、安物のヘッドホンが付いているだけの商品。商談会では丸井の若いバイヤーだけが面白いと言って発注してくれ、その後の成長過程で「丸井さんからの注文は 1 品たりとも欠けるな」が合い言葉になりました。大半のバイヤーが買ってくれない中、この商品の提案者は井深なので、それでもやるしかないというのがウォークマンのスタートでした。「営業マンは二人一組でお願いキャラバン」「原宿で外人女性のローラースケート」「後楽園球場の観覧席にテニスガール」「店頭山積み（買ってすぐ聴けます）」「タレントにあげる（米国）」といった、金をかけずに足を使い、人の目を奪う素人作戦を展開します。海外では「ウォークマン」という名称が気に入らず、セールスサイドが本社の許可もなく勝手に商品名を変えて売り出しました。盛田は頭を抱え、品川で開催した全世界セールスマンミーティングで「私もウォークマンは変な言葉だとは思うが、それでもこの名前に統一させてほしい。その責任は全て私がとる」と演説すると、会場は大ブーイングでした。その変な名前が、やがては固有名詞としてブリタニカ百科事典にも載るのです。このプロジェクトの陣頭指揮を執った大曽根幸三が部下に手書きで回したメモ用紙の中には「何でも半分にできると信ずる」「目標は単純明快にする」「検討をしないで OKの約束をする」「新しいアイディア、おもしろいアイディアは上司に内緒で作る」「頼み事は忙しい奴に頼め」などと書かれています。これらの語録は、エンジニアを奮い立たせました。 2015.11.27 5 ここで体得したのは、少なくても真剣な声（必需客）はイノベーるはずだ」と言いました。また盛田は移住によって、外国に詳 -Who（必需客）-How much（値段）」でした。らしいところで、大発明なんだけれど、詰めが甘いのも、あるションの素だということ。〝ステレオを着て町に出よう〟というしい人間との関係を深め、外国との友好環境を築いて行きます。会社が潰れそうになった最悪の危機は、飛込の 7 番目、トリ意味ソニーらしいんです。キャッチコピーで〝箱〟ではなく〝生活〟を売り、「新生活文化創造」また、欧米でのバッシングを回避するため、ソニープラザを作っニトロンカラーテレビです。一方、家庭用ビデオ戦争で、ソニーのベータマックスは、のソニー流が確立します。ウォークマンは技術的に何の新要素ていち早く米国雑貨を輸入し、マキシム・ド・パリを作ってフラ日本中の家電メーカーがカラーテレビを作りましたが、パテント VHS に負けたと思いきや、実はビデオの基本特許はソニーがもなく、ローテク、ノー特許で成功したため、盛田はこれを〝マーンス料理を提供し、ソニートレーディングインターナショナルを料を米国の RCA に支払っていました。ソニーも同じことをする持っていますから、VHS グループから多額のパテント料が入っケティング・イノベーション〟と呼び、国立科学博物館の「未来作ってイギリスのウイスキーを持ってくる。こうして、バッシングのを、井深は良しとしませんでした。米国で発明された新技術・てきました。DVD もソニーフォーマットではなく、東芝・パナソニッ技術遺産」に登録されました。そして、iPod が発売されるまで相手に対してうまく迎合し、世界が日本とビジネスで戦いながらクロマトロンを導入し、独自のカラーテレビを作ったものの、調クに負けたと言われていますが、これもソニーが特許を持ってい 25 年間、この分野でトップを走ったのです。も、ソニーのことだけは悪く言わない構造を作っていきました。整が難しく、作れば作るほど赤字。やがて累損で、経営破綻寸前。て、パテント料が入っています。「葉虫を捕るならば菜を植えればいいのだ」とは、マーケティ飛込の 6 番目は、CBS ソニー。無謀にも日本で一番最後にレここで吹いた〝神風〟が、宮岡千里という研究員。彼が元々研ソニーは何故、未知の淵に飛び込むのか？江崎玲於奈はこんングの原点とも言える二宮尊徳の教えです。コード会社を作りました。どのレコード店も契約に応じてくれま究していたトリニトロンという方式を採用し、ソニーはトリニトロなことを言っています。「ファーストランナーになれ。セカンドラせん。何故なら、通常レコードは委託販売でしたが、ソニーはンカラーテレビで不死鳥のように蘇ります。ンナーは転ばない。ファーストランナーは転ぶかもしれないが、最後発にも関わらず買取を要求しました。半年で倒産の危機がただし、コストの問題で他メーカーと同じ 14 インチは作れず、いつも新しい発見の中にいる」。訪れますが、ここでまた〝神風〟が吹きます。大ヒットした米国 13 インチのブラウン管でした。当時、家庭でカラーテレビが置井深は「人類に残された唯一の特権は創造である。たった一映画「卒業」の挿入歌で、サイモン & ガーファンクルの「スカボかれているのは応接間でしたが、ソニーは、小さいのを逆手に取っ遍の一生だから、世の中のために創造しつづけようじゃないか」ロー・フェア」が全世界的な人気を獲得しました。たまたまこのて〝お茶の間カラーテレビ〟として提案し、爆発的に売れました。と言いました。曲の契約をソニーが持っていたんです。すると、全国のレコード究めれば、神風、神様が現れるというのは、ヒーローの出や私が思うソニーとは、新生活創造（ライフイノベーション）の店から、お客さんが待ってるのでレコードをすぐに持って来てほすい風土づくりに成功していたからです。会社です。