ENGINE COCKPIT 大型機でありながら騒音が少ない 新世代エンジンを使用したA380 A380の最大の特徴は、なんといっ て も 総 2 階 建 て の 客 室 だ 。当 初 は 3 ク ラス制 の 標準配置 で555席 を 設 ける )と発表されていたが、現 ことができ、標準航続距離は8000 (14816 在では525席で8200 (15186 なっている。 747 ―8とA380の主翼は おのおの独自の新設計 747―8の形状で747―400と 大きく変わるのが、主翼である。747 ―400では、従来の747の主翼にウ イングレットを付けただけのものになっ ていたが、747―8ではより効率を高 めた新設計の主翼が導入され、主翼端は 787のように曲線を使った傾斜翼端に )に 変 わ っ て い る 。こ れ は 、機 体 設 計などに変更があったわけではなく、 なるとされている。この主翼の新型化に ち ら も 新 世 代 の タ ー ボ フ ァ ン で 、低 燃 P7200のいずれかを選択できる。ど 合同で設立したエンジンアライアンスG クトリックとプラット&ホイットニーが エンジンは、A380はロールスロイ ス・トレント900か、ジェネラル・エレ めに変更したものだ。 747―8を上回っていることを示すた 座席数でも航続距離性能でもA380が 能の向上を実現した。ちなみにA380 抗が減少し、着陸速度の低速化や上昇性 れるものだ。これにより低速飛行時の抵 下がるだけの『 ドループ・ノーズ 』と呼ば ある2枚は、キャンバーを変えずにただ トのうち、内側エンジンよりも胴体側に A380の主翼も当然完全な新設計翼 で、後縁に複雑な曲線を用いた独自のも することが可能になったのである。 より、操縦翼面をフライ・バイ・ワイヤ化 2005年に開発が決定した747―8 とされたため、 費 と 低 騒 音 を 売 り 物 に し て お り 、確 か の着陸速度は、これだけの大型機であり が 467 席 で 8000 に A380は 大型機 でありながら 極 め ながら、単通路機のA320とほぼ同じ のになっている。また前縁にあるスラッ て騒音の小さな旅客機になっている。一 WING 2,103m になっている。 N.A. 方747は、747―400ではプラッ 1,905 〜 2,180m またA380の主翼は、現在の機体規 2,987m 着陸滑走距離 ト&ホイットニー、ジェネラル・エレク 322.4 〜 356.8kN N.A. 模 に 対 し て は か な り 大 型 で あ る 。こ れ 295.6kN 2,820 〜 3,033m トリック、ロールスロイスの3社のエン 252.5 〜 258.1kN 離陸滑走距離 は、将来的に胴体延長型を開発してもそ エンジン推力 SPEC トレント900/GP7200 ジンから選択ができたが、747―8で ⓒ AIRBUS マッハ 0.85 GEnx-2B67 ⓒ Youichi Kokubo マッハ 0.85 PW4056/CF6-80C2/RB211-524G のまま使えるように設計したためで、エ ▶垂直安定板後縁の方向舵は、大型 機らしく上下 2 分割になっている。エ アバスの旅客機でこの方式を採用した のはA380が最初だ。水平安定板後 縁の昇降舵も、片側2枚である。 マッハ 0.85 はジェネラル・エレクトリックの 新開発 15,186km アバスでは当初から標準型のA380― 14,816km エンジンである、GEnxのみの装備に 11,186 〜 13,565km 客室は、長さは延びているものの、これ 525 席 航続距離 800と胴体延長型のA380―900 て い る 。ま た フ ァ ー ス ト や ビ ジ ネ ス と 467 席 までの747と同じく、上部デッキが通 A 3 8 0 の 操 縦 室 は 、 サ イ ド・ス ティック式操縦桿 を 使用 している 点 で いったプレミアム・クラスでは、従来 に 417 席 の開発を計画していた。ただ大型化版に は 、こ れ ま で の フ ラ イ・バ イ・ワ イ ヤ・ はなかったスタイルの座席の装備が可能 560,000kg 標準客席数 路1本のナローボディ仕様である。ただ ファミリー機と同じだが、カラー液晶に だ。