静電容量方式タッチパネル

静電容量方式タッチパネル
近年ますます需要が拡大しているのが、静電容量方式タッチパネルです。指先で軽くタッチするだけで入力がで
き、マルチタッチやジェスチャー操作が可能なため、操作性が広がります。
【 動作原 理 】
静電容量
OFF
タッチ
Y1 Y2 Y3 Y4 Y5
静電容量
X1
X2
X3
c2
c
電極膜
(センサー)
c3
X4
X5
c1
指を近づけると容量が変化
〈図 2〉 静電容量方式タッチパネルの位置
検出原理
〈図1〉 静電容量の変化
静電容量方式タッチパネルは、縦横にパターニングされた透明電極の組み合わせで構成されています。センサーパネルの表面に指を近づ
けると、近づけた部分の電極に容量変化が生じます。
(図1) この容量変化を検出することで、位置を特定します。
(図 2 )
【 構造】
X 側センサー
X 側センサー
ガラスまたはフィルム
Y 側センサー
Y 側センサー
ガラス
〈図 3〉片面積層構造
フィルム
〈図 4〉貼り合わせ構造
一般的な静電容量方式タッチパネルです。1枚の基材の片面に X、Y のセンサーパターンを形成した片面積層構造(図3)と、2枚の
基材それぞれに1層ずつ X、Y のセンサーパターンを形成した貼り合わせ構造(図4)があります。
静電容量方式タッチパネルは、軽快な操作感と見栄えの良さが特長です。SMK では異形加工や、穴開け加工、薄型タイプ、意匠パネ
ルの貼り合わせ等、お客様のニーズに合ったご提案が可能です。
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静電容量方式タッチパネル
【関連用語】
相互容量
(Mutual Capacitance)
ASF
(Anti-Scattering Film)
加飾印刷
(Decorative Printing)
相互容量式は投影型静電容量方式の一種です。X もしくは Y センサーでスキャンし、もう片方のセ
ンサーでセンシングすることで、X と Y の交点の容量変化を読み取る方法です。2 ~10点の多点入
力が可能です。自己容量式と比べ感度が高くとれるため、意匠パネルを厚くすることも可能です。
センサーパネルやカバーガラスが割れた時にガラス片の飛散を防ぐために、ガラス表面に貼るフィ
ルムです。飛散防止フィルムとも呼び、意匠フィルムとしても使用できます。
ガラスやフィルムに印刷で装飾を加えることです。
主に意匠パネルに施され、デザイン性の向上に貢献します。
スモーク印刷やロゴ印刷にも対応可能です。
配線の幅と隣り合う配線同士の間隔を
それぞれラインとスペースと
呼び、L/S と表記します。
ライン アンド スペース
(L/S)
Line
Space
PMMA
ポリメタクリル酸メチル樹脂というアクリル樹脂です。透明性が高く、静電容量方式タッチパネル
の意匠パネルとしても使用されます。
PC
プラスチックの一種であるポリカーボネートの略称です。温度、湿度による寸法変化が小さく、割れ
にくいという特徴があり、静電容量方式タッチパネルの意匠パネルとしても使用されます。
COF
"Chip on Film" または "Chip on Flexible" の略称で、
フィルム状の配線回路基板の上に IC を実装する技術です。
(Optical Clear Adhesive)
OCA
"Optical Clear Adhesive" の略称で、貼り合わせ時に使用するフィルム状の粘着シート(光学糊)です。
センサーパネルと意匠パネルや意匠フィルムを貼り合せる際に使用します。
保護フィルム
(Protection Film)
ITO のセンサーレイヤーが最裏面に配置されたとき、センサーを保護するために貼り付ける
フィルムです。
(Poly methyl methacrylate)
( Polycarbonate)
(Chip on Film)
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静電容量方式タッチパネル
民生機器仕様
スマートフォン向けの小型サイズからタブレット端末向けの中型サイズまで、各種サイズに対応します。
【 仕様 】
項目
構成
対応サイズ(インチ)
P16
GG
1G
G1F
ガラス/フィルムセンサー フィルム/フィルムセンサー
+意匠フィルム
+意匠パネル
ガラスセンサー+意匠パネル ガラスセンサー+意匠フィルム
3 ~ 12.1(wide)
GFF
3 ~ 7(wide)
入力方法
指
動作荷重(N)
0
3 ~ 12.1(wide)
3 ~ 12.1(wide)
総厚(mm)
1.1以上
0.95以上
1.1 以上
1.1 以上
透過率(%)
90以上
88以上
85以上
85以上
使用温度範囲(℃)
-20 ~+70
-20 ~+70
-20 ~+70
-20 ~+70
保存温度範囲(℃)
-30 ~+80
-30 ~+80
-30 ~+80
-30 ~+80
◦本数値は代表値です。スペックに関しては、弊社営業担当にお問合せ下さい。
P16
P16
【 操作 特長 】
フリック
ピンチ
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タッチパネルを指先で上下、左右に軽く払う動作です。
タッチパネルを2本の指先で押し広げる動作 ( 拡大 ) と
つまむような動作 ( 縮小 ) を総称して「ピンチ」と呼びます。
2本の指先で押し広げる動作:ピンチアウト
つまむような動作:ピンチイン
タッピング
マウス操作の「クリック」のように、タッチパネルを指先で
軽くたたく動作です。
ダブルタップ
マウス操作の「ダブルクリック」のように、タッチパネル
の同じ位置を指先で連続して軽くたたく動作を呼称です。
【構成例】
◦ GG タイプ(ガラスセンサー+意匠パネル)
意匠パネル
構造
特長
ガラスセンサー
◦ガラスセンサーを使用しているため、高い透過率を実現します。
(93% max.)