それを創ってきたエンジニアたちを、ソニーサムライと、しいと注文が入り、全ての店との契約があっと言う間に実現しま井深の周りには、〝石垣〟のような素晴らしい人たちが集まり私は呼びます。これには特性があり、「せっかち」「こだわり」「おした。こうして現在のソニー・ミュージックエンタテインメントにました。井深自身は天衣無縫で、いつも真理を追求していました。せっかい」。別の言葉で言うと「即行」「愉快」「無縫」「長所」「執至り、国内ではもちろん世界でもトップのレコード会社になりまそれを見ていた盛田が、売る方に回りました。木原は、打出の念」「一番」といった要素を、ソニーサムライは持っています。した。小槌で何でも発明する人。岩間は、エンジニアをうまく統括す今もサムライを作って成功している会社はたくさんあります。オそこで大賀が言います。「間違ったことをしていなければ、必る人。森園は、製品開発総帥。そして大賀は、感性（デザイン）ムロン、堀場製作所、牛たんのねぎしなどもそうです。人間資源ず報われる」。のリーダー。こういう人たちが育って、井深を取り巻いていました。型企業を私個人でも応援したいので、我が社の新規事業として「御何度もやってくる会社倒産の危機飛込の 4 番目は私の失敗談です。1990 年代、パームトップ開発の事業部長をやっていました。パームトップは、手書き入力のコンパクトサイズコンピューターです。世が世なら、今の iPad になっています。何が間違っていたかというと、マネージメントでした。システム電子手帳として多くのメディアで取り上げられましたが、プロジェクトを成功裏に終わらせるための管理に関わるプロジェクトマネージメントの知識が我々になく、数年後には市場からなくなります。その後、アップルからのオファーで、モトローラやソニーも資本参加したジェネラル・マジックという会社が携帯情報端末「マジックリンク」を作りましたが、これこそまさに iPhone の原点と言える商品。ネットワーク社会が訪れる、少し前のお話です。やがてアップルのスティーブ・ジョブズが出てきます。彼の素晴らしさはコンセプトもさることながら、プロジェクトマネージメントでした。IBM のコンピューターにはない新しい文字（フォント）を作り、ソニーから CD-ROM を買って CD-ROM スタイルのパソコンを生み出し、日本の家庭製品のデザインを参考にして、コンセプト・プロデュースとプロセス・マネージメントに手腕を発揮し、大成功を収めました。 5 番目の飛込は、民生用ビデオ訴訟。1963 年、それまで頻繁に米国を訪れていた盛田は、一家で米国に移住します。その最中、ソニーから民生用ビデオコーダーが発売され、10 年も経ってからユニバーサル・スタジオにいきなり訴訟を起こされました。ビデオコーダーは著作権法違反であり、映画やテレビ番組を全て盗んでいる、という言い分です。この訴訟に敗れると、会社は破産の危機。腹をくくって立ち向かい、ソニーは何と勝ってしまう。訴えに対する反論は「我が社はコピーしているのではない。この商品は『タイムシフト』マシンである。米国の多くの国民も、これを楽しんでいる」という、ある種方便でした。しかし、相手もこれに納得したのだから面白いです。盛田は「心にやましいことがなければ、何年でも法廷に立て 6 2015.11.27 社のサムライを創ります」というサービスを始めようとしています。コンパクトディスクも、当初は受け入れられませんでした。これも大賀のブルドーザー戦略で、とにかくやろうと始まったものの、1982 年に発売された 16 万 8000 円の CD プレイヤーと 300 のタイトルはほとんど売れなかった。それが 2 年後に価格 4 万 9800 円の CD プレイヤーを出し、タイトルが 3000 になると、レコード店も棚を割いてくれるようになります。タイトルが 1 万、2 万と増えるにつれ、レコード盤は次第に押され、ついには CD ばかりになっていきました。 CD が売れ出し、最初に目を付けてきたのが第一興商。カラオケを作ってほしいと、開発費として振り込まれたのが数十億円。社員総出で 2000 台ほど作り、CD カラオケが生まれます。ところが、米国に売り込むと「そんなの売れない。せいぜい日本人が集まるピアノバーくらいだ」と言われ、英国では「人前で歌うなんてありえない。音楽の前でやるのはダンスだ」と相手にされませんでした。それでも頼み込んで販売をスタートさせると、やがて「KARAOKE」は米国でも英国でも共通語となりました。この場合も、マーケットがあるからやったのではなく、マーケットを創った実例です。大賀が私に残してくれた言葉があります。経営の秘けつを尋ねると、「鼻の利くやつを置け」「目利きを置け」「彼らが来たくなる風土を作れ」。商品企画の秘けつは、「What（コンセプト）ソニーとは、ライフイノベーションの会社最後に、ソニーにまつわる悲劇と喜劇のお話。東京通信工業時代の江崎玲於奈が発明したエサキダイオードは、基本特許だけしか押さえなかったため、応用回路の特許を他メーカーに取られてしまい、ソニーがエサキダイオードを使った商品は 1 つくらいしかありません。パテントに対する知識がなかったのです。その上、法外な発明をしたにも関わらず、ソニーからの報奨金井深は、二宮尊徳とほぼ類似のことをやってきました。