ハンドレッド~転生せし武芸者 ID:72468

ハンドレッド∼転生せ
し武芸者
カオスザイン
︻注意事項︼
このPDFファイルは﹁ハーメルン﹂で掲載中の作品を自動的にPDF化したもので
す。
小説の作者、
﹁ハーメルン﹂の運営者に無断でPDFファイル及び作品を引用の範囲を
超える形で転載・改変・再配布・販売することを禁じます。
︻あらすじ︼
功紗ノ宮 鍵夜は買物をした帰りの途中で放置してしまっていた悪性腫瘍悪化によ
る病死で亡くなってしまう。
そこで彼は生前の行いの良さから神様に転生の権利を与えられ、最近ハマった﹁ハン
ドレッド﹂の世界へと特典を携えて功紗ノ宮 ケンヤとして転生を果たす。
幼くして︿ヴァリアント﹀として覚醒を果たした彼は︿第一次遭遇﹀、
︿第二次遭遇﹀を
経験し、また︿武芸者﹀を育成する機関︿リトルガーデン﹀での仲間達との生活の中で
何を思うのか
*某OAで落第騎士が何故か一冊も無かったというオタクショックに嘆いた作者が
?
半ば投げやりに一巻を購入した所見事にドハマりしてしまい某アニメイトで残りの巻
ちなみに既にアニメ化が決定してます。
︷現在九巻迄四月現在︸を大人買いしてきた事もあって創作意欲が湧きに沸いて開始
更新は恐らくは早い方だと思われます。
設定使用予定作品
白銀の意思アルジェヴォルン︷アルジェヴォルンのみ︸
落第騎士の英雄鐸︷技のみ︸
クロスアンジュ∼天使と竜の輪舞︷パラメイル、ラグナメイルのみ︸
コメット・ルシファー︷ガーディアン、その他機体のみ︸
対魔導35試験小隊︷レリック・イーターのみ︸
Fate/シリーズ︷エクスカリバー等一部を除く宝具のみ︸
はぐれ勇者の鬼畜美学︷技、鍛錬術のみ︸
学戦都市アスタリスク︷プラーナ、武器・技設定のみ︸
ヴァルキリー・ドライブ︷武器のみ︸
機神咆哮デモンべイン︷一部魔術・技のみ︸
神名月の巫女︷機体のみ︸
京四郎と永遠の空︷機体のみ︸
!
ガンxソード︷オリジナルセブンのみ︸
空戦魔道士候補生の教官︷武器のみ︸
聖剣使いの禁呪詠唱︷技のみ︸
ゼロの使い魔︷インテリジェンス武器のみ︸
ノブナガ・ザ・フール︷機体、武器のみ︸
バディ・コンプレックス︷カップリングシステムのみ︸
ラーゼフォン︷ラーゼフォンの武装のみ︸
ライディーンシリーズ︷ライディーンの武装のみ︸
ランス・アンド・マスクス︷仮面・武器のみ︸
マクロスシリーズ︷デフォールドのみ︸
黒鉄のラインバレル︷ラインバレルのみ︸
fortissimoシリーズ︷戦略魔術兵器、戦略創造技術兵器のみ︸
アブソリュート・デュオ︷焔牙その他設定のみ︸
アクティヴレイド︷ウィルウェアのみ︸
セイクリッドセブン︷悪石、善石設定のみ︸
他に使って違和感が無いという作品がありましたら遠慮せず報告板へ
後ガンダムは恐らく他の作者様がやられると思うので使用する予定はありませんの
!
であしからず。
EPⅢ﹁特訓にて 後編﹂ ││
EPⅣ﹁二人制式決闘︷タッグデュエ
﹂ │││
雷 光 V S 天 槍﹂ ル︸そしてハヤト覚醒
E P Ⅴ﹁激 突
!
目 次 プロローグ︿第一次遭遇﹀、
︿第二次遭遇﹀
プロローグ1 転生 │││││
&オリキャラ設定
プロローグ2﹁第一次遭遇﹂ │
プ ロ ロ ー グ 3﹁第 一 次 遭 遇 2﹂ プロローグ4﹁第二次遭遇﹂ │
62
EPⅥ﹁選抜隊での初戦闘﹂ │
E P Ⅶ﹁ヤ マ ト の 没 落 巫 女 前 編﹂ E P Ⅷ﹁ヤ マ ト の 没 落 巫 女 後 編﹂ EPⅨ﹁選抜隊の依頼﹂ │││
EPⅩ﹁ヴァリアントとして 前編﹂ 101
オリジナルキャラ&ハンドレッド、そ
の他設定集 ││││││││││
第一章 ヴァリアント覚醒
EPⅠ﹁波乱の入学式﹂ │││
EPⅡ﹁特訓にて 前編﹂ ││
!
70
85
79
93
97
1
21
31
42
54
108
5
12
│
EPⅩⅠ﹁ヴァリアントとして 中編﹂
│││││││││││││││
111
⋮頭がなんかちょっとばかし痛てえし⋮﹂
プロローグ︿第一次遭遇﹀、
︿第二次遭遇﹀&オリキャラ設
定
何処なんだ此処は
プロローグ1 転生
﹁⋮ウムゥ
?
﹂
﹁フム、ようやく目が覚めたようじゃの﹂
俺の目の前には真っ白な空間が広がっていた。
俺は功紗ノ宮 鍵夜、オタクな至って普通の男子高校生ですはい。
?
﹂
儂はな神じゃよ
神様だとお
ババァン
こんな体格じゃがな⋮﹂
!
﹂
と誇らしげにいう神と名乗ってきたおじいさんは胸を張った。
あ、気にしていたんだ。
﹁ふお
!?
!
見るとちょこんと背の低いおじいさんがあぐらをかいて座っていた。
﹁貴方は
?
!
﹁神様、俺は一体どうなったんですか
?
!?
﹁フォッフォ
プロローグ1 転生
1
俺は確かアニマップで新春買物を終えた帰り道だった筈なのだが⋮
⋮ま、自業自得だわな⋮。
﹁其処でお主に提案なのじゃが⋮﹂
で希望はあるかの
そんなにたくさんは叶えられぬ
お主は生前は校内や外出時での苛めを排除したりしてその他諸々で善行P
﹁もしかしなくても転生させてもらえるのですか
?!
ではどうか﹁ハンドレッド﹂の世界へと転生をさせて頂ければと⋮特典の希望は
!
︿ファースト・アタック﹀時からの転生、三つ目はサベージウィルスのサンプルデータを、
一つ目は百武装︿ハンドレッド﹀の制作技術を、二つ目は原作開始前である第一次遭遇
﹁はい
?
﹁そうじゃ
が結構にあるのでの良かったな
!
!
神様にそう言われ生前を思い返し、俺は告げる。
がな﹂
﹂
く行くという事が無かったしな⋮それが仇になってきてしまったという事になるのか
そういえば学校での定期健診はかったりいとサボりがちだった上に病院にもしばら
うだ。
問いただすと俺は体内にできていた悪性の腫瘍が悪化・肥大化してしまい今に至るそ
死を迎えたのじゃ⋮﹂
﹁ウムそれがな⋮お主はその帰り道の途中で密かに進行してしまっていた病気のせいで
2
﹂
!
それじゃ新たなる人生へ乾杯
﹂
!
最後に記憶はそのままでお願いします
﹁フムフム、分かったぞよ
⋮⋮﹂
!
﹁ホオンギャアー∼
﹂︷
∼︸
とっても元気な男の子です﹂
!
を使って解析した後、己の体に注入した。
ス﹄のデータサンプルを早速四才の誕生日の際にプレゼントされた現超高性能専用PC
五才の誕生日には神様からいつの間にか自室に送られてきていた﹃サベージウィル
でもないが。
なんか転生する前よりも過保護過ぎる両親には凄く心配されてしまったのはいうま
まず置いておいて俺は子供ながら鍛錬する日々を過ごしてきた。
⋮どうせならラスィーヤでも良かったんだけど⋮言語の壁ががが⋮まあそれはひと
した。
のとても優しくて気概のある両親の元へと新たな功紗ノ宮 ケンヤとして転生を果た
⋮生まれる国までは指定しなかったけど無事俺は皇国ヤマト︷現実世界で言う日本︸
!
!
∼皇国ヤマトの病院∼
神様が手を思い切り広げると俺は眩いばかりの閃光に包まれた。
﹁
!
﹁無事生まれましたよ
プロローグ1 転生
3
﹁ウグッ
⋮﹂
して覚醒する為に必死に耐える
﹂
乗り越える
⋮はあっー
!
⋮﹂
!
の隕石と共に異種生命体︿サベージ﹀が飛来し、人類は驚愕した。
そして⋮それから約五年後⋮︿第一次遭遇﹀が起き、遥か宇宙の彼方から地球に無数
した。
無事にヴァリアントとして覚醒に成功した事に安堵した俺はまた鍛錬の日々を謳歌
﹁やったぞ
ウィルスが体に順応した合図なのか体の中に満ちた︿センスエナジー﹀が光輝いた。
なんとか苦痛に耐え忍び体を起こした。
!
!
それでも俺はこれから起きるであろう困難に立ち向かえる術を得、
︿ヴァリアント﹀と
ウィルスを注入するのは少々所かかなりキツイな⋮。
やはりあまり抵抗力が付いてきていない︷それでも一般の子供よりはあるが︸体に
胸の辺りが酷く焼ける様な痛みが俺を襲ってきた。
!?
﹁ゼエ⋮ハア⋮ゼエ⋮ハア
!
4
はっ
﹂
プロローグ2﹁第一次遭遇﹂
﹁ほっ
!
﹁アータタタアー
ホオーワッチャア
﹂
!
やはりこうなってしまったか⋮﹂
は少なからずも被ってしまった。
装﹀が手元に無い今の状態、通常兵器ではサベージには決定的な打撃を与えられず被害
地球は既に覚醒を果たしていた俺がいた事と国防隊の活躍で抑えられはしたが︿百武
!
無数の隕石と共に異種生命体︿サベージ﹀が地球へと飛来してきたのだ。
そしてそれから役五年後それは起きた。
向けて日々の鍛錬を欠かす事はなかった。
ヴァリアントとして覚醒を果たした俺こと功紗ノ宮ケンヤは来たる︿第一次遭遇﹀に
!
!
のみを用いてサベージと戦うしか道がなかったのだ。
政府から採取可能認可通達が来る迄の期間の間、俺はセンスエナジーによる身体強化
ン﹀から百武装の原料となる︿ハンドレッド﹀が採取出来る。
サベージと共に降ってきた隕石から削り取られた鉱石である︿ヴァリアブルストー
﹁ちくしょう
プロローグ2「第一次遭遇」
5
それに無数に降り注いだといっても採掘可能地点が極少数に限られている為に物凄
く貴重な物となってしまっている為各国が確保にかなり躍起になっているのだ。
﹂
!
﹁まあいいよ﹂
﹁すみませんでした
⋮つい癖でございまして﹂
﹁社に居る間はその名で呼ぶなと言っているだろう﹂
﹁ケン⋮あ⋮リシヤ社長次のお取引先についてですが﹂
それから一年後
意外と上出来だ。
をVMAXが確保する事が出来た。
行動が一早かったおかげで世界に降り注いだ内の約12%のヴァリアブルストーン
る﹁VMAX﹂の設立へとこぎつけた。
名を使い方々に根回してもらいハンドレッド・ヴァリアブルストーン専門の一会社であ
今迄の株運用での貯蓄を投入、念には念を入れ仮面を被った上に亞牙リシヤという偽
そこで俺は行動を起こした。
﹁ええ﹂
﹁これからもウチをどうかよろしくお願い致しまっせ
﹁よし⋮確かに確認させて頂きましたありがとう御座います﹂
6
!
彼は顕谷園アシヤ。
俺は社に居る間は偽名を使っているが俺の秘書官を務めているアシヤは数少ない俺
何故かって
それは⋮彼もヴァリアントの力を持った武芸者になってしまった
の本名を知る一人である。
え
?
!
∼とある日のVMAX社研究室∼
⋮アレとコレをこうしてと⋮後はコレでコイツは完成だ
それを完成させた直後⋮ビー
ビー
この間の撃ち漏らしが来たようだな
サベージの襲来警報が鳴り響いてきた。
!
﹃ハンドレッド・オン﹄﹂
ようやくコイツが試せる
Sideアシヤ
イガン﹄を展開してサベージが出現した地点へと向かって行った。
俺は亞牙リシヤの顔として運用している専用ハンドレッド、
﹃ブリストルロック・ブレ
!
!
!
俺はVAMXを設立してから超特急ピッチでハンドレッドの制作に励んでいた。
﹁よし
﹂
あれはそう⋮︿第一次遭遇﹀が発生してからしばらく経って数日の事であった。
からだ。
?
!
!?
百武装展開
!
﹁ムッ
プロローグ2「第一次遭遇」
7
﹂
⋮⋮﹂
⋮と、父さん
﹁グギャー
﹁がっ
⋮うわあああー
⋮﹂
!?
!
父さんしっかり
﹂
!?
﹁うう
﹁そんな
!
! !?
⋮痛い
畜生
⋮﹂
!
しまった。
﹁くっ
!
た。
ドヒュン
﹂
﹁お前さん達は動けないようだから其処から動くなよ。危ないからな﹂
サベージがどこからともなく飛来してきた散弾に撃ち抜かれたのだ。
﹁
!?
!
もう駄目だ⋮僕達このままアイツに殺されちゃうんだ⋮と思いふけったその時だっ
サベージの魔の手がもうすぐそこまで迫ってきていた。
この場から動く事が出来ずにいた。
早く父さんを助けなきゃいけないのに自分も怪我を負わされていたせいでそれ以上
!
酷い怪我を追って意識を失ってしまい、僕もサベージによって右足に切傷を負わされて
突如街に出現したサベージに僕とたった一人の家族である父さんが襲われ父さんは
!?
8
⋮﹂
そう、上空から彼が現れ僕達にそう言った後サベージに立ち向かっていった。
﹁英雄だ
﹂
!
これは好機
﹂
俺はセンスエナジーで飛びながら周囲の状況確認し、改めてブリストルロック・ブレ
﹁周辺に障害は無。いける
!
!
俺が殴って付けた傷でまだ修復が済んでいないようだった。
やはり背中に傷があるサベージだった。
﹁この間のお返しをさせて貰おう
僕はそう呟いてただボーッと彼の戦いを見つめていた。
!
﹂
イガンをサベージへと向け撃つ。
!?
﹂
センスエナジー解放40%
喰らえ ﹃ブリストルブレイク・E︿エナジー﹀バー
!
!
ドオン
コアを貫かれたサベージはその活動を停止した。
に撃ち放った。
俺は体内のセンスエナジーをブリストルロック・ブレイガンに込め衝撃弾をサベージ
スト﹄
﹁今か
!! !
これで立っていられたサベージはバランスを崩し転倒し腹部のコアが露わになった。
﹁
プロローグ2「第一次遭遇」
9
!
﹁第一ミッション完了
これより第二ミッション行動に移る
﹂
!
⋮父さんの事助けて下さってどうもありがとうございました
俺はサベージを倒した後サベージに襲われた人達の救護活動に入った。
﹂
﹁あ、あの
﹁ン
﹁お前さん⋮その足はまさか
⋮﹂
﹂
!?
﹂
は、はい。足が痛いだけです﹂
﹁そうか⋮君の名は
﹁え
﹁お前さんの体は何ともないのか
それにサベージに襲われて出来た傷という事は⋮
なんと彼の足には痣が浮かんでいたのだから。
俺は少年の足を見ると驚いた。
﹁えっと⋮この傷はサベージに襲われて負わされました⋮﹂
!
り込む方法ともう一つがある。
﹂
ヴァリアントの武芸者として覚醒するには俺がしたサベージウィルスを直接体に取
アシヤと名乗った少年について俺は考えた。
﹁顕谷園アシヤです⋮﹂
?
?
!
!
あらかたの救護活動を終えた直後先程の少年がいた。
?
!
10
それはサベージに攻撃されて傷を作りそこからウィルスが直接体内に侵入して覚醒
するケースだ。
だけどどっちも危険極まりなく耐えられなければ死あるのみなのだ。
?
