安全の手引き - 在スラバヤ日本国総領事館

安全の手引き
(東部インドネシア編)
Ⅰ. 防犯の手引き
Ⅱ.在留邦人緊急事態対処マニュアル
平成27年1月30日
在マカッサル領事事務所
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はじめに
この小冊子では、インドネシアで生活する上で家族全員が念頭におくべき防犯上の主な
心得を記すとともに、緊急時への心構えを記し、参考に供したいと思います。日々刻々変
化する国際情勢、インドネシアの政治、経済、治安情勢、更に対日感情の変化などを的確
に把握し、緊急事態発生の可能性にも充分注意を払う必要があります。先ずは、各人が「セ
ルフ・ディフェンス(自分の身は自分で守る)」の心構えで生活することが大切です。
不幸にして何らかの犯罪に巻き込まれた場合、あるいは犯罪に巻き込まれるおそれがあ
る場合には、最寄りの大使館、総領事館及び領事事務所にご相談下さい。
【参 考】
外務省「危険情報」
「危険情報」は、外務省ホームページでご覧になれます。旅行や滞在にあたって特に注
意が必要と考えられる国・地域に発出される情報で、それぞれの国・地域に応じた安全対
策の目安をお知らせするものです。危険情報は、4つのカテゴリーに区分されており、各々
の安全対策の目安はつぎのとおりです。
「十分注意して下さい」・・・・その国・地域への渡航・滞在にあたって特別な注意が必
要であることを示し、危険を避けていただくようおすすめするものです。
「渡航の是非を検討してください」・・・・その国・地域への渡航に関し、渡航の是非を
含めた検討を真剣に行っていただき、渡航される場合には、十分な安全措置を講ずること
をおすすめするものです。
「渡航の延期をおすすめします」・・・・その国・地域への渡航は、どのような目的であ
れ延期されるようおすすめするものです。また場合によっては、現地に滞在している日本
人の方々に対して退避の可能性の検討や準備を促すメッセージを含むことがあります。
「退避を勧告します。渡航は延期してください」・・・・その国・地域に滞在している全
ての日本人の方々に対して、滞在地から、安全な国・地域への退避(日本への帰国を含む)
を勧告するものです。この状況では、当然のことながら新たな渡航は延期することが望ま
れます。
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Ⅰ.防犯の手引き
1.防犯の基本的な心構え
マカッサル領事事務所管轄地域で邦人が犯罪に巻き込まれたケースはそれほど多くはあ
りませんが、これはこの地域が必ずしも安全だからということではなく、当地への一般旅
行者の数が少ないためと考えられます。凶悪犯罪は何時どこで起こるか分かりません。常
に自分の身の回りには責任を持って注意を払うのが海外生活の基本です。では、どのよう
な点に注意を払うべきか。次のような点を心に留め置くことが必要です。
○自分と家族の安全は自分たち自ら守るとの心構えで、
インドネシア国内外の政治、経済、
治安状況及び対日感情などについて、様々な媒体から情報が得られるようネットワーク作
りに心掛ける。
○インドネシア固有の文化・風俗、
インドネシア人の宗教観や価値観を尊重して行動する。
○平素より、隣人、会社従業員、使用人、運転手などインドネシア人との間でトラブルを
生ずることがないよう注意するとともに、常に友好関係を築くよう心掛ける。
○日本との違いを認識して行動する。現地での行動の三つの心得、即ち「目立たない」「行
動のパターン化を避ける」「用心を怠らない」を心がける。
○人前で怒鳴ったり、暴力をふるったりするなど相手の尊厳を傷つけるような行動、感情
的な言動は厳に慎む。
○夜間は人通りが少なくなり、犯罪が発生しやすい状況にあります。夜間にはなるべく外
出しない、外出する場合には、車やタクシーを利用ください。
2.最近の当地犯罪発生状況
当事務所が管轄する東インドネシア地域では、南スラウェシ州が最も人口が多く都市型
犯罪の多い地域であり、中部スラウェシ州ポソ県ではテロリストと思われる爆弾テロ、パ
プア州では OPM(パプア独立組織)による国軍・警察及び一般市民への襲撃事件が発生し
ており、これらの地域へ渡航予定のある方は十分注意が必要です。
南スラウェシ州における犯罪の中で最も多いのは、金銭目当てのひったくりや強盗など
の都市型犯罪と性犯罪、最近になって急増しているもう一つの犯罪は覚醒剤や麻薬の使用
です。また、マカッサルは「デモの町」として有名であり、賃上げによる労働デモ、政府
汚職撲滅運動などのデモが連日発生しており、デモ隊と警察官による抗争で、負傷者が発
生しています。事件に巻き込まれる可能性もありますので、デモ隊に遭遇した際は速やか
にその場から離れる、迂回するなど、身の安全を第一に行動する必要があります。さらに、
マカッサルではギャング(暴走族)による一般市民への襲撃事案が多発しているため、夜
