債権回収のための法的手続(参考) 【Ⅰ】 民事調停(話合いで解決を図る手続き) 調停は,訴訟と異なり,裁判官のほかに一般市民から選ばれた調停委員二人以上 が加わって組織した調停委員会が当事者の言い分を聴き,必要があれば事実も調べ, 法律的な評価をもとに条理に基づいて歩み寄りを促し,当事者の合意によって実情 に即した解決を図る。 成立した合意の内容を記載した調停調書は確定判決と同様の効力を持ち,これに 基づき強制執行を申し立てることもできます。 【Ⅱ】 支払督促(書類審査で行なう迅速な手続) 支払督促は、言い分を聞いたりせずに出されるし、相手の意義申立てさえなけれ ば、訴訟で判決を得たと同じ結果になる。 申立てを行なうと裁判所は決定するだけで、法廷を開いたり、両方の言い分を聞 いたり、お互いの主張に理由があるかを勘案する事もない。また、証拠の提出も必 要がない。 裁判所は、申立人の申立てだけに基づいて、その記載内容が適法で理由ありと思 えば支払い督促を出す。理由なしとみれば却下する。 【債権者(支払遅延を受けた者) 】 ① 支払い督促申立書が相手に送達された日から起算して 2 週間が経過しても意義 の申立てがないときは、支払督促について仮執行の宣言を付してくれるよう申立て、 その決定が出れば強制執行ができる。 【債務者(未払いを行なった者) 】 ① 支払督促の申立書が送達されて2週間以内に意義の申立てをすることができる。 ② 意義申立書には不服の理由を書く必要はない。 債務者に意義があれば訴訟となる 【Ⅲ】 仮差押 債権・動産・不動産に対する押さえておき、後の本訴訟に勝った場合に、動産・不 動産等を競売手続きすることで、その代金で支払いを受ける。 例 県発注の公共工事の支払い義務に対し仮差押を行なうことがある。 県は、仮差押をおこなった者へ請負代金を支払うか、裁判所へ供託を行なう。 【Ⅳ】 民事訴訟 話合いや調停で解決できず、支払い督促を申立てても、これに意義申立てがあると、 訴訟に移行することになる。 【Ⅴ】 少額訴訟手続き 60万円以下の金銭の支払いを請求する場合には、訴えを提起する際に、少額訴訟 手続きを利用することができる。 メリット ① 1回の期日で審理を終わらせ、直ちに判決をすることを原則とする。 ② 反訴や控訴ができないなどの、手続きを簡略化される。
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