特 許 公 報 特許第5783784号

〔実 11 頁〕
特 許 公 報(B2)
(19)日本国特許庁(JP)
(12)
(11)特許番号
特許第5783784号
(45)発行日
(P5783784)
(24)登録日 平成27年7月31日(2015.7.31)
平成27年9月24日(2015.9.24)
(51)Int.Cl.
A61K
FI
8/97
(2006.01)
A61K
8/97
A61K 36/736
(2006.01)
A61K
36/736
A61P 29/00
(2006.01)
A61P
29/00
A61P 43/00
(2006.01)
A61P
43/00
111 A61Q 19/00
(2006.01)
A61Q
19/00
請求項の数1
(全17頁) 最終頁に続く
(21)出願番号
特願2011-97553(P2011-97553)
(22)出願日
平成23年4月25日(2011.4.25)
オリザ油化株式会社
(65)公開番号
特開2012-229170(P2012-229170A)
愛知県一宮市北方町北方字沼田一番地
(43)公開日
平成24年11月22日(2012.11.22)
審査請求日
(73)特許権者 594045089
(72)発明者 下田
平成26年4月14日(2014.4.14)
博司
愛知県一宮市北方町北方字沼田一番地
オ
リザ油化株式会社内
(72)発明者 単
少傑
愛知県一宮市北方町北方字沼田一番地
オ
リザ油化株式会社内
(72)発明者 村井
弘道
愛知県一宮市北方町北方字沼田一番地
オ
リザ油化株式会社内
審査官 岩下
直人
最終頁に続く
(54)【発明の名称】一酸化窒素産生抑制剤
1
2
(57)【特許請求の範囲】
NOSのアイソフォームである誘導型NOS(iNOS
【請求項1】
:inducible
ヤエザクラカンザン(Prunus lannesiana Wils. cv. Se
NOS)(以下、iNOSという。)はグラム陰性菌の
kiyama)の花の抽出物を有効成分とする一酸化窒素産生
細胞壁構成成分の一つであるエンドトキシン(リポポリ
抑制剤。
サッカリド、LPS、細胞内毒素)(以下、LPSとい
【発明の詳細な説明】
う。)などの炎症惹起物質によって誘導され、多量のN
【技術分野】
Oを産生させる。多量に産生されたNOは上記のような
【0001】
作用の他、炎症性腸疾患、アレルギー性気道炎、肺炎、
本発明は、サクラの花抽出物から得られる一酸化窒素産
血管炎、歯肉炎、膵β細胞の自己破壊、臓器移植時の同
生抑制剤に関する。
10
種移植片急性拒絶反応など数々の炎症性疾患、偏頭痛、
【背景技術】
発がん性の増大、血管新生、さらにはエンドトキシンシ
【0002】
ョックの発現にも関わっており、NOは重要な病因物質
一酸化窒素(NO:nitric oxide)(以下
となっている。
、NOという。)は血管弛緩作用、血小板凝集抑制作用
【0003】
、殺菌作用、抗腫瘍作用など、多彩な役割が注目されて
これまで、アルギニン誘導体、イソチオ尿素誘導体、ワ
いるフリーラジカルである。NOはNO合成酵素(NO
クシニアウイルス接種炎症組織抽出物(特許文献1)な
S:NO
どについてはNO産生を抑制する作用が知られており、
synthase)(以下、NOSという。)によって
エンドトキシンショック時の低血圧症治療剤として検討
L−アルギニンから産生される。
されている。また、天然物由来成分としては、ケルセチ
( 2 )
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3
4
ン(非特許文献1)、ピペリン(非特許文献2)、リナ
媒は特に限定されないが、たとえば、水、メタノール、
リン(非特許文献3)、ヒメサナギタケ抽出物(非特許
エタノール、イソプロパノール、アセトン、1,3−ブ
文献4)などがNO産生を抑制するという報告がなされ
チレングリコール、エチレングリコール、プロピレング
ている。
リコール、グリセリン、酢酸、酢酸エチル、エーテル、
【発明の開示】
ヘキサン等が挙げられる。これらのうち、水、メタノー
【発明が解決しようとする課題】
ル、エタノールが好ましい。有効成分を効率よく抽出で
【0004】
きるからである。尚、これらは1種のみ用いても良いし
この背景の下、サクラの花抽出物及びその含有成分であ
、2種以上併用しても良い。
るカフェオイルグルコースに一酸化窒素作成抑制作用を
有することを見出し、本発明を完成させた。
【0012】
10
抽出溶媒として水を使用する場合には、抽出温度20∼
即ち、本発明は、新規な一酸化窒素産生抑制剤及びそれ
100℃、好ましくは40∼70℃程度で行うとよい。
を用いた抗炎症剤を提供することを目的とする。
これは、抽出温度が低すぎると、有効成分が抽出されに
【課題を解決するための手段】
くく、抽出温度が高すぎると桜に含有している、シアン
【0005】
化合物が残留しやすくなり、また、有効成分が分解され
上記課題を解決するための本発明の技術的特徴は以下の
やすくなるため、好ましくない。抽出用の水の種類は、
通りである。
特に限定されず、水道水、蒸留水、ミネラル水、アルカ
1.サクラの抽出物を有効成分とする抗炎症剤
リイオン水等を使用することができる。
2.サクラの抽出物を有効成分とする一酸化窒素産生抑
【0013】
制剤。
抽出溶媒として含水アルコールを使用する場合、アルコ
3.前記サクラとしてサクラの花の抽出物を用いること 20
ール濃度20wt%以上、好ましくは25∼50wt%
を特徴とする1.又は2.の剤。
であることが好ましい。20wt%未満の場合、高い抽
4.カフェオイルグルコースを有効成分とする一酸化窒
出量の有効成分を得ることが困難だからである。また、
素産生抑制剤。
アルコール濃度が30wt%以上の場合、抽出温度は、
【図面の簡単な説明】
0∼95℃、好ましくは0∼50℃程度で行うとよい。
【0006】
なお、含水エタノール抽出は、有効成分の含有率を向上
【図1】サクラの花エキスにおけるRAW264.7細胞のNO
させるため、種々の濃度で繰り返すとよい。
産生への抑制作用の結果を示すグラフである。
【0014】
【図2】カフェオイルグルコースにおけるRAW264.7細
また、極性溶媒にて抽出する場合、その抽出方法は特に
胞のNO産生への抑制作用の結果を示すグラフである。
限定されず、例えば、連続抽出、浸漬抽出、向流抽出等
【発明を実施するための最良の形態】
30
任意の方法を採用することができ、室温ないし還流加熱
【0007】
下において任意の装置を使用することができる。尚、上
以下、発明を詳細に説明する。
述した方法にて抽出を行う場合、これらのうちの1つの
【0008】
みを行っても良いし、これらの方法を組み合わせても良
本発明は、サクラの抽出物を有効成分とすることを特徴
い。また、これらの抽出は、1回のみ行っても良いし、2
とする。
回以上行っても良い。
サクラ(桜、櫻)は、バラ科サクラ属の植物のうち、ウ
【0015】
メ、モモ、アンズなどを除いた総称であり、一般にはサ
具体的な方法としては、抽出溶媒を満たした処理槽に抽
クラ亜属 (Subgen. Cerasus) に属するものを指す。
出原料を投入し、攪拌しながら有効成分を溶出させる。
【0009】
例えば、抽出溶媒として水または含水アルコールを用い
本発明で用いる桜の種は特に限定されず、例えば、ヤマ 40
る場合には、抽出原料の3∼100倍量程度(重量比)
ザクラ群、エドヒガン群、マメザクラ群、チョウジザク
の極性溶媒を使用し、1分∼150時間程度抽出を行う
ラ群、ミヤマザクラ群、シナミザクラ群等の群に属する
。溶媒中に有効成分を溶出させた後、ろ過して抽出残渣
桜を用いることができ、更にこれらの群に限定されない
を除くことによって、抽出液を得る。その後、常法に従
。
って抽出液に希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施し、
