研究開発の概要(創造的情報通信技術研究開発推進制度) マルチ

研究開発の概要(創造的情報通信技術研究開発推進制度)
マルチメディア通信網の高度サービス制御アーキテクチャの研究
(研究機関:大阪大学
研究代表者:村上 孝三)
1 研究開発の目的
本研究では、広域ネットワークにまたがって分散配置された多様な情報通信サービス関連資源を有機的に結
合させることにより、多様かつ高度なマルチメディア情報通信サービスを実現するネットワーク制御技術を確
立し、そのためのサービス実行環境のプラットフォームを開発する。具体的には、マルチメディア通信サービ
スの構造モデル化を通したサービス制御アーキテクチャの基本構成の提案、ユニキャスト通信及び 1 対多・多
対多マルチキャスト通信を含めたサービス品質を考慮した呼制御方式の検討、ネットワーク資源を分散管理す
るデータベースの構築とサービス制御方式の確立、ならびに分散処理プラットフォームとなるエージェントシ
ステムの開発等に関する研究を行うとともにシステム構成の具体化を行い、その基盤となるハードウェアとソ
フトウェアの新しい構成技術の開発を行う。さらに理論解析またはシミュレーションによりこれらの呼処理性
能、応答特性に関する基本特性を明らかにし、通信サービス品質特性、サービス処理性能に関する実用性能の
見通しを得る。
2 研究期間
平成9年度〜平成13年度
3 研究開発成果
提案アーキテクチャの基本構成としてホロニックネットワーク、ネットワーク情報を一元管理するネットワー
クマップ、分散処理環境を提供するエージェントシステム、サービス品質を考慮した呼制御方式などが挙げられ
る。
基盤アーキテクチャとなるホロニックネットワークは、光通信と電子制御を完全に分離している点に特徴があ
る。制御面においては、ネットワークマップを用いることによってネットワークの可視化というこれまでにない
概念を提供している。分散処理の基本プラットフォームとなるエージェントシステムにおいては、大規模ネット
ワークへの適用を考慮して、スケーラビリティを追求した。また、マルチメディア通信が真に普及するためには、
そのサービス品質が保証されることは必須であり、その点で複数のQoSを保証する経路制御手法は有効である。
本研究成果は、次世代のあるべきネットワークアーキテクチャを提示すると共に、その性能と実現可能性を明
らかにしており、新たな情報インフラの構築に大きく寄与する。
(外部発表件数:88 件)
図 ホロニックネットワーク
評価結果の概要(創造的情報通信技術研究開発推進制度)
マルチメディア通信網の高度サービス制御アーキテクチャの研究
(代表:大阪大学)
評価結果
効率性
目標達成度
費用対効果
2.3
2.0
有効性
科学的・技術的
知見の向上
2.0
技術革新への
対応
合計点
(16 点満点)
2.0
8.3
コメント
研究開発目標は実用化に重点が置かれているが、成果の実用化はなされていないようです。海外論文・特許
が出されていないです。
なお、評価点は各項目とも4点満点(合計16点満点)で
4:非常に優れている
3:優れている
2:普通(当初計画通り)
1:やや劣っている
0:劣っている
として評価を行った。8点以上が当初計画を達成したことの目安と考えられます。