安定した経営のための債権回収

安定した経営のための債権回収
未回収金ゼロのための
事前の対策・事後の対策
かばしま法律事務所
任意交渉
・書面による催告・請求
・面談による交渉
交渉の方法は、千差万別状況に応じて行う。
弁護士名か、債権者名か
交渉の時期・場所
かばしま法律事務所
任意交渉
債務弁済契約(弁済の合意)の内容
①債務の承認(金額を明示する)
②支払方法
③利息・遅延損害金の定め(支払金充当の合意)
④期限の利益喪失条項
⑤債務免除条項
⑥事業・財務状況の定期的な報告義務及び申告書(決算書)・試算表の提
出義務
⑦契約成立の前提事実の確認条項
⑧保証人・物上保証人が立てられた場合の事前求償権不行使特約
⑨契約締結及び履行のために要した費用の負担
⑩清算条項
※ここに挙げているのは、一例であり、状況に応じて作る必要がある。
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任意交渉
債務弁済契約を公正証書で作る。
公正証書で債務弁済契約を作ると、裁判を
しなくても強制執行できることがある。
ただし、強制執行できる内容が限定されて
いたり、条項に強制執行を受諾する文言が必
要である。
※起訴前和解というのもある。
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任意交渉の特徴
・費用が低廉
・解決の柔軟性が高い
・裁判所を通さないので債権を証明する客観証拠
が乏しい場合でもできる。
・強制力が乏しい。弁護士が介入したことで一定の
プレッシャーはある。
・債務者の協力が必要
債権が少額である場合には効果的
債務者が窮状にあり、強制執行する財産がない場合に使う(分割弁済の計
画を立てるなど)
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仮差押・仮処分
仮の差押(不動産・債権等)を行い、資産を
処分されるのを防ぎ、その間に弁済交渉又は
強制執行のために債務名義(判決)の取得を
行う。
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仮差押・仮処分の特徴
・仮差押の対象物があることが大前提。
不動産や預金債権が多い
・裁判所の手続きなので、債権があることを疎
明する資料が必要
・迅速な手続きである。
・担保金を支払う必要がある。
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支払督促
裁判所の書記官が、債権者の申立てに基づ
いて、債務者に支払いを命じる制度
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支払督促の特徴
・簡易な手続、低額でできる。
・裁判所からの通知が発送されるので、一定の
プレッシャーになる。
・(異議申立がなければ)債務名義(強制執行
するのに必要)を得ることができる。
・異議申立があると通常の裁判になる。
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支払督促の注意点
申立は、相手方の住所地の裁判所となるこ
とから、異議申立があった場合は、相手方の
住所地で通常訴訟を行うことになる。
また、通常訴訟になれば、支払督促に使っ
た時間が無駄になる。
このことから、一般的に債権の額に争いが
ない場合に使うことが多い。
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少額訴訟
60万円以下の金銭の支払いを命じる場合
に限り、原則として1回で審理を終えて判決
が出る。
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少額訴訟の特徴
・迅速な手続き
・債権に争いがある場合にも使える
・異議申立があれば、通常訴訟に移行する
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債権回収のための準備
・債務不履行の理由は?
・債権の内容の確認(特に期限が来ているか、条
件成就しているか)
・担保の有無の確認
・債権の存在を証明する証拠資料の確認
・債務者側の事業内容・稼働状況・資産状況
個人の場合であれば、住所を調べるところから
始まることも多い。債務者の職業、年齢、持ち家
か、家族状況の調査
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(取引前(時)にできること)
債権を証明する書類を作っておくこと
売買→契約書、取引基本契約書、注文書、納品書、請求書
請負・委託→契約書、発注書・請書、成果物(請負によって作っ
たもの)
貸金→金銭消費貸借契約書、受領書
支払手形がある場合でも、そのもとになった取引について
の資料があるほうがよい
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取引基本契約について
債権回収時において重要になる条項
・個別の債権の発生(個別取引の方法)が明確
になっているか
・期限の利益喪失約款があるか(債務者が危
機状態になった時に、弁済期を待たずに請求
できるようになっているか)
・担保の確保
所有権留保しているか、保証人がいるか
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(取引前(時)にできること)
債務者の状況を把握
・事業者
事業内容、取引先(売掛先)、取引銀行
不動産の保有状況、機械設備
取引の目的
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(取引前(時)にできること)
債務者の状況を把握
・個人
住所、就業先、年齢、家族構成
取引の目的
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取引時(前)にできること
・保証人の確保
代表者・推定相続人
家計を別にするかどうか(代表者のほかに、家
計同一にしないものをとる。個人であれば、配偶
者と独立した子供(現役の親))
・担保の確保
抵当権、質権、先取特権
所有権留保
商事留置権
債権譲渡
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