HABON PAPER Curation paper Sharing about the viewpiont of “mono-coto” 17 issue 2013.11 Habon な人々のモノコトの視点をシェアするキュレーションペーパー 次の一手 次の一手を考える一歩手前 先延ばしの一手 チームの一手 信じられる自分 いたいけな秋 iPhone Snap Book Review Are you hungry? N Las 本 な 雨 29 20 6. 13. ) (SA T 連載京都綺譚第十七回 「7七桂」 おわりに 「手前の一手」 o . Habon is S ks h oo BO A H . Let’s Enjoy em t st k library boo sy e h ar t mont Photo by Ayako Yamamoto 1/8 nd sha re ad a re b Curation paper Sharing about the viewpiont of “mono-coto” 「次の一手を考える一歩手前」 論説 「次の一手」と言われてまず思い浮 くも敗れたがカスパロフに「どちら かぶのは将棋やチェス。最近一流の が優勢かまったくわからない瞬間が 現役プロ棋士をコンピューター将棋 何度もあった」と言わしめた。 ソフトが破り話題となった(第2回将 すこし話題を変えて、2012年に出 棋 電 王 戦)そ し て、チ ェ ス の 世 界 で 版され日本でもベストセラーになっ は、ルールが将棋より単純であるこ た「ワ―ク・シフト」。著者は執筆に とも相俟って、1997年に、史上最強と あたって、オンラインフォーラムで 言われた世界チャンピオン、カスパ 「未来の世界・働き方」について世界 ロ フ を コ ン ピ ュ ー タ ー が 破 っ て 以 中の人に問いを発し、その答えを編 来、コンピューター同士の対戦や、コ 集する形で書かれている箇所が複数 ンピューターと人間のタッグを組ん ある。随所に著者の巧みな「問い」と、 だ対戦が、 「最高峰」とされるイベン 異なる地域に住むからこその「答え」 トになりつつあるそうだ。 が見られる。 そして興味深いのは、現在最強と どうやら「次の一手」を共に考える 言 わ れ る チ ー ム は、一 流 の プ レ ー パートナーが、これまでと変わりつ ヤーとコンピューターのチームでは つあるのではないか。身近な人では なく、チェスプレーヤーとしては普 なく、コンピューターや世界中の人 通のレベルだが、ソフトウェアに精 から、真に貴重なアイデアがもたら 通した人間とコンピューターのチー されるようになってきている。想像 ムであることだ。コンピューターの 力や努力を駆使すべきは、次の一手 特 性 を 上 手 く 引 き 出 す 能 力 が、プ を考える一歩手前、 「誰に相談すべき レーヤーとしての単独の能力よりも か」 「どう問いを発するべきか」にあ 重要になってきた、ともいえるだろ るのかもしれない。 う。 チェスの話題をもう一つ。1999年 に 行 わ れ た、 「カ ス パ ロ フvsワ ー ル ド」と称して行われた対戦がある。こ 佐久間 祐司 こでは、オンラインで世界中からお 人事コンサルタント、事業会社の人事を担当 よそ5万人が集まり、オンラインで議 を経て、現在は休業して大学院で心理学を研 論をしながらカスパロフ1人と対戦 究中。最近のお勧めの一冊は、 「プラシーボの 治癒力」。 した。結果はワールドチームが惜し 「先延ばしの一手」 論説 「お兄さん、今チケットオフィスはア 「チョ、チョット待ってくれ!おれは ンダーコントラクションで、別の場 アーグラに行きたいだけだから、そ 所にあるね。」 の先のことは後で決めるよ。」 次の一手と聞いて思い出したのは、 そう説明するものの、色んな理由を インドのニューデリー駅でやたら声 つけて工程を全て決めてしまおうと を掛けられた、この言葉だった。 する。しまいにはツアーも勧めてく タージマハルを見に行こうとニュー る。こうなってやっと怪しいことに デリー発アーグラ行きの列車チケッ 気付いた僕は、丁重にお断りしてオ ト を 買 う 為 に 駅 に 足 を 運 ん だ も の フィスを出たのだった。 の、チケットオフィスが見当たらな 後 で 出 会 っ た 日 本 人 旅 行 者 に よ れ い。