Ⅰ 水稲 実況 5月の連休時は多照であったが、その後、気象状況の変動

Ⅰ 水稲
実況
5月の連休時は多照であったが、その後、気象状況の変動が大きく、10 日~11 日は大雤警報が
出されるなど降雤が続いた。育苗では、大きな病害発生はみられず、苗質が前年よりも改善され
たものが多かったようであるが、4月の育苗では苗の草丈不足や根張りの不良、5月の育苗では、
徒長やヤケ苗、葉齢の不揃い等が散見された。気象状況の変動を受け、移植時期や播種時期、本
田管理の差により、生育差が大きい傾向となっている。
1 移植栽培
1)移植後の気象と生育
4月上中旬は、降水量は尐なく、日照は多め、気温は低い傾向となった。下旬は日照が尐なく
なった。5月上旬は 2 日以降晴れや曇りとなり、日射は回復した。9 日までは晴れて暖かくほぼ
平年並以上の気温となったが、10 日~11 日には大雤警報が出されるなど 2 日間で降水量 174mm
のまとまった降雤があり、冠水する育苗ハウスもあった。(第1表、第1図、第2図)。
5月中旬移植用のコシヒカリ育苗では、前年よりも育苗管理が徹底されたためか概ね良好な苗
となり、根のマット形成も良好なものが多かった。ただ、一部で温度管理や水管理が不備なもの
等では徒長や苗の葉が焼けたものがみられた。また、育苗用床土の窒素施肥量を減肥しなかった
ところで徒長苗となった。逆に、コシヒカリと同じ肥料の尐ない床土を使い育苗されたハナエチ
ゼンを中心に、育苗期間の低温寡照の影響もあり、前年ほどではなかったが、やはり苗丈が伸び
なかった、根張りが悪かった、という事例があった。移植後の生育では、連休植え、コシヒカリ
の適期田植えともに活着は良好であった。5月10~11日に大雤が降ったため、その直前に除
草剤を田植え同時散布した圃場では除草効果低下が懸念されるため、今後の雑草の生育に注意が
必要である。
農試気象対策試験(5 月 2 日移植)では、5 月 27 日現在、草丈がやや大きく、茎数が尐ない状
況となっている。深水傾向で推移したことが影響したと思われた。また、移植時の葉齢のバラツ
キが大きいことが、現在、生育ムラにつながっているようである。5 月 20 日移植のものでは 5 月
27 日現在、活着根が伸長し、4 葉目が抽出中となっている。しかし、まだ葉色は淡い。
県下各地の生育基準圃の生育調査結果でも、5月上旬移植では草丈がやや大きく、茎数は平年
並~やや尐ない傾向となっている。5月中旬移植では、ほぼ前年並の生育となっている。5月中
旬が低温であったことの影響が出ているようである。また、5 月後半となって雤が多いこともあ
り、やや深水傾向となっている圃場も目立つ。
第1表 4月上旬~5月中旬の気温と日射量の平年比(福井)
平均気温
平年差
平均日射量
平年比
(℃)
(℃)
(MJ/㎡/日)
(%)
10.0
10.6
4月上旬
4月中旬
-0.7
-2.2
18.3
17.9
備
122
114
考
3/31~4/7 降水量 0mm
4/12~4/17 降水量 0mm、最低気温 12
日 0.9℃
12.5
16.8
18.5
4月下旬
5月上旬
5月中旬
-2.3
-0.1
1.2
平均気温(℃)
12.3
17.5
20.7
71
100
123
最低気温 17 日 2.1℃、21 日 3.8℃
降水量 10 日 87.5mm、11 日 76.5mm
最高気温 19 日 28.4℃、20 日 28.6℃
日射量(MJ/㎡・day)
平年値(℃)
25
30
20
25
20
15
15
10
第1図 平均気温(福井、4月~5月)
5/20
5/13
5/6
4/29
4/22
4/15
4/1
5/20
5/13
5/6
4/29
4/22
0
4/15
0
4/8
5
4/1
5
4/8
10
第2図 日射量(福井、4月~5月)
(図中の本年の値はいずれも5月22日までのデータ)
第2表 農試 気象対策試験の生育状況(5月26日現在)
項目
移植日
品種名
(月/日)
ハナエチゼン
5/2
コシヒカリ
5/2
コシヒカリ
5/20
イクヒカリ
5/2
あきさかり
5/2
日本晴
5/2
草丈(cm)
23 年
平年
茎数(本/株)
比
23 年
平年
比
葉齢(枚)
23 年
平年
葉色
比
23 年
注)コシヒカリの 5/20 移植の括弧内の平年値は 5/10~5/30 頃移植の値(平均 5/16)
平年
比
2 湛水直播栽培の生育
1)苗立ち期の生育状況と除草剤散布
播種は4月25日頃から5月15日頃まで行われた。この期間の気温の経過は穏やかで、、出
芽、苗立ちは全般に良好だったと見られる。5月10~11日の大雤の影響も小さかった。
2)現在の生育状況
農試の5月13日播種のものでは、5月26日現在、2 葉目抽出~展開中となっており、例年
に比べて生育の進度はやや遅めとなっている。県内各地の湛水直播圃場でも、2 葉目展開中~3
葉目抽出中となっているものが多いようである。
直播圃場でも、苗立ち数の違いが生育の違いとなっているが、圃場による茎数の差が大きい状
態で、湛水直播の生育基準圃における茎数は 40 本/㎡~106 本/㎡程度となっている。
また、現地では、コエカワや表層剥離の発生圃場はみられているが前年よりは尐ないようであ
る。稲の生育遅れ等の関係で除草剤散布が遅くなった圃場ではノビエの葉齢が進んでいたために
殺草されずにヒエが残っているものもみられる。さらに、湛水直播栽培を数年継続した圃場で雑
草発生が増加しているという報告もあり、その要因と対応策の検討も必要である。
3 病害虫発生状況
5月下旬現在、葉いもちの発生は確認されていない。また、害虫では、イネミズゾウムシ、イ
ネゾウムシ、イネヒメハモグリバエ等が県内各地で発生が確認されている。特に、5 月後半の気
温がやや低めで、雤が多く、圃場の水深がやや深めとなったためか、イネヒメハモグリバエの発
生が目立つ。
対策
気象予報では、これから1ヶ月は気温は平年並と予測されており、特に、5月末頃はやや高い。
そこで、生育状況や病害虫発生に注意し、栽培管理が後手にならないよう留意する。
1 移植栽培
1)水管理
5月上旬に移植されたものでは、既に分げつも始まっており、茎数が増加している。
本田での栽植密度は、近年、疎植化傾向にあるが、栽植密度が異なっても面積あたり目標茎数
は大きく変わることはないと思われる。面積あたりの生育量がどれくらいかを意識して管理する。
具体的には中干しまでは、分げつ発生を促進し、稲体の徒長を抑制する。特に、活着が遅れた
り、分げつの発生が遅い圃場を中心に、晴れた日の日中は浅水にして地温を高め、分げつ発生を
促進する。遅くなってからの分げつは、茎が細くなりやすく、登熟の良い大きな穂をつけにくい。
また、一般的に幼穂形成期に3枚以上の葉をつけた茎でないと穂ができないといわれ、小さい分
げつは穂をつけずに枯れてしまう無効分げつとなる。
5月中旬移植のものでは、新葉の抽出展開、新根の伸長もはじまっている。やはり浅水にして
地温上昇を図り分げつ発生を促進する。目標茎数が確保されたら、中干しにはいる。
2)溝切り・中干し
5月上旬に移植されたものでは、6月上旬のうちに溝切りをする。特に圃場の大区画化が進む
地域では、圃場内での均一な水管理を速やかに行うためには大切である。
目標茎数が確保されたら、速やかに中干しを行う。中干し開始時期は品種や圃場条件によって
も異なるが、概ね茎数が 350 本~420 本/㎡程度が目安となる。5月上旬移植では、6 月 10 日頃に
目標茎数が確保されると思われる。中干しの程度は、湿田ではやや強めに(土壌表面にヒビが入
る程度)、乾田では弱めに、が基本であるが,生育過剰の場合は強くするなど、稲の状態をみて
調整することも必要となる。中干しは、幼穂形成期直前まで継続する。ただし、幼穂形成期直前
まで田の様子を見に行かずに入水しなくて良いというものでない。この頃は一般的に雤が多く、
排水を中心に考える時期であるが、カラ梅雤の場合は、表面の土のヒビが大きくなりすぎないよ
う、表面の土が白く乾かないように、様子を見ながら、時々通水が必要な場合もある。特に、砂
質の地力の低い浅耕田では、干しすぎないように注意が必要である。
5月中旬移植コシヒカリでは、目標茎数は 350 本~380 本/㎡程度と5月中旬移植並~やや尐な
い。さらに5月中旬移植では、5月上旬移植よりも草丈が小さかったり、茎が細いうちに茎数が
増加することが多いので、稲体が小さくみえる。そのため中干しの時期が稲の生育段階に比べて
遅れがちとなりやすい。そのため茎数増加に、より注意が必要である。5 月 15 日頃の移植栽培で
は、6 月 20 日頃に目標茎数が確保される時期となると思われる。先に述べたように、幼穂形成期
の頃に3枚以上の葉が付いた分げつ(≒幼穂形成期の約3週間前に出てきた分げつ)でなければ
無効分げつとなる可能性が高い。したがって、株できが遅くても、6月25日頃までには中干し
を開始し、稲体の健全化を図る必要がある。
生育状況には年次差や地域差、圃場差があることを認識し、中干し開始時期が近づいたら、必
ず生育量の把握を行い、生育に応じた管理作業に心がける。
中干しの目的は、①過剰分げつを抑制し無効茎数を尐なくすること、②土壌の還元を抑制し、
根腐れを防止し、根張りを促進すること、③土をある程度硬くして地耐力を向上させることで収
穫直前までの間断通水を可能とすること、である。これらの目的を達成できるように管理作業を
行う。
中干しの頃は梅雤時期と重なるので、充分に干せないことが多い。圃場の乾き方や梅雤時期の
雤の降り方をみながら、圃場の管理を行う。
2)病害虫防除
今のところ、病害の発生は多くはない。害虫については、イネミズゾウムシやイネゾウムシ、
イネヒメハモグリバエ等が県内各地で発生している。
今後気温の上昇や梅雤入り後の多雤・寡照に伴って、葉いもちの発生が懸念される。山間の日
照が短かく稲体が軟弱となりやすいところや常発地、遅植えや直播栽培では、特に注意する。補
植用の置き苗が残っている場合は、置き苗が葉いもちの発生源となるので、早急に撤去する。い
もち病予防粒剤は6月上旬のうちに施用する。中旬に入り、中干しの最中では、粒剤施用後の水
管理が困難となる。苗箱施薬してある圃場については、基本的には本田での粒剤散布の必要はな
いが、発病していないか注意し、病斑がみられたときは、早急に治療効果のある薬剤で防除する。
また、いままでのところ、イクヒカリでいもち病の発生は確認されていないが、作付開始から年
数が経過し、作付面積も拡大しているので、発病に注意が必要である。
害虫についても、全体的な発生は多くなくても、局所的に多発することがあるので、発生に注
意し、早めに対処する。
また、ニカメイチュウについては、被害の多い地域は限定されてはいるが、近年その被害地域
が拡大しており、注意が必要である。前年は福井平野北部の西側で被害が大きかったが、本年の
フェロモントラップでの誘殺数はこれまでのところ前年の約 2 倍とかなり多い。1化期の防除時
期は、粉剤や液剤では 6 月 20 日頃、粒剤では 6 月 10 日頃である。前年発生が多かった地域とそ
の周辺地域では、地域全体で防除することが大切である。
3)雑草対策
初期剤や中期剤(初中期剤)散布後に雑草発生がみられる場合は、後期除草剤で対応する。ノ
ビエにはクリンチャーやヒエクリーン、広葉雑草にはバサグラン、両方みられるときはクリンチ
ャーバスやワイドアタック SC、ヒエクリーンバサグランというように、発生している草種に応じ
た剤を選択する。除草剤の使用にあたっては、使用基準を守る。
4)農薬使用上の注意点
農薬使用にあたっては、使用時期・使用回数・使用量・使用法といった使用基準を遵守する。
同一薬剤や同系統薬剤の連用によって、薬剤に抵抗性が生ずる場合もあるので注意する。
5)早生の穂肥(分施体系の場合)
6月下旬となると早生品種の幼穂形成期となる。分施体系の場合、幼穂長が 2mm となったのを
確認して、穂肥を施肥する。
2 直播栽培
1)水管理、中干し
浅水管理で分げつを促進する。湛水直播栽培では茎の生長点の位置が移植栽培に比べて浅いの
で、茎数が増加しやすい。また、晩植栽培と同様、草丈が短く、茎が細いうちに目標茎数となる
ので、生育量を見誤りやすい。そのため茎数の確認により、中干しを遅れないようにする。中干
しの開始時期の目安は茎数が 300 本~350 本/㎡程度となったときである。(通常では、5 月上旬
移植栽培での中干し開始時期とあまり違わない。)苗立数が多かったところや地力の高いところ
で、遅れないように特に注意が必要となる。また、圃場内の苗立ち数の差は移植より大きいので、
今後、圃場ごとの生育状況を適切に把握して生育に応じた管理作業を実施する。
2)病害虫防除、雑草防除
直播栽培では、移植栽培よりも稲体が軟弱となりやすい。そのため、葉いもちや害虫が発生し
やすく、被害も大きくなりやすいので注意が必要である。
6月前半が低温となる予測はないが、深水になる所についてはイネヒメハモグリバエにも注意
する。
また、除草剤散布時期が遅れ、残草がみられる圃場も散見される。後期除草剤は、残った雑草
の草種に応じて、直播栽培に登録のある薬剤を選択する。
薬剤使用にあたっては、使用基準を必ず守る。
3)新技術「中期深水による茎数抑制」について
農業試験場作物部から出された新技術「中期深水による茎数抑制」を行う圃場では、5~6 葉期
頃になったら茎数を確認し、6 葉期(5月1日播種で6月10日頃)から水深 10cm 程度とし、茎
数の抑制を図る。その後、9 葉期(6月末頃)から幼穂形成期直前まで中干しを行って、根の健
全化や地耐力の向上を図る。茎数調査で極端に茎数が尐ない場合は深水を行わず、浅水管理で茎
数増加を促す。
また本技術では、除草剤散布回数を減らせる可能性があるが、既に発生している雑草は、深水
によって枯死することはない。深水開始時期に、雑草発生の有無を調査し、雑草発生がみられる
場合は2回目の除草剤散布を行う必要がある。
なお本技術は、砂質土で水持ちの悪い圃場ではその効果が劣るので、水持ちの良い圃場で行う。
本年も県内各地の水稲生育調査結果等を基に「稲作情報」を提供しているので、