【0010】
高濃度のポリフェノール等の有効成分を含有する抽出物
本発明の原料で用いる桜の部位は特に限定されず、葉、
を得る。
茎、幹、花、根、果実等が挙げられるが、葉又は花を用
なお、精製方法としては、例えば、活性炭処理、樹脂吸
いることが好ましい。
着処理、シリカゲル処理、イオン交換樹脂、液−液向流
【0011】
分配、膜分離等の方法が挙げられる。
ここで、極性溶媒抽出にて抽出する場合、用いる極性溶 50
【0016】
( 3 )
JP
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更に、超臨界抽出により抽出を行う場合、このときに用
これら飲食品には、その種類に応じて種々の成分を配合
いる超臨界流体は特に限定されないが、たとえば、二酸
することができ、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マ
化炭素及び窒素等が挙げられる。尚、これらは1種のみ
ルトース、ソルビトール、ステビオサイド、コーンシロ
を用いても良いし、2種類以上併用しても良い。また、
ップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、
これらのうち特に二酸化炭素が好ましい。
乳酸、L−アスコルビン酸、dl−α−トコフェロール
より容易に有効成分を抽出することができるからである
、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレン
。また、このときの抽出方法は、公知の方法にて行えば
グリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリ
よい。その後、常法に従って抽出液に希釈、濃縮、乾燥
ン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン
、精製等の処理を施し、ポリフェノールを含有する抽出
物を得る。
脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル
10
、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、
【0017】
ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パ
また、本発明は、カフェオイルグルコースを有効成分と
ントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、
することを特徴とする。
色素、香料、保存剤等の食品素材を使用することができ
本発明に使用するカフェオイルグルコースは特に限定さ
る。さらに、健康維持機能をもった本一酸化窒素産生抑
れないが、1-O-(E)-caffeoyl-β-D-glucopyranosideが
制剤には、他の抗酸化物質や健康食品素材など、例えば
特に好ましい。
、還元型アスコルビン酸(ビタミンC)、ビタミンE、
1-O-(E)-caffeoyl-β-D-glucopyranosideは下記化学式
還元型グルタチン、トコトリエノール、ビタミンA誘導
(1)に示される化合物である。
体、リコピン、β−クリプトキサンチン、アスタキサン
【化1】
チン、ゼアキサンチン、フコキサンチン、尿酸、ユビキ
20
ノン、コエンザイムQ10、葉酸、ニンニクエキス、ア
リシン、セサミン、リグナン類、カテキン、イソフラボ
ン、カルコン、タンニン類、フラボノイド類、クマリン
、イソクマリン類、ブルーベリーエキス、健康食品素材
)V.(ビタミン)A、V.B1、V.B2、V.B6
、V.B12、V.C、V.D、V.E、V.P、コリ
ン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸カルシウム、EP
A、オリゴ糖、食物繊維、スクアレン、大豆レシチン、
タウリン、ドナリエラ、プロテイン、オクタコサノール
、DHA、卵黄レシチン、リノール酸、ラクトフェリン
30
、マグネシウム、亜鉛、クロム、セレン、カリウム、ヘ
【0018】
ム鉄、カキ肉エキス、キトサン、キチンオリゴ糖、コラ
カフェオイルグルコースを得る方法は特に限定されない
ーゲン、コンドロイチン、エラスチン、ウコン、カンゾ
が、植物から抽出ことが好ましい。より容易にこれらを
ウ、クコシ、ケイヒ、サンザシ、生姜、霊芝、シジミエ
得ることができるからである。また、上記化合物を植物
キス、スッポン、カンゾウ、クコシ、ケイヒ、セイヨウ
から抽出する場合、桜から抽出することが最も好ましい
、サンザシ、生姜、霊芝、オオバコ、カミツレ、カモミ
。
ール、セイヨウタンポポ、ハイビスカス、ハチミツ、ボ
【0019】
ーレン、ローヤルゼリー、ライム、ラベンダー、ローズ
本発明の一酸化窒素産生抑制剤は、各種飲食品の素材と
ヒップ、ローズマリー、セージ、ビフィズス菌、フェー
して使用することができる。飲食品としては、例えば、
カリス菌、ラクリス、小麦胚芽油、ゴマ油、シソ油、大
食用油(サラダ油、菓子類(ガム、キャンディー、キャ 40
豆油、中鎖脂肪酸、アガリクス、イチョウ葉エキス、コ
ラメル、チョコレート、クッキー、スナック、ゼリー、
ンドロイチン、玄米胚芽エキス、レイシ、タマネギ、D
グミ、錠菓等)、麺類(そば、うどん、ラーメン等)、
HA、EPA、DPA、甜茶、冬虫夏草、ニンニク、蜂
乳製品(ミルク、アイスクリーム、ヨーグルト等)、調
の子、パパイヤ、プーアル、プロポリス、メグスリの木
味料(味噌、醤油等)、スープ類、飲料(ジュース、コ
、ヤブシタケ、ロイヤルゼリー、ノコギリヤシ、ヒアル
ーヒー、紅茶、茶、炭酸飲料、スポーツ飲料等)をはじ
ロン酸、ギャバ、ハープシールオイル、サメ軟骨、グル
めとする一般食品や、健康食品(錠剤、カプセル等)、
コサミン、レシチン、ホスファチジルセリン、田七ニン
栄養補助食品(栄養ドリンク等)が挙げられる。これら
ジン、桑葉、大豆抽出物、エキナセア、エゾウコギ、大
の飲食品に本発明の一酸化窒素産生抑制剤等を適宜配合
麦抽出物、オリーブ葉、オリーブ実、ギムネマ、バナバ
するとよい。
、サラシア、ガルシニア、キトサン、セントジョーンズ
【0020】
50
ワート、ナツメ、ニンジン、パッションフラワー、ブロ
( 4 )
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7
8
ッコリー、プラセンタ、ハトムギ、ブドウ種子、ピーナ
トリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、
ッツ種皮、ビルベリー、ブラックコホシュ、マリアアザ
ステアリン酸モノグリセリド、デンプン、乳糖、アラビ
ミ、月桂樹、セージ、ローズマリー、ラフマ、黒酢、ゴ
アゴム末、ゼラチン、エタノール等)、崩壊抑制剤(白
ーヤー、マカ、紅花、亜麻、ウーロン茶、花棘、カフェ
糖、ステアリン、カカオ脂、水素添加油等)、吸収促進
イン、カプサイシン、キシロオリゴ糖、グルコサミン、
剤(第四級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム
ソバ、シトラス、食物繊維、プロテイン、プルーン、ス
等)、吸着剤(グリセリン、デンプン、乳糖、カオリン
ピルリナ、大麦若葉、核酸、酵母、椎茸、梅肉、アミノ
、ベントナイト、硅酸等)、滑沢剤(精製タルク、ステ
酸、深海鮫抽出物、ノニ、カキ肉、スッポン、シャンピ
アリン酸塩、ポリエチレングリコール等)などが挙げら
ニオン、オオバコ、アセロラ、パイナップル、バナナ、
れる。
モモ、アンズ、メロン、イチゴ、ラズベリー、オレンジ 10
【0024】
、フコイダン、メシマコブ、クランベリー、亜鉛、鉄、
本発明による一酸化窒素産生抑制剤等の投与方法は、一
シルクペプチド、グリシン、ナイアシン、チェストツリ
