素材開発化学科 化学工学概論 平成17年度版 感性工学科 山浦 和男 1 授 業 科 目:化学工学概論 英 文 科 目 名:Chemical Engineering 担 当 教 官:山浦和男 必修・選択・自由の別:選択 開 講 期:3 年後期 授業の目標:ある原料から目的の物質を工業的に製造するのに必要な各工程の条件を知る ことが必要で、その中でも物理量の移動を知ることが非常に重要である。ここでは、その 中でも基本的な運動量、熱、物質の移動について概説する。 授業内容及び計画: 1. 化学工業の発展 2. 単位 3. 次元解析 4. 化学工学諸量 5. 運動量の移動 5.1. 5.2. 5.3. 5.4. 6. 粘性とニュートン流体 管流 物質収支 機械的エネルギー収支 熱の移動 6.1. 熱伝導 6.2. 伝熱係数 6.3. 熱交換器 7. 物質の移動 7.1. 分子拡散 履修条件:物理学、物理化学 教科書:プリント(添付資料:授業にプリントアウトして持参下さい。主要な部分 のみ記載、説明で補充) 参考書:化学工学概論(八田著、共立出版) 初歩化学工学入門(岡田、金子共著、オーム社) 初歩化学工学(化学工学協会編、いずみ書房) 成績評価:出席、2回の試験、演習、プリント提出等の総合評価 学生へのメッセージ:予習・復習を必ずやること E メールアドレス: [email protected] 2 第1章 緒 論 1-1. 化学工業 ・安価な原料(水、空気、石炭、石油、その他) ────→各種エネルギー、仕事を与え、化学的、物理的に処理し ────→物質の状態、性質、組成などを変化させ ────→付加価値の高い製品を製造する工業 ・プロセス工業の一つ ・種々の処理───装置内 (原料+エネルギー)←流量、温度、圧力、濃度など適当な条件下 └───→化学的、物理的な変化が進行─→目的の製品へ ・初期発展段階 単純、小規模─→経験、技術者の直感 ・近代の発展 連続化、大型化─→複雑な工程、操作 ──→その工程を合理的に系統立てる──→化学工学の発展 1-2. 化学工学 ・生産過程──ほとんどの場合、化学反応工程を伴う その前後 原料の調製、反応生成物の分離精製 物理的な操作 ┌──────────┴──────────┐ │混合、撹拌、蒸留、吸収、抽出、乾燥、その他│ └──────────┬──────────┘ 単位操作 化学反応の処理を目的とした化学的操作───反応操作(反応工学) ・初期 単位操作のみ ・1930 年代 化学反応も操作の中心とする考えが起こる ・1940 代後半 物理的過程を主体とした単位操作─┐ ├現代の化学工学 化学的過程を主体とした反応操作─┘ ・現代 化学的プロセスの合理化・経済的な解析 省力化 1-3. 単位操作 ・物質移動過程を主体とした─┬─蒸留、乾燥、吸収などを拡散的単位操作 │ └─濾過、粉砕、混合などの機械的単位操作 参考書: 八田著、『化学工学概論』、共立出版 岡田、金子共著、『化学工学入門』、オーム社 化学工学協会編、『初歩化学工学』、いずみ書房 以下に用いた図は、ほとんどのものは上記の書籍から再生したもので、 ここに謝意を表します。 第2章 単 位 ・面積、速度等の物理量 基準になる特定の量をまず定める └─単位 3 ・独立した次元を持つ単位を基本単位 長さ、質量、時間 ㎝、g、sec CGS 単位─┐ m、㎏、sec MKS 単位 ├ メートル制 m、㎏、h MKH 単位─┘ ft、 lb、h フート・ポンド制 面積、速度、圧力 基本単位の組み合わせ 組み合わせ単位、複合単位、誘導単位という ・長さ、質量、時間を基本単位とする単位系 絶対単位系、質量単位系 質量の代わりに力を基本単位とする単位系 重力単位系 力の単位 質量 1 ㎏ の物体に標準重力加速度(980.7 ㎝/sec2)が作用 するときの重力 重量 1 ㎏ w 工学 Kg 化学工学では 質量、密度、粘度─┐ ├─工学単位系 圧力、仕事、動力─┘ 問題 質量 ㎏ を重力単位系で表しなさい。 ・重力換算係数 力学の法則によると、力 f は質量 m と加速度 α に比例する。 f = k m α (k を比例定数とする) 今、k = 1 / gc とおくと gc = 9.8 ㎏・m・Kg-1・sec-2 ←←← 重力換算係数 問題 下表は化学工学諸量の単位と次元である。