⋮
彼はもしかしなくてもヴァリアントに覚醒を果たしているようだ。
⋮﹂
﹂
足の痛みがウィルスによる苦痛を緩和してくれたのであろうか
それってどういう
﹁⋮なあアシヤ、お前さんウチの会社に勤めてみないかい
﹁なっ
?
?
ちょっと感覚が麻痺していた俺は苦笑した。
ああ、自分と年が変わらない奴がこういう事していたら驚くよな普通。
俺が仮面を外しそう提案をすると何故か二重の意味で驚かれた。
!?
﹂
!
こうして、社長秘書官顕谷園アシヤは誕生した。
アシヤは一瞬ポカンとしていたがすぐに俺の提案を受け入れてくれた。
俺はアシヤの信頼を得る為に本名と偽名を同時に名乗った。
ますし⋮精一杯務めさせて頂きます社長
﹁は、はあ⋮あまり良くは分かりませんが父さんや他の人達を助けて頂いたご恩もあり
俺は功紗ノ宮 ケンヤだ。またの名をVMAX社長の亞牙リシヤ。よろしくな﹂
﹁何、人を守るお仕事さ。お前さんにはその力が身に着いたというだけだ。
プロローグ2「第一次遭遇」
11
プロローグ3﹁第一次遭遇2﹂
げにより数は減ってきたがそれでも奴等は潜み現れ被害をもたらし続けていた。
?
∼ラスィーヤの街∼
各行動にかなりの遅れが出てきてしまっている⋮アシヤそっちはどうだ
!
﹂
﹁﹃はい分かりました
﹁ああ
お待ちしております御武運を
アシヤと俺はそれだけ言って通信を終えた。
!
!
社長﹄﹂
﹁そうか、では私も早目に社に戻る。今後の対応を検討する為の会議を開く﹂
アシヤの部隊にはグーテンブルグ王国の対応に回ってもらっていた。
これより帰還するつもりです社長﹄﹂
﹁﹃こちらは丁度ようやく全任務が片付いた所ですよ。
センスエナジーを用いてアシヤに通信を入れる。
ていた。
俺もVMAXの若社長として当然対応に回っており此処グーテンブルグ王国を訪れ
﹁チィ
﹂
︿第一次遭遇﹀で地球に襲来したサベージが国防隊や多くの民間軍事会社の活躍のおか
12
!
﹁さてとああ言っちゃった事だしさっさと終わらせて貰う⋮ム
仕方無い急処置だ﹂
この
﹂
﹁大丈夫よ⋮大丈夫だから⋮﹂
﹁グオー
不味い
﹂
!
⋮やらせるものかあー
サベージの攻撃のせいで家の屋根が崩壊しかかっていたのだ。
﹁ヤバイぞあれは
!
俺は屋根をハンドレッドで吹き飛ばした。
Side
?
﹁グオー
﹂
見つかり襲われそうになる。
﹂
避難誘導に出遅れてしまった私と母は家の中に隠れていたのだが一匹のサベージに
もたらした。
突如ラスィーヤの街に出現した数匹のサベージという化物は暴れ回り甚大な被害を
!!
!
?
サベージの一体がまだ崩壊していない家を襲おうとしていたのだ。
避難誘導がまだ済んでいなかったのか
!
まさか中にまだ人が
﹁何
!
!?
俺は急いでサベージを撃ち貫いたのだがそこで問題が起きたのだ。
!?
﹁ヒック⋮ヒック怖いよーおかあさん⋮﹂
プロローグ3「第一次遭遇2」
13
!
﹁ヒッ
⋮﹂
ガラガラッ
﹁ハッ
嫌
﹂
サクラ、駄目
駄目
﹂
それじゃ母が死んじゃうかもしれない
!
⋮﹂
?
﹁え
⋮これは一体どうしたの
⋮﹂
母も相当混乱していたが私に言われ外を見る。
﹁おかーさんアレ⋮﹂
⋮。
銃
どっち
?
?
!
そこには私達を襲おうとしたサベージが倒れていてその上に大きな剣
?
?
私と母は不思議に思い恐る恐る上を見上げると屋根が綺麗さっぱり吹き飛んでいた。
﹁
だが一向に瓦礫が落ちてくる気配は無かった。
私と母は目を瞑りただ祈るしかなかった。
!
母が瓦礫から私を守ろうと盾になるつもりだったのだ。
﹁おかーさん
!?
!
なった。
遂にサベージの攻撃に耐えられなかった屋根が瓦礫となって私達に落ちてきそうに
!
サベージが屋根をかたっぱしから殴り家が揺れる。
!?
!?
14
﹂
なのか良く分からなかったがそれを抱えて仮面を被った男の人が乗っかっていたのだ。
﹁大丈夫だったか
﹁そうですかなら良かった
﹂
ってン
!
⋮﹂
﹁え⋮ええ娘共々助けて頂き感謝致します⋮﹂
変わらない男の子だったのだ。
私達を助けてくれたのは仮面を被っていた時には分からなかったけど私とそう年の
仮面を外した男の人が口を開き私達に聞いてくる。
?
?
ていた。
男の子は母に一礼してから私を見ると何故か唖然とした様な表情になって頭を抱え
﹁
?
だけど⋮
こんなに簡単にフラグ回避をした事にだ。
俺は非常に焦っていた。
そうなると俺は改変してしまった事になる。
本来ならば母親は瓦礫落下から娘を庇った事が元で亡くなってしまっているのだ。
助けたのが原作ヒロインの一人である霧島サクラとその母親だったから驚いた。
﹁おふう⋮ラスィーヤでのミッションって聞いたからもしかしてと思っていたが⋮﹂
プロローグ3「第一次遭遇2」
15
﹂
﹁ほら、サクラもお礼を言いなさい﹂
﹁俺は功紗ノ宮ケンヤだ﹂
⋮私は霧島アンナ、こっちは娘のサクラです﹂
俺は母娘に本当の名を告げた。
﹁あ、すみません
慌てて母親、アンナさんが娘共々自己紹介してきた。
そして
﹁あの⋮助けて頂いたお礼としてはなんですが⋮一緒にお食事していきませんか
アンナさんからそうお誘いがくる。
﹁街の復興作業が終わってからゆっくり頂く事に致しましょう
﹂
﹁コラコラl、あんまりはしゃがないの
﹁やったあ∼
﹂
あ、吹き飛ばしてしまった屋根の修繕費はウチが持ちますので﹂
!
?
!
俺はそう快く了承し、サクラちゃんが嬉しそうに飛び跳ねてアンナさんに注意されて
!
!
﹂
それが例えどんな結果であれ後悔したくないとの思いで⋮俺はその決意を思い出し
そうだ⋮何を焦っていたんだ俺は⋮元々介入するって決めていた事じゃないか。
サクラちゃんの笑顔でそんな些細な事全てが吹き飛びましたw
﹁おにいちゃんありがとう
!
16
いた。
街の復興作業が終わり霧島家に数日宿泊させて頂き、アンナさんやサクラちゃんと
色々話をしていた。
﹁﹁♪∼﹂﹂
アンナさんのピアノに合わせて一緒に合唱をしたりもした。
⋮﹂
?
サクラちゃんが寝静まった夜の事
﹁そういえばサクラちゃんのお父さんは
⋮﹂
ヤッベ
不味ったかなこれ
!
⋮
俺はふと気になりアンナさんに問いかけると彼女はとても暗い表情をしていた。
﹁
!
?
はガタ落ちしてしまいその日から彼は酒に溺れる様になってしまい些細な事でアンナ
そう、時代はハンドレッド産業中心になっていき夫が経営していたという会社の利益
しまった。
それは⋮第一次遭遇が起きしばらく経ったある日から突然急に夫の様子が変貌して
彼女が語った内容は衝撃的な物だった。
アンナさんはそう重い口を開き心の内を語ってくれた。
﹁夫とはもう離婚したんです⋮﹂
プロローグ3「第一次遭遇2」
17
さんに暴力を振るってくる日が続いたという。
そして悪い出来事は続いてしまう。
に診てもらっていたのだが
サクラちゃんがサベージウィルスに感染し、上手く適応出来ず全身の筋肉がまともに
動かせなくなるという病気を患ってしまったのだ。
最初はラスィーヤの研修医、確かスフレとか言ったかな
病状は悪化する一方だった。
まともな生活を送る事が難しかったらしく苦難が続いたらしい。
その頃にはサクラちゃんの病状は改善していたが⋮今迄見た事の無い虚ろな表情で
離婚後アンナさんは急いでサクラちゃんをまた引き取ったという。
これには流石に堪忍袋の緒が切れたアンナさんは夫に離婚を申し出たという。
金はやはり酒に消えていた。
ローバル企業ワルスラーン社傘下の研究所に引き渡し⋮否売り飛ばしてしまったのだ。
まさかと思い夫に問いただすと彼がなんとサクラちゃんを﹁最先端医療﹂を名目にグ
クラちゃんの姿が何処にもなかったのだ。
そして自宅診療に切り替えてから数日経ったある日、アンナさんが買物から帰るとサ
?
﹁ほう
﹂
﹁でもその後すぐに大変お世話になった方がいらっしゃるんです﹂
18
?
﹂
桐生院マサトさんって方だったわ
アンナさんのもう一つの語りに俺も引き続き聞いた。
﹁ええっと確か名前は⋮そうだ
!
﹂
その方ならウチの方でもお世話になってもらっている方ですよ
彼には感謝してもしきれません
﹁
﹂
﹁そうなんですか
﹁ええ
﹂
!
!
!
うん⋮元気でね﹂
﹁ああ、だけどまたいずれ会えるさ
﹁
﹂
?
!
サクラちゃんは物凄く別れを惜しんでいたけど今は仕方無い。
!
﹂
翌日俺は社へと戻る為帰国準備をしてグーテンブルグ空港にいた。
こちらからもまた感謝の電報を送っておくとしよう。
だ。
彼の援助のおかげでサクラちゃんは完全にまともな生活を送れるようになったそう
まさか彼が霧島家の援助を申し出ていたとは流石の俺も驚きを隠せないでいた。
の若社長でとても信頼がおける気さくな方だ。
アンナさんの口から出た人物、桐生院マサト⋮我社の一番の取引先であるアレイド社
!
?!
!
﹁ケンヤおにいちゃん行っちゃうの
プロローグ3「第一次遭遇2」
19
20
通信もせずに数日過ごしていたからアシヤに怒られるなコレ⋮︵^
アンナさんも無事に生きている事だししばらくは寂しいだろうけれど大丈夫な筈だ。
⋮あ、ヤッベ
^;︶
その後社で待ちくたびれていた彼に小言を言われたのはいうまでもない。
!
プロローグ4﹁第二次遭遇﹂
あれから一年後、俺達が介入したおかげか予定より早く第一次遭遇は終息を迎えた。
﹂
ともよろしく
﹂
﹁御社からの電報読みましたよ。霧島家の皆さんにはまた返信しておきましたので今後
﹁ええ
!
るさ。今後も続けていくつもりだよ﹂
!
取引先の一社であるアルレイド社社長の桐生院マサトと俺達は語り合っていた。
﹁そうして下さるとこちらも被いに助かります
﹂
﹁僕は武芸者にはなれないけどサベージによって引き起こされた二次災害の支援は出来
!
させるべきという事を政府に出向き通告する事を決断した。
VMAX社とアルレイド社はこれを機に一早く︿武芸者﹀を育成する教育機関を発足
サベージが出現しこれまた甚大な被害をもたらしたのだから。
まるで油断を許さないかの様にその二年後に︿第二次遭遇﹀が世界各地で起きた。
﹁⋮﹂
﹁でもこんな事がまた起きてしまうなんてね⋮﹂
プロローグ4「第二次遭遇」
21
﹁これでヤマト政府だけでなく他国の政府も良き方向へと動いてくれれば良いのですが
⋮﹂
﹂
!
﹂
ビー
﹁
﹁社長
ビー
﹂
!
!
!
!
﹂
!
俺達がそう呟き合いながらヤマト国会議事堂を後にした直後⋮
﹁ああ⋮大人達に勝手な事はやらせはしないさ
﹁その時は出来るだけ我々が総力を挙げて止めなければいけませんね﹂
の様に⋮﹂
﹁裏では非人道的な実験やらを平気で実行する国もあるでしょう⋮そうワルスラーン社
安で仕方無い。
成機関﹀に入れるのは満十五才以上の男女に限定する様に強く言い放っておいたが⋮不
その為に俺とアシヤ、そしてマサトはヤマト政府を通じて他の世界各国に︿武芸者育
俺が介入した以上世界がどう動いてくるかが予測出来ない。
﹁僕もそう思っていた所だよ⋮﹂
いで俺達よりもまだ幼い子供達も戦う羽目になりかねん⋮それは駄目なんだ
﹁まあそっちはあんまり期待はできんだろうな⋮回答を急げば下手したら特殊条件のせ
22
﹁仕事の様だね。僕はここらで社に戻らせてもらうとするよ﹂
⋮﹂
社内回線を通じて俺達のスマホにサベージ出現警報が発令されたので向かった。
Side
∼ヤマト ショッピング街∼
﹁すぴー⋮zz﹂
だが⋮そこには⋮
そしてなんとか公園まで逃げる。
俺は待ち合わせの約束を果たす為にサベージに対する恐怖心を抑えながら走った。
あった。
この出来事は俺、如月ハヤトがこの街で待ち合わせの場所に向かっていた最中の事で
⋮﹂
!? ?
まった。
その筈なのにどうしてこの街に
⋮
だが⋮そこに突如約二年前に駆逐された筈のサベージが出現し街を地獄と化してし
付いていた。
寺院やその他多くの観光名所があるこのショッピング街は今日も大勢の人々で活気
﹁はあはあ⋮なんで⋮どうしてこんな事に
!?
?
﹁なんなんだ、なんなんだよ一体
プロローグ4「第二次遭遇」
23
﹁オイ
﹂
銀髪の美少女がベンチに横たわって寝ていた。
そう俺が待ち合わせを約束していた少女だ。
名をエミリア・ハーミットという。
サベージが今街に襲ってきているんだよ
﹂
俺はエミリアを起こすのに必死になる。
﹁オイ、起きてくれ
やっと来たんだ
!
﹂
サベージが迫ってきているんだ
早く逃げなきゃ
﹁寝ぼけている場合じゃない
⋮大変
!
!
彼女はまだ寝ぼけているのかそんな事を言う。
﹁んー∼⋮あ
!
!
﹂
﹂
!
!?
﹁何
﹂
もう一匹いたのか
⋮﹂
!?
!
﹁クソッ
﹁キャッ
こっちだ
﹂
!? !
﹂
そして最悪な事にさっきのサベージも追い付いてきやがった
!
⋮
空からもう一体のサベージが現れ俺達の前に着地し咆哮する。
!?
﹁ギャオーン
俺の言葉を聞いてハッとしたエミリアと共に逃げようとすると⋮
﹁え
?
!
!
!
24
﹁エミリア
しまった
﹂
!
﹁大丈夫か
﹂
伏せろ
⋮ヤバイ
﹁う、うん大丈夫⋮
﹂
⋮﹂
!
⋮﹂
そう思った時に俺達にサベージが光線を放ってきた。
!
﹁ハッ
﹂
エミリア
⋮﹂
!?
!?
﹂
!
﹁アレは
軍の
!
⋮﹂
だがその動きはすぐに止める事になった。
サベージに向けて体が動き始めていた。
﹁やめろおぉー
それを目の当たりにした俺は思わず
その隙にもう一匹のサベージがその巨大なハサミでエミリアを掴み上げていたのだ。
!?
﹁キャア
運良く俺達に直撃はしなかったがその衝撃で吹き飛ばされる。
﹁うわ
﹁アレは
!
ヤバイ
!
!
!?
ハヤト後ろ
だがその拍子に瓦礫に足をひっかけてしまい彼女が躓いてしまったのだ。
俺が咄嗟にエミリアの手を引いて逃げ出そうとした。
!?
!?
!
!
