NI音響/振動計測アシスタント スターアップガイド

NI 音響 / 振動計測アシスタント
NI 音響 / 振動計測アシスタント スタートアップガイド
NI 音響 / 振動計測アシスタント
2013 年 5 月
371938D
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などの書面によって示される出荷日から 90 日間保証致します。NI は、保証期間中にこのような欠陥の通知を受け取った場合、
弊社の裁量により、プログラミングの指示どおりに実行できないソフトウェア媒体を修理、交換致します。NI は、ソフトウェア
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らに停電、サージ、火災、洪水、事故、第三者の行為、その他の合理的に管理可能な範囲を超えた事象により発生した損害、欠
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エンドユーザ使用許諾契約(EULA)および他社製品の法的注意事項は以下の場所にあります。
• 注意事項は、<National Instruments>¥_Legal Information および <National Instruments> ディレクトリにあります。
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• NI 製品とともに作成したインストーラに法律情報を組み込む方法については、<National Instruments>¥_Legal
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特許
National Instruments の製品 / 技術を保護する特許については、ソフトウェアで参照できる特許情報 ( ヘルプ→特許情報 )、
メディアに含まれている patents.txt ファイル、または「National Instruments Patent Notice」(ni.com/patents)のう
ち、該当するリソースから参照してください。
輸出関連法規の遵守に関する情報
ナショナルインスツルメンツの輸出関連法規遵守に対する方針について、また必要な HTS コード、ECCN、その他のインポー
ト / エクスポートデータを取得する方法については、「輸出関連法規の遵守に関する情報」
(ni.com/legal/export-compliance)を参照してください。
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(1) National Instruments Corporation(以下「NI」という)の製品は、外科移植またはそれに関連する使用に適した機器の
備わった製品として、または動作不良により人体に深刻な障害を及ぼすおそれのある生命維持装置の重要な機器として設計さ
れておらず、その信頼性があるかどうかの試験も実行されていません。
(2) 上記を含むさまざまな用途において、不適切な要因によってソフトウェア製品の操作の信頼性が損なわれるおそれがありま
す。これには、電力供給の変動、コンピュータハードウェアの誤作動、コンピュータのオペレーティングシステムソフトウェ
アの適合性、アプリケーション開発に使用したコンパイラや開発用ソフトウェアの適合性、インストール時の間違い、ソフト
ウェアとハードウェアの互換性の問題、電子監視・制御機器の誤作動または故障、システム(ハードウェアおよび / またはソフ
トウェア)の一時的な障害、予期せぬ使用または誤用、ユーザまたはアプリケーション設計者の側のミスなどがありますが、
これに限定されません(以下、このような不適切な要因を総称して「システム故障」という)。システム故障が財産または人体
に危害を及ぼす可能性(身体の損傷および死亡の危険を含む)のある用途の場合は、システム故障の危険があるため、1 つの形
式のシステムにのみ依存すべきではありません。損害、損傷または死亡といった事態を避けるため、ユーザまたはアプリケー
ション設計者は、適正で慎重なシステム故障防止策を取る必要があります。これには、システムのバックアップまたは停止が
含まれますが、これに限定されません。各エンドユーザのシステムはカスタマイズされ、NI のテスト用プラットフォームとは
異なるため、そしてユーザまたはアプリケーション設計者が、NI の評価したことのない、または予期していない方法で、NI 製
品を他の製品と組み合わせて使用する可能性があるため、NI 製品をシステムまたはアプリケーションに統合する場合は、ユー
ザまたはアプリケーション設計者が、NI 製品の適合性を検証、確認する責任を負うものとします。これには、このようなシス
テムまたはアプリケーションの適切な設計、プロセス、安全レベルが含まれますが、これに限定されません。
目次
このマニュアルについて
必要なソフトウェア...............................................................................................................................vii
関連ドキュメント ...................................................................................................................................vii
第1章
NI 音響 / 振動計測アシスタントの概要
第2章
プロジェクトの操作
プロジェクトを開く...............................................................................................................................2-1
プロジェクトの実行と信号の表示 ....................................................................................................2-3
ステップを構成する...............................................................................................................................2-4
ステップの移動およびエラー処理 ....................................................................................................2-6
第3章
データをログする
信号を記録する .......................................................................................................................................3-1
ログされた信号を表示する .................................................................................................................3-2
事前定義した開始 / 停止条件で信号をログする ..........................................................................3-4
第4章
音響や振動の測定を行う
以前に集録済みのデータを開く.........................................................................................................4-1
データを再生する ...................................................................................................................................4-2
データを解析する ...................................................................................................................................4-4
上級再生 .....................................................................................................................................................4-6
音響 / 振動計測アシスタントにおける信号タイプ .....................................................................4-7
信号を保存、エクスポートおよび印刷する ..................................................................................4-7
信号をファイルに保存する ................................................................................................4-7
Microsoft Excel へ信号をエクスポートする ..............................................................4-8
信号を印刷する ......................................................................................................................4-8
音響 / 振動計測アシスタントでレポートを作成する ...............................................4-8
ドキュメントを HTML にエクスポートする ................................................................4-8
第5章
スイープ測定を行う
スイープの範囲と出力を定義する ....................................................................................................5-1
スイープするプロジェクトを作成する..........................................................................5-1
スイープを定義する .............................................................................................................5-2
スイープの結果をプロットする.........................................................................................................5-5
© National Instruments
v
NI 音響 / 振動計測アシスタント
目次
第6章
次数解析を行う
ログデータに対して次数解析を行う ............................................................................................... 6-1
UFF58b データファイルをロードする .......................................................................... 6-2
エンジンの回転速度を測定する ...................................................................................... 6-2
主次数を特定する ................................................................................................................. 6-3
特定の次数の振幅をトラッキングする ......................................................................... 6-5
データ集録中に次数解析を行う ........................................................................................................ 6-7
ログデータをインポートする ........................................................................................... 6-7
PC ファンの回転速度を測定する ................................................................................... 6-8
主次数を特定する ................................................................................................................. 6-8
特定の次数の振幅をトラッキングする ......................................................................... 6-10
第7章
音響 / 振動計測アシスタントのプロジェクトを LabVIEW で使用する
LabVIEW VI をステップとして音響 / 振動計測アシスタントにインポートする ............ 7-1
音響 / 振動計測アシスタントのプロジェクトを LabVIEW の
ブロックダイアグラムに変換する ................................................................................................ 7-5
第8章
詳細情報
音響 / 振動計測アシスタントのサンプルプロジェクト ............................................................ 8-1
音響 / 振動サンプルの解答を開く .................................................................................................... 8-1
音響 / 振動計測アシスタントをハードウェアと併用する........................................................ 8-1
ウェブリソース ....................................................................................................................................... 8-2
付録 A
技術サポートおよびプロフェッショナルサービス
NI 音響 / 振動計測アシスタント
vi
ni.com
このマニュアルについて
このマニュアルでは、ナショナルインスツルメンツの音響 / 振動計測アシ
スタントについて説明します。音響 / 振動計測アシスタントの機能を対話
式に使用し、信号の集録や解析ができます。
また、このマニュアルには、音響 / 振動計測アシスタントを初めて使用す
るユーザのための演習も含まれています。これらの演習では、プロジェク
トの実行方法、ステップの構成方法、信号の操作方法、スイープ測定の実
行方法、データの保存方法、および LabVIEW のグラフィカルプログラミ
ングによる音響 / 振動計測アシスタントの拡張方法について説明します。
音響 / 振動計測アシスタントは既存の NI SignalExpress 技術を拡張した
ソフトウェアです。このマニュアルでは SignalExpress に言及している
リファレンスやその例が使用されています。このようなリファレンスや例
は音響 / 振動計測アシスタントおよび SignalExpress の両方で適用され
ます。
必要なソフトウェア
音響 / 振動計測アシスタントでは、以下のソフトウェアのインストールが
必要です。
•
音響 / 振動計測アシスタントをナショナルインスツルメンツのデータ
集録(DAQ)ハードウェアと併用する場合、必ず NI-DAQmx バー
ジョン 8.9.5 以降をインストールしてください。
•
音響 / 振動計測アシスタントのプロジェクトを LabVIEW のブロック
ダイアグラムに変換する場合は、まず LabVIEW バージョン 8.2 以降
をインストールしてから音響 / 振動計測アシスタントをインストール
してください。
関連ドキュメント
このマニュアルにある演習の他に、動画を使用した『音響 / 振動計測アシ
スタントチュートリアル』に従って音響 / 振動計測アシスタントの操作を
習得できます。このチュートリアルを参照するには、以下の手順に従って
ください。
1.
スタート→すべてのプログラム→ National Instruments → Sound
and Vibration → Sound and Vibration Assistant を選択し、音響 /
振動計測アシスタントを起動します。
2.
© National Instruments
ヘルプ→ようこそダイアログを表示を選択します。
vii
NI 音響 / 振動計測アシスタント
このマニュアルについて
3.
音響 / 振動計測アシスタントの見出しが表示されるまで下にスクロー
ルします。
4.
5.
この見出しを展開します。
5 分間の対話式チュートリアルを見るのリンクをクリックします。
このマニュアルを読んでいる途中で、ある項目についての詳細情報を検索
するには、『音響 / 振動計測アシスタントヘルプ』を参照してください。
ヘルプ→音響 / 振動計測アシスタントヘルプを選択し、ステップリファレ
ンス→音響 / 振動計測アシスタントのステップに移動して目次タブで調べ
ることができます。
NI 音響 / 振動計測アシスタント
viii
ni.com
NI 音響 / 振動計測アシスタント
1
の概要
NI 音響 / 振動計測アシスタントはプログラミングが不要な対話式の仮想
計測環境で、音響や振動を測定するエンジニアにとって最適化されていま
す。音響 / 振動計測アシスタントでは、信号の集録、生成、解析、比較、
インポート、保存、および音響、振動信号の再生を対話式に行うことがで
きます。
また、NI SignalExpress の技術を拡張した音響 / 振動計測アシスタント
を使用することにより、固有の音響 / 振動計測や解析が行えるようになり
ます。音響 / 振動計測アシスタントの用途には、音声テスト、音響測定、
環境騒音テスト、機械状態監視、振動解析、騒音 / 振動制御、NVH(騒
音 / 振動 / ハーシュネス)測定などがあります。
また、NI LabVIEW で作成したカスタム仮想計測器(VI)のインポート
や、音響 / 振動計測アシスタントのプロジェクトを LabVIEW ブロックダ
イアグラムに変換することにより、LabVIEW での開発が可能となり、音
響 / 振動計測アシスタントの機能を拡張することもできます。
© National Instruments
1-1
NI 音響 / 振動計測アシスタント
プロジェクトの操作
2
NI 音響 / 振動計測アシスタントを使用して、対話式計測環境でステップ
を追加、構成することにより測定を行います。ステップとは、信号の集録
や生成、解析、ロード、および保存を行う構成可能な関数です。ほとんど
のステップは、入力信号を処理して、出力信号を生成します。構成された
ステップのシーケンスを保存したものが音響 / 振動計測アシスタントのプ
ロジェクトとなります。
この章では、既存のプロジェクトをロードまたは実行する方法と、プロ
ジェクトのステップを構成する方法について説明します。
プロジェクトを開く
音響 / 振動計測アシスタントでサンプルプロジェクトをロードするには、
以下の手順に従ってください。
1.
