SHIMADZU CUSTOMER SUPPORT CENTER NEWS for MATERIAL TESTING 島津試験CSCニュース No. 69 島津微小圧縮試験機 MCTM−500による 微小接着部品の接着性評価について 通常、島津微小圧縮試験機 MCTM/MCTE シリーズは、微小粒子あるいは微細繊維の強度評価 に用いられています。この応用として微小接着部品の接着性の評価を行うことも可能です。 ここでは、島津微小圧縮試験機 MCTM-500 を用いて、電子材料微小接着部品の荷重と変位の関係を 調べた事例について紹介します。 1.試験条件 1)試 料:板材(脆性材料)と接着剤のサンドイッチ構造(図1.参照) 2)上部加圧圧子:平面50μmφ(ダイヤモンド) 3)測 定 モー ド:負荷・除荷試験(モード2) 4)試 験 力:4903mN 5)負 荷 速 度 :103.7mN/sec 測定位置 約 0.12 〃 約□6.3 〃 0.33(脆性材料) 0.33(脆性材料) 0.1(接着剤) 単位:mm 図1 2.試験方法 図2に示すとおり、試料を金属板に瞬間接着剤で接着の上、金属板を標準バイスで固定し、接着面と反 対側の板材をφ50μm平面圧子で圧縮試験を行ないました。 試 験 荷 重 (4903mN) 接着 φ50μm平面圧子 試料 金属板 標準バイス (略図) 試料ステージ 図2 3.試験結果 1)1.項試験条件で圧縮試験して得られた試験結果を表1に、「荷重―圧縮変位線図」を図5に示します。 表1 試料番号 負 荷 ・除 荷 試 験 結 果 反転荷重 (m N ) 反転変位 原点荷重 (μ m ) (m N ) L2 N o .1 4904 1 2 .3 3 4 2 .6 N o .2 4 9 0 4 .3 6 7 .2 2 4 2 .6 N o .3 4 9 0 2 .5 2 .7 1 4 3 .5 ・弾 性 変 形 率 の 計 算 は 次 の 計 算 式 で 計 算 し ま し た 。 E r= ( L 2 - L 1 )/ L 2 * 1 0 0 E r: 弾 性 変 形 率 ( % ) L 2 :反 転 変 位 ( μ m ) L 1 :原 点 変 位 ( μ m ) 図 3 試 料 番 号 と反 転変 位 の 関 係 図4 60 反 転 変 位 (μ m ) L2 40 20 0 N o .1 N o .2 N o .3 試料番号 弾性変形率(%) 反転変位(μm) 80 原点変位 (μ m ) L1 1 .4 4 .3 0 .3 8 弾性変形率 (% ) E 8 8 .6 4 5 5 7 9 8 9 9 3 .6 0 3 0 9 4 3 2 8 5 .9 7 7 8 5 9 7 8 試料番号と弾性変形率 の関係 96 94 92 90 88 86 84 82 弾 性 変 形 率 (% ) E N o .1 N o .2 N o .3 試料番号 荷重―圧縮変位線図表示(試験モード2) 荷重(mN) 4903.3 No.1 No.2 No.3 0.0 0.00 圧縮変位(μm) 100.00 図5 2)各試料の内、試料番号 No.2 が反転変位および弾性変形率の大きい、柔らかく弾性のある試料と考えら れます。 以上 株式会社 島津製作所 試験計測カスタマーサポートセンター TEL:075‑823‑1153
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