都市ガス供給の責任を確実に果たすために 原料の調達先を

3
大阪ガス
グループの概要
特 集
エネルギー資源の確保
ノルウェー
2.9
カナダ
1.6
ロシア
43.3
イラン
29.6
中国
2.5
アメリカ
6.7
アルジェリア エジプト
4.5
2.1
2.2
185
ベネズエラ
4.8
兆m3
実現していきます。 ガス田の探鉱・開発に始まり、採掘・生産プロジェクト、生産
T O P I C
された天然ガスの液化、液化された天然ガスの貯蔵・海上
原料費調整制度について
輸送等、長いバリューチェーンでつながっています。
みとなっています。
る天然ガスプロジェクトへの参画や海外LNG基地の権益
また、昨年の急激かつ大幅なLNG価格の変動を契機として、原
大阪ガスとの長期購入契約締結国
(出典)BP「BP Statistical Review of World Energy June 2009」
取得、LNGを海上輸送するLNGタンカーの自社船団の
での天然ガスプロジェクトに参加するユニバースガスアンド
オイル社への出資から始まりました。その後、オーストラリア、
679
734
731
741
に参画しました。さらに、2008年には、アメリカ・テキサス州
400
のフリーポートLNG基地に出資、日本で30年以上に
2008年は、エネルギー問題への関心が、高まった1年
200
わたって培ってきた技術・ノウハウを活かし、海外でのLNG
でした。2007年から上昇傾向にあった原油価格が、投機
0
2004
2005
2006
2007
2008 (年度)
マネーの流入によって急騰し、7月には過去最高の147
基地ビジネスへの進出を果たしました。
算定方法について
単位料金調整額
(円/m3)
平均原料価格
(円/トン)
−基準平均原料価格(円/トン)
=
100×0.081×
(1+消費税率)
(平均原料価格(円/トン)
−基準平均原料価格
(円/トン)
)
は
100円未満の端数を切り捨てた100円単位の金額
従量料金単価調整額(税込)
は、
プラス調整時は小数点第3位の端数を切り捨てた小数点第2位までの金額、
マイナス調整時は小数点第3位の端数を切り上げた小数点第2位までの金額
■原料価格のガス料金への反映方法
2008年
7月 8月
また、
LNGタンカーについては、1993年の
「LNGフローラ」
2009年
9月 10月 11月 12月 1月 2月
3ヵ月
ドル/バレルを記録。その後、米国発の世界同時不況の
2008年度の調達量は741万トンに
高下が世界経済に大きな影響を与えました。また、環境・
気候変動をテーマの一つに位置づけたG8北海道洞爺湖
調達先の多様化を進め、リスクを分散して
安定的な供給に努めています
新制度
(2008年)
」
を次々と就航させ、2009年7月には大阪ガス
5月
6月
7月
Ⅱ
2 ヵ月
3ヵ月の平均原料価格
反映
反映
船団6隻目となる
「LNGジュピター」
を建造しました。
反映
Ⅲ
日本はエネルギー資源に乏しく、そのほとんどを輸入に
ガス)
の輸入を開始しました。そして現在では、ブルネイの
依存しています。つまり、エネルギー資源をいかに安定的
ほか、インドネシア、オーストラリア、マレーシア、オマーン、
外部ステークホルダーのコメント
に調達し確保するかは、
「資源小国」
であるわが国の最重要
カタール、ロシアの7カ国の生産者と長期にわたる購入
積極的なガス資源開発で
天然ガスの安定供給を
政策課題の一つとなっています。
契約を締結しています。2008年度は、これらの国々以外
天然ガスは、中東に偏在する石油とは異なり、埋蔵地域が
に、
アブダビ、
エジプト、
トリニダード・トバゴ、
ナイジェリア、
長期購入契約分と合わせて、合計741万トンのLNGを
が少なく、環境性に優れた
「地球にやさしいエネルギー」
である
輸入しました。
と言えます。さらに、コージェネレーションシステムや燃料電池
原料調達元を多様化することは、特定地域での突発事故
といったエネルギーの高効率利用と省エネルギーを実現す
の発生等の際に、他の地域からの調達でその影響を補う
るシステムの普及拡大に貢献するエネルギーでもあります。
などの対応でリスク軽減を図ることができ、安定的に
こうした理由から天然ガスに対する注目は、わが国だけ
LNGを調達・確保していくうえで、極めて有効な手立てと
でなく、世界的にもますます高まってきています。
なっています。