般的には、錠剤、丸剤、軟・硬カプセル剤、細粒剤、散
ー、セラミド、L−システイン、赤ワイン果汁、ミレッ
剤、顆粒剤、液剤等の形態で経口投与することができる
ト、ホーステール、ビオチン、センテラアジアティカ、
が、非経口投与であってもよい。非経口剤として投与す
ハスカップ、ピクノジェノール、フキ、ルバーブ、クロ
る場合は、溶液の状態、または分散剤、懸濁剤、安定剤
ーブ、プーアル、クエン酸、ビール酵母、メリロート、
などを添加した状態で、ハップ剤、ローション剤、軟膏
ブラックジンガー、ショウガ、ガジュツ、ナットウキナ
剤、チンキ剤、クリーム剤などの剤形で適用することが
ーゼ、ベニコウジ、トコトリエノール、ラクトフェリン
できる。
、韃靼ソバ、ココア、ドクダミ、キウイ、ヒハツ、ハス
【0025】
の葉、パフィア、スターフルーツなども配合することが 20
投与量は、投与方法、病状、患者の年齢等によって変化
できる。
し得るが、大人では、通常、1日当たり有効成分として
【0021】
1∼1000mg、子供では通常0.5∼500mg程
具体的な製法としては、桜の溶媒抽出物を粉末セルロー
度投与することができる。
スとともにスプレードライまたは凍結乾燥し、これを粉
一酸化窒素産生抑制剤の配合比は、剤型によって適宜変
末、顆粒、打錠または溶液にすることで容易に飲食品(
更することが可能であるが、通常、経口または粘膜吸収
インスタント食品等)に含有させることができる。
により投与される場合は約0.3∼15.0wt%、非
桜抽出物を、例えば、油脂、エタノール、グリセリンあ
経口投与による場合は、0.01∼10wt%程度にす
るいはこれらの混合物に溶解して液状にし、飲料に添加
るとよい。なお、投与量は種々の条件で異なるので、前
するか、固形食品に添加することが可能である。必要に
記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、また、範
応じてアラビアガム、デキストリン等のバインダーと混 30
囲を超えて投与する必要のある場合もある。
合して粉末状あるいは顆粒状にし、飲料に添加するか固
【0026】
形食品に添加することも可能である。
本発明の一酸化窒素産生抑制剤等を配合しうる皮膚外用
【0022】
材の形態としては、例えば、乳液、石鹸、洗顔料、入浴
本発明の一酸化窒素産生抑制剤等を飲食品に適用する場
剤、クリーム、乳液、化粧水、オーデコロン、ひげ剃り
合の添加量としては、病気予防や健康維持が主な目的で
用クリーム、ひげ剃り用ローション、化粧油、日焼け・
あるので、飲食品に対して有効成分の含量が合計1∼2
日焼け止めローション、おしろいパウダー、ファンデー
0wt%以下であるのが好ましい。
ション、香水、パック、爪クリーム、エナメル、エナメ
【0023】
ル除去液、眉墨、ほお紅、アイクリーム、アイシャドー
本発明の一酸化窒素産生抑制剤は、薬品(医薬品および
、マスカラ、アイライナー、口紅、リップクリーム、シ
医薬部外品を含む。)の素材として用いてもよい。薬品 40
ャンプー、リンス、トリートメント、染毛料、分散液、
製剤用の原料に、本発明の一酸化窒素産生抑制剤を適宜
洗浄料等が挙げられる。
配合して製造することができる。本発明の一酸化窒素産
また、本発明の一酸化窒素産生抑制剤等を配合しうる医
生抑制剤に配合しうる製剤原料としては、例えば、賦形
薬品または医薬部外品の形態としては、軟膏剤、クリー
剤(ブドウ糖、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、デンプン
ム剤、外用液剤等が挙げられる。
、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、カカオ
【0027】
脂、硬化植物油、カオリン、タルク等)、結合剤(蒸留
上記形態の皮膚外用剤には、本発明による一酸化窒素産
水、生理食塩水、エタノール水、単シロップ、ブドウ糖
生抑制剤等の他に、その一酸化窒素生成抑制効果を損な
液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセル
わない範囲で化粧品、医薬部外品などの皮膚外用剤に配
ロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等)、
合される成分、油分、高級アルコール、脂肪酸、紫外線
崩壊剤(アルギン酸ナトリウム、カンテン、炭酸水素ナ 50
吸収剤、粉体、顔料、界面活性剤、多価アルコール・糖
( 5 )
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9
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、高分子、生理活性成分、溶媒、酸化防止剤、香料、防
ン酸トリオクチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ヒドロ
腐剤等を配合することができる。
キシステアリン酸2−エチルヘキシル、コハク酸ジ2−
例を以下に羅列するが、本発明はこれらの例に限定され
エチルヘキシル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸
るものではない。
ジイソプロピル、セバシン酸ジオクチル、ステアリン酸
(1)油分の例
コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、ヒドロ
エステル系の油相成分:トリ2−エチルヘキサン酸グリ
キシステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリ
セリル、2−エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イ
ル、オレイン酸ジヒドロコレステリル、イソステアリン
ソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプ
酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル、12−
ロピル、ステアリン酸エチル、パルミチン酸オクチル、
ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソセチル、12
イソステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、ミ 10
−ステアロイルヒドロキシステアリン酸ステアリル、1
リスチン酸ブチル、リノール酸エチル、リノール酸イソ
2−ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソステアリ
プロピル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソセチル
ル等が挙げられる。
、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステ
炭化水素系の油相成分:スクワラン、流動パラフィン、
アリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリ
α−オレフィンオリゴマー、イソパラフィン、セレシン
ン酸イソセチル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイ
、パラフィン、流動イソパラフィン、ポリブテン、マイ
ソプロピル、ネオペンタン酸イソアラキル、トリ(カプ
クロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。
リル・カプリン酸)グリセリル、トリ2−エチルヘキサ
動植物油とその硬化油、および天然由来のロウ:牛脂、
ン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸ト
硬化牛脂、豚脂、硬化豚脂、馬油、硬化馬油、ミンク油
リメチロールプロパン、テトラ2−エチルヘキサン酸ペ
、オレンジラフィー油、魚油、硬化魚油、卵黄油等の動
ンタエリスリトール、カプリル酸セチル、ラウリン酸デ 20
物油およびその硬化油、アボカド油、アルモンド油、オ
シル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、ミリ
リーブ油、カカオ脂、杏仁油、ククイナッツ油、ゴマ油
スチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ステアリン
、小麦胚芽油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油
酸ステアリル、オレイン酸デシル、リシノレイン酸セチ
、シアバター、大豆油、月見草油、シソ油、茶実油、ツ
ル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリ
バキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、硬化ナタネ油、パ
デシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソス
ーム核油、硬化パーム核油、パーム油、硬化パーム油、
テアリル、パルミチン酸イソセチル、パルミチン酸イソ
ピーナッツ油、硬化ピーナッツ油、ヒマシ油、硬化ヒマ
ステアリル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソ
シ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ホホバ油、硬化ホホ
セチル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸オクチルド
バ油、マカデミアナッツ油、メドホーム油、綿実油、硬
デシル、リノール酸オクチルドデシル、イソステアリン
化綿実油、ヤシ油、硬化ヤシ油等の植物油およびその硬
酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セトステアリル 30
化油、ミツロウ、高酸価ミツロウ、ラノリン、還元ラノ
、2−エチルヘキサン酸ステアリル、イソステアリン酸
リン、硬化ラノリン、液状ラノリン、カルナバロウ、モ
ヘキシル、ジオクタン酸エチレングリコール、ジオレイ
ンタンロウ等のロウ等が挙げられる。
ン酸エチレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリ
シリコーン系の油相成分:ジメチルポリシロキサン、メ
コール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコ
チルフェニルポリシロキサン、メチルシクロポリシロキ
ール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン
サン、オクタメチルポリシロキサン、デカメチルポリシ
酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチル
ロキサン、ドデカメチルシクロシロキサン、メチルハイ
グリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリウンデシ
ドロジェンポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノ
ル酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、ト
ポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルセチルオ
リイソステアリン酸グリセリル、ネオペンタン酸オクチ
キシシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチル
ルドデシル、オクタン酸イソステアリル、イソノナン酸 40
ステアロキシシロキサン共重合体、アルキル変性オルガ
オクチル、ネオデカン酸ヘキシルデシル、ネオデカン酸
ノポリシロキサン、末端変性オルガノポリシロキサン、
オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、イソ
アミノ変性シリコーン油、アミノ変性オルガノポリシロ
ステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸オクチ
キサン、ジメチコノール、シリコーンゲル、アクリルシ
ルデシル、ポリグリセリンオレイン酸エステル、ポリグ
リコーン、トリメチルシロキシケイ酸、シリコーンRT
リセリンイソステアリン酸エステル、炭酸ジプロピル、
Vゴム等が挙げられる。
炭酸ジアルキル(C12−18)、クエン酸トリイソセ
フッ素系の油相成分:パーフルオロポリエーテル、フッ
チル、クエン酸トリイソアラキル、クエン酸トリイソオ
素変性オルガノポリシロキサン、フッ化ピッチ、フルオ
クチル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、
ロカーボン、フルオロアルコール、フルオロアルキル・
乳酸オクチルデシル、クエン酸トリエチル、クエン酸ア
ポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサン等
セチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエ 50
が挙げられる。
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(2)高級アルコールの例
パウダー、シリコーンパウダー、ポリメタクリル酸メチ
ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルア
ルパウダー、セルロースパウダー、デンプン、シリコー
ルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアル
ンエラストマー球状粉体、ポリエチレン末等の高分子、
コール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、2
黄酸化鉄、赤色酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、カーボ
−エチルヘキサノール、ヘキサデシルアルコール、オク
ンブラック、群青、紺青等の有色顔料、酸化亜鉛、酸化
チルドデカノール等が挙げられる。
チタン、酸化セリウム等の白色顔料、タルク、マイカ、
(3)脂肪酸の例
セリサイト、カオリン、板状硫酸バリウム等の体質顔料
カプリル酸、カプリン酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸
、雲母チタン等のパール顔料、硫酸バリウム、炭酸カル
、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ス
シウム、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マ
テアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール 10
グネシウム等の金属塩、シリカ、アルミナ等の無機粉体
酸、リノレン酸、アラキン酸、アラキドン酸、ベヘン酸
、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウ
、エルカ酸、2−エチルヘキサン酸等が挙げられる。
ム、パルミチン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン
