頭痛外来(毎週水曜日午後2時∼脳神経外科外来) QOL改善から脳腫瘍発見まで 頭痛は、一生のうち一度も経験しない方はいないほど、もっともありふれた症状です。 たとえば、風邪をひいたとき、冷たいものを食べた時、二日酔いになった時・・・・・など、 生活のあらゆる面で頭痛は起こります。しかし、中には重篤な病気・疾患を原因とする ものもあり、迅速な診断と治療が必要です。 急に頭痛が起こった時などはもちろん、昔から「頭痛持ち」という方も、1度は、しっかり 専門医を受診して、頭痛の原因を突き止めることで、毎日を快適に過ごしてもらいたい ものです。 頭痛の原因は人によって様々ですが、重要なことは、その頭痛の原因が生命に危険 性があるかどうかを見極め、診断・治療することです。 頭痛外来では、頭痛に関して詳しい問診(いつ痛み出したか、どれくらい痛みが続い ているか、頭痛の頻度、痛み具合の程度など)を行い、必要な場合はCT検査やMRI 検査などの精密検査を実施し、その頭痛の原因が何なのかを総合的に診断いたしま す。 大部分の頭痛には有効な治療が存在しますので、その方に一番合った適切な治療や 生活改善のアドバイスを行います。 頭痛の種類 頭痛は大きく分けて二つのタイプに分けることができます。 [頭痛以外に特に目立った症状のない一次性頭痛(慢性頭痛)] 「何か病気があってその症状の一つとして頭痛が見られる二次性頭痛」 に分類されます。 一次性頭痛 慢性頭痛と言われ、普段から頭痛に悩まされている方々に起こる頭痛です。 頭痛外来に来られる90%以上の方がこのタイプです。 ① 緊張型頭痛 最も多い頭痛タイプ。ギユーッと締め付けられるような鈍い痛み。 ② 片頭痛 片側にズキズキ痛みが生じ、女性に多いタイプ。 ③ 群発頭痛 若い男性に多く、目をえぐられるような激しい頭痛が毎日同じ時間に起こ るタイプ。 ④ 薬剤乱用型頭痛 痛むたびに頻回に市販薬で痛みを抑えているタイプ。 二次性頭痛 何らかの他の病気の一症状として生じる頭痛です。突然今までにないような頭痛が生 じて、手足の麻痺や意識障害、言語障害、手足のしびれなどの症状を伴うことが多い ですが、頭痛のみということも多くあるので、どちらにしても突然の頭痛が生じた際は、 出来るだけ早く受診し、原因究明を迅速に行い、治療を開始する必要があります。 一次性頭痛(慢性頭痛)がある方は、二次性頭痛が生じても「いつもの頭痛だろう」と 放置してしまいがちです。 しかし、少しでも普段と違う、何か違和感があるなと感じられたなら、このような二次性 頭痛であった場合は、大きな障害が残り、場合によっては生命にもかかわる時がありま すので、安易に自己判断せず、できるだけ早めに専門医師を受診してください。 代表的な疾患 ■くも膜下出血 一般的に、これまで味わったことがない、バットで殴られたような痛みが生じ、同時に吐 き気・嘔吐、意識消失を伴うことが多いとされています。頭が重く感じる程度の軽い頭 痛の場合もあります。 ■脳出血 頭痛が徐々に強くなったり、突然の激しい頭痛に襲われたりして、同時に手足のしび れや麻痺、言語障害や視野障害、さらには意識障害を伴います。 ■脳腫瘍 朝方の頭痛が有名で、起床後はおさまることが特徴です。頭痛の程度がひどくなるとと もに、嘔吐、片麻痺,痙攣発作などの症状もあらわれ、徐々に進行していきます。 ■髄膜炎 後頭部に強い痛みを感じ、うなじのあたりが硬直することが特徴です。痙攣や意識障 害などもきたすことがあります。ウイルスや細菌が髄膜内に入り、炎症を引き起こし、高 熱を伴うこともあります。診断・治療が遅れると致命的となり、大きな障害が残る恐れが あるので、迅速な受診・治療が必要です。 ■慢性硬膜下出血 頭部の外傷後、硬膜と脳の間に徐々に血腫ができ、脳を圧迫します。高齢者に起こり やすい疾患ですが、頭痛は比較的若い方ほど訴えることが多いです。 佐用共立病院 脳神経外科 穀内 隆
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