乗車用ヘルメットの検査マニュアルを改正しました。

一般財団法人製品安全協会発表資料
乗車用ヘルメットの検査マニュアルを改正致しました
2014年12月24日
一般財団法人製品安全協会
日頃より当協会の事業にご理解・ご協力賜りまして誠にありがとうございます。
さて、下記趣旨により2015年1月5日付で乗車用ヘルメットの検査マニュアルを改正し、適用
を開始することと致しますのでお知らせ致します。
本件について、ご不明な点などございましたら末記担当者までお尋ねください。
記
1.改正の趣旨
現在、市場に出回っている原付用の乗車用ヘルメットにはひさしと帽体が一体となったものがあ
るが、保護範囲及び視野試験等の際に必ずしも帽体の定義が明確になっていなかったため、今回の
改正により帽体の定義の明確化を図った。
また、同時に用語を最新の SG 基準に整合(「認定基準」→「基準」など)させるなどの一部見
直しも行った。
2.改正内容
別紙新旧対照表をご覧ください。なお、赤字の箇所が前項前段の改正箇所です。
以上
【本件に関するお問い合わせ】
一般財団法人製品安全協会
〒110-0012 東京都台東区竜泉2-20-2 ミサワホームズ三ノ輪
電話:03-5808-3302 業務グループ 松田(利)、畠
FAX:03-5808-3305 E-Mail [email protected]
別紙
乗車用ヘルメット 検査マニュアル対照表
改正後(2015.1.5~)
現行(~2015.1.4)
乗車用ヘルメットの検査マニュアル
乗車用ヘルメットの検査マニュアル
一般財団法人
製品安全協会
財団法人
製品安全協会
初版 1982 年 4 月 1 日
初版 1982 年 4 月 1 日
改正 2004 年 6 月 25 日
改正 2004 年 6 月 25 日
改正 2006 年 12 月 20 日
改正 2006 年 12 月 20 日
改正 2009 年 4 月 17 日
改正 2009 年 4 月 17 日
改正 2010 年 5 月 12 日
改正 2010 年 5 月 12 日
改正 2015 年 1 月 5 日
Ⅰ
目的
この検査マニュアルは、
「乗車用ヘルメットの SG 基準」に基づい
2009 年 12 月 15 日に経済産業省において開催された消費経済審
た検査を適切に行えるように定めたものであり、疑義が生じたとき
議会製品安全部会において当該技術上の基準改正の審議開始が承認
には当該関係者、一般財団法人製品安全協会、業務委託検査機関ま
され、2 月 4 日付けで技術上の基準改正案に対応する解釈案が公表
たは必要に応じて専門部会の委員等の関係者によって検討するもの
され、それへの意見募集が 3 月 5 日期限でなされ、寄せられた意見
とする。
に基づき経済産業省内で調整がされた。
以下、各項目に分けて検査マニュアルを定める。
これを受けて、消費生活用製品安全法に基づく「乗車用ヘルメット
の技術上の基準」及び「解釈」がこの度改正されることとなった。
本検査マニュアルは、乗車用ヘルメットの認定基準及び基準確認
方法の各項目の解釈及び試験方法(財団法人製品安全協会改正・21
p. 1
安全業G第 149 号 2010 年 3 月 8 日)の詳細を定めることを目的
としている。
今回の改正は、JIS T 8133:2007 乗車用ヘルメットに対応する内容
となっており、また国際連合欧州経済委員会規格(ECE:Economic
Commission for Europe)R22/05 を部分的に引用する内容となって
いる。
安全性品質について
Ⅱ
検査マニュアル
2.基準確認方法
2.基準確認方法
サイズが 54 cm 未満のヘルメットにあっては、使用する人頭模型
サイズが 54 cm 未満のヘルメットにあっては、使用する人頭模型
は A とし、このときの下方向の視野角度は 30°以上であるものと
は A* とし、このときの下方向の視野角度は 30°以上であるものと
する。
する。
*
*ECE 規則等では、JIS T 8133:2007 で使用している A(50 cm)
*ECE 規則等では、JIS T 8133:2007 で使用している A(50 cm)
と E(54 cm)の間に C(52cm)のものが指定されているが、JIS で
と E(54 cm)の間に C(52cm)のものが指定されているが、JIS で
は指定していないため、サイズ 54 cm 未満の検査を一律Aで行うこ
は指定していないため、サイズ 54 cm 未満の検査を一律Aで行うこ
ととしている。
ととしている。
2.