(4)紫外線吸収剤の例
酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛
パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸アミル、パラ
等の金属セッケン、ベントナイト、スメクタイト、窒化
アミノ安息香酸エチルジヒドロキシプロピル、パラアミ
ホウ素等が挙げられる。これらの粉体の形状(球状、棒
ノ安息香酸グリセリル、パラアミノ安息香酸エチル、パ
状、針状、板状、不定形状、燐片状、紡錘状等)および
ラアミノ安息香酸オクチル、パラアミノ安息香酸オクチ
粒子径に特に制限はない。なおこれらの粉体は、従来公
ルジメチル、サリチル酸エチレングリコール、サリチル
知の表面処理、例えばフッ素化合物処理、シリコーン処
酸オクチル、サリチル酸トリエタノールアミン、サリチ
理、シリコーン樹脂処理、ペンダント処理、シランカッ
ル酸フェニル、サリチル酸ブチルフェニル、サリチル酸 20
プリング剤処理、チタンカップリング剤処理、油剤処理
ベンジル、サリチル酸ホモメンチル、ケイ皮酸ベンジル
、N−アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属
、パラメトキシケイ皮酸オクチル、パラメトキシケイ皮
セッケン処理、アミノ酸処理、レシチン処理、無機化合
酸2−エチルヘキシル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ2
物処理、プラズマ処理、メカノケミカル処理等によって
−エチルヘキサン酸グリセリル、パラメトキシケイ皮酸
事前に表面処理されていてもいなくても構わない。
イソプロピル、パラメトキシヒドロケイ皮酸ジエタノー
(6)界面活性剤の例
ルアミン塩、ジイソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸
アニオン性界向活性剤:脂肪酸セッケン、α−アシルス
エステル混合物、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、
ルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルス
ヒドロキシメトキシベンソフェノン、ヒドロキシメトキ
ルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキ
シベンゾフェノンスルホン酸及びその塩、ジヒドロキシ
ル硫酸塩、POEアルキルエーテル硫酸塩、アルキルア
メトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシメトキシベンゾ 30
ミド硫酸塩、アルキルリン酸塩、POEアルキルリン酸
フェノンジスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾ
塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタ
フェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ヒ
ウリン塩、N−アシルアミノ酸塩、POEアルキルエー
ドロキシオクトキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシ
テルカルボン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキ
ベンゾフェノン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、
ルスルホ酢酸ナトリウム、アシル化加水分解コラーゲン
2、4、6−トリアニリノ−p−(カルボ−2−エチル
ペプチド塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等が
ヘキシル−1−オキシ)−1、3、5−トリアジン、2
挙げられる。
−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリ
カチオン性界面活性剤:塩化アルキルトリメチルアンモ
アゾール、メチル−O−アミノベンゾエート、2−エチ
ニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化
ルヘキシル−2−シアノ−3、3−ジフェニルアクリレ
ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セトステアリ
ート、フェニルベンゾイミダゾール硫酸、3−(4−メ 40
ルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチル
チルベンジリデン)カンフル、イソプロピルジベンゾイ
アンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモ
ルメタン、4−(3、4−ジメトキシフェニルメチレン
ニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ベ
)−2、5−ジオキソ−1−イミダゾリジンプロピオン
ンザルコニウム、塩化ベヘニン酸アミドプロピルジメチ
酸2−エチルヘキシル等、およびこれらの高分子誘導体
ルヒドロキシプロピルアンモニウム、ステアリン酸ジエ
やシラン誘導体等が挙げられる。
チルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノ
(5)粉体・顔料の例
プロピルアミド、ラノリン誘導体第四級アンモニウム塩
赤色104号、赤色201号、黄色4号、青色1号、黒
等が挙げられる。
色401号等の色素、黄色4号ALレーキ、黄色203
両性界面活性剤:カルボキシベタイン型、アミドベタイ
号BAレーキ等のレーキ色素、ナイロンパウダー、シル
ン型、スルホベタイン型、ヒドロキシスルホベタイン型
クパウダー、ウレタンパウダー、テフロン(登録商標) 50
、アミドスルホベタイン型、ホスホベタイン型、アミノ
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カルボン酸塩型、イミタゾリン誘導体型、アミドアミン
ーマー、三菱化学社製)、アクリル酸オクチルアクリル
型等が挙げられる。
アミド/アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸
ノニオン性界面活性剤:プロピレングリコール脂肪酸エ
ブチルアミノエチル共重合体(AMPHOMER、NS
ステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂
C社製)等の両性高分子化合物、ビニルピロリドン/ジ
肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、POEソル
メチルアミノエチルメタクリレートの4級化物(GAF
ビタン脂肪酸エステル、POEソルビット脂肪酸エステ
QUAT、ISP社製)、メチルビニルイミダゾリウム
ル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POEアルキル
クロリド/ビニルピロリドン共重合体(ルビコート、B
エーテル、POE脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油
ASF社製)等のカチオン性高分子化合物、ポリビニル
、POEヒマシ油、POE・POP共重合体、POE・
ピロリドン(ルビスコールK、BASF社製)、ビニル
POPアルキルエーテル、ポリエーテル変性シリコーン 10
ピロリドン/酢酸ビニル共重合体(ルビスコールVA、
ラウリン酸アルカノールアミド、アルキルアミンオキシ