尊徳の報徳仕法である「大本」「至誠」「勤労」「分度」「推譲」に対して、井深は、大本として「自由闊達なソニーサムライ創り」、至誠として「心豊かな国民づくり」、勤労として「長所の芽を育て、最大限に発揮しあう」、分度として「金を使わず、手作業、工夫、 PR」で「積小為大」に、推譲として「新生活文化や理科教育」に心を砕いたと言えるでしょう。が少なかったため、江崎は会社と争った末に IBM へと移ります。ソニーが開発した非接触型 IC カード FeliCa は、今では田村新吾 Suica となって日本中で使われています。なかなか成果を上げ 1946 年、栃木県生まれ。東京・蒲田工場地帯育ち。都立立川高られず、いつ研究を止めるのか上から責められていましたから、校、早稲田大学理工学部卒。 JR が契約してくれた時、担当研究員は本当に嬉しくて急いでサインしてしまった。すると、その契約内容には、Suica が買い物に使われた際に収益の何パーセントかをソニーがもらえるような記載はなく、ただパーツの売買だけに止まっていました。Suica を使ったあらゆる売上の収益は、Suica の会社に入り、ソニーには 1 円も入ってきません。ソニーに入るのは売ったチップ代だけで、それも通常は 10 年も 20 年も保ちます。Suica の定期券が満期になっても、交換するのはソフトだけです。これがソニー 22 期目のソニーに入社。音響機器設計、商品企画、コンピューター事業経営、CD-ROM 開発、キュリオ（ロボット）開発、Sonet 立ち上げ支援、横断的企画マン育成など 38 年在籍。現在は、株式会社ワンダーワークス・代表取締役として、企業顧問、大学講師、ソニー創造性研究会主宰、「幸せ一歩会」代表、NPO 北海道活性化センタータクティクス理事、アジア経営戦略研究所副所長（予定）、日本創造学会理事。著書に「二宮尊徳と創造経営」（カナリヤコミュニケーションズ）「、実践的 MOT のススメ」（慶應義塾大学出版会）、企画本に「急ぎの仕事は忙しい奴に頼め」（角川 SSC 新書）がある。 2015.11.27 7 第二部パネルディスカッション事業再生第二ステージ〜いま我々は企業のために何をなすべきか〜出され、会社が破産してもガイドラインがあるから大丈夫だと、安易なアドバイスをしない方がよいという見方が示されました。経営者保証に関するガイドラインは経営者の保証債務に関してだが、会社の負債の整理は再生支援協議会の利用が一般的。【コーディネーター】弁護士法人たいよう弁護士 SRC 四国支部認定事業再生士（CTP）吉村紀行氏そこで、平成 25 年 12 月から始まった新しい特定調停スキーム【パネリスト】アネスティ法律事務所弁護士 SRC 仙台支部　勝田亮氏についても議題として触れ、「地元の簡易裁判所の民事調停官コンセイユ・モビリエ代表中小企業診断士 SRC 東京支部認定事業再生士（CTP）　井上真伯氏一般社団法人日本経営パートナーズ理事 SRC 静岡支部認定事業再生士（CTP）　鳥倉大介氏新延誠税理士事務所税理士 SRC 四国支部　新延誠氏有澤会計事務所公認会計士・税理士 SRC 瀬戸内支部　有澤和久氏を非常勤でやっており、裁判所では特定調停スキームの研修を組んで対応の準備をしているが、残念ながら受付実績はまだない」「再生支援協議会などと違って、明確な数的基準などが少ないので非常にやりやすい。しかも早い。基本的に特定調活発に意見を出し合うパネリストたち停 1 回で終わり。本当は、もっとやっていかなければならないディスカッションではまず「事業再生業界の現状」について意見交換理の総意が形成されない。そういった場合は、コミュニケーションの舞スキーム」「特定調停のメリットは、破産手続きや民事再生と違って官期的な会社では画期的な仕事。また、対社長、対金融機関をバラバラされ、「今ほど不透明な時代はない。金融円滑化法対象の 40 万を超え台としてバンクミーティングをやる」「そんな時は財務局に行って相談する」報に載らないこと。裁判所の手続きなので、公正中立が保たれる。特に支援してもダメ。社長、金融機関、コンサルが合わさって初めて三角る企業は、本質的な議論がなされずに放置されているのが現状」「405 など、経験に裏打ちされた持論を披瀝。に金融機関は利用しやすい。手続き費用も安い。裁判官の他に、弁護士、が整う。銀行が事業再生に力を入れない時代に突入しているので、書事業（認定支援機関による経営改善計画策定支援事業）に関しては利「事業承継」については、「現在この分野は活発に動いている。中小会計士、税理士といった専門の調停委員が付くことが条件になっている。面でコンセンサスを形成する作業、ドキュメントコミュニケーションをし用促進が行われているが、笛吹けど踊らずというのが実情」「全国的に企業経営承継円滑化法は、民法特例、金融支援、納税猶予制度とい金融機関にとってさらに使い勝手が良いのは、税制面の優遇もある点。ないと、実務は回らない。士業はドキュメントコミュニケーションが得意は景気が良いと報道されているが、地域の中だけで勝負している会社う 3 つの柱で構成され、今年 10 月末時点の適用件数は、民法特例は債権放棄した場合、無税償却ができる。後は、信用保証協会の求償権な方ばかりなので、社長が銀行に何かを伝える際、書いて上げる、頭は苦戦している。一方、東京、大阪で仕事している会社はまずまず良い 94 件、金融支援は 100 件、納税猶予制度は 1133 件とかなり低調。事の放棄の可能性がある。このようなメリットがあるが、まだまだ周知でを整理してあげるといった単純なことによって、事業再生の支援はもっ状況」といった報告がされました。