ガイドブックによれば、駅構内の ば、そこは(現地の価格で考えれば) 一画にあるらしいのだが、どこにあ 法外な値段を吹っかけてくる悪徳? るかわからない。仕方なく駅構内を 旅行会社なのだという(後でガイド 行ったり来たりしていると、何人か ブックを読み返すと、こんな手口に から冒頭の言葉をかけられたのだっ 要注意!とまさに同じことが書いて た。 あったが…)。 最初、相手にしていなかったが、何人 「あーぼったくられなくて良かった」 にもそう言われると、 「工事中なのか と思うと同時に、勝因は「次の一手で …?」と思い始め、そのうちの一人に 全て決めない」ことだと思った。 話を聞いてみると、チケットオフィ 最初から最後まで一気に全部決めな スに連れて行ってくれると言って、 い。その時の状況に合わせて柔軟に すぐにオートリキシャを捕まえ、一 最善の一手を打ってみる。見方を変 緒に「チケットオフィス」まで来てく えれば、単なる優柔不断なヤツとも れた。オフィスでは専属のスタッフ いえるけど、生きていて思い通りに がついてくれ、僕の旅程を聞いてく いかないことの方が多いことを考え れる。 たら、この「先延ばしの一手」もあな 「そうか、コルカタまで行くのか。そ がち的外れでない手法な気がしてい れならチケットを全て手配するよ。 る。 早いうちに予約した方が良い。列車 吉田 亮介 はもうかなり予約でいっぱいだ。」と ビジネスコンサルティング会社在籍。シェ パソコンの画面を見せながら話して アライブラリー「Habon」共同主宰。Sister くれた。 School PJ メンバーとして教育にも従事。 2/8 Curation paper Sharing about the viewpiont of “mono-coto” 「チームの一手」 論説 起業し3年目の今年の夏、夏休みにボ あるのは自分ひとりではなくて、一 ストンに旅行にいった。友達に会い 緒に船にのるメンバーでもある。そ に 行 く と い う 表 向 き の 理 由 の 裏 に してそのメンバーもまた、それぞれ あったのは、 「次の一手」を考える、自 の想いから「一手」を打とうと考えて 分に向き合う時間を取りたかったと いることもある。1人1人がバラバラ に「一手」を考えてしまうと、チーム いうその1点だった。 「次の一手」を打つというのは非常に は 成 り 立 た な く な っ て し ま う け れ 能動的な行為のように思う。自分か ど、1人1人の「一手」が寄り集まって、 ら打たずとも、日常はそこにあるし、 チーム全体としての大きな「一手」を 時には誰かによって打たれ、時は進 打てるようにしていけることこそ、 んで、そこに流されていくことは簡 チームで働く醍醐味でもある。 単だ。しかし、自分の中から湧き上が ボストンのその場所で、自分個人の る気持ち、現状をこう変えたい、この 「一手」、チームとしての「一手」を思 方向に進みたい、など、自らの気持ち 考し、友人と交わす言葉にしたが、そ に向き合い、その思考を行動にして れを行動に変えていくにはまだまだ 次の一手に繋げることは、とてもエ 途上中である。しかしそのようなこ ネルギーのいることだけれど、その と を 能 動 的 に 繰 り 返 し て い く こ と 一手の積み重ねこそ、自分の道にな で、少しずつ、創り始めた道を長くし るのだから、そのエネルギーはかけ ていけたらと思う。 るに値するものだと思う。日常から 離れ、一手を思考する方法は人それ ぞれであると思うけれど、私にとっ てその手段は旅であり、思えば起業 という思い切った行動に至れた背景 の思考を創ってくれたのは、旅をす る中で作った自分と向き合う時間で あった。 そのように、 「次の一手」は、個人の想 いに発せられて打たれていくものだ と思うけれど、起業し3年目の今、あ りがたいことに、 「一手」を打つ先に 松島 由佳 日本で働く会社員の人たちに、日本でなく て途上国で、企業でなくてNGOで、とにかく 全く異なる「仕事」の環境で働く経験をして もらうプログラムを広めようとしている団 体を運営してます。 「今月のiPhone Snap」 写真 今回は、HABON 主催者のひとりである吉田亮介氏がめでたく結婚式を挙げられましたので、その際のスナップショットです。 