「日本から 日本から見 から見る中国、 中国、中国で 中国で見た中国」 中国」 05_00330 秋葉 美穂 1.中国出発前:日本から見た中国のイメージ 「中国」という国のイメージを聞かれて、今回の短期留学に参加する前の私(もしくは 一度も中国に訪れたことのない人)だったらこう答えるだろう。自転車、食品問題、北京 オリンピック、パクリ遊園地。なんだかマイナスイメージが多い。現に友達や親戚に夏休 みに中国に行くと伝えたら、「なんでわざわざ行くの?」とまで言われた。出発前はちょう どダンボール入り肉まんやらで中国の食品問題の報道が過熱していたから無理もない。 さて、このイメージはどこから来たのだろうと思い、少し考えてみることにした。まず 自転車だが、これはきっと小学校の頃か中学校の頃に見た社会科の教科書から来ているの だと考えられる。次に食品問題、北京オリンピックやパクリ遊園地は、おそらく大部分が マスメディアからの情報によるイメージだろう。このようにして作られた(造られた?) 中国に対するイメージは、果たして当たっているのだろうか、それともある一部分のこと が誇張して伝えられてきているのだろうか。現状を知るために、期待と不安のなか中国へ と向かった。 2.中国滞在中:中国を肌で感じる ・中国の空気について 中国に到着しまず感じたことは、空気がとても汚い、ということだ。霧のせいなのか、 それとも排気ガスのせいなのか・・・。どちらが原因なのか定かではないが、遠くの景色 が見えにくい。大きく息を吸うと、何となくどこかで経験したような息苦しさを感じる。 それは光化学スモッグが出ているときに吸う空気と似ていた。また健康増進法のおかげに よって分煙が成されている日本と比べ、中国は分煙がされていないのでどこでもタバコの においがした。他にも朝は道を歩いていると、食べ物のカスが散乱していて、生ゴミのに おいがする。 ・中国の道路状況について 次に思ったことは、道路では自転車がたくさん通っている、と考えていたが、もちろん 自転車も多いがそれ以上に車の多さにとても驚いた。全部で6~8車線もあるような道路 を車がひっきりなしに通っている。中国人はクラクションをよく鳴らすようで、道路は朝 から晩までクラクションの音が鳴り止まない。また青信号だからといって、のんびりと横 断歩道を歩くことはできない。なぜなら中国では赤信号でも車は右折できるからだ。ちな みに公共交通機関は、日本では電車が発達しているが中国ではバスとタクシーがよく使わ れていて、バスは一律 1.5 元(クーラー付きのバスは 2 元) 、タクシーも天津では初乗りが 8 元と格安である。 ・中国の食べ物について さて、いよいよ食事である。昼ご飯、夜ご飯は一般的な中華料理を食べたが、想像して いたよりもはるかにおいしく、しかもとても安い。けれど場所柄、脂っこい料理が多かっ たのが残念だった。それとは対照的に、朝ご飯は粟粥やとうもろこし粥、マントウなど全 く味のしない食べ物が中心だ。またこの旅行中、中国にはお菓子や甘いものを売っている、 食べられる場所が少ないと感じた。北京には店で食べられるようなケーキ屋さんやアイス クリーム屋さんなどを見かけることができたが、天津ではケーキ屋さんは数件しかなく、 承徳ではほとんど見かけない。ましてや甘いものが食べられる店などなかった。なぜだろ うと思い承徳のガイドさんに聞くと、中国では甘いものは家で食べるのが普通のようだ。 その後スーパーマーケットに行ってみると、とても広いスペースがお菓子のために使われ ていた。こういったところにも文化の違いが現れるのだなと感じた。 ・中国の建設事情について 中国はその歴史の長さから故宮など古い建物も多く存在するが、それ以上に最近の中国 の建設ラッシュはすごい。新しいマンション群が建ち並び、そしてまたその隣に新しいマ ンションが建てられていく。ビルも日本では見かけないような面白い形をしたものが、次々 に建てられている。それはまるで日本の高度経済成長時代(もしくはそれ以上)のようだ。 また、新しい建物と古い建物、新しい街と古い町とが重なり、独特の雰囲気が醸しだされ ていて今の中国を表しているように感じた。中国の建設ラッシュを通して、現在の中国の 急激な発展を垣間見ることができた。 3.帰国:もう一度日本から中国を見る 日本に帰国して、改めて中国に対してのイメージを考えてみた。出発前の中国に対する マイナスイメージは、中国が現在経済発展途中の段階にあり、社会が成長に急ぎすぎてい て、少し混沌とした状態であることに因るのではないかと感じた。 また中国に行って思ったことは、やっぱり「中国は広い」ということだ。当たり前のこ とだけれど、中国に行く前のイメージも中国における一部分のことであると改めて思った。 中国は広い、それゆえ、それぞれの土地に特色があり文化も様々である。今回の旅によっ て、そんな中国の魅力を存分に満喫できた。そしてもっと中国の色々な場所に訪ねて、そ の土地の文化に知りたいと思った。
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