電 子 光 理 学 研 究 セ ン タ ー(旧 核理研) 電子ライナック・BST リング共同

受付番号
提 出 日
受
電
□
✔ 新 規
子
□ 継 続
( いずれかを選択 )
理
光 理 学 研 究 セ ン タ ー(旧 核理研)
電子ライナック・BST リング共同利用申込書
□ 再提出
(Web 公開: □ 可 □
✔ 否) (所内連絡者: 菊永英寿
ガスジェット搬送物としてのBe-7の半減期測定
)
1. 申 請 課 題 名
(半角 80 字以内)
氏名: 笠松良崇
所属: 大阪大学 大学院理学研究科
2.研 究 代 表 者
職名: 助教
住所: 大阪府豊中市待兼山町1-1
e-MAIL: [email protected]
FAX: 06-6850-6999
TEL: 06-6850-5418
氏名: 笠松良崇
所属: 大阪大学 大学院理学研究科
3. 連 絡 責 任 者
(同上の場合も記入)
職名: 助教
住所: 大阪府豊中市待兼山町1-1
e-MAIL: [email protected]
FAX: 06-6850-6999
TEL: 06-6850-5418
4. 分
野
□ 核物理
✔ RI
□
□ 加速器
)
□ その他 (
✔ 第一実験室
□
□ 放射光
✔ 第二実験室
□
✔ 第三実験室
□
□ 光源加速器棟
5. 使 用 実 験 室
□ GeV ガンマ照射室 □ その他(
6. ビ ー ム 条 件
30 MeV),
エネルギー (
)
電流 (
その他の希望 (
7.希 望 マシンタイム
シフト数
130μ A )
)
1×2回(別日)
2015∼2016年度(6∼9月、10∼11月、1∼3月頃) 計2回
8. 希 望 時 期
1/4
電子光センター
共同利用経験
Yes / No
氏名
□
✔ / □
笠松良崇
✔ / □
□
菊永英寿
□
✔ / □
□
✔ / □
大槻勤
高宮幸一
所属
大阪大学 大学院理学研究科
東北大学 電子光理学研究センター
京都大学 大学院工学研究科
京都大学 大学院工学研究科
□ / □
✔
重河優大
大阪大学 大学院理学研究科
□ / □
✔
□
✔ / □
安田勇輝
大阪大学 大学院理学研究科
篠原厚
大阪大学 大学院理学研究科
✔ / □
□
□
✔ / □
□
✔ / □
□
✔ / □
✔ / □
□
✔ / □
□
✔ / □
□
✔ / □
□
□
✔ / □
9. 実 験 参 加 者
(研究代表者,連
絡責任者を含む)
□
✔ / □
□
✔ / □
□
✔ / □
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✔ / □
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✔ / □
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□
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□
✔ / □
✔ / □
□
□
✔ / □
□
✔ / □
2/4
職名
(学年)
助教
准教授
教授
准教授
M2
M1
教授
10. 実験の目的,及び意義(ここには要約のみを記入し,図表を含む詳しい説明は別紙で添付してください。別紙の
書式は自由)
Be-7は、半減期が約53日のEC壊変核種である。軌道殻電子を4つしか持たないため、化学結合に関与す
る価電子もEC壊変時に相互作用する可能性があり、化学状態によって原子核の半減期、つまり壊変定数
が変化することが期待され、実際に実験結果も報告されている。しかし、Beの軌道殻電子を吸引する強
さを変化させることはできるが、Beを電子リッチな状態にすることは難しい。そのような中で、当時東
北大学・電子光理学研究センター(当時、原子核理学研究施設)に在籍していた大槻勤らはBe-7をC-60
フラーレンの内部に入れることで非常に電子リッチな状態を作り出し、大きな半減期の変化を観測する
ことに成功した(Phys. Rev. Lett. 93, 112501, 2004他)。近年、大槻氏を含む我々のグループでは、
現在電子光理学研究センターに在籍している菊永英寿を中心として、Nb-90mの半減期の化学状態依存
