間瀬デンタルクリニック DHstyle Interview 所在地..........千葉県富津市大堀2–16–10 面積..............209.76㎡(約64坪:1階部分) ユニット......7台(うち予防用2台、特別診療室1台) スタッフ......歯科医師3名(非常勤6名) 、歯科衛生士5名、歯科助手5名、 受付2名、クリニカルコーディネーター1名、事務パート 1名、清掃パート3名 患者数..........1日約95名 診療時間......8:00 ~ 12:00、 13:00 ~ 18:00、 土曜は17:00まで 休診日..........木・日・祝祭日 歯科衛生士が力を発揮できる “幸福医療” を目指す歯科医院 千葉県南の住宅街に開業25年を機に改装した、 員がスペシャリストでありたいと、今年3月に医 おしゃれなログハウスの「間瀬デンタルクリニッ 療法人化へ踏み切りました。歯周病とインプラン ク」があります。更なる充実を目指して今年3月 トは息子がスペシャリストを目指して研修中です」 に医療法人化。理事長に就任した間瀬みどり先生 ◦医院の理念は何ですか。 にうかがいました。 「当院では、次の4つを医院理念としています。 スペシャリスト集団を目指す ①歯を大切に考える人たちから選ばれる歯科医院 になる ◦医療法人化したいきさつを教えてください。 ②信頼して任せられる歯科医院を目指す 「1980年の開業時から、主訴対応型による保険 ③高度な歯科医療を提供できるように努力する 中心の診療をひたすら続けてきたら、疲れ果てて ④幸福医療を目指す しまいました。約6年前に新しい診療所を建て、 より高いレベルで安心の医療を提供することは、 よりよい治療をチーム医療で行いたいと、インプ 医院もスタッフも患者さんも幸せになるための ラント、矯正、小児、歯周病、麻酔の専門医を招 “幸福医療の実践”だと思います。そのためには、 聘し、新たな診療態勢を構築しました。 また、早い時期からクリニカルコーディネータ ーを導入しており、患者さんからは『話をよく聴 いてもらえる』と感謝されています。スタッフ全 知識の習得と技術の研鑽は必須です」 認定歯科衛生士の取得を応援 ◦学会認定資格をおもちの歯科衛生士さんがいま すね。 Midori MASE 間瀬みどり 1951年、東京都生まれ。1978年、 東京医科歯科大学卒。同大口腔外科 を経て勤務医。1980年、現在地で間 瀬歯科医院を院長の間瀬秀一先生と 開業。2013年、医療法人幸陽会間 瀬デンタルクリニックを開設。理事長に 就任。趣味:ベリーダンス、旅行 54DHs tyl e 2013 12 「ここを建てたころに歯科衛生士の西山智絵が 入りました。優秀な彼女の頑張りとこちらも全面 的に協力して日本口腔インプラント学会、続いて 日本歯周病学会の認定歯科衛生士を取得しました。 西山に続こうと、後輩2人が頑張っています。当 院では、歯科衛生士向けの学会やセミナー参加を 内の1階見取り図。歯科 院 衛生士専用のケアルームを 2部屋完備。スロープがあ り、バリアフリー設計 ▲ 手術室 X線室 技工室 診察室 ケアルーム スタッフ 通路 カウンセリング ルーム 消毒室 カルテ 管理室 事務室 ケアルーム 受付 玄関ホール キッズ スペース 待合室 カウンセリング ルーム 玄関踊り場 ら 場か 駐車 ープ ロ のス ▲広々とした受付。患者さんをお ▲窓が大きく採光性が高い、 明るい待合室 待たせせずに対応できる 積極的に支援していますし、現在は歯周病専門医 任せられますし、本当のスペシャリストという感 を院内に招き、患者さんの協力のもと、歯科衛生 じです。今までも予防に重きをおいて、ケアルー 士のための実践的なセミナーを行っています」 ムを設けていましたが、新たに歯科衛生士が歯周 ◦ 「認定歯科衛生士」の取得で大きな変化はあり 病について患者さんにカウンセリングをする部屋 ましたか? も作りました。認定歯科衛生士を取得することで、 「全く違いますね。メインテナンスも安心して 西山智絵(DH 歴8年) 歯科衛生士チーフ 1984年、神奈川県生まれ 2005年、新東京歯科衛生士学校卒 2008年、間瀬デンタルクリニック勤務 2010年、日本口腔インプラント学会認定専門歯科衛生士 2012年、日本歯周病学会認定歯科衛生士 趣味:カメラ 母の勧めもあり、高校の進路ガイダンスで歯科衛 生士専門学校のスケーリング実習を体験して、おも しろいと思い、この道に進みました。 当院は2軒目の勤務先です。当院の歯周治療は保 険で行っていますが、前の医院は自費中心でしたので、 最初は戸惑いがありました。