空欄を埋めなさい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 絶対単位系[MLT] 重力単位系[FLT] 工学単位系[MFLT] 量 ─────────── ────────── ────────── 次元 メートル制 次元 メートル制 次元 メートル制 ──────────────────────────────────────── 質 量 M ㎏ M ㎏ 重量(力) MLT-2 ㎏・m/sec2 F Kg 圧 力 ML-1T-2 ㎏/m・sec2 FL-2 Kg/㎡ 密 度 ML-3 ㎏/ 比 重 量 ML-2T-2 ㎏/㎡・sec2 FL-3 Kg/ -1 -1 粘 度 ML T ㎏/m・sec FL-2T Kg・sec/㎡ ML-1T-1 ㎏/ m・sec 2 -2 2 仕 事 ML T ㎏・㎡/sec 表面張力 MT-2 ㎏/sec2 FL-1 Kg/m MT-2 ㎏/sec2 ──────────────────────────────────────── ・次元式 長さ L、質量 M、時間 T、重力 F、温度 Θ 面積、速度、力の単位 [L2][LT-1][MLT-2] 一般形 MaLbTc ←←← 次元式、a、b、c ←←← 次数 第3章 次 元 解 析 ・単位操作の特性─┐ ├─影響するいろいろな因子を理解すること 装 置 の 性 能─┘ ・多くの単位操作───科学的理論に裏付けられたものでなく、経験、技能 4 によって確立 ・一層の技術や装置の改良───基本的現象を十分理解することが必要 ┌─数学的モデル──電気計算機の発展、数値解析法の進歩─ 現象をモデル化─┤ └─物理的モデル──数式化─────────────── ─┐ ┌操作が複雑化すればするほど解析は困難にな ┐ ├かなり発展─┤ ├単純化 ─┘ └ってくるので、現象を単純化する必要がある。┘ しても簡単に数式化できない場合がある。→→小規模装置で現象に関係する 諸因子の相互の量的関係を実験的に求めておかねばならない。←←この際、 次元解析が役立つ。 ・化学工学──理論的、数学的に完全に解けない場合がある→→流体の流れ、 対流伝熱、物質移動操作の場合──その時の実験に依存 ・ある現象──種々の変数に関係←←実験的に求めるためには、他の変数を一定にし、 一つの変数の効果を調べる。 ・実験的研究と数学的なまとめの中間にたつのが『次元解析』 ある現象に関係する因子間に理論的関係が存在すると、その式は次元的に 等しくなる。───次元解析の基礎 ・次元解析例 [落下距離 s は、物体の質量 m、落下時間 t、重力の加速度 g と関係する] sa・mb・tc・gd = const. = D ←←←次元を持たない [L]a・[M]b・[T]c・[L・T-2]d = const. L について a + d = 0 M について b = 0 T について c - 2d = 0 ∴ b =0、c = 2d、a= - d ∴ sa・mb・tc・gd = s-d・m0・t2d・gd = const. =D g t2 D = ( ── )d s 実験によると D = 2、d=1 ∴ ∴ 1 s = ─ g t2 2 第4章 化 学 工 学 量 論 化学工学の基礎 蒸留、乾燥、吸収、濾過、粉砕、混合などの単位操作のみでない (1) (2) (3) (4) (5) 物質収支(material balance) エネルギー収支(energy balance) or 熱収支(heat balance) 平衡(equilibrium) 移動速度(rate of transfer) or 変化速度(rate of transformation) 経済収支(economic balance) 5 収支計算: 入量 = 出量 + 蓄積量 定常状態では 蓄積量 = 0 ∴ 入量 = 出量 (1) 物 質 収 支 物質保存または物質不滅の法則に基づく 装置、プラント、工場の設計の基礎→→装置、プラントの性能試験に役立つ。 また精度にも関係し、精度が達成されないときは、漏れ、蓄積が起こって いることになる。 (2) エネルギー収支 エネルギー保存の法則 ── 熱力学の第一法則の基礎 エネルギー ─── 機械的エネルギー、熱エネルギー、電気エネルギー、 化学エネルギー 全てのエネルギーを考慮する必要───単位を統一して 化学工学では、主に熱エネルギー←←熱収支 (3) 平 衡 自然に変化を続ける系──条件を変えない限り、一定方向に変化を続ける→→ 放置しておけば、ついに変化の停止した状態に達する→→平衡 温度、圧力、濃度を変えない限り、一定に保たれる。 ┌ 平衡 ─┼ └ 圧力平衡 ┌ 温度平衡(熱平衡) └ 相 平 衡 物理平衡:異相間の平衡 化学平衡:化学反応が起こる場合の平衡 相平衡に対する基礎的法則──相律 系に含まれる相の数───────── p 独立に規定できる成分の数────── c 自由に変ることのできる条件の数─── f f=2+c-p 問題 1成分系で2相ならびに3相が共存するときの自由度を求めよ。また、 2成分系で2相が共存するときの自由度も求めよ。さらに、それらの 自由度について例を挙げて説明せよ。 (4) 移 動 速 度 平衡からのずれが重要 化学反応に対する変化速度 化学反応速度 ┌ 運動量の移動 圧力差 単位操作で扱う物理的過程 ┼ 熱の移動 温度差 └ 物質の移動 濃度差 単位時間に移動する量 Q ┐ ├ 比 Q/A = q 移動方向に直角な断面積 A ┘ dF dF q = - k ─ ─ : dy dy 流束 ポテンシャル勾配 6 1. 熱 伝 導 q: 熱流束[kcal・m-2・hr-1] k: 熱伝導度[kcal・m-1・hr-1・℃-1] dF/dy: 温度勾配[℃/m] dT/dy Fourier(フーリェ)の法則 2. 