業承継はどんな企業でも必ずある経営課題なのに、国の法律的な支援きていないところが問題」といった利点や課題が挙げられました。と進むと思う」と助言。そこで、公的機関は役割を果たしているかという議論に移り、「経営は空回りしている」「中小企業経営承継円滑化法ができた時、事業承新しい特定調停スキームは弁護士だけではなく、士業やコンサルタン井上氏は「我々のような専門家が経営者にファーストコンタクトをとっ改善支援センターは認定支援機関を使って円滑化法対象企業の処理を継は事業再生と絡んで新しいマーケットになるかと思われたが、まだそトの協力がなければ円滑に進められないため、協業についても話題がてもらうためには、M ＆ A にしても民事再生にしても、施策（など手段するということになっており、かなりの件数が取り上げられているが、持うでもない。どうやったら事業承継をマーケットとしてつかめるか」「事及び、「簡易裁判所の特定調停は、弁護士でなければ代理人として出て方法）ありきで我々が決めてかかって相談を進めていくことで敷居を高ち込み件数に比較して、実際の計画立案件数は少ないのが問題」「昨業承継の現場では、後継者の経営能力が不足するケースが目立つ。後行けない。ただ、弁護士は申立書類を作るが、再生計画は作れない。くしてしまわないこと。何を相談したらいいのか、相談しても答をもら年 6 月から始まった中小企業庁の施策であるよろず支援拠点は、全国継者の経営能力が強くないと経営権をバトンタッチしてもうまくいかなそこで、税理士，会計士といった企業再生計画の専門家とのコラボがえないんじゃないかというようなところで悩んでいる方、現実逃避して問一律の施策と言いながらも、受託している支援機関が異なり、それぞい。そこでいつも後継者に３つの役割を説明している。一つ目は会社を絶対必要になってくる。再生計画書がきちんとできているかどうかによっ題をすり替えて相談してくる方に対して、相手の話をきちんと聞き、ガスれの地域性もあるので、地方によって温度差があるのが事実」「REVIC 潰さないこと、二つ目は、古参幹部との対立が想定されるので、従業て、特定調停が 1 回で終わるのか、何回もかかるのか、成立しないのか、抜きしてあげることから始めていくのに尽きる」と強調。（地域経済活性化支援機構）は提携した各地の銀行を支援しており、員が離れていかないように社長には求心力を身に着けてもらうこと。最に関わってくる」「今期は弁護士と会計士との共同でプレパッケージ型破有澤氏は「例えば、顧問税理士は自分たちが税金計算しやすいよう今年度は相当な件数で動きそう。ただし、REVIC は専門家を社内に後に、社長には現在の経営環境に合った経営改善や経営革新等を常に産に取り組んでいる。破産しか選択肢がない場合、ただ弁護士に任せに決算し、会社の経営を把握しようという発想で決算を組んでいない抱えているので、我々の仲間で関わっている例はほとんど聞いたことが行っていくということ。税理士の立場からコンサルタントや診断士と連ると〝お葬式〟を出してもらえるだけで、経営者の心情はすっきりするのが一番のネック。経営者も、自分の会社の実態を把握していない。ない。事業引継ぎ支援センターはできてから 5 年目で、平成 23 年度が携して経営者・後継者をサポートしてあげるというところにマーケットがが、経済的な価値が残されないという問題が生じる。そこで、バンクミー何となく資金繰りが悪いのはわかるけど、具体的にどこがどう悪いのか半年間で相談が 186 件、成約ゼロだったのが、昨年度は相談が月平均ある」といった意見が出されました。ティングによる関係醸成で、破産の X デーを銀行に開示するという発想を知らない。経営者が決算書を見たくないという気持ちもわかるが、会で 300 件、成約が 102 件。込み入った案件を受けているようで、支援画期的な制度として注目される「経営者保証に関するガイドライン」にに立ち、破産申し立ての中で事業譲渡を前提に計画を立てて提案する」計事務所がもっときちんと指導していかなければならない」と指摘。協の場合は込み入った案件だと、メニューはあっても、企業の状況については、「弁護士の所にガイドラインの話が出てくるとすれば、破産や「誰かとコラボするのは大前提。破産や民事再生は、多くの場合は社長勝田氏は「東日本大震災の被災地では、多額の税金が注ぎ込まれ、合わず使えないことがある」など、現場のニーズに応え切れているのか民事再生といった事業を整理する際だが、大抵は経営者も破産手続きにとっても初めての経験なので、弁護士と社長との意思の疎通もできて再建をするためにグループ化補助金を利用して新しい工場や施設を作っは疑問であり、フットワークの軽い民間がそこに合わせられるかどうかを選択してしまう。地元の弁護士会でもガイドラインの勉強会をやっているようでできていない。そんな時に、コンサルタントが間に入ってあたものの、なかなか売上が上がらず厳しくなってきている企業が増えて問われている点が浮き彫りとなりました。いるが、参加者は少ない。今後の啓発が必要」「1、2 度使ったが、金げるのも必要」「コンサル側からコラボをお願いする士業の方は、限らいる。そういった企業は今後、清算、再生処理へ移行する可能性が高い。「金融機関の事業再生対応能力」に関する討論では、「銀行の組織融機関との交渉が重要になり手間暇がかかるので、金融機関との交渉れている。