(1)② 基準確認方法
2.(1)② 基準確認方法
ここでいう「スリークォーターズ形」とは、JIS T 8133:2007 の表
ここでいう「スリークォーターズ形」とは、JIS T 8133:2007 の表
1に示される区分の第1種、すなわち原付等用ヘルメットに区分さ
1に示される区分の第1種、すなわち原付等用ヘルメットに区分さ
れるものとする。
れるものとする。
2.
(3)② 基準確認方法
2.(3)② 基準確認方法
p. 2
a) ECE 規則第 22 号 7.4 突出物の表面摩擦の試験(以下「表面
a) ECE 規則第 22 号 7.4 突出物の表面摩擦の試験(以下「表面
摩擦試験」という。
)による確認は、協会が認める試験機関による試
摩擦試験」という。
)による確認は、協会が認める試験機関による試
験成績書によってもよいものとする。なおその書類が英語以外の場
験成績書によってもよいものとする。なおその書類が英語以外の場
合は、申請者の費用負担で協会が和訳を行い、内容が確認されるも
合は、申請者の費用負担で協会が和訳を行い、内容が確認されるも
のでなければならないものとする。
のでなければならないものとする。
b) ECE 規則の試験による確認は、原則として完成品状態で試験
でおこなうものとする。
b) ECE 規則の試験による確認は、原則として完成品状態で試験
でおこなうものとする。
2.
(4)基準
a) 「衝撃吸収ライナが覆っていること」とは、JIS 6.2b)(ただ
(追加)
し、原付等用ヘルメットにあっては JIS 6.2a)
)の保護範囲のいかな
る面も外観上衝撃吸収ライナが隠した状態をいう。
b) この項でいう「帽体」とは、一体式のひさしを有するものにあ
っては人頭模型表面から正面に 80mm 未満の範囲までをいい、それ
を超えた範囲は「ひさし」とする。
2.
(5)基準
a)
「スナップその他の突出物」については、原則、帽体の外表
2.(5)認定基準
e)
「スナップその他の突出物」については、原則、帽体の外表
面から測定するものとする(図1参照)
。ただし、あごガード
面から測定するものとする(図1参照)
。ただし、あごガード
又はシールド固定用のねじ類については、あごガード又はシ
又はシールド固定用のねじ類については、あごガード又はシ
ールドの回転駆動部等を覆う滑らかなカバーを有する場合
ールドの回転駆動部等を覆う滑らかなカバーを有する場合
は、そのカバー表面からの突出高さを測定するものとする。
は、そのカバー表面からの突出高さを測定するものとする。
p. 3
(図は略)
b)
(図は略)
図2のようにシールドなどの固定のために、ねじ類の固定箇
f)
所が凹の底になっている場合は、帽体の外側の頂部表面から
所が凹の底になっている場合は、帽体の外側の頂部表面から
高さを計測するものとする。なお、図3のように、凹部の周
高さを計測するものとする。なお、図3のように、凹部の周
辺が均一な深さとなっていない場合は、突出が最も高くなる
辺が均一な深さとなっていない場合は、突出が最も高くなる
部分での突出を計測するものとする。
部分での突出を計測するものとする。
(図は略)
c)
(図は略)
図4のように、あごガードやシールド固定箇所が滑らかなカ
バー等の部品で覆われ
d)
図2のようにシールドなどの固定のために、ねじ類の固定箇
g)
ている場合は、その外表面から計
図4のように、あごガードやシールド固定箇所が滑らかなカ
バー等の部品で覆われ
ている場合は、その外表面から計
測するものとする。なお、帽体表面にカバー等を取り付けて
測するものとする。なお、帽体表面にカバー等を取り付けて
いる構造の場合、そのカバー部表面が曲率半径 75 mm 未満
いる構造の場合、そのカバー部表面が曲率半径 75 mm 未満
の凸構造である疑義が生じた場合は、2.
(1)に示す表面摩
の凸構造である疑義が生じた場合は、2.
(1)に示す表面摩
擦試験による確認を行うものとする。
擦試験による確認を行うものとする。
上記の高さは、いずれも 5 mm 以下とする。また、帽体外表
h)
上記の高さは、いずれも 5 mm 以下とする。また、帽体外表
面から突出しているねじ類の表面は曲率半径 1 mm 以上の面
面から突出しているねじ類の表面は曲率半径 1 mm 以上の面
取りがなされているものとする。
取りがなされているものとする。
2.
(5)基準確認方法
2.(5)基準確認方法
「突出物のうち容易に外れるもの」とは、両面テープ、接着剤、ブラ
「突出物のうち容易に外れるもの」とは、両面テープ、接着剤、ブラ
p. 4
ネジ等で固定されているものをいう。
ネジ等で固定されているものをいう。
2.
