ORIENTAL HOTEL JOURNAL Genovese 1 イタリアを代表する パスタ料理 Vol. SPRING 日本でパスタと言えばスパゲッティやペンネなどがお馴染みですが、 イタリアではパスタの種類は実に500種類以上あると言われています。 それをトマトやクリーム、オイルベースなど様々なタイプの ソースや具材で作るパスタ料理の数は、想像を超えるバラエティーで 各地方特色のあるソースが作られています。 ◆リグーリア州ジェノヴァ◆ ジェノヴェーゼ イタリアの港町ジェノヴァが発祥のバジル ペーストに松の実、チーズ、オリーブオイル等を 加えたソース。ジェノヴェーゼは、パスタ以外 にも、ピザや、ポレンタなどでも使われる、 万能なソースです。 Bolognese Carbonara Italy ◆ロマーニャ州ボローニャ◆ ボロネーゼ 「肥満の街」といわれるくらい食通の都である イタリア北部ボローニャを代表するパスタ ソースです。肉とトマトをベースに煮込んだ ソースで、タリアテッレ(フェットチーネ)を 合わせるのが伝統的です。 ◆ラツィオ州ローマ◆ カルボナーラ 炭焼のパスタ(炭焼職人風)といわれる パスタ。黒胡椒を炭(carbonaio)に見立てた という説があります。チーズ、黒コショウ、 パンチェッタ、卵を使ったクリーミーな ソースで、スパゲッティに合わせるのが 伝統です。 Pomodoro Orecchiette ◆カンパニア州ナポリ◆ ポモドーロ ◆プーリア州◆ ポモドーロとは、イタリア語で黄金のリンゴという 意味で、トマトの事を表します。トマトの実が成る過程 より、そう呼ばれるようになりました。名前の通り、 トマトを使ったシンプルなソースです。魚介などにも 相性が良く、よく合わせられます。 オレキエッテ プーリア風 この地方独特の、耳たぶのような形をした オレキエッテというパスタです。プーリア州で 伝統的な、ブロッコリーとガーリックを使って 作られたソースに良く合わせられます。 ―シェフのレシピ― 無数にある パスタの種類 スズキと菜の花のコンキリエ パスタには様々な形、断面の形状、太さによっても 異なる名前が付けられています。それぞれ見た目を 楽しんだり、異なる食感を楽しんだり、ソースや フェットチーネ 幅7mmほどの平打ち麺。ソースとの絡みが良 く、クリームソースや煮込み系のソースと良 く合わせられる。フェットチーネ・アッラ・ ボロネーゼ(ひき肉のトマトソース・フェッ トチーネ)が代表的。 具に合わせて選ばれます。 ペンネ ペン先のように斜めに切られた筒状のパスタ の総称。イタリア語で羽やペンという意味を 持つ。ペンネ・アラビアータ(唐辛子の効い たトマトソース・ペンネ)が代表的。 ニョッキ オレキエッテ 歴史は古く、古代ローマから作られていると いわれている。塊という意味を持ち、ジャガ イモと小麦粉で作られるパスタ。ニョッキ・ アル・サルビア(ニョッキのセージバターソ ース)が有名。 小さくて、プニプニした触感と形から、小さ い耳たぶという意味を持つショートパスタ。 オレキエッテ・アル・ブロッコリという、ブ ロッコリーをくたくたに茹でたソースと合わ せた料理が代表的。 パスタの中に野菜や、肉、チーズなどが詰め られた枕のような形のパスタ。ラビオリ・ア ル・ポモドーロ(ほうれん草とリコッタチー ズを詰めたラビオリ・トマトソース)が良く 合う。 1. 2. 3. イタリア語で蝶という意味を持つパスタ。サ ラダとして使われたり、クリーム系のソース と合わせられる。ファルファッレ・アッラ・ プリマベーラ・アル・クレーマ(春野菜のク リームソース)と相性が良い。 スズキと菜の花の春らしい一品です。 シンプルに素材の味をお楽しみいただけます。 ― 材料 (1人前) ― 6. ラビオリ コンキリエ 5. 貝殻という意味の小さく巻いたパスタ。