「岡澤 友広」 「浦田 裕彦」 「星野 晃平」 「大石 香織」 「杤尾 直也」 「磯 沙緒里」 3/8 Curation paper Sharing about the viewpiont of “mono-coto” 「信じられる自分」 論説 来年3月に会社を辞める、次の一手 思 い 出 さ れ る。こ ん な 言 葉 も き く 「経験」と「勘」と「出たとこ勝 はまだ決めてない。会社の制度を利 「KDD」、 用するために半年前である今年9月 負」ということだそうだ。計画しても 2割しか決まらないのだから、KDD に決めた。 社 会 に 出 て 多 く の こ と を 知 っ た のように、えいやーで決めてしまえ 今、考えられる選択は実に多様だ。大 と思ってしまうこともある。しかし 学 4 年 生 の と き に は 考 え が つ か な そうもいかなず、結局悩むことにな か っ た よ う な 選 択 も と れ る こ と も る。 知ったし、今ある選択肢ではなく、新 そういう自分をみつめて、ふと思 しい選択肢を自ら作り出している人 い出した。新人のときに会社の先輩 も多い。一方で、その選択ができるか に「 悩む と 考える は違うよ」と言わ はまた別である。選択できるスキル れたことに。都合よく解釈しそうに や知識があるか、ということもある なるクルンボルツの理論も「その偶 し、自分自身が選択できるか、という 発を積極的に(計画的に)作り出すた めに、好奇心、努力の継続、楽観生、柔 話でもある。 エドガーシャインの、できること 軟性、リスクの受容が重要」という話 (能力)、やりたいこと(欲求)、やるべ であった。頭のなかであれこれ考え きこと(価値観)で、意思決定する指 ても仕方なく、漠然とでも目指す方 針で考えてみた。だが、これを一人で 向に進もうともがく中で掴めること やることが実に難しい、すぐ行き詰 がある、と改めて思えるようになっ まる。できることを考えてみても、た たし、それが性にあっている。あとは いしたことがかけず、誰にでもでき 日々をがんばることで、その時の自 ることだと思い、結局自分は何もで 分の選択がベストだと信じられる自 きない人間ではと思ってしまう。 「異 分、をつくりあげるしかないと思っ 業種競争戦略」という本もあり、何が た。 ど こ で 役 に た つ か わ か ら な い、と 次の一手が決まってないことには 思ったりするのにである。そうして かわりはない。でも動きだすための、 悩んでいると、 「個人のキャリアの8 心の持ちようはできた。 割までもが、予想しない偶発的なこ NYAN とによって決まっている」といクル 人材コンサルティング会社在籍。 シェアライブラリー「Habon」共同主宰。 ンボルツの計画された偶発生理論が 現在、事業構想大学院大学にて勉強中。 「今日われ生きてあり」 神坂次郎(著) 推薦者:わが敬愛なるさだまさし先生が20年ほど前に世 に出した「兵士の手紙ときよしこの夜」という楽 曲があります。きよしこの夜のメロディーをBGM にして、陸軍の特攻隊兵士が家族に向けて書いた 手紙(遺書)を読み語った曲です。 中でもとても心に残っているのが、18歳で亡く なった相花信夫少尉が、幼い頃から一心に愛して くれた継母へどうしても口に出来なかった「お母 さん」の言葉を『今こそ大声で呼ばして頂きます お母さん お母さん お母さんと 』と遺した遺 書。去年、知覧特攻平和会館へ行って、上記の遺書 の実物を見ました。涙が止まらなかった。 神坂次郎著の『今日われ生きてあり』は相花少 尉のように、最後の最後に家族や恋人など愛しい 人への思いを綴った特攻隊員達の手紙、その手紙 への家族からの返信、関係者の話などから構成さ れた太平洋戦争の記録です。 幾つもの若い命が苦悩し、けれど決して弱音を 吐かずに飛び立って行く様がドキュメンタリー に綴られています。 涙を流しながら読みきった。一冊の本でこんな にも悲しく心を揺さぶられたのは初めてかもし れない。 「パリでメシを食う。」 川内有緒 ( 著 ) 第 22 回 Habon 旅の本 推薦者:狩屋 俊介 植田 昌基 お世話になっております。 HABONと出会ってちょう ど一年になります。 植田でございます。 最近はラーメン屋では常 に追加で海苔をトッピン グすることにしています。 