研究テーマ:高速ネットワークを利用した 高効率なシステム生物学研究環境構築(1/2) (プロジェクト番号 JGN2P-A20003) 研究機関: 慶應義塾大学先端生命科学研究所・環境情報学部 研究の概要: (1) (2) (3) (4) (5) キャンパス間を結ぶ遠隔会議システム・遠隔授業システムの構築と評価。 インターネット上に存在する医学・生物学データベースを効率的に利用するためのシステムの構築。利用頻度 の高いデータについては、ロボット等を用いて収集、再構築、更新し、高速ネットワークを利用して遠隔利用。 医学、生物学に関する大規模なデータマイニング、情報に基づく医学・生物学的モデルの大規模シミュレーシ ョンを遠隔地より行うためのシステム、インターフェイスを開発。 ゲノム情報、代謝中間物質プロファイル情報、細胞の光学的観察を記録した動画など、大容量の未加工のデ ータ(raw data)を遠隔利用するためのシステムの構築。 インターネット上の分散サーバに格納された代謝物質の質量分析スペクトルデータを統合し共有するための 分散データベースシステムの構築。 実験機器構成: TTCK JGN2plusネットワーク利用概要 SFC コテージ棟 他 JGN2plus 情報共有 (VPN) イオタ棟 2010.11.18 TTCK 計算サーバー群 PC群 運用管理サーバー 情報収集 会議、授業 インターネット 共同研究 情報公開 遠隔会議装置 遠隔授業装置 共同研究DBサーバー 外部公開Webサーバー ecoli.iab.keio.ac.jp:mathdamp.iab.keio.ac.jp:empai.iab.keio.ac.jp: metabolome.iab.keio.ac.jp:splits.iab.keio.ac.jp: ism.iab.keio.ac.jp: megu.iab.keio.ac.jp:restauro-g.iab.keio.ac.jp: northshore.iab.keio.ac.jp: gosper.iab.keio.ac.jp: gandivaweb.iab.keio.ac.jp: nls-mapper.iab.keio.ac.jp: g-language.org: evolution.iab.keio.ac.jp:software.iab.keio.ac.jp: btor.iab.keio.ac.jp:genomics.iab.keio.ac.jp:cellogica.iab.keio.ac.jp: www.glanguage.org: ecell3d.iab.keio.ac.jp: pepbase.iab.keio.ac.jp, massbank.jp: satie.iab.keio.ac.jp:rest.g-language.org, soap.g-language.org 研究の目的: (1) (2) 実験生物学・分析化学を主な研究対象とするTTCK(鶴岡タウンキャンパス)とSFC(湘南藤沢キャンパス)を JGN2plusを用いて遠隔接続し、遠隔会議・遠隔授業・大容量実験データの共有によって、融合研究、21世紀 の日本の生命科学の礎となる人材育成・教育の推進を図る。 TTCKとSFCをJGN2plusで接続し、その上に遠隔会議・遠隔授業システムを整備することにより、統計解析や シミュレーションなど生命情報科学から得られた結果を生物学実験やメタボローム・メタボロームで検証すると いう研究サイクルの運用が可能になった。 研究テーマ:高速ネットワークを利用した 高効率なシステム生物学研究環境構築(2/2) (プロジェクト番号 JGN2P-A20003) 研究機関: 慶應義塾大学先端生命科学研究所・環境情報学部 研究開発成果: メタボローム機器 (1) (2) (3) 計算サーバ 計算用端末 JGN2plusを用いて、世界最先端の技術に基づいた医学生物学実験と統計学・数理・コンピュターサイエンス 理論を統合した、世界を先導するシステム生物的解析法の開発という世界でもユニークな開発環境を構築 できた。 遠隔授業では各専門分野の研究者が遠隔用のボードなどを用いてインタラクティブな講義を行い、生命科 学の幅広い知見を持つ学生の育成を促進した。 MassBank.jpの成功を受けて、そこで提供しているデータベースシステム、検索等のサービス、API、データ 形式等の標準化の努力をとおして、質量分析を用いる生物や化学の分野での情報共有を促進した。 MassBank: データ公開の現状 遠隔授業 Data server 18 research groups; 30,302 high-quality MS data of 2,300 small molecules (09/2010) 1 プロジェクトのアピールポイント 生命情報科学の分野で世界的な実績を挙げてきたSFCとメタボロームやプロテオーム、ゲノムデザインなど独自 の実験技術を持つTTCKをJGN2plusで接続したことにより相乗効果的に技術を融合させることが可能になり、新 しいRNA遺伝子の発見、シグナル伝達分子ネットワーク、赤血球の代謝に関わる新しい反応の抽出、癌で特異的 に変動する細胞内物質の発見、 免疫細胞分化を誘導する新たなゲノムダイナミクスの発見など、多くの新規生 物学的発見につながった。 プロジェクトの自己評価 生命科学の進歩は目覚しく、先行きの予測が困難であったが、JGN2plus を用いた分野間の融合を達成すること ができ、様々な生物学的発見につながった。また JGN2plus を利用した医学・生物学データの収集やデータマイニ ングについても、生命科学に貢献できるような有用なシステムを開発することができ、21 世紀の生命科学におけ るシステム生物学の世界的拠点を目指した独自の生命科学の研究環境および人材育成・教育を進める基盤を 構築することができた。
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