最新の「稲作情報」を参考に、栽培管理や指導を実施して下さい。
Ⅱ
麦、大豆等
実
況
1
大麦
3~4月の低温で平年より出穂はやや遅く、嶺北平坦地で4月下旬から5月上旬、奥越地区で5月中
旬、嶺南地域では4月下旬であった。5月に入り高温が続き、登熟は進んだものの、成熟期は例年より
やや遅れ、嶺北平坦地で6月上旬、奥越地区で6月中旬、嶺北地域も6月上旬となる見込みである。
5月20日時点では倒伏はなく、赤かび病の発生はごくわずかである。
2
夏そば
降雨等により播種時期がやや遅れた地域が見られる。また、播種後の降雨により発芽苗立ちが不良と
なった事例が認められる。しかし、苗立ちした個体については生育は順調である。
3
気象条件
2011年の半旬別気象状況(福井地方気象台)
℃
平均気温の推移
21
20
19
18
17
16
15
14
13
12
11
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
最高気温の推移
℃
30
25
20
15
2011年
平年値
2011年
10
平年値
5
0
1・1 1・4 2・1 2・4 3・1 3・4 4・1 4・4 5・1 5・4
1・1 1・4 2・1 2・4 3・1 3・4 4・1 4・4 5・1 5・4
mm
160
最低気温の推移
℃
17
16
15
14
13
12
11
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
-1
-2
-3
-4
降水量の推移
2011年
平年値
140
120
100
80
2011年
平年値
60
40
20
0
1・1 1・4 2・1 2・4 3・1 3・4 4・1 4・4 5・1 5・4
日照時間の推移
h
60
1・1 1・4 2・1 2・4 3・1 3・4 4・1 4・4 5・1 5・4
2011年
平年値
50
25
40
20
30
15
20
10
10
5
0
日射量の推移
mj/㎡
30
平年値
0
1・1
1・4
2・1 2・4 3・1 3・4 4・1 4・4 5・1 5・4
1・1
2011年
1・4
2・1 2・4 3・1 3・4 4・1 4・4 5・1 5・4
対
策
1
大麦
6月初めから順次収穫が始まる。収穫作業は、大麦栽培で仕上げの作業となる。播種作業から始まり
これまで努めてきた高品質麦生産を確保・維持できるかどうかは、収穫作業にかかっている。
(1)品質を重視して、適期に収穫
品質を重視して、
収穫時の穀粒水分は 30%以下を原則とする(カントリ-利用上の指針は 25%以下)。
早刈りは空洞麦の発生が多くなる。一方、収穫適期を過ぎると稈折れ、首折れが増加して穀粒損失が増
すとともに、雨によって色沢が悪くなるので注意する。
(2)収穫適期
登熟過程における穀粒水分の低下は図のとおりである。出穂期の翌日から毎日の気温を積算し 750℃
となった日がおおよそ成熟期となり、出穂期~成熟期までの期間は概ね 40~42 日であるが、年によっ
て、生育の良否によって 10 日程度前後する(図)
。
穀粒水分(%)
80
60
40
30
20
80
穀粒水分(%)
ファイバ-スノウ(’00)
ミノリムギ(’00)
ファイバ-スノウ('99)
ミノリムギ('99)
系列5
'96生育良
'02生育良
60
'02生育標準
40
30
20
0
0
30
0
20
40
60
出穂後日数
80
40
45
50
出穂後日数
図
図 ファイバースノウとミノリムギの
出穂後日数と穀粒水分との関係
35
出穂後日数と穀粒水分との関係の
年次ならびに生育状態による変異
品種はミノリムギ。穀粒水分の一時的な上昇は
1mm 以上の降雨による土壌水分
成熟期が近づいたら圃場で調査を行い、穀粒水分や形態を調べる。穀粒水分が 55~40%くらいまで
は 1.2~1.6%/日、40%以下から収穫適期までは 2.1~3.2%/日の割合で低下する傾向があることから、
次式による収穫適期の予測がある程度可能である。しかし、40%以下になると晴天日には 1 日に5~
6%と急激に低下するので、この点に留意する。
D=(W-40)/1.4+4 …… 水分 30%以下
ただし、D:調査日から収穫適期までの予測日数(日)
W:調査日の穀粒水分(≦50%) …… 55%までは可能
穀粒水分の測定は、絶乾法(105℃で 24 時間通風乾燥して、穀粒重とその減尐量とから水分割合を
求める方法)が良いが、30%以下になれば携帯型の電気抵抗式水分計でも可能である。
成熟期における形態的な特徴としては、①全体的には穂軸や茎葉が完全に黄化している、②粒につい
ては爪先で押しつぶしたとき弾力性がなく、ろうの硬さになっている、こと等である。
図
大豆
ここ 10 年、本県大豆の作付面積は 1,200~
大豆の栽培面積、単収の推移
1,900ha の間、
単収は 80~180kg/10a の間で推移し、
識の向上による地力や土壌pH の改善、ならびに湿
害防止、夏期のかん水、病害虫防除など、これらの
1つ1つの基本技術の実施が不可欠である。
「耕うん同時畝立て播種」は、水ストレス軽減技
2000
200
1800
150
1600
100
1400
1200
50
1000
0
13年
14年
15年
16年
17年
18年
19年
20年
21年
22年
大豆の収量品質を安定させる上では、土づくり意
栽培面積(ha)
気象や栽培管理が影響し、年次変動が大きい。
単収(kg/10a)
2
大麦の成熟期判定の目安
術として期待されており、その導入面積の拡大によ
る湿害軽減が期待される。併せて、地力低下圃場で
作付面積
単収
の対策として、栽植密度を高める「狭畦密植無培土栽培」も、当面の収量向上対策として期待される。
本年は、前作大麦の成熟、収穫が遅れたため、大豆播種が7~10 日程度遅れる場合がある見込みで
ある。大豆晩播では個体が小さく群落生育量が不足するので、播種量を増やし、個体数で群落生育量を
確保する。また、大豆個体が小さい場合に有望な栽培法としては、狭畦密植栽培がある。
<大豆栽培基本技術>
(ア)排水対策の徹底
溝を手直しして活用する。排水口(水戸尻)が額縁明渠底面より高い場合は、切り下げを行なう。
(イ)土壌改良資材の施用によるpHの適正化
酸度矯正とカルシウムの補給のため、石灰類を施用する。
県内の水田は近年酸性化が進んでいるため、石灰類の施用は必須である。
※ ダイズの生育に好適なpHは6~6.5である。
(ウ) 麦藁鋤き込みによる土づくり
麦藁は有機物資源となるだけでなく、土が膨軟となり通気性が高まって発芽・初期生育の向上にも
つながるので、確実に鋤きこむ。
フタスジヒメハムシによる葉の食害
(エ)深耕
深耕により根域の拡大と養水分の安定吸収を図る。
(オ)フタスジヒメハムシの初期防除
フタスジヒメハムシは生育初期の葉を食害し、その被害が大
きいと初期生育が不十分となる。大豆は初期生育の安定確保が
収量、品質に大きく影響するため、被害防止対策として、クル
ーザーFS 水和剤を種子塗布処理する。
(カ)培土
培土の適期実施により、倒伏防止と除草を図る。
(キ)乾燥時の畝間灌水の徹底
大豆は梅雨明け後に、莢の伸長、登熟が行なわれる。こ
の時期の水ストレスは、莢の落下や登熟不良、青立ちの
原因となるため、葉が裏返り始めたら、畝間灌水を実施
する。
※ 畝上部にまでかん水したら、早急に排水する。
(参考:平成 19 年畝間灌水試験結果)
灌水
無灌水
50.0
日照時間
10
2
0
0
35.0
30.0
9/
19
4
9/
12
6
20
9/
5
30
40.0
8/
29
8
8/
22
10
40
8/
15
50
45.0
8/
8
12
SPAD値
14
60
日照時間(hr)
70
1
3
5
7
9
11
13
15
17
19
21
23
25
27
29
31
降水量(mm)
降水量
図2 畝間灌水試験葉色(SPAD値)の推移
図1 8月の降水量と日照時間(福井)
表 成熟期・収量調査結果
節当た
粗粒重
区
主茎長
全重
り莢数
慣行比
cm 莢/節 kg/10a kg/10a
%
灌水
52.0
1.56
631
362
118
無灌水
59.6
1.33
541
308
100
注 主茎長、節当たり莢数は生育中庸な5株平均。
粒大比率
百粒重 ちりめん皺 裂皮率
中粒
小粒
率
%
%
%
g
%
%
60
35
5
35.0
18.7
12.9
41
49
10
32.4
31.0
6.3
大粒
(ク)病害虫防除
8/20 頃にフタスジヒメハムシ・カメムシ防除、9/10 頃にカメムシ防除を実施する。また、7/下に
ウコンノメイガによる葉巻きが見られたら、適宜防除を散布する。
(ケ)収穫
収穫前に、青立ち株、雑草を除去する。また、水分 22%で収穫し、亀甲じわの発生低減を図る。
3
夏そば
夏型品種では開花しつつある。収穫は、秋作ソバと同様に、黒化率 80%を目安に行うことを基本と
するが、梅雨の降雨と重なる場合には早期収穫(黒化率 40~70%での収穫、普通収穫の1~2週間前)
を組み合わせ、玄ソバの品質低下を避ける。
Ⅲ
野菜
実
況
1
施設野菜
果菜類
(1) ト マ ト
若 狭 地 区 で は 2 月 上 旬 に 定 植 し た 圃 場 で は 5 月 上 旬 か ら 収 穫 が 始 ま っ て お り 、例 年 よ
り 1 週 間 程 度 遅 く な っ て い る 。(昨 年 4 月 23 日 ~ 収 穫 開 始 )。2 月 下 旬 に 定 植 し た 圃 場
で は 6 段 目 が 開 花 期 と な っ て い る 。福 井 地 区 で は 2 月 下 旬 に 定 植 し た 圃 場 で 、草 丈 220
㎝ 、 葉 数 30 枚 、 7 段 果 房 開 花 期 と な っ て い る 。 5 月 上 旬 か ら 収 穫 が 始 ま っ て お り 5 月
16 日 か ら 選 果 場 が 稼 働 し て い る 。 灰 色 か び が 微 発 で あ る 。
南 越 地 区 で は 3 月 上 旬 に 定 植 し た 圃 場 で 1 段 目 収 穫 開 始 、 5~ 6 段 目 が 開 花 期 な っ て
いる。一部で草勢が低下している。1 月末定植で 2 段目収穫中、8 段開花中である。
(2) ミ デ ィ ト マ ト
福 井・坂 井・南 越・二 州・若 狭 地 区 の 土 耕 半 促 成 栽 培 は 3 月 中 旬 ~ 4 月 上 旬 に か け て
定 植 さ れ た も の が 5~ 7 段 開 花 期 と な っ て い る 。 定 植 後 の 低 温 に よ り 生 育 が 緩 慢 な 圃 場
や 樹 勢 が 弱 い 圃 場 が あ っ た が 、5 月 の 天 候 の 回 復 と と も に 生 育 は 概 ね 平 年 並 み と な っ て
お り 1 段 目 が 着 色 期 と な っ て い る 。奥 越 地 区 で は 4 月 下 旬 か ら 定 植 さ れ 現 在 1 番 花 房 が
開 花 中 と な っ て い る 。水 稲 育 苗 ハ ウ ス で は 5 月 1 8 日 に 苗 を 配 布 し て お り 順 次 定 植 す る
予 定 と な っ て い る 。全 体 的 に は 病 害 虫 の 発 生 は 少 な い も の の 一 部 の 圃 場 で 葉 か び 病 、灰
色 か び 病 微 発 、 ア ザ ミ ウ マ 類 、 ア ブ ラ ム シ 類 が 極 微 ~ 少 発 で あ る 。 坂 井 地 区 の 2 月 23
日 に 定 植 し た 樽 栽 培 が 5 月 18 日 か ら 出 荷 が 始 ま っ て い る 。 樽 栽 培 で 葉 か び 病 微 発 で あ
る。
(3) キ ュ ウ リ
若 狭 地 区 で は 3 月 上 旬 に 定 植 し た 圃 場 で 4 月 11日 か ら 収 穫 が 始 ま っ て お り 現 在 中 段
を 収 穫 中 で あ る 。 一 部 で う ど ん こ 病 が 微 発 で あ る 。 福 井 地 区 で は 3 月 10日 定 植 が 5月 上
旬 に 主 枝 摘 心( 23節 前 後 )終 了 と な っ て い る 。現 在 、主 枝 20節 、側 枝 10節 を 収 穫 中 と な
っている。菌核病、灰色かび病小発、うどんこ病微発である。丹生地区は3月下旬に、
二 州 地 区 で は 4 月 上 旬 定 植 が 低 温 に よ り 生 育 が 遅 れ て お り 草 丈 は 100~ 150㎝ と な っ て
い る 。5月 下 旬 よ り 収 穫 が 始 ま っ て い る 。南 越 地 区 で は 3月 末 定 植 が 親 つ る 22節 で 摘 心 と
な っ て い る 。 す で に 4月 25日 か ら 収 穫 開 始 ( 現 在 15~ 18節 を 収 穫 中 ) な っ て い る 。
(4) ハ ウ ス ス イ カ
砂 丘 地 で は 3 月 15日 か ら 、坂 井 北 部 丘 陵 地 で は 3 月 19日 か ら 定 植 が 開 始 さ れ 、定 植 後
は 低 温 の 影 響 で 生 育 は 緩 慢 で あ っ た が 、そ の 後 の 好 天 に よ り 生 育 は 平 年 並 み に 回 復 と な
っ て い る 。開 花・着 果 状 況 は 、丘 陵 地 で 4月 25日 か ら 始 ま り 多 く は 5月 初 旬 か ら の 開 花 と
な っ て い る 。着 果 状 況 は 4月 末 の 開 花 は 良 好 で 果 形 も 良 い が ご く わ ず か で 、5月 2~ 5日 の
開 花 は 着 果 不 良 ま た は 極 端 な 変 形 果 で 着 果 状 況 は 悪 く な っ て い る 。( 次 の 花 も 着 果 せ ず 、
着 果 率 は 低 い 状 況 )。5月 5~ 10日 の 開 花 は 比 較 的 ミ ツ バ チ の 活 動 や 花 粉 の 発 生 状 況 も よ
く 着 果 は 良 く な っ て い る 。 5月 10~ 11日 の 開 花 は 大 雨 影 響 で 着 果 不 良 と な っ て い る 。 全