間時の外出は大変危険です。
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3.防犯のための具体的注意事項
犯罪の被害を未然に防ぐため次のようなことを心得ておくことが必要です。
(1)住居
(イ)住宅環境の整備として、夜間は、外灯などを点灯して死角をなくすようにする。
ドア・窓は施錠可能なしっかりしたものとし、鉄格子も設置する。特に寝室などの
扉や鍵を頑丈なものとする。
(ロ)
家屋に侵入する泥棒の手口は、
1階部分のドアや窓を壊して侵入するだけでなく、
雨期になると雨音に紛れて屋根伝いに敷地内に侵入するケースも多いので、複数階
の建物では最上階のドアや窓も頑丈な構造のものとする。
(ハ)鍵は自ら保管し、就寝時・外出時には確実に施錠する。門・扉などは在宅中でも
常に施錠する。
(ニ)不心得な使用人や解雇した使用人の手引きによる犯罪もあるので充分注意する。
特に長期間にわたり家を留守にするような場合は、知人や会社の同僚に定期的に見
回りをしてもらうように頼んでおく。
(ホ)賊の侵入に気づいても身の安全を第一として対処する。鍵の掛かった部屋で賊の
退散を待つか、電話で警察に通報する。強盗などが押し入ってしまった場合には、
抵抗せずに要求に応じる。
(ヘ)長期間住居を不在とする場合に、電気を消したままにしておくと住居に誰もいな
いことが分かってしまいます。玄関の電灯をつけたままにしておく等、住居に誰か
がいると思わせる対策を講じる。
(2)外出時
(イ)繁華街、市場、デパート、空港、道路など人の集まる場所では派手な服装は避け、
大金は持ち歩かない。また、支払の時などに現金を人前で晒さないよう財布の取扱
いに注意を払う。
(ロ)車に乗ったら(タクシーの場合でも)必ずドアロックを施し、窓ガラスを閉め、
一時停車する際には周囲に気を配ること。また、貴重品を置いたまま車を離れない
ようにする。
(ハ)車がパンクした場合はいわゆるパンク強盗の可能性も念頭に置き、その場に直ぐ
に停車せず、安全な場所まで移動して修理する。また、車を離れる際は貴重品を必
ず持参する。
(ニ)人力車(通称ベチャ)は料金支払いでトラブルを起こしたり、交通事故に巻き込
まれる危険性にも注意が必要である。ベチャに乗っていて、ひったくりの被害に遭
うケースも発生しているので、ベチャに乗る際には携帯物は両手で抱え込むように
持つ。
(3)生 活
(イ)使用人の採用にあたっては、身元のはっきりした者を採用する。また、雇用の際
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には住所や身分証明書・運転免許証の確認を行う。
(ロ) 使用人には、主人の許可なしに外部の人間を家の中に入れないように指示してお
く。また、家の者の在宅を確認するような電話には答えないように日頃から注意す
る。
(ハ) 目立つような所に高価なものは置かない。また、知らない訪問者は家の中に入れ
ない。たとえ制服を着用している警察官、警備員でも信用してはならない(誰々か
ら依頼を受けて来たなどと言う例もあるので、
その場合は依頼人に確認してみる)
。
4.交通事情と事故対策
交通事情は日本国内とは大きく異なります。道路は自動車だけではなく、オートバイ、
自転車、ベチャ(人力車)と歩行者などでごった返しているのが普通です。交通規則は、
日本と同じ左側通行ですが、地元の人々の交通マナーは極めて悪いので、こちら側が交通
規則に忠実に運転していても事故を起こしかねない場合もあります。従って、自動車の運
転は運転手に任せ、自分ではしない方がよいでしょう。自分の乗っている車が事故に遭っ
たら、追突などの二次的事故が起こらないよう安全の確保を第一とし、その上で現場の保
全を図るようにしてください。
軽微な接触事故程度の被害であれば、血相を変えたり、相手を非難したりせず、無用な
トラブルを起こさないようにすることに留意し、相手との折衝は運転手に行わせ、直接加
害者(被害者)との接触は避けることが賢明です。
交通事故が発生すると、現場に居合わせた野次馬が加害者を袋だたきにするケースが少
なくありません。
自動車を運転していて不幸にも人をはねたり轢いたりしてしまった場合、
険悪な雰囲気が感じられるようであれば、当国では日本とは事情が異なり、まずは身の安
全を第一とし直ちに現場を離れ、最寄りの警察に出頭してから警察官を通じ対処する方が
よいとされています。
また、
警察官が現場検証した後で報告書に署名を求められた場合は、
内容をよく確認してからサインすることが大事です。
5.爆弾テロ等に対する安全対策
近年、世界各地で爆弾テロが頻発しており、インドネシアでも大規模な爆弾テロ事件が
バリ島やジャカルタで発生しています。マカッサル市内においても、2012 年 11 月に州知
事の演説会に爆弾が投げ込まれる事件が発生しました(不発に終わる)。この他にも地方