スタート→すべてのプログラム→ National Instruments → Sound
and Vibration → Sound and Vibration Assistant を選択し、音響 /
振動計測アシスタントを起動します。
音響 / 振動計測アシスタントは、さまざまな種類の情報を表示する複
数のビューに分けられています。アプリケーションウィンドウの中央
に表示されるタブ付きのビューを、プライマリビューと呼びます。音
響 / 振動計測アシスタントを初めて起動すると、プライマリビューに
デフォルトでデータビュータブ、記録オプションタブ、プロジェクト
ドキュメントタブが表示されます。
プライマリビューの周りには、補助ビューが表示されます。デフォル
トの構成では、左側にプロジェクトビュー、右側に詳細ヘルプが表示
されます。
© National Instruments
2.
音響 / 振動計測アシスタントがデフォルトのレイアウトで表示されて
いない場合は、表示→レイアウトをリセットを選択してデフォルトの
構成に戻すことができます。タブやビューは、表示メニューから表示
と非表示を切り替えたり、デフォルトのレイアウトにリセットするこ
とができます。
3.
ヘルプ→サンプルを開く→ Sound and Vibration Assistant を選択
し、Tutorial フォルダをダブルクリックして開き、音響 / 振動計測
アシスタントプロジェクト SVA_Analyze Signal From UFF File
(Tutorial).seproj をダブルクリックします。
2-1
NI 音響 / 振動計測アシスタント
第2章
プロジェクトの操作
4.
1
10
図 2-1 のようなウィンドウが表示されたら、音響 / 振動計測アシスタ
ントに搭載されているさまざまなコンポーネントを確認してくださ
い。
11
2
3
4
7
5
6
12
8
9
1
2
3
4
5
実行ボタン
作業エリアプルダウンメニュー
プロジェクトステータス
ステップ
入力
6
7
8
9
出力
プロジェクトビュー
ログデータウィンドウ
プライマリビュー(データビュータブを選択した
状態)
10 記録ボタン
11 表示タブ
12 詳細ヘルプ
図 2-1 「SVA_Analyze Signal from UFF File (Tutorial).seproj」プロジェクト
左側のペーンがプロジェクトビューで、プロジェクトの操作手順やス
テップを表示します。
中央のペーンにデータビュータブが表示されます。ここには、プロ
ジェクトが生成、解析する信号を表示します。
右側のペーンに詳細ヘルプが表示されます。新規のステップ、タブ、
パラメータ、または表示にカーソルを移動すると内容が更新されま
す。詳細ヘルプの上半分にはステップやタブの情報が、下半分にはパ
ラメータの情報が表示されます。
NI 音響 / 振動計測アシスタント
2-2
ni.com
第2章
プロジェクトの操作
プロジェクトの実行と信号の表示
音響 / 振動計測アシスタントには、2 つの実行モード(1 回実行と連続実
行)があります。左に示す実行ボタンの下矢印をクリックし、1 回実行オ
プションを選択すると、音響 / 振動計測アシスタントはプロジェクトのす
べてのステップを 1 回実行します。左に示す実行ボタンの下矢印をク
リックし、連続実行オプションを選択すると、音響 / 振動計測アシスタン
トは、左に示す停止ボタンをクリックするまで、プロジェクトのすべての
ステップを連続的に実行します。
プロジェクトの実行中は、実行ボタンが停止ボタンに変化します。プロ
ジェクトのステップ実行中は、データビューが継続的に更新されます。プ
ロジェクトの実行中でも、測定の構成を変更したり、即時に測定結果を表
示することができます。
また、プロジェクトの実行モードを構成することもできます。実行ボタン
の下矢印をクリックし、実行方法を構成を選択すると、プロジェクトの実
行時間を反復回数や秒数で設定したり、プロジェクトを連続実行するよう
に設定できます。プルダウンメニューからオプションを選択しないで実行
ボタンをクリックすると、停止ボタンをクリックするまで、プロジェクト
を連続的に実行します。
サンプルプロジェクトを実行して信号を表示するには、以下の手順に従っ
てください。
1.
実行ボタンをクリックし、プロジェクトのすべてのステップを連続的
に実行します。
プロジェクトを実行すると、各ステップは入力信号を解析し、解析結
果から新しい出力信号を生成します。このプロジェクトでは、
「UFF58 からロード」ステップが UFF58 ファイルから三角波をロード
し、「パワースペクトル」ステップと「ピーク検出」ステップはこの
三角波を解析した後、新規出力を返します。プロジェクトビューで
は、入力は赤い矢印、出力は青い矢印で示されます。
2.
プロジェクトビューの「ピーク検出」ステップのピーク数出力信号を
データビュータブにドラッグします。
音響 / 振動計測アシスタントのデータビューで新規グラフが作成され
ます。ピーク数信号は既存のグラフとデータタイプが異なるため、既
存の表またはグラフには表示されません。音響 / 振動計測アシスタン
トでは異なる信号タイプを自動的に認識し、適切な方法でその信号を
表示します。プロジェクトは図 2-2 のように表示されます。
© National Instruments
2-3
NI 音響 / 振動計測アシスタント
第2章
プロジェクトの操作
図 2-2 「SVA_Analyze Signal from UFF File (Tutorial).seproj」
プロジェクトの出力
3.
ヘルプ→音響 / 振動計測アシスタントヘルプを選択し、検索タブをク
リックします。「信号タイプ」と入力し、SignalExpress の信号タイ
プをダブルクリックして、信号タイプの詳細を調べます。
このヘルプには、SignalExpress のプロジェクト、ステップ、信号な
どの機能の詳細な説明が記載されています。
ステップを構成する
ステップとは、信号の集録や生成、解析、ロード、および保存を行う構成
可能な関数です。ほとんどのステップは、入力信号を処理して、出力信号
を生成します。ステップ設定タブで値を指定すると、ステップの操作を構
成できます。プロジェクトの実行中でも、ステップの構成を変更してその
結果をデータビュータブに表示し、必要な測定結果が得られるまで測定を
調整することができます。
NI 音響 / 振動計測アシスタント
2-4
ni.com
第2章
プロジェクトの操作
「パワースペクトル」ステップおよび「ピーク検出」ステップを構成する
には、以下の手順に従ってください。
1.
ファイル→プロジェクトを別名で保存を選択し、プロジェクトを My
First Project.seproj という名前で任意のディレクトリに保存し
ます。
2.
プロジェクトビューの「パワースペクトル」ステップをダブルクリッ
クします。図 2-3 のような「パワースペクトル」ステップのステップ
設定タブが表示されます。ステップ設定タブのグラフに入力信号のプ
レビューが表示されます。
図 2-3 「パワースペクトル」のステップ設定タブ
© National Instruments
3.
ステップ設定タブの入力タブをクリックします。入力信号プルダウン
メニューが時間波形を指定していることに注意してください。
「UFF58 からロード」ステップが「パワースペクトル」ステップの時
間波形信号を生成します。
4.
プロジェクトビューの「ピーク検出」ステップをクリックします。
ステップ設定タブは、「ピーク検出」ステップの構成表示から、「パ
ワースペクトル」ステップの構成表示に切り替わります。
5.
ステップ設定タブの入力タブをクリックします。入力信号プルダウン
メニューがスペクトルを指定していることに注意してください。「パ
ワースペクトル」ステップが「ピーク検出」ステップのスペクトル信
号を生成します。
2-5
NI 音響 / 振動計測アシスタント
第2章
プロジェクトの操作
6.
ステップ設定タブの入力タブをクリックします。構成タブでは、
「ピーク検出」ステップがスペクトルに対してピーク検出を行い、し
きい値 -40 を超える最大ピークを 1 つ検出するように設定されていま
す。このステップでは出力として 2 つの測定結果(ピークの周波数と
振幅、およびピーク数)が生成されます。
7.
ステップ設定タブの構成タブで、検出タイププルダウンメニューから
複数ピークを選択すると、入力スペクトルのしきい値を超えたすべて
のピークを測定します。ステップ設定タブのピーク表にある信号が更
新され、行った変更が反映されます。
8.
停止ボタンをクリックしてプロジェクトを停止します。
停止ボタンをクリックすると、現在の反復が完了した後でプロジェク
トが停止します。停止ボタンの下矢印をクリックし、中断オプション
を選択すると、プロジェクトは緊急停止し、残りのステップは実行さ
れません。
9.
ファイル→プロジェクトを保存を選択してプロジェクトを保存しま
す。
10. ファイル→プロジェクトを閉じるを選択し、プロジェクトを閉じま
す。
ステップの移動およびエラー処理
音響 / 振動計測アシスタントのプロジェクトのステップは、入力データに
よって異なります。つまり、各ステップで操作できるのは、プロジェクト
ビューにある以前のステップからエクスポートされた信号のみとなりま
す。ステップのステップ設定タブの入力タブで、入力信号プルダウンメ
ニューでは、以前のステップからエクスポートされた互換性のある信号の
みを表示します。ステップの出力が別のステップの入力になると、その 2
つのステップは相互依存となり、順番に同じレートで実行されます。最初
のステップが出力信号を生成し、この出力信号が 2 つ目のステップの入
力として受け取られ、実行が開始されます。
プロジェクト内のステップは、プロジェクトビューで上下にドラッグして
移動できます。また、プロジェクトビューでステップを右クリックし、
ショートカットメニューから削除を選択すると、ステップを削除できま
す。ただし、ステップの移動や削除を行った場合には、プロジェクトの信
号ステータスが変更されます。たとえば、出力信号を生成するステップを
削除すると、削除されたステップからの出力信号が他のステップの入力信
号になっている場合はプロジェクトの操作が中断されます。操作が中断さ
れるとエラーインジケータが表示されます。
NI 音響 / 振動計測アシスタント
2-6
ni.com
第2章
プロジェクトの操作
プロジェクト内のステップの切り取り / コピー / 貼り付けをするには、そ
れぞれ <Ctrl-X>、<Ctrl-C>、<Ctrl-V> キーを押すか、プロジェクトビュー
のステップを右クリックして詳細メニューから切り取り、コピー、選択し
たステップの前に貼り付け、または選択したステップの後に貼り付けを選
択します。
ステップを移動してエラーを処理するには、以下の手順に従ってくださ
い。
ヒント
1.