体 に 5月 初 め の 開 花 と な っ た 作 型 は 着 果 率 が 7割 程 度 と な っ て い る 。特 に 草 勢 の 強 い と こ
ろ 、 圃 場 の 低 い と こ ろ は 着 果 状 況 は 悪 く な っ て い る 。 開 花 ピ ー ク は 5月 6~ 9日 頃 と 平 年
よ り 1週 間 遅 く な っ て い る 。 4月 定 植 は 5月 17日 頃 か ら 開 花 が 始 ま っ て お り 、 着 果 は 良 好
で あ る が 、両 性 花 が 多 く な っ て い る 。ア ブ ラ ム シ 、菌 核 病 が 一 部 で 微 発 で あ る 。砂 丘 地
で は 、4月 下 旬 の 開 花 は 順 調 に 着 果 し た が 、5月 2~ 5日 の 花 は ほ と ん ど 落 果 と な っ て い る 。
着 果 状 況 は 非 常 に 悪 く 、 バ ラ つ き も 大 き い 。 4月 下 旬 着 果 で 果 径 18×17cmに と な っ て い
る。うどんこ病少発である。
(5) メ ロ ン
坂 井 北 部 丘 陵 地 の プ リ ン ス メ ロ ン は 3 月 19日 か ら 定 植 さ れ 、生 育 は 平 年 並 み で 、4 月
15日 か ら 着 果 開 始 と な っ て い る 。 ( 昨 年 4 月 17日 ~ ) 5月 27日 か ら 本 格 的 に 出 荷 開 始 さ
れ る 計 画 に な っ て い る 。坂 井 北 部 丘 陵 地 の ア ー ル ス メ ロ ン は 昨 年 と 同 時 期 の 3 月 19日 頃
か ら 、 砂 丘 地 で は 4 月 2 日 頃 か ら の 定 植 と な っ て い る 。 開 花 は 丘 陵 地 で は 4月 28~ 始 ま
っ た が 、5月 1~ 5日 頃 の 花 は 夜 間 の 低 温 等 の 影 響 で 花 落 し て い る 。5月 12日 以 降 の 開 花 を
中 心 に 着 果 と な っ て い る 。現 在 4 月 に 着 果 縦 ~ 横 ネ ッ ト が 出 始 め に な っ て い る 。べ ト 病
が 微 発 で あ る 。砂 丘 地 で は 5月 10日 ま で の 花 は 落 ち て し ま っ た が 、5月 12~ 13日 を 中 心 に
着果となっている。生育にややバラつきが見られる。奥越地区では低温で生育が遅れ、
昨 年 よ り 4 日 程 度 遅 い 4 月 中 旬 か ら 定 植 が 行 わ れ 、5月 中 旬 か ら 着 果 始 め と な っ て い る 。
ア ン デ ス メ ロ ン は 3月 27日( 盛 期 4月 3日 )か ら 定 植 さ れ 、4月 28日( 盛 期 5月 7日 )か ら
の 着 果 と な っ て い る 。現 在 、摘 果 作 業 中 と な っ て い る 。マ ル セ イ ユ メ ロ ン は 坂 井 丘 陵 地
で 3 月 23日 ( 盛 期 3月 29日 ) か ら 定 植 さ れ 、 4 月 17日 か ら の 着 果 と な っ て い る 。 ( 昨 年
4 月 20日 か ら )。早 い と こ ろ で ネ ッ ト 完 成 期 と な っ て い る 。や や 小 玉 傾 向 で 推 移 し て い
る 。べ と 病 小 発 、菌 核 病 局 中 発 で あ る 。鯖 江 市 で 4月 3~ 5日 に か け て 定 植 と な っ て い る 。
定 植 後 の 低 温 に よ る 生 育 遅 れ 、 一 部 で 高 温 よ る 葉 焼 が 見 ら れ る 。 5月 10日 よ り 着 果 し 始
めとなっている。
(6) 高 設 栽 培 イ チ ゴ
収穫終期で3~4番果房を収穫中となっている。全体的に小粒傾向になってきてい
る 。 一 部 の 施 設 で は 5月 中 旬 で 収 穫 終 え て い る 。 収 穫 は 6月 中 旬 ま で 続 く 見 込 み と な っ
ている。地域により発病の差はあるものの、うどんこ病少発、炭疽病が中発、アブラ
ム類、チビクロキノコバエ等が少~微発、ハダニ類が一部局多発である。
(7) 一 寸 ソ ラ マ メ
坂 井 地 区 で は 10月 下 旬 ~ 11月 上 旬 に 定 植 さ れ た も の が 、 草 丈 1 ~ 1.5m 、 分 枝 数 5~ 7
本 で 4月 下 旬 か ら 収 穫 が 始 ま り 5月 上 中 旬 が 盛 期 と な っ て い る 。
葉根菜類
(1) 軟 弱 野 菜
福井地区では、ホウレンソウ、コマツナの生育は概ね順調である。ただし、やや徒
長 気 味 の 圃 場 が 見 ら れ る 。坂 井 地 区 で は ホ ウ レ ン ソ ウ で 5月 に 入 り 生 育 が 極 端 に 促 進 さ
れ 30日 で 収 穫 と な り 、 株 張 り 悪 く 徒 長 し 過 ぎ で 廃 棄 し た ハ ウ ス も 散 見 さ れ て い る 。 ホ
ウレンソウケナガコナダニ、アブラムシ、アザミウマ類が微~少発である。坂井地区
ではマルトビムシ局多発である。
(2) 春 ダ イ コ ン ( ハ ウ ス 栽 培 )
砂 丘 地 で は 2月 4日 か ら 播 種( 15日 頃 に 播 種 ピ ー ク )し た も の は 、生 育 前 半 は 低 温 で 生
育 が 遅 れ た も の の 、4 月 に 入 り 回 復 し て お り 平 年 並 み の 4月 28日 か ら 出 荷 と な っ て い る 。
(3) コ カ ブ
砂丘地では天候の影響なく順調な出荷となっている。
(4) ニ ン ジ ン
砂 丘 地 で は 2 月 19日 に 播 種 さ れ 、 葉 数 9~ 10枚 、 葉 長 36.3㎝ の 生 育 と な っ て い る 。
アブラムシが微初である。
2
露地野菜
果菜類
(1) ピ ー マ ン
丹生地区では4月下旬から順次定植され、接ぎ木苗は5月上旬に定植している。
自根、接ぎ木苗とも生育は良好である。
(2) ス イ カ
丘 陵 地 で は 4月 下 旬 定 植 で 、つ る 長 1m~ 2mで 平 年 よ り 葉 が 小 さ く 茎 細 く な っ て い る 。生
育 量 は 小 さ く 5~ 7日 程 度 の 遅 れ 気 味 と な っ て い る 。 し か し 、 5月 第 4半 旬 の 好 天 に よ り 生
育 が 大 き く 促 進 さ れ て き て い る 。早 い 人 で 5月 19日 か ら ト ン ネ ル 除 去 開 始( 裾 喚 起 )と な
っ て お り ( 多 く は 5月 月 23日 頃 か ら 除 去 ) 6月 上 旬 に 開 花 見 込 み で あ る 。 砂 丘 地 で は 4月 5
日 、 8日 、 10日 に 定 植 と な っ て お り 、 早 い も の で 葉 数 16~ 17枚 、 つ る 長 130㎝ と な っ て い
る 。ト ン ネ ル 除 去 は 5月 21日 か ら 行 っ て い る 。平 年 よ り 10日 遅 く な っ て い る 。武 生 地 区 で
は 5月 3~ 8日 に か け て 定 植 が 行 わ れ 、分 枝 数 3~ 4、つ る 長 さ 30㎝ と な っ て い る 。丹 生 地 区
では5月5日頃から定植となっており活着は良好でトンネルで保温中となっている。
(3) ナ ス
若 狭 地 区 で は 、5月 10日 ~ 16日 に 定 植 と な っ て い る 。定 植 後 の 低 温 に よ り 活 着 が 遅 れ と
なっている。また、強風による葉茎の傷み、一部に生長点の損傷が 見られたが現在回復
中 と な っ て い る 。 奥 越 地 区 で は 平 年 並 み の 4 月 20日 に 定 植 が 始 ま っ て い る 。 例 年 4月 20
日にはトンネル除去するが現在継続中となっている。草丈46㎝2番花開花中、生育は
良好となっている。
(4) カ ボ チ ャ
丘 陵 地 の ト ン ネ ル 栽 培 で は 、4 月 6 日 か ら 定 植 さ れ て い る 。一 部 で 定 植 後 に 高 温 障 害
も 見 ら れ た が 、生 育 は 良 好 と な っ て い る 。丹 生 地 区 で は 5 月 上 旬 に 定 植 完 了 活 着 は 良 好
となっている。
(5) 一 寸 ソ ラ マ メ
若 狭 地 区 で は 、春 先 の 低 温 に よ り 草 丈 は 短 く 着 果 段 数 も 8~ 13段 と 地 域 、個 体 差 が み ら
れ る 。 収 穫 時 期 も 5月 25日 か ら で 例 年 よ り 約 7日 遅 れ 、 ま た 収 穫 量 も 減 少 す る 見 込 み と な
っ て い る 。 一 部 で 赤 色 斑 点 病 称 発 で あ る 。 坂 井 地 区 で は 生 育 の 良 い 圃 場 で 若 莢 10~ 15cm
程 度 と な っ て い る 。平 年 よ り 生 育 が 遅 く 、低 収 の 見 込 み で あ る 。収 穫 開 始 は 5月 末 か ら の
予 定 し て い る 。 5/11の 大 雨 後 赤 色 斑 点 病 が 少 ~ 中 発 で あ る 。 一 部 の 圃 場 で 立 ち 枯 れ 病 多
発である。
(6) ナ ス
南 越 地 区 で は 、 5 月 中 旬 定 植 、 本 葉 7~ 8 枚 、 草 丈 25 ㎝ と な っ て い る 。
葉菜類
(1) ブ ロ ッ コ リ ー
丘陵地の秋まき(越冬)の作型は、4月末で収穫終了となっている。収穫量は前年よ
り少なくなる見込みである。春まきの作型では福井地区では3月下旬~4月上旬にかけ
て 定 植 さ れ 、 葉 数 11~ 15枚 、 草 丈 10~ 14㎝ 、 6 割 の 株 で 花 蕾 ( 1 ~ 2 ㎝ ) の 確 認 と な っ
ている。例年よりやや遅くなっている。南越地区では4月中旬から定植開始、若狭地区
で は 4 月 上 中 旬 に 定 植 さ れ た が 本 葉 8~ 13枚 と 生 育 は や や 遅 れ と な っ て い る 。福 井 地 区 で
コナガ少発である。
(2) ネ ギ
奥 越 地 区 の 夏 ま き ( 越 冬 ) の 作 型 で は 本 葉 が 4 ~ 5 枚 程 度 と な り 5 月 17日 か ら 青 ネ ギ
として出荷となっている。白ネギは5月23日から軟白20㎝規格で出荷している。
抽 台 が 序 々 に 始 ま っ て い る 。春 ま き の 作 型 は 奥 越 地 区 で は 4 月 上 旬 定 植 苗 で 草 丈 2 7
㎝ と 例 年 並 み の 生 育 と な っ て い る 。一 部 の 圃 場 で 霜 に よ る 生 育 遅 延 や 5 月 中 旬 の 大 雨 に
よ り 根 の 損 傷 で カ ル シ ュ ウ ム 欠 乏 症 が 見 ら れ る 。坂 井 地 区 で は 4 月 上 旬 定 植 は 順 調 に 生
育となっている。福井地区では4月7日から定植され、順次土入れ作業を行っている。
若 狭 地 区 で は 5月 定 植 が 5月 18日 か ら 開 始 と な っ て い る 。 4月 定 植 の も の は 現 在 草 丈 25~
35㎝ と な っ て お り 生 育 は 良 好 と な っ て い る 。 二 州 地 区 で は 5月 上 中 旬 に 定 植 と な っ て い
る。
(3) キ ャ ベ ツ
福 井 地 区 の 秋 ま き( 越 冬 )の 作 型 で 5 月 中 旬 か ら 収 穫 開 始 と な っ て い る 。例 年 よ り 1
週間程度遅くなっている。アオムシが少発である。
(4) シ ソ
福 井 市 木 田 地 区 で は 3 月 中 旬 か ら 播 種 さ れ 、草 丈 7 ㎝ で 平 年 よ り や や 遅 れ 気 味 と な っ
ている。
(5) ス ィ ー ト コ ー ン
永 平 寺 町 で は 4 月 15日 か ら 定 植 が 始 ま り 、 早 い も の で 草 丈 45㎝ 、 葉 数 8.5枚 程 度 の 生
育 と な っ て い る 。若 狭 地 区 で は 、4月 末 か ら 5月 中 旬 に か け て 順 次 播 種 さ れ 、4月 末 に つ い
て出芽始めとなっている。
根菜類他
(1) カ ン シ ョ
坂 井 地 区 で は 4 月 29日 か ら 定 植 が 始 ま っ て お り 5月 中 旬 時 で 40%の 進 捗 率 と な っ て い る 。
(2) ダ イ コ ン
砂 丘 地 で は 3 月 10日 の 播 種 で 5 月 23日 か ら 収 穫 始 め と な っ て い る 。 平 年 よ り 5日 程 度
遅れている。
(3) サ ト イ モ
大 野 市 内 の 4 月 上 旬 定 植 の も の で 地 上 部 出 芽 始 め 、葉 数 1枚 程 度 と な っ て い る 。勝 山 地
区 で は 圃 場 準 備 が 遅 れ た た め 、 4月 下 旬 頃 か ら の 定 植 に な っ て い る 。
(4) ニ ン ジ ン
砂 丘 地 の 3 月 20日 播 種 し た も の は 、 葉 数 7枚 、 葉 長 12㎝ に な っ て い る 。 ア ブ ラ ム シ 微
初 で あ る 。 丘 陵 地 の 3 月 29日 播 種 し た も の は 葉 数 5枚 、 葉 長 10㎝ と 生 育 や や 遅 れ と な っ
ている。
(5) タ マ ネ ギ
永 平 寺 町 で は 草 丈 60㎝ 、球 径 5㎝ 、と う 立 ち は 少 な く な っ て い る 。白 色 疫 病 、べ と 病 が
小発である。
(6) ニ ン ニ ク
永 平 寺 町 で は 葉 長 90 ㎝ 、茎 径 2.5 ㎝ 、球 径 3.6 ㎝ 、葉 数 8.2 枚 で 生 育 は 遅 気 味 と な っ
ている。
(7) ラ ッ キ ョ ウ
葉 長 45 ㎝ 程 度 。球 の 肥 大 は 平 年 と 比 べ る と や や 小 ぶ り と な っ て い る 。収 穫 時 期 を 遅 ら