今年初めのHabonで出会ったこの本。タイトル からしてパリの街のグルメ本かと思いきやそうで はなく、 「パリでメシを食う」=「パリで生計を立て る」料理人、カメラマン、花屋さんetc、日本人10人 の人生を綴った1冊である。 「海外移住」という選択が持つ特別な響き。なん となく気高くて、敷居の高いイメージがあるパリ への移住となると尚のこと。しかしここに出てく る10人はちがう。恋人を追いかけていつの間にか パリにたどり着いてしまった彼女や、30歳にして 急に趣味の料理を仕事にしたいと思いついた彼 女。10人に共通しているのは優れたフランス語力 でも、ものすごく崇高なポリシーでもなく、突然沸 いたエネルギーと、ちょっとの運。 10通りのストーリーの中でわたしが最も感銘を 受けたカメラマン、シュンさんの話の中に出てく る「日常とは決して平凡という意味ではない」とい う言葉。つい忘れてしまうこの感覚を噛みしめら れるのは、やっぱり海外に身を置いた時なのかも しれない。次の一手・・・ちょっとの勇気を出して、 海外で指してみませんか? 4/8 Mayuko Umeda 精密機器メーカーの海外 営 業4年 目。 「ん? OS っ て何ですか?」etc同僚の 度肝を抜く発言を連発す る超機械音痴のアナログ 人間でありながら、日々 機械を売るという矛盾を 抱えた生活をしていま す。人生に欠かせない三 大要素は 「人・食・笑」 あ、 あと旅もね! Curation paper Sharing about the viewpiont of “mono-coto” 「いたいけな秋」 斉藤和義の楽曲の中に「いたいけ な 秋」と い う 曲 が あ る。ス チ ャ ラ ダ パ ー のBOSEを 迎 え て つくった一曲 だ。偉人達がコトを成し遂げた年齢 をストレートに歌っている。具体的 に見てみよう。 『イマジン』を書いた時あの人はまだ 30、 『地 獄 の 黙 示 録』の 頃 巨 匠 は40、 『未来世紀』を夢想した時奇才は45、 『ア ド ル フ に 告 ぐ』連 載 開 始 先 生 は 55。 『天 国 へ の 階 段』を 上 っ た の は27、 『ウッドストック』でギター燃やした のは25、 『ジャンピング ジャック フ ラッシュ』あのリフも25、 『サージェ ント ペパーズ ロンリーハーツ クラ ブバンド』27。 『ターミネーター』は30、 『タクシード ライバー』が34、 『ET』はなんと35、 『無 責任野郎』は36、 『ナウシカ』は43、 『七 人のサムライ』が44、 『北の国から』は 46、 『ふぞろいの1』が49。 こうやってみていくと、僕らの年 代はそろそろこのボードに載ってコ トを起こしていくことを期待されて いる年代なのだ。年齢で比較するの は議論があるとは思うが、ある種の 目標として僕は参考にしている。 以前HABONで「落ちこぼれてエベ レスト」 (松島由佳ちゃん紹介)とい う本を知ったときもそんな話があっ て、その後自伝を読みあさった。これ からの自分を考えるために。 論説 今HABONも僕も次の一手を考える いい時期を迎えている。先日、HABON の次の動きを探りにいってきた。こ れまでも僕らは次の 一手 を何度と なく考えて来た。夢想することは楽 しい。ワクワクする。こんなことがあ ればいいなや、こんな風につくりた いな等自由に発想をとだせるから。 一方で次の 一歩 はなかなか難し い。ドキドキする。実際に行動するこ とだから。勇気が必要になる。そんな ときに頼りになるのは仲間の存在 だ。一歩を踏み出すためのきっかけ をつくってくれたり、一緒に踏み出 すこともある。幸いにも僕は本当に いい仲間に囲まれている。 30歳。仕事においても、プライベー トにおいても責任や経験がついた。 仲間もいる。いい年頃である。次の一 手を夢想するのも大切だが、次の一 歩を踏み出していく。そんなワクワ ク、ドキドキのある最高の30代にし たい。いたいけな秋の最後にある自 問を繰り返しながら…。 届 く か?届 い た の か?追 い つ い た か?いや気のせいか? 間に合うか?追い抜いたのか?そん な訳ねぇか?もう遅いのか? 杤尾 直也 シェアライブラリー「Habon」共同主宰。。 建築、デザインとコミュニティについて日々 考えています。 