ファイル→新規プロジェクトを選択して、プロジェクトを作成しま
す。
2.
3.
My Error.seproj という名前で任意のディレクトに保存します。
左に示すステップを追加ボタンクリックし、処理→標準フィルタを選
択して「標準フィルタ」ステップを追加します。
プロジェクトへのステップの追加は、ステップを追加メニュー、ステップを追
加パレット、またはプロジェクトビューを右クリックして表示される詳細メ
ニューから行うことができます。
4.
図 2-4 に示すように、未構成の入力ダイアログボックスが表示された
らキャンセルボタンをクリックします。
図 2-4
未構成の入力ダイアログボックス
入力信号が存在しない場合は、必要な入力信号を生成するステップを
選択するための未構成の入力ダイアログボックスが開きます。
5.
© National Instruments
左に示すエラーインジケータがステップ設定タブの下部とプロジェク
トビューのステップ内に表示されることに注意してください。
2-7
NI 音響 / 振動計測アシスタント
第2章
プロジェクトの操作
メモ
プロジェクトの実行中に発生するすべてのエラーおよび警告は、イベントログ
タブに記録されます。イベントログを表示するには、イベントログを表示する
には、表示→イベントログを選択します。エラーおよび警告の詳細については、
ヘルプ→音響 / 振動計測アシスタントヘルプを選択して表示できる『音響 / 振
動計測アシスタントヘルプ』を参照してください。検索タブをクリックし、エ
ラーと入力します。
6.
ステップ設定タブの詳細ボタンをクリックすると、詳細ダイアログ
ボックスにエラーの説明が表示されます。また、プロジェクトビュー
のエラーインジケータをクリックしても、説明を表示することができ
ます。このエラーを処理するには、ステップを追加して新規入力を作
成します。
7.
8.
詳細ダイアログボックスを閉じます。
9.
ステップを追加ボタンをクリックし、信号を作成→アナログ信号を作
成を選択します。「アナログ信号を作成」ステップは「標準フィルタ」
ステップへの直接入力信号を渡さない、未構成の入力エラーが残りま
す。
プロジェクトビューで、「アナログ信号を作成」ステップを「標準
フィルタ」ステップの上にドラッグします。移動することにより、
「標準フィルタ」ステップが「アナログ信号を作成」ステップの正弦
波出力を入力信号として使用するため、エラーインジケータは表示さ
れなくなります。
10. プロジェクトを保存して閉じます。
NI 音響 / 振動計測アシスタント
2-8
ni.com
3
データをログする
音響 / 振動計測アシスタントを使用すると、任意の時間領域、数値、また
はブールのステップ出力を含む測定を記録できます。
この章では、音響 / 振動計測アシスタントで統合データロギング機能を使
用したデータの記録方法について説明します。たとえば、指定した信号の
記録方法、信号の再生方法、解析のステップを使用した信号の解析方法に
ついて説明します。また、記録オプションタブで指定した開始条件または
停止条件に基づいて信号をログする方法についても説明します。
メモ
SignalExpress のリファレンスや例は音響 / 振動計測アシスタントにも同様に適
用されます。
信号を記録する
信号を記録するには、以下の手順に従ってください。
1.
ヘルプ→サンプルを開く→ SignalExpress を選択し、Tutorial
フォルダをダブルクリックして開き、Logging.seproj をダブルク
リックします。
このプロジェクトでは、「アナログ信号を作成」ステップを使用し、
式に基づいて信号を生成します。
2.
プロジェクトを My Logged Signal.seproj という名前で任意の
ディレクトリに保存します。
3.
左に示す記録ボタンをクリックし、ログに記録する信号を選択ダイア
ログボックスを開きます。
ログに記録する信号を選択ダイアログボックスは、プロジェクトの記
録可能な信号を表示します。1 つまたは複数の信号を記録するよう選
択できます。ログの名前と説明を指定することもできます。
4.
signal チェックボックスをオンにして、アナログ信号を作成ステッ
プで生成される信号を記録します。
5.
OK ボタンをクリックし、ログに記録する信号を選択ダイアログボッ
クスを閉じて、信号の記録を開始します。停止ボタンをクリックする
まで、ログ操作が継続されます。
6.
© National Instruments
停止ボタンをクリックし、信号のロギングを停止します。初めて信号
をログした場合は、最初のログ作成を完了ダイアログボックスが表示
されます。OK ボタンをクリックし、ダイアログボックスを閉じます。
3-1
NI 音響 / 振動計測アシスタント
第3章
データをログする
図 3-1 に示すように、ログデータウィンドウがプロジェクトビューの
下に表示されます。このウィンドウには、現在のプロジェクトでこれ
までに記録されたすべてのデータのリストが表示されます。
図 3-1
ログデータウィンドウ
デフォルトでは、データを記録した日付と時間に応じて自動的にログ
データに名前が付けられます。ログデータは、.tdms ファイル形式
で保存されます。
メモ
.tdms ファイル形式の詳細については、ni.com/jp/info にアクセスし、
「tdms」と入力してください。
7.
ログデータを保存するディレクトリを変更したり、ログデータの設定
をカスタマイズするには、ツール→オプションを選択し、ログオプ
ションを選択します。
8.
OK ボタンをクリックしてオプションダイアログボックスを閉じま
す。
9.
プロジェクトを保存します。
ログされた信号を表示する
ログデータを表示するには、以下の手順に従ってください。
1.
NI 音響 / 振動計測アシスタント
ログデータウィンドウのログをデータビュータブにドラッグします。
図 3-2 のようにデータビュータブにログデータとグラフプレビューが
表示されます。
3-2
ni.com
第3章
図 3-2
データをログする
Logging.seproj
グラフプレビューでは、データビュータブのデータのズームイン / ア
ウトおよびパニングを行えます。デフォルトでは、グラフプレビュー
はログデータを表示すると表示されます。ライブデータまたはログさ
れていないデータを確認する場合にグラフプレビューを表示するに
は、データビュータブのグラフを右クリックして表示項目→プレ
ビューを選択します。
2.
© National Instruments
グラフプレビューの隣にあるズームインボタンをクリックし、ログさ
れた信号でズームイン操作を行います。グラフプレビューのカーソル
は、データビュータブに現在表示されているデータのサブセットを示
します。表示するデータのサブセットを増減するには、カーソルをク
リックしドラッグします。
3-3
NI 音響 / 振動計測アシスタント
第3章
データをログする
3.
グラフプレビューの下にあるスクロールバーで、データをスクロール
します。
4.
グラフ上で信号全体を表示させるには、グラフプレビューを右クリッ
クしてすべて表示を選択します。
事前定義した開始 / 停止条件で信号をログする
音響 / 振動計測アシスタントで信号の記録や記録停止を行う前に、開始お
よび停止条件に一致するように信号を構成できます。開始および停止条件
に基づいてデータをログするには、以下の手順に従ってください。
1.
記録オプションタブをクリックするか、表示→記録オプションを選択
します。
2.
3.
記録オプションタブのカテゴリリストで信号選択を選択します。
図 3-3 のように、信号の記録列にチェックマークを付けます。
図 3-3
信号選択
記録ボタンは、左に示す実行中に記録ボタンに変わります。このボタ
ンが有効になっている間は、実行ボタンがクリックされたときに選択
した信号が記録されます。
4.
NI 音響 / 振動計測アシスタント
記録オプションタブのカテゴリリストで開始条件を選択します。
3-4
ni.com
第3章
5.
データをログする
ログタスクの開始条件を変更するには、開始条件リストページで追加
ボタンをクリックします。
a. 条件タイププルダウンメニューで、信号トリガが選択されている
ことを確認します。この設定では、入力信号が指定された条件を
満たすと記録が開始されます。
b. 信号プルダウンメニューで、signal が選択されていることを確
認します。
c. トリガタイププルダウンメニューで立ち上がりスロープが選択さ
れていることを確認します。この設定では、正のスロープでの信
号のエッジの値に基づいて信号の記録が開始されます。
d. トリガ値に 1 と入力して、立ち上がりスロープで信号がレベル 1
を超えたときに記録が開始されるよう指定します。
図 3-4 のような記録オプションタブが表示されます。
図 3-4
© National Instruments
3-5
記録オプションの開始条件
NI 音響 / 振動計測アシスタント
第3章
データをログする
6.
7.
記録オプションタブのカテゴリリストで停止条件を選択します。
ログタスクの停止条件を変更するには、停止条件リストページで追加
ボタンをクリックします。
a. 条件タイププルダウンメニューで、持続時間が選択されているこ
とを確認します。この設定では、指定された時間が経過すると記
録が停止されます。
8.
b. 持続時間フィールドに 5 と入力して、信号が開始条件に一致し
てから 5 秒間記録するよう指定します。
実行ボタンをクリックします。立ち上がりスロープで信号の値が 1
を超えると信号の記録が開始し、5 秒間記録されます。
プロジェクトの実行中は、記録オプションタブの現在のログの状態セ
クションの以下の表示が更新されます。
•
信号が開始条件を満たしてからログが実行されている間、記録中
が ON になります。
•
ディスク情報は、ログに使用できるコンピュータの有効なハード
ディスクスペースを表示します。
•
現在の推定ログサイズは、ディスク上のログファイルのサイズを
示します。
•
残り記録時間は、使用可能なディスクスペースに対してログを継
続できる時間を示します。
•
現在のログ開始時間は現在のログが開始された時間を示します。
記録オプションタブの開始条件、停止条件、アラーム、イベントペー
ジには、設定された開始 / 停止条件、アラーム、イベントの状態を示
すインジケータが表示されます。
9.
NI 音響 / 振動計測アシスタント
プロジェクトを保存して閉じます。
3-6
ni.com
4
音響や振動の測定を行う
音響 / 振動計測アシスタントを使用して、音響や振動の測定を対話式に行
うことができます。解析ステップでログデータを再生して、解析、処理す
ることができます。また、NI ダイナミック信号集録(DSA)デバイスな
どのナショナルインスツルメンツのデータ集録(DAQ)ハードウェアを
使用して集録したライブデータの解析や処理も可能です。
この章では、以前に集録済みのデータの解析、測定結果のグラフ表示、信
号のファイルへの保存を含む、音響 / 振動計測アシスタントでの音響デー
タおよび振動データの処理方法について説明します。
以前に集録済みのデータを開く
音響 / 振動計測アシスタントを使用して、以前に集録済みのデータを解析
することができます。また、DAQ ハードウェアを使用して集録したデー
タを解析することもできます。
以前に記録された音圧データを開くには、以下の手順に従ってください。
1.
2.