物質移動 q: 物質(モル)流束[㎏(mol)・m-2・hr-1] J k: 拡散係数[m2・hr-1] D dF/dy: 濃度勾配 [㎏(mol)・m-3・m-1] dC/dy Fick(フィック)の法則 3. 運動量 q: せん断応力 [㎏・m-1・hr-2] τ -1 -1 k: 粘度 [㎏・m ・hr ] η dF/dy: 速度勾配 [m・hr-1・m-1] du/dy Newton(ニュートン)の法則 (5) 経 済 収 支 最小限の費用で、最小限の時間内に最大量の生産をあげることが製造工業の理想 第5章 移 動 現 象 ┌ 運動量 A B A →→→ B に移ること 物理量の変化 ┼ 熱 └ 濃度 ずれがあると移動現象 5-1. 運動量の移動(流動) 5-1-1. 粘度とニュートン流体 流体が管内ならびに壁間を流れるとき、流体は速度の異なる層を成して流れる。 P u + ⊿u u 図1 Q 上記の場合、P 面は Q 面を引っ張るように作用し、逆に Q 面は P 面の運動量を妨げよ うとする───流体内部で発生する抵抗を流体摩擦といい、この性質を粘性という。 流体の運動に対する仮定(管中) (1) 壁に接する流体の速度 →→ 0 壁面で流体の滑りなし (2) 流体の摩擦力───流体の変形割合と接触面積に比例 (ニュートンの仮説) du du ・ A ─ →→ F = - η A ─ = - η A u dy dy ↑ ↑ | └ ずり速度 └ 粘性係数[ML-1T-1] F ∝ - 7 F du 単位面積当たりの力 = ─ = - η ─ = τ (1) A dy ↑ └ せん断応力 粘性係数(絶対粘度、単に粘度)η CGS 単位 1poise = 100 centipoise = 1[g・㎝-1・sec-1]=0.1[㎏・m-1・sec-1] 1 c.p. ≒ 水の粘度 流体の密度を ρ とすると ν = η/ρ[㎏・sec-1・m-1・㎏-1・m3]→[㎡・sec-1] で定義されるνを動粘度という。 (1) 式で示される流体をニュートン流体と いう(図3中(a))。 (b)、(c) を非ニュートン流体という。 ・ u = k τn (n ≠ 1) n > 1 構造粘性(structural viscosity) (b) 曲線 擬塑性流動(pseudo-plastic flow) チクソトロピー流動 (thixotropic flow) n < 1 (c) 曲線 ダイラタント流動 (dilatant flow) 右図(図4) u = k(τ - τ1)n ある応力以上で流動を起こす 塑性(plasticity) 塑性流動(plastic flow) τ1 : 降伏値(yield value) n = 1 →→ ビンガム流動(Bingham flow) 5-1-2. 層流、乱流 管流の場合、染料を流れの方向に注入して、その模様を観察すると、染料の軌跡に 動 揺のない場合 (1) とある場合 (2) がある。 (1) 層流 流れが遅い時に良く見られる。管が細い。高粘度。 (2) 乱流 工学上現れるのは、これが主である。 層流から乱流への移行の研究 Osbone Reynolds └→ 密度ρ、粘度η、流速 u、管径 Do 無次元量 Re と関係する Doρu 1 レ イノル ズ数 Re = ─── (ただし u は平均速度 u = ─ umax) η 2 管流 ┌ Re<2300 層流 ┤ Re>3000 乱流 └ 2300<Re<3000 過渡状態 問題 レイノルズ数 Re(無次元量)は、密度、粘度、平均流速、管径で表される。 次元解析で、レイノルズ数を表す式を求めなさい。 8 問題 内径 2 cm の管内を平均流速 10 cm/sec で水が流れている。その時のレイノルズ 数 Re を計算しなさい。 5-1-3. 管 流 上記の管中を一様な流速で流体が流れているとする。 定常状態 運動量保存の法則 ┌単位時間に流┐ ┌外部から流体┐ ┌単位時間に流┐ │ │ + │ │= │ │ └入する運動量┘ └に作用する力┘ └出する運動量┘ o A 面から単位時間に流入する運動量 ∫r 2πrdrρu2 B 面から単位時間に流出する運動量 ∫ro2πrdrρu2 仮想円筒側面より流出する運動量 2πr l・τ(全ずり応力) 流体に作用する外力 πr2 (Po - Pl) = πr2⊿P (液柱にかかっている力) ∴ 2πr lτ = πr2⊿P ∴ r⊿P R⊿P τ = ── →→→ [τ]r = R = ─── (管壁で最大) 2 l 2l まず[管内の流体の速度]u ニュートン流体ならば r⊿P du ⊿P τ = ── = - η── ∴ du = - ─── rdr 2 l dr 2ηl 上式を積分して ⊿P 1 2 ⊿P u = - ─── (─ r )+ C = - ─── r2 + C 2ηl 2 4ηl 5-1-1. (1) の条件から r = R で u = 0 (境界条件) ⊿P ∴ C = ─── R2 4ηl ⊿P ∴ u = ───(R2 - r2 ) ─── (2) 4ηl du [ずり速度]─ は dr du r⊿P ─ = - ─── dr 2ηl 9 [単位時間の流量]Q は Q = 2πr dr u ⊿P = 2πr ───(R2 - r2 ) dr 4ηl π⊿P π⊿PR4 = ────(R2 - r2 ) r dr = ──── (cm3/sec) 2ηl 8ηl ─── (3) t 秒間の流量を Vo とすると Vo = t Q π⊿PR4 t = ────── Hagen-Poiseuille の法則 ─── (4) 8ηl [平均流速]u は Q 1 π⊿PR4 ⊿PR4 1 ⊿PR4 1 u = ─── = ─── ──── = ──── = ─ ─── = ─ umax πR2 πR2 8ηl 8ηl 2 4ηl 2 また管の両端での圧力差 ⊿P は 8ηl u ⊿P = ──── R2 = 32ηl u ───── Do2 問題 (3) 式を導出しなさい。 5-1-4. 流体摩擦係数 η 16 層流 f = 16 ─── = ── ρu Do Re 乱流 f=0.079Re-1/4 5-1-5. 物 質 収 支 右図の管中を流体が定常状態で流れているとき、 ① から単位時間に入る流体の質量は m1 = u1A1ρ1 ② のところでは m2 = u2A2ρ2 定常状態では m = m1 = m2 より u1A1ρ1 = u2A2ρ2 = 一定 = uAρ ───連続の式 非圧縮流体では ρ1 = ρ2 より u1A1 = u2A2 = V(一定) 体積流量(m3/sec) 10 問題 内径 52.9 mm の円管中を流体が平均流速 3 m/sec で流れている。途中で径が 105.3 mm に広がっている部分がある。そこでの流速は? 問題 管径が 1/2 になると流速は何倍になるか? 5-1-6. 機械的エネルギー収支 (a) 流体のエネルギー ┌ 位置エネルギー │ (potential energy) 流体のもつエネルギー ┼ 運動エネルギー │ (kinetic energy) └ 圧力のエネルギー (pressure energy) mgh 、 mgh/gc (1/2)mu2 、(1/2)mu2/gc PA l =Pm/ρ= Pmv 上記3個をまとめて機械的エネルギーという。 (b) 機械的エネルギー 粘性等による摩擦損失のない理想的 な完全流体にたいして、外部から熱や 仕事を加えないとき、右図のような場 合の機械的エネルギーの総和は ①、② のところで同じで g u12 h1(──)+ ── + P1v1 gc 2gc g u22 = h2(─)+ ── + P2v2 [Kg・m/㎏] gc 2gc すなわち g u2 P h(─)+ ── + ─ = gc 2gc ρ 一定 [Kg・m/㎏]─── ベルヌイ ( Bernoulli ) の定理 上式を g/gc で割ると h u 2 P gc + ── + ─ (──) = 一定 [m] 2 g ρ g ↑ ↑ ↑ │ │ └ 圧力ヘッド │ └ 速度ヘッド └ 位置ヘッド 問題 右図(図 10)に示した大型容器中の液体 を下端から流出させる場合、下端の流出 口での流体の速度はどのような式で示せ るか。ただし大気圧下で流出させた。 (Torricelli の定理) 11 (c) 実在流体の機械的エネルギー収支 実際の溶液は、流体自身の粘性にもとづく内部摩擦、流体と管壁との間の摩擦 によって機械的エネルギーが消費される。これを摩擦損失 F といい、ファニン グは次式で示した。 u2 L 2f u2L F = 4 f(──)(─)= ──── 2gc D gc D [Kg・m/㎏] ─── (5) このように、実際の流れでは摩擦損失 F を伴い、また流体を送るためにポンプ 等によって流体に仕事を与える。流体 1 ㎏ についての仕事量を w[Kg・m/㎏] とすると g u12 P1 g u22 P2 h1(──)+ ── + ── + w = h2(──)+ ── + ── + F gc 2gc ρ1 gc 2gc ρ2 または g u22 - u12 P2 P1 w = ( h2 - h1 )─ + ──── + (── - ──) + F ─── (6) gc 2gc ρ2 ρ1 である。 問題 (1) 液面と同じ高さへの移動(図 10 類似)、(2) 高所への移動(均一円管)、 (3) 遠距離への輸送(均一円管)にさいし、仕事量はそれぞれどのようになる か示しなさい。ただし流体は非圧縮性とする。 (d) 直管以外の摩擦損失 (イ) 断面が急に拡大する場合 (u1 - u2)2 摩擦損失 Fe = ───── 2gc ↑ └ extension [Kg・m/㎏] (ロ) 断面が急に縮小する場合 u2 2 Fc = Kc ── 2gc ↑ └ compression (ハ) 大きな貯槽から管への流入 u2 2 Fp = Kp ── 2gc Kp = 0.05∼0.06 Kp = 0.5 Kp = 0.56 (①), 1.3 (ニ) 管継ぎ手、弁などによる損失 3 (②) u2 2 Fa = Ka ── 2gc 12 Kp = 0.5 + 0.5cosθ+ 0.2cos2θ (e) 輸送動力 単位時間に行われる仕事の割合を動力という。 