プロローグ4「第二次遭遇」
25
そう軍の戦車隊が進撃してきていたからだ。
サベージに人が捕まっているんだよ
だからまだ撃つのは⋮﹂
!
﹁ギャオー
﹂
そんな俺の声が軍人達に届く筈が無く弾が放たれる。
﹁やめてくれ
!
﹂
を投げ飛ばした。
砲弾を喰らったサベージはもがき苦しみ出しハサミをブルンブルン振ってエミリア
!?
不味い
⋮サベージウィルスに感染してしまう前にどうにかして体外に排出させな
ければ彼女の命が危ない
﹂
!
﹁ありがと⋮﹂
何度か吸っては吐き出しを繰り返していると
﹁ぺッ
急手当を施した。
そう思った俺は咄嗟に彼女の傷からウィルスを追い出す為に毒を吸い取る手順で応
!
!
﹁うう⋮﹂
かれ腹部に傷を負ってしまっていた。
急いで駆け寄るとサベージのハサミによって彼女のワンピースがズタボロに斬り裂
﹁エミリアーッ
!?
26
エミリアがかろうじて意識を取り戻し俺に微笑んだ。
⋮クソッ
俺はホッと一息ついていると何か自身の体にだんだん違和感を感じる様になった。
⋮⋮︸﹂
﹁︷なんだこれ⋮もしかして少量取り込んでしまったウィルスの影響なのか
⋮﹂
俺の意識はそこで途切れてしまった。
﹁ハヤト
ケンヤSide
?
﹂
マサトから選別として
この二人に打てばいいんですよね了解です
﹂
お前は二人の救護を頼んだぞ
受け取ったワクチンはあるよな
﹁サベージは俺に任せてアシヤ
バッチリ此処に
!
﹂
!
今回はコイツを使
!
そう、
﹁コメット・ルシファー﹂に登場するガーディアン、モウラをハンドレッド化さ
した。
俺はブリストルロック・ブレイガンを仕舞い、新たに開発したハンドレッドを取り出
うか
﹁さてと⋮唯一の心配事は不必要に終わった事だし一仕事、一仕事
イド社への緊急搬送をアシヤに任せ俺はサベージ討伐へと向かった。
原作主人公である如月ハヤトとヒロインの一人であるエミリア・ハーミットのアルレ
﹁はい
!
!
!
!
?
!
?
プロローグ4「第二次遭遇」
27
せた物だ。
﹂
﹁ブッた斬る
﹂
右腕部のビーム砲をサベージへと撃ち放ちながら接近する。
﹁どらあっ
!
⋮⋮﹂
!?
﹂
!
⋮そうだ俺は
⋮﹂
ター﹄を残りのサベージに浴びせ沈黙を確認した。
此処は一体
!
それから数日後⋮ハヤトSide
﹁ン⋮
俺は気が付くと病室にいた。
俺のすぐ傍で倒れていた女の子は
!?
﹁やあ、少しばかり長い眠りからお目覚めかな﹂
?
そうだエミリアは
!?
そして隣には青年が腰かけていた。
⋮ハッ
?
アルレイド社
確かハンドレッドを製造していて、尚且つそれに加えサベージによっ
﹁慌て過ぎだよ君。僕は此処アルレイド社の二代目社長の桐生院マサトという者だ﹂
!?
?
﹁貴方は
⋮﹂
ハンドレッド﹃モウラ﹄の翼を展開し、必殺﹃ガーディアンスターウィング・シュー
﹁グオオ
﹁もう二匹はまとめてボッシュートだ
サベージのコアへと接近した瞬間にソードを召喚してコアを斬り裂いた。
!
28
?
つい気ばかりが焦ってしまって⋮﹂
て引き起こされた二次災害支援に関する業務が主というあのアルレイド
﹁す、すみません
!?
﹂
!
⋮﹂
﹁ヘッ
﹂
⋮別の会社の病院に入院している君の妹さんの事だけど
?
⋮カレンがどうかしたんですか
?
﹁如 月 ハ ヤ ト 君 だ っ た よ ね
覚える俺であったが先生に礼を告げた。
結局エミリアとの約束はサベージのせいでうやむやになってしまった事に虚無感を
﹁そうでしたか⋮ありがとう御座いました
﹁良いよ良いよ。女の子の方ならつい今朝方だけど無事に完治して退院していったよ﹂
!
まあカルテで調べれば分かる事だよなあ。
であるカレンの事を言われ俺は驚いた。
先生に第一次遭遇後に突然発症した奇病により此処とは違う病院で入院している妹
?
﹁え
﹂
!?
カレンちゃんの様な病気を抱えている人は他にもいるしね⋮完全な治療
⋮本当に良いんですか
﹁勿論だとも
!
?
此処は最新医療器具が何処よりも揃えられているからね﹂
ようかと思ってるんだ。
﹁よかったら君の妹、如月カレンちゃんの入院先をアルレイドの病棟へ移し替えてあげ
プロローグ4「第二次遭遇」
29
法もきっと見つかるさ﹂
﹂
らせてくるといいよ﹂
何から何まで本当にお世話になります
﹂
俺は病室を飛び出し急ぎ足でカレンにこの事を伝えに向かった。
﹁はい
!
するとカレンは﹁兄さんとの生活にもうすぐ戻れるかもしれないんですね
!
!
も嬉しがっていた顔を見れて俺も顔が綻んでいた。
﹂ととて
﹁承りました。あ、移替申請の手続き諸々等は僕の方でやっておくから妹さんに早く知
コレでカレンの体は今よりずっと早く良くなる事を祈って。
先生のまたとない提案を俺は即座に受け入れた。
﹁是非お願いします
!
30
ハーミットとほぼ同数値である事、そして鍛錬のおかげで既に全身武装をものにそして
勿 論 セ ン ス エ ナ ジ ー の 測 定 値 は 原 作 主 人 公 如 月 ハ ヤ ト、ヒ ロ イ ン の 一 人 エ ミ リ ア・
社﹂を設立、仮面を被り亞牙︷アガ︸リシヤという偽名を名乗り活躍する。
第一次遭遇発生後すぐにハンドレッド・ヴァリアブルストーン産業会社、﹁VMAX
事︿ヴァリアント﹀の︿武芸者﹀として覚醒を果たした。
誕生日時に転生特典として頼んだサベージウィルスのサンプルを解析、自らに注入し見
四才の誕プレである専用超高性能PCを駆使または鍛錬の日々を送り、そして五才の
国ヤマトへと転生を果たした。
生前の善行Pの高さから神様からの褒美として原作開始前の﹁ハンドレッド﹂世界、皇
子高校生。
密かに進行してしまっていた悪性腫瘍による病死で亡くなってしまった十五才の男
本作のオリジナル主人公。
1、功紗ノ宮ケンヤ︷鍵夜︸ ︷クサノミヤ︸
オリジナルキャラ設定
オリジナルキャラ&ハンドレッド、その他設定集
オリジナルキャラ&ハンドレッド、その他設定集
31
い男女﹂という条件を満たせなかった為に武芸者となる事は無かったがその分、第一次
第一次遭遇後既に武芸者として覚醒する為の条件である﹁第二次成長期を迎えていな
十九歳。
つ、﹁アルレイド社﹂の二代目若社長でとても気さくな好青年。
VMAX社の最高取引先であるハンドレッド・ヴァリアブルストーン産業会社の一
3、桐生院マサト︷キリュウイン︸
判定値はケンヤ達よりもやや低い第三位である。
唯一知り、社長秘書として勤め、ケンヤの良き理解者、右腕となっている。
分を助けてもらった恩を返す為にケンヤのVMAX社スカウトを受け入れ彼の本名を
サベージによって傷を負わされた為に後にヴァリアント武芸者として覚醒、父親と自
牙リシヤとして活動していたケンヤに助けられた七才︷救出当時︸の少年。
第一次遭遇の最中、皇国ヤマトの街に出現したサベージに父親共々襲われた窮地を亞
2、顕谷園アシヤ︷アラヤエン︸
登場する仮面である。
ちなみに彼等、VMAX社のメンバーが付ける仮面は﹁ランス・アンド・マスクス﹂に
ちなみに転生直後に魔術の才も開花しており行使する事が出来る。
﹁デュアルアクト﹂を可能にしている半チートぶりを示している。
32
遭 遇、第 二 次 遭 遇 に よ る サ ベ ー ジ の 二 次 災 害 の 被 害 者 の 支 援 に 尽 力 を 尽 く し て い る。
︷だけど少しばかり武芸者に憧れていたようである︸ 4、神詩歌 ユウヒ
EPⅦより初登場でオリジナルヒロインの一人。
茶髪ストレートロングの巨乳巫女さん。
第一次遭遇発生により皇国ヤマトにある彼女の実家である神詩歌神社も甚大な被害
を被りその結果親類等から多額の借金を抱え込む事になってしまうが彼女も武芸者と
して覚醒していた事でダークゾーン的な事柄から逃れる。
ケンヤに出会う迄は彼女の体質のせいもあり常にかなりジリ貧な生活を送っており
彼から親和性の高い専用ハンドレッドを貰う迄は行き倒れてしまう事も多々あった。
5、 オリジナルハンドレッド設定
・ブリストルロック・ブレイガン
ケンヤがVMAX社若社長、亞牙リシヤの顔として運用する為に制作した紺色の大型
銃のハンドレッド。
遠目から見るとその大きさからか剣に見られがちである。
﹃ブリストルブレイク・E︷エナジー︸バースト﹄
オリジナルキャラ&ハンドレッド、その他設定集
33
ブリストルロックブレイガンにセンスエナジーを込めた一撃。
上位互換のFB︷フルバースト︸有。
全身武装時は蒼いメタルアーマーとなる。
・ゼルア・イレイジングソーサー
ケンヤが完成させた自身の専用ハンドレッド。
型はシュヴァリエタイプ。
高性能AIが組み込まれており分析・解析の他に使用者の精神とシンクロする事が可
能。
子供っぽい喋りが特徴。
初回展開後は待機状態でも会話出来る事が可能になった。
武装
イレイジングエンブレイド
紫の剣先がノコギリ状の大剣
イレイジングネストブラスト
紫のロングビームライフル。
ブレイドとの連結により真価を発揮出来る。
﹃ネストブラストルファイア﹄チャージショット
34
全身武装
紫のメタルアーマーが展開されゼルアとのシンクロが可能になりヴァリアントの力
の限界を超える事が出来る。
﹃﹄
・﹃七式魂焔札﹄
ケンヤが神詩歌ユウヒの為にマサトの考察も混じえて親和性向上を目指し開発した
彼女専用の七色の御札型ハンドレッド。
それぞれの色による多属性攻撃を繰り出す事が可能。
タイプは不規則な多属性攻撃を持っている事、変形攻撃する事でイノセンス型又はテ
イマー型に分類されている。
ちなみに全部の札を使った最大の攻撃が特徴なので明確な全身武装は存在しない。
緑の札から放出される木の根
﹃参緑の札 木塊﹄
蒼い札から打ち出される氷の塊
﹃弐蒼の札 氷塊﹄
紅い札から繰り出される炎球
﹃壱紅の札 炎塊﹄
オリジナルキャラ&ハンドレッド、その他設定集
35
﹃四霊の札 霊龍塊﹄
白い札から呼び出される霊力とセンスエナジーが合わさった霊龍の魂の塊
装。
アニメ﹁コメット・ルシファー﹂にて登場するガーディアンをハンドレッド化した武
・モウラ
他作品の主な百武装化
・
普段は四霊の札と同じ白色である。
属性の霊龍を召喚し攻撃させる奥義。
全ての札を集結させ、SEを最大解放する事で生み出される虹色の札からそれぞれの
﹃七秦の札 合秦霊龍塊﹄
ある程度SEの流し込みを変更する事で暗闇を作り出す事が可能。
紫の札から打ち出す闇属性のボール弾
﹃六暗の札 夜闇塊﹄
主に目くらましにも使われる。
金色の札から放たれる光線
﹃五光の札 閃光塊﹄
36
・カップリングシステム
﹁バディ・コンプレックス﹂より近日使用予定。
・ミスティル・ティン
﹁対魔導35試験小隊﹂よりレリック・イーターをハンドレッド化。
尚意思は存在しない。
・アルジェヴォルン
オリジナルセブンに分類されている事自体おかしいぐらい普通スペック過ぎ
?
・武夜御鳴神
るから。
理由
がディアブロ・オブ・マンデイのみ開発していない。
﹁ガンxソード﹂より。尚変形機能はちゃんと備わっている。
・ダン・オブ・サーズデイ含むオリジナルセブン
﹃フライトモード﹄は省略されている。
﹁クロスアンジュ∼天使と竜の輪舞﹂より。
・ヴィルキス含むパラメイル、ラグナ・メイル
原作準拠。だが武装の名前をカッコよくしている。
﹁白銀の意思アルジェヴォルン﹂より。
オリジナルキャラ&ハンドレッド、その他設定集
37
﹁神無月の巫女﹂より。
原作準拠性能。
・クラウソラス含む絶対天使シリーズ
勿論技の発動にはMPの代わりにSE消費。
fortissimoシリーズより。
・雷光を貫く者
勿論訓練を積んでいる者であればオーバーライドが使用可能。
原作準拠。
出力やオーバーライド、空間圧縮砲等がオミットされている試作機。
・ラインバレルプロトタイプ
﹁黒鉄のラインバレル﹂より。
・ラインバレル
原作準拠。
﹁ノブナガ・ザ・フール﹂より。
・ザ・フール
原作準拠性能。
﹁京四郎と永遠の空﹂より
38
主にアシヤが良く運用している。
・一刀修羅︷羅刹︸
ケンヤは修行のおかげで二分間に増加している。
﹁落第騎士の英雄鐸﹂より。
羅刹の場合はヴァリアント解放状態で使用するととても危険極まりなく自制してい
る。
・イタクァ・クトゥガ含む魔術
﹁Fate/﹂シリーズより。
・宝具
・
ラーゼフォンより。
・天光の弓矢
ライディーンシリーズより。
・ゴッドゴーガン︷ソード︸
但し魔力の代わりがセンスエナジー。
ケンヤの腕もあっての事か原作より若干性能が抑えられている。
﹁機神咆哮デモンべイン﹂より。
オリジナルキャラ&ハンドレッド、その他設定集
39
無論制限がかけられておりこれも魔力の代わりにセンスエナジー消費。
主な使用宝具は﹃無限の剣製︷銃、その他オリジナル武装︸﹄、
﹃竜鳴雷声﹄
﹃鮮血魔嬢﹄
一の型天牙大岩破 岩砕きの要領で拳の摩擦度共に威力を上昇させる奥義
ケンヤも習得している。
アシヤの父親であるゴウが編み出したオリジナルの奥義。
・﹃流派 顕谷園一掠流﹄
する為に身に着けた一種のジャミング。
﹁学戦都市アスタリスク﹂より転生前の記憶を頼りにセンスエナジーを感知させにくく
・プラーナ偽装技術
﹁はぐれ勇者の鬼畜美学﹂より
・錬鍛剄気功
鍛錬術
戻しが可能。
時の貯蓄・回復、それとは別に宝具を爆発させる事で一週間に一度だけ五分間の巻き
ケンヤが英霊となった自身を想像した事により発現した心象世界宝具。
・オリジナル宝具﹃ロジスティアクロノスハーピメアスペース﹄
︷後に原作ヒロインに渡す予定︸。
40
オリジナルキャラ&ハンドレッド、その他設定集
41
弐の型功天衝烈撃 拳を目にも止まらぬ高速分身させ叩き込む奥義
参の型眼零殴迅撃 片拳を高速回転させて余剰の力を叩き込む奥義
四の型 その他用語
・VMAX社及びアルレイド社
ケンヤが︷桐生院マサトが︸設立︷勤めている︸したハンドレッド・ヴァリアブルス
トーン産業会社の一つ。
VMAX社は世界に降り注いだヴァリアブルストーンの内の約12%を現在の所保
有出来ている。
アルレイド社は二代目社長であるマサトの意向によりサベージによる二次災害の被
害者支援業務も行っている。
・
第一章 ヴァリアント覚醒
﹁ほっ
はあっ
﹂
!