性を様々な化学状態に対して調べてきた。この中で、超重元素の化学研究などで用いられるHeガスに
KClなどのエアロゾルを含んだガスジェット法にて搬送してきた試料に対しては、その他の化合物とは
異なる半減期が観測された。ガスジェット法とは、核反応で生成物を製造しているまさにその照射中に
ターゲット物質から反跳で飛び出してきた核反応生成物をガス中のエアロゾルに付着させそのまま
ジェット気流に乗せて迅速搬送する手段であり、この時の化学状態はよく分かっていない。Nbの半減期
の変化から考えると、一般の化合物とは異なり、価電子があまり配位子側に吸引されていない可能性が
考えられる。つまり、核反応直後の多価イオン状態から電子を充填しただけでは原子状態に近いと考え
られ、通常、エアロゾルの違いによる生成物の化学状態への影響は小さいと考えられている。これはNb
の結果と矛盾しない。しかし、申請者が行ったNbとTaのガスジェット搬送物に対するイオン交換実験
では、エアロゾルとしてKClとKFに変化させた時に化学挙動に違いが観測された。これはガスジェット
搬送物が完全な原子状態ではなく、何かしらの化合物を形成している可能性を示している。トレーサー
量としてしか得られないガスジェット搬送物に通常の化学分光法を適用できないため、その化学状態を
調べることは非常に難しい。また、エアロゾル付着物の化学状態は福島原発事故を含めた環境科学の観
点からも興味深い。今回、我々は化学状態による半減期の変化が詳細に調べられているBe-7のガス
ジェット搬送物中の半減期を測定することで逆にその化学状態、電子状態を推測したいと考えている。
11. 実験方法 (RI 製造の場合はビーム照射後のターゲットの取り扱い等を含む),要求マシンタイムの根拠 (ここに
は要約のみを記入し,図表を含む詳しい説明は別紙で添付してください。別紙の書式は自由)
大槻らはこれまで、Be-7の半減期の精密測定を、目的の化合物と標準となる試料の2つを同一のGe検出
器を使って交互に測定するという手段を用いることで実現してきた。電子光理学研究センターには、そ
の自動半減期測定装置が複数台設置されている。
電子光理学研究センターでは、標準試料となる金属のBe-7を大槻らの実験と同じ手法を用いて製造す
ることを計画している。安定なBe-9金属に50 MeVの制動放射線を照射し、Be-9(γ,2n)Be-7反応により
Be-7を含んだBe金属試料を作成する。
Be-7のガスジェット搬送物は、申請者が現在使用いているガスジェット装置を用いて作成することを
予定している。大阪大学核物理研究センターに、AVFサイクロトロンのビームラインに直結したガス
ジェット搬送システムがある。ここで、Li-7の電着ターゲットを用いることで、Li-7(p,n)Be-7反応により
生成したBe-7をKClもしくはKFエアロゾルを用いて化学室に搬送し、プラスチックフィルム上に捕集す
る。照射後、試料を真空密封することで、水との反応や酸化を防ぎ、電子光理学研究センターに郵送す
る予定である。
半減期は53日と比較的長いが、できるだけ近い日程で2試料を作成、同時期に測定に供したいと考えて
いる。KClとKFの2種類のエアロゾルを使用してその結果を比較するため、合計で2回の照射実験を行い
たいと考えている。半減期が長いため、詳細に半減期を決定するためには長時間測定が必要であり、2回
の実験は間を数か月以上開けて行いたい。
3/4
12. 使用を希望するセンター備品(Ge 半導体検出器の台数等),センターに希望する消耗品(毒劇物などセンター
で用意すべきものに限る)
自動半減期測定装置(Ge検出器付き)、塩酸
13. 本研究に関連した従来の研究(申込者の発表論文を含む)及び,本研究に関連して本センター(含 旧核理研)
で実施した実験の課題番号,題目,実験結果,ELPH Annual Report(含 核理研報告)の提出の有無(既に採択
された実験と重複して申請する場合には,実験課題相互の関係,優先度に関する考え,既採択実験の進行状
況,終了までの予定を必要がある場合には,別紙で説明してください。別紙の書式は自由)
[1] T. Ohtsuki, H. Yuki, M. Muto, J. Kasagi, K. Ohno, Phys. Rev. Lett. 93, 112501 (2004).