1 PS(Pferdestarke)= 75.0 Kg・m・sec-1 1 HP(Horsepower)= 76.04 Kg・m・sec-1 1 kW = 102.0 Kg・m・sec-1 流体 1 kg 当たりに必要なエネルギー w[Kg・m・kg-1] 質量流量 m[kg・sec-1] 必要な動力 L = mw[Kg・m・sec-1] 理論所要動力 mw mw mw = ──[PS]= ───[HP]= ───[kW] 75 76.04 102.0 ポンプの効率をμとすると、ポンプに与えるべき動力 Ls は mw mw mw Ls = ───[PS]= ────[HP]= ────[kW] 75μ 76.04 μ 102.0μ 5-2. 熱 の 移 動 加熱、冷却、熱交換を伴う ─── 伝熱 ┌ 伝導伝熱 ── 物体の分子の振動エネルギーが隣りの分子に伝わる現象 │ 伝熱 ┼ 対流伝熱 ── 流体自身の移動(高温 →→ 低温)─(強制対流、自然対流) │ └ 放射(輻射)伝熱 ── 物体の表面から電磁波の形で熱エネルギーを放射 5-2-1. 熱 伝 導 温度 T1 中にある平板の一方を T2 に温度を上げ、 温度差が時間とともに変わらない定常状態にすると、 単位時間に伝わる熱量 q[kcal/hr]は dT q = - A k ─ dy ── フーリェ ( Fourie ) の法則 で示される。ただし、A は平板の面積、比例定数 k を熱伝導度(熱伝導率 kcal・m-1・hr-1・deg-1)と いう。 ┌ 金 属 0.1 ∼ 360 │ │ 断熱材 0.02 ∼ 0.1 k ┤ [kcal・m-1・hr-1・deg-1] │ 液 体 0.1 ∼ 0.5 │ └ 気 体 0.01 ∼ 0.03 定常状態では q は一定である。 よって dT q = - A k ─ dy 13 を積分すると q∫0L dy = - A k∫T2T1 dT ∴ q L = A k(T2 - T1) k k ⊿T ∴ q = A(─)(T2 - T1)= A(─)⊿T = ──── L/Ak:伝熱抵抗 L L (L/Ak) (a) 多層平面の熱伝導 右記の多層固体中を熱が定常状態で伝導 しているとき、q はどの壁を伝わるときも 等しい。 ⊿T1 ⊿T2 ⊿T3 q = ─── = ─── = ─── L1 L2 L3 ── ── ── k1A k2A k3A ⊿T1 + ⊿T2 + ⊿T3 ⊿T ⊿T = ────────── = ─── = ── L1 L2 L3 L R ── + ── + ── Σ── k1A k2A k3A kA ┌ ⊿T1 = T1 - T2、⊿T2=T2-T3、⊿T3= T3 –T4 ただし ┤ ⊿T = ⊿T1 + ⊿T2 + ⊿T3 = T1 - T4 │ L1 L2 L3 L L2 L 1 └ R = ── + ── + ── = (─1 + ─ + ─3 )─ k1A k2A k3A k1 k2 k3 A (b) 円管壁の熱伝導 円管の場合のような、円管内と外 の伝熱面積が変化する場合、今 r 部 分の熱伝導を考えると dT q = - k A ─ dr dT = - k(2πrL) ─ dr である。定常状態を考えると q は一定で dr 2πkL ∴ ─ = - ──── dT r q である。上式を積分すると dr 2πkL ∫riro ─ = - ──── ∫Ti To dT r q ro 2πkL ∴ ln ─ = ───(Ti - To) ri q 2πkL(Ti - To) 2πL Ti - To ∴ q = ──────── = ────(ro - ri)k ──── ln(ro/ri) ln(ro/ri) ro - ri 14 ⊿T = Alm k ── ─── (8) R となる。ここで 2πL(ro - ri) Ao - A i A lm = ─────── = ────── 対数平均面積 ln(ro/ri) ln(Ao / A i) Ao / A i > 2 の時に使用 Ao / A i < 2 の時、相加平均(算術平均)で十分(誤差3%以下) Ao + A i A lm = ──── 2 問題 耐火レンガ、断熱レンガおよび赤レンガ(熱伝導率はそれぞれ 1.10、0.18、 0.62 kcal・m-1・hr-1・deg-1 、厚さはそれぞれ 114、127、144 mm)の3層か らなる炉において、内面(耐火レンガ)および外面(赤レンガ)の温度が それぞれ 1000℃ および 90℃ であった。炉壁 1 m2 当たりの熱損失は 毎時いくらか。また、各レンガの接触面の温度を求めなさい。 問題 1B 銅管(外径 34 mm)に厚さ 20 mm のけいそう土保温をした蒸気配管が ある。