ないか
いやはやケンヤ君には恐れ入るわい
!
て任せられるわい
﹂
!
そんな寂しい事を言ってくれるでないぞ息子よ。
!
どんな格闘家も武芸者でなければサベージを退治するのは難しい故の問題だ。
﹁まあ、それは分かっていますよ﹂
他の弟子達は皆サベージに怯えきってしまっておるからのう⋮﹂
﹁ぬうはっは
奥義、
﹃顕谷園一掠流﹄を習得する為弟子入りして鍛錬メニューを増やす事にしていた。
︿第二次遭遇﹀の発生後からすぐに俺はアシヤの父である顕谷園ゴウさんのオリジナル
﹁父さん⋮僕はまだ顕谷園一掠流を継ぐ気はないですよ⋮﹂
!
!
﹁ありがとうございます
﹂
息子もしっかり腕が上がってきておるわい ﹃流派 顕谷園一掠流﹄の後継も安心し
!
﹁ほほう⋮この短期間の内でこれ程迄に私の流義をスピード習得するとは中々やるでは
!
EPⅠ﹁波乱の入学式﹂
42
﹁おぉっと
アシヤ、そろそろ準備してくれ﹂
﹁分かりました
﹂
﹁もう行ってしまうのかの
⋮﹂
﹁落ち着いたら連絡しますよ﹂
﹁ゴウさん、一年の御教授ありがとうございました
﹂
!
?
!
﹁い、いってらっしゃいじゃ﹂
では行ってきます
もう終わらせてあるのであちらでもバッチリ仕事が出来る様になっている。
ちなみにVMAX社やマサトのアルレイド社のリトルガーデン内への移転手続きは
年々生徒数が順調に増加していっている。
政府に通達していた︿武芸者育成機関﹀であるリトルガーデンは既に開校しており
第二次遭遇から早数年が経過し俺達は共に十五才を迎えた。
!
﹂
そして今日はリトルガーデンの入学式か⋮﹂
!
﹁此処で我々の新しい生活がスタートするんですね
﹁着いたぞ
∼︿武芸者育成機関兼巨大空母 リトルガーデン﹀∼
それから一時間後
交わし空港へと向かった。
ゴウさんが名残惜しそうにそう言ってきたので俺は改めて礼を述べ、アシヤは約束を
!
!
EPⅠ「波乱の入学式」
43
さてまずは如月ハヤトとエミリ⋮じゃなかったここではエミール・クロスフォード
だったなを探さないとなっとすぐ近くにいた。
﹂
君達がハンドレッド適正値試験で同卒歴代一位の反応数値を記録したとい
が彼等に近付こうとすると他の生徒達が一斉に詰め寄ってきた。
﹁ねえねえ
﹂
う如月ハヤト君と功紗ノ宮ケンヤ君でしょ
二人は顔見知りなの
うっは⋮噂ってホントに広まるの早いなあ。
﹁ああ、だが後者の質問の方は否だ﹂
﹁俺も実際に顔を合わせたのはこれが初めてだぜ
!
る事になったんだよろしく﹂
﹂
﹁お噂で紹介に預かった功紗ノ宮ケンヤだよろしくなグランツ、如月
友の﹂
﹁顕谷園アシヤですどうかよろしくお願いします
﹁フリッツと呼んでくれていいぜ﹂
!
こっちは俺の親
﹁俺はフリッツ・グランツだ。一番早く此処に来たという事で仮だが一年リーダーをや
質問してきた女子生徒に返答していると一人の男子生徒が話しかけてくる。
﹁おうおう、早速騒ぎになっている様だなー﹂
?
?
?!
!
44
﹁俺も肩っ苦しいのは苦手だからハヤトでいいぜ﹂
﹁ああそうだよな﹂
俺達はハヤトとフリッツと熱い握手を交わし合った。
﹁ええ、そうさせて頂きます﹂
﹂
﹁⋮﹂
﹁
⋮﹂
﹁クロスフォードさんだったよね
﹁い、嫌なんでもないよ
﹂
何か俺に御用かな
対勢力が入り込んできたとでも思っているのだろうか
君は一体⋮﹂
?
﹂
?
!?
だ﹂
﹁アシヤ君も
⋮﹂
﹁そうだ⋮クロスフォードさん貴方の考えている通りに俺とアシヤもヴァリアントなん
彼にそっと耳打ちで話すと驚いたような表情をする。
﹁
!?
?
そりゃあハヤトと同反応数値を示した俺に不信感があるのは当然か⋮もしかして敵
?
?
ふとクロスフォードが俺をジーッと凝視していた事に気が付き挨拶した。
!
﹁ヴァリアントの事だろ
EPⅠ「波乱の入学式」
45
時間が無いぞ早く来いよ﹂
﹁ああ、君より数値は低めだけどそれでも平均よりはずっと上のれっきとしたヴァリア
エミールもケンヤも二人だけで何話してんだ
ントなんだ﹂
﹁⋮﹂
﹁おーい
?
﹂
!
お前達も新入生なのか﹂
!
﹂
﹁それをいうなら幼馴染だろ﹂
バカフリッツ﹂
私はレイティア・サンミリオン。フリッツと同じリベリア合衆国出身でいわゆ
?
る顔なじみというやつだ﹂
?
﹁ちょそうやって頭を触るでない
!
﹁私か
﹁フリッツ、この子は
茶髪のサイドテールの少女がさぞ暇そうにしていた。
﹁おお
﹁悪い悪いちょっとコイツ等と話込んじゃっててさ﹂
﹁ようやく来たか待ちくたびれたぞ
俺に促されエミールもハヤトの後を追いかけて行った。
﹁ちょ⋮待ってよハヤトぉ∼﹂
﹁ああっと今いくよ。ほらクロスフォードさんも早く行こう﹂
ハヤトには聞こえていなかったようで呼びにくる。
?
46
フリッツが呆れた様にレイティアの頭に手をポンと置くと髪をわしゃわしゃされる
のが不快なのかキレてくる。
﹁丁度良さげだからなあお前の頭の触り心地って﹂
﹁ぐぬぬ⋮﹂
アシヤがフリッツ達の中に凄く関心していた。
﹁二人は凄く仲がよろしいようで﹂
﹂
それと私はお前達の名をま
﹁ちっこい頃からずっと一緒だったからな。まああんまり成長してないようだがw﹂
だ聞いておらぬぞ
﹁だーかーらー子供扱いするなといつも言っているだろう
!
どうやらフリッツが担当してくれるらしい。
﹁それなら俺から紹介してやるよ﹂
フリッツがそう言った途端に彼女はまたキレてEndoless⋮
!
ト、功紗ノ宮ケンヤ、顕谷園アシヤだ﹂
お前達がクレア様の記録を破った二人なのか
﹂
!?
物凄く簡潔的な紹介ありがとう。
﹁おおっ
!?
﹁クレア様
?
﹂
﹁この可愛いのがエミール・クロスフォード。で、コイツ等が順に噂の親友生の如月ハヤ
EPⅠ「波乱の入学式」
47
﹁クレア・ハーヴェイ、リトルガーデンの現生徒会長だよ﹂
﹂
を浮かべたハヤトに俺が説明する。
?
れから三〇分が経った頃
﹁はあはあ、すみません
﹁諸事情により遅れてしまいましたごめんなさい
!
﹁え
!
⋮﹂
﹂
ハーヴェイにそんな脅迫じみた事を言われた二人は今にも泣きそうになっていた。
?
﹂
﹁約 束 を 守 れ な い 者 は リ ト ル ガ ー デ ン に 必 要 あ り ま せ ん。今 す ぐ 出 て お い き な さ い な
いうようにきっぱりとこんな事を言い放った。
を縮めながら遅刻した理由をそれぞれ述べるがハーヴェイはそんな事はお構いなしと
檀上のハーヴェイが遅刻組の二人を冷たい視線で見るので二人は思わずひいっと背
﹁入学初日から遅刻とはいい度胸していますわね﹂
二人の女子生徒が後から遅刻して講堂に入ってきた。
!
﹂
入学式が始まり、クレア・ハーヴェイ率いるリトルガーデン生徒会の紹介が終わりそ
﹁おっとそろそろ式が始まる様だぜ﹂
﹁ああ∼
!
48
﹂
この光景に他の生徒達はほぼ唖然となっていた。
﹁ねえ、ちょっといいかな
﹂
?
﹁ケンヤ
何もお前迄⋮﹂
﹁俺もちょっと発言よろしいかな
ハーヴェイ会長さんよ﹂
エミールの発言に焦ったハヤトが彼の口を塞ごうとするが
﹁おい待てよ⋮﹂
なんていくらなんでも横暴なんじゃない
﹁艦長だか女王様だか生徒会長だか知らないけどたった一回のミスでそんな処分を下す
その静寂を破ったのはエミールだ。
?
?
俺が発言した事に驚くハヤトを尻目に話を続ける。
﹁⋮発言許可致しますわ﹂
!?
⋮﹂
!
﹁何を言い出すのかと思っつたら武芸大会を行っていない現時点での第一位になったか
は見えませんがね⋮﹂
﹁だがこの二人に下した処分は命を懸ける事を強制させている事と同じようにしか俺に
﹁それならば
してきたそしてそれは今も続という事は理解している﹂
﹁貴方がワルスラーンの御息女でこのリトルガーデンの艦長を務める為に大変な努力を
EPⅠ「波乱の入学式」
49
らってこれ以上の会長への侮辱発言は⋮﹂
俺の言葉を聞いた生徒数名が思った所があったのかざわつく。
﹂
⋮いつまでも口が減らない様ですわね功紗ノ宮ケンヤ
それに貴方達も何か言いたい事がおありの様で
﹁くっ
!
﹂
一瞬だけたじろいだハーヴェイだったがやはり勘に障ったのか俺とアシヤ、そしてエ
!
!?
﹂
副会長であるエリカ・キャンドルが流石に肝を冷やしたのか止めようとしてくるが俺
は構わず発言を続ける。
﹁これは一切の侮辱等ではない
ハーヴェイ会長、貴方は仮にも此処リトルガーデンの艦長なんだろ。
﹂
先程も言ったが貴方はその誇りに思っている事に命を懸けられるのか
﹁そ、それは当然の事でしてよ
そ、それは⋮﹂
﹁そうか⋮なら此処にいる生徒全員の命も背負える覚悟だってある筈だよな
﹁
皆ほとんどの生活を武芸者に注ぎ込む覚悟で此処に入学を決意して
?
大切な筈の普通の日常を捨ててさ﹂
!
﹁た⋮確かにそうだよな⋮﹂
きたんだろう
﹁だってそうだろ
俺の発言が予想外だった為か彼女は口篭る。
!?
?
?
!
!
50
ミール、ハヤトを睨みつけてくる。
﹂
?
⋮新入生これ以上会長を馬鹿にする様な発言が許されるとでも思っているのか
﹁言い過ぎた感は一切無いと感じているが気に障ったというのならば謝罪しようか
﹂
﹁なっ
!?
﹂
と問いかけてみただけだ﹂
﹁そうだそうだ
?
ないでくれないかなあ⋮。
エミールさん⋮貴方は賛同してくれるのは正直ありがたいんだが話をややこしくし
!
ないか
ただ、艦長の身でありながら全校生徒の命を預かる覚悟すら出来ない臆病者なのでは
﹁馬鹿にした⋮という様な発言をした覚えは無いぞ。
今度はキャンドルがそんな事を言ってきたので俺は呆れるが構わず続ける。
?!
﹁賭け
﹂
ハンドレッドを使用した決闘での決着という事かしら
﹁え、ちょ
⋮﹂
どの道戦わないといけない相手だ諦めろハヤト。
!?
﹂
?
?
﹁ああ、俺とハヤトと戦った上でだ﹂
?
てみる気はないかい
﹁なあハーヴェイ会長、どうしても俺の発言に納得出来ないというのなら一つ賭けをし
EPⅠ「波乱の入学式」
51
﹁無 礼 だ ぞ 功 紗 ノ 宮 ケ ン ヤ
﹂
女王たるクレア様がお前達如きに負ける筈がないだろう
!
信じ切っていると強調した様な表情で言う。
からないんじゃないかな
﹂
﹁でも功紗ノ宮君とハヤトは歴代同卒一位で会長より上なんでしょ
こ、これ以上クレア様を侮辱するようならばあなたもー﹂
!
﹂
﹁良いでしょう⋮功紗ノ宮ケンヤ、如月ハヤト
貴方達に決闘を申請致しますわ
形式はこの私とエリカ、貴方達両名との決闘
!
!
ハーヴェイの静止が入り止む無くキャンドルは黙るしかなかった。
﹁クレア様
﹁エリカ、おやめなさい﹂
キャンドルが納得いかないと言いたいように言うが
﹁エミール・クロスフォード
がエミールさんがすかさずそう反論する。
?
やってみなきゃ分
もう一人の副会長であるリディ・スタインバーグがハーヴェイの勝利は揺るがないと
!
﹂
?
﹁ああ構わないぜ﹂
ね
貴方方が勝てたなら件の二人の処分は取り消しにする⋮という事でよろしいですわ
!
!?
?
52
﹁ちょっと待ってくれよ
俺はハンドレッドの扱いにはまだ慣れていないんだが⋮﹂
そんな波乱に満ちた入学式がようやく終わり
がハーヴェイ曰く剣道の経験者ならばすぐに慣れると一蹴りされた。
ハヤトが涙目になりながら訴えてくる。
!
貴方を決闘に巻き込む形になってしまって申し訳無い﹂
そういえばと思い出し向かったのはキャンドルの所
﹁ワルスラーンだけがトップに立てている訳ではない⋮あっと⋮﹂
﹁その⋮すまなかった
!
持場に戻っていった。
さてと此処での初特訓の開始といきますか
!
﹂
!
心配は無用⋮というか本当にハーヴェイにそこまで心酔している彼女はそう言って
あ指名されたからには全力で行かせて頂きますわ
﹁⋮クレア様がまさかあの様な申し出をお受けするとは思いもよりませんでしたわ⋮ま
EPⅠ「波乱の入学式」
53
EPⅡ﹁特訓にて 前編﹂
入学式での一件後すぐにPDAを介しハーヴェイ会長からひとまず一週間の猶予を
与えるとのメールが来ていた。
これは概ねハヤトへの成長布石を与えたのであろうが彼女達はハヤト、そして俺の隠
された力を知る由もない。
まあなんとかハヤトには原作以上に勝利を掴んでもらわねばならない。
そう思った俺はアシヤといつも一緒にやっている練習メニュー︷といってもVMAX
社社員推奨メニュー︷社員には中々の鬼畜との批評︸︸をハヤトとエミールに是非とも
やって頂こうと考え二人を呼び早速特訓を開始する事にした。
ああそっか妹のカレンちゃんの存在をうっかり忘れる所だったよ。
﹁あの⋮俺はあんまり時間取れないのだが⋮﹂
﹁まあ⋮お前等が頑張ればすぐにでも終われるさ﹂
﹂
戦うのはハヤトと功紗ノ宮君でしょ
?
﹂
今のハヤトでも十分耐えられる筈⋮と思ったがちょっと心配になった事は秘密だ。
﹁何その逸らし目
!?
﹁ていうかなんで僕が巻き込まれてるのさ
!
54
﹁まあまあクロスフォードさんも練習の一環と思えばいいものですよ﹂
﹁第一ハーヴェイ会長が付きつけてきたのはタッグバトルだ。
﹂
それに⋮﹂
﹁ん
そうだすぐにでも
﹂
?
よしハヤト練習しよう
⋮﹂
!
﹁ハヤトと組みたいだろ
﹁
⋮んあれ
!
﹁あ⋮﹂
完全に失念してた
?
﹁
分かりました
!
お任せ下さい﹂
﹁アシヤちょっとの間二人を頼む﹂
むう⋮ここは
まずはリトルガーデンの研究所を訪れなければいけなかったのをうっかりしていた。
!
﹂
倒臭そうにしていたがすぐに何かを思い出したのか首を捻っていた。
俺の悪魔的囁きですぐに気を取り戻したエミールがハッスルし出しハヤトが半ば面
?