新規プロジェクトを開きます。
ファイル→インポート→ LabVIEW SignalExpress TDMS ファイルの
ログ信号を選択し、National Instruments¥Sound and
Vibration Assistant¥Examples¥Log File - Sound Pressure¥
ディレクトリに移動して、現在のフォルダをクリックします。
(Windows XP/2000)National Instruments フォルダは
C:¥Documents and Settings¥All Users¥ 共有ドキュメント ¥
ディレクトリにあります。
(Windows Vista)National Instruments フォルダは C:¥Users¥
Public¥Public Documents¥ ディレクトリにあります。
3.
ログデータが、「ログデータ」ウィンドウのログに表示されているこ
とに注目してください。
4.
図 4-1 にあるとおり、プロジェクトビュー上方の作業エリアプルダウ
ンメニューから再生モード→ Sound Pressure を選択します。
図 4-1
© National Instruments
4-1
作業エリアプルダウンメニュー
NI 音響 / 振動計測アシスタント
第4章
音響や振動の測定を行う
同じプロジェクトで複数の音響 / 振動計測アシスタントの操作を実行
する場合に作業エリアを使用します。新規プロジェクトを開かずに、
データ集録、信号処理、データの記録、ログデータでの測定実行が可
能です。プロジェクトを保存すると、プロジェクトのすべての作業エ
リアがプロジェクトファイルに保存されます。
デフォルトの監視 / 記録作業エリアでは、測定の実行、ライブデータ
の解析、データのログを行うことができます。再生作業エリアでは、
監視 / 記録作業エリアでログしたデータを入力として解析ステップを
実行することができます。
これで、ファイル Sound Pressure.tdms に含まれる音圧データの解析
ができるようになります。
メモ
音圧の集録データをプロジェクトで実行するには、NI-DAQmx 8.9.5 以降をイン
ストールし、DAQ ハードウェアを使用する必要があります。以降の演習で音圧
の生データを使用したい場合は、新規プロジェクトを作成しステップを追加ボ
タンをクリックして、信号を集録→ DAQmx 集録→アナログ入力→音圧を選択
します。ここで表示されたタスクにチャンネルを追加ダイアログボックスで、
解析したいアナログ入力チャンネルを選択できます。
データを再生する
ファイル Sound Pressure.tdms にあるデータを解析するには、以下の
手順に従ってください。
1.
プロジェクトを My Analysis.seproj という名前で任意のディレク
トリに保存します。
2.
ステップを追加ボタンをクリックし、解析→時間領域測定→音圧レベ
ルを選択します。
3.
ステップ設定ダイアログボックスの入力タブをクリックします。入力
信号プルダウンメニューに .tdms ファイルからの音圧信号がすでに
含まれていることに注目してください。音響 / 振動計測アシスタント
はログデータを「音圧レベル」ステップへの入力として自動的に選択
します。
4.
ステップ設定タブの重み付けタブをクリックし、重み付けプルダウン
メニューから A 特性を選択して、低レベルトーンのラウドネスをシ
ミュレーションします。
5.
ステップ設定タブの平均化タブをクリックし、Leq およびピークの
チェックボックスをオフにして、信号の連続 Leq および指数平均音
圧レベルのみを計算します。
6.
音圧信号を「ログデータ」ウィンドウデータビュータブへドラッグし
ます。
NI 音響 / 振動計測アシスタント
4-2
ni.com
第4章
メモ
音響や振動の測定を行う
再生モードでログされた信号を表示する場合、1 度に 1 つの反復データのみを
表示します。すべてのログデータを表示するには、作業エリアプルダウンメ
ニューから監視 / 記録を選択して「監視 / 記録」作業エリアに切り替えます。
また、再生オプションタブでも、すべてのログデータを表示できます。
7.
プロジェクトを実行します。
記録済みの音圧データがデータビュータブに表示され、ビューの上方
に時間軸スライダがあることに注目してください。プロジェクトは、
ログされたデータファイルの最後に到達するまで実行されます。
ヒント
プロジェクトが実行中でないときは、時間軸スライダをクリックしてドラッグ
すると、以前に記録済みのデータの一部分を表示できます。
8.
グラフを右クリックし、ショートカットメニューから表示項目→カー
ソルを選択して、図 4-2 に示す 2 つの対話式カーソルを表示します。
図 4-2
© National Instruments
4-3
グラフ上にカーソルを表示する
NI 音響 / 振動計測アシスタント
第4章
音響や振動の測定を行う
9.
表示するデータのサブセットを増減するには、カーソルをクリックし
ドラッグします。カーソルを移動するたびに、カーソルの X 値と Y
値が更新され、データビュータブのグラフの下にあるカーソルの表に
表示されます。
10. プロジェクトを保存します。
データを解析する
音圧データにさらに測定を追加するには、以下の手順に従ってください。
1. 「音圧レベル」ステップの連続 Leq 出力をデータビュータブにドラッ
グします。音響 / 振動計測アシスタントのデータビューで新規チャー
トが作成されます。
2. 「音圧レベル」ステップの指数出力をデータビュータブの既存の
チャートにドラッグします。
3.
プロジェクトを実行します。
データビューでは、再生データの進行に従って連続 Leq および指数
がチャート内で更新されることに注目してください。
4.
ステップを追加ボタンをクリックし、解析→周波数領域測定→オク
ターブ解析を選択します。
5.
警告周波数範囲が強制されましたがステップ設定タブの下方に表示さ
れることに注目してください。「オクターブ解析」ステップは、入力
信号のサンプルレートに基づいて自動的に周波数範囲を強制します。
周波数範囲を変更して警告を解消するには、高周波数(Hz)プルダ
ウンメニューから 1k を選択します。
6.
ステップ設定タブの入力タブをクリックし、入力信号が「音圧レベ
ル」ステップで使用した音圧信号と同じであることを確認してくださ
い。
7.
ステップ設定タブの構成タブをクリックし、重み付けプルダウンメ
ニューから A 特性を選択します。
8. 「オクターブ解析」ステップのオクターブ出力をデータビュータブに
ドラッグします。
NI 音響 / 振動計測アシスタント
4-4
ni.com
第4章
音響や振動の測定を行う
図 4-3 に示すように、音圧、連続 Leq、指数、およびオクターブの
各チャートが表示されます。
図 4-3
オクターブ解析を行った My Analysis.seproj
9. 「オクターブ解析」ステップの帯域内パワー合計出力を、データ
ビュータブの連続 Leq および指数が表示されているチャートへド
ラッグします。
10. 数値結果をグラフではなく表で表示したい場合は、チャートを右ク
リックし表示オプション→表を選択します。
11. プロジェクトを実行します。
オクターブのグラフが再生の進行に従って更新されることに注目して
ください。これで、音圧データにおける音圧レベルとオクターブ解析
は完了です。
12. プロジェクトを保存して閉じます。
© National Instruments
4-5
NI 音響 / 振動計測アシスタント
第4章
音響や振動の測定を行う
上級再生
再生オプションビューで、上級データ再生オプションを構成します。再生
オプションタブでは、ログデータのプレビューを表示し、再生するデータ
のサブセットを選択したり、解析ステップでデータを処理することができ
ます。
上級再生オプションを構成するには、以下の手順に従ってください。
1.
ファイル→プロジェクトを開くを選択し、My Logged
Signal.seproj を参照して開くボタンをクリックします。
2.
3.
作業エリアプルダウンメニューから再生を選択します。
再生オプションタブをクリックするか、表示→再生オプションを選択
します。図 4-4 のような再生オプションタブが表示されます。
図 4-4
4.
5.
再生オプションタブ
ログ信号リストボックスの 2 番目のログから signal を選択します。
ログされた信号のうちログ開始から 1 秒後に始まり 4 秒後に終わる 3
秒間のサブセットを再生または解析するには、開始時間(s)フィー
ルドに 1 を、停止時間(s)フィールドに 4 を入力します。
6. ステップを追加ボタンをクリックし、処理→フィルタを選択します。
7. 「フィルタ」ステップのフィルタ後のデータ出力をデータビュータブ
にドラッグします。
NI 音響 / 振動計測アシスタント
4-6
ni.com
第4章
音響や振動の測定を行う
8.
実行ボタンをクリックします。再生オプションタブで指定した信号の
サブセットをフィルタ処理し、データビュータブに結果として得られ
た、フィルタ処理済み信号を表示します。信号がログ開始から 1 秒
後に始まり同 4 秒後に終わることを確認してください。
9.
プロジェクトを保存します。
アラーム条件や上級再生オプションの指定などデータロギングの詳細につ
いては、ヘルプ→音響 / 振動計測アシスタントヘルプを選択して表示され
る『音響 / 振動計測アシスタントヘルプ』を参照してください。
音響 / 振動計測アシスタントにおける信号タイプ
ステップの中には、
「演算」ステップなど、複数の信号タイプを処理できる
ものがあります。たとえば、
「演算」ステップでは、時間領域または周波数
領域の信号を処理することができます。この「演算」ステップは、選択し
た入力信号のタイプに応じて異なる動作をします。たとえば、2 つの時間
領域信号を加算すると、その振幅のみが加算されます。これに対し、2 つ
の周波数領域位相信号を加算すると、適切な位相シフトが追加されます。
信号を保存、エクスポートおよび印刷する
音響 / 振動計測アシスタントで信号をドキュメント化したり、別のソフト
ウェアアプリケーションで解析を行うことができます。このセクションで
は、信号の ASCII ファイルへの保存、Microsoft Excel へのデータのエクス
ポート、信号の印刷、標準のドキュメント機能を使用した音響 / 振動計測
アシスタントプロジェクトのドキュメント作成の方法について説明します。
信号をファイルに保存する
My Signals.seproj の信号をファイルへ保存するには、以下の手順に
従ってください。
1.
ステップを追加ボタンをクリックし、信号をロード / 保存→
ASCII/LVM に保存を選択します。プロジェクトが実行されるたび
に、「信号をロード / 保存」ステップを使用し、データをファイルへ
保存します。
2.
ステップ設定タブのファイル設定タブをクリックし、左に示す、エク
スポートファイルのパスフィールドの横にある参照ボタンをクリック
します。
3.
National Instruments¥Sound and Vibration Assistant¥
Examples¥Tutorial¥ ディレクトリを参照し、ファイル名として
octave.txt と入力します。
4.
© National Instruments
ファイルが既存の場合プルダウンメニューから上書きを選択します。
4-7
NI 音響 / 振動計測アシスタント
第4章
音響や振動の測定を行う
5.
プロジェクトを実行し、結果の値を特定の ASCII ファイルに保存し
ます。
6.
7.