保温材の内面温度が 100℃、外面温度は 30℃ である。保温材の熱 伝導率を 0.05 kcal・m-1・hr-1・deg-1 として、管長 10 m 当たりの毎時の熱 損失を求めなさい。 5-2-2. 対流伝熱と伝熱係数 流体が円管中を流れる場合、その流れは層流の場合もあるが、ほとんど乱流である。こ のように、固体壁と接している流体は、ほとんどの場合乱流である。しかし、今固体壁の 近傍の薄い層を考えると、ここでは流れの乱れが小さくなり、層流と思われる。その薄い 層を流体境膜(fluid film)または単に境膜 という。乱流流体と固体壁の交換熱量の解 を求めることは困難であるが、境膜を考え に入れると、境膜内の伝熱は、伝導のみで 伝えられる。定常状態における境膜の伝熱 速度 q は q = h A(t1 - t2) [kcal/hr] ただし A:固体壁の伝熱面積 [㎡] t1:流体の温度 [℃] t2:固体壁の表面温度 [℃] である。h は境膜係数(film coefficient of heat transfer)または熱伝達係数と呼ばれている。 h: [kcal・m-2・hr-1・deg-1] k のように物質の物性値でなく、 15 流体の性質、対流の状況など、 いろいろな条件によって変わる 係数 (a) 総括伝熱係数 実際の加熱(冷却)装置は、ほとんど の場合金属壁を隔てて、その両側に温度 の異なる流体がある場合が多い。その一 例を右図に示す。境膜を介して伝熱し、 それが定常状態であるならば、 t2 - t3 q = h1 A 1(t1 - t2)= k A m ─── L = h 2 A 2(t3 - t4) t1 - t2 t2 - t3 t3 - t4 = ─── = ─── = ─── 1 L 1 ── ── ── h1 A1 k Am h2 A 2 t1 - t4 = ────────── 1 L 1 ── + ─── + ── h1 A1 k Am h2 A 2 ただし k:固体壁の熱伝導率 h1、h2:両側の境膜伝熱係数 A1、A 2:固体壁の両側の伝熱面積 A m:A1 と A 2 の平均 である。伝熱速度(伝熱量)q は、(t1 - t4)に比例することになるので q = U1 A1(t1 - t4)= U2 A 2(t1 - t4) で表され、U1、U2 を総括伝熱係数(over-all coefficient of heat transfer)または熱貫流係数と いい、単位は h と同じで[kcal・m-2・hr-1・deg-1]である。また 1 1 L 1 ── = ── + ── + ── U1 A1 h1 A1 k A m h2 A 2 1 1 L 1 ── = ── + ── + ── U2 A 2 h1 A1 k A m h2 A 2 となる。 問題 厚さ 4 mm の金属壁(熱伝導率 40 kcal/m・hr・deg)の片側に 110℃ の水蒸気が あり、ほかの側に 25℃ の水があって、壁を通して熱が伝わっている。水蒸気側 の h が 6000 kcal/m2・hr・deg で、水側の h が 2000 kcal/m2・hr・deg のとき、 総括伝熱係数はいくらか。ただし、壁の両側の伝熱面積は等しいとする。 16 5-2-3. 保 温 高温の反応器、タンク、蒸気管などからの伝導、対流、放射による熱損失を防ぎ、また、 やけどや火災などを防止するにも、保温材でその外側を覆うのが普通である。 保温材 熱伝導率の小さいこと 空気 ── 熱伝導率は小さい、しかし対流を起こしやすい。 └─ 静止状態にすれば良い 保温材の厚さ 保温材の厚さを増す 熱損失は減少 材料費や設備費が増す 図に示すように、総経費が最 低になるような最適厚さを選 ぶことが必要である。 5.3. 熱 交 換 器 温度の異なる2種の流体間で熱の授受を行わせ、廃熱を利用して熱経済をはかる装 置を一般に熱交換器(heat exchanger)という。 予熱された原料 5-3-1. 熱交換器の原理 向流の場合について考える。 高温流体 比熱 Ci[kcal・kg-1・K-1] (内管) 流量 W[kg・hr-1] 冷却 T1 ───→ T2 17 低温流体 比熱 Co[kcal・kg-1・K-1] (外管) 流量 w[kg・hr-1] 加熱 t2 ───→ t1 微少長さ dL の伝熱を考える。伝熱速度 dq は dq = - Ci W dT = - Co w dt (熱損失を無視)── (9) │ └───┼┴─ 通常一定 └─────┴ 今温度によって変わらないとする (T1、t1)から任意の温度(T、t)まで積分 q = Ci W(T1 - T)= Co w(t1 - t) ─── (10) 今、β = Co w/ Ci W とすると β = (T1 - T)/(t1 - t)= (T1 - T2)/(t1 - t2) 問題 向流式二重管熱交換器を用いて、内管に熱流体(比熱 0.5 kcal・kg-1・K-1)を 3000 kg/hr の割合で流して 80℃ から 50℃ まで冷却する。