﹂
俺は無論エミールの正体を知っているので小声で彼に言う。
?
﹁えー
?
!
﹁俺のハンドレッドって何処にあるんだ
EPⅡ「特訓にて 前編」
55
!
アシヤも俺がこれからやろうとしている事が分かっているのですぐにそう返答する。
俺は社に行って正装を取りに行きハンドレッド研究所へと足を運んだ。
あー忙しい忙しい
﹁コイツが⋮俺のハンドレッド
﹂
社用のもう一台のPDAでパスする。
∼リトルガーデン内ハンドレッド研究所∼
!
﹂
﹁そのハンドレッド、私も興味がある﹂
﹁誰だ
君か
!
VMAX社の若社長君ではないか
!
﹂
⋮VMAX社ってあのワルスラーン社ともうすぐ肩を並べられるのではといわれ
ている
?
﹁ああ彼はそこの社長さんなんだ﹂
!?
﹁え
任であるシャーロット・ディマンディウスに歓迎された。
ハヤト達には勿論警戒されてしまうが既にアポを取っておいたこの研究所の技術主
!
!?
おおー
?
﹁俺は亞牙リシヤという者だ﹂
﹁お
!
﹂
ね
我が研究所によく来てくれた
俺が着いた頃にはハヤトの専用ハンドレッドである﹃飛燕﹄の説明が行われていた。
!
56
⋮﹂
エミールが驚いてシャロ主任が説明してくれた。
﹁あ、あのー⋮その仮面は一体
﹂
﹁我社の正装⋮といっても私個人の趣味なんだが何かね
﹁え⋮いえなんでも
﹂
?
?
﹁お
そういえばケンヤのハンドレッドはどうすんだろ
﹂
仮面の奥でギラリとした俺の気迫にビビったんかハヤトがたじろぐ。
!
?
すよ﹂
アシヤフォローナイス
アシヤの発言を聞きシャロ主任が高速で俺に接近しそう迫ってきた。
﹁是非御社のハンドレッドをどうか私に拝見させては貰えないのだろうか
﹂
﹁む⋮それならば善は急げというものだ早速﹂
﹁お、俺達も見せてもらちゃって良いのか
﹁ああ構わない﹂
﹁そっか﹂
シャロ主任のついでだ。
?
﹂
?!
!
﹁ケンヤさんのハンドレッドも僕が運用してるのもVMAX社製のハンドレッドなんで
?
﹁ええ、勿論そのつもりでお伺いさせて頂いたまでなんでね﹂
EPⅡ「特訓にて 前編」
57
ハヤト達にもご覧になって頂くとしよう。
﹂
﹁アシヤくん﹂
﹁はい社長
⋮﹂﹂
あらかじめアシヤに持ち運ばせていたウチのハンドレッド数種類を出させた。
!
てポカンとしていた。
﹁そういえば皆さんにはまだ言ってはいませんでしたね。
﹂
僕はこう見えてVMAX社の社長専属秘書官を勤めさせて頂いているんですよ
﹂
﹁ああそういう事だ﹂
﹁﹁ええ
アシヤのカミングアウトに二人は驚く。
﹁しゃ、シャロは知っていたの顕谷園君の事を
﹁あ、あんまり他の人達には言わないで下さいね
﹁わ、分かってますよ﹂
﹂
この後、アシヤが質問攻めに合うのは時間の問題であった。
?
﹂
俺がアシヤに命令したのを不思議に思ったのだろうかハヤトとエミールは口を揃え
﹁﹁へ
?
﹁ああ確かに此処に入学してきた事には心底私も驚いたがな﹂
?
!?
!
58
﹂
すまないアシヤよ⋮。
﹁﹃百武装展開﹄
シャロ主任が疑問をぶつけてくる。
﹁要は強奪を防止する為の策という事か
﹂
このシステムは纏った武芸者の思考パターンを解析してロックをかけるシステムだ﹂
アルジェにのみ﹃ユーリンクシステム﹄を採用・試験搭載している。
上げる事が可能だ。
頭部にセンスエナジーを集中させる事によってフルオープンする事で性能をグンと
動力、パワー、火力共に良バランスに優れた代物だ。
﹁まずはこの白銀のハンドレッドの名称が﹃アルジェヴォルン﹄通称﹃アルジェ﹄だ。機
気を取り直してアシヤが展開していくハンドレッドを一つずつ紹介していく。
!
?
未だ肝心のヴィルキスやアーキバス、ラグナ・メイルシリーズ等の開発が難航している。
勿論本来の仕様にある﹃フライトモード﹄は省略せざるを得なかったのだが⋮それに
まあ詳しくはスペックカタログを置いておくから後ででも見ておいてくれ﹂
センスエナジーを用いなくても空を飛べる様になっている。
次はコイツ等﹃グレイヴ﹄に﹃ハウザー﹄そして﹃レイザー﹄だ。
﹁その解釈で合っている。
EPⅡ「特訓にて 前編」
59
︷というのも使用するヴァリアブルストーンが高性能ハンドレッドであればある程大量
に消費しなければいけない為︸
資材問題はまあその内解決出来る筈であろうからあまり気にしていない。
﹂
!?
﹂
﹂と目をキラキラと物凄く輝かせていた。
!
﹁あ⋮ヤバイ妹に怒られる
!
当に感謝するぞ
そしてシャロ主任はというと﹁いやはやこれは十分過ぎる代物を見させてもらった本
エミールも少しだが驚いた表情をしている。
ハヤトがその事について大層驚いていた。
﹁⋮﹂
﹁んな化物じみているハンドレッドを
まあアシヤ君も含めウチの社員のほとんどは扱えるのだがね﹂
える奴が少ないのでな。
先に紹介した物のアルジェやレイザーは実質ワンオフのハンドレッドでまともに扱
はしていないものだがな
まあこれらは唯一スペックが他社製品よりも若干上という事以外に特に代わり映え
リート﹄、﹃ドゥルガー﹄だ。
﹁そして今のウチの主な主戦力はコレだな。﹃アトラック・エクエス、ファベル﹄、、
﹃エフ
60
カレンちゃんの事もあったので特訓はまた明日からという事になった。
﹁﹁あ⋮﹂﹂
EPⅡ「特訓にて 前編」
61
EPⅢ﹁特訓にて 後編﹂
シャロ主任へのハンドレッド講義に思わぬ時間を取られてしまい特訓可能な時間が
過ぎてしまい翌日へと繰り越しになった。
まあ開発出来る時間が取れたとして良しとしよう。
で翌日、朝早く学園へと登校する前に俺は以前ワルスラーンからアルレイド社へと移
設させたカレンちゃんその他患者等の経過を聞こうと思いマサトの元を訪れていた。
ついでにいっておくと原作中ではワルスラーンの病棟に勤務していた看護師である
柏木ミハルさんはワルスラーンの黒い噂を耳にしたようでアルレイド社へと転職して
なんで昨日のついでにハヤト達と一緒に面会に行かなかったのかって
カレンちゃんや他の患者達の経過は﹂
?
?
きていた。
え
来ていたのかケンヤ君﹂
﹁ふむ⋮﹂
それで⋮どうなんだよ
﹁昨日はこっちの物凄く個人的な事情で顔を出せなかったからな。
﹁お
すまない⋮どうしても早く完成させたいハンドレッドがあったのでな。
?
?
62
俺が聞くとマサトは思案する表情になる。
﹁やはり君の言った通りだった。
ワルスラーン社はやはり適切な医療処置をほとんど施していないみたいだったよ。
全くなんていい加減な⋮中には手遅れ一歩手前の方もいたんだからねえ。
サベージの被害患者達の事をどう思っていたんだろうねえ⋮
どうしてもワルスラーンの方が良いとゴネて残った患者の事が非常に心配でならな
いよ⋮﹂
ワルスラーンの黒い噂⋮サベージによる被害患者に対する数々の人体実験紛いの事
﹁⋮﹂
や色々な疑惑についてハーヴェイ会長は知っているのだろうか
が⋮。
⋮まあ例え彼女一人が真実を知っていたとしても今はまだ解決不可能な問題である
?
の供給過多⋮つまりは体内組織に溜りに貯まったセンスエナジーを上手く放出させる
いってしまえばこの奇病はサベージウィルスの過度な活発化によるセンスエナジー
能な医療法の目途がたった段階なんだ。
結論から言わせてもらうと様々な仮説を立ててみた所ようやく奇病の完全治癒が可
﹁っと話が脱線してしまってたね。
EPⅢ「特訓にて 後編」
63
事が出来ずその貯まったエナジーが筋肉組織に悪影響を及ぼしている事で発病する⋮
というのが僕の立てた理論だよ﹂
﹂
!
﹂
!
いや、昨日のVMAX社にも驚いたけど﹂
!
﹂
?
来る治療法がもうすぐ確率するって⋮ん
なんでお前も知っているんだ
﹁ああそういえばお前等にはまだ言っていなかったな。
?
ケンヤ﹂
﹁ああ、マサトさんがカレンや彼女の他にも抱えている患者さん達の病気を治す事が出
﹁妹さんの事だろ
アリーナに入った途端にハヤトが凄くイイ笑顔で話してきた。
﹁やっぱ凄イなアルレイド社は
∼そして放課後、練習用アリーナ∼
とりあえずは治療への目途が立てられた事を聞きホッとしとっとと登校した、
﹁んじゃあ行ってくるわい
﹁それは重々承知しているよははっ
﹁そうかでもあんまり焦り過ぎないようにな﹂
その為のワクチン開発に励んでいるよ﹂ ればこの病気も次第に治っていく。
﹁その通りだよ。だからこそその余り余ったエナジーを徐々に少しずつ解放させてあげ
﹁ああ何でも溜め込み過ぎは良くないっていうもんな﹂
64
?
俺とアシヤはアルレイドの社長とは結構長い付き合いなんだがな
まだ俺専用といえる物が完成していないからな
﹁ああ﹂
﹁ハヤト、昨日僕が教えた通りに﹂
﹂
﹂と驚いて
ちなみにアシヤは﹃雷光を打ち砕く者﹄︿イルアン・グライベル﹀を使っている。
といってもプロトタイプなので空間転移砲とオーバーライドは搭載されていないが。
!?
!
ハヤトがふと思ったのか質問してきたのでそう返答すると﹁え、マジで
いたのはいうまでもない。
﹂﹂
﹁時間が惜しいんだからさっさと特訓始めるとするぞ﹂
﹁あ、ああ⋮﹂
﹁﹁百武装展開
ケンヤ﹂
?
﹁嫌、コイツはVMAX社の試作品だよ。
﹁それがお前のハンドレッドなのか
皆それぞれ部分展開でハンドレッドを展開する。
!
会長達とのバトル迄には間に合わせるとだ﹂
⋮﹂
!
今回俺が運用しているのはプロトタイプラインバレルだ。
﹁へえ
EPⅢ「特訓にて 後編」
65
﹂
﹂
どうやら既にエミールがご教授していたようだ。
﹁いくぞ
﹁ドンと来い
!
めた。
だが、ドヒュウン
!
砲撃を放ってきた。
!
﹁危ないですね⋮﹂
タッグバトルの模擬戦だという事を忘れるな
!
に向かって撃ち放たれたアームズシュラウドの砲撃を弾き飛ばした。
そこに俺は展開を増やし背中のエグゼキューター︷射撃モード︸を撃ち放ってアシヤ
﹁だけど甘い
﹂
タイプなのであるが︸のハンドレッド、
﹃全てを覆い隠す霧﹄
︿アームズ・シュラウド﹀の
エミールが自身の射撃特化型であるドラグーンタイプ︷正確には特殊型のイノセンス
顕谷園君﹂
﹁そうはさせないよ
!
アシヤがグライベルでハヤトに肉薄しようとその雷の拳を突き上げる。
﹁今度は此方からやらせて頂きますよっと
﹂
燕﹄の刀を俺へと振りかざしてくるのをプロトタイプラインバレルの左腕の刀を抜き止
ハヤトが自身のオールラウンダー型であるシュヴァリエタイプのハンドレッド﹃飛
!
!
66
﹁っ
功紗ノ宮君のがシュヴァリエ型で顕谷園君のは格闘特化のマーシャルアーツ型の
﹂
?
﹂
?
﹁そ、そっか⋮んじゃ気を取り直していこうぜ
﹂
﹂
!
アームズシュラウド
!
とりあえず気を皆持ち直して続ける。
﹂
エナジー全開
﹁良いですね
﹁ああ
﹁僕も遠慮無くいかせてもらうよ
﹂
!
!
!
ハヤトの飛燕にセンスエナジーが満ち、エミールは先程よりも巨大な砲台に作り直し
!
!
﹂
﹁ああ、ハヤトは今は気にしないでよ。初心者がおいそれと出来る事じゃないからね﹂
ハヤトが首を傾げる。
﹁全身武装
﹁ああバレているのなら仕方無いな﹂
﹁ええ﹂
だね⋮もしかしてだけど﹃全身武装﹄も出来るんじゃないかい
﹁VMAXも凄いハンドレッドを作るけど⋮どうやら君達も相当の実力の持ち主みたい
﹁お生憎様アシヤも専用ではない上に俺のはプロトタイプだがな﹂
ハンドレッドか⋮﹂
!
﹁そろそろ終業時間も迫る頃だしさっさと決めようぜ
EPⅢ「特訓にて 後編」
67
てそれぞれ攻撃してくる。
が違うぜ
﹂
﹂
この攻撃はそんじゃそこらとは格
⋮﹃顕谷園一掠流奥義一の型、天牙対岩破﹄
はあああああああー
﹁エグゼキューターへのSE出力を三十%へと上昇
﹁この一撃に決意を込めて
!!
!!
﹂
!?
砲弾が岩と拳のダブルコンボに殴り壊されたぁ
それ剣にもなるのかよ
砕くと共に砲弾を殴り壊すという技を繰り出した。
﹁いっ
﹁嘘ォッ
﹁だけど甘いよ
⋮﹂
﹂
﹁押し返せええええ
﹁なっ
﹂
﹂
!
!
﹂﹂
!
エナジーを障壁に回す事で展開するEバリアを展開しなんとか持ち応えたのだが⋮
﹁﹁Eバリア展開
エミール達がすぐに気を持ち直してそれぞれ第二波攻撃を繰り出してきた。
﹁むうっ
!?
!?
!?
二人共予想外の事に驚愕する。
!?
!?
﹂
ミールへと向けてグライベイルにエナジーを込めアリーナの床を殴り壊してその岩を
俺はエグゼキューターを斬撃モードに変更してハヤトに斬撃波を飛ばし、アシヤがエ
!
!
!
68
﹂
﹁むう⋮﹂
﹁おりょ
﹁あー⋮﹂
?
でとりあえず良しとしよう。
何事もやり過ぎると思わぬ事故の下という教訓を得たという良いデータが取れたの
た。
まだ未熟なハヤトの飛燕はともかく俺達の武装迄こうなるとは流石に予想外であっ
それぞれのハンドレッドがぶつかり合いの衝撃によって欠けかけていた。
﹁アチャー⋮﹂
EPⅢ「特訓にて 後編」
69
﹂
EPⅣ﹁二人制式決闘︷タッグデュエル︸そしてハヤト覚
醒
違いは無いか
﹂
﹂
﹂﹂
﹁ええ、そのルールで正々堂々と勝負致しましょう
﹁望む所だ
﹁目覚めの時だ
ゼルア
﹂
!
⋮﹂﹂
!?
ハーヴェイ会長とキャンドル副会長の二人は俺のゼルアを見て驚いていた。
﹁﹁なっ
動開始します﹄﹂
﹁﹃ますたーからのセンスエナジーの流動を確認。ゼルア・イレイジングソーサー展開起
!
それぞれ武装を展開し駆け出す。
﹁﹁百武装展開
!!
!
?
!
﹂
形式は二人制式の決闘でそちら側がハンデとして一部展開のみで戦うという事で間
﹁もう一度ルール確認をさせて貰いたい。
はや約束の期限一週間が過ぎ、ハーヴェイ会長達とのタッグデュエルの日が訪れた。
!