せ て 肥 大 を 確 保 し て い る 。5 月 26 日 か ら 収 穫 開 始 の 予 定 と な っ て い る 。三 年 子 は 大 雪 の
影響で分球は少ない上に今年はさび病被害が少ないことから大粒になる見込みである。
灰色かび病、さび病微発である。
対
策
春先の低温により生育遅れや樹勢が弱い圃場があるため、気象や生育状況に応じたこま
めな管理(温度、かん水、施肥等)を行う。
曇天が続くと軟弱に育ちやすく、病害の発生も多くなりやすい。また、土壌水分の過多
や日照不足は根群を衰弱させて草勢の低下を起しやすい。さらに、降雨による急激な土壌
水分の変化によって果菜類の食味低下や裂果を発生させる等品質低下を招きやすくなる。
このため、梅雨入り前に排水対策を徹底するとともに、ハウス換気、整枝、摘葉、追肥、
防除等の適正な管理を行なう。
1
施設野菜
果菜類
(1) ト マ ト
上 段 花 房 の 肥 大 期 と な る の で 、土 壌 水 分 を 確 保 し 、込 み 合 っ た と こ ろ の 葉 を 摘 除 ま た
は 剪 葉 す る と と も に 、換 気 を 十 分 に し て ハ ウ ス 内 の 気 温 や 湿 度 を 下 げ 、養 分 消 耗 の 抑 制
と 葉 か び 病 、灰 色 か び 病 等 の 発 生 防 止 に 努 め る 。ま た 、土 壌 水 分 の 急 激 な 上 昇 は 裂 果 の
原因になるので、ハウス周囲の排水溝を整備して降雨等の浸透を防ぐ。
(2) ミ デ ィ ト マ ト
高 夜 温・日 照 不 足 で 糖 度 の 上 昇 が 悪 く な る の で 、ハ ウ ス 換 気 、摘 葉 を 行 う 。ま た 、潅
水 を 控 え め に し て 糖 度 の 上 昇 を 促 進 す る が 、特 に 水 田 地 帯 の ハ ウ ス で は 周 辺 水 田 か ら の
浸 水 や 多 雨 に よ る 地 下 水 の 上 昇 が 糖 度 低 下 や 裂 果 の 原 因 と な る の で 、ハ ウ ス 周 囲 の 排 水
溝 を 整 備 し 、ハ ウ ス 内 土 壌 の 乾 燥 に 努 め る 。さ ら に 、葉 か び 病 、灰 色 か び 病 、オ ン シ ツ
コ ナ ジ ラ ミ 、ミ カ ン キ イ ロ ア ザ ミ ウ マ 等 の 防 除 を 徹 底 し て 、健 全 な 葉 を 維 持 し 、草 勢 や
果 実 品 質 の 低 下 を 防 ぐ 。特 に 、ミ カ ン キ イ ロ ア ザ ミ ウ マ は 金 粉 果 の 発 生 原 因 や ト マ ト 黄
化えそウイルスを媒介するので注意する。
抑 制 栽 培 で は 高 温 期 の 植 付 け に な る が 、定 植 し た 苗 の 活 着 遅 れ や 極 端 な 萎 れ は 落 花 や
上 段 の 花 数 減 少 の 原 因 と な る の で 、植 付 け 前 に 十 分 潅 水 し 、土 壌 水 分 の 確 保 と 適 切 な 遮
光 に よ る 植 物 体 温 の 低 下 を 図 る 。特 に 、プ ラ グ 苗 に よ る 定 植 で は 、過 度 の か ん 水 で 上 根
中 心 の 草 姿 と な り や す い た め 、活 着 ま で は 根 が 地 下 部 に い き わ た る よ う 手 か ん 水 等 こ ま
めなかん水管理を実施する。
(3) キ ュ ウ リ
草 勢 が 低 下 す る と 曲 が り 果 や 尻 細 り 果 等 が 多 く な る の で 、着 果 量 を 考 慮 し な が ら 追 肥 、
潅 水 を 行 う 。ま た 、親 づ る の 摘 葉 、子 づ る や 孫 づ る の 整 枝 等 を 行 っ て 日 当 た り や 通 風 を
良 く す る と と も に ハ ウ ス 換 気 を 十 分 に し て 、生 育 の 安 定 と 灰 色 か び 病 や べ と 病 の 予 防 に
努 め る 。な お 、摘 葉 は 1 度 に 多 く の 葉 を 摘 除 す る と 草 勢 を 低 下 さ せ る の で 、1 回 当 り 2
枚程度とする。
(4) ス イ カ
肥 大 が 急 激 に 進 む 開 花 後 25 日 間 程 度 は 土 壌 水 分 を 確 保 す る が 、 そ の 後 は 糖 度 上 昇 を
促 進 す る た め 潅 水 を 控 え め に す る 。し か し 、極 端 な 草 勢 低 下 は 食 味 を 悪 く す る の で 、収
穫期までに著しく草勢が低下しないよう適宜潅水を行う。
ま た 、果 実 の 肥 大 盛 期 を 過 ぎ る と 再 び つ る 先 に 着 果 し て 肥 大 を 始 め 、収 穫 す る 果 実 の
肥 大 や 品 質 を 低 下 さ せ る の で 、必 ず 摘 果 し て お く 。さ ら に 、収 穫 の 2 週 間 程 度 前 に 玉 倒
しをして果実底部の着色を促すとともに、病害虫防除を行って健全葉を確保する。
(5) ネ ッ ト メ ロ ン
ネ ッ ト 完 成 期 以 降 に 養 水 分 が 過 剰 に な る と 、2 次 肥 大 に よ る 稜 角 果 や 微 細 な ネ ッ ト が
発 生 す る 原 因 に な る 。ま た 、収 穫 前 の 土 壌 水 分 過 剰 は 糖 度 不 足 や 裂 果 の 原 因 に な る の で 、
潅 水 を 控 え 目 に す る 。し か し 、土 壌 乾 燥 に よ る 石 灰 吸 収 抑 制 や 草 勢 低 下 は 発 酵 果 の 原 因
に な る の で( ま た 低 温 の 場 合 も 発 生 す る の で )注 意 す る 。ま た 、つ る 枯 病 、菌 核 病 等 の
防除を行う。
葉根菜類
(1) 軟 弱 野 菜
ホ ウ レ ン ソ ウ 等 は 高 温 に よ っ て 急 激 に 生 育 が 進 む た め 、収 穫 遅 れ に な ら な い よ う 計 画
的 な 収 穫 に 努 め る 。な お 、こ れ か ら 播 種 す る 場 合 は 、高 温 や 日 照 不 足 に よ っ て 徒 長 し や
す い の で 、播 種 密 度 を 下 げ る と と も に 、換 気 を 十 分 に 行 い 、多 潅 水 を 避 け る 。ま た 、高
温のため収穫適期幅が狭くなるので、段播きを徹底する。
2
露地野菜
果菜類
(1) ス イ カ
梅 雨 入 り 前 の 6 月 上 旬 に 一 斉 着 果 さ せ 、着 果 後 早 め に 追 肥 を 行 い 、潅 水 量 を 増 や し て
果 実 肥 大 を 促 す 。着 果 が 梅 雨 に 入 る 場 合 は 、花 が 雨 に 遭 わ な い よ う に ト ン ネ ル 等 で 雨 よ
け を 行 う 。ま た ソ フ ト ボ ー ル 大 に な っ た ら 果 形 の 良 い も の を 2 つ る に 1 果 を 残 し て 着 果
標 識 を 立 て 、他 の 果 実 を 摘 除 す る 。さ ら に 、着 果 後 は 根 群 発 達 が 悪 く な っ て 収 穫 前 の 急
激 な 草 勢 低 下 や 病 害 を 発 生 さ せ や す く な る の で 、着 果 節 位 よ り つ る 先 の 側 枝 を 放 任 し て
根群の維持を図るとともに、つる枯病等の病害防除を徹底する。
(2) ナ ス 、 ピ ー マ ン
収 穫 開 始 頃 か ら 追 肥 を 始 め る と と も に 、土 壌 水 分 を 確 保 し て 、草 勢 の 維 持 と 果 実 品 質
の 向 上 に 努 め る 。特 に 土 壌 水 分 の 不 足 は 、果 実 肥 大 を 悪 く す る だ け で な く 、日 焼 け 果 や
尻 腐 れ 果 の 発 生 を 助 長 す る の で 、畦 間( 通 路 )が 常 に 湿 っ て い る 程 度 に 潅 水 を 行 う 。ま
た 、梅 雨 か ら 盛 夏 を 越 え て 秋 ま で 長 期 に 栽 培 さ れ る ナ ス や ピ ー マ ン は 根 群 の 健 全 化 が 特
に 重 要 で あ り 、排 水 対 策 を 徹 底 す る 。さ ら に 、病 害 虫 防 除 を 徹 底 し て 健 全 葉 の 確 保 に 努
める。
(3) キ ュ ウ リ
初 期 生 育 確 保 の た め 主 枝 は 7 節 目 位 か ら 着 果 さ せ 、収 穫 始 め 頃 か ら 追 肥 を 行 う 。梅 雨
に 入 る と べ と 病 が 発 生 し や す く な る の で 、込 み 合 っ た と こ ろ の 摘 葉 を 行 っ て 通 風 を 良 く
し、予防散布を徹底する。
(4) カ ボ チ ャ
親 づ る で は 12~ 15節 、 子 づ る で は 8 ~ 10節 に 着 果 さ せ る の で 、 着 果 節 位 ま で の 側 枝
や雌花は早めに除去する。また、開花期に訪花昆虫が少ない場合は午前 9時頃までに
人工交配を行う。1番果の着果が確認されたら次の果実を摘除し、果実が野球ボール
大 に な っ た 頃 に 、草 勢 が 弱 く 、つ る 先 が 立 っ て い な け れ ば 、つ る 先 付 近 に 追 肥 を 行 う 。
(5) イ チ ゴ
親 株 は 発 生 し た ラ ン ナ ー を 20c m 程 度 の 間 隔 に 配 置 す る 。 土 が 乾 燥 す る と ラ ン ナ ー
の 発 生 が 悪 い の で 、適 宜 潅 水 を 行 う 。ハ ダ ニ・ア ブ ラ ム シ の 防 除 を 徹 底 す る 。薬 剤 抵 抗
性を回避するため同一系統の薬剤を連用しない。
いも類
(1) サ ト イ モ
6 月 中 旬 頃 か ら 子 い も が 着 生 し 始 め る の で 、覆 土 が 浅 い 場 合 は 土 寄 せ を 行 い 、過 剰 な
子 い も の 着 生 を 押 さ え て 肥 大 を 促 す 。ま た 、ア ブ ラ ム シ や ハ ダ ニ の 防 除 を 行 い 、健 全 葉
を確保する。
(2) カ ン シ ョ
植 付 け が 遅 れ る と 地 温 が 上 が り す ぎ て い も の 形 成 が 悪 く な る の で 、6 月 中 旬 ま で に 定
植 を 終 え る 。ま た 、定 植 は 曇 天 や 夕 方 行 い 、株 元 に 土 を 置 い て 萎 れ た 葉 が マ ル チ に 接 し
ないようにする。
3
入梅前および梅雨期の管理
(1) 草 勢 維 持 対 策
ア
ハウスや圃場周囲の排水溝、畝間を整備し、雨水等を速やかに排水して、畝間に滞
水しないようにする。
イ
草勢、葉色、果実肥大速度等をみながら適宜追肥を行う。
ウ
夜間の温度が高い時は、換気を十分に行って呼吸による養分消耗を抑制する。
エ
整枝、摘葉等を行い採光を良くする。
(2) 病 害 虫 防 止 対 策
ア
ハウスの破損部分を補修し、雨漏りによる作物の濡れを防ぐ。
イ
強風時の降雨の場合は、ハウスを閉めて雨が吹き込まないようにする。
ウ
整枝、摘葉等は晴天日に行い、傷口を早く乾かすようにするとともに、採光、通風
を良くする。
エ
マルチや敷きわらをして作物への雨による土の跳ね上がりを防ぐ。
オ
マルチ上に水溜りができる場合は、穴を開けて排水する。
カ
雨が連続する場合には、雨の止み間に病害の予防散布を行う。
キ
高温で害虫が発生しやすくなるので防除を徹底する。
野菜の生育状況(23年5月)
地区名 福井
作目
主要品種
地区・面積
半促成
麗容+サポート
東安居
約4ha
土耕栽培の早いもので草丈220cm、葉数30枚、7段花房開花期となっている。
5月上旬~収穫開始、5月16日~選果場稼働。
軟弱野菜
施設周年
ホウナ:
ミラージュほか
コマツナ:
ナカマチほか
東安居
北部
生育はおおむね順調であるが、やや軟弱気味の圃場が見られる。
一部のハウスでは土壌消毒を実施している。
キュウリ
半促成
モンドール
4月末~5月上旬に23節前後で摘心作業実施。
現在、主枝20節前後、10節前後の側枝の収穫中。
ダイコン
露地
美春、貴宮
佐野
約1ha
白方
約2.0ha
白方
約1.0ha
トマト
作型
華小町
ミディトマト
半促成
華小町
福井市南部
0.2ha
白方
約0.2ha
ジャガイモ
露地
デジマ(50%)
サヤカ(25%)
ニシユタカ(2
白ネギ
露地
ホワイトスター
キャベツ
露地
春
YR春空、SE
ブロッコリー
露地
春
グランドーム
緑帝
紅ほっぺ
イチゴ
施設
紅ほっぺ
章姫
タマネギ
露地
七宝甘70
ニンニク
露地
ホワイト六片
スイートコー
ン
露地
ピクニックコーン
シソ
露地
木田チリメンシソ
作業状況と生育概況(定植、活着、草丈、開花等)
出荷状況と品質
灰色かび病:尐発
出荷量:150ケース程度
単価800円/ケース
ケナガコナダニ:微発
アザミウマ類:微発
菌核病、灰色かび:少発
うどんこ病:微発
ホウレンソウ
1日4,000~5,000束出荷
1束80円前後
コマツナ
1日2,000束前後出荷
1束40円前後
100~150ケース/日 @1400円/箱
3月12日播種で根径6cm程度、5月末~収穫予定。
-
-
3月18日定植で草丈120~130cm、6~7段開花期となっている。 1段果房着色開始。
5月27日目揃会。
-
-
アザミウマ類:極微発
-
-
-
-
-
アオムシ:尐発
-
コナガ:尐発
-
3月20日定植で草丈135cm、葉数16枚、第4花房開花中。第1花房の結実数は尐ない。果実
径は3cm程度。
4月10日前後に定植。 草丈25~30cm。
JA福井市管内
1/26~播種、4/7~定植され、その後追肥、土入れ作業が実施されている。
約4.0ha
(見込み)
清水
収穫始め(5/18調査時点で約10%、早いところで30%程度)。前年より遅れている(前年は5
0.7ha
月上旬~収穫開始)球の直径10~18cm。 1~2割収穫
北部
2.3ha
草丈10~14cm、葉数11~15枚、約6割の株で花蕾確認、1~2cmのものが多い(前年2~3cm、
北部
遅い?)