先生と相談しながら、 一からメインテナンスを見据えた歯周治療の流れを 作ってきたので、そのあたりが苦労した思い出です。 いずれは日本歯周病学会の認定歯科衛生士を取り たいという目標がありました。相談する歯周病の専 門医がいなかったので大変でしたが、歯科衛生士や 先生に協力していただき、2回目の挑戦で認定歯科 衛生士を取れたときはうれしかったですね。 取得してからは、責任感がいちばん変わったと思 います。患者さんからも先生方からも認定歯科衛生 士としてみられるので、その期待に応えなければと 思っています。今後も知識を充実させていきたいです。 歯科衛生士のレベルの底上げがなされました」 今年1月に出産し、 半年後の産休明けの 出勤時は少し不安が ありましたが、患者 さんもスタッフも 待っていてくれたの で、仕事を続けてよ かったと思います。 ▲歯周病とインプラントの両学 会認定歯科衛生士の西山さん。 現在は、 月・水に半日 院長・理事長も厚い信頼を寄 ずつ出勤しています。 せている 自信はありません でしたが、妊婦になってから歯科衛生士のチーフに なりました。私の足りないところは他のスタッフに サポートしてもらっており、とても助かっています。 スタッフそれぞれのモチベーションが高いので、 出勤したときにみんなから提案を出してもらい、家 でじっくり考えて、提案をまとめていくのが、現在 の私の役割だと思います。 以前はお子さんや親御さんへの対応は苦手でした が、私自身が母親になったことで、妊娠中や子育て 中のお母さんたちと共感でき、個々に合わせたアド バイスができるのではないかと考えています。子ど もの成長に合わせて勤務体制も変わっていくと思い ますが、先生方の理解があるので、長く勤めていき たいと考えています。 DHstyle Interview 55 DHstyle Interview ▲患者啓蒙用のツールや掲示物が充実して いる。スタッフお手製の医院オリジナル ▲口 腔ケア用品の品揃えも充 ▲医院サイト内に歯科衛生士のページを開 の媒体が患者さんに好評 実。物販については売上評価 設。歯科衛生士同士の交流やブログ、症 制度が導入されている 例検討などのコンテンツが盛りだくさん 人間的に成長できる職場に 備して、最大限のサポートをしています。西山は 今年出産して一部復帰していますが、仕事と子育 ◦どのような職場でありたいとお考えですか。 ての両立を応援していきたいですね。 「人間関係がとても大事だと思います。患者さ また、全国から優秀な情熱溢れる人材を募るた んが一歩足を踏み込んだら、あたたかいと感じら め、住宅手当を作りました。加瀬保奈美が第1号 れる雰囲気を醸し出したいですね。院内で良好な です。地元就職にこだわらず、自分に合った就職 人間関係が結べて、お互いを思いやり、成長を喜 先を全国の歯科医院を対象に探すという考えが び合える。お互いに切磋琢磨でき、協力し合える あってもよいと思います」 ような職場でありたいと思います」 ◦そのために何か取り組んでいらっしゃいますか。 規模を拡大し、次世代へ引き継ぐ 「円滑なコミュニケーションを図れるよう、さ ◦次々と新しい取り組みをされているそうですね。 まざまなミーティングを行っています。全体での 「医院サイト内に歯科衛生士のページを開設し 朝礼、食事をしながらのランチミーティングや部 ました。全国の意識の高い歯科衛生士と双方向で 門別ミーティングなどを頻繁に行っています。 症例などの検討ができるような試みです。またリ また、院内旅行、物販促進、在庫管理・エコ、 クルートも考えています。昨年はあちこちから問 ホームページ、院内新聞といった各種委員会を作 い合わせがありましたので、情報発信は大切です」 り、診療後にスタッフが主体となって活動してい ◦今後の抱負をお願いします。 ます。楽しみながらやりたいので、食事会、院内 「今も大所帯ですが、歯科技工士さんとの協働 旅行などの機会も設けています。仕事を通じて、 も視野に入れて、これからもっと人員を増やして 人間的な成長が可能な職場でありたいですね」 いきたいです。手狭になるので、別棟も考えてい ◦産休・育休制度を設けたのは、先生自身のご経 ます。また、私たちの世代は引退を視野に入れて、 験からですか。 若い医院、レベルの高い医院へと、うまく引き継 「私は事業主みたいなものですから出産直前ま いでいけたらと思います。臨床研修実習施設です で働きましたが、女性には結婚・出産を乗り越え ので、まずは若いドクターを育て、ドクターを増 て長く働いてほしいと思います。