70
ついでにハヤトも驚いていたが。
﹁コイツが俺の専用ハンドレッドのゼルア・イレイジングソーサーだ
﹁あ、ああ分かったぜ
り合おうだなんて甘いですわ
﹂
それじゃあいくぜ
﹁﹃ますたー、私は何をすれば良いのでしょう
ゼルアが問いかけてくる。
﹄﹂
初回起動だから産まれたての赤ん坊みたいなものだ。
?
﹂
﹁そうだな⋮ゼルアはキャンドル副会長の戦闘センスの分析を頼む
﹁﹃了解しました﹄﹂
はあっ
!
∼戦闘BGM﹁アイデンティティ﹂︷落第騎士の英雄鐸OPより︸∼
﹁そいつはどうだろうかな副会長さん
!
!
﹂
俺はゼルアの主武装の一つである﹃イレイジング・エンブレイド﹄でキャンドル副会
!
?
まともに私、エリカ・キャンドルの﹃絶対運命の鎖﹄︿エヴァー・ラスティング﹀とや
⋮だけどいくら専用ハンドレッドといえど初回展開のようで。
﹁まさかAIなんて物が付いている馬鹿げたハンドレッドなんて初めて目にしましたわ
ハヤトは刀を構えハーヴェイ会長へと突撃していった。
!
﹂
!
﹂
ハヤトお前はハーヴェイ会長の方を俺がキャンドル副会長と戦う
!
EPⅣ「二人制式決闘{タッグデュエル}そしてハヤト覚醒!」
71
﹂
長に斬りかかる。
﹁やるな
﹂
︸エヴァー・ラスティング
本気を出してきたようだな⋮﹂
を出さなくては
﹁
﹂
﹄﹂
ピードといい⋮甘く見ていたのはどうやらこちらだったようですわね⋮なら私も本気
﹁そちらこそ
⋮︷先手を取られましたわ⋮それに先程の一撃といい斬撃を繰り出すス
俺の斬撃はキャンドル副会長の桃色の鎖に阻まれた。
﹁甘いですわ
!
!
!
!
﹁﹃ますたー、ますたーの周囲の至る所まで鎖が張り巡らされています
!
らされていた。
﹂
﹂
副会長の合図と共に鎖が俺の両足に巻き付いてくる。
﹁さあ、この鎖地獄をじっくりと味わいなさいな
﹁ム⋮手は封じないのか
!
!
お行きなさいなエヴァーラスティング
!
?
まだまだこれからですわ
!
﹁さあどうですの
私の鎖はそう簡単には解く事は出来ませんわよ
!
俺の言葉を挑発と受け取ったのか副会長は更に俺の両手までをも鎖で拘束してきた。
﹁ッ
﹂
ゼルアの告げる通り俺の周囲に彼女のエヴァーラスティングが足の先にまで張り巡
!
!
72
?!
おっほほ
﹂
﹂
自身の揺るがない完全勝利を感じた彼女は高らかに笑う。
!
?
﹄﹂
!
﹂
?
﹁﹃はい
﹄﹂
﹂
!
﹂
﹂
俺は即座にNバリアを拘束部に展開させ鎖を破壊した。
﹁Nバリア展開
だがそれはすぐに崩れさる。
副会長は我がチャンスを物にする為に最後の一撃を放ってくる。
﹁何をゴチャゴチャと
!
?
!
⋮という解釈で良いな
﹁ならN︷ニュートラル︸バリア展開時の発生エネルギーでコイツの拘束を解く事が可能
ですので⋮﹄﹂
﹁﹃はい恐らくこの鎖の一つ一つずつにはあまりSEが込められてはいません。
﹁よくやったゼルア、それで
ふいにゼルアからの電子音声が入る。
ティングの解析完了しました
﹁﹃ますたー、エリカ・キャンドルの戦闘スタイルの分析と彼女の百武装エヴァー・ラス
﹁⋮そいつはどうだろうな
EPⅣ「二人制式決闘{タッグデュエル}そしてハヤト覚醒!」
73
﹁なっ
⋮そんな馬鹿な
⋮﹂
!?
ろう。
﹁鎖の道筋が寝ぼけているぜ。コイツでトドメをかけさせて貰うぞ
﹂
彼女もまさかそんな方法で自慢の鎖が破壊されるなどとは思いもよらなかったであ
!?
!
ファイア﹄で副会長を狙い撃つ。
だけどお行きなさい
!?
⋮。
追尾弾ですって
﹂
!?
﹁そんな
⋮クレア様ごめんなさい
⋮﹂
!
この後の質問攻めをどう切り抜けるか考えながらハヤトの方を見る。
﹁あちゃー⋮ちょいとやりすぎちまったか⋮っとアイツ等はっと﹂
間も無くその場に倒れた。
ネストブラストルファイアの直撃を受けた彼女はE︷エネルギー︸バリアすらも張る
!?
て彼女に直撃した。
イレイジングネストブラストから放たれた弾丸エネルギーの塊は副会長の鎖を避け
﹁何ッ
!?
そんな俺の攻撃でも彼女は臆せずにエヴァーラスティングで弾き返そうと試みるが
﹁しまった
﹂
ゼルアのもう一つの武装﹃イレイジング・ネストブラスト﹄の技、
﹃ネストブラストル
!
74
﹁オイオイやっぱこうなるのか⋮﹂
ハヤトは内に眠るヴァリアントの力を覚醒させて飛燕の全身武装でハーヴェイ会長
﹂
﹄﹂
を追い詰めていたがそれでも負けじと彼女の攻防に焦りを感じたのか思いっ切りその
⋮﹂
力を暴走させていた。
⋮ハー
ますたー
﹁ったく仕方無いなあー⋮ゼルア
!
﹁﹃まだまだイケますます
!
!
!
あっるえー
!
?
﹁一体これはどうしたっていうのですの
⋮﹂
︻アリステリオン︼﹄の砲撃をことごとく回避され、浮遊砲台に込めた渾身の一撃をも彼
して目の前の対戦相手である如月ハヤトが私の専用ハンドレッドである﹃気高き戦姫
先程のアナウンスがエリカの敗北を告げ、彼女がこうも簡単に負けた事への驚きとそ
?
クレアSide
ゼルアの全身武装を解放した俺はハヤトとハーヴェイ会長の間合いに入っていった。
﹄﹂
﹂
こんな風に作ったけ俺
﹁全身武装展開
SE五十%解放
﹁﹃最大ぶーすと
!
?
!
俺の問いに戦意高揚絶好調みたいな返答するゼルア。
!
﹁ハー
EPⅣ「二人制式決闘{タッグデュエル}そしてハヤト覚醒!」
75
が展開したNバリアによって防がれてしまったのだ。
功紗ノ宮ケンヤだけでなく彼も全身武装やNバリア展開が出来る等という事前情報
は確認されなかったというのにだ。
だけどそれだけではない、彼のこのパワーといいスピードといい何もかもが規格外の
力を感じ取った。
⋮﹂
まさか﹃無敗の女王﹄たるこの私に﹁敗北﹂の二文字をちらつかせる者が現れようと
は⋮
⋮﹂
﹁ガァー
﹁クッ
!
﹂
⋮﹂
ガッ
﹁え
﹁グッ
?
ケンヤSide
いだのだ。
彼の一撃で終わると思った瞬間、功紗ノ宮ケンヤが全身武装&Nバリアを展開させ防
!
!?
﹁世話かかるなあ
といっても今は聞こえてねえか⋮﹂
如月ハヤトの剣撃の一撃がすぐそこまで迫ってきていた。
!?
!
76
﹂
﹁やっぱ力を暴走させちまったか
ゼルア
めてみせるさ
!
﹄﹂
﹁﹃いえっさー
!
!
⋮やっぱNバリアでも防ぐのが精一杯のようだが止
!
﹂
!
⋮﹂
!?
燕の装甲へと着弾した。
?
たー﹄﹂
﹁そうか﹂
!?
﹁ああ悪ィと思ったが⋮ああでもしなきゃ会長さんよ貴方はハヤトに一方的な蹂躙を受
﹁ああ、貴方一体何をやっているんですの
﹂
﹁﹃S E の 減 少 が 激 し い で す が 気 を 失 っ て い る だ け の よ う で 重 大 な 問 題 は 無 い よ ま す
﹁ふう⋮ハヤトの容態は
﹂
Eを使った為に十分な出力で展開する事が出来ず徐々に亀裂が入り砲撃は見事貫き飛
暴走飛燕はNバリアを即座に展開するが先のアステリオン渾身の砲撃を防ぐ為にS
﹁ギィッ
剣モードにしSE出力を微調整しながら暴走する飛燕に向けて撃ち放った。
俺はイレイジングエンブレイドとイレイジングネストブラストを連結させ超電磁銃
しよう。﹃イレイジングレールブラスター﹄ファイア
﹁死ぬ程痛いかもしれないがどうにか我慢してくれよハヤト⋮こちらも出来る限り加減
EPⅣ「二人制式決闘{タッグデュエル}そしてハヤト覚醒!」
77
けていたかもしれませんよ
﹁どういう事なんですの
﹂
﹂
ハーヴェイ会長が不服を述べてくるが俺はそう返答する。
?
という事で勝敗はドローという事にしてはくれないか
さてとここからが大変になるな。
うだった。
﹂
ハーヴェイ会長は未だえらく不服そうにしていたがその場はそう収まってくれたよ
﹁⋮そういう事なら仕方が無いですわね⋮﹂
?
今回の事態はアイツの未熟さが招いちまった事だ。
﹁あーええっとだな⋮詳しい事はまだ言えないのだがこれだけは言える。
?
78
﹂
EPⅤ﹁激突
﹁納得いかない
雷光VS天槍﹂
!
ハーヴェイ会長達とのタッグデュエルを終えた後も一人の副会長であるリディ・スタ
!
なんでだ
⋮
インバーグさんが戦闘結果に納得がいかなかったのか猛抗議しにきた。
アレ
?
⋮﹂
に終わっているのだから彼女の気持ちも分からなくはないな。
慌ててスタインバーグさんをなだめるハーヴェイ会長であったがそれでもあの結果
﹁ですが
﹁おやめなさいリディ﹂
?
!
﹂
もデュエルすればいいんじゃないか
﹁えちょ
﹂
?
何方が
﹂
﹂
﹁そ、それもそうですわね⋮リディ貴方がデュエルする事を許可致しますわ
﹁アシヤいけるな
?
!
!?
?
そちらは
﹁まあ生徒会全員が戦わずに決めるってのも野暮だったな⋮ならスタインバーグ副会長
EPⅤ「激突!雷光VS天槍」
79
﹂
﹁ええ、いつでもいけます
﹁はっ
貴様が相手か﹂
﹂
俺がアシヤを指名し彼も乗り気なようだ。
﹁そうか
!
慢心はするつもりはないぞ
﹂
!
﹂﹂
ここに宣言致しますわ
﹁﹁百武装展開
﹂
Sideリディ
﹁グライベル
﹂
﹁﹃漆黒の天槍﹄︿ミドガルド・シュランゲ﹀
!
主に扱うのはマーシャルアーツ型それも零距離百武装。
顕谷園アシヤ、事前の生徒情報では専用のハンドレッドは所持してはいない。
!
!
!
﹂
﹂
﹁では、急遽ですがリディ・スタインバーグVS顕谷園アシヤのデュエルマッチの開始を
言った。
や は り 俺 達 の デ ュ エ ル を 観 戦 て 思 っ た 所 が あ っ た の か ス タ イ ン バ ー グ さ ん は そ う
﹁フン
﹁だがスタインバーグ副会長さんよ、彼はクロスフォードと同率の歴代第二位だぜ
スタインバーグさんがアシヤを挑発してくる。
!
!
?
!
80
﹂
武装のリーチでいえば私のシュランゲが勝っているが⋮ここは先手必勝を貰う迄
﹁どりゃあ
グッ
!
﹁やはりそうきましたね
⋮ヤベェ
こちらも負けませんよ
⋮﹂
!? !
﹃天牙大岩破﹄
!
!
﹂
先手は渡さないとばかりに私はシュランゲを構えて顕谷園に向けて突進した⋮だが。
!
!
コイツ、功紗ノ宮と同じ技が使えるのかよ 私は慌てて姿勢を崩して回避行動を取っ
﹁なっ
!?
﹁ふうー
⋮﹂
Sideアシヤ
たが間に合わずに砕かれた岩と彼の拳を喰らってしまった。
!?
﹂
僕の本当の全力ではないけれど今はこれでいい。
だけどこれからはもうこれ以上は簡単には決めさせてはもらえないだろう。
僕は技を決める事が出来た。
とりあえずスタインバーグ先輩が此方の読み通りに馬鹿正直に突っ込んできたので
!
﹁ッ
!
﹂
⋮まだまだこれからだ
﹁其方こそ
!
!
﹂
僕は間髪入れずにグライベルを思い切り振り上げて連続打撃を浴びせようとする。
﹁せいやあっ
EPⅤ「激突!雷光VS天槍」
81
!
対する彼女はシュランゲを巧みに扱いグライベルを受け止めてくる。
﹂
よく見てみると彼女のシュランゲは折れそうになっていた。
﹂
﹁なら次の一撃で決着を付けましょうか
SE全開
!
﹂
攻撃陣地を構築する
﹃全てを撃ち貫く雷光﹄︿トールハンマー・ブ
﹃天槍・七角の一撃﹄︿シュランゲ・セブンスストライク﹀
コレは僕の決意の一撃です
﹁コレが私の全力だ
﹁構築完了
﹂
﹁多方向からの攻撃
﹂
⋮顕谷園一掠流奥義弐の型、﹃功天衝烈撃﹄
﹁どうだコレなら貴様の拳も私には届かない
﹁それはどうですかな
﹂
!
!
!?
僕は超高速で拳を分身させて彼女の攻撃を一つずつ弾いていく。
?
﹂
彼女の七方向から迫り来る漆黒の一撃を僕は全開のトールハンマーで応戦する。
!
!
戦闘BGM﹁BlazeofReunion﹂
﹁SE解放
なら僕もいかせてもらいますか
僕の提案を受け入れたスタインバーグ先輩は槍にエナジーを込め始める。
﹁ああ、それでいい
!
!
レーカー﹀
!
!
!
!
!! !
﹂
﹁だけどもうお前の打撃を受け止めたおかげで私の槍は崩壊しかけているんだが⋮﹂
82
﹁んなっ
馬鹿な
速過ぎる
!?
私のシュランゲの全開の一撃が押し返されているだと
!
はあああー
﹂
!
!?
ていた。
⋮﹂
!
﹁まあ慢心していた生徒会副会長二人︷選抜隊︸には丁度良かったのかもしれんな⋮﹂
﹁すみません⋮﹂
副会長には勝利出来た筈だ﹂
グ
⋮だがお前ならトールハンマーブレーカーだけででもスタインバー
ヴァリアントの僕でも大分激しいらしくケンヤさんには極力使わないようにと言われ
だがトールハンマーブレイカーと顕谷園一掠流奥義の合わせ技はエナジー消費量が
なんとかちょっと無理をしたおかげで勝利を掴めた。
﹁ふう⋮﹂
そう彼女は呟きエナジー切れにより戦闘不能となった。
﹁そんな
のトールハンマーブレーカーの一撃は殺せずEバリアはひび割れ彼女に直撃した。
スタインバーグ副会長は苦し紛れにEバリアを展開するがEバリア如きだけでは僕
﹁貫け我が雷鳴よ
!
⋮Nバリア展⋮しまった今の一撃でエナジー残量が⋮﹂
!?
!?
﹁やったなアシヤ
EPⅤ「激突!雷光VS天槍」
83
﹁そ、そうですね﹂
後日、生徒会室
Sideクレア
﹁功紗ノ宮ケンヤ⋮﹂
それを彼に見抜かれてしまっていたようだ。
でもまだ心の何処かに迷いが生じていたのかもしれない。
ノブレス・オブリージュを果たしたい。
確かに私にはリザという大切な妹がいる。
た。
あのデュエルの後私は一人功紗ノ宮さんに言われたあの言葉について思い返してい
﹁如月ハヤト、それに功紗ノ宮ケンヤ⋮どうして貴方達はそんなにも⋮﹂
84
EPⅥ﹁選抜隊での初戦闘﹂
ハーヴェイ会長達とのデュエルを終えた翌日、昼休み
⋮どうもありがとう御座いました
!