1.5ha
北部
6a
東安居
7a
白方
3a
永平寺
約3.0ha
永平寺
約1.5ha
永平寺
3.5ha
木田
0.8ha
病害虫発生状況
現在、4番花を収穫中(紅ほっぺ)。若干、奇形が見られる。収穫は6月中~下旬までの予
定。
白方の章姫は収穫終了期。
草丈60cm、7葉、球径5cm前後、「とう立ち」は尐ない。
ハダニ:尐発
1日100パック前後出荷
白色疫、べと病:尐発
-
葉枯、春腐病:尐発
-
早いもので草丈45cm、葉数8.5枚。
-
-
3月中旬播種で草丈7cm。平年よりやや遅れ気味。
-
-
草丈90cm、茎径2.5cm、球径3.6cm、8.2葉前後で生育は遅れ気味。
野菜の生育状況(23年5月)
地区名 坂井
作目
イチゴ
スイカ
プリンス
マルセイユ
アンデス
アールス
作型
主要品種
地区・面積
作業状況と生育概況(定植、活着、草丈、開花等)
病害虫発生状況
章姫
あわら市丘陵地
11a
8/31~9/1メリクローン苗定植 10/4 アブラムシ 微発 うど
ポット苗定植:11/5頃開花(尐々)11/15頃からハチ導入。 現在 んこ病 尐発 ヨトウムシ
3番果収穫中。6月中頃で収穫終了予定。
微発
チビクロバネキノコバ
エ 尐発
章姫、紅ほっぺ
坂井町
23a
8/21~メリクロン苗を定植。9/10~自家育苗苗を定植。
5月中頃で収穫終了。
ハウス、 春のだんらん
半促成
丘陵地
14ha
ごく一部4/25頃開花始め、多くは5/初の開花始め(3/20定植)。4月の着果は良好で果形 アブラムシ 一部で微発
も良いがごくわずか。5/2~5の開花は着果不良または、極端な変形果で非常に着果状 菌核病 一部で微発
況は悪い(次の花も着果せず、着果率は低い)。5/5以降は比較的ミツバチの活動や花粉
の状況もよく着果は良い。5/10~11開花は大雨で着果不良。全体に5月初めの開花と
なった作型は着果率7割程度。とくに草勢の強いところ、圃場の低いところは着果状況悪
い。開花ピークは5/6~9頃と平年より1週間遅い。
4月定植は5/17頃から開花が始まっており、着果は良好であるが、両性花が多い。
ハウス、 縞無双H
半促成
浜四郷
1.2ha
3/15~定植(購入苗)。定植日から3/中下旬の低温で初期生育は遅れたが、4月の好天 うどんこ病少発
で生育量が回復。4/下旬の花は順調に着果したが、5/2~5の花はほとんど落果。着果
状況は非常に悪く、バラつきも大きい。4/下旬着果で果径18×17cmくらい。
露地
味きらら
丘陵地
つる長1m~2m。平年より葉が小さく茎細い。生育量は小さく5~7日程度の遅れ。5月第4 特に無し
半旬は生育が大きく促進された。早い人で5/19トンネル除去、多くは5/23頃除去予定、6
月上旬開花。
露地
夢きらら
浜四郷
7.8ha
4/5、8、10定植。
5/17生育調査で葉数16~17枚。つる長130㎝。
5/21~トンネル除去の見込み(平年より10日遅れ。
播種開始 穂木2/5~、台木2/13~,3/19~定植(3/22頃盛期)、4/15頃~着果
5/27~本格的な出荷開始
2/20~播種開始 3/23~定植(3/29頃盛期)、4/17頃~着果
はやいところでネット完成期 やや小玉傾向
2/25~播種開始、3/27~定植(4/3頃盛期)、4/28~着果開始(盛期5/7頃)
現在摘果
2/23~播種開始。3/19~定植 (3/25頃盛期)本葉15~16枚。4月28~頃から開花始。
5/1~5ころまでは花落ちしてしまった。5/12~を中心に着果。現在4月に着果縦~横ネッ
トが出始めた。
特に無し
4/2から定植始。4/9盛期(平年より5日ほど遅め)。
5/10までの花は落ちてしまったが、5/12~13を中心に着果。ややバラつきが見られる。
開花期に水を切ったが果柄が長くなった。
特に無し
ハウス
ハウス、 プリンスPF
半促成
ハウス、 マルセイユ
半促成
ハウス、 HN27
半促成
あわら市丘陵地
192a
あわら市丘陵地
303a
あわら市丘陵地
217a
ハウス、 アールス系
半促成
[アールスモネ早春晩秋]
[ベネチア夏Ⅰ]
[アールスナイト夏Ⅱ]
ハウス、 アールス系
半促成
[アールスナイト春秋系]
あわら市丘陵地
約2.6ha
浜四郷
0.7ha
うどんこ病少発
べと病 少
べと病 少
菌核病 局中
特に無し
べと病 微発 アブラムシ、菌核病
局多
出荷状況と品質
野菜の生育状況(23年5月)
地区名 坂井
作目
作型
ダイコン
ハウス
役者紀行
浜四郷
1.5ha
2/4~播種始、2/15頃ピーク。
前半の遅れは4月の好天で回復。4/28出荷始。
露地
YR鉄人
ハウス
カンショ
露地
白かもめ 白鷹
京小町 玉里
とみつ金時
3/10~播種。
後半の肥大が緩慢で出荷は5/23から開始。(平年より5日ほど遅め)
順調な出荷。
コナガ初発
コカブ
浜四郷
4.0ha
浜四郷
8.3ha
あわら市丘陵地
約25ha
2/12~ウイルスフリー苗育苗床定植
堆肥散布、畦立て等ほ場準備中 4/29~定植開始 進捗率40%
特に無し
ニンジン
春播き
翔彩
浜四郷
0.7ha
ハウス2/19播種。露地3/20~播種始。
ハウス:葉数9~10枚、葉長36.6㎝
露地:葉数7枚、葉長12㎝
アブラムシ微発
翔彩
波松
0.4ha
露地 3/29播種 葉数5枚 葉長10cm
越のルビー
華小町
華小町
華クイン
越のルビー
華小町
華クイン
丸岡町
48a
坂井町
25a
あわら市
77a
樽栽培で葉かび病微発
品種比率 小町:ルビー:クィン=83 : 14 : 3
たる栽培(25a)2/1~ 育苗開始 2月23~27日定植。5月18日から出荷開始。
土耕栽培早い所で3月11日定植で5段開花。低段果房で着色。低温の影響で生育にばら
華クイン
華小町
春江町
27a
品種比率 小町:クイン=85:15
3月10日定植で7段開花、0段果オレンジ色。3月下旬定植で5段開花。全般に樹勢は強
め。
トラッド7ほか
加戸
ミディトマト
半促成
半促成
半促成
半促成
主要品種
地区・面積
ホウレンソウ
ハウス
作業状況と生育概況(定植、活着、草丈、開花等)
ハウス
ネギ
露地
ホワイトスター
あわら市丘陵地 4月定植のチェーンポット苗の初期生育は良好。
ラッキョウ
3年子
一年掘
ラクダ系在来種
浜四郷
生育促進
露地越冬
出荷状況と品質
日量約300c/s/
単価秀L900円/c/s
日量100c/s、秀Lで80円
一部で葉かび病、灰色かび病微発
5月は極端に生育が促進され、30日程度で収穫と早すぎ。株張り悪く徒長、伸びすぎて廃
ケナガ、アブラムシ微~少発
棄したハウスも散見。
コマツナ
一寸ソラマメ ハウス越冬
ハウス陵西
病害虫発生状況
マルトビムシ局多発
葉長45㎝程度。球の肥大は平年と比べるとやや小ぶり。収穫時期を遅らせて肥大を待っ 灰色かび病 微発
た。大雪の影響で分球は少ない上に今年はさび病被害が少ないことから、三年子は大粒 さび病 微発
になる見込み。
加戸、坂井、丸 10/25すぎから定植始め(11/7頃まで)
岡、あわら
草丈=1~1.5m 摘芯ずみ 分枝数=ハウス5~7本
ハウスでは上段開花。早い所で4月下旬から収穫、4月末ころから出荷、5月上中旬に出
荷最盛。
若莢10~15cm程度。平年より生育遅く、低収。5月末~収穫開始。
5/26目揃会・出荷始
赤色斑点病5/11の大雨後に発生、
少~中発
一部圃場で、立ち枯れ病多発
6/1目揃え会
ブロッコ
リー
春穫り 盛緑
番堂野、波松 播種8月下旬、定植9月下旬~10月下旬(プラグ苗本葉3枚)
他 4.0ha
越冬期間中は生育停滞。葉傷みあり。2月中~追肥
本葉13~14枚 株張り35~40㎝ 低温続きのため生育はやや遅い。
収穫3月20日~4月末 花蕾は2L中心で比較的大きい。
特に無し
日量1500~2000kg
野菜の生育状況(23年5月)
地区名 奥越
作目
作型
主要品種
地区・面積
作業状況と生育概況(定植、活着、草丈、開花等)
サトイモ
露地
大野在来
大野市
勝山市
110ha(計画)
白ネギ
露地
ホワイトスター
大野市
4月上旬定植で草丈27cm程度(昨年28cm)、葉鞘径6mm(昨年5mm)。
勝山市 28ha(計 霜による生育遅延や、5/中旬の大雨後により根が傷んだのかカルシウム欠乏症などが一部
画)
発生している。
ナス
出荷状況と品質
4月上旬定植で地上部出芽はじめ、葉数1枚程度。
特に勝山地区では圃場準備が遅れ4月下旬頃からの定植となった。
露地
羽緑一本太
(越冬)
大野市
勝山市
2ha(計画)
5/17から青ネギとして出荷開始。
白ネギは5/23~軟白20cm規格で出荷開始予定。
抽台が徐々に始まっている。
露地夏秋 千両2号
大野市
勝山市
2.0ha(計画)
草丈46cm程度、葉数12枚、2番花開花。概ね生育順調。
昨年は5月20日頃にトンネル撤去したが現在もトンネルのまま管理中。
ミディトマト 夏秋
華小町
華クイン
華ロケット
勝山市
0.75ha(計画)
4月下旬定植:1段目開花 生育概ね順調
5月18日苗配布 水稲育苗終了後 順次定植予定
メロン
アールスナイト他
勝山市若猪野
大野市上野
1.3ha
4月中旬定植:着果初め 生育概ね順調
施設
病害虫発生状況
越冬ネギ(青)1000円/箱程度
白ネギ 500~800円/箱
野菜の生育状況(23年5月)
地区名 丹南(南越)
作目
作型
主要品種
地区・面積
大玉トマト
半促成、 桃太郎コルト、ヨーク 武生:a
(越前市、鯖 抑制
促成RW:桃太郎ファ
江市、南越
イト
前町)
土耕:麗容、りんか
鯖江:57a
ミディトマト
イチゴ
半促成
促成
作業状況と生育概況(定植、活着、草丈、開花等)
病害虫発生状況
RW:半促成、定植順次開始 一番花着果肥大期、三番花房開花期
鯖江、今立:
華小町
鯖江:90a
池田:
今立21a
華小町、越のルビー 池田:
鯖江:3/下~一部で定植開始 低温による活着不良,高温害による葉枯れが一部で散見
される(昨年ほどでない)。早いところで1段目着果期 1段目はキク果が多め。 今
章姫(一部紅ほっぺ) 武生:21a
鯖江:12a
武生:章姫 小粒多く、着色早い。ダニ多発。
鯖江全域:白ろう果尐発したが、現在回復中 今咲いている花(3-4番)で終了しそう
な生育状態
出荷状況と品質
JA越前たけふ
5/23目揃い会 その後選果場
開始
JA越前たけふ春トマト部会 3/5~3/20定植
りんか 1段目収穫開始 5~6段開花 一部で草勢低下
麗容 1段目収穫開始 5~6段開花
RW桃太郎ヨーク 1月末定植 2段目収穫 8段開花
5/23日目揃会 出荷開始
立:4月上旬から一部定植開始 一部で低温による活着不良、また高温による葉枯れがみら
れる。早いところで1段目着果期
ハダニ局多発・うどんこ・灰色かび
病尐発
マルセイユメ 半促成
ロン
マルセイユ
3月3日から本格的播種、4月3日頃から定植開始 3-5の間に定植した人多い(天気よ なんぷ病微発
かったため)定植後の低温等により活着が遅れ気味になっている。また、日中のハウス内
高温により一部で葉枯れが発生 4月下旬から順次みつばち導入開始 一部で株元になん
ぷ病発生し、対応中 5月10日ごろからようやく着果開始
ブロッコリー 初夏どり
鯖江
3月上旬から播種が始まった。やや徒長ぎみの感じ。高温によりやいてしまったところ一
部あり。撒きなおし。17日の積雪等、圃場準備ができず、育苗をどうにか引っ張りながら
(育苗は順調 ハウス内気温高いため生育がやや早い)、どうにか定植作業を実施中 実
施後の夜間の低温や雨が少ないことから、活着、生育がなかなか進まない状況現在、早
いところで本葉11枚程度 3月上旬播種で早期出蕾発生
スイカ
露地
縞無双、味きらら、祭 越前市:10ha
ばやし777 台木 ドン
K、かちどき
多くが5月3~8日で定植。連続キャップ。子づる長いもので30cm、分枝数3~4。一部で葉
焼けあるが例年より少ない。
キュウリ
半促成
ときわ節成
台木 ときわZ2
武生
3月末定植、4月25日頃から収穫開始。親つる22節、2m付近でほぼ摘芯済み。子つるも早
いものでは摘芯済み。親つるの15~18節を収穫中。
ナス
露地
千両2号
越前市、南越前 5月中旬定植。本葉7~8枚、草丈25cm。
町
野菜の生育状況(23年5月)
作目
ピーマン
作型
露地
为要品種
グリーン300
地区・面積
宮崎 他
作業状況と生育概況(定植、活着、草丈、開花等)
接ぎ木苗(台木:台パワー)が5月上旬に定植された。
自根苗、接ぎ木苗ともに活着は良好である。
台木を変更したが、台負け現象は見られない。
キュウリ
ハウス
半促成
シャープ7
織田 他
ハウスものは草丈150cmくらい(大きいもの)で、春先低温条件であったため、節間も狭 一部圃場でつる枯病少発~中発
く、雌花の着生も悪く、着果位置が高くなっている。6月になってから収穫予定。
露地は6/3より苗の配布予定。
スイカ
露地
味きらら
(大玉)
大和小町クール
(小玉)
宮崎
5月上旬に苗が搬入され定植された。穴あけトンネル、テクテクキャップで保温中。
苗質が良かったため、活着は昨年度より良好である。
イチゴ
高設
章姫
紅ほっぺ
カボチャ
露地
平安小菊
高設:朝日、宮 朝日の高設イチゴは炭疽病により、株が枯れ、収量は昨年より尐ない見込み。(前年比5
崎:6a
割)
元親株が搬入され、育苗苗の育成準備中である。