(7)基準
2.(7)認定基準
「上下視野についても十分であること」とは、乗車用ヘルメット JIS
「上下視野についても十分であること」とは、乗車用ヘルメット JIS
T 8133:2007 の 5.5 b)および C)で定める角度以上とする。ただし、 T 8133:2007 の 5.5 b)および C)で定める角度以上とする。ただし、
上記「2.基準確認方法」に記載されるヘルメットにあっては、それ
上記「2.基準確認方法」に記載されるヘルメットにあっては、それ
を認めるものとする。
を認めるものとする。
2.
(7)基準確認方法
2.(7)基準確認方法
a)
周辺視野試験時にヘルメットを装着する人頭模型にあって
a)
周辺視野試験時にヘルメットを装着する人頭模型にあって
は、申請者が申告したサイズでは複数の人頭模型が該当する場合、
は、申請者が申告したサイズでは複数の人頭模型が該当する場合、
当該試験は原則としてより小さい方の人頭模型で検査するものとす
当該試験は原則としてより小さい方の人頭模型で検査するものとす
る。
る。
b) 周辺視野は、
ヘルメットを人頭模型に装着し、
幅 62mm±1mm
b) 周辺視野は、
ヘルメットを人頭模型に装着し、
幅 62mm±1mm
の視野ゲージなどを用いて確認するものとする。
の視野ゲージなどを用いて確認するものとする。
3.
(2)
(3)
(4)基準確認方法
3.(2)(3)
(4)基準確認方法
a) 経年劣化による影響については、疑義が生じた際に証明書の提
g) 経年劣化による影響については、疑義が生じた際に証明書の提
出を求めて確認するものとする。
出を求めて確認するものとする。
b) 汗試験によって、人工汗液により膨潤、軟化した場合であって
h) 汗試験によって、人工汗液により膨潤、軟化した場合であって
も、
乾燥後もとの状態に復するものは変質したとはみなさない
も、乾燥後もとの状態に復するものは変質したとはみなさない
ものとする。
ものとする。
c) 白色ワセリンの塗布は十分すり込んで行うものとする。
i)
白色ワセリンの塗布は十分すり込んで行うものとする。
p. 5
d) 「ぜい化、膨潤、軟化等」の合否の判定については、試験しな
j)
い試料と比較して行うものとする。
であるかの
e) 「一般に皮膚障害を引き起こすと見なされる材料」
い試料と比較して行うものとする。
であるかの
k) 「一般に皮膚障害を引き起こすと見なされる材料」
確認は、以下の通りとする。
確認は、以下の通りとする。
① 対象は、あごひも、内装クッション、ヘッドクッション、
① 対象は、あごひも、内装クッション、ヘッドクッション、
耳クッションのように、着用者の皮膚に接する部位とす
耳クッションのように、着用者の皮膚に接する部位とす
る。
る。
② 皮膚障害を引き起こすと見なされる材料とは、有害物質を
② 皮膚障害を引き起こすと見なされる材料とは、有害物質を
含有する家庭用品の規制に関する法律に基づく昭和 49 年
含有する家庭用品の規制に関する法律に基づく昭和 49 年
厚生省令第 34 号別表第一(第1条関係)ホルムアルデヒ
厚生省令第 34 号別表第一(第1条関係)ホルムアルデヒ
ドの項に規定する基準
*
又は同等の基準に適合していな
ドの項に規定する基準
いものとする。
f)
「ぜい化、膨潤、軟化等」の合否の判定については、試験しな
*
又は同等の基準に適合していな
いものとする。
*繊維製品のうち、下着、寝衣、手袋及びくつした(出
*繊維製品のうち、下着、寝衣、手袋及びくつした(出
生後 24 月以内の乳幼児用のものを除く。)、たび並びに
生後 24 月以内の乳幼児用のものを除く。)、たび並びに
かつら、つけまつげ、つけひげ又はくつしたどめに使用
かつら、つけまつげ、つけひげ又はくつしたどめに使用
される接着剤に定める基準
される接着剤に定める基準
上記の確認は、材料メーカ、ヘルメット製造事業者等による試
験成績書などによってもよいものとする。
4.基準確認方法
「はかり」とは、2kg までを最小読取値 2.5g 以下で測定できるも
のとする。
l)
上記の確認は、材料メーカ、ヘルメット製造事業者等による試
験成績書などによってもよいものとする。
4.基準確認方法
「はかり」とは、2kg までを最小読取値 2.5g 以下で測定できるも
のとする。
p. 6
5.基準確認方法
a)
b)
衝撃吸収性試験の前処理としての溶剤前処理の規程である
d)
のとする。このような材料にあっては、必要に応じて溶剤前