BASF社製)、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエ
ド、水素添加大豆リン脂質等が挙げられる。
チルメタクリレート共重合体(コポリマー937、IS
天然系界面活性剤:レシチン、サポニン、糖系界面活性
P社製)、ビニルカプロラクタム/ビニルピロリドン/
剤等が挙げられる。
ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(コポリ
(7)多価アルコール、糖の例
マーVC713、ISP社製)等のノニオン性高分子化
エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチ
合物等がある。また、セルロースまたはその誘導体、ケ
レングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレン
ラチン及びコラーゲンまたはその誘導体、アルギン酸カ
グリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、
ルシウム、プルラン、寒天、ゼラチン、タマリンド種子
ジグリセリン、ポリグリセリン、3−メチル−1、3−
多糖類、キサンタンガム、カラギーナン、ハイメトキシ
ブタンジオール、1、3−ブチレングリコール、ソルビ 20
ルペクチン、ローメトキシルペクチン、グアーガム、ア
トール、マンニトール、ラフィノース、エリスリトール
ラビアゴム、結晶セルロース、アラビノガラクタン、カ
、グルコース、ショ糖、果糖、キシリトール、ラクトー
ラヤガム、トラガカントガム、アルギン酸、アルブミン
ス、マルトース、マルチトール、トレハロース、アルキ
、カゼイン、カードラン、ジェランガム、デキストラン
ル化トレハロース、混合異性化糖、硫酸化トレハロース
等の天然由来高分子化合物も好適に用いることができる
、プルラン等が挙げられる。またこれらの化学修飾体等
。
も使用可能である。
(9)生理活性成分の例
(8)高分子の例
生理活性成分としては、皮膚に塗布した場合に皮膚に何
アクリル酸エステル/メタクリル酸エステル共重合体(
らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、美
プラスサイズ、互応化学社製)、酢酸ビニル/クロトン
白成分、抗炎症剤、老化防止剤、紫外線防御剤、スリミ
酸共重合体(レジン28−1310、NSC社製)、酢 30
ング剤、ひきしめ剤、抗酸化剤、発毛剤、育毛剤、保湿
酸ビニル/クロトン酸/ビニルネオデカネート共重合体
剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温
(28−2930、NSC社製)、メチルビニルエーテ
感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩
ルマレイン酸ハーフエステル(ガントレッツES、IS
和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。
P社製)、T−ブチルアクリレート/アクリル酸エチル
これらの好適な配合成分の例としては、例えばアシタバ
/メタクリル酸共重合体(ルビマー、BASF社製)、
エキス、アボカドエキス、アマチャエキス、アルテアエ
ビニルピロリドン/ビニルアセテート/ビニルプロピオ
キス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、
ネート共重合体(ルビスコールVAP、BASF社製)
アンズ核エキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、
、ビニルアセテート/クロトン酸共重合体(ルビセット
ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、エ
CA、BASF社製)、ビニルアセテート/クロトン酸
チナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オ
/ビニルピロリドン共重合体(ルビセットCAP、BA 40
ウレンエキス、オオムギエキス、オトギリソウエキス、
SF社製)、ビニルピロリドン/アクリレート共重合体
オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジ
(ルビフレックス、BASF社製)、アクリレート/ア
エキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解エラスチン
クリルアミド共重合体(ウルトラホールド、BASF社
、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス
製)、ビニルアセテート/ブチルマレエート/イソボル
、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、
ニルアクリラート共重合体(アドバンテージ、ISP社
カルカデエキス、カキョクエキス、キウイエキス、キナ
製)、カルボキシビニルポリマー(カーボポール、BF
エキス、キューカンバ−エキス、グアノシン、クチナシ
Goodrich社製)、アクリル酸・メタクリル酸ア
エキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス
ルキル共重合体(ペミュレン、BFGoodrich社
、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロ
製)等のアニオン性高分子化合物や、ジアルキルアミノ
レラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキ
エチルメタクリレート重合体の酢酸両性化物(ユカフォ 50
ス、酵母エキス、ゴボウエキス、コメヌカ発酵エキス、
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コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモ
キシ酸、β−ヒドロキシ酸などの細胞賦活剤、γ−オリ
エキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出
ザノール、ビタミンE誘導体などの血行促進剤、レチノ
液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、
ール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤、アルブチン、
サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、
コウジ酸、プラセンタエキス、イオウ、エラグ酸、リノ
ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエ
ール酸、トラネキサム酸、グルタチオン等の美白剤、セ
キス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウ
ファランチン、カンゾウ抽出物、トウガラシチンキ、ヒ
ブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウ
ノキチオール、ヨウ化ニンニクエキス、塩酸ピリドキシ
キズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワ
ン、DL−α−トコフェロール、酢酸DL−α−トコフ
トコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハ
ェロール、ニコチン酸、ニコチン酸誘導体、パントテン
ッカエキス、セ−ジエキス、ゼニアオイエキス、センキ 10
酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、アセチル
ュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウ
パントテニルエチルエーテル、ビオチン、アラントイン
エキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チ
、イソプロピルメチルフェノール、エストラジオール、
ガヤエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキンセ
エチニルエストラジオール、塩化カプロニウム、塩化ベ
ンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミ
ンザルコニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、タカナール
エキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、
、カンフル、サリチル酸、ノニル酸バニリルアミド、ノ
ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、
ナン酸バニリルアミド、ピロクトンオラミン、ペンタテ
バクモンドウエキス、パセリエキス、蜂蜜、ハマメリス
カン酸グリセリル、L−メントール、モノニトログアヤ
エキス、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサ
コール、レゾルシン、γ−アミノ酪酸、塩化ベンゼトニ
ボロール、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノト
ウム、塩酸メキシレチン、オーキシン、女性ホルモン、
ウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキ 20
カンタリスチンキ、シクロスポリン、ジンクピリチオン
ス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバ
、ヒドロコールチゾン、ミノキシジル、モノステアリン
ナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボ
酸ポリオキシエチレンソルビタン、ハッカ油、ササニシ
タンエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキ
キエキス等の育毛剤などが挙げられる。
ス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエ
(10)酸化防止剤の例
キス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキ
亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、エリソルビ
ス、ユキノシタエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキ
ン酸、エリソルビン酸ナトリウム、チオジプロピオン酸
ス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レタスエキス、
ジラウリル、トコフェロール、トリルビグアナイド、ノ
レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ロー
ルジヒドログアヤレチン酸、パラヒドロキシアニソール
ズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリ
、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシト
ーエキス、イチゴエキス、ヒハツエキス、ハスの葉エキ 30
ルエン、ステアリン酸アスコルビル、パルミチン酸アス
ス、パフィアエキス、スターフルーツエキス等を挙げる
コルビル、没食子酸オクチル、没食子酸プロピル、カロ
ことができる。
チノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニ
また、デオキシリボ核酸、ムコ多糖類、ヒアルロン酸ナ
ン、リンゴエキスやチョウジエキスなとの酸化防止効果
トリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン
の認められる植物エキス等が挙げられる。
、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜など
(11)溶媒の例
の生体高分子、アミノ酸、加水分解ペプチド、乳酸ナト
精製水、エタノール、低級アルコール、エーテル類、L
リウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタ
PG、フルオロカーボン、N−メチルピロリドン、フル
イン、ホエイ、トリメチルグリシンなどの保湿成分、ス
オロアルコール、揮発性直鎮状シリコーン、次世代フロ
フィンゴ脂質、セラミド、フィトスフィンゴシン、コレ
ン等が挙げられる。
ステロール、コレステロール誘導体、リン脂質などの油 40
【実施例】
性成分、ε−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β
【0028】
−グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン
実施例1
、ヒドロコールチゾン等の抗炎症剤、ビタミンA、ビタ
桜の抽出物(花)の製造
ミンB2、ビタミンB6、ビタミンC、ビタミンD、ビ
桜[ヤエザクラ (カンザン),
タミンE、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチ
Prunus lannesiana Wils. cv. Sekiyama]の花部を30
ン酸アミド、ビタミンCエステル等のビタミン類、アラ
%(W/W)含水エタノールで1時間抽出(60℃)を
ントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、
行った。その後、ろ過、濃縮を行い、桜の花抽出物(以
4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成
下、桜の花エキスともいう。)を得た。
分、トコフェロール、カロチノイド、フラボノイド、タ
【0029】
ンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤、α−ヒドロ 50
実施例2
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カフェオイルグルコースの単離
00μ/mLおよびIndomethacin(2.5μM,8.9 μg/mL)それ
実施例1の桜の花エキスをHP-20 column chromatography
ぞれ14.4%,
に付し, H2 O溶出部,MeOH溶出部, 及びAcetone溶出部を
16.2%, 47.6%, 53.2%, 52.1%および33.2%であった。3∼
得た。得られたMeOH溶出部順相silica-gel column chro
30 μg/mLの濃度において,濃度依存性が認められた。
matography, 逆相ODS column chromatography及びHPLC
ポジティブ対照としてのIndomethacinに比べ,NO産生抑
を用いて繰り返し分離精製し,カフェオイルグルコース
制作用において桜の花エキスおよびカフェオイルグルコ
(1-O-(E)-caffeoyl-β-D-glucopyranoside)を単離し
ースのほうが強いことが確認された。
た。