我々はサービス業なので、お客様である企業の話を聞けて、また、経営者の高齢化で、承継の問題が出てくる。経営者保証に関すは再編されていて、事業再生の担当部署はもうない。熱心に動く銀行の経験がない弁護士は二の足を踏んでいるのかもしれない。会計士らと目線を合わせられることが前提。社長に問題がある場合、筋道をきちるガイドラインなどを使うにあたっては、特定調停の制度を活用してもでも、審査部付きの人間が支店とタッグを組んでやるケースしかなく、連携を組むということも、余りやっていないようだ」「破産では自由財産んと言えて説得できる方とは組みたい」「クライアントファーストが守れならいたい。弁護士の中には、特定調停をよく知らないという人もいるので、支店レベルではリスケのハンコを押す程度」「銀行は投信を売って手数として全ての資産を含めて 99 万円しか残せないが、ガイドラインを使えくなったらお仕舞いなので、金融機関から仕事をもらって食うと決めて会場の皆さんには弁護士の背中を押してサポートしていただきたい」と料を稼ぐビジネスモデルに変ば一定期間最大 363 万円の生計費や華美でない自宅まで残せる。ただ、いる方は事業再生では生きていけない。事業再生自体特殊な作業だか会場の出席者に呼び掛けました。わってしまい、現場はバブルモラルハザードなど気を付けなければならない場面もあり、注意点もいら、よく知っているという経営者はあまりいない。それなのに、経営者新延氏は「よろず支援拠点には、事業承継の相談案件が結構あがっ崩壊後の入行組が主体のたろいろある」「自宅が華美でないという判断などもあるが、1 つは回収額に意図を伝えられない、協調せず自己流でやりたがる人には苦しめられてきている。その中には、会社が棄損して再生予備軍になっている法め、バブルの変な金の貸し方の見込み。破産手続きを取った場合と、ガイドラインを使った場合とで、た。クライアントと金融機関の板挟みになる役割を、士業の皆さんのお人もある。よろず支援拠点などと連携できれば、再生案件をもっと拾えを知らないけれど、バブルのどのくらい回収額が変わるのかがポイント。その額を超える資産は経営力をいただいてコーディネートすることにコンサルタントとしての道があるのではないか。後継者は先代を越えようとして頑張りすぎ、失敗する前の真っ当な融資の仕方も知者個人の手元に残せないので、自宅を残せるから何でもかんでもやれるると思ってる」などの意見が交わされました。ケースも見受けられ、顧問税理士、コンサルタント、支援機関のコーディらない」「本当に能力のない訳ではない。また、破産手続きの中で免責を認められるためには、債最後に、事業再生専門家の課題と、事業再生分野の可能性についてネーターなどが協調してしっかり経営できるサポートをしていくことで、行員が担当になると、案件が務者として浪費などの不心得なことをしないのが条件。生活面で問題がパネリストが一言ずつ述べ、鳥倉氏は「士業の方には、社長に添い遂事業承継や事業再生を絡めて新しいマーケットになるのではないか」と遅滞するだけでなく、私的整ある経営者だと、ガイドラインを使えないかもしれない」などの意見がげてほしい。既存の試算表や資金繰り表を作ってあげるだけでも、末締め括りました。コーディネーターを務めた吉村氏 8 2015.11.27 2015.11.27 9 S REPORT ponsored 日本ビジネススクールケースコンペティション 2015 2015 年 7 月 26 日、慶應義塾大学藤原洋記念ホール通過した 16 チーム 64 名がセミファイナルに臨み、さらにで『日本ビジネススクールケースコンペティション 2015』絞り込まれた 5 チームがグランドファイナルに進出しましが開催されました。た。本選の観覧者も 500 名を超え、回を重ねるごとに活日本ビジネススクールケース・コンペティション（JBCC）は、日本企業が抱える問題をテーマにビジネススクール生動規模が拡大しています。日本 TMA および日本事業再生士協会では、事業再生日本 TMA・日本事業再生士協会理事長　許斐総会を開いたアリゾナ州の概要義信 Yoshinobu Konomi らも参加し盛況であった。敢えて言えばアジアからの参加者が課題を抽出し、解決に向けた戦略提言を行う大会です。分野に寄与する活動として、毎年協賛・協力しており、今運営はビジネススクールの学生有志が行っており、より実大会では、許斐義信理事長（日本 TMA・日本事業再生士アリゾナ州の中心部フェニックス近郊スコッツデールで践的な学習の場の創出、学生主体の活動の充実、そして協会）、大川康治理事（日本 TMA）、中村政温監事（日本 TMA の 2015 年年次総会があり、同時にコンベンションつまさて、特に日本ターンアラウンド・マネジメント協会の姉妹国内ビジネススクールの価値向上・交流活性化を目指して TMA）、阿久津正人理事（日本事業再生士協会）が予選 2010 年にスタートしました。の段階から審査に加わり、本選のプレゼンテーションでもり関連企業や再生に関わる人々との交流や講演会があり、日組織でもある日本事業再生士協会のミッションである、事業本ターンアラウン・マネジメント協会の常連等と 3 日間の会議再生の専門家を制度（認定事業再生士（CTP））と国際調に参加した。和させた資格制度が次第に国際的広がりを持ち出したことも 6 回目となる本大会では、総勢 160 チームから予選を審査員を務めました。 ◆ 本選出場チームは我が国を於いて少なかったのは気になる点であった。さて年次総会があったアリゾナ州は米連邦に加入したのあって、CTP 専門の交流会も開催された、という意味で、総グロービス経営大学院　経営研究科秋田匡則チーム名古屋商科大学大学院　マネジメント研究科原貴宏チームが、アラスカとハワイとを除き、米国大陸では最後の州であ会の場の活性化に新たな貢献を見せた会合でもあった。特グロービス経営大学院　経営研究科川戸温志チーム慶應義塾大学大学院　経営管理研究科乾文良チームる。同州はメキシコと国境を接する他、アメリカ・インディアに、その会合では現在 CTP へ挑戦している大学院生も招か早稲田大学大学院　商学研究科吉田英樹チーム一橋大学大学院　商学研究科白濱佑奈チームグロービス経営大学院　経営研究科後藤康成チームグロービス経営大学院　経営研究科太田昇蔵チームンでも有名なナバホ族の係留地でもあり大半は砂漠の州でもれ、次世代 CTP の交流会も同時に行われたという念の入れ McGill MBA Japan 永田賢チーム金沢工業大学 K.I.T. 虎ノ門大学院ビジネスアーキテクト専攻松木知徳チームある。一見貧しい州だが、存外に人口は増えている。それた方には、正直驚かされた。一方、後述するが、所謂、経立教大学大学院　ビジネスデザイン研究科阿部太一チーム中央大学専門職大学院　戦略経営研究科平野百三チームは何よりも社会コストの安さにある。特に会議が開催された営学的には著名な、 “選択と集中論”をベースにして破綻企グロービス経営大学院　経営研究科若林聡実チーム慶應義塾大学大学院　経営管理研究科山本昌央チームスコッツデールは高額所得者が集まっている地域で、気候的業をファンドが主体となって株主資本主義的企業再生で活躍神戸大学大学院　経営学研究科永田康人チーム北九州市立大大学院　マネジメント研究科石井義輝チーム快適性から帝国ホテルなど設計で著名なフランク・ロイド・ラしてきたのだが、その種の M&A 手法を駆使する場で活躍しイト（Frank Lloyd Wright）も夏場の別荘を持っていたし、てきた投資銀行からの参加が少なかった点も特筆に値する。最近ではカルフォルニアの不動産価格高騰から同州へ移転しそれに代わり ABL のサービス会社や集団訴訟を引き受けるている例も多いようだが、トヨタ自動車や日産自動車は自動専門弁護士集団など新たな事業再生のサービス会社の活躍車レース場をアリゾナ州へ移転しているという。特に、著名が目立った総会でもあった。勿論セミナーの中には CTP のなゴルフ場もあり、所謂リゾート地的雰囲気を併せ持ってい実力を高めるための講座も用意されていた点も報告せねばるという特徴は外せない点であろう。なるまいが、リーマンショック以降、影を潜めた投資銀行は優勝一橋大学大学院商学研究科白濱佑奈チーム ◆準優勝グロービス経営大学院　経営研究科若林聡実チーム我々は会議中、専らホテル内の会場で過ごしたので、本当のスコッツデールの良さを知る由もない。 ◆ＤＩＡＭＯＮＤハーバード・ビジネス・レビュー賞中央大学専門職大学院　戦略経営研究科平野百三チーム TMA 総会での活発な会員間相互交流 TMA 国際会議に付いては、今回も慣例に従い、報告をさ出場チームと審査員で詳細は JBCC のウェブサイトをご覧下さい。　http://jbcc.jimdo.com/ 2015.11.27 言うに及ばず、不良債権の巣でもあった不動産関係の顕著な動きが見えなかったことも特徴的な変化でもあった。元来 TMA の総会に参加した人々には大別して 2 種類の職務を主 ◆シーバスリーガル１８年イノベーション賞一橋大学大学院商学研究科白濱佑奈チーム 10 スコッツデールでの TMA国際会議に参加して体としており、その業態の相違を超えて再生への協調関係を構築するのが会合の主な目的だから、Networking と称するせて頂くことにしたい。TMA の国際会議は我が国でも 2014 情報交換の場や機会は従来通り活性化していた。1 種類は、年春に日経ホールで開催したが、今回の総会でも例年同様約金融関係、弁護士そしてオークショナーなどなどの専門分野 600 人の TMA 会員が、米国内はもとより欧州、南米などかに特化した企業群と、各地域に密着した再生コンサル企業群 2015.11.27 11 とが、交流する場である。その一方は専門業務の対象になる（倒産件数の業種別割合 2015 年第 3 四半期：サービス（医顧客獲得を志向するし、もう一方は市場主体で新たな再生関動向を踏まえ、FRB(Federal Reserve Bank) が利上げに踏の破綻と再生は、株主価値毀損を引き金にして経営危機を療機関や娯楽など）34％、金融・不動産 16％、小売流通業（レみ切るか否かは、正に今後の米国経済の動向とも深く関わる。迎える。その際、新たな株主が登場し送り込む経営者は選係のサービスを検討するというという期待を込めての参加動ストラン、自動車ディーラなど）15％、鉱山（石炭、褐炭など）その視点から見て、本 TMA での最大の議論は、米国のシェー択と集中論という経営手法を手段として、セグメント会計の機を持っている。その意味で正にアメリカらしい会員相互の 10％、製造業 10％）ルオイルやシェールガスの生産が、極めて重要な問題である。