パス タの中に具が入るようなソースと合わせられ る。コンキリエ・コン・ズッパ・ディ・マー レ(コンキリエが入った魚介のスープ)が代 表的で、スープに良く使う。 4. ニンニク…2g / アンチョビ…5g / ピュアオリーブオイル…5g 唐辛子…2分の1 / 白ワイン…5g / スズキ…50g / トマト…40g ブラックオリーブオイル…4ケ / ケッパー…4g / 菜の花…15g コンキリエ…40g / エクストラバージンオイル… 5g 仕上げ用 ―作り方― ①まず下ごしらえをします。 スズキは皮を剥き一 口大にカットし、軽く塩をふっておきます。 トマトを2cm角にカットし、ブラックオリーブを半分、ニンニク、 アンチョビをみじん切りにしておきます。 最後に軽く茹でた菜の花を一口サイズにカットしておきます。 ②お鍋にお湯を沸かします。このとき、お水の量に対して 約1%の 塩を入れて沸かします。そして、パスタをアルデンテに茹でます。 アルデンテにするには、パッケージに書いてある湯で時間の約1分 前に上げます。 1. カッペリーニ 6. マッケロンチーニ イタリア語で髪の毛という意味を持つ極細の パスタ。冷製のソースと良く合わせられる。 イタリアでは、頻繁に使われているわけでは ない。フルーツトマトの冷製カッペリーニが 代表的。 2. ファルファッレ 穴が空いた太めのパスタで、ブカティーニよ り太め。イタリアでは根強い人気のあるパス タ。適当な長さに折って、マカロニのように して使われることもある。マッケロンチーニ ・フルッティ・ディ・マーレ(魚介ミンチの ラグーソース・マッケロンチーニ)が合う。 5. ブカティーニ スパゲッティーニ 円形の直径1.6mmくらいのパスタ。より細い スパゲッティという意味を持ち、一般的なス パゲッティより細い。アーリオ・オーリオ・ エ・ペペロンチーノ(ニンニクと唐辛子のオ イルスパゲッティ)など、幅広く使われる。 3. バベッティーニ 楕円形のパスタ。リングイネよりは、断面が 円形に近い。オイルベースや魚介を使ったソ ースとの相性が良い。バベッティーニ・アッ ラ・ペスカトーラ(魚介のトマトソース)が 代表的。麺にソースが良く絡む。 4. リングイネ 楕円形のパスタ。弾力があり、モチモチとし た食感が楽しめる。麺の表面がザラザラとし ており、ソースが絡みやすいのが特徴。リン グイネ・アッラ・ペスカトーラ(シーフード のトマトソース・リングイネ)が定番。 穴が空いた太目のパスタ。イタリア語で、穴 (ブーコ)に由来する。ロングパスタ、ショ ートパスタのどちらもの長所を合わせ持って おり、重いソースとの相性が良い。ブカティ ーニ・アマトリチャーナ(パンチェッタ、玉 葱を使ったトマトソース・ブカティーニ)が 代表的。 ③その間にソースを作ります。 フライパンにピュアオリーブオイルをひき、みじん切りをした ニンニク、アンチョビ、唐辛子を入れ、火を入れます。 ニンニクが狐色になって、香りが出てきたら、ケッパー、ブラック オリーブ、スズキ、白ワインを入れます。アルコールがとんだら、 トマトとパスタの茹で汁を少し加え、加熱してなじませておきます。 ④そして仕上げます。 温めておいたソースに、アルデンテに茹でたパスタと、菜の花を 加え、ソースと一緒によく絡めます。仕上げにエクストラバージン オイルを加え、よく混ぜソースがトロッとしてきたら完成です。 ●スズキをあまり細かくしすぎない事で、パスタとの相性が楽しめます。 ●スズキが無い場合は、他の白身魚でも大丈夫です。 ●コンキリエは、ショートパスタであれば代用いただけます。 具材と一緒に突き刺して食べていただきたいので、ロングパスタより ショートパスタの方が相性がよろしいです。
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