のとする。このような材料にあっては、必要に応じて溶剤前
処理を行うものとする。
処理を行うものとする。
衝撃吸収性試験時に使用人頭模型にあっては、申請者が申告
f)
人頭模型が該当する場合、当該試
衝撃吸収性試験時に使用人頭模型にあっては、申請者が申告
したサイズでは複数の
人頭模型が該当する場合、当該試
験は原則としてより大きい方の人頭模型で検査するものと
験は原則としてより大きい方の人頭模型で検査するものと
する。
する。
「・・・JIS 7.4.1 c」 ヘルメットの位置決めの規定と相反す
g)
「・・・JIS 7.4.1 c」 ヘルメットの位置決めの規定と相反す
ることも認められる。
」とは、衝吸収性試験範囲内であれば、
ることも認められる。」とは、衝吸収性試験範囲内であれば、
どの箇所でも当該基準に適合することを確認することを意
どの箇所でも当該基準に適合することを確認することを意
図し、具体的には、頭頂部の構造や構成によっては、頭頂部
図し、具体的には、頭頂部の構造や構成によっては、頭頂部
を試験するために、ストライカへの位置決めを調整すること
を試験するために、ストライカへの位置決めを調整すること
があるとの意図である。
があるとの意図である。
衝撃吸収性試験は、前頭部、側頭部、後頭部、頭頂部に衝撃
h)
衝撃吸収性試験は、前頭部、側頭部、後頭部、頭頂部に衝撃
を加えて行い、数値が大きい2衝撃箇所のデータを、基準適
を加えて行い、数値が大きい2衝撃箇所のデータを、基準適
合判断のデータとする。
合判断のデータとする。
垂直伸び測定の、基準ゼロ点を定めるための予荷重の負荷時
7.基準確認方法
c)
間は、1分間とする。
b)
衝撃吸収性試験の前処理としての溶剤前処理の規程である
JIS T 8133:2007 の 7.3.1 a)にいう「材料」には塗装も含むも
7.基準確認方法
a)
e)
JIS T 8133:2007 の 7.3.1 a)にいう「材料」には塗装も含むも
したサイズでは複数の
c)
5.基準確認方法
試験は、協会が認める試験機関による試験成績書によっても
垂直伸び測定の、基準ゼロ点を定めるための予荷重の負荷時
間は、1分間とする。
d)
試験は、協会が認める試験機関による試験成績書によっても
p. 7
よいものとする。なおその書類が英語以外の場合は、申請者
よいものとする。なおその書類が英語以外の場合は、申請者
の費用負担で協会が和訳等を行い、内容が確認されるもので
の費用負担で協会が和訳等を行い、内容が確認されるもので
なければならない。
なければならない。
その他
その他
あごガード構造部が持ち上がるタイプのヘルメット(一般にフリ
あごガード構造部が持ち上がるタイプのヘルメット(一般にフリ
ップアップ形といわれる)にあっては、原則としてそれをオープン
ップアップ形といわれる)にあっては、原則としてそれをオープン
フェース形とみなすものとする。ただし、ECE R22/05 の 7.3.1 に示
フェース形とみなすものとする。ただし、ECE R22/05 の 7.3.1 に示
される衝撃試験で、あごを保護するためのあごガードと見なされる
される衝撃試験で、あごを保護するためのあごガードと見なされる
確認試験が行われているなどの場合は、その書類を添えて、フルフ
確認試験が行われているなどの場合は、その書類を添えて、フルフ
ェース形として申請することができるものとする。なおその書類が
ェース形として申請することができるものとする。なおその書類が
英語以外の場合は、申請者の費用負担で協会が和訳等を行い、内容
英語以外の場合は、申請者の費用負担で協会が和訳等を行い、内容
が確認されるものでなければならない。
が確認されるものでなければならない。
(削除)
Ⅲ
全体として
認定基準及び基準確認方法に基づいた試験を実施する際に、製品の
構造、強度等の項目の関係で疑義が生じた場合は、協会と業務委託
検査機関等とで協議して対処方法を決定するものとする。
附則:基準確認方法の5.衝撃吸収性において使用する人頭模型に
あっては、乗車用ヘルメット認定基準および基準確認方法(改正・21
安全業G第 149 号)の施行後6ヶ月の末日までの間、装着可能な範
囲で日本工業規格 T8133 (1994 年) 乗車用安全帽 図 6-1、図 6-2 又
p. 8
は図 6-3 に規定する衝撃吸収試験用人頭模型を使用してもよい。
この場合、検査時は「日本工業規格 T8133 (1994 年) 乗車用安全帽
に規定する人頭模型による試験」である旨を付記するものとする。
p. 9