情報を基礎に不採算事業と関連資産を M&Aで切り出すこと環境問題には流石の米国でも政治的課題となりつつあるからで、一気に企業価値の再生を達成するというから、驚愕する前記したように石炭や褐炭の鉱山閉鎖は進んできている。そ速度で再生を果たす。これが米国の伝統的再生手法であっれに加えて、大増産をしてきたシェールオイルやシェールガスた。売却させる事業も、同業者がその事業を M&A で買収米国経済で近年特筆すべき経済環境の変化は、2007 年は原油価格の引き下げの影響で一気に不良資産化してきていし寡占化度を高めて買収した企業もまた同時に急成長する。国を越えた人々の最初の会話は「企業破産は貴国ではどのサブプライム・ローン問題を契機にした住宅ローン危機でる。元来、生産コストが高いこれらのエネルギーに依存したこの種の経営破綻と再生の実現には、ファンドを中心にしうなっているのか」という質問から始まる。それは当方も同あり、続く 2008 年 9 月の起きたリーマンブラザーズの倒産法米国エネルギー産業は、投資→回収の期間の短さから、原た直接金融の活躍と M&A 手法の場を支える関係者や証券じであったが、マクロ的に言い換えれば米国の経済状況はど 11 条適用である。このような大きな経済的危機を越えた米油に比較して圧倒的にコスト高のエネルギーであるし、中小市場そして何よりも事業構造の改革を進めたい多くの企業のうなのか、という課題でもある。国経済は、その後、主に製造業の回復へと経済活力は活性規模の企業も多く、大エネルギーブームが一気に縮小する虞存在は欠かせない。しかし M&A の活動が変化し、間接金化に向かってきた。製造業の回復は主に対中製造拠点の撤がある。これは TMA の今回のコンベンションの最終日に取融への依存度が高まった米国金融構造は基礎的変化を与え退にあるというから、企業倒産はマクロ経済的経営環境の変り上げられた話題であった。詳細を記述する紙幅はないので、ていると感じさせた。各種のローンの処理と資金調達手段と化の傾向を多分に受けているともいえる。本報告ではこの程度の紹介に止めるしかないが、この種の原しての ABL (Asset Base Lending）への傾注などは破綻懸交流の場であった。（倒産法 2015 年第 3 四半期まで：倒産法 11 条（民再法）： 54％、7 条（清算）44％）シンポジウムで感じた米国倒産の減少と今後の危惧（1）企業倒産の減少状況と依然と多い中小企業倒産 2015 年の第 3 四半期までの米国の倒産件数は 22,680 件であったが、その件数減少は著しい。（米国倒産件数第 3 （2）経済活性化を支えてきた製造業の回復四半期データまで：26,992（2014 年）、34,520（2013 年）、（鉱工業生産指数：2012 年を 100 として、2009 年 80 に油価格の引き下げで影響を受けるのは米国だけではなく、オ念企業の財政状態の見方、再生交渉に於ける資本家と債権 44,859（2012 年）そして 72,287（2009 年））。倒産減少の原まで減少してきた鉱工業は 2015 年３Q では 105 にまで回復・イルサンドに投資を傾注してきたカナダも類似の経営リスクを者との複雑な交渉などを迫るものであったと見ている。因は、我が国同様の金利の低下と私的整理へのシフトが挙成長してきた。）抱えていると、議論は深刻であった。がられていたが、それでも医療関係やサービス業では価格競（3）エネルギー関連企業倒産の増加を危惧（4）American Bankruptcy Institute の倒産法改倒産裁判所での複雑な交渉を経験した主として再生専門家を中心にして組織化された ABI（American Bankruptcy 争の結果、倒産件数割合は大きいとのこと。これらに加え中国の人件費高騰や為替である人民元の変化から国際的新たに決まった奨学金制度への連邦政府支援などは、個別 SCM(Supply Chain Management) の広がりに関わる製造ラのコマで論議が展開された。問題は別途の項目で説明するインの延長やモデルチェンジに於ける無駄な仕掛品の増加が第 3 四半期に前年比較ではエネルギー関係企業の倒産はは、所謂、見えないコストを増加させた。それが、米ドルの元々、日本 TMA 協会設立の動機の一つに、米国的なファ前年比で 1 割にも急増している。変化や賃金水準の低下影響も加わり、製造業が米国内生産ンドを梃子に M&A で一気に企業構造を革命的に変革し早（参照：Commission Study the Reform of Chapter 11　of 参考までに企業倒産の概況に付いて紹介しておこう。つまへ大きくシフトしてきた。この国際的製造拠点移転は、中国期に再生するという手法への関心の高さ、でもあった。しか the US Bankruptcy Code: Report and Recommendations り、小企業の倒産割合は全体の約 8 割前後（売上規模年間 2.5 で昨年より「転弱回摩」と呼ばれ、米国からの直接投資はし先に記述したように投資銀行の破綻を契機にして BIS（国 by AMI published by Thomson West, 2012）（注記：詳細百万ドル、社員数で 50 人以下）で多い、という特徴がある。転機を迎え、中国企業の国際競争力が弱体で、米国へ回帰際決済銀行）の規制から外れていたファンドは大きな痛手をな説明は紙幅の関係で省略させて頂きたい。）