腎臓病に使われる薬について

腎臓病に使われる薬について
第6回目となる今回は、腎臓病の進行を抑えたり、腎臓病によってあらわれる
症状を軽くするためのお薬をいくつかご紹介します。
①降圧薬:高血圧は腎臓に負担となり、腎臓病を悪化させるため、薬で血圧を下げます。
・カルシウム拮抗薬(ノルバスク、アダラートなど):血管を広げて血圧を下げます。
・ACE阻害薬、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(レニベース、ブロプレス、ディオバンなど):
血圧を上げる物質の産生を抑え、血圧を下げます。尿タンパクを減らす効果もあります。血
圧が高くなくても腎臓を保護する目的で飲むこともあります。
②利尿薬(ラシックス、フルイトランなど):体内の余分な塩分・水分をおしっことして排出し、むく
みを取ったり、血圧を下げたりします。
③高脂血症治療剤(リピトール、クレストールなど):腎臓病では中性脂肪とコレステロールが上
昇するなどの脂質異常が起きやすく、動脈硬化を進め、高血圧や腎臓病を悪化させるという悪
循環を起こします。食事療法、適度な運動、お薬で治療します。
④貧血の薬:腎臓の働きが低下すると、腎性貧血を認めます。
・エリスロポエチン(造血刺激ホルモン):赤血球を作るホルモンです。注射薬で治療します。
・鉄剤(フェロミアなど):鉄が不足する場合に飲み薬などで鉄分を補充します。
⑤カリウム吸着剤(カリメート)、リン吸着剤(ホスレノール、レナジェルなど):腎機能が低下する
とカリウムやリンの排泄が遅れ、高カリウム血症・高リン血症となるので、食物中のカリウムやリ
ンを吸着して便と一緒に排泄します。
⑥活性型ビタミンD薬(アルファロールなど):腎機能が低下すると、腎臓でビタミンDを活性化出
来なくなり骨がもろくなるので、活性化されたビタミンDを薬で補います。
⑦老廃物吸着剤(クレメジン):体の中に溜まった老廃物を、腸管内でお薬でくっつけて便と一緒
に排泄します。
☆腎臓病の患者さんが注意すべき薬☆
腎臓の悪い方は、痛み止めや抗生物質、アルミニウムやマグネシウムが含まれている薬は腎
臓に負担をかけてしまうことがあるので、注意が必要です。
市販の風邪薬や胃薬などにも含まれていることがありますので、腎臓の悪い方はなるべくお薬
は病院でもらうようにしましょう。
お薬のことでわからないことがあれば、お気
軽に薬剤師までご相談ください。
腎臓病教室 薬局