[2] H. Kikunaga, H. Fujisawa, K. Ooe, R. Takayama, A. Shinohara, K. Takamiya, Y. Kasamatsu, Y. Ezaki, H.
Haba, T. Nakanishi, T. Mitsugashira, K. Hirose, T. Ohtsuki, Proc. Radiocihm. Acta 1, 113 (2011).
[3] T. Ohtsuki, K. Ohno, T. Morisato, T. Mitsugashira, K. Hirose, H. Yuki, J. Kasagi, Phys. Rev. Lett. 98,
252501 (2007).
[4] H. Kikunaga, K. Takamiya, K. Hirose, T. Ohtsuki, J. Radioanal. Nucl. Chem. 303, 1581 (2015).
4/4
電子光理学研究センター共同利用研究安全チェックリスト
本チェックリストは課題採択前の安全審査と,課題採択後の安全確認に用いるもので
す。実験環境について把握するため,予定されている作業についてご報告をお願いしま
す。指摘事項に対する具体的な対策などは,所内連絡者とご相談ください。
1.基本情報(必須)
申請課題名
ガスジェット搬送物としてのBe-7の半減期測定
連絡責任者
笠松良崇
e-mail
[email protected]
TEL
06-6850-5418
使用予定実験室
✔
✔
✔
□第一実験室
□第二実験室
□第三実験室
□光源加速器棟
□GeV ガンマ照射室
□その他(
)
2.実験に使用する予定があるもの(必須)
チェック項目
Yes / No
A.一般作業関係
クレーン作業
□ / □
✔
重量物運搬作業
✔
□ / □
配電盤から(コンセント以外から)電力を得る作業
✔
□ / □
深夜(22:00~翌 6:00)作業
□ / □
✔
その他危険を伴う作業(具体的に:
)
□ / □
✔
B.試薬・高圧ガス関係
液体窒素
使用ガス
✔ / □
□
水素・重水素
✔
□ / □
エタン・メタン(PR ガス等混合気体を含む)
✔
□ / □
フロン類(四フッ化炭素など)
✔
□ / □
その他(具体的に:
危険物
)
✔
□ / □
エタノール
✔ / □
□
イソプロパノール
✔
□ / □
アセトン
✔
□ / □
その他(具体的に:
)
1/3
✔
□ / □
毒劇物
無機酸,アルカリ(毒物を除く)
✔
□ / □
フッ化水素酸
✔
□ / □
その他毒物(具体的に:
)
✔
□ / □
その他劇物(具体的に:塩酸
)
✔ / □
□
)
✔
□ / □
その他(具体的に:
3.放射線安全管理に関するもの
チェック項目
Yes / No
C.放射線作業関係
グループ中に本センターで5年以上従事者登録されていない人員がいる
✔ / □
□
一日 8 時間以上管理区域で作業する人員がいる
✔ / □
□
放射線発生装置室内で一日 1 時間以上作業する人員がいる
✔
□ / □
(具体的に:□第一実験室 □第二実験室 □本体室
□GeV ガンマ実験室 □光源加速器棟照射室)
300μSv 以上の被曝をするおそれがある作業
✔
□ / □
密封小線源(チェッキングソース)を当センター内に搬入
✔
□ / □
放射性同位元素(密封小線源除く)を当センター内に搬入または外に搬出
✔ / □
□
放射性廃棄物が発生する作業(照射に必要なもの,ポリろ紙等は除く)
✔
□ / □
密封線源を用いた作業(密封小線源除く)
✔
□ / □
非密封放射性同位元素を用いた作業(使用核種リストに記載すること)
□
✔ / □
D.照射関係
□
✔ / □
放射化物,放射性廃棄物を生成する
(具体的に:ターゲットに用いるガラス管など
)
非密封放射性同位元素を製造する(使用核種リストに記載すること)
□
✔ / □
非密封放射性同位元素を一週間以上保管する
□
✔ / □
同様の照射の経験(課題番号:
)
✔
□ / □
4.使用予定核種(密封小線源除く)
核種※1
数量※2(kBq)
使用の種類
保管,廃棄,運搬
Be-7
10
2/3
※1:リストから選択できない核種は”*”をつけて直接入力してください(例:*Fe-55)