冷却には、20℃ の冷媒(比熱 0.20 kcal・kg-1・K-1)を用いるとして、(1) 熱交換器全体の伝熱 量、(2) 冷媒の最小所要流量を求めなさい。 今、hi、ho:円管の高温ならびに低温側境膜伝熱係数 A i、A av、A o:円管の内側、平均、外側面積 Tw、tw:円管の内、外の壁温 ⊿r:内管の肉厚(ri、ro:内管内、外半径) とすると、⊿L での伝熱量 dq は T - Tw Tw - t w tw - t dq = ──── = ────── = ──── 1/(hi dAi ) ⊿r/(kav dAav ) 1/(ho dAo ) T-t = ──────────── 1 ⊿r 1 ─── + ─── + ─── hi dAi kav dAav ho dAo ─── (11) これは、dq = UidAi (T - t ) と変形でき、総括伝熱係数 Ui 1 1 ⊿r ri 1 ri ── = ─ + ──(─)+ ─ (─) Ui hi kav rav ho ro として表される。また dT dt dq = ─── = ─── = Ui dAi (T - t) 1/Ci W 1/Co w d(T - t ) = ──────── = Uid Ai (T - t) (1/Ci W ) - (1/Co w ) ∴ d(T - t ) ──── T -t 1 1 = (── - ── ) Ui dAi Ci W Co w 18 ─── (12) これを積分すると T1 - t 1 1 1 ln ─── = Ui Ai(── - ── ) ─── (13) T2 - t 2 Ci W Co w 今 T = T2、t = t2 とすると T1 - T2 t1 - t2 ( T1 - T2) - (t1 - t2) ( T 1 - t1 ) - ( T 2 - t 2 ) q = ─── = ─── = ───────── = ───────── 1/Ci W 1/Co w (1/Ci W) - (1/Co w) (1/Ci W) - (1/Co w) 今 ⊿T1 = T1 - t1、⊿T2 = T2 - t2 とし、さらに ⊿T1 - ⊿T2 ⊿Tlm = ─────── ln(⊿T1 /⊿T2 ) ─── (14) とすると ⊿T1 - ⊿T2 ⊿T1 - ⊿T2 q = ─────── = Ui Ai ────── = Ui Ai⊿Tlm ─── (15) ln(⊿T1 /⊿T2) ln(⊿T1 /⊿T2) ────── Ui Ai ⊿Tlm は対数平均温度差である。⊿T1 >⊿T2 で ⊿T1 /⊿T2 <2 の場合、⊿Tlm は 両温度 差 の 算術平均で良 い。(14) 、 (15) 式 は、並 流 の熱 交換 器の 場合 に も適 用で き る。 十字流(図 30-c) の場合は、 式 (14) より⊿Tlm を求め、 これに図 31 に示す補正係数 αを掛けた平均温度差 (α⊿Tlm)を式 (15) に適 用すればよい。 5-4. 相変化を伴う場合の伝熱 液の沸騰 ┐ 蒸気の凝縮 ├ 伝熱機構は複雑 ‥‥ そこで十分解明されていない。 固体の析出 ┘ 5-4-1. 沸騰伝熱(boiling heat transfer) 伝熱面付近で液が蒸気相に変化する現象 5-4-2. 凝縮伝熱(heat transfer in condensation) 飽和蒸気がその温度より冷たい固体表面に触れると凝縮し液化する。この現象を凝縮 伝熱という。 ・膜状凝縮(film-type condensation)‥‥ 凝縮した液が固体面を膜状に覆って流下する。 ・滴状凝縮(drop-wise condensation)‥‥ 凝縮した液が固体面上を滴状で流下する。 ・両方の伝熱係数 膜状凝縮<滴状凝縮 19 ┌ 不在 伝熱係数 大 凝縮器中の不凝縮性ガス ┤ └ 共存 ガス境膜形成 → 伝熱係数 小 水蒸気中に 0.5 % 空気が存在すると伝熱係数半減、そのため凝縮操作では、 不凝縮性気体の脱気(degasification)が重要 5-5. 放射伝熱を含む場合の伝熱 固体表面から熱放射線 → 低温物質で吸収 二酸化炭素、水蒸気、一酸 化炭素などのガス体で高温 になると熱放射線を発散 例 赤熱ストーブ、太陽熱 5-6. 物質の移動 静止した a、b 成分よりなる液体、気体等に濃度差があると、その濃度差を推進力とし て物質の移動が起こる。 今、成分 b 中に a 成分がおかれた場合、a 成分が移動する速度 Na[kg or mol・hr -1] は Na dC a N a/A = ─ = - D ─── A dy [kg or mol・m -2・hr -1] で示される。ただし N a/A:単位面積当たりに a 成分が移動する速度[kg or mol・m -2・hr -1] A:面積[㎡] C a:a 成分の濃度[kg or mol・m -3] D:拡散係数[m2・hr -1] である。