プロジェクトを保存します。
octave.txt を含むフォルダを参照し、テキストエディタでファイル
を開いて保存されているデータを表示します。
Microsoft Excel へ信号をエクスポートする
Microsoft Excel へ信号データをエクスポートするには、Excel を起動し、
音響 / 振動計測アシスタントにあるステップの出力信号を Excel のスプ
レッドシートへドラッグします。データはタブ区切りとなります。
また、データビュータブの表示を右クリックし、ショートカットメニュー
からエクスポート→ Microsoft Excel を選択して、データビュータブの
選択したグラフからのデータをエクスポートします。また、octave.txt
など保存済みのデータを Microsoft Excel で開くこともできます。
信号を印刷する
グラフの画像を印刷するには、データビュータブを表示し、ファイル→印
刷→データビューを印刷を選択します。
音響 / 振動計測アシスタントでレポートを作成する
プロジェクトドキュメントタブを表示するには、表示→プロジェクトド
キュメントを選択します。テキストやグラフなどの画像を使用してプロ
ジェクトの説明を記載できます。プロジェクトビューのステップの出力を
プロジェクトドキュメントタブにドラッグすると、出力信号のグラフが表
示されます。プロジェクト実行中の場合は、プロジェクトドキュメントタ
ブのグラフがステップの出力の最新値を反映するように自動的に更新され
ます。
ドキュメントを印刷するには、プロジェクトドキュメントタブを開き、
ファイル→印刷→ドキュメントを印刷を選択するか、ドキュメントを印刷
ボタンをクリックします。
ドキュメントを HTML にエクスポートする
ドキュメントを HTML へエクスポートするには、プロジェクトドキュメ
ントタブを開き、ファイル→エクスポート→ドキュメントを HTML にエ
クスポートを選択します。また、プロジェクトドキュメントタブを右ク
リックし、ショートカットメニューからドキュメントを HTML にエクス
ポートを選択してもドキュメントのエクスポートができます。
NI 音響 / 振動計測アシスタント
4-8
ni.com
5
スイープ測定を行う
音響 / 振動計測アシスタントでスイープ操作を作成して、測定を自動化
し、特性評価や設計検証を行うことができます。広範な条件でスイープ測
定を使用して検査対象デバイスからデータを集録し、その性能をドキュメ
ント化することができます。たとえば、測定中に、スイープ操作において
刺激信号の周波数や電源の電圧レベルを変更することができます。
この章では、音響 / 振動計測アシスタントで「スイープ」ステップを使用
した操作の設定方法について説明します。特定の範囲で周波数値をスイー
プしてフィルタ出力の測定を行うことで、フィルタの性能を評価する方
法、スイープ結果の表示方法、より複雑な測定のための多次元スイープの
実行方法についても説明します。
また、ナショナルインスツルメンツの任意波形発生器、関数発生器、ダイ
ナミック信号集録(DSA)デバイス、またはマルチファンクション I/O
(MIO)デバイスから生成される物理信号をスイープすることもできま
す。
メモ
以下の演習を物理信号を使用して行うには、NI-DAQmx 8.9.5 以降をインストー
ルし、アナログ入出力を搭載した DAQ ハードウェアを使用する必要がありま
す。
スイープの範囲と出力を定義する
「スイープ」ステップでは、複雑で反復的なスイープ操作でも、これを定
義することにより測定を自動化することができます。
スイープするプロジェクトを作成する
プロジェクトを作成するには、以下の手順を実行します。
1.
2.
新規プロジェクトを開きます。
プロジェクトを My Sweep.seproj という名前で任意のディレクトリ
に保存します。
3. 「アナログ信号を生成」ステップを追加します。
4. ステップ設定タブの構成タブで、ブロックサイズ(S)フィールドに
10000 と入力します。
5.
© National Instruments
フィルタステップを追加します。
5-1
NI 音響 / 振動計測アシスタント
第5章
スイープ測定を行う
6.
ステップ設定タブの構成タブで、タイププルダウンメニューからバン
ドパスを選択します。フィルタ仕様セクションでオプションを変更す
るとフィルタ振幅応答(dB)グラフが更新されることに注目してく
ださい。
7.
低域カットオフ(Hz)フィールドに 2000 と入力し、高域カットオフ
(Hz)フィールドに 5000 と入力します。
8.
ステップを追加ボタンをクリックし、解析→周波数領域測定→オク
ターブ解析を選択します。
9.
ステップ設定タブのシングルトーン測定タブをクリックし、歪みおよ
びチャンネル評価セクションにある THD+N および THD のチェック
ボックスをオンにし、SN 比、SINAD および SFDR のチェックボック
スをオフにします。
10. プロジェクトを保存します。
スイープを定義する
周波数範囲を定義し、フィルタを介してスイープ操作を行うには、以下の
手順に従ってください。
1.
ステップを追加ボタンをクリックし、実行制御→スイープを選択しま
す。
2.
図 5-1 のように、スイープ構成タブの追加ボタンをクリックし、プロ
ジェクトの各ステップのスイープパラメータのリストを表示します。
図 5-1
NI 音響 / 振動計測アシスタント
スイープパラメータ選択ダイアログボックス
5-2
ni.com
第5章
3.
スイープ測定を行う
アナログ信号を作成 : 正弦波から周波数 (Hz) パラメータを選択し、
OK ボタンをクリックします。
図 5-2 に示すように、プロジェクトビュー内で、「スイープ」ステッ
プがスイープするための信号となる「アナログ信号を作成」ステップ
が囲まれていることに注目してください。
図 5-2 「スイープ」ステップに囲まれている「アナログ信号を作成」ステップ
4.
5.
© National Instruments
スイープ構成タブのタイププルダウンメニューから指数を選択しま
す。
開始 : 周波数(Hz)フィールドに 2000 と入力し、終了 : 周波数
(Hz)フィールドに 5000 と入力します。
5-3
NI 音響 / 振動計測アシスタント
第5章
スイープ測定を行う
6.
ポイント数フィールドに 20 と入力します。
スイープ構成タブは図 5-3 のようになります。
図 5-3 「スイープ構成」タブ
「スイープ」ステップを構成し、「アナログ信号を作成」ステップの周
波数(Hz)パラメータの反復する各値の範囲を指定します。「アナロ
グ信号を作成」ステップでは、定義された周波数範囲をもとに、各周
波数で正弦波を生成します。「スイープ」ステップでは、プロジェク
トのすべてのスイープ可能なステップのスイープパラメータの各値に
対して反復するよう指定できます。
7.
8.
ステップ設定タブのスイープ出力タブをクリックします。
9.
トーン測定から基本振幅出力を選択し、OK ボタンをクリックして、
スイープされた周波数(Hz)パラメータに対してこの測定を表示し
ます。
NI 音響 / 振動計測アシスタント
追加ボタンをクリックし、プロジェクトの各ステップのスイープ出力
リストを表示します。
5-4
ni.com
第5章
スイープ測定を行う
スイープ操作で使用するステップをすべて含めるため、図 5-4 に示す
ように、「スイープ」ステップがループを作成してプロジェクト
ビューの全ステップを囲んでいることに注目してください。
図 5-4
スイープ操作で必要なすべてのステップを囲んでいる
「スイープ」ステップ
10. プロジェクトを保存します。
スイープの結果をプロットする
スイープ測定を実行するには、以下の手順に従ってください。
1. 「フィルタ」ステップのフィルタ後のデータ出力をデータビュータブ
にドラッグします。
2. 「アナログ信号を作成」ステップの正弦波出力をデータビュータブに
ドラッグします。
3.
1 回実行オプションを再度選択してスイープを実行します。
このプロジェクトでは、「アナログ信号を作成」ステップにより正弦
波の刺激信号が生成されます。この信号は、「フィルタ」ステップに
よりバンドパスフィルタを介して渡され、「トーン測定」ステップに
よりフィルタ出力の THD+N および THD のレベルが測定されます。
© National Instruments
5-5
NI 音響 / 振動計測アシスタント
第5章
スイープ測定を行う
「フィルタ」ステップはシミュレートされた検査対象として動作する
ため、ハードウェアは使用しません。
グラフ上の正弦波出力は、指定された周波数範囲で繰り返し出力され
ます。
4.
スイープループの下の基本振幅 vs. 周波数(Hz)信号をデータビュー
タブにドラッグし、スイープ出力を表示します。
新規でグラフが作成されます。図 5-5 のように、スイープ操作のデー
タは、異なるグラフを必要とする XY 配列です。
図 5-5
5.
スイーププロジェクト
1 回実行オプションを選択してスイープ測定を実行します。
プロジェクトの実行中に、新規グラフで「フィルタ」ステップの周波
数応答(振幅(dB)対周波数)がプロットされます。グラフは、基
本振幅出力対周波数のフィルタの伝達関数を表示します。
メモ
デフォルトでは、データビュータブの表示はスイープの反復ごとに消去されま
せん。「フィルタ」ステップの周波数応答はどの反復でも同じであるため、プロ
ジェクトの実行中に信号を表示するグラフが更新されていないように見えます。
オプションダイアログボックスのデータページで、スイープの反復ごとに
NI 音響 / 振動計測アシスタント
5-6
ni.com
第5章
スイープ測定を行う
ビューを消去するかどうか選択できます。ツール→オプションを選択してオプ
ションダイアログボックスを表示します。
6.
プロジェクトを保存して閉じます。
ステップ設定タブのスイープ構成タブに別のパラメータを追加すること
で、「スイープ」ステップを使用し、複数のパラメータを同時にスイープ
することができます。複数のパラメータを同時にスイープすることを、平
行スイープと呼びます。たとえば、刺激信号の振幅を変更するには、平行
スイープを実行してデジタイザや DSA デバイスの信号レベルの変更に応
じて入力範囲を調整することで、集録の精度を最大限に高めることができ
ます。信号レベルが上昇したら、測定デバイスの入力範囲を広げれば、そ
の測定に計測器が持つ分解能を最大限に活かすことができます。
© National Instruments
5-7
NI 音響 / 振動計測アシスタント
6
次数解析を行う
NI 音響 / 振動ソフトウェアパッケージをご購入していただくと、音響 /
振動計測アシスタントを使用して検査対象デバイス(DUT)に対する次数
領域測定を行うことができます。これらの測定は次数解析として知られて
おり、テスト中でもテスト後でも実行できます。この章では、両方の状況
について説明するサンプルがあります。
最初のチュートリアルでは、ユニバーサルファイルフォーマットバイナリ
(UFF58b)ファイルに対して次数解析を実行します。このファイルには 4
気筒エンジンのランナップテストから集録されたデータが含まれます。こ
のサンプルは集録されたテストデータに対して次数解析を行うための方法
を説明します。
2 番目のサンプルでは、音響 / 振動計測アシスタントの再生機能を使用し
て PC ファンのランナップテストをシミュレーションします。このシミュ
レーションテスト中に、集録されたデータに対して次数解析を実行しま
す。このサンプルはデータの集録と解析を同時に実行する方法を説明しま
す。
これらのサンプルは両方ともランナップテストに関連しています。ラン
ナップテストでは DUT の回転速度が動作範囲全体にわたって変化するた
め、DUT における顕著な騒音や振動の原因となる次数を特定するのに役
立ちます。
ログデータに対して次数解析を行う
このセクションのサンプルでは、4 気筒エンジンのランナップテストによ
るログデータを使用します。このデータに次数解析を実行して、顕著なエ
ンジン騒音の原因となる次数を特定します。このデータにはテストによる
以下の 2 つの信号が含まれています。
•
エンジンの回転速度を測定するタコメータパルス信号。タコメータは
エンジンが 1 回転するごとにパルスを 1 つ生成します。
•
エンジンから生じる音を測定したマイクロホン信号。この状況では、
測定された音は不要な騒音を示します。
以下のセクションでは、次の手順に従ってください。
1.