「Are you hungry?」 「HIGASHI-YAMA Tokyo」 中目黒の住宅地にある Naoya Tochio 「やきとん 野方屋」 「ひとし」 HIGASHI-YAMA Tokyo。 まるで邸宅のような小さな アプローチを通り抜けると 池のある中庭に出る。そこ から店に入るのだ。奥から 入るというちょっとしたア プローチの違いだが、なん だか友人の家に招かれたよ うな感覚になる。入るとそ こは吹き抜けのある広い空 間。漆喰で塗られた壁。柔 らかな光。心を落ち着かせ 東京都杉並区方南 2-18-3 てくれる場所だ。 家の近所にあるやきとんやさん。めちゃ 食材はこだわりの器に盛り くちゃ安くて、本当においしい。しかも つけられている。伝統職人 夜 3 時まで開いているときたら行くしか さんと一緒につくった食器 ないでしょ。アルコールの飲めない僕は 達は個性的でとてもかっこ いつもジンジャーエールを飲んでいま いい。スタッフの方はすご す。ここでのおすすめはもつ煮込み。真 く親切でていねいに食材の 似してつくってみたし、他のところも食 解説もしてくれる。こんな べたけど、ここのものが僕には合うみた お店他にはない。 い。あとはおすすめ 5 本。店長の気まぐ 味は間違いないです。ぜひ れで食材を選んでくれます。毎回この 3 1 度言ってみてください。 点セットで注文して、1250 円。安い!! ちなみに、このお店を知っ 週 2 ぐらいのペースで通ってます。なに たのはオーナーである緒方慎一郎氏に憧れていて、調べていたら出て げに高円寺にもあるのでぜひ言ってみた 東京都目黒区東山 1-21-25 来たお店です。緒方さんは「日本の美意識」ということをテーマに食、 い。 建築、プロダクトなどあらゆる分野で活躍しておられます。 5/8 沖縄県石垣市新栄町 15-8 「石垣島に行ったら絶対ここにいくべき」 とオススメされたお店。南の魚はあまり おいしくないという僕の常識を覆してく れました。マグロが本当においしい!! こんなにおいしいマグロは宮城県の気仙 沼以来。本当にうまい。しかも安い!! 刺身もうまかったのですが、僕の一番の お気に入りは「茶碗蒸し」。だしの味と卵 の甘みが絶妙のコントラスト。うますぎ たので、2 個食べちゃいました。グルク ンの唐揚げと海ぶどうもおいしいですよ。 石垣島に行く人はぜひ行ってみて!地元 でも人気の店なので、予約は必須!! Curation paper Sharing about the viewpiont of “mono-coto” Old Books in Habon Library 本コーナーでは、過去にHabonにシェアされた本達を紹介していきます。今回は、400冊近くシェアされている本の中から、 「次の一手」として読んでも、 面白い!と思える本を編集部の独断で集めてみました。気になる本があったら、Habonシェアライブラリーで手にってみてください。なお、本の紹介文は、過 去紹介当時のままですので、過去のテーマを想像しながら読むのも楽しいかもしれません。 実りな本 道な本 星野 晃平 HOUKO 「思想地図β vol.2」 東 浩紀、津田 大介 「R」 中里 和人 冬青社 合同会社コンテクチュアズ 「動物化するポストモダン」などで有名な批評 家の東浩紀氏が編集長をつとめる思想誌です。 震災という戦後はじめて日本人全体でリアル に教有される出来事を、どう考えるべきなの か、これからの日本についても考えさせられる 一冊です。 全く異なる2つの曲り道を1つにつなげた写 真集。曲り道にきたときの、先が見えないワク ワク感を思い出させてくれる本です。中里さん の写真はとてもステキなので、他の写真集もぜ ひ見てみて下さい。 シェアの本 シェアの本 花ヶ崎 恵美 『新明解国語辞典』第四版 どうぶつえん【動物園】 生態を公衆に見せ、かたわら保護を加えるため と称し、捕らえて来た多くの鳥獣・魚虫などに 対し、狭い空間での生活を余儀無くし、飼い殺 しにする、人間中心の施設。 東京な本 踊る本 當間 知明 稲見 幸 「歌舞伎座」」 「まいあ」 有吉 京子 平凡社 安齊 重男 松竹株式会社 踊るというテーマで4月ということで、もし何 かを始めるとしたら、ぜひダンスを始めてもら いたいと思いこの本を選びました。