都市において爆弾事件が多数発生しており、日系企業や在留邦人あるいは日本人旅行者が
巻き添えとなる可能性は否定できません。また、テロの容疑で逮捕されたテロリストが刑
期を終え出所していますので、日頃から次のことを心がけておくようにしましょう。
(1)ショッピング・モール、ディスコ、カフェ、ホテル(特に欧米系列のホテル)、宗
教施設、欧米権益など多数の人が集まる場所やテロの標的となるような施設にはでき
る限り近づかない。
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(2)外出の際には周囲の状況に注意を払う。
(3)爆弾テロなど最新の治安関連情報の入手に努め、正確な情報をフォローする。
(4)テロ等不測の事態が発生した場合の対応策を再点検し、状況に応じて適切な安全措
置を講じられるよう心がける。
(5)緊急時の連絡方法を再確認し、日頃から携帯電話の電源を充電しておく。
(6)戸外で爆弾事件に遭遇した場合には、第一の爆発をおとりにして第二の爆発が起こ
る可能性もあるので、周囲の状況をよく見極めながら速やかに現場から遠ざかる。
(7)爆弾テロが発生した場合、二次災害を避けるため事件発生の際、現場見物などは慎
む。
(8)シリアではイスラム国を名乗るテロ集団による日本人殺害予告が発生しています。
当地でもテロ集団によるテロに巻き込まれる可能性もあることを意識する。
6.緊急連絡先
(注)日本から国際電話をかける場合、インドネシアの国番号は 62 です。
○在マカッサル領事事務所 (開館時間:月曜‐金曜
8:00‐12:00 13:00‐16:45)
住所:Jl. Jenderal Sudirman No.31, Makassar, Indonesia
電話: (0411) 871030
FAX : (0411) 853946
http://www.surabaya.id.emb-japan.go.jp/j/makassar/index.html(日本語ホームペ
ージ)
(注:3月23日より下記住所に移転。電話番号には変更なし。)
新住所:Gedung Wisma Kalla Lantai 7, FL705 JL. Dr. Sam Ratulangi No.8-10 Makassar
Indonesia
○在インドネシア日本国大使館
住所:Jl. M. H. Thamrin No.24, Jakarta, Indonesia
電話: (021) 31925460
FAX : (021) 3157156
http://www.id.emb-japan.go.jp/index_jp.html(日本語ホームページ)
○在スラバヤ日本国総領事館
住所:Jl. Sumatera No.93, Surabaya, Indonesia
電話: (031) 5030008
FAX : (031) 5030037
http://www.surabaya.id.emb-japan.go.jp/j/(日本語ホームページ)
○在デンパサール日本国総領事館
住所:Jl. Raya Puputan, No.170, Renon, Denpasar, Bali, Indonesia
電話: (0361) 227628
FAX : (0361) 265066
http://www.denpasar.id.emb-japan.go.jp/index_jp.html(日本語ホームページ)
○在メダン日本国総領事館
住所:Wisma BII 5F, Jl. P. Diponegoro No.18, Medan, North Sumatra, Indonesia
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電話: (061) 4575193
FAX : (061) 4574560
http://www.medan.id.emb-japan.go.jp/j/(日本語ホームページ)
○外務省
電話:(代表)03-3580-3311
領事局海外邦人安全課(テロに関する問い合わせを除く)
領事局邦人テロ対策室(テロに関する問い合わせ)
海外安全相談センター(国別安全情報等)
海外安全ホームページ: http://www.mofa.go.jp/anzen/
○NHKに関する情報は、NHKのホームページで入手できます。
http://www.nhk.or.jp/nhkworld/japanese/radioguide_j.html
○警 察
当国で警察に緊急電話をかける場合には、日本の110番のような番号ではなく、最寄
りの警察署にかける必要があります。インドネシア警察の管轄区域は、州・市または県・
郡レベルに概ね区分されており、Polisi Daerah (Propinsi、州レベル)、 Polisi Resort
Kota Besar(市レベル、東部インドネシアではマカッサルとマナドの大都市のみ)、Polisi