2.
© National Instruments
集録されたデータを UFF58b ファイルからロードします。
テスト実施中、エンジンの回転速度を測定します。
6-1
NI 音響 / 振動計測アシスタント
第6章
次数解析を行う
3.
4.
顕著なエンジン騒音の原因となる次数を特定します。
特定したこれらの次数の振幅を解析します。
UFF58b データファイルをロードする
サンプルプロジェクトを開くには、以下の手順に従ってください。
1.
ヘルプ→サンプルを開く→音響 / 振動計測アシスタントを選択し、
Tutorial フォルダをダブルクリックし、さらに SVA_Order
Analysis From UFF File (Tutorial).seproj をダブルクリック
します。
2.
プロジェクトを My Engine.seproj という名前で任意のディレクト
リに保存します。
データビュータブにタコメータと音圧の 2 つの信号が表示されます。左
上隅のタコメータ信号はランナップテスト中にタコメータ電圧がどのよう
に変化するかを示します。右上隅の音圧信号は同テスト中に音圧(つまり
騒音)がどのように変化するかを示します。
エンジンの回転速度を測定する
次数解析では DUT の回転速度を測定するため、次数解析を実行するにあ
たっての最初の手順は常に DUT の速度プロファイルの測定となります。
速度プロファイルは DUT の回転速度が時間とともに変化する様子を示し
ます。回転速度は回転 / 分(RPM)単位で測定します。
DUT の速度プロファイルを集録するには「アナログタコメータ処理」ス
テップを使用します。このステップではタコメータパルス信号を RPM に
変換します。エンジンの速度プロファイルを測定するには、以下の手順に
従ってください。
1.
ステップを追加ボタンをクリックし、解析→次数領域測定→アナログ
タコメータ処理を選択します。
2.
ステップ設定タブの入力タブ内で、タコメータ信号が解析ソース(つ
まり入力信号)になっていることに注目してください。この信号はス
テップ設定タブの上部にあるタコメータ信号グラフに表示されます。
ステップ設定タブの中間部には速度プロファイルグラフが表示されま
す。このグラフはタコメータ信号でこのステップが生成する RPM 測
定値を表します。この測定値はランナップテスト中にエンジン RPM
が変化する様子を示しています。
NI 音響 / 振動計測アシスタント
6-2
ni.com
第6章
次数解析を行う
図 6-1 に、ステップ設定タブの速度プロファイルグラフを示します。
図 6-1
エンジンの速度プロファイル
図 6-1 で、エンジン RPM が 10.84 秒間に 1300 RPM から 5200 RPM
に増大している様子に注目してください。この速度プロファイルを次
数解析の基として使用します。
3. 「アナログタコメータ処理」ステップの速度プロファイル出力をデー
タビュータブのグラフにドラッグします。
すると、データビュータブに、時間の関数として 3 つのグラフが表
示されます。タコメータグラフはタコメータ電圧の振幅を、音圧グラ
フは音圧レベルを、また速度プロファイルグラフはエンジン RPM を
表示します。
4.
プロジェクトを保存します。
主次数を特定する
速度プロファイルの集録にタコメータ信号を使用したので、次にマイクロ
ホン信号を使用して次数解析を実行してみましょう。この解析に対する一
般的なツールはカラーマップ形式のスペクトルマップです。カラーマップ
は信号の振幅が周波数または次数に関連している様子を概略的に示しま
す。また、カラーマップは信号の振幅が時間または速度に関連している様
子も示します。
また、カラーマップを構成して RPM の関数として次数を表示することも
できます。RPM- 次数カラーマップは、エンジン RPM の変化に応じて異
なる次数の音圧レベルが変化する様子を表示します。高音圧レベルの原因
となる次数である主次数の特定にカラーマップを使用できます。
カラーマップを表示するには「スペクトルマップ」ステップを使用しま
す。記録済みの音圧レベルのカラーマップを表示するには、以下の手順に
従ってください。
© National Instruments
1.
ステップを追加ボタンをクリックし、解析→次数領域測定→アナログ
タコメータ処理を選択します。
2.
ステップ設定タブの入力 / 出力タブで、入力信号プルダウンメニュー
から時間波形→音圧を選択します。
6-3
NI 音響 / 振動計測アシスタント
第6章
次数解析を行う
カラーマップは、時間の関数である騒音周波数を Hz 単位で表示しま
す。また、このカラーマップでは音圧レベルの振幅を色で表示してい
ます。音圧が低い場合は緑、高い場合は赤で示されます。
図 6-2 に示すように、600 ~ 750 Hz の間の数か所に高い音圧レベルが
現われていることに注目してください。この周波数範囲はおそらく、
なんらかのエンジン部品の共振周波数を含んでいると考えられます。
図 6-2
3.
周波数 - 時間カラーマップ表示
ステップ設定タブの構成タブをクリックし、プロットタイププルダウ
ンメニューから RPM- 次数を選択します。
最初のうちは、カラーマップには音圧レベルの振幅が色で表示されま
す。しかし、時間の変化に応じた周波数の変化の代わりに RPM の変
化に応じた次数の変化がカラーマップに表示されるようになります。
4.
X 軸の最大値をダブルクリックし、新規の値として 20 と入力しま
す。この操作により、0 ~ 20 の次数範囲のみが表示されるようにカ
ラーマップのスケールが調整されます。
NI 音響 / 振動計測アシスタント
6-4
ni.com
第6章
次数解析を行う
カラーマップ表示は図 6-3 のように表示されます。
図 6-3
RPM- 次数カラーマップ表示
図 6-3 で、2 次は 2500 ~ 3500 RPM および 4100 ~ 5100 RPM に赤
い領域を含んでいることに注目してください。これらの赤い領域は、
この RPM 範囲で高い音圧レベルが発生していることを示します。
4 気筒エンジンでは 1 回転につき 2 回燃焼し、その度に騒音が発生す
るので、2 次におけるこのような挙動は予期されたものです。
また、異なる RPM 範囲で、8 次、10 次、12 次、および 14 次におい
て高い音圧レベルが存在していることに注目してください。これらの
次数は 2 次の倍音(つまり倍数)です。したがって、これらの次数
も顕著な騒音の原因となると考えられます。これらの次数すべてが主
次数となります。
5. 「スペクトルマップ」ステップのカラーマップ出力をデータビュータ
ブにドラッグします。このタブに 4 つのグラフが表示されます。
6. 最大値をクリックして現在の値を 20 に置き換え、データビュータブ
のカラーマップ表示に対して手順 4 を繰り返します。
7. プロジェクトを保存します。
特定の次数の振幅をトラッキングする
次数解析を実行するにあたっての最後の手順は 2 つの主次数の振幅のト
ラッキングです。このデータはカラーマップに既に表示されています。た
だし、カラーマップではこのデータの大まかな概要が表示されているだけ
です。振幅グラフにより、特定の次数に対する数値データのトラッキング
が簡単に行えます。
© National Instruments
6-5
NI 音響 / 振動計測アシスタント
第6章
次数解析を行う
1 つまたは複数の次数を RPM の関数として表示させるには、「次数ト
ラッキング」ステップを使用します。RPM 範囲全体にわたる 10 次およ
び 12 次における振幅を表示するには、以下の手順に従ってください。
1. ステップを追加ボタンをクリックし、解析→次数領域測定→次数ト
ラッキングを選択します。
2.
ステップ設定タブの入力 / 出力タブで、入力信号プルダウンメニュー
から時間波形→音圧を選択します。
3.
ステップ設定タブの構成タブをクリックし、トラッキングする次数リ
ストに 10 および 12 と入力します。
4.
X 軸スケールプルダウンメニューから速度を選択し、X 軸を RPM に
変更します。
ヒント 「次数トラッキング」ステップのステップ設定タブで構成を行うと、次数振幅を
時間、速度、または回転数の関数として表示できます。
5. 「次数トラッキング」ステップの振幅出力をデータビュータブにド
ラッグします。
6.
新規の振幅グラフを右クリックし、表示項目→凡例を選択します。
振幅グラフは図 6-4 のように表示されます。
図 6-4
10 次および 12 次の振幅プロット
図 6-4 で、12 次に対して高い振幅が 3400RPM 近辺に現われている
ことに注目してください。このピークはカラーマップ上で 12 次に対
する赤い領域に相当します。振幅グラフにより、カラーマップより簡
単に読み取れる形式でこの情報が表示されます。10 次に対するピー
クは 4200 RPM 近辺に現われています。ここでも、カラーマップで
この解析が確認できます。
7.
NI 音響 / 振動計測アシスタント
プロジェクトを保存して閉じます。
6-6
ni.com
第6章
次数解析を行う
データ集録中に次数解析を行う
音響 / 振動計測アシスタントを使用すると、NI DSA デバイスなどの NI
DAQ ハードウェアからデータ集録中に次数解析を行えます。
このセクションでは、ログデータを含むファイルを再生します。データの
再生中にこのデータに対して次数解析を行うことができます。このよう
に、以下のサンプルではテストデータの次数解析と同時に実行するデータ
集録のシミュレーションを行います。ログデータ再生の詳細については、
第 4 章「音響や振動の測定を行う」の「データを再生する」のセクショ
ンを参照してください。
このセクションのサンプルでは、DUT は 7 枚羽根の PC ファンで、この
ファンは 4 コイルモータに取り付けられています。DSA デバイスはこの
ファンから以下の 2 つの信号を測定します。
•
ファンの回転速度を測定するタコメータパルス信号。タコメータは
ファンが 1 回転するごとにパルスを 2 つ生成します。
•
ファンの振動を測定する加速度計信号。
これらの信号に対して次数解析を行い、ファンによる顕著な振動の原因と
なる次数を特定します。
以下のセクションでは、次の手順に従ってください。
1.
集録されたデータを音響 / 振動計測アシスタントのログファイルから
インポートし再生して、リアルタイムデータ集録のシミュレーション
を行います。
2.