上部デッキも、A300の断面の胴 442,260kg ついては、まだ市場が見込めないことと、 よる画面表示装置は縦長のものが8基計 体とほぼ同じ広さがあり、これまでのエ 362,875 〜 396,895kg 内装設計には787のスタイルを採り入 器盤に並び、これまでのものよりも多く アバスのワイドボディ旅客機と同様の客 270,015 〜 270,281kg 最大離陸重量 基本型の熟成を優先するとして、いまだ の情報をパイロットに示すことが可能に 室配置ができる。 N.A. れて、空間の広がりを演出している。 なった。ただ、基本的な表示様式などは 180,485 〜 181,845kg 開発に着手していない。 統一 されているので、相互乗員資格( C 747―8では、現時点ではさらなる 大型化などは考えていない。ボーイング 845.0㎡ 運航自重 A380は、主デッキのエコノミー・ク ラス配置は3席+4席+3席の横 席で CQ)制度は維持されている。 さいと見続けているからだ。なお747 N.A. 747と同じだが、客室幅がわずかに広 7 4 7 ― 8 の 操 縦 室 は 、基 本 的 に は 7 7 7 の 設 計 を 受 け 継 い で い る 。な お では、747―400の最終機が近く完 541.2㎡ 多くの情報を確認できる A380の8基の画面表示 747 ― 8 で は 、操 縦 シ ス テ ム の う ち 、 成 して 引 き 渡 されることになっており、 24.10m 主翼面積 いので、余裕を持った配置が可能になっ 主翼 の 補助翼 とスポイラーはフライ・バ は、あくまでも将来の超大型機市場は小 イ・ワイヤで 制御 され、方向舵 と 昇降舵 これにより生産は747 8 —のみに一本 化される。747―8の初号機は貨物型 は従来のメカニカル式である。 の747―8Fで、2009年8月に初 号機が完成する予定だ。 ら路線就航を開始した。A380が世界 〝世界最大〟の称号が続く 380 終焉を迎える747―400 A380が完全な新設計機であるのに 対し、747―8は747―400型に、 最大のジェット旅客機である時代は、こ A380は、製造上の問題で引き渡し に遅れが出たものの、2007年 月か 787で開発した技術の一部を採り入れ 73.00m 19.35m nm れからしばらく続くことになる。 76.25m 19.51m nm た発展型である。このため747―8の 70.67m 全高 km 80 81 全長 ▶747-400の尾翼の舵も昇降舵、方 向舵ともに2 分割されているが、これ は初代 747から受け継いだもの。最 新型の747-8でも、尾翼の基本構成 や操縦システムに大きな変更はない。 巡航速度 エンジン ⓒ AIRBUS 79.80m ⓒ Youichi Kokubo A380-800 68.45m km ◀ A380の主翼端も、A320ファミ リーなどと同様のやじり型フェンスに なっている。主翼面積は比較的広く、 また主翼の強力な高揚力装置により、 着陸速度はA320とほぼ同じにでき た。 A380 ◀7 4 7-4 0 0では主翼端にウイング レットが付けられているが、短距離 型の747-400D( 写真 ) にはそれが ない。最新型の747-8では、新型機 787と同様の曲線を用いた翼端が使 われることになっている。 747-8 64.92m 10 11 747 747-400 全幅 nm A ▲A380のエンジンはトレント900とGP7200( 写真 )から選択できる。エンジン・ア ライアンスGP7200エンジンを装備できる唯一の機種だ。 ▲747-400はプラット&ホイットニー、ジェネラル・エレクトリック、ロールスロイスか らエンジンを選択できた(写真はCF6)が、747-8ではGEnxのみの装備になっている。 ▲A380のコクピットは、縦長のカラー液晶画面8枚が使われている。操縦装置は、 もはやエアバスの伝統ともいえる、サイド・スティックである。 ▲747-400の操縦室は、画面表示装置6枚を使った、本格的なグラス・コクピットに なっている。新しいタイプではカラー液晶画面が使われている。 ⓒ AIRBUS ⓒ Youichi Kokubo ⓒ AIRBUS ⓒ dpa/PANA A380 747 A380 747
© Copyright 2024 Paperzz