自己表現の ツールとして、また新たな出会いの機会として ペアダンスは最適だと思います。 解体直前の歌舞伎座の、舞台、俳優のみならず、 稽古場、裏方までを等しく記録した本です。歌 舞伎座とは観客に喜んでもらうための全てが 組み上がって初めて成立するアートなのだと 思い知らされます。 仕事の本 仕事の本 山口 佑太 「イシューからはじめよ」 「ハワイイ紀行」 池澤 夏樹 新潮社 安宅 和人 英治出版 ストレートに仕事に直結している本。リゾート 地と思われがちなハワイの本当の歴史、素顔を 教えてくれる。旅行って本来はこうあるべきで はないかな、と考えさせられた一冊。 仕事上、数多く発生する課題・問題。その中で、何 が本当に解くべき課題なのか?これを見極めて、 問題を解決していく思考プロセスが書かれた本。 この本はデザイナーからの反響も多かったとか。 問題を解くのも、デザインするのも原則は不変な んですね。 優しい本 竹野 渉 サンキュータツオ 角川学芸出版 澤田 秀雄 小学館 シェアハウスの本棚にあった本をシェアしま す。HIS会長であり、ハウステンボスの社長であ る著者が、ハウステンボスの再生秘話と彼のこ れまでの人生について買いています。 運をつかむためには、ポジティブでいることが 大切であり、ポジティブでいるとポジティブな 人やコトが集まってくるそうです。 吉田 亮介 「国語辞典の使い方」 岡崎 翔太 「運をつかむ技術」 変化の本 杤尾 直也 「最後の授業」 ランディ パウシュ、ジェフリー ザスロー 武田ランダムハウスジャパン 余命数か月で行った大学教授の最後の授業。 家族の為、自分の為、今まで支えてくれた周 りの人々へ。一言一言が重みがあり、改めて 感謝と優しい気持ちになる心の ゆとり を 大切にしようと思う作品。 「キュレーションの時代」 ツイッターやフェイスブックの登場により つながり による情報のやりとりがされるよ うになった。東北大震災においてもいち早く 状況を伝えたのは TV やラジオではなくツイッ ターだったという。このような時代において 何が自分にとっての「いい情報」なのかを教 えてくれる一冊。僕らが Habon で実現したい コトがここに書いてある。変化の時期を迎え た今、まさに読むべき本。 6/8 佐々木 俊尚 筑摩書房 Curation paper Sharing about the viewpiont of “mono-coto” Habon とは 本をシェアすることで、自分の興味の一歩先にある オススメの本 と 人 に出会える新しいライブラリーの仕組み New Books in Habon Library 第24回は「雨」をテーマにHabonな人たちの オススメの本を集めました。雨といって思い浮かることは人それぞれ。雨の日の気持ちへの対処法か ら、雨男、生き物などなど。雨への感じ方が変われば、生活が少し豊かになるかもしれません。 大石 香 「あたらしい働き方」 福嶋 一之 本田 直之 ダイヤモンド社 ミュージシャンの細野 晴臣 さんの、同じく ミュージシャンの鈴木惣一郎さんを聞き手とし た対談形式のエッセイのような本。お二人のトー クは、合気道の達人のようで、のらりくらりと しながら、実はするどいこと言っているよう な・・・あっと言う間に読み終わります。 毎日、朝に雨が降っていると会社に行くのが憂 鬱になるのですが、この本に書いてあるあたら しい働き方を読んでいると、雨が多いなら、そ の時期は、別の国で働こうと環境を自分で変え る発想がでてきます。そのためのスキルもかな り求められてますが、いろんな働き方があると わ か る だ け で も、少 し 雨 の 憂 鬱 が は れ る か も・・・。 吉田 亮介 岡部 祥子 「旅の窓」 沢木 耕太郎 幻冬舎 雨の時って 色 が映える。そう思って手にとっ たのがこの本。 色って人の気持ちを動かしますよね。特にビ ビットカラー。ヨーロッパ、アジア、アフリ カ…約 30 カ国くらいの小物までまさに色と りどり。日本をもっとカラフルになれば、雨 の憂鬱がなくなるのになー、なんて思いなが ら読みました。元気でて、オススメ! 田鍋 圭助 「ボタニカルライフ」 いとう せいこう ( 著 ) 新潮社 小笠原 清香 「世界は「使われなかった人生」であふれている」 沢木 耕太郎 ( 著 ) 暮しの手帖社 「悲しい本 SAD BOOK」 マイケル・ローゼン(著)、谷川 俊太郎 ( 翻訳 ) あかね書房 雨の描写なんて一つもないのにすぐ浮かびま した。