上式をフィック(Fick)の法則という。 例 ガス吸収 アンモニアガスが水に溶ける 蒸留 アルコール水溶液から濃厚なアルコールを得る 乾燥 固体からの水分の除去 抽出 アセトン水溶液に四塩化炭素 水+(アセトン+四塩化炭素) 物質移動 ‥‥ 注目する物質以外にほかの成分もある。 運動量、熱移動 ‥‥ 一種類だけ 20 5.6.1 分子拡散(molecular diffusion) ┌ y 方向に濃度差 a、b 2 成分よりなる混合気体 ‥‥ ┤ └ 両成分 一定拡散 圧力差によって流体全体が移動を生じないとき →→ その時の分子の移動は、気体の 分子運動による ←← 分子拡散 分子 a の微少拡散距離 dy における移動推進力となる a の分圧差 - dpa[atm]が a、b に対する相対速度(u a - u b)[m・hr -1] 両成分のモル濃度 C a、C b[mol・m -3] 拡散距離 dy[m] に比例すると仮定すると - dpa = αab(u a - u b)C a C b dy ── (19) が成り立つ。また同様に分子 b について - dpb = αba(u b - u a)C a C b dy ── (20) が成り立つ。αは比例定数、dp の負符号は拡散方向に距離 y が増加すると、p が低下 することを示している。 推進力として分圧 p の代わりに部分モル濃度 C を用い てもよい。 - dCa = βab(u a - u b)Ca Cb dy ─── (21) - dCb = βba(u b - u a)Ca Cb dy ─── (22) 5-6-2. 一方拡散(u b≪u a の場合) 右図(図 35)で a 成分の気体のみがガス境膜 を通じて L に拡散される場合を考える。 成分 b は静止 ┐ ├ 一方拡散 成分 a のみ拡散 ┘ (unidirectional diffusion) 今 ub ≒ 0 であるので、(21)、(22) 式は Na - dCa = dCb = βab u aCa C b dy = β ─ Cb dy A Na 1 dCb ∴ ─ = ── ── A βCb dy [mol・m -2・hr -1] 上式を y = y1、Cb = Cb1 から y = y 2、Cb = Cb2 まで積分する。β は Cb みなし、y2 - y1 = Y とおけば次式となる。 21 によらず一定と Na 1 Cb2 1 Cb2 ─ = ───── ln ── = ── ln ── A β(y2 - y1) Cb1 βY Cb1 [mol・m -2・hr -1] 今、Dab を a、b 混合ガス中の a の拡散係数[m2・hr -1]、β = 1 / C Dab(C:全モル濃度) とおけば、 Na C Dab Cb2 ─ = ─── ln ── A Y Cb1 この式に(Ca1 - Ca2)/(Cb2 - Cb1)= 1 Na C Dab ─ = (─── A Y Cb2 Ca1 - Ca2 ln ── )(────) Cb1 Cb2 - Cb1 C Dab Ca1 - Ca2 = ─── ・ ─────────── Y (Cb2 - Cb1)/ ln(Cb2/ Cb1) を掛けると C Dab Ca1 - Ca2 = ─── ・ ──── [mol・m -2・hr -1] Y (C b)lm ─── (23) ここで (C b)lm は (C b)lm = (Cb2 - Cb1)/ ln(Cb2/ Cb1) で、対数平均モル濃度である。 分圧を推進力として表すと ここで Na P Dab Pa1 - Pa2 ─ = ───・──── ─── (24) A RTY ( P b )lm ( P b)lm = (Pb2 - Pb1)/ ln(Pb2 / Pb1)で、b 成分の対数平均分圧である。 5-6-3. 等モル相互拡散 等モルの両成分が互いに反対方向に拡散する場合(気体) ua Ca = - ub Cb すなわち Na = - Nb - dCa = βab(ua - ub)Ca Cb dy ┐ ├ β = 1 / C Dab、Ca + Cb = C ┘ より ua Ca - dCa = βab(ua + ─── )Ca Cb dy Cb = βab ua Ca (Cb + Ca)dy 1 N a = βua Ca C dy = ──・── C dy C Dab A ∴ Na d Ca ── = - Dab ── A dy [mol・m -2・hr -1] 定常状態として上式を積分すると 22 Na Dab ── = ── (Ca1 - Ca2)[mol・m -2・hr -1] A Y となる。推進力を分圧で表すと、理想気体として Na Dab dPa ── = - ──・ ── [mol・m -2・hr -1] A R T dy Dab = ─── ・(Pa1 - Pa2)[mol・m -2・hr -1] RTY ─── (25) 23
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