報 道 資 料 カラハリスイカ活用のフェイスマスクを開発

報 道 資 料
発表日:平成23年12月1日
所 属:(財)奈良県中小企業支援センター
新事業支援課 新事業支援係(前原・山田)
電 話:0742-36-8313
E-mail:[email protected]
カラハリスイカ活用のフェイスマスクを開発
(財)奈良県中小企業支援センターは、中小企業の新規事業創出支援策の一つとして、BtoBビ
ジネスマッチングを県内外に広く推進しています。この度、県内2企業の独自技術の融合をプロモー
ションし、カラハリスイカを活用したフェイスマスクの開発を実現しました。
(国)奈良先端科学技術大学院大学発のベンチャー企業である(株)植物ハイテック研究所は、同
大学の遺伝子技術研究で創出した“カラハリスイカエキスの美容・健康活用技術・ノウハウ”を持ち、
県内農家で栽培したカラハリスイカを原料として、健康食品・美容商品等の事業化を推進中です。
一方、(株)ジェムインターナショナルは、親会社である日本電子精機(株)の製造する印刷部材の
グローバル販売を進めると共に、樹脂フィルムに親水性ジェル材料を接合する独自技術を核にした
“肌ケア用フェイスマスク技術”を保有しています。
(財)奈良県中小企業支援センターでは、両社の独自技術、即ち、①カラハリスイカエキスの美
容・健康活用技術と、②樹脂フィルム型親水性ジェルフェイスマスク技術とを融合し、両社の協業に
よる奈良県発の新規事業創出をプロモーションし、カラハリスイカを活用したフェイスマスクの開発
に成功しました。開発商品は優れた保湿作用と美白作用があり、全顔タイプと目元タイプの 2 種類
があります。今後は、その商品化に向け、実用化検討を加速し奈良県発の新規事業立上げを図り
ます。
(株)植物ハイテック研究所は、(株)ジェムインターナショナルとの協業により開発したカラハリスイ
カを活用したフェイスマスクの試作品を、「<ナント>農商工ビジネスフェア2011(12月7日・マイドー
ムおおさかで開催)」に出展し、広くユーザへの訴求を行うと共に、関連企業や機関と連携しながら、
さらなるビジネスマッチングを進め、その実用化と新規事業としての立上げを加速します。
出展ブース:B-65(健康環境関連)
全顔タイプ
目元タイプ
<製造元>
株式会社ジェムインターナショナル 代表取締役 丸野正徳
住所:奈良県葛城市兵家148
TEL:0745-48-0015 / FAX:0745-48-5208
<販売元>
株式会社植物ハイテック研究所 代表取締役社長 西永正博
住所:奈良県生駒市高山町8916-12(高山サイエンスプラザ内)
TEL:0743-72-5850 / FAX:0743-72-5851
カラハリスイカ
参考資料①
カラハリスイカとその健康・美容効果について
■カラハリスイカとは
アフリカ南部のカラハリ砂漠で育つ野生種のスイカ。ほとん
ど水が無い乾燥した砂漠地帯でも、たくましく育っています。
また、現地では、乾燥と強い紫外線を浴び続ける過酷な環
境において、人々の喉をうるおし、肌をいたわる身近な存在とし
て重宝されてきました。
(国)奈良先端科学技術大学院大学では、その強い生命力
と潤す力に着目。世界で初めて、そのメカニズムを解明するこ
とに成功しました。過酷な環境でもみずみずしさを保ち青々と
しているのは、環境ストレスに強い遺伝子の存在によるもので
す。
今話題の「シトルリン」が天然の状態で含まれるほか、その
働きを加速させる物質の存在が確認されています。それらの
有効性は、合成シトルリンの約10倍に相当します。
カラハリ砂漠(ボツワナ共和国)
モニター試薬・サルチル酸の酸化抑制率
※シトルリンとは
シトルリンはアミノ酸の一種で、1930 年に日本でスイカから発見されました。シトルリンという名
前はスイカの学名Citrullus vulgaris( シトルラス ブルガリス) から名づけられたものです。
日本では2007 年よりサプリメントなどの食品素材として新たに使用が認められた成分ですが、
海外では以前からすでに使用されており、米国ではスポーツサプリメントなどとして、欧州では
疲労回復用途のOTC 薬(一般用医薬品)として20 年以上も前から流通しています。
■有効成分
カラハリスイカは、シトルリンを始めとし、アルギニン、グルタミン酸、グルタミン、プロリン、アラ
ニン、グリシン、セリン、アスパラギン酸など有効成分を含有しています。また、シトルリンを効率
的に働かせる寄与成分の存在も確認されています。これは、化学合成のシトルリンでは成立しな
い天然由来ならでは組成と言えます。カラハリスイカは、乾燥ストレス度が高まるほど、有効成分
が増加する性質を持っています。収穫に際しては、蓄積された栽培データを元に有効成分が最
大になる頃を見計らい、収穫基準に則って収穫を行います。
■効果・作用および期待される用途
・抗酸化作用(活性酸素除去作用)・・・・・ 健康維持、美容・美肌 など
・血管拡張および血流改善作用・・・・・ 冷え症解消、筋肉増強、精力増強 など
・アンモニア解毒作用・・・・・ 疲労回復、肝機能改善 など
■活性酸素抑制
お肌の大敵紫外線は、シミ・しわの原因となる活性酸素の働きを活発にします。カラハリスイカ
の抗酸化作用は活性酸素の働きを抑制する作用に優れており、特に毒性の高いヒドロキシルラ
ジカルに対して有効であるとされています。この働きには、化学合成のシトルリンと比較して約10
倍の除去作用があるという研究結果が出ています。
■美容・美肌の凝縮エキス