梅雨空のような灰色の気持ちの時、ふ と手に取りました。まずは一人でゆっくりペー ジをめくって下さい。悲しみはすぐ消えるも のでないけれど、でも・・・どこか間のある 窮屈じゃない絵と谷川さんの絶妙な訳、気持 ちを受けとめることができたら誰かと読んで もいいかもしれませんね。 人生は選択の連続で、 「あの時ああしてたら、ど うなってたんだろう?」と思うことって誰にで もありますよね。実は、そんな人生を振り返る テーマを扱った映画が意外にあったりして、こ の本はその中でもよりすぐりの名作を広告0% の純粋な推薦として人生の先輩でもあり大の 映画好き著者がストレートに伝えてくれる本 です。 岡澤 友広 「天使の卵」 村山 由佳 ( 著 ) 集英社 雨と聞いて思い出した本。ただ、この小説は雨 の話ではなく、読後感が「雨の休日に家にいる」 ときに似ていたからだと思う。 静かでさわやか、せつなく、少し悲しい、そんな 情景が思い出されました。 色々な植物をベランダで育てる人 ベラン ダー(自称)と名乗り様々な植物を育てる経過 をまとめた本。今回のテーマである雨は、そん なに出てこないのですが・・・梅雨の時の話だっ たり、雨が降った時のことだったり、植物に関 する雨話がちらほら出てきます。いとうせいこ うのコミカルでシュールな書き方が面白く、読 みやすい一冊です。 狩谷 俊介 「世界のパンチカラー配色見本帳」 橋本実千代、城一夫 、ザ・ハレーションズ ( 著 )、パメラ三木 ( 翻訳 ) パイインターナショナル どんな写真でも旅の途中に撮った写真には、1 枚1枚物語がある。そんな風に思わせてくれる 本です。沢木さんが旅の途中で撮った写真に は、それぞれ短い文章が添えられていて、写真 と一緒に楽しめます。 雨といえば旅と沢木さんなので、この本を紹介 しました。 飯倉 三智 「分福茶釜」 細野 晴臣 ( 著 ), 鈴木 惣一朗:聞き手 ( その他 ) 平凡社 「嫌われ者たちのララバイ カエル」 松橋利光 ( 著 ) グラフィック社 雨・・・雨・・・雨・・・といったらカエルでしょ! ということで、カエルの本を探すこと、ほどな くしてたどり着いた本です。個人的には、きわ めてかわいい生き物だと思うけど、人によって 好き嫌いが大きく分かれる。この本を読むこと で、その好き嫌いに変化があるかどうかは、定 かではありません。ちなみに、うちのばあちゃ んは、アマガエルを、丸飲みします。畑で。 Habon is Share book library system. 7/8 Curation paper Sharing about the viewpiont of “mono-coto” 連載「京都綺譚」 第十七回 「7七桂」 中高六年間を、男子校の将棋部の 畳の上で過ごす。そんな鬱屈した 青春時代を送った私に対しお誂え 向きの話題が来た。ここは京都な る縛りを振りほどき、字義通りの 「次の一手」を語ってみよう。 7七桂―。知る人ぞ知る、谷川 浩司の妙手である。舞台は 1996 年の竜王戦、羽生善治との頂上決 戦であった。真剣で斬り合うかの ような緊迫の終盤戦に、タダで取 られるところに放り込まれた桂 馬。衛星放送で観戦していた私は 思わず身を乗り出した。画面の中 の並居るプロの検討陣が、一瞬の 静寂をおいてざわつき始めたのも よく覚えている。この鬼手を境に 羽生の陣形はみるみると崩れ落 ち、間もなく谷川の勝利が決まっ たのであった。あなたにとって美 しいものは何かと問われたら、私 は必ずやこの7七桂を挙げること だろう。皆さんには伝わりにくい かもしれないが、それほどにこの 手は、美しい。 ところで私も最近、自分なりの 次の一手を指した。五年近く住ん だシェアハウスを出て、簡素な長 屋で一人暮らしを始めたのであ る。シェアに飽きたとか、 シャワー の取り合いが苦痛だとかいった理 由もあるが、美の問題もこの判断 に絡んでいる。つまり物や空間を みんなでシェアしましょうという のではなく、私なりの生活様式、 私なりの美を考えたいと思い始め たからである。諸事に忙殺される 日々の中ではあるが、私もどこか で美を希求している。その美とは、 一人でつくり出すものではないだ ろうか。 