マクロ的には、財政状態は借入金依存度の低下が顕著だと言する製造業の影響は計り知れない。結果、今後の国際的な被った。その金融システムの変質は実は、企業の破産リスクえるが、それでも小企業の倒産は比率的に増加傾向にある投資摩擦は避けられない、との中国での議論とも矛盾はない。と再生の条件とを左右する基礎的条件を決定付けてきた。という。 12 2015.11.27 健全な経済運営は重要な政治問題でもあるが、上記した正提案と米国再生手法の質的変化エネルギー問題と共に最終日の議論を沸かせたのは米国の金湯構造の変質とそれに伴う再生手法の変化であった。即ち、直接金融主体の米国金融制度の下での企業経営 Institute）は昨年末に連邦政府へ 2014 年 12 月に倒産法改正の提言を行ったのには、このようなマクロ的変化を背景にした構造的変化を伴っていたと推察している。 TMA 総会でのこの種の活動は有意義だったと同行した日本 TMA のメンバーと総括的感想で合意した旅でもあった。 2015.11.27 13 企業訪問株式会社 TTM　代表取締役認定事業再生士（CTP）、中小企業診断士、社会保険労務士損金など事例の中でわからない情報もある場合、簡単に結論ファーが増えてきました。そこでは例えば、「債務者と会った時、は出せません。ケアしなければならない個所、論点はたくさん最初にどんな話をするのか？」といった実務の具体的なノウハあるので、落とし穴に気を付けて再生手法を選択してもらえるウも講義します。行員たちは、数字を見たり、決算書を分析ようセミナーでは指導しています。したりはできても、〝生の現場〟での経験がない。実務を経セミナーでは、実際にあったリスケ（リスケジュール）、法的再生、私的整理の 3 種類の事例を使っているのですが、今土屋嘉男氏験した者でなければ、本には書かれていないこういった知識やノウハウを教えられません。年は適切な事例が見つからなかったため開催できませんでし先にお話しした地銀とは別の金融機関では、TAA を取得た。同じ事例を繰り返し使う訳にもいかないので、新たな良した行員は次に ATP を取得するよう指導する態勢がすでにい事例が出てくれば、近く開催したいと思っています。できており、私はそのお手伝いもしています。こういった流れ個人向けの事例研究セミナー以外に、民間法人向けの事を他の金融機関などにも広げ、ATPとCTP の認知度をさら業再生研修にも取り組んでいます。最近懇意にしている関東に高めて、事業再生のプロフェッショナルの裾野を全国的に拡大していければ理想的です。当初は中小企業診断士として独立し、美容業界の経営コす。テキストは、企業経営の諸課題に関する豊富なコンサルの地銀を見ると、行員の多くが TAA（事業再生アドバイザー）ンサルティングなどをしていました。それから、縁あって事業ティング経験に基づき、事業再生実務に必要となる基本的なを持っているのですが、ATP や CTP はまだまだでした。も ATP を取得する認定教育機再生にも関わることになりましたが、その現場では中小企業考え方や全般的な知識を取得できる内容にしています。ちろん、これらの資格の存在については知っておられるので関としてだけでなく、CTP を目その中でも大いに差別化できる特徴は、過去の本試験問すが、難易度がかなり高いのではないかと思っている人が結指す人たちの助けにもなり、資事業再生は限られた企業だけができる手法だと最初から諦め題及び解答解説でしょう。過去 5 年分を収録し、解説には構目立ちます。金融機関には、ATP や CTP の意義をもっと格取得者が実務の現場に出たてしまっている経営者や債権者、経営者の弱い側面に付け今後の対策と学習方法も掲載しているのですが、ここでは私きちんと理解してもらい、行員が TAA の後には ATP、そし時に役立つ研修もできる会社と込んで詐害行為や偏頗弁済などを行うコンサルタントもいましがまだ事業再生の初心者だった時に苦労した部分や疑問にて CTP と段階的に資格取得していく後押しを望みたいですして、我々ならではの〝強み〟た。悪徳コンサルタントを根絶し、債務者企業によって異なる思った事柄などにスポットを当て、あくまでも〝受験者の目線〟ね。をこれからも発揮させていこうと特性を見定め、それぞれに応じた処方箋を提示して、企業で、そして、再生の実務に最低限必要な知識とは何なのかの体質を改善させられる事業再生のプロフェッショナルの必要を焦点にテキスト作成しています。診断士の知識や経験は全く役に立たなかったのです。一方、性を強く感じ、イチからこの分野を学び、経験とノウハウを蓄積していったのです。 10 年前、一般社団法人日本事業再生士協会（ACTP）せんが、経営はいろんな観点から様々な解釈を加えることが資格制度を立ち上げるに際し、認定教育機関を設けるというがら解答の取捨選択を見極めていくかを修得してもらわなけお話しを聞いて、すぐに手を挙げました。国内における事業ればなりません。受講生からの質問には、私を含め弁護士、再生の専門家の数は絶対的に少なく、人材育成は急務だと司法書士、公認会計士、税理士といった事業再生の実務思ったからです。株式会社 TTM を設立し、ACTP の審査家が対応します。他方、事業再生の事例研究セミナーも不定期で実施しています。実際の再生案件を取り上げ、最長で 4 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