カラハリスイカにはシトルリンほか、女性に嬉しい美容・美肌成分が豊かに含まれています。
中でも美容ニーズとして高い、美白・保湿作用が非常に高いことが確認されており、その有効成
分はシトルリンをはじめ、シトルリンを効率的に働かせる寄与成分と、その他の美容に有効な成
分で構成されていることが解明されています。このことは、乾燥と強い紫外線を浴び続ける過酷
な環境においても、カラハリスイカが朽ちることなくたくましく育っているという事実が証明しており、
その働きは、お肌の損傷を招く活性酸素の対抗性にも置き換えることができます。
■奈良県でのカラハリスイカ栽培
「カラハリスイカを原料とした新健康食品の開発・製造・販売」事業が、2008 年度農商工連携事
業に認定され、カラハリスイカの県内栽培が始まりました。(株)植物ハイテック研究所がカラハリ
スイカの種子を提供し、JAならけんが育苗、御所市の秋津集落営農組合が栽培しています。今
後、県内の遊休農地活用に期待されています。
参考資料②
(国)奈良先端科学技術大学院大学による遺伝子技術のポテンシャルについて
■(国)奈良先端科学技術大学院大学は学部を置かない国立の大学院大学として、最先端の研究
を推進するとともに、その成果に基づく高度な教育により人材を養成し、もって科学技術の進
歩と社会の発展に寄与することを目的としています。平成 21 年度に文部科学省が実施した第一
期中期目標・計画期間に係る業務の実績に係る評価では、本学の研究・教育水準は 86 国立大学
法人中 No.1 の評価を受けました。
■バイオサイエンス研究は、21 世紀 COE 拠点、グローバル COE 拠点として日本で最高の生物学
教育研究を実施しています。この過程で、この 100 年来世界が渇望していた「知」や「技」を見事に
創出してきました。例えば、花成ホルモン・フロリゲンや iPS 細胞誘導遺伝子の発見は、世紀の大
発見としてマスメディアでも大きく紹介されました。
■現在、バイオサイエンスは3つの領域で教育と研究が進められています。
植物科学領域は、植物細胞・個体が有する様々な生命機能の解明を目指す基礎研究から生
産性増強、環境耐性増強など環境・資源・エネルギー・食糧問題等の解決に向けた応用研究ま
で、持続的発展が可能な社会の実現を目指した先端的な教育研究を行っています。
メディカル生物学領域は、動物細胞・個体が有する様々な生命機能の基礎研究から神経疾患、
代謝疾患、ガンなど様々な疾患原因の解明による出口を見据えた応用研究まで、健康社会の実
現を目的とした先端的な教育研究を行っています。
統合システム生物学領域は、生命現象をシステムとして捉え、細胞生物学及び分子生物学を
基盤とする実験的アプローチとシステム科学的アプローチの両面から追求する先端的な教育研
究を行っています。また、従来のバイオサイエンス研究に、情報技術やナノ技術などの新しい手
法・視点を導入し、革新的な新たな科学・技術の創造を目指しています。
■カラハリスイカについての研究~過酷な砂漠に耐える植物の謎に迫る~
アフリカ南部に広がるカラハリ砂漠には、強い光・乾燥・高温ストレスといった過酷なスト
レス環境に晒されているにもかかわらず、多数の自生植物が繁茂しています。本大学では、同
砂漠に自生する野生種スイカに注目し、いかにして野生種スイカがこれらのストレス耐性を獲
得しているかを分子生物学的手法を用いて解析しました。
その結果、野生種スイカは乾燥強光に伴って遊離アミノ酸シトルリンを高蓄積すること、そ
れぞれの葉においてCO2固定酵素RuBisCOの減少に伴いシトルリンを高蓄積すること、さらには、
シトルリン代謝を担う酵素の活性変化を解析することにより、他植物には見られないストレス
時におけるシトルリン分解酵素活性の抑制現象を明らかにしました。
本技術及び研究成果は、シトルリンを活かした化粧品・医薬品・機能性食品の事業化だけで
なく、熱帯性砂漠の激しい強光・乾燥・高温ストレスに耐えうる穀物育種技術への応用にも熱
く期待されています。
参考資料③
(財)奈良県中小企業支援センターによるビジネスマッチングの取り組みについて
当支援センターでは、新事業の創出を目指し、ものづくり企業の商品力・販売力を高めるため、中
小企業が保有する優秀な技術を基に企業と企業とを結びつけるBtoBマッチングを推進していま
す。
県内企業の技術課題やニーズを掘り起こし、研究開発から、技術マッチング、さらには取引のため
の基本的なシステム(品質保証、契約等)の構築まで一貫した支援を行っています。
具体的な活動は次のとおりです。
○コーディネート活動の推進
・県内企業の新商品・新規事業開発を中心に、研究開発から事業化まで『開発・製造・販売』の
各事業フェーズの課題解決を支援
・県内他企業や研究機関等との連携関係構築をコーディネートし、県内企業の経営課題解決を
支援
○広域的BtoBマッチングの推進
・近畿圏を中心に、で産業支援機関及び大学等研究機関のコーディネータとの連携により、他
府県に跨るビジネスマッチングの推進
・ホームページを活用した国内外マッチング
○展示商談会への参画
・中小企業総合展(幕張・大阪)、関西機械要素技術展(大阪)等での県内企業のビジネスマッ
チングをコーディネート
・その他支援機関等が開催する展示会等での県内企業のビジネスマッチングをコーディネート
○なら発オンリーワン企業の認定
・全国トップレベルの優秀な技術を持つ企業を発掘して『なら発オンリーワン企業』として認定し、
ビジネスマッチングによる新規事業開発を加速推進