Resort(Kabupaten、県レベル)、Polisi Sektor(Kecamatan、郡レベル)となっています。
以下は、主な Polisi Resort Kota Besar(マカッサル及びマナド)、Polisi Resort(県
レベル)の警察署の電話番号です。
南スラウェシ州マカッサル 市警察 (0411)316666
東部地区(0411)423183 西部地区(0411)335935
南東スラウェシ州クンダリ
(0401)396526/7
中部スラウェシ州パル
(0451)481215
北スラウェシ州マナド
市警察 (0431)855110
北部地区(0431)852591 南部地区(0431)852233
ゴロンタロ州ゴロンタロ
(0435)821110
マルク州アンボン
(0911)341825
北マルク州テルナテ
(0921)21110
パプア ジャヤプラ
(0967)534161
ソロン
(0951)321929
○病院
北スラウェシ州 Malalayang 病院, Jl.Raya Manado Tanahwangko, Manado
tel:0431-838203/838305
ゴロンタロ州
Prof.Dr.H.Aloe Saboe 病院, Jl.Taman.Pendidikan, Gorontalo
tel:0435-8212128/822753
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中スラウェシ州 Undata 病院, Jl.Suharso No.14, Palu
tel:0451-421270
南スラウェシ州 Siloam 病院, Jl.Metro Tanjung Bunga Kav59
tel:0411-8117555/8117477
Dr.Wahidin Sudirohusodo 病院, Jl.Perintis Kemerdekaan Km11,
Makassar
tel:0411-584677
Andi Makasau 病院, Jl.Nurussamawaty, ParePare
tel:0421-21823/22237
南東スラウェシ州 Kendari 病院, Jl.Rumah Sakit Umum, Kendari
tel:0401-3121733/3121432
マルク州
M.Haulussy 病院, Jl.Dr.Kayodo, Ambon
tel:0911-351118/344871
北マルク州
Ternate 病院, Jl.Kesehatan, Teranate
tel:0921-3121281
パプア
Jayapura 病院, Jl.Kesehatan No.1, Dok.Ⅱ, Jayapura
tel:0967-533616/533516
○簡単な緊急時の表現
助けて! TOLONG(トローン)
泥棒
PENCURI(プンチュリ)
強盗
PERAMPOK(プランポック)
火事
KEBAKARAN(クバカラン)
暴動
KERUSUHAN(クルスハン)、HURU-HARA(フルハラ)
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Ⅱ. 在留邦人緊急事態対処マニュアル
インドネシアでの滞在中には、暴動、自然災害、事故などの緊急事態が発生した際には、
当事務所としてもその対応に当たりますが、各自が責任を持って自己の安全対策に万全を
期するように努力することが必要です。そこで当事務所では、そのような時に在留邦人の
方に的確、迅速に対応できるよう以下のとおり平素の心構えと必要な準備、緊急時の行動
について必要な諸点をまとめてみました。
1.平素の心構えと準備
(1)緊急連絡体制の整備
(イ)在留邦人の方は在留届の提出を励行してください。また、記載事項に変更(特に
住所及び連絡先)が生じた場合及び帰国の際にもその旨を連絡してください。
(ロ)緊急事態はいつ起こるかわかりません。緊急事態発生に備え、家族間、企業内で
の緊急連絡方法につき予め決めておいてください。また、お互いの所在を平素より
明確にするようにしてください。個人で在留されている方につきましては、事情が
許す限り、近くにお住まいの在留邦人との連絡を密にするようにしてください。
(ニ)緊急事態発生の際には、当事務所の電子メールやファックス網を通じて情報提供
を行います。また、当地のテレビやラジオ放送、NHKの海外向けテレビや短波ラ
ジオ放送などから情報を入手できるよう(電池の準備をお忘れなく)備えておきま
しょう。
(2)緊急時避難先
緊急事態によっては、当事務所より他の緊急避難先への集結を指示することがありま
す。緊急避難先は状況にもよりますが、第一には在マカッサル領事事務所(スディルマ
ン通り31番地)が想定されます。
尚、その他緊急避難先は以下の通り(別途、連絡いたします)。
①インペリアル アルヤドゥタ ホテル