◦ 1G タイプ(ガラスセンサー+意匠フィルム)
意匠フィルム
構造
ガラスセンサー
保護フィルム
特長
◦薄型化とカラーバリエーション対応が両立可能です。
◦ G1F タイプ(ガラス/フィルムセンサー+意匠フィルム)
意匠フィルム
ガラスセンサー
構造
フィルムセンサー
特長
◦薄型化とカラーバリエーション対応が両立可能です。
◦ GFF タイプ(フィルム/フィルムセンサー+意匠パネル)
意匠パネル
フィルムセンサー
構造
フィルムセンサー
特長
◦センサーパネルにフィルムを使用する事で、薄型軽量化に貢献します。
※各構成の貼り合わせには OCA を使用しています。
※構造は使用するコントローラーにも関係しますので、弊社営業担当に御相談ください。
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静電容量方式タッチパネル
車載仕様ガラスセンサータイプ(自己容量式、相互容量式)
カーナビゲーション、カーオーディオ等の車載用途に要求される厳しい温度仕様に対応した静電容量方式タッ
チパネルです。偏光板や AR フィルムの組み合わせで、視認性に優れた低反射タイプのご提案が可能です。
また1mm 以上のアクリルの意匠パネルを貼り合わせても動作可能な高感度タイプもあり、多様なデザイ
ン要求に対応します。
【概略】
項目
偏光板+表面 AR フィルム
偏光板
対応サイズ(インチ)
相互容量式:11.6
入力方法
指
入力荷重(N)
0
センサー厚み(mm)
1.4 min.
1.3 min.
保存温度範囲(℃)
-40 ~+95
使用温度範囲(℃)
-30 ~+85
両面 AR フィルム
1.5 min.
透過率(%)
82
84
94
反射率(%)
6
4.5
2
◦本数値は代表値です。スペックに関しては弊社営業担当にお問い合わせ下さい。
車載仕様ガラス / フィルムセンサータイプ(相互容量式)
車載用途に要求される厳しい温度仕様に対応した静電容量方式タッチパネルです。ガラスとフィルムの2枚
のセンサーパネルで構成されます。1mm 以上のアクリル板上での動作や手袋を着用しても入力可能な高感
度タイプもご用意しています。
【仕様】
項目
対応サイズ(インチ)
11.6 max.
入力方法
指
入力荷重(N)
0
総厚(mm)
8
意匠パネル
AG フィルム
1.6 min.
2.5 min.
保存温度範囲(℃)
-40 ~+95
使用温度範囲(℃)
-30 ~+85
透過率(%)
85
反射率(%)
11
◦本数値は代表値です。スペックに関しては弊社営業担当にお問い合わせ下さい。
【ガラスセンサータイプ構成例 】
◦ 偏光板タイプ
反射率:6%
偏光板
ガラスセンサー
構造
保護フィルム
◦ 偏光板を AR フィルム、PMMA、PC に変更することも可能です。
◦ 保護フィルムを AR フィルムに変更することも可能です。
◦ 偏光板+表面 AR フィルムタイプ
反射率:4.5%
AR フィルム
偏光板
構造
ガラスセンサー
保護フィルム
◦ 保護フィルムを AR フィルムに変更することも可能です。
◦ 両面 AR フィルムタイプ
反射率:2 %
AR フィルム
構造
ガラスセンサー
AR フィルム
【ガラス / フィルムセンサータイプ構成例】
◦ ガラス / フィルムタイプ
反射率:11%
AGフィルム/意匠パネル
ガラスセンサー
構造
OCA
フィルムセンサー
保護フィルム
◦ 意匠パネルの材質は PMMA、PC、強化ガラス、AG フィルムからお選びいただけます。
※構造は使用するコントローラーにも関係しますので、弊社営業担当に御相談ください。
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