優秀な歯科衛生 やし、スペシャリストの集団を作っていきたいと 士が力を発揮できるように、産休・育休制度を整 思います」 56DHs tyl e 2013 12 間瀬デンタルクリニック 中澤莉沙(DH 歴4年) 歯科衛生士 1988年、千葉県生まれ 2009年、北原学院歯科衛生専門学校卒 2011年、間瀬デンタルクリニック勤務 趣味:銭湯通い 子どものころから、しょっちゅう歯医者さんに通っ ていたので、むし歯にならないために歯のことを勉 強しようと思って歯科衛生士になりました。ですから、 患者さんの気持ちはよーくわかります。口の中だけ でなく、全身疾患や生活背景について患者さんと密 に接することができるので、この仕事は大好きです。 当院が2軒目の勤務先ですが、先生も患者さんも スタッフも、みんなが主役という感じです。特にス タッフが一致団結しているので、とても仕事をしや すいです。歯科衛生士として、患者さんのために働 けていると感じています。医院のためにも頑張らな ければと思います。 今年はホームペー ジ委員会を担当して いますが、全国の歯 科衛生士とディス カッションができる、 歯科衛生士による歯 科衛生士のためのサ ▲ TBI を行う中澤さん。患者さ んに接する笑顔が印象的 イトを作っていきた いと思います。 院長・理事長ご夫妻は、仲がいいです。院長がよ く「幸せの追求」について話してくださるのですが、 まさにそのとおりだと思います。患者さんから「あ りがとう」と言われるとうれしいし、仕事を通じて やりがいも感じられ、私も毎日幸せです。 今の目標は、日本臨床歯周病学会の認定歯科衛生 士になること。学会にも積極的に参加したいですね。 患者さんから信頼されて、欲を言えば後輩から尊敬 されるような歯科衛生士を目指したいです。 佐藤 恵(DH 歴12年) 加瀬保奈美(DH 歴1年) 歯科衛生士 1966年、千葉県生まれ 1986年、日本女子衛生短期大学卒 2002年、間瀬デンタルクリニック勤務 趣味:ジョギング 歯科衛生士 1991年、千葉県生まれ 2013年、日本医歯薬専門学校卒 2013年、間瀬デンタルクリニック勤務 趣味:散歩 父親が歯科技工士をしていましたので、小さいこ ろから父の勤め先に遊びに行きました。そのため、 歯科を身近に感じており、同じ進路を選びました。 先生の勧めで、ホワイトニングをメインに担当し ています。また、コーディネーターの神子直美と私 が中心になって、患者さんにお渡しする資料なども 作っています。 「歯を白く」といっても患者さんごと にイメージする「白」が違うので、ご満足いただけ るように努力しています。「歯が白くなったから、笑 うのが楽しみ」 、 「人に自慢できるよ」などと喜んで いただけるのが、うれしいですね。ホワイトニング をずっと担当して、よかったと思っています。 院長・理事長ご夫妻は、真面目で勉強熱心で実行 力があり、24時間医院のことを考えているのではな いかと思うほど熱心です。尊敬していますし、チャ ンスを与えていただい て感謝しています。 年1回、お試しとい うかたちでホワイトニ ングキャンペーンを 行っています。海外の ようにホワイトニング が当たり前になればと ▲取材当日、メインテナンスに 思います。そのために 訪れた娘さんを診る佐藤さん これからも頑張ります。 高校3年生で進路 について悩んでいた とき、同級生に歯科 医院の子がいて、そ のお母さんに歯科衛 ▲新卒でありながら加瀬さんへ の期待は日々高まっている 生士の仕事を教えて もらったり、歯科助 手の勉強会に参加させてもらいました。歯科助手と して就職しましたが、歯科衛生士と患者さんとの信 頼関係がうらやましくて、1年後に歯科医院で働き ながら、日本医歯薬専門学校の夜間部に通いました。 就職先にあたっては、結婚、出産しても長く働け るところを探しました。ホームページを見て、雰囲 気がよさそうだと感じ、 見学させてもらいました。 「こ こで働きたい」と思い、住んでいた東京からは距離 が離れていたため、通勤が無理なので医院の近くに 引っ越してきました。 外科が好きで、インプラントに興味があります。 西山チーフのように、日本歯周病学会と日本口腔イ ンプラント学会の認定歯科衛生士を目指しています。 将来は、患者さんやスタッフから信頼される歯科衛 生士になりたいです。 DHstyle 編集部では、当コーナーでとりあげてほしい歯科医 院を募集しております。自薦他薦は問いませんので、E-mail ([email protected])でお知らせください。 DHstyle Interview 57
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