ここまで筆を進めたところで、 しかし私は思い出す。7七桂の異 様な輝きも、好敵手・羽生との長 いつばぜり合いの中で生まれたこ とを。谷川や羽生のようなトップ 棋士はよく、タイトル戦の意気込 みを問われた時などに、最高の舞 台で最高の相手とともに棋譜を生 み出せることの歓びを語る。互い Recommend 3info ※画 像 は「http://blogs.yahoo.co.jp/kattenisirou2000/58570766.html」よ り。 この局の棋譜も同サイトで鑑賞可能。 北 雄介 京都大学助教。「都市の様相」に関する 研究を展開している。 おわりに 「手前の一手」 Movie ライフ オブ パイ 近年、この季節から春先にかけての 恒例行事となっているのが、学生の採 用活動でグループディスカッションの アセッサーを担当すること。僕はこれ が結構好きで、機会があれば協力させ てもらっている。 アセッサーをやるのが嫌いじゃない ポイントは、たまにめちゃくちゃ優秀 で面白い学生に出会えるとか、自分が その時気になっているテーマで新しい 視点をもらえるとか、ただ単純に気晴 らしになるとかあるのだけれど、一番 のポイントは、完全なる第三者として 議論を外側から見れることなんじゃな いかと思っている。 仕事だったら自分は議論の主体者で あることが多いし、第三者になれる議 論なんてそもそも興味が無くて参加し ないだろうし、普段だったらなかなか ありえないポジションだ。 で、同じお題でも、非常に議論が盛 り上がるグループと、沈黙になるほど 意見が出ないグループがあって面白 い。それらのグループを見ていると、 最近一つの法則があることに気付い た。 それは結構単純で、「今、何を議論 数奇な漂流のお話。映像美と宗教観のお話、そして最 後になぞが残る。解説サイトもいくつかたっており、 その解説を知り、また改めて見たくなる、2度楽しめ る作品! 田鍋圭助 News Huffingtonpost 最近よく見ているニュースサイト。政治・経済関係 の記事が多いが、このサイトの面白いのは記事掲載 の手法。ひとつの記事が、様々なニュースサイトや twitterやfacebookのコメント等多様なソース・視点 から構成されていて、物事の是非を考えるときに参 考になります。 吉田亮介 Music All I Wants に認め合った者同士の協働の中に、より尊い美の創造の契 機があるのかもしれない。 ハボンの主催者の一人である吉田君もこの度、私を遥かに 上回る素晴らしい次の一手を指した。信頼するパートナー とともに二人だけの美を紡いでいってくれることを、長屋 の隅から密かに願っている。 KODALINE アイルランド出身のロックバンド。PVが素敵な感じ で仕上がっています。そしてそれ以上に素敵な歌声 に僕は惚れ込みました。Coldplayに似て寒い地域独 特の切なさ(?)がとてつもなく好きです。一度聴い てみて欲しい。そしてPVも見て欲しいです。 杤尾直也 次回のHabon しているのか?」が明確になっている かどうかで盛り上がりが決まるという こと。 僕からお題を提示するから議論すべ きことは明確だけど、そこに至るまで には検討すべきポイントが何点かあっ て、そ れ が 共 通 認 識 と な っ て い る グ ループは盛り上がるし、あいまいで一 気に話し始めるグループなんかが盛り 上がらない。結果何を議論するのか? が不明確だから、答えも出ない。→さ らに盛り下がる…。酒の席ならその方 が盛り上がるのだろうけど、こーゆー 場では逆効果。 今回のテーマ「次の一手」を決める には、まず問いを明確にせよ、そして 共有せよということですね。次の一手 に悩んでいる人が周りにいたらこの学 びをシェアしたいと思います。 HabonPaper issue 17 「 冷たい 本」 「次の一手」 2013年11月30日 第1刷発行 発行所 中目黒ハウス901 開催日:2014.2.1 SAT 18:00∼ @ 未定 連絡先 [email protected] Staff HabonPaper issue 18 同時発行 杤尾直也 吉田亮介 田鍋圭助 Habonメンバー一同 8/8 吉田 亮介
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