宮崎の高設イチゴは、管理者が水田作業で多忙で、収穫等が遅れ気味。
(管理者はおそらく交代する予定)
朝日
5月上旬に定植が完了した。活着は今のところ良好。
タケノコ
露地
宮崎
5/25収穫終了 38t
病害虫発生状況
地区名 丹南(丹生)
出荷状況と品質
出荷は例年より遅れ、早い物で
5月下旬の見込み
朝日:炭疽病中発
宮崎:ハダニ、アブラムシ坪状に多
発、うどんこ病小発
一部苗に生理障害と思える葉焼けが
小発
(前年118t)
野菜の生育状況(23年5月)
地区名 二州
作目
キュウリ
白ネギ
作型
主要品種
半促成 アルファ節成
ホワイトスター
地区・面積
作業状況と生育概況(定植、活着、草丈、開花等)
敦賀
4月1日苗配布、4月上旬定植。
5月20日現在、草丈100~130cm、为枝収穫開始
敦賀
100a
2月21、22日に共同播種し、芽出し後各自で育苗。
5月6~10日定植。土入れ中。
三方
100a
3月10日JAが播種し各自で育苗。
5月16~定植。
ミディトマト
華小町
敦賀
7a
ポット苗 3月23日配布
5月20日現在 草丈100㎝、4段開花。
黒エダマメ
たんくろう
美浜
敦賀
5月上旬から本格的に播種、現在早いところで本葉展開始め
4月に播種したものは降雨の影響で発芽悪い。
病害虫発生状況
アブラムシ類少発
出荷状況と品質
野菜の生育状況(23年5月)
地区名 若狭
作目
ミディトマト
作型
半促成
为要品種
華小町
地区・面積
小浜、若狭、高
浜、おおい
作業状況と生育概況(定植、活着、草丈、開花等)
病害虫発生状況
出荷状況と品質
5/17現在、3/31定植で、4段開花期である。4月は低温障害等で草勢はやや弱かったが、
5月に入り生育も順調に回復し、全般的に草勢は、普通からやや強くなった。
0.2ha
一寸ソラマメ 露地越
冬
ハウス陵西
トマト
桃太郎ファイト、コル 小浜
ト、桃太郎はるか
定植2月下旬:5月上旬より出荷開始。6段開花(5/15)
3月定植で子づる中段を収穫中。
小浜、若狭、高
浜、おおい
3月、4月の低温により草丈が低く、摘芯位置も低くなった。着果段数も8~13段と地域、 赤色斑点病 少発
個体差がある。収量も減少する見込み。5月19日に目揃い会を開催。出荷は高浜地区で
25日頃を予定。小浜上中地区では、28日頃から出荷予定。
3.0ha
施設
平年より安値
800円
0.5ha
キュウリ
施設
揮世紀
フレスコ100
小浜
白ネギ
露地
ホワイトスター
小浜、若狭、おお 4月14日~18日定植。2回目は5月18日から定植。 4月定植は、草丈25cm~35cm 茎径
い、高浜
5mm~8mm。生育良好。
夏秋ナス
露地
千両2号
ブロッコリー 初夏どり ピクセル、スバル
スイートコー 露地
ン
ゴールドラッシュ
0.5ha
10.5ha
小浜、若狭、高
浜、おおい
0.7ha
苗定植は5/10~16。 定植直後の低温により活着遅れ。全体的に強風による茎葉の傷
み、一部では生長点の折損あり。
若狭
やや生育が遅れ気味。 葉数8~13枚(5/19)
3ha
若狭
4月末、5月上中旬、5月下旬に播種 4月末については出芽始めである。
1ha
うどんこ病 微発
平年より安値
15~20円/本
野菜の生育状況(23年5月)
作目
作型
主要品種
大玉トマト
半促成
麗容
ミディトマト
半促成
華小町
ハウススイカ
ハウス
春のだんらん
(品種比較)
春のだんらんR
V、
DR-60 他
味きらら
(品種比較)
DR-60
NW-129
地区・面積
9a
3.9a
作業状況と生育概況(定植、活着、草丈、開花等)
・2/7苗搬入、2/8鉢植え、2/23~25定植、5/18~収穫
・7段目開花(5/18現在)摘芯開始
・隔離ベッド栽培9段目開花(2/28定植)、5/18~収穫、一部で焼け
・バッグ栽培7段目開花(3/10定植)
3.3a 2/10台木播種、2/16穂木播種、2/24接木、3/18定植、5/7-15着果
地区名 園芸振興センター
出荷状況と品質
灰色かび病中発 尻腐れ果
(特に秀麗で)
ー
ー
ー
ー
ー
ー
露地スイカ
露地
小玉スイカ
露地
ひとりじめbonbon
2a 3/20台木播種、3/23穂木播種、4/1接木、4/27定植
ー
ー
カボチャ
露地
味平 他
5a 3/31播種、4/29-5/2定植
ー
ー
ー
ー
ー
ー
メロン
アスパラガス
ハウス
半促成
ハウス
立茎
アールスナイト夏Ⅱ
モネ811早春晩秋系
ペルル
スーパーウェルカム
18a 3/7台木播種、3/10穂木播種予定、3/19接木、4/15~21定植
病害虫発生状況
9a 播種2/25~、定植3/22~、開花4/22~、玉吊り4/28~
・ハウス内トンネル等設置による収穫期前進化と単収向上【目標4t/10a】
2/22ハウス被覆、施肥耕起、2/23堆肥散布、整地、2/24かん水チューブ設置
2/25内トンネル等設置→3/8~かん水開始 3/28~収穫開始 立茎期間4/15~5/11(5本/
株)
1.5a 収量(3/28-5/18):トンネル被覆区 676kg/10a(対照600kg/10a)
ポリべた掛区 1,139kg/10a(対照789kg/10a)
Ⅳ
花き
実況
1
キク
奥越の秋植え夏ギクの草丈は、5月 19 日調査で、無摘心の「白舟」(小・白)で 33cm、「と
び丸」(小・黄)で 27~29cm、「やよい」「あかね」(小・赤)で 18~45cm と生育は昨年並みで、
平年より遅れている。
一昨年「あかね」では発蕾が 5 月中旬よりみられたが昨年同様今年も見られていない。
春植え8月咲きギクの摘心は 5 月下旬までに終了した。9月咲きギクの定植は、5 月下旬に
行われた。10 月咲きギクは挿し芽が 5 月下旬に行われた。害虫ではナモグリバエが全域で発生
が見られ、多発生となっている。オオタバコガの越冬世代が大野市では 5 月 17 日頃から確認さ
れた。白さび病はほぼ見られていない。カスミカメムシ類の被害はみられるものの多くはない。
福井南部の秋植え夏ギクの草丈は(5 月 20 日調査)、60cm で発蕾しており害虫では8月咲きギ
クでナモグリバエが尐発生である。
清水の4月中旬定植8月咲きギクの草丈は、「恋心」1 7cm、「小鈴」15cm、「うたげ」16
cm、「翁丸」13cm である。生育は平年より遅れ気味、昨年と同じ傾向(5 月18日調査)。
永平寺の4月上旬定植8月咲きギクの草丈は(5 月 20 日調査)、「はじめ」5cm で昨年より生育
は遅れている。
あわら市の秋植え夏ギクは「春風」が昨年は開花初めであったが今年はまだである。害虫で
は、ナモグリバエ多発、アブラムシ類尐発である。春植え夏秋ギクは「小鈴」が 6cm、「花えく
ぼ」が 23cm、「花絵」が 1.5cm、「はじめ」が 3cm となっており昨年並みのせいいくである(5 月
20 日調査)。
越前市では、3 月中下旬定植の 7 月咲きでは、草丈は 20 ㎝である。3 月 22~25 日に挿し芽、
4 月 14~19 日に定植した 8 月咲きの「はじめ」「翁丸」「夏ひかり」「やよい」は 4月 29 日に
摘心した。「小鈴」は草丈 17cm と低温の影響は若干あるが回復傾向である(5 月 20 日調査)。
丹生の春植え8月咲きギクでは、4月7日~10日に定植した「小鈴」は側枝 17 ㎝(14cm
昨年同時期)と低温で遅れ気味であったが生育が回復傾向である。ハモグリバエと カスミカメ
ムシは微発生。9 月咲きギクは 5 月 10 日から定植を開始した(5 月 20 日調査)。
二州の春植え8月咲きギクは定植同時に摘心が行われたところが多く草丈は 10~15cm で昨
年よりも順調である(5 月 20 日調査)。
若狭の 11 月上旬植え夏小ギクの草丈は、「サンバ」が 52cm、蕾径 4mm、「つるき」48cm、「と
び丸」34cm である。春植え8月咲きギクの摘心は 4 月末までに終わりで腋芽は 10~15cm で順
調である。病害虫はハモグリバエが尐発生である。9 月咲きキクが 5 月 18 日頃から定植されて
いる(5 月 19 日調査)。
2 ユリ
奥越のシンテッポウユリ「オーガスタ」の生育は葉長5~11cm で遅れている (5 月 19 日調査)。
福井ユリの「リリ」シリーズは 5 月 2 日から出荷が始まった。
永平寺の「レッド」の草丈は 132cm で、収穫は5月下旬になりそうである。「イエロー」で草
丈 80cm、出蕾間近である。「ピンク」は 90cm で出蕾間近であり、昨年より生育はよいが開花が
遅れている(5月 20 日調査)。
春江の 11 月中旬定植の「レッド」が 90cm で蕾長 4.5cm、「イエロー」が 45cm で出蕾間近、「ピ
ンク」が 67cm で出蕾間近となっている。一方、球根配布後1月上中旬の定植まで冷蔵をおこな
っていた「レッド」が 128cm、蕾長 7cm で収穫最盛期であり、冷蔵なしのものと比べて早くな
っている。同様に「イエロー」が 62cm で出蕾間近、「ピンク」が 76cm で未出蕾である(5月
20 日調査)。
- 20 -
南越の「レッド」が草丈 100cm で生育中。5 月 25 日から出荷予定。病害虫はアブラムシが尐
~中発、葉枯病尐発性である。
3 スイセン
葉の枯れ上がりは、平年よりやや遅い。全域で斑点病が多発。年内に施肥を行った養成圃で
被害が尐ない。また、病害防除でトップジンM1500 倍希釈液を 2 回散布すると、被害は抑制さ
れている(写真1)。促成栽培用球根の掘り上げが 5 月 20 日頃から開始された。
写真1 トップジンM1500 倍液散布の効果
左:トップジンM処理区、右:無処理区
4
トルコギキョウ
あわら市では抑制栽培の切り下株の草丈が 46cm となっており昨年より生育がよい。同じく
加温を行ったものは草丈 64cm であり、一部品種で1番花の開花がみられる。葉先枯れ症が尐
発である。3月初旬播種、5月初旬定植したものは草丈 2~2.5cm、4対葉となっている(5
月 20 日調査)。
大野市では、2月 15 日に播種され、4月下旬に定植された中生八重「アクロポリスホワイ
ト」は、草丈 3cm、葉数5対、「ロジーナグリーン ver.2」が 3cm、5対、中生一重「ノーブル
レッド」が 2cm、4対、「ノーブルバイオレット」が 3cm、5対となっている(5月19日調
査)。
南越では「アクロポリス」、「ロジーナ」、「北斗星」の二度切り栽培は草丈 27cm、本葉 19 対
程度である(5 月 10 日調査)。
二州では、5 月上旬に定植された「スモールキング」などは本葉4~5対である。3 月下旬に
播種された「ニューリネーションシリーズ」、「ロジーナシリーズ」等が 5 月下旬に定植される
予定である。
5 その他
福井市のヒマワリは3月末播種したものが 88cm で出蕾、4月下旬播種が 30cm となっている。
品種はサンリッチシリーズである。一部でダニが微発(5 月 19 日調査)。
永平寺のヒマワリは 28cm となっている(5 月 20 日調査)。
南越のヒマワリは 4 月 20 日播種で草丈9~10cm、葉数 7 枚。ダニが小発(5 月 10 日調査)。
奥越のシャクヤクは5月 23 日が初出荷で、昨年より1週間程度遅れている。出荷先は福井、
なにわ、金沢市場である。
春江のアリウムギガンチュームは花茎長 119~136cm で花の直径は 3.5~4cm である(5月 20
日調査)。初出荷は5月 25 日(予定)で、昨年より1週間程度遅れている。出荷先は、福井、
神戸、金沢市場である。
奥越のアリウムギガンチュームは花茎長 83cm、花の直径は 2.4cm となっている(5月 19 日
調査)
- 21 -
対策
1
圃場の排水徹底
梅雨期、畝溝へ滞水すると根腐れをおこし、下葉の枯れ上がりや耐病害虫性の低下などの品
質が低下する。そこで、次の対策を行う。
1)畝溝の排水、水の通りを良くするため、溝さらえや除草を行う。
2)畝溝と直角に交わる集水溝を畝の両側(できれば圃場周囲)に必ず設け、排水溝に落と
す。すでに設置してある場合は清掃や除草を行う。
3)排水溝が高い場合は、雨の時に強制排水を行うため、排水溝の端に集水桝を設置し、こ
こからポンプで強制排水を行う。
2 秋植え夏秋ギクの管理
1)花芽分化後の乾燥は、花弁の伸びが悪く小輪となるため、中輪品種では乾燥させないよ
うに注意する。
2)花芽分化後(開花の 40 日前)に、止め肥として 10a当たり窒素成分で5kg 程度を、畝
の肩部分に施用し、肥料の分解と上根の発根促進のため、土寄せを必ず行う。
3)止め肥施用後、降雨が多い年は生育後半に肥料が切れる。葉色が落ちた場合は OKF-1 、
ハイポネックス等の 500 ~1000 倍で葉面散布をする。
4)中輪品種では発蕾始めに花首の伸長を抑制するためにビーナイン水溶剤 80 を散布する。
10a 当たり 1000~1500 倍液 50~150 ㍑を上位葉中心に散布する。
3 梅雨期の病害虫防除
1)キク白さび病
気温が25℃以下の湿潤な時期に発生する。草丈50~60cmまではジマンダイセンフロアブル
やコロナフロアブルなどで1週間に1回の予防散布をする。散布時期は雨前が基本であるが、
発病が多い場合は、雨の止み間に、ラリー乳剤、チルト乳剤25、アンビルフロアブル、サプ