※2:製造する場合は製造数量,使用のみの場合は使用数量を書いて下さい
5.特記事項,その他(安全について特段の対策があればここに記述してください)
3/3
別紙1.申請課題
「ガスジェット搬送物としての Be-7 の半減期測定」
の実験方法
本実験では、単純に物理吸着していると考えられるエアロゾル付着物が、どのような化
学状態にあるのかを推測するために、価電子状態に応じて半減期が変化し、その半減期
が詳細に決定されている Be-7 のエアロゾル付着物としての半減期を調べることを目的
としている。核反応で生成された直後、多価のイオンとして存在する生成物が、ガス中
で電子を充填して中性原子かそれに近い状態になるが、これは通常の手法では得ること
が難しい化学状態である。これはまさにホットアトム的な要素を含んでおり、そのよう
な化学状態にアプローチするのは非常に興味深い。また、これまでにエアロゾルを KCl
と KF と変更した際に、その試料のイオン交換挙動が変化した事実を受け、KCl と KF
の 2 種類のエアロゾルを用いて Be-7 の半減期を測定した時に、その半減期に違いが生
じるのか、といった点も興味深い。特にフッ化物イオンは最もイオン化傾向の大きな配
位子のひとつであるので、もし Be に化学的に結合すると Be の価電子を強く引き付け
るため、Be の EC 壊変の半減期に大きく作用すると考えられる。実際の実験の方法を以
下に記す。
1. 照射方法
Be の金属試料への制動放射線の照射は、電子線ビームを白金(Pt)の箔に照射し、そこ
から生成する制動放射線を利用して行う。9Be(γ,2n)7Be 反応によって金属状態の 7Be 試
料を作成する。これは、ガスジェット搬送物試料の半減期を測定する際に同時に測定に
供し、標準(比較対象)とする。同様の照射は、大槻勤先生の実験で何度も実施してお
り、安全面などは確認されている。照射は、第一実験室で行い、センターの菊永准教授
が開発した大電流リニアック末端に設置してある水冷式ターゲット照射システムを使
用する予定である。照射に関する概要図を図1に示す。ターゲット物質は石英管等に封
入されており、放射能が外に漏れることはない。また、水冷照射システムも独立系であ
るために、万が一石英管が破損しても RI が外に漏れ出ることはない。
図1.水冷式ターゲット照射システムの概略図
2. 照射後の取り扱い
本研究では、照射後の試料は第一実験室で適当な時間冷却した後、封入したまま第三
実験室に搬入し,そこで開封する。試料は分解や溶解することなく、そのままの状態で、
約 1000℃で熱することで、アニーリングを行い、測定試料として半減期測定装置に設
置して、半減期測定を行う。
また、ガスジェット搬送物としての Be-7 試料は、大阪大学の核物理研究センター
(RCNP)にて作成し、電子光理学研究センターに郵送する予定である。測定は、第三実
験室にて、上記の試料と同時に同じ半減期測定装置を用いて実施する。RCNP の AVF
サイクロトロンから発生するプロトンビームを Li 試料に照射することにより、
7
Li(p,n)7Be 反応にて Be-7 を合成し、ターゲット表面から反跳してきた生成物 KCl や KF
のエアロゾルを含んだ He ガスジェットで化学実験室に搬送する(図 2 参照)。これを
一定時間フィルム上に捕集し、捕集終了後はすぐに真空密閉して測定試料とする。
図2.核反応生成物の He ガスジェット搬送システムの概略図
3. 要求マシンタイムの概要
これまでの同様の手法での Be-7 の合成経験から、半減期の詳細測定のために必要な
放射線強度を得るためには 1 試料当たり 1 シフト程度(10 時間前後)のマシンタイム
(50 MeV; 130 μA)が必要であることが分かっている。本申請課題は、今後、エアロゾ
ル付着物の化学状態の研究を進めていく中での最初のテスト実験として、KCl と KF の
2 種類のエアロゾルを使用した試料に対して測定を行いたいと考えており、合計で 2 シ
フトのマシンタイムを申請する。1 試料の測定に半年程度の測定器間が必要であるため、
半年以上の期間を開けて、2 度の照射を行い、2 種類の試料に対する半減期を測定した
いと考えている。