住所:Jl.Somba Opu297 Makassar Tel:0411-870555
②クラリオン ホテル
住所:Jl.AP Pettarani No.8 Makassar Tel:0411-833888
(3)緊急事態における携行品等、非常用物資の準備
(イ)旅券、現金、貴金属など最低限必要なものは、直ちに持ち出せるようにして保管
しておきましょう。
(ロ)緊急事態発生時には、何日間にも渡って外出できなくなったり、商店が閉まった
ままとなることがありますので、食料、医薬品、燃料等を最低限は備蓄しておき、
また、自動車のガソリンは日頃から一定量以上を給油しておきましょう
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2.緊急時の行動
(1)心構え
緊急事態の発生、または発生するおそれのある場合には、当事務所は邦人保護に万全を
期すため情報収集を行い、当館の在留邦人向け電子メール・ファックス網を通じて随時情
報を提供します。平静を保ち、流言飛語に惑わされたり、群集心理に巻き込まれたりする
ことのないよう注意してください。
(2)当事務所への通報など
(イ)現場の状況のうち通報する必要があると認めたものは、随時、当事務所に通報し
てください。その他の在留邦人の方への貴重な情報となります。
(ロ)自分や家族または他の邦人の生命・身体・財産に危害が及ぶか、またはそのおそ
れがあるときは、迅速かつ具体的にその状況を当事務所に連絡してください。
(ハ)緊急事態発生の際には、お互いに助け合って対応に当たることも必要になります。
そのため、当事務所より在留邦人の方々に種々の協力をお願いすることもありま す
ので御協力ください。
(3)国外あるいは安全な域外への退避
(イ)事態が悪化し、各自または派遣先の会社などの判断により、あるいは当館の指示
により自発的に帰国、第三国あるいは安全な域外へ退避する場合、その旨を当事務
所へ通報してください(当事務所への通報が困難な場合は、日本の外務省領事局海
外邦人安全課に通報するようお願いします。)
(ロ)海外危険情報「退避を勧告します」が発出された場合には、一般商業便が運航し
ている間に、それを利用して可能な限り早急に国外あるいは安全な域外へ退避して
ください。なお、一般商業便の運航が停止した場合、あるいは座席の確保が著しく
困難となった場合等にはチャーター便(利用に当たっては通常は片道エコノミー正
規料金の支払いが必要となります)や、状況によっては、陸路、海上のルートを利
用して退避することが必要となってくることもあり得ますので、当事務所の指示に
従うようにしてください。
3.緊急事態に備えてのチェックリスト
(1)旅券、現金、クレジット・カード、預金通帳、貴重品
これらの物は、直ぐに持ち出せるよう保管しておきましょう。現金は、家族全員が最低
10日間程度は生活できる米ドル及び当座の必要のためのルピア貨を用意しておきましょ
う。なお、出国する際の出国税及び空港使用料の用意も必要です。
当国における外国人登録証明書(SKLD)、滞在許可証等(KITAS)も常時携行
するようにしましょう。 旅券や出国・再入国許可の有効期限にも日頃から注意しておき
ましょう
(2)自動車
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(イ)自動車は常時整備しておくよう心がける。
(ロ)燃料は常時補給しておくようにする。
(ハ)車内には、懐中電灯・地図を備えておく。
(ニ)自動車を持っていない場合、近くに住む自動車を持っている人と平素から連絡を
取り、必要な場合に同乗できるよう相談しておく。
(3)携行品
避難場所への移動を必要とする事態に備え、上記に加え、次の携行品を備えておき、直
ぐに持ち出せるようにしておくとよいでしょう。
(イ)衣類、着替え(長袖、長ズボンが賢明。行動に便利で人目を引くような華美な物
でないもの、麻、綿等吸湿性、耐暑性に富む素材が望ましい。)
(ロ)履物(行動に便利で靴底の厚い頑丈なもの)
(ハ)洗顔用具(タオル、歯磨きセット、石鹸など)
(ニ)非常用食糧等
しばらく自宅待機をする場合も想定して、米、調味料、缶詰類、インスタント食品、
粉ミルク等の保存食及びミネラル・ウォーターを家族全員で10日間程度生活できる
量を準備しておく。
(ホ)医薬品等
家族用常備薬のほか、常備薬、外傷薬、消毒用石鹸、衛生綿、包帯、絆創膏。
(へ)ラジオ
NHK海外放送(ラジオジャパン)、BBC、VOA等の短波放送が受信できる電
池仕様のラジオ(電池の予備も忘れずに)。
(ト)その他
ライター、マッチ、蝋燭、ナイフ、缶切り、栓抜き、紙製の食器、割り箸、固形燃
料、簡単な炊事用具、可能ならヘルメット、防災頭巾(応急には椅子クッション)。
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