ロール乳剤(展着剤は浸透性の高いものを使用)や、ストロビルリン系(ストロビーフロア
ブルおよびアミスター20フロアブル、これらは品種によって薬害の恐れがあるので多剤の混
用を行わず、展着剤も加用しない)の治療剤を散布するが、耐性菌の出現に注意する。
2)キクのアザミウマ類
他地域から、苗を新たに導入した場合は特に注意して防除する。キクを加害するアザミ
ウマ類はミカンキイロアザミウマ、ミナミキイロアザミウマ、ヒラズハナアザミウマ、ク
ロゲハナアザミウマ、ネギアザミウマなどの各種があるので、種を確認した上で効果や抵
抗性を考慮して薬剤を選定する。特に圃場での切り残し花が発生源となるので早期に除去
する。
ミカンキイロアザミウマはキクのえそ病(TSWV)を媒介するので特に注意する。
3)キクのマメハモグリバエ
初期防除を徹底する。マメハモグリバエは幼虫が黄色で、 幼虫はさなぎになる前に葉か
ら落下し地中やマルチ上でさなぎとなる。5 ~7月に発生が多い。発生予察は黄色粘着シ
ートで可能である。
4)ユリ葉枯病(ボトリチス菌)
雨よけ栽培を行う。花芽分化期以降、葉枯病に感染しやすく、圃場排水が悪い条件では特
に発生が多くなるので防除を徹底する。露地で出荷の30~40日前、施設で50日前までは、フ
ロンサイド水和剤やダコニール1000などの保護殺菌剤を、1週間に1回は散布する。発病を
認めたら、初期にトップジンM水和剤等の治療剤を散布する。展着剤では、保護殺菌剤には
パラフィン系展着剤、治療剤には浸透性展着剤を用いる。
4 促成スイセンの花芽分化促進処理
1)高温処理開始までに球根の表皮が親指の腹で簡単にむけるくらいに十分球根を乾燥させ
- 22 -
る。高温処理開始予定日になっても球根水分が多い場合は、高温処理期間を3~4日長く
し、その間は除湿機等を稼働させて極力水分低下を図るようにする。
2)高温処理は 32℃で2週間行う。
3)くん煙処理は高温処理後にモミガラを1日3時間の割合で3日間燃やして行う。
4 )処 理 後 は 植 え 付 け の 7 月 下 旬 ま で 、風 通 し の よ い 納 屋 や 車 庫 な ど で 保 管 ( 2 5 ℃ 程
度 で )す る 。
5 ) 腐 敗 し た 球 根 は 取 り 除 き 、 7月 末 日 ぐ ら い を め ど に 定 植 す る 。
5 トルコギキョウの葉先枯れ症
1)葉先枯れ症は極端な水分ストレスにより、生育中期に上位葉の葉先が褐変や萎縮 し、ひど
い場合には心止まりになる。カルシウム欠乏が大きく関与しているため、組織中にカルシウ
ムが尐ない品種は出やすくなる。
2)昼温が高いほど発生しやすくなるので、ハウス内の換気に努める。ハウス内の空気が動
いている場合は発生が尐ないとされるため、内気扇も有効である。
3)発生がひどいと思われる品種については、花芽分化の時期を中心にカルプラス等を数回、
葉面散布する。
6 梅雨期の切り花出荷
梅雨時期に出荷する場合、出荷箱内での花や葉から、ムレにより灰色かび病等による荷いた
みが生じやすいので次のことに注意する。
1)収穫前にハウスの換気を十分に行う。
2)露地栽培の切り花を、降雨時に収穫した場合は、茎の下を持って振り、花弁の間や葉に
たまった水を極力取り除く。
3)収穫後に切り花の基部を水中で切り戻し、水揚げを円滑にする。「水切り」等によってで
きる、切り下の茎や葉はいけ水に溜まらないようにする。いけ水は頻繁に交換して新鮮な
ものを使う。
4)収穫後、箱詰めまでに花全体が乾くように風通しをよくする。咲きすぎた花は調整時に
除く。エアコンの除湿運転や扇風機などで花をできるだけ乾かす。
5)出荷箱に詰めてからも、出荷間際まで箱をあけておき、花全体をできるだけ乾かす。
- 23 -
Ⅴ
果樹
実
況
1
ウメ
(1) 生育状況(園芸試験場)
40
「紅サシ」の硬核完了期は5月16日であり、平年よ
りも6日遅かった。胚固化率は5月23日時点で18.
35
5%であり、このまま進めば、胚固化完了期は前年より
30
1日、平年より6日遅い6月6日頃と予想される(表1)
。
25
で推移することが予想される(図1)
。
気温が平年並に推移した場合、開花盛期からの平均気
温の積算値からの収穫始期の目安(「紅サシ」1,300℃、
2009年
2010年
果重(g)
着果量が多いため、果重は平年、前年よりも小玉傾向
平年値
2011年
20
15
10
「剣先」1,150℃)は「紅サシ」が6月13日、剣先が
5
6月7日である。
0
胚固化完了期の果重から完熟落果盛期および落果盛
4/16
期の果重が予測できる(平成 18 年度普及に移した技術)
。
5/1
5/16
5/31
6/15
6/30
図1 紅サシの年度別果実肥大
※果重(M)は果実横径(w)の測定値から
計算式{M = π ・w3 /5.88}を用いて算出した
今後、平年並の気温で推移するとして予測すると、園芸
試験場では、落果盛期が7月5日頃であり、完熟落果平
均果重は32.3gで平年並みと予測される。
本年は着果量が多いものの、生理落果の量は少なく推移している。
ウメシロカイガラムシ第一世代幼虫のふ化始期は、前年より4日遅い5月11日であった。黒星病
の初発は5月18日であり、平年並みであった。
表1.紅サシの年度別発育ステージ
年度
短果枝花芽 完全花率 結実率
(%)
(%)
始期
盛期
終期
(日)
2004
(H.16)
(個/㎝)
1.98
59.6
62.6
2/21
3/14
3/22
2005
(H.17)
1.95
75.0
52.2
2/22
3/18
2006
(H.18)
1.97
78.7
57.8
3/11
3/26
2007
(H.19)
1.98
80.7
75.7
2/13
2/26
2008
(H.20)
0.81
2009
(H.21)
1.81
82.8
39.3
2/4
2/23
3/11
2010
(H.22)
1.13
79.3
43.8
2/25
3/6
3/19
2011 (H.23)
1.65
85.7
71.1
2/26
3/19
平年値 (H9-H22)
1.67
75.9
58.9
2/19
平年比
99%
113%
121%
7
前年比
146%
108%
162%
1
70.9
開花期(月/日)
66.8
3/2
開花日数 硬核期(月/日)
胚固化期(月/日)
32
始期
4/24
完了期
5/11
始期
5/10
完了期
5/28
4/1
41
4/30
5/13
5/10
5/30
4/4
25
5/8
5/12
5/22
6/12
3/7
24
5/1
5/11
5/14
5/31
4/30
5/12
5/16
6/2
37
4/28
5/10
5/15
5/29
24
4/30
5/15
5/24
6/5
4/1
36
5/6
5/16
5/23
3/10
3/24
34
4/30
5/10
5/12
9
8
2
6
6
11
13
13
12
6
1
▲1
3/17
3/26
25
5/31
(2) 地域状況
これまでの低温傾向により展葉が遅れていたが、5月に入り天候が回復し、展葉が旺盛になってき
ている。着果量が多めであることから、やや小玉で推移しているが、強風や降雹など大きな気象災害
は見られず、生育は全般に順調である。
2
ナシ
(1) 生育状況(農業試験場)
4月初めから開花始期までの平均気温(平年比)は、
「幸水」で-1.43℃、「豊水」で-1.08 と低温傾
向で、開花期間も「幸水」で-2.13℃、
「豊水」で-2.89℃と低く、開花は平年に比べ遅れた。「幸水」
の開花始期は4月22日(前年4月15日)、盛期は4月26日(前年4月22日、平年4月19日)
、
終期は5月4日(前年4月25日)
。
「豊水」の開花始期は4月19日(前年4月13日)、盛期は4
月22日(前年4月19日、平年4月17日)、終期は4月29日(前年4月23日)
。
「豊水」の開花直前である4月19日に降雹があり、果実肥大とともに陥没した部分が目立った。
幸水においても被害が見られた。
「幸水」の収穫期(カラーチャート値で 4.0 到達日)は開花日と細胞分裂期(開花後 33 日間)の
平均気温の関係(y=-1.24t+147.2 y:開花期から成熟期までの日数、t:開花後 33 日間の平均
気温)により推定できる。今年の開花期(開花盛期)が平年より7日遅い4月26日であったため、
開花後33日に未達であるが、平均収穫日は8月末と平年よりも9日遅くなる見込みである。
(2) 地域状況
低温の中で生育が進んでいるため、例年になく連休過ぎまで開花が見られ、品種によっては通常と
異なる果形や有てい果が発生している。
3
カキ
(1) 生育状況(農業試験場)
「平核無」の発芽期は4月6日(前年:3月20日)で前年より17日遅く、平年より7日遅かっ
た。展葉期は4月20日(前年:4月13日)で前年より7日遅く、平年より8日遅かった。
「刀根早生」の発芽期は4月7日(前年:3月20日)で前年より18日遅く、平年より10日遅
かった。展葉期は4月22日(前年:4月13日)で前年より9日遅く、平年より11日遅かった。
開花は低温等の影響により遅れており、5月23日現在、開花始期には至っていない(前年の開
花始期は、平核無5月28日、刀根早生5月27日)。
(2) 地域状況
生育の遅れから、あわら市では5月中旬までの摘蕾進捗は3割程度で作業も遅くなっている。開花
は6月になってからと見込まれる。
4
イチジク
(1) 生育状況(農業試験場)
3月9日からハウスを締め切り、保温を開始した。5月23日現在の展葉数は5~7枚程度(昨年
同時期10枚程度)
。
(2) 地域状況
若狭管内では5月23日現在、展葉7~9枚、花芽着生1~3節で、平年よりやや生育が遅れてい
る。
対
策
1
ウメ
(1) 青ウメの適期収穫
青ウメの収穫始期は、開花盛期からの日平均気温積算値で「紅サシ」は 1,300℃である。胚の成熟
を観察している場合は、胚が固まってから 7~10 日後が収穫開始の目安となる。
未熟な果実を収穫すると、出荷後に「陥没果」になる恐れがある。
「陥没果」は市場評価を低下させ
て、販売を困難にするので適期収穫を心がける。なお、気温が高くて日射が強い日に収穫した果実は、
果実の蒸散が激しく、
「陥没果」の発生を助長する。気温が高く日射の強い日の収穫は早朝に行い、早
めに切り上げるようにする。
(2) 加工ウメのネット収穫
収穫用のネット敷設やセイロ、塩など一次加工の準備を遅れないようにする。
落下した果実は長期間放置しておくとケシキスイが食入するので、必ず朝夕2回収穫するようにす
る。
(3) 選別・出荷
出荷規格に従って自家選別する。青ウメも一次加工も樹脂障害果が混入しないように選別を徹底し、
品質向上に努める。また、かいよう罹病果や傷果の混入にも十分注意する。
(4) 高品質白干梅加工
○食品衛生管理の徹底
手洗い、室内清掃、器具洗浄に努める。髪の毛など異物の混入を防ぐため、帽子、マスク等を必
ず着用し、食品衛生管理を徹底する。
○漬込み前の水洗いと漬込み
収穫したウメにはゴミや汚れが付着しているので、必ず洗浄機等で水洗する。また、ケシキスイ
の侵入果は必ず取り除く。
塩は生梅重量の 18%を基準とし、ウメと交互に振って、樽の底は少なめに、上に行くほど多めに
ふる。重石は、押しぶたが浮き上がらない程度の軽めの方が歩留まりはよくなる。
梅酢が上がって、液面がウメを覆うようになったら、重石を減らす。「紅サシ」は梅酢の上がり
が早い品種なのでこまめに観察する。
(5) 礼肥の施用
収穫後の施肥は、果実生産で消耗した樹勢の早期回復と翌年のための貯蔵養分蓄積が目的である。
花芽分化期は8月下旬~9月上旬であり、この頃までに樹勢を回復させ、葉中窒素含量を高めること
が次年度の花芽着生を良好にする。
成木の場合には、収穫直後に窒素成分で 10a当たり 12 ㎏施用する。なお、樹勢の回復が遅れると
翌年への影響があるので、特にネット収穫をしている園では遅れないようにする。また、9月には土
づくりとして牛ふん堆肥等を積極的に施用する。
2
ナシ
(1) 仕上げ摘果
仕上げ摘果は6月上旬(満開後 45 日)までに実施する。仕上げ摘果の遅れや着果過多による小玉
化しないようにする。すでに果実形質ははっきりしているので、大きさ、果形、病害虫の被害などに
注意しながら行う。着果数は4果そうに1果(約 15 ㎝間隔)を目安に、成木で 10a 当たり、「幸水」
で 10,000 果、
「豊水」で 12,000 果とする。「幸水」は梅雨時期の裂果対策として着果予定量より 10%
程度多く着果させる。
(2) 摘心
「幸水」では満開後 40~50 日後(6月中旬)に側枝先端部の2本程度の新梢を残し、その他の新
梢は基部の果そう葉を残して摘心する。摘心後に再伸長した新
梢も随時摘心する。6月中旬以降に側枝の先端部の新梢が倒伏
した場合は、立ち上げて誘引する。摘心は棚面にある果そう葉
の受光環境を良くして、花芽着生を良好にする効果がある。た
だし、側枝数が少ない場合は、過度に摘心すると葉数不足とな
り、果実肥大に影響を及ぼすので注意する。
(3) 新梢管理
「幸水」のような長梢のえき花芽を利用する品種は、翌年の側枝の確保のために、新梢の伸びが停
止する前後の6月下旬から7月上旬にかけて骨格枝の側面から発生した長梢を仰角 45°に誘引する。