3.
4.
テスト実施中、ファンの回転速度を測定します。
顕著なファン振動の原因となる次数を特定します。
特定したこれらの次数の振幅を解析します。
ログデータをインポートする
PC ファンのランナップテストからデータを開くには、以下の手順に従っ
てください。
1.
2.
3.
© National Instruments
新規プロジェクトを開きます。
ファイル→インポート→ LabVIEW SignalExpress TDMS のログ信号
を選択し、National Instruments¥Sound and Vibration
Assistant¥Examples¥Log File - PC Fan Run-up¥ ディレクトリ
を参照して、現在のフォルダボタンをクリックします。
プロジェクトを My PC Fan.seproj という名前で任意のディレクト
リに保存します。
6-7
NI 音響 / 振動計測アシスタント
第6章
次数解析を行う
4.
ログデータウィンドウのログの下に PC Fan Run-up が表示されま
す。
5.
作業エリアプルダウンメニューから再生モード→ PC Fan Run-up を
選択します。データビュータブで、タブの上部に時間軸スライダが表
示されます。
PC ファンの回転速度を測定する
この章の「ログデータに対して次数解析を行う」のセクションで説明した
ように、次数解析を行う前には DUT の速度プロファイルの測定が常に必
要となります。PC ファンの速度プロファイルを測定するには、以下の手
順に従ってください。
1. 「アナログタコメータ処理」ステップを追加します。
2. ステップ設定タブの入力タブ内で、デフォルトの入力信号がアナログ
タコメータ信号になっていることに注目してください。
3.
このファンでは 2 つのパルスで 1 回転を表すので、ステップ設定タ
ブの構成タブをクリックし、パルス数フィールドに 2 と入力します。
すると、速度プロファイルグラフの Y 軸上の RPM 値が半減すること
に注目してください。
4. 「アナログタコメータ処理」ステップの速度プロファイル出力をデー
タビュータブにドラッグします。
5.
プロジェクトを実行してデータを再生します。
速度プロファイルグラフが時間軸スライダの動きに合わせて更新され
ることに注目してください。この動きは、DUT からタコメータ信号
を集録しながら音響 / 振動計測アシスタントがファンの速度を計算し
ている様子を示します。
ヒント
再生作業エリアが表示されている間は、操作→再生レートを設定を選択して
データの速度を変更できます。
6.
プロジェクトを保存します。
主次数を特定する
この章の「ログデータに対して次数解析を行う」のセクションで説明した
ように、次の手順では主次数を特定します。ただし、カラーマップを使用
する代わりに、以下の手順では次数スペクトルを使用してこれらの次数を
特定します。カラーマップが数値データの大まかな概要を把握するのに適
しているのに対し、次数スペクトルグラフは数値データを表示するのに適
しています。
NI 音響 / 振動計測アシスタント
6-8
ni.com
第6章
次数解析を行う
「次数スペクトル」ステップを使用して、次数スペクトルグラフを表示し
ます。振動信号の次数スペクトルを測定するには、以下の手順に従ってく
ださい。
1.
ステップを追加ボタンをクリックし、解析→次数領域測定→次数スペ
クトルを選択します。
2.
ステップ設定タブの入力タブで、入力信号プルダウンメニューからア
クティブログ→ Acquired Signals → Vibration Signal を選択しま
す。次数スペクトルグラフが更新され、ランナップテスト 1 回分の
実行中の振動振幅を次数の関数として表示します。
3.
ステップ設定タブのスペクトル設定タブをクリックし、振幅スケール
プルダウンメニューから線形を選択して、デシベル単位より読み取り
やすい線形スケールに設定します。
次数スペクトルグラフで、顕著な振動が 10 次以降に現われていない
ことに注目してください。グラフのスケールを変更して、振動の原因
となる次数を表示できます。
4.
最大次数フィールドの新規の値として 16 と入力します。
次数スペクトルグラフは図 6-5 のように表示されます。
図 6-5
振動信号の次数スペクトルグラフ
5. 「次数スペクトル」ステップの次数スペクトル出力をデータビュータ
ブにドラッグします。すると、このタブには速度プロファイルグラフ
と次数スペクトルグラフが表示されます。
© National Instruments
6.
プロジェクトを実行します。次数スペクトルグラフがプロジェクトが
実行されるにつれて更新されることに注目してください。
7.
次数スペクトルグラフを右クリックして、表示オプション→滝型グラ
フを選択します。滝型グラフはテストを通してのデータの履歴を表示
するのに適しています。
6-9
NI 音響 / 振動計測アシスタント
第6章
次数解析を行う
8.
プロジェクトを実行します。滝型グラフがランナップテスト中に次数
スペクトルの履歴を表示していることに注目してください。Z 軸はテ
スト回数を表しています。
図 6-6 に滝型グラフを示します。
図 6-6
次数スペクトルの滝型グラフ
滝型グラフは 4 次および 7 次におけるピークを示しています。これ
らの次数が主次数です。PC ファンモータの 4 つのコイルが 4 次の振
動を、また 7 枚の羽根が 7 次の振動を発生しているので、このよう
な挙動は予期されたものです。
9.
プロジェクトを保存します。
特定の次数の振幅をトラッキングする
最後の手順では、これらの次数での振動の振幅をトラッキングします。4
次および 7 次での振動振幅を表示するには、以下の手順に従ってくださ
い。
1.
2.
次数トラッキングステップを追加します。
3.
ステップ設定タブの構成タブをクリックし、トラッキングする次数リ
ストに 4 および 7 と入力して、PC ファンの 4 つのコイルと 7 枚の羽
根の振動に相当する次数をトラッキングします。
4.
帯域幅(次数)フィールドに 0.5 と、また時間間隔(s)フィールド
に 500m と入力します。
ステップ設定タブの入力 / 出力タブで、入力信号プルダウンメニュー
からアクティブログ→ Acquired Signals → Vibration Signal を選
択します。
5. 「次数トラッキング」ステップの振幅出力をデータビュータブにド
ラッグします。すると、データビュータブに、速度プロファイル、次
数スペクトルの滝型グラフ、4 次と 7 次での振動の振幅グラフの 3 つ
のグラフが表示されます。
NI 音響 / 振動計測アシスタント
6-10
ni.com
第6章
6.
7.
次数解析を行う
振幅グラフを右クリックし、表示項目→凡例を選択します。
プロジェクトを実行します。図 6-7 に示すように、振幅グラフはラン
ナップテスト中の 4 次および 7 次での振動の振幅を表示します。
図 6-7
4 次および 7 次の次数振幅プロット
これらのピークは滝型グラフでのピークと同じです。4 次での振動の
最大ピークは 13 秒の時点に、また 7 次での振動の最大ピークは 8 秒
の時点に現れています。
8.
© National Instruments
プロジェクトを保存して閉じます。
6-11
NI 音響 / 振動計測アシスタント
音響 / 振動計測アシスタントの
プロジェクトを LabVIEW で
使用する
7
音響 / 振動計測アシスタントでは、信号の集録、生成、解析、またはログ
などの標準ステップを使用し、自動計測を定義することができます。以下
の方法により LabVIEW グラフィカルプログラミングで音響 / 振動計測ア
シスタントの機能を拡張できます。
メモ
•
LabVIEW で VI を作成し、その VI を音響 / 振動計測アシスタントに
インポートして測定オプションを拡張し、カスタムステップ関数を作
成します。
•
音響 / 振動計測アシスタントのプロジェクトを LabVIEW ブロックダ
イアグラムに変換し、LabVIEW で引き続きアプリケーション開発を
行うことができます。このような方法で、音響 / 振動計測アシスタン
トの対話式ツールにより測定を行う順番を定義し、その一連の順番を
LabVIEW ブロックダイアグラムに変換して自動テストアプリケー
ションを構築します。
SignalExpress のリファレンスや例は音響 / 振動計測アシスタントにも同様に適
用されます。
LabVIEW VI をステップとして音響 / 振動計測アシス
タントにインポートする
カスタム LabVIEW VI を呼び出すには、音響 / 振動計測アシスタントの
LabVIEW VI を実行ステップを使用します。たとえば、音響 / 振動計測ア
シスタントから LabVIEW VI を呼び出すと、以下のことを行うことがで
きます。
•
•
•
多様なファイル形式のデータを読み書きする
VI を使用してデータをさらに解析する
測定アルゴリズムを定義する
LabVIEW VI を実行ステップで LabVIEW から VI をインポートするには、
以下の手順に従ってください。
© National Instruments
7-1
NI 音響 / 振動計測アシスタント
第7章
音響 / 振動計測アシスタントのプロジェクトを LabVIEW で使用する
メモ
このセクションの演習問題には、LabVIEW 8.6 以降のバージョンが必要です。
1.
ヘルプ→サンプルを開く→ SignalExpress を選択し、Tutorial
フォルダをダブルクリックして開き、User Step.seproj をダブル
クリックします。
このプロジェクトでは、アナログ信号を作成ステップで信号を生成し
ます。
2.
プロジェクトを My Imported VI.seproj という名前で任意のディ
レクトリに保存します。
3.
ステップを追加ボタンをクリックして、LabVIEW VI を実行→
LabVIEW 8.6 VI を実行を選択します。
この演習で実行する VI は LabVIEW 8.6 で保存されています。VI を
保存した LabVIEW のバージョンに一致する LabVIEW VI を実行ス
テップのバージョンを使用する必要があります。
4.
メモ
ステップ設定タブで VI を選択セクションの参照ボタンをクリックし、
SignalExpress¥Examples¥Tutorial ディレクトリにある
Limiter-LV86.vi を選択します。
「不明な LabVIEW バージョンです」のエラーが表示される場合は、
LabVIEW 8.6 でこの VI を開いて保存してください。これにより、VI が
LabVIEW の正しいバージョンで保存され、音響 / 振動計測アシスタントの
LabVIEW VI を実行ステップで実行されます。ステップ設定タブの VI を更新ボ
タンをクリックします。
NI 音響 / 振動計測アシスタント
7-2
ni.com
第7章
音響 / 振動計測アシスタントのプロジェクトを LabVIEW で使用する
図 7-1 のようなステップ設定タブが表示されることを確認してくださ
い。
図 7-1
Limiter VI のステップ設定タブ
Limiter-LV86 VI は時間領域波形を入力として受け入れ、ステップ設
定タブで指定した信号範囲の上限を超えた値と下限を下回った値をク
リップし、クリップした波形を出力信号として返します。
LabVIEW VI をインポートする際、音響 / 振動計測アシスタントで
は、VI の入力は入力信号またはパラメータとして、そして VI の出力
は出力信号として割り当てられます。
入力信号は、プロジェクトビューでステップの入力として表示される
ため、信号を入力として VI に渡すことができます。パラメータは、
ステップのステップ設定タブで構成できる値です。「スイープ」ス
テップを使用すると、動的にパラメータをスイープすることもできま
す。このプロジェクトでは、VI に入力信号の Time waveform in、
およびスカラパラメータの Upper limit と Lower limit があります。
5.