﹁お、おう
⋮﹂
!
﹂
﹂
功紗ノ宮君と顕谷園君は副会長さんの二人に勝っ
ちゃうし、如月君はあの生徒会長さんに良い勝負が出来ていたし
﹁そうだね∼
目をキラキラさせながら凄く興奮気味に話す二人。
!
!
!
た表情で二人に会釈していた。
ハヤトはヴァリアントの力を暴走させていた状態だったので訳が分からないといっ
その事で彼女達は俺達にお礼を言ってきた。
二人、劉雪梅さんとノア・シェルダンさんに下していた退学処分を取り消しにした。
俺とアシヤが副会長二人に決闘で勝利出来た事でハーヴェイ会長は新入生の女生徒
﹁いいってことよ
﹂
あのままだったら私達は此処に居れなかったかもしれないかったので⋮﹂﹂
﹁﹁あ、あの
!
!
﹁そ れ に し て も 凄 か っ た で す よ ね
EPⅥ「選抜隊での初戦闘」
85
﹂
﹁あ、それとお願いがあるのですが⋮良いですか
﹁何だい
﹂
?
て﹂
フム⋮これはアレの出番かな。
﹁じゃあコレを使ってみてくれないかな
﹂
?
Piピッ
﹂
﹁﹃リトルガーデン生徒会より選抜隊メンバーに通達。近隣のツヴァイ諸島にて大型サ
話の途中に突如俺達のPDAに生徒会からの伝達が入ってくる。
﹁ム
?
!
なんとかコイツをSE制御に使う事が出来ないかと画策し改良してみた。
本来このシステムは記憶と意識を共有接続して能力を上昇させる為のシステムだが
可能になるんだ﹂
ヴァリアブルスーツに付ける事でセンスエナジーの流れをある程度感応させる事が
﹁そのチップはVMAX社が開発した﹁カップリングシステム﹂だ。
俺がふと思い出して彼女達に手渡したのは黒いチップである。
﹁コレは
?
﹂
﹁私達、エナジーの操作が上手くこなせなくて⋮出来たら如月君達に教えて欲しいなっ
?
86
﹂
ベージの出現を確認しましたわ
﹁おいでなすった様だな
﹂﹂
!
至急戦闘準備をよろしくお願い致しますわ
!
﹄﹂
!
﹂﹂
⋮弩級型が二だと
﹁﹁了解
ン
﹂
⋮原作より数が少ない気が⋮
﹁ゼルア、周囲の索敵を頼むぞ
﹂
それぞれハンドレッドを展開し終え降下していく。
﹁百武装展開
!
?
!
ツヴァイ諸島沖
?
!
﹂
﹁まずは小型サベージの駆逐に専念するしかないようだな﹂
島の住人に被害が出ない様戦う事になりますわ﹂
我々選抜隊はこれを迎撃駆逐します。
五。
﹁出現が確認されたのは弩級型サベージが二、小型の雀蜂︷ホーネット︸型サベージが十
選抜隊ブリーフィングルーム
俺達はすぐさま準備に取り掛かった。
﹁﹁ああ
!
﹁そうなりますわね⋮なら隊を分散して当たりましょう
EPⅥ「選抜隊での初戦闘」
87
!
﹂
﹁﹃マスター了解でっす
﹁⋮﹂
﹁大丈夫かハヤト
⋮あ、ああ⋮﹂
?
﹄﹂
!
⋮﹂
!
﹂
﹂
﹁どらあっ
!
リアブルコアを殴打する。
﹂
﹁﹃マスター弩級型が一匹接近してきてるよ
﹁ギャオーン
!
﹂
﹁分かっています
!
﹂
俺達二人はNバリアを展開しサベージの砲撃を打ち消した。
!
﹁Nバリアだ
弩級型サベージが咆哮を上げビームを放ってくる。
!
﹄﹂
俺がイレイジングネストブラストでサベージをかく乱し、アシヤがグライベルでヴァ
!
﹁はあっ
ハヤトを励ました後それぞれにホーネットサベージ駆逐に別れた。
﹁そ、そうだな
﹁ヴァリアントの力を恐れるな。その力は人類を救う鍵となるのだから﹂
﹁え
?
88
﹁今だ
全身武装展開
アラッチャア
﹂
﹃イレイジング・エンブレイズスラッシュ﹄
﹁顕谷園一掠流奥義参の型﹃眼零殴迅撃﹄
!
!
付近二百五十五m以内に超弩級型サベージが出現
﹄﹂
!
れた。
﹂
﹁﹃マスター
﹁何ッ
﹂
!?
アシヤ急ぐぞ
﹁チッ
SE全開
!
﹂
!
クロスフォードさん
ハーヴェイ会長
貴方は⋮﹂
!
SEを解放しゼルアとシンクロし急行する。
﹂
﹁ええ
﹁ハヤト
﹂
﹂
﹁キャアアー
﹁エミール
!?
!
﹂
!!
﹂
女の肌が露わになりハーヴェイ会長が唖然としていた。
駆けつけた時には超弩級型の砲撃によってエミールのヴァリアブルスーツが破け彼
﹁エミール・クロスフォード
!?
!?
!
!
ゼルアの索敵を聞いた直後、ハヤト達の悲鳴が聞こえてきた。
﹁うわああー
!
俺の斬撃で弩級型の張る障壁と殻を斬り落とし、アシヤの一撃によってコアを破壊さ
!
!
!?
!
EPⅥ「選抜隊での初戦闘」
89
﹁三人共大丈夫か
﹂
!?
﹂
!?
⋮﹂
!?
﹁使うしかないのかよ
めてやる
⋮よし
安心しろ﹂
﹁ありがとう
﹁ああ頼む
﹂
⋮﹂
﹂
﹁私が砲撃で支援致しますわ
﹂
﹁ああ共にあの超弩級型を倒すぞ
!
﹁せいやあ
﹂
ドを向け突撃する。
ハヤトが飛燕にSEを集中した事を確認した俺達もそれぞれ超弩級型にハンドレッ
!
!
!
!
!
﹂
﹁ヴァリアントの力を解放するんだハヤト。大丈夫だ暴走を引き起こす前には俺達が止
!
るハヤト。
エミールは傷のせいで気絶してしまうがその事を確認したアシヤの一言で一安心す
﹁大丈夫気を失っているだけのようです﹂
﹁オイ
﹁ぼ、僕は大丈夫⋮まだやれるよ⋮ウッ
﹁え、ええ⋮私と如月ハヤトはなんとか回避出来ましたが⋮﹂
90
!
﹁このまま行きますわよ
﹂
﹂
壁に畳み掛けて打ち破る。
た。
﹁はあはあ⋮﹂
⋮そっこだああー
いっけえー
﹁一体どういう事なのか納得のいく御説明して頂けますわよね
﹁う⋮﹂
﹁頑張れハヤト﹂
⋮なんでさ⋮﹂
﹁お待ちなさい貴方達にもして頂きますわよ﹂
﹁いぃっ
?
﹂
クロスフォードさんの正体について問われハヤトに押し付けようとしたら逃がして
!?
﹂
超弩級型のコアまでブースターを吹かし見事ブッ刺し完全に沈黙させる事に成功し
!
﹁今だハヤト
⋮﹂
!
アステリオンの砲撃で超弩級型は怯みその隙に全速力で俺とアシヤが連続攻撃で障
!
﹁コレがヴァリアントの本来の力なのか
﹁
!
!
ハヤトは飛燕の完全武装をしSEの紅き粒子が光り輝き刀に注がれる。
!?!?
﹁お疲れさん⋮それとあー⋮﹂
EPⅥ「選抜隊での初戦闘」
91
くれなかったようだ⋮あー軽い頭痛が⋮。
﹂
その頃、諸島のとある一室にて
﹁コレって本当なの
﹁そう⋮もうすぐ会いに行けるわ⋮﹂
すが誰かがサイトに上げたようですね﹂
﹁ええ⋮本来なら武芸者の静画像・動画のアップロードは原則禁止されている筈なので
?
92
EPⅦ﹁ヤマトの没落巫女 前編﹂
選抜隊に加入してからの超弩級型サベージとの戦闘から翌日
﹂
﹁あぐうー⋮﹂
﹁大丈夫か
事に専念するか。
昼休み
!
﹁そうか、んじゃ行こうぜ﹂
俺はこの仕事を片付けてからにする﹂
﹁ハヤトお前達は先に食堂に行っててくれ。
﹁にゃはは⋮﹂
あふわあ∼眠かったぜ⋮﹂
こうなればしばらくの間はハンドレッド制作と社の業務は一旦中断して選抜隊の仕
かという俺もここの所の社の業務も積み重なった事で疲労が溜まってしまっている。
ハヤトはSEの使い過ぎで机に突っ伏していた。
﹁ああなんとか⋮﹂
?
﹁ようやく昼休みの時間だあ
EPⅦ「ヤマトの没落巫女 前編」
93
﹁うん
﹂
その道中
オイ大丈夫か
?!
﹁うぅーん⋮﹂
﹁ファッ
﹂
事を高速で片付けてから向かった。
ハヤト達が先に食堂へ向かったのを確認した俺はハーヴェイ会長に頼まれていた仕
!
くぎゅるるぅ∼
食堂に繋がる外の渡廊下付近の草むらに一人の女生徒が目を回し倒れていた。
!?
で⋮
﹁はぐはぐ
はぐぅ
﹂
ほぼ全額を彼女の実家である神社へと送金しているらしい。
された。
リトルガーデンからいくらか補助金が出ている筈なのだが⋮その疑問はすぐに解消
持金の持ち合わせがほとんど無く空腹を我慢していたようなのだ。
俺が昼飯を奢る事になった隣のクラスらしい彼女、神詩歌ユウヒさんに話を聞くと所
﹁Oh⋮﹂
!
女生徒から某声優さんの名前みたいな空腹音が鳴った。
!
!
94
﹁早くうちの神社を立て直したいので⋮﹂
﹂
﹂
﹁だからって自分の生活費を削って迄送金しなくてもいいんじゃ⋮てか神社って事は神
はぐ
﹂
詩歌さんは巫女さんなのか
﹁はい
!
?
﹁それで話の続きを﹂
一体もう何十皿目なんだ⋮。
物凄い量の飯を笑顔でほおばりながら答える神詩歌さん。
﹁凄い食うなオイ
!
!
だがそんな彼女にも欠点があった。
には至らなかったようだが⋮。
幸い当時巫女見習いだった彼女が武芸者として覚醒していたのでダークゾーンな事
だ。
甚大な損害を負った結果神詩歌家は親類達等から借金する羽目になってしまったの
それは神詩歌さんの神社も例外ではなかった。
第一次遭遇でのサベージ襲来による被害。
彼女の話をまとめるとこうだ。
﹁あ⋮そうでしたね⋮という訳でして⋮﹂
EPⅦ「ヤマトの没落巫女 前編」
95
﹁私⋮他の武芸者の皆さんより燃費が悪いようでその⋮﹂
あー⋮彼女のこの食いっぷりはそのせいという事か⋮。
つまりはSEの消費率が他の武芸者と違って余計に消費され、訓練でもしていてすぐ
にエネルギー切れを起こした結果が先程の事態を引き起こしたのだろう。
﹂
﹂
ならこれから昼食だけでも俺が奢ってあげるよ﹂
﹁あ、ああ
﹁ほ、本当ですか
!
に明かし、彼女の体質に合う専用ハンドレッドを作る事を約束した。
ついでにヴァリアントの事は伏せておいてVMAX社の社長である事を神詩歌さん
流石に毎回行き倒れというのは見てられないからな。
俺がそう提案すると彼女は目を輝かせて聞き返してきた。
!
!?
﹁⋮よし
﹁クラスメイトに訓練に誘われてつい力を使い過ぎたようです⋮﹂
96
﹂
EPⅧ﹁ヤマトの没落巫女 後編﹂
﹁どう思う
となマサト⋮あっとそうだ俺が提案したアレはどんな調子だ
﹂
ありが
確かにアレの開発に着手出来れば
?
やはりヴァリアブルストーンが主流になったといってもその産出量はそんなには多
﹁そうか⋮﹂
だけどまだ今の所はヴァリアブルストーン以外の鉱石も中々手に入り辛くてね⋮﹂
今の世の中が百八十度変わる筈だよ。
﹁ああ、君が考案を持ってきてくれたアレの事だね
?
!
あくまで仮説でしかないのだけど﹂
互いに反発し合ってしまった結果がセンスエナジーの過多消費なのかもしれないね。
﹁フム⋮もしかするとその子の武芸者としての力と生まれ持った巫女さんとしての力が
に向かいマサトに考察を聞く為に神詩歌さんの事を話した。
放課後は特に選抜隊や生徒会による召集も無かったのでそのまま俺はアルレイド社
﹁ううむ⋮﹂
?
﹁成程な⋮ならその二つの力の親和性を高められるハンドレッドを開発するか
EPⅧ「ヤマトの没落巫女 後編」
97
くなく国や企業間での奪い合いだ。
その弊害か他の鉱石も年々値が上昇してしまっていたりする。
原作でワルスラーン社が提唱する月に武芸者の基地を建造するプロジェクトである
翌日の昼休み トレーニングルーム
ドの開発室へと篭っていた。
そんな訳で俺はすぐにでも開発に着手したかった為にマサトに許可を取りアルレイ
まあその話は別でしようか。
だからこそ俺は良識な大人達がサベージと戦える様にある物をマサトに提案した。
実際はそんな事は無いのだがな⋮。
込んでいるアホ︷主に政治家等︸もいるようなのだ。
滾らせてしまった人達なのだが中には武芸者に世界の利権を奪われてしまったと思い
ほとんどが第一次遭遇後の心無い武芸者による無法的破壊活動によって私怨を煮え
ワルスラーンも奴等を潰すのに必死になっているが年々団体の数が増えてきている。
それに反武芸者団体だって存在している。
りかねない。
せん現在のワルスラーンのトップがアレではな⋮今迄よりも予想出来ない弊害が起こ
﹁ルナルティア計画﹂が開始されればほんの少しだけはマシにはなると思うが⋮いかん
98
ほんとに作ってくれたんですね
﹂
﹁ほら約束の神詩歌さん専用ハンドレッドだ﹂
﹁わあ
﹁もう
私がいつも空腹だみたいに⋮百武装展開します
﹂
﹁とりあえず展開してみてくれ。大丈夫非常食は準備万端にしてあるさ
!
﹂
!
!
想敵に向かって放出された。
⋮体がいつもより軽い
﹂
﹂
御札の輝きが強まりそこからセンスエナジーを帯びた氷の塊がシュミレーターの仮
﹁﹃弐蒼の札 氷魂﹄
御札を手に取りセンスエナジーを流し込んだ。
運用法は私の内に流れるセンスエナジーを通して伝わってきたので早速まずは蒼い
内二枚が同じ白色だった。
ンドレッドだった。
偶然私を助けてくれた功紗ノ宮君が作ってくれたハンドレッドは六色の御札型のハ
﹁名は﹁七式魂焔札﹂だ﹂
﹁これが私の専用ハンドレッド⋮﹂
Sideユウヒ
神詩歌さんがハンドレッドを展開し終えると彼女の周囲には七枚の御札が出現する。
!
!
!
!
﹁す、凄い
!
EPⅧ「ヤマトの没落巫女 後編」
99
﹁だろ
﹂
それは神詩歌さんの本来の力なんだ﹂
本当にありがとうございます
! ?!
つい浮かれてしまっていた私にこの後訪れる転機に気付かずに⋮。
これで神社の再建の日も近いかも
!
!
﹁はい
100
EPⅨ﹁選抜隊の依頼﹂
﹁そういえばケンヤ、生徒会長が呼んでいたよ﹂
﹂
﹁ああ、ありがとうアルすぐにいってくる﹂
﹂
﹁いってらっしゃい
﹁ワウ
!