以上により本実施例でおいて、NOの産生を抑制するこ
【0030】
とが確認された。
試験例
10
【0032】
実験材料:桜の花エキス(実施例1),カフェオイルグ
本発明による一酸化窒素産生抑制剤(桜の花エキス)の
ルコース(実施例2),RAW264.7細胞(RIKEN
配合例を示す。
LL
BANK),
Lipopolysaccharide
coli Serotype 0127:
BRC
CE
From Escherichia
配合例1:チューインガム
B8(LPS,Sigma)を用いた。
砂糖
53.0wt%
方法:
ガムベース
20.0
1)マウス由来のマクロファージ様RAW264.7細胞を10%
グルコース
10.0
牛胎児血清(FCS),ペニシリン(100
水飴
16.0
units/mL)およびストレプトマイシン(100 μg/mL)を含
香料
0.5
一酸化窒素産生抑制剤
0.5
6
有するDMEM培地(GIBCO)に1×10 cells/mLの濃度でサス
ペンドし,48穴プレートに200 μLずつ播種した。
20
100.0wt%
2)48−72時間培養した後,培地を吸引により除く。無
【0033】
血清培地(FCSを入れていない培地)で3回洗った後,新
配合例2:グミ
たに無血清培地170 μLを各ウェルに加える。
還元水飴
40.0wt%
3)無血清培地で200 μg/mLに調整したLPS溶液を10 μ
グラニュー糖
20.0
L加える(終濃度10
ブトウ糖
20.0
μg/mL)。Controlのウェルには無血清培地を10 μL加
ゼラチン
4.7
える。無血清培地で10,30,100,300,1000 μg/mL濃
水
9.68
度に調整したサンプル溶液および25 μM Indomethacin
ユズ果汁
4.0
を各5ウェル,20 μLずつ添加する。Controlのウェルに
ユズフレーバー
0.6
色素
0.02
4)20時間培養した後,培養上清を収集して,培養上清
一酸化窒素産生抑制剤
1.0
中の一酸化窒素(以下、単に「NO」とする)濃度を測定
100.0wt%
する。
【0034】
NO濃度の測定はグリース試薬を用いて行なった。
配合例3:キャンディー
各濃度サンプルの細胞生存率への影響をMTT法で評価
砂糖
50.0wt%
した。
水飴
33.0
【0031】
水
14.4
結果及び実施例の効果
有機酸
2.0
香料
0.2
一酸化窒素産生抑制剤等
0.4
は,無血清培地を20 μLずつ加える。
30
NO産生抑制作用について
桜の花エキスは,10∼100μg/mLの濃度において, LPS
40
刺激によるRAW264.7細胞のNO産生への抑制作用を認め
100.0wt%
た(図1)。抑制率は,桜の花エキス3, 10,
【0035】
30,100μg/mLおよびポジティブ対照としてのIndometha
配合例4:ヨーグルト(ハード・ソフト)
cin(2.5μM、8.9 μg/mL)それぞれ8.0%, 52.5%, 57.5%
牛乳
, 49.2%および28.9%であった。1μg/mLの濃度において
脱脂粉乳
5.8
,抑制作用が認められなかった。3∼30 μg/mLの濃度に
砂糖
8.0
おいて,濃度依存性が認められた。
寒天
0.15
桜の花エキスの含有成分カフェオイルグルコースは,1
ゼラチン
0.1
∼100 μg/mLの濃度において,NO産生への抑制作用を認
乳酸菌
0.005
めた(図2)。抑制率は,桜の花エキス1, 3, 10, 30, 1 50
一酸化窒素産生抑制剤
0.4
41.5wt%
( 10 )
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20
香料
微量
エタノール
5.0wt%
水
残余
グリセリン
2.0
100.0wt%
1、3−ブチレングリコール
2.0
【0036】
ポリエチレンオレイルエーテル
0.5
配合例5:清涼飲料
クエン酸ナトリウム
0.1
クエン酸
0.1
0.1
果糖ブドウ糖液糖
30.0wt%
乳化剤
0.5
一酸化窒素産生抑制剤
一酸化窒素産生抑制剤
0.3
精製水
香料
適量
精製水
残余
残余
100.0wt%
10
【0042】
100.0wt%
配合例11:ボディージェル
【0037】
マカデミアナッツ油
配合例6:錠菓
2.0wt
%
砂糖
76.4wt%
ミリスチン酸オクチルドデシル
10.0
グルコース
19.0
メチルフェニルポリシロキサン
5.0
ショ糖脂肪酸エステル
0.2
ベヘニルアルコール
3.0
一酸化窒素産生抑制剤
0.5
ステアリン酸
3.0
精製水
3.9
バチルアルコール
1.0
モノステアリン酸グリセリル
1.0
100.0wt%
【0038】
20
配合例7:ソフトカプセル
テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット
2.
0
玄米胚芽油
47.0wt%
水素添加大豆リン脂質
1.0
ユズ種子油
40.0
セラミド
0.1
乳化剤
12.0
パルミチン酸レチノール
0.1
防腐剤
適量
100.0wt%
ツボクサエキス
1.0
【0039】
一酸化窒素産生抑制剤
1.0
1、3−ブチレングリコール
5.0
一酸化窒素産生抑制剤
1.0
配合例8:錠剤
乳糖
54.0wt%
結晶セルロース
30.0
澱粉分解物
10.0
精製水
30
残余
100.0wt%
【0043】
グリセリン脂肪酸エステル
5.0
配合例12:乳液
一酸化窒素産生抑制剤
1.0
スクワラン
4.0wt%
100.0wt%
ワセリン
2.5
【0040】
セタノール
2.0
配合例9:化粧クリーム
グリセリン
2.0
スクワラン
20.0wt%
親油型モノステアリン酸グリセリン
ミツロウ
5.0
1.0
精製ホホバ油
5.0
グリセリン
5.0
グリセリンモノステアレート
2.0
ステアリン酸
1.0
L−アルギニン
1.0
一酸化窒素産生抑制剤
0.5
ポリオキシエチレン(20)ソルビタン・
水酸化カリウム
0.1
モノステアレート
2.0
香科
微量
一酸化窒素産生抑制剤
2.0
精製水
残余
防腐剤
適量
100.0wt%
香料
適量
【0044】
精製水
残余
配合例13:浴用剤(液状)
40
100.0wt%
プロピレングリコール
50.0wt%
【0041】
エタノール
20.0
配合例10:化粧水
50
硫酸ナトリウム
5.0
( 11 )
JP
21
5783784
B2
2015.9.24
22
一酸化窒素産生抑制剤
0.5
100.0wt%
ラノリン
0.5
【産業上の利用可能性】
アボガド油
0.5
【0045】
色素
1.5
以上により、本発明は、新規な一酸化窒素産生抑制剤及
香料
22.0
びそれを用いた抗炎症剤を提供することができる。
【図1】
【図2】
────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.
FI
C07H
15/203
(2006.01)
C07H
15/203
A23L
1/30
(2006.01)
A23L
1/30
(56)参考文献
B
特開2003−261454(JP,A)
特開2001−122730(JP,A)
特開2004−359732(JP,A)
特表2009−540800(JP,A)
特開2003−160483(JP,A)
Fragr. J.,2010年
4月,Vol.38 No.4,pp.105-106
Natural Product Sciences,2006年,12(4),p.221-225
(58)調査した分野(Int.Cl.,DB名)
A61K
8/97
A61K
36/736
A61P
29/00
A61P
43/00
A61Q
19/00
A23L
1/30
C07H
15/203
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/KOSMET(STN)