6.
ステップ設定タブの VI を構成タブをクリックして VI を表示します。
Upper limit フィールドに 0.5 を、Lower limit フィールドに -0.9
を入力して制限値を指定します。
7.
© National Instruments
LabVIEW VI を実行ステップの Clipped waveform out をデータ
ビュータブにドラッグします。
7-3
NI 音響 / 振動計測アシスタント
第7章
音響 / 振動計測アシスタントのプロジェクトを LabVIEW で使用する
8. 「アナログ信号を作成」ステップの正弦波出力をデータビュータブに
ドラッグします。図 7-2 に示すように、データビュータブのグラフ
は、完全な正弦波とクリップされた波形の 2 つの信号を表示します。
図 7-2
9.
クリップされた波形と正弦波
プロジェクトを保存して閉じます。
音響 / 振動計測アシスタントのハードウェアとの併用、および音響 / 振動
計測アシスタント対応の VI の開発の詳細については、ヘルプ→音響 / 振
動計測アシスタントヘルプを選択して『音響 / 振動計測アシスタントヘル
プ』を参照してください。
NI 音響 / 振動計測アシスタント
7-4
ni.com
第7章
音響 / 振動計測アシスタントのプロジェクトを LabVIEW で使用する
音響 / 振動計測アシスタントのプロジェクトを
LabVIEW のブロックダイアグラムに変換する
音響 / 振動計測アシスタントでは、プロジェクトを LabVIEW のブロック
ダイアグラムに変換できます。
メモ
音響 / 振動計測アシスタントのプロジェクトを LabVIEW VI に変換するには、
LabVIEW 開発システムのバージョン 8.2 以降が必要です。また、コードを生成
する LabVIEW のバージョンに LabVIEW Support for Sound and Vibration
Analysis コンポーネントがインストールされている必要があります。
音響 / 振動計測アシスタントのプロジェクトを LabVIEW のブロックダイ
アグラムに変換するには、以下の手順に従ってください。
メモ
1.
ヘルプ→サンプルを開く→音響 / 振動計測アシスタントを選択し、
Tutorial フォルダをダブルクリックし、さらに SVA_Analyze
Signal From UFF File (Tutorial).seproj をダブルクリックし
ます。
2.
ツール→コード生成→ LabVIEW ダイアグラムを選択します。
複数の LabVIEW のバージョンがインストールされている場合、最後に起動し
た LabVIEW のバージョンでコード生成が行われます。
3.
新規の VI を My LabVIEW VI.vi という名前で保存し、OK ボタンを
クリックします。音響 / 振動計測アシスタントは新規 VI を生成し、
前回開いたバージョンの LabVIEW でその VI が開きます。
LabVIEW のブロックダイアグラムの結果は、音響 / 振動計測アシス
タントのプロジェクトの実行に反映されます。LabVIEW のブロック
ダイアグラムは、配線された LabVIEW Express VI から構成されま
す。各 Express VI は、音響 / 振動計測アシスタントのプロジェクト
の各ステップに相当します。Express VI をダブルクリックすると、
音響 / 振動計測アシスタントのステップ設定が表示されます。また、
Express VI を右クリックし、ショートカットメニューからフロント
パネルを開くを選択すると、Express VI を LabVIEW のサブ VI に変
換できます。Express VI をサブ VI に変換した場合、そのサブ VI を
Express VI に戻すことはできません。ブロックダイアグラムを表示
し、LabVIEW のブロックダイアグラムでの実行状況の確認や VI の
機能変更を行うことができます。
LabVIEW のフロントパネルには、時間波形入力信号、スペクトル入
力信号、「パワースペクトル」ステップからの平均化完了および平均
完了数の出力、「ピーク検索」ステップからのピークおよびピーク数
が表示されます。
© National Instruments
7-5
NI 音響 / 振動計測アシスタント
第7章
音響 / 振動計測アシスタントのプロジェクトを LabVIEW で使用する
4.
ブロックダイアグラムで「UFF58 Read File」Express VI をダブルク
リックします。UFF58 ファイルパスフィールドの UFF58 ファイルが
Triangle wave (1000 Hz).uff であることを確認し、OK ボタンを
クリックします。
5.
左に示す実行ボタンをクリックし、VI を実行します。図 7-3 に示す
ように、LabVIEW のフロントパネルでは、VI を停止するまで時間波
形グラフとスペクトルグラフが継続的に更新されます。
図 7-3
6.
7.
メモ
LabVIEW のフロントパネル
左に示す停止ボタンをクリックして VI を停止します。
VI を保存し、LabVIEW を閉じます。
音響 / 振動計測アシスタントのプロジェクトにログ、およびハードウェア構成
が含まれている状態で変換した場合、音響 / 振動計測アシスタントはプロジェ
クトに含まれるすべてのコンテンツを 1 つの Express VI として生成します。生
成された Express VI をサブ VI に変換することはできません。
NI 音響 / 振動計測アシスタント
7-6
ni.com
8
詳細情報
音響 / 振動計測アシスタントについての詳細は、以下のリソースを参照し
てください。
音響 / 振動計測アシスタントのサンプルプロジェクト
音響 / 振動計測アシスタントには、ナショナルインスツルメンツのハード
ウェアを併用した場合に使用できるサンプルプロジェクトがあります。これ
らのプロジェクトにアクセスするには、ヘルプ→サンプルを開く→音響 /
振動計測アシスタントを選択します。これらのサンプルを参照することに
より、さらに多くの音響 / 振動計測アシスタントの機能の習得、および必要
とするアプリケーションに近いプロジェクトを選択し、作業を開始すること
ができます。
音響 / 振動サンプルの解答を開く
ヘルプ→サンプルを開く→音響 / 振動計測アシスタントを選択して、この
マニュアルの各章にある演習の解答を見ることができます。たとえば、
第 2 章「プロジェクトの操作」の解答を表示するには、SVA_Analyze
Signal from UFF File.seproj を開きます。
音響 / 振動計測アシスタントをハードウェアと併用する
音響 / 振動計測アシスタントでは、さまざまなナショナルインスツルメン
ツ製の信号集録 / 生成ハードウェアがサポートされています。ナショナル
インスツルメンツの MIO デバイス、ダイナミック信号集録(DSA)デバ
イス、高速デジタイザ、任意波形発生器、関数発生器デバイスを使用し
て、音響 / 振動計測アシスタントでアナログ信号の集録やロギングを行う
ことができ、また、デバイス間でクロックを共有や信号をトリガすること
で、システムで複数デバイスを同期することもできます。音響 / 振動計測
アシスタントを NI ハードウェアと併用するには、NI-DAQmx バージョン
8.9.5 以降がインストールされている必要があります。
音響 / 振動計測アシスタントのハードウェアとの併用の詳細については、
ヘルプ→音響 / 振動計測アシスタントヘルプを選択して『音響 / 振動計測
アシスタントヘルプ』を参照してください。
© National Instruments
8-1
NI 音響 / 振動計測アシスタント
第8章
詳細情報
ウェブリソース
その他のリソースの詳細については、ni.com/soundandvibration に
アクセスして、ナショナルインスツルメンツのウェブサイトを参照してく
ださい。
NI 音響 / 振動計測アシスタント
8-2
ni.com
技術サポートおよびプロフェッ
ショナルサービス
A
ナショナルインスツルメンツのウェブサイト(ni.com)のユーザプロ
ファイルにログインして、お客様向けサービス用にカスタマイズされたア
クセスページを表示します。技術サポートおよびその他のサービスについ
ては、弊社のウェブサイト(ni.com)の下記のセクションを参照してく
ださい。
•
サポート — 技術サポート(ni.com/support)には以下のリソース
があります。
–
セルフヘルプリソース — 質問に対する回答やソリューションが
必要な場合は、ナショナルインスツルメンツのウェブサイト
(ni.com/support)でソフトウェアドライバとアップデート、
検索可能な技術サポートデータベース、製品マニュアル、トラブ
ルシューティングウィザード、種類豊富なサンプルプログラム、
チュートリアル、アプリケーションノート、計測器ドライバなど
をご利用いただけます。ユーザ登録されたお客様は、NI ディス
カッションフォーラム(ni.com/jp/dforum)にアクセスする
こともできます。
–
標準サポート・保守プログラム(SSP)—NI のアプリケーション
エンジニアによる電話または E メールでの個別サポート、
ni.com/elearning での e ラーニングトレーニングモジュール
へのアクセスが可能となるプログラムです。ソフトウェア製品
(一部を除く)または NI Developer Suite を含むバンドルソフ
トウェアをご購入のお客様には、「標準サポート・保守プログラ
ム (SSP)」の 1 年間のメンバーシップを自動的にご提供いたしま
す。また、お客様のニーズに合わせて SSP 契約を延長すること
により、その特典を継続して確実にご利用いただけるオプション
もご用意しております。詳細につきましては、ni.com/ssp をご
覧ください。
その他の技術サポートオプションについては、ni.com/
services をご覧いただくか、ni.com/contact からお問い合
わせください。
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•
トレーニングと認定 — トレーニングおよび認定プログラムについて
は、ni.com/training を参照してください。また、世界各地で登録
可能なオンサイトトレーニングを提供しております。
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システムインテグレーション — 時間の制約がある場合や社内の技術
リソースが不足している場合、またはプロジェクトで簡単に解消しな
い問題がある場合などは、ナショナルインスツルメンツのアライアン
A-1
NI 音響 / 振動計測アシスタント
付録 A
技術サポートおよびプロフェッショナルサービス
スパートナーによるサービスをご利用いただけます。詳しくは、最寄
りの NI 営業所にお電話いただくか、ni.com/jp/alliance をご覧
ください。
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適合宣言(DoC)— 適合宣言とは、適合宣言書によるさまざまな欧
州閣僚理事会指令への適合宣言です。この制度により、電磁両立性
(EMC) に対するユーザ保護や製品の安全性に関する情報が提供され
ます。ご使用の製品の適合宣言は、ni.com/certification(英語)
から入手できます。
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Calibration Certificate— ご使用の製品でキャリブレーションがサ
ポートされている場合、ni.com/calibration から Calibration
Certificate (英語)を取得できます。
弊社ウェブサイトの Worldwide Offices セクション(ni.com/
niglobal(英語)
)からは、お問い合わせ先、サポート電話番号、電子
メールアドレス、現行のイベント等に関する最新情報を提供する各国支社
のウェブサイトにアクセスできます。
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A-2
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