リトルガーデン生徒会室
まあ予想外の展開が無いだけでも良しだなうん。
リトルガーデン入学後ここ一々月間の間に色々な事が起きたな。
シルバーブリッツにも見送られる。
ルフォンスにそう言われ俺は生徒会室に向かう準備をし彼のテイマー型ハンドレッド、
寮︷といっても社の事があるのであまり此処に居る事はないが︸のルームメイトのア
!
﹁お
お前も呼ばれてたんだなケンヤ﹂
?
﹂
﹁アレ
﹁お入りなさいな﹂
﹁ハーヴェイ会長、功紗ノ宮ケンヤです﹂
EPⅨ「選抜隊の依頼」
101
?
﹂
生徒会室に入るとハヤトも一緒にいたという事はやはり⋮。
﹁お話とは何でしょうか
﹁あ、はい⋮﹂
﹁来週この艦がツヴァイ諸島に接岸する事はお伝え致しましたわよね
?
わっていた。
﹁あの⋮それと俺達と何の関係が
﹂
総督との会見は会長と副会長達だけなのでは
﹂
?
﹂
?
そう言われ早とちりするハヤトだったが勘違いだった事に少し落ち込んでいた。
﹁はい⋮﹂
﹁話は最後までお聞きなさい⋮﹂
﹁それって総督の
如月ハヤト、功紗ノ宮ケンヤ貴方達両名に護衛の任が舞い込んできているのです﹂
﹁いえそれとは別件なのです。
?
その事は一般生徒の間でも噂となっており四日間という連日休日という事もあり賑
であるウェストランドに艦が発着する事になっている。
ワルスラーンを通じて司令部である生徒会に島の総督自らが訪問する事が決定し、西側
ツヴァイ諸島に襲来してきたサベージの脅威から救った俺達武芸者に諸島政府から
﹁ええ﹂
?
102
この間のサベージ襲撃で中止に
﹁その最終日に島で霧島サクラのライブが開催される事にもなったのです﹂
﹁霧 島 サ ク ラ っ て 今 凄 い 大 人 気 ア イ ド ル の で す よ ね
なったっていう⋮﹂
﹁は
⋮﹂
指しで護衛役に指名してきているのですわ⋮﹂
﹁それは良かったのですが一つ問題が起きまして⋮その霧島サクラが何故か貴方達を名
﹁その中止になったライブを仕切り直すとの事だなそれで⋮﹂
?
⋮
確かハヤトとの出会いのフラグは俺が折ってしまった筈なんだが⋮何処か
﹂
なんだか胸が凄いモヤモヤするのは気のせいか
で補填されたのか
?
﹁ハヤト様とケンヤ様のパーソナルデータはまだオープンになっているという訳ではな
たわ⋮﹂
﹁私も驚いてクライアントに再度問い合わせたのですが明確な回答は得られませんでし
?
?
?
⋮アレ
ばもうそんな時期かと思い返していた。
ハーヴェイ会長は頭を抱えてそう言い唖然とするハヤトを尻目に俺はああ、そういえ
﹁⋮﹂
?
﹁指名ってどうして俺達が
EPⅨ「選抜隊の依頼」
103
いとうのにどうやって知ったのか不明なんですよ。
﹂
考えられる可能性といわれれば彼女とお二人が同じヤマト出身だという事だけです
が⋮お知り合いという訳ではないですよね
?
ばまだサベージが残存しているからなのか⋮﹂
!?
﹁観測された時点での数と俺達が戦った数が合わなかった事になるなそれは﹂
クリスさんの話に反応するハヤト。
﹁ちょっと待って下さいサベージがまだ残っているとでもいうんですか
﹂
どこからか噂として漏れていても不自然ではないでしょうし他に理由があるとすれ
事もあります。
﹁それならば、お二人はこの間の戦いで御活躍されていた事ですし入学時の反応数値の
対する俺は大有リなので軽く冷や汗を流しながら沈黙で通そううん。
まあ彼はその時の記憶を失っているから俺から言ったとしても意味は成さないが⋮
でも何処かで補填されているのならばハヤトも彼女と知り合いだ。
し、ハヤトは否定する。
リトルガーデンオペレーターのクリス・シュタインベルトさんがそう可能性を提示
﹁⋮︵^^;︶﹂
﹁ああ全く⋮﹂
104
﹁ええそうですわ﹂
俺の推測にハーヴェイ会長が頷く。
本来いない筈の二、三体目の超弩級型サベージがいたのだ。
あれを合わせるとするならば合計十体はいる筈で俺達が戦ったのは事前に防衛軍そ
の他に撃ち落とされたのと合わせ合計七体。
残りの三体は恐らく海中か島の何処かに落ちてきている筈だ。
﹂
﹁そんな⋮つまり俺達はサベージが出現した際に霧島サクラを守れる武芸者として選ば
れたという事ですか
もあるのですわ﹂
のはライブや島に招待されたお礼も兼ねていますしワルスラーン本社からの強い要請
﹁LISAも貴方達で問題無しとの回答を出している事ですしライブの周辺警護をする
﹁その可能性は高いと思われます﹂
?
ベージの襲撃があり姉の代わりに戦った彼女はヴァリアントの力を使い過ぎてしまい
トの武芸者にされてしまった上、会長がまだ武芸者の力を上手く扱えなかった時にサ
達の母親であるリニス・ハーヴェイによって生まれながらにして人類最初のヴァリアン
LISA⋮ハーヴェイ会長の実の妹であるリザ・ハーヴェイが生まれる以前から彼女
﹁⋮﹂
EPⅨ「選抜隊の依頼」
105
現在ではカプセルに入れられリトルガーデンの動力の一部︷表向きでは原子力となって
いるが︸兼いわば生きた演算処理装置と化してしまった悲劇の娘⋮なんとかして彼女を
﹂
救い出したいのだが⋮現状ではそれが無理難題事である事は俺にも良く分かっていた。
﹁⋮もし俺達が断ったらどうなるんですか
﹂
どうですお二人共この任務を引き受けて下さいますか
﹁⋮やります、やらせて下さい
﹂
?
う要請してくれるように会長に頼み込んでいた。
﹂
ハヤトがカレンちゃんがサクラちゃんの大ファンなので特別席を用意してくれるよ
﹁何です
﹁あ、そうだ会長一つお願いが⋮﹂
ど﹂
﹁良 い 返 事 で す わ ね。頑 張 る だ け で な く 万 全 に や り 遂 げ て も ら わ な く て は 困 り ま す け
ハヤトは決意したように、俺は快く了承する。
﹁俺は最初から受ける気だったから大丈夫ですよ﹂
!
?
りありませんわ。
﹁無理を言う事になりますが変更を要請する事になりますわね⋮無理強いはさせるつも
おいそこ俺も断る前提で話を進めるんじゃない。
?
106
それにしてもあれからもう五年も経ったのか⋮。
!
俺は今迄の出来事を振り返りながら生徒会室を後にした。
﹂
その直後、PiPiッ
﹁アシヤかどうした
?
今すぐ俺は社に戻る話はそれからだ﹂
ですが一つ重大な問題が発生致しまして⋮﹄﹂
﹁﹃社長、定期報告です。仕事の方はいつも通り順調に進行出来ています。
﹁なんだって
﹄﹂
!
?
社長室に駆け込んだ。
アシヤが慌てた様子で定期報告をしてきたので一度通話を切り俺は急いで社に戻り
﹁﹃はい
EPⅨ「選抜隊の依頼」
107
EPⅩ﹁ヴァリアントとして 前編﹂
﹂
!
﹄﹂
静にそう命令を返しアシヤとの映像通話に移った。
﹁﹃社長
どんな進展があった
﹂
?
?
いるヴィタリー・トゥイニャーノフが現在所属している企業だ。
耳にする噂の中には反武芸者団体にも手を借しているのでは
という黒い推測も立
その一つであるアルサラーム社⋮今も人工ヴァリアントという被害者を出し続けて
言っていたんだったな。
そういえばアシヤにはワルスラーンよりもブラックな企業の身辺調査をするように
﹁アルサラーム社の事か
?
﹁﹃はい、仕事の合間に社長に頼まれていたあの件の事でなんですが⋮﹄
?
!
﹁待たせたな。早速で悪いが先程言っていた重大な問題とは一体何だ
﹂
社に戻った俺にオペレータールームが告げてきたのではやる気持ちを抑えながら冷
﹁了解
﹁それは分かっている。今すぐ映像通話に切り替えて繋ぎ直してくれ﹂
﹁あ、社長たった今先程専用回線にてアシヤ秘書からの通話が⋮﹂
108
てられている程だ。
﹄﹂
もう一社アルサラームと同じ様な事をしでかしている企業があるのだがそれはまた
別の話でしよう。
﹁﹃ええ、アルサラーム社は姉妹会社をいくつも経営している事はご存じですよね
は連中の隠れ蓑だろう⋮それで
﹂
﹁ああ、表向きは投資信託とか輸入業迄をもやっていると聞くがな。あくまでこの業務
?
﹁﹃その一つであるラスィーヤにある研究所の調査に踏み切ったのですがどうもキナ臭
?
ラスィーヤのアルサラーム関連は確か食材研究だったな。まあ十中八苦表向きの
い調査結果が明らかになりましてですね﹄﹂
?
﹁何
⋮という事は内部告発と受け取っていいな
﹁﹃ええそうなりますね﹄﹂
?
﹂
持ち込んで来た研究員の方がいらっしゃるんです﹄﹂
﹁﹃人工ヴァリアントの研究データ及び新型ハンドレッドの開発データを直接こちらに
がそんなものはいくらでも隠そうと思えば誰にだって出来る事だ。
尖らせている。
勿論サクラちゃんの父親の件でラスィーヤ警察は違法研究の摘発により一層神経を
業務だろうがな⋮ラスィーヤは表沙汰になった事件があったというのにな⋮﹂
﹁ム
EPⅩ「ヴァリアントとして 前編」
109
!
まだアルサラーム内部にも良識な大人が少なからずいてくれたようだな。
すぐにそちらに向かうから待機を頼む﹂
⋮選抜隊の任務も今の所無いしな。
ではその研究員の話を聞こう
﹁よし
お待ちしています﹂﹄
そこで俺はアシヤとの通信を切り社の飛行船でラスィーヤへと向かっていった。
﹁﹃ええ了解しました
!
!
﹁ヴィタリー・トゥイニャーノフ⋮何処まで自分の復讐に他人を巻き込む気なんだ
⋮﹂
?
!
110
EPⅩⅠ﹁ヴァリアントとして 中編﹂
となると隣の女性が⋮﹂
∼VMAX・ラスィーヤ支部∼
﹁待たせたなアシヤ
います⋮﹂
﹁江入サンドラだ・・この度はわざわざ私の我儘なんかの為に御足労頂きありがとうござ
﹁社長お待ちしてました。ええ、この方がアルサラーム・ラスィーヤ支部研究所の・・﹂
!
﹁それも主な原因の一端はヴィタリー・トゥイニャーノフですね
﹂
成程⋮サンドラさんはもうその惨状に耐えきれなくなり今回の告発を決意した⋮と
壊されたりした事か⋮うう⋮﹂
﹁ええ、彼女の提唱する理論による実験のせいで何人もの幼い子供達が死んだり精神を
?
支部同様に裏で非合法な実験を繰り返していた。
彼女、サンドラさんが所属しているアルサラーム・ラスィーヤ支部研究所は他の同社
﹁はい⋮﹂
早速だが詳細をお聞かせ願うよ﹂
﹁いいえ、我儘等ではないですよ。VMAX現社長の亞牙リシヤだ。
EPⅩⅠ「ヴァリアントとして 中編」
111
いう所なのだろう。
例え死にはしなくともサベージの非合法な密漁に駆り出されたりもしてしまう所も
ハンドレッド業界内で問題視されている。
反武芸者団体も叩くのならその問題を叩いて欲しいものだが⋮現実は難しい⋮。
⋮﹂
?
⋮﹂
!?
になってしまっているらしく研究所に連れてこられた時は酷く暴れたらしい。
どうやら保護したのは姉妹らしく姉の方は親に捨てられた事がはっきりとトラウマ
んです﹂
た彼女達をヴィタリー・トゥイニャーノフが発見してウチの支部で保護する事になった
﹁ええ⋮全くその通りです。そしてラスィーヤの街外れの荒野でボロボロで彷徨ってい
俺はサンドラさんの話を聞いて思い当たり問う。
てその子達を捨てたとでもいうんじゃないだろうな
﹁オイまさか⋮サベージに襲撃された際に親が同じ武芸者としての力を恐れと気味悪さ
せな家族がいてくれたようです。ですが⋮﹂
﹁私ともう二人の研究員が担当にあたっていた子達なんですけどね⋮その子達は元は幸
話を続けているとまた顔を暗くしながらサンドラさんは語り続ける。
﹁ム
﹁それと今回の告発に踏み切れたのはもう一つある事件があったからなんです⋮﹂
112
妹の方はまだ幼く純粋な子な為かおとなしくしていたようだ。
﹁はあー⋮﹂
これもサベージによる弊害の一つか⋮今でこそリトルガーデンや政府らの尽力でそ
﹁酷い話ですね⋮﹂
ういう事も減ってはきているが⋮俺とアシヤは頭を抱えて溜息をつき自分達の力不足
を感じていた。
﹁すまないな⋮俺達がもっと早く政府らに法整備を強く進言していればその子らの幸せ
亞牙さん達が気に病む事は無いと思いますよ⋮それに私もあの子達の気持
を壊さずに済んだかもしれないってのにな⋮﹂
!
﹁何
それは一体どういう事なんだ
﹂
?
それは﹁姉である自分が実験に付き合ってやるから妹のユキネには一切手を出さない
たらしい。
サンドラさんは姉妹の姉の方であるシキネちゃんとの間でとある約束を交わしてい
話をまとめるとこうだ。
サンドラさんはまた暗い表情になりながら再び語ってくれた。
﹁ええ⋮彼女達の実験データと共にそれもお話致します﹂
?
ちと約束を裏切ってしまいましたから⋮﹂
﹁い、いえ
EPⅩⅠ「ヴァリアントとして 中編」
113
で欲しい﹂という要望だった。
サンドラさんは二人を実の娘の様に接していた為にそれを聞き届けようとした。
だがヴィタリーによってすっかり洗脳されてしまっていた他の研究員はそんな事な
んてお構い無しにある日シキネちゃんが実験に付き合っている時を狙って妹であるユ
キネちゃんを無理矢理実験体にしてしまったそうなのだ。
勿論ユキネちゃんに対する実験が強行されようとは思いもしなかったサンドラさん
が気付いた時は既に遅かった⋮。
﹁な、なんという
⋮﹂
アシヤ
﹂
︻プランD︼の決行ですね
⋮﹂
﹂
そんな悪意が当たり前だと思っている連中にはそこはかとなく心底怒りが
!
湧いてきたぜ
﹁⋮汚いな
﹁ええ
!
⋮あの一体何を
!
!
?
!
サンドラさんは何がなんだか分からないというような表情をしていた。
少々キレ気味になった俺はアシヤにとあるプランの実行を言い渡す。
﹁え
?
!?
ました⋮﹂
もどうにかして解放してあげられていればこんな事にはならなかったと激しく後悔し
﹁あの後、シキネちゃんは私と口を聞いてくれなくなりました⋮あの時あの子達だけで
114
﹁何をって俺達がその子達を含む生き残っている被験者全員を救出する為の作戦を決行
すると言っているんだ﹂
﹂
アシヤが俺に続けてサンドラさんにそう言うと彼女は予想外だという顔をしていた。
﹁⋮﹂
﹁どの道いずれアルサラームを含む悪徳企業は全て潰さなければいけないですからね﹂
俺がそう返答するとサンドラさんは驚いた顔をする。
﹁ええ
!?
﹁はい
﹂
!
さあ裁きの宣告の時間だ
!
アシヤ、ヴァイス・スマ│ケン隊に指令を﹂
今度こそはその子達との約束を守れるように祈っているぜ。
たからその礼も兼ねてさ。
﹁それにサンドラさん貴方には二種類のデータという大変貴重な代物を御提供頂きまし
EPⅩⅠ「ヴァリアントとして 中編」
115