天然ガスは今後益々重要になるに違い
Ⅴ
ない。マスメディアは 再 生 可 能 エネル
ギーですべて解決できるかの如き印象を 独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱
与えているが、コスト、供給可能量、安定 物資源機構 調査部 性の面で問題が大きい。現実には、豊富な 首席エコノミスト
天然ガス資源の有効活用と一体で進めな
石井 彰 さま
ければ、効果は十分期待できない。日本ガ
第三者検証
第三者意見
また、石油等の他の化石燃料に比べて燃焼時のCO2排出量
温暖化対策の面から、環境負荷が低い
環境パフォーマンス・
赤道ギニアの5カ国からスポット調達 を実施しました。
Ⅳ
データ集
世界中に広く分布しており、供給安定性に優れています。
米国テキサス州
フリーポートLNG基地
CSR憲章
1972年、大阪ガスは、ブルネイからのLNG(液化天然
CSR憲章
大阪ガスは、これらLNG船団を有効活用しながら、天然
への関心も高まりました。
大阪ガスグループ CSR レポート 2009
4月
反映 新制度に移行
(2000年)」、
「LNGドリー ム(2006年)」、
「LNGバ ル カ
サミットが開催されるなど、環境負荷の少ないエネルギー
21
これまでの
制度
3月
ガス料金に反映
CSR憲章
影響で12月には34ドル/バレルまで急落し、価格の乱
を皮きりに、
「LNGヴェスタ
(1994年)」、
「LNGジャマル
3ヵ月の平均原料価格
Ⅰ
CSR憲章
600
と共に、ガス料金の変動が平準化されることとなりました。
CSR憲章
656
ノルウェー、オマーンで天然ガスや原油のプロジェクト
エネルギー
資源の確保
800
費調整制度の見直しが図られました。当社でも2009年5月検針
価格の変動をよりタイムリーにガス料金に反映できるようになる
天然ガス上流事業への第一歩は、1990年にインドネシア
1,000
共に、
3カ月毎に実施されていた料金調整を毎月行なうよう原料
分から、この新原料費調整制度への移行を行い、これにより原料
供給に努めています。
LNG輸入量
料価格の変動がガス料金に反映されるまでの期間を短縮すると
特集3
形成等を推し進め、LNGの安定的かつ経済的な調達・
■ 大阪ガスのLNG輸入実績
により、こうした原料価格の変動をガス料金に反映させる仕組
分野にも積極的に事業を展開しています。海外におけ
都市ガス利用の
安全性向上
主な天然ガス埋蔵国
原料となる天然ガスの価格は為替レートや原油価格の動き
によって変動しますが、1996年に導入された原料費調整制度
特集2
大阪ガスグループでは、
こうしたバリューチェーンの
「上流」
数字は確認埋蔵量(単位:兆m3)
供給安定性の高さやCO2 排出の少なさから
ますます注目されている天然ガス
「クリーンエネルギー・天然ガス」
による環境負荷削減を
天然ガス活用で
CO 2排出を抑制
世界の
天然ガスの
確認埋蔵量
オーストラリア
2.5
(万t)
し、バリューチェーン全体の価値向上をめざすと共に、
都市ガスの原料となるLNGが日本に届くまでには、
UAE
6.4 マレーシア
オマーン 2.4
1.0
ナイジェリア
サウジ
サウジアラビア
ビア
5.2
ブルネイ インドネシア
7.2
7.6
.2
0.4
3.2
エネルギー問題への関心が世界的に高まるなかで
市場のなかで、競争力のあるLNGを柔軟かつ安定的に調達
特集1
カタール
25.5
強化していきます。そして、不確実性の増すエネルギー
「上流」分野への事業展開を進め、
不確実性の増すエネルギー資源市場への
対応力を強化
■ 天然ガス埋蔵国と大阪ガスの天然ガス調達先
ガスバリューチェーンの上流分野への事業展開を今後も
経営とCSR
都市ガス原料となるLNG(液化天然ガス)。
大阪ガスは、世界7カ国のLNG生産者と
長期の契約を締結し、調達先の多様化を図ることで、
わが国のエネルギーの安定供給に貢献しています。
資源プロジェクト、LNGタンカー、LNG基地
トップ
コミットメント
都市ガス供給の責任を確実に果たすために
原料の調達先を拡大
ス業界のなかで、大阪ガスはいち早く、安定低廉な供給のため
にアジア太平洋域のガス資源開発に取り組み、また国内の供給
基盤整備にも積極的だ。本業への邁進が即、環境問題軽減に
なるという幸運な状況を、今後も最大限生かしてほしい。
大阪ガスグループ CSR レポート 2009
22