時期が早すぎると枝の二次伸張を助長するので注意する。なお、主枝、亜主枝の上面からしか新梢の
発生がない場合には、基部をねじるようにしてから誘引すると翌年の側枝としての利用が期待できる。
また、徒長枝が発生しないように主枝、亜主枝の先端は支柱を添えて立てる。なお、再度園地を巡
回して、弓なりに誘引された側枝は誘引し直す。
(4) 「二十世紀」の大袋掛け
小袋掛け後 30 日を目安に大袋掛けを行う。梅雨に入り、黒斑病菌の活動が活発になる時期なので、
袋掛け前に薬剤防除を行う。
(5) 追肥の施用
果実の生長と花芽形成を促すために、樹勢の弱い樹を中心に年間施用量の 10%程度の追肥を施す。
「幸水」
、
「豊水」は多肥を好む性質があるが、「二十世紀」は黒斑病の発生の助長や糖度の低下の原
因になるので注意する。
(6) 病害虫防除
黒星病および黒斑病の防除を引き続き行う。第二次伝染時期を迎える。梅雨時期で、防除のタイミ
ングを逃しがちになるが、雨のやみ間をぬって薬剤散布を行い、まん延を防ぐ。特に黒斑病は徒長枝
や発育枝に病斑が拡大してくるのでていねいに散布する。
また、ハダニは発生初期の防除が決め手になるので、圃場を巡回し、発生状況をよく観察する。草
刈り後ナシ樹に上がってくるので、草刈と同時に防除を行う。
(7) 土壌管理
梅雨時期は湿害を防ぎ、根の活力を維持するために排水溝、明きょなどにより圃場の排水をすみや
かに行う。
3
カキ
(1) 摘果
有利販売のため、2L級以上の大玉果生産を目指す。園内を再度見回り、摘蕾の見落としがあれば
早急に摘果する。
(2) 新梢管理
主枝、亜主枝のわん曲した部分、大枝のせん定切り口などから発育枝が発生する。骨格枝の真上か
ら発生し、樹冠内部を暗くするような新梢は早めに芽かきする。ただし、やりすぎると日焼け等が発
生するので、数回に分けて行い、日焼け防止のために弱い枝は残すようにする。
(3) 樹勢の強い樹における生理落果防止および花芽着生対策
環状剥皮、ノコ目および金具バンド処理などの生理落果防止対策は、樹勢の強い樹のみに実施し、
落ち着いた樹には行う必要がない。
(4) 病害虫防除
今月は病害虫の重要な防除時期である。病気では炭そ病、落葉病を対象に、害虫ではカキミガ、ス
リップス類、フジコナカイガラムシを対象に防除の徹底を図る。
4
イチジク
(1) 誘引
新梢が 40~50 ㎝程度伸びた頃から誘引する。主枝延長枝は、支柱を使って角度 45 度に誘引する。
結果枝は、架設したワイヤーにひもやビニルテープでそれぞれ誘引する。
(2) 病害虫防除
反射シートを地表に敷くとアザミウマの被害が軽減できる。また、樹冠内部の光環境等が改善され、
着色向上効果がある。
(3) 施肥
イチジクでは肥料を切らせないことが重要なので、肥効が長期間持続する有機質肥料を中心に施用
する。浅根性のため、一度に多量を施用すると、濃度障害で根を傷めることがあるので分施する。
(4) かん水
土壌が乾燥し過ぎないように、表面が乾いてきたらかん水する。水田転換園など排水の悪い圃場で
は、梅雨の長雨で圃場に湛水しないよう排水路を整備する。
5
ブドウ
(1)芽かき・誘引
芽かきは若木の樹形づくりと不要な新梢を整理することで養分の浪費を防ぎ、生育を揃えるために
行う。1回目は展葉2~3枚の時に不定芽、副芽を、2回目は展葉6~8枚の時に花穂がない新梢、
極端に強いあるいは弱い枝を根本から除去する。その後も新梢数(20~30cm 間隔)が多ければ継続
して行う。
誘引は棚面に均一に新梢を配置して、日当たりを良くするために、2回目の芽かき後から行う。し
かし、開花までは折れやすいので注意する。折れそうな場合は新梢基部を捻枝する。
(2)摘房
着果数を制限し、無駄な養分浪費を抑えるとともに、ジベレリン処理や房づくりの省力化のために
行う。房づくり前に無核栽培では最終着房数の5割増し程度の房を残し除去する。
さらに房づくり後に、適正着房数まで摘房する。着房数の目安は別表のとおりであるが、樹勢や樹
齢、地力によって変更する。
(3)房づくり
房型を整えること、花蕾数を制限し養分を集中させ結実を安定させる
ために蕾数を減らすために行う。開花始期から無核栽培はジベレリン処
理までに穂軸を切り取る(図)
。
(4)無核化(ジベレリン)処理
無核果は大玉で種なしのため、商品性が高く、花ぶるいなどが少なく
なるメリットがあるため、おすすめの栽培です。反面、ジベレリン処理
など手間がかかったり、樹勢を強めに維持する必要がある。
ジベレリン処理は無核化、果粒肥大促進、着粒安定を目的に行う。1回目の処理は種なし化(無核
化)
、2回目の処理は果粒肥大のために行う。ジベレリン浸漬用カップを用いて、一房ずつ浸漬処理
を行い、二度漬しないようにマーカー等で管理する。1回目の処理は満開から満開3日で、なるべく
満開3日後に処理する。満開を見極めるポイントはどれだけ咲いているかを見るのではなく、蕾が残
っていないかをみること。2回目は満開 10~15 日後に処理する。
(5)摘粒
粒数を制限することにより、果粒肥大、密着果粒防止および房型を整えるために行う。果粒がダイ
ズ大になった頃から、表の粒数を参考に行う。ポイントは内向き、下向きの果粒を切り除くつもりで
行います。なお、
「サニールージュ」などはほとんど摘粒しなくてよい。
表 房づくり、ジベレリン処理濃度、粒数の目安(無核化栽培)
品種名
房づくり
巨峰系4倍体
サニールージュ
3.5~4cm
6~7cm
ジベレリン
1回目
12.5~25 ppm
25ppm
2回目
12.5~25 ppm
25ppm
粒
数
35 粒/房前後
55 粒/房前後
品種により処理方法が異なるので、注意が必要
※以上のブドウ技術対策は、雨よけ(無加温)ハウスにおいて「巨峰系4倍体」品種を種なし(ジベレリ
ン)処理することを前提として表現しています。
Ⅵ.畜産
実 況
1 平 成 23 年 度 第 3 回 石 川 ・ 福 井 合 同 肉 牛 枝 肉 販 売 会 ( 23 年 5 月 9 日 )
頭数
去勢
雌
福井
全体
福井
全体
14
30
5
16
単価 販売価格 BMS 枝肉重量 ロース芯 上物率
( 円 ) ( 円 ) ( N o ) ( ㎏ ) 面 積 ( ㎠( )% )
1,752
865,849
5.6
491.9
59.6
43
1,789
848,204
5.3
472.0
57.8
50
1,555
670,516
4.6
429.7
48.0
60
1,816
781,607
5.6
430.6
52.4
81
最高価格は、1,215,657 円、去勢牛(福之国×安平×隆桜)、26.3 カ月齢、A-5(BMSNo11)、枝肉重量
527.4 ㎏、ロース芯面積 64 ㎠であり、宮崎県産であった。今回は、去勢、雌とも前回に比べ、枝肉
単価で 200 円ほど低下した。
2
平 成 23 年 度 第 4 回 石 川 ・ 福 井 合 同 肉 牛 枝 肉 販 売 会 ( 23 年 5 月 2 3 日 )
頭数
去勢
雌
福井
全体
福井
全体
16
29
5
12
単価 販売価格 BMS 枝肉重量 ロース芯 上物率
( 円 ) ( 円 ) ( N o ) ( ㎏ ) 面 積 ( ㎠( )% )
1,644
795,196
5.5
480.4
57.4
56
1,663
807,143
5.3
483.1
56.8
59
1,516
732,748
5.0
484.7
55.4
60
1,755
787,899
5.7
451.0
57.8
75
最高価格は、1,238,218 円、去勢牛(百合茂×金幸×糸福)、28.7 カ月齢、A-5(BMSNo 11)、枝肉重
量 547.4 ㎏、ロース芯面積 75 ㎠であり、鹿児島県産であった。枝肉単価は前回に比べ、去勢で 130
円ほど、雌で 60 円ほど低下した。
3
平 成 23 年 度 第 1 回 北 陸 三 県 和 牛 子 牛 共 励 会 ( 23 年 5 月 1 8 日 )
販売
頭数
(頭)
平均
日齢
(日)
平均
体重
(㎏)
日齢
体重
(㎏)
販売価格(千円)
最高
最低 平均
平均生体単
価( 円 / ㎏ )
福井
25
277
282
1.02
478
260
402
1,423
全体
80
274
287
1.05
535
218
432
1,508
福井
15
282
276
0.98
452
247
359
1,299
雌
全体
66
289
269
0.93
452
70
341
1,270
北 陸 三 県 共 励 会 で は 、雌 牛 の 部 に お い て 、山 本 重 夫 氏( 池 田 町 )、大 塩 俊 夫 氏( 美 浜 町 )
の若狭牛各1頭が優等賞に選ばれた。去勢の部においては、山本重夫氏(池田町)の若
狭牛2頭、河合隆一郎氏(若狭町)の若狭牛1頭が優等賞に、武長俊克氏(美浜町)の
若狭牛1頭が一等賞に選ばれた。
引 き 続 き 行 わ れ た 子 牛 市 場 の 生 体 単 価 は 、前 回 に 比 べ 、去 勢 で 20 円 、雌 で 100 円 ほ ど
低下した。
去勢
4
飼料作物
イタリアンライグラスの1番草の収穫は、例年に比べ2週間ほど遅れ、5月12日頃
から始まった。
対
1
策
肉用牛の皮膚病対策について
冬季から春先にかけては皮膚病の牛を多く見かけるので、牛舎中に広がり、牛に多大
なストレスがかかる前に治療する必要がある。真菌によって眼の回りなどが禿げている
場 合 は ナ ナ オ マ イ シ ン な ど の 抗 真 菌 剤 を 塗 布 す る か 、ア ス ト ッ プ な ど の 消 毒 薬 を 100 倍
希釈して塗ると効果的である。体毛の脱落があったり、フケが多く痒みがあったりする
ようならば、その部分の体毛を引き抜いて眼を凝らすと、シラミなどの外部寄生虫が見
え る 場 合 が あ る 。そ の 場 合 は バ イ チ コ ー ル な ど の 薬 剤 で 駆 虫 す る と 改 善 さ れ る 。た だ し 、
いずれの場合も出荷制限によく注意し、肥育後期の牛には計画的に薬剤を用いるように
する必要がある。
2
雌豚の種付適期について
種付適期には精子がどのくらいで卵管膨大部まで到着するのか、卵子は排卵後どのく
らい精子を待てるのかなどいろいろなことが作用する。そこで以下のことが種付け適期
の要因となる。
( 1 ) 雌 豚 の 排 卵 時 間 は 発 情 後 26~ 36 時 間 後
(2)排卵所要時間は 2 時間
( 3 ) 卵 子 の 受 精 能 力 保 有 時 間 は 5~ 6 時 間 ( 最 大 20 時 間 )
( 4 ) 精 子 の 受 精 能 力 保 有 時 間 は 25~ 30 時 間
( 5 ) 精 子 の 卵 管 到 達 所 要 時 間 は 交 尾 後 約 15 時 間 ( 早 い も の で 30 分 )
以 上 の こ と か ら 一 般 的 に は 発 情 開 始 後 10~ 25 時 間 の 間 が 種 付 適 期 と い わ れ て い る 。
ただ、個体差も関係し、実際には発情の上がり方や陰部の変化などを見ながら種付を す
る必要がある。
直接交配から人工授精に切り替えを図れば確実に作 業効率が上がる。その分の余った
時間で発情鑑定を複合的に行うことで、より精度の高い発情を見つけ出すことができ、
より種付け時間を絞り込むことが出来る。とにかく管理者の観察眼を養うよう努力が必
要である。
3
鶏の暑い季節の栄養
暑熱ストレスを被った鶏群は食下量が低下するが、より栄養濃度を高くした飼料を給
餌することで補うことが可能である。
(1)脂肪を添加する。
飼料摂取量が低下すると、総エネルギー摂取量が低下するので、脂肪を添加して総飼
料 エ ネ ル ギ ー 割 合 を 増 加 す る 。 脂 肪 の 添 加 割 合 は 4.5% ま で 上 げ て も よ い と 言 わ れ て お
り、大豆や小麦のようなエネルギー原料を使用する場合はこの方法 が推奨される。
(2)アミノ酸などの配合割合を増やす。
飼料摂取量低下に対してアミノ酸、ビタミン、ミネラル、リノール酸などの配合割合
を増加することが推奨される。
(3)ビタミン C を添加する。
飼 料 中 に 200~ 300g/ t の 割 合 で ビ タ ミ ン C を 添 加 す る と 、 暑 熱 ス ト レ ス を 和 ら げ る
効 果 が あ る 。ま た 、重 曹 2~ 3kg/ t を 飼 料 に 添 加 す る こ と に よ り 、血 中 の pH 上 昇 を 抑
え、卵殻質の低下を防ぐ。
4
飼料作物
(1)刈り遅れた牧草は、不良発酵し易いので、密封には十分注意する。
(2)2番草や3番草を採草する場合、1番草や2番草収穫後、尿素を10アールあた
り10~20kg追肥し、再生を促す。
(3)梅雨シーズンの湿害を防ぐため、ほ場の排水の確保に努める。排水の悪いほ場に
は、グリーンミレットなど耐湿性の強い草種を栽培する。
(4)暖地型牧草を水田で栽培する場合、肥料が流亡し易いので、基肥を半量にし、残
りを播種1ヶ月後に分施すると良い。
(5)種子の軽い暖地型牧草では播種しやすいコート種子が利用されているが、コート
剤により増量されているため、播種量に注意する。ローズグラスの場合、コートし
て い な い 種 子 で は 2 ~ 3 kg/10a が 適 量 で あ る が 、 コ ー ト 種 子 は 5 ~ 6 kg/10a 必 要
である。