12 シンガポールの会社法 シンガポールの会社秘書役 - J

シンガポールの会社法
シンガポールの会社秘書役
COMPANY SECRETARY カンパニーセクレタリー
1
員数
会社秘書役は会社の事務処理全般を担当する重要な職責で、会社法のみな
らず、会社と秘書役の間で締結される契約に従って会社の運営が円滑になる
ように機能することを課せられます。したがって、会社に常駐することを会
社法は予定していましたが、非公開会社については直ちに連絡ができる状況
にあれば常駐の必要はないとしています。
シンガポールにおけるすべての会社は 1 名以上の会社秘書役を任命すべき
で、このうち 1 名は必ず居住者で自然人でなければなりません。(171 条)
なお、居住者は国籍や永住権とはリンクしておりませんので、1 年以上の滞
在を目的に長期滞在ビザを給付されている日本人も居住会社秘書役になるこ
とができます。
取締役が会社秘書役を兼務することは出来ますが、取締役が 1 名のみの場
合、兼務は許されません。
2
資格
業務の性質上、会社法に精通していることが求められます。
特に作成保管すべき書類や登記事項についての知識と経験が求められま
す。非公開会社では取締役が会社秘書役となる人物の評価を行えば足ります
が、公開会社については制度的な要求から、会社法 171 条1AA に規定する
ような専門家としての要件を備えた者を会社秘書役として任命すべきとされ
ています。
3
任期
会社法では会社秘書役の任期の規定がないので定款で定めることなり、任
期の定めを規定に入れない定款も可能です。その場合、任期の定めはないも
のとなります。
4
選任と解任
取締役会の決議により決定します。
5
辞任
辞任はいつでも可能ですが、辞任により会社秘書役が 1 名もいなくなる場
合や、居住会社秘書役がいなくなる場合には辞任することはできません。
また、会社秘書役の不在期間は 6 か月を超えることは出来ません。(171
条第 4 項)
本文書は最新の関連法規等に基づいてシンガポールの現地法人に関する情報
記載されておりますが、概要を示しているもので、具体的問題解決には本文
の内容にかかわらず専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。
2015 年 5 月末作成
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