医療法人社団 飯盛会 広報誌 平成 21 年 9 月(22 号)

第22号 平成21年9月
医療法人社団 飯盛会 広報誌
や
ま
ば
と
大自然の中で、群れることなく、力強く生きる山鳩、飯
盛に生息し、私達を見守ってくれている山鳩、そんな山
鳩のように患者様を見守り、力強く応援していきたい、
そして山鳩のように患者様に力強く社会に飛び立って
いただきたい・・・・
そんな願いをこめて広報誌『山鳩』は生まれました。
山鳩
平成 21 年 9 月(22 号)
(2009.8.12 photo by K1.Uemura)
INDEX
夏祭り & アルコール同窓会
水澤先生アルコール研修&医療視察報告
新人さんいらっしゃーい
リレーエッセイ
フレンズ通信
ご案内
理念
慈愛と
慈愛と奉仕の
奉仕の精神で
精神で
心安らぐ
心安らぐ医療
らぐ医療と
医療と福祉を
福祉を提供し
提供し
地域社会に
地域社会に貢献します
貢献します
第22号 平成21年9月
毎年恒例の夏祭りが、平成 21 年 8 月
22 日(土)に行われました。
今年もたくさんの出店・催し物があり、
にぎやかなお祭りとなりました”!!
焼きそば、
フランクフルト、揚げタコ・・・
どれも美味しそう!!
今年も「四箇田太鼓」の皆さんに
演奏を披露していただきました
力強い演奏に思わず観客も引き
込まれます 熱演ありがとう!!
今回、グループホームいいもり入居者の御家族
の方にフラダンスをご披露いただきました。
鮮やかな衣装を身にまとい、
ゆったりとしたハワイアン音楽にのって
夏の夕暮れにすてきなひとときでした!!
「ひまわり園」
「いきいき工房」
「つばめ工房」
「ビエント」の
各作業所からも
賛助参加してい
ただきました。
ありがとうござい
ました!!
第22号 平成21年9月
OT 活動で長い間練習してきた
「サザエさん」の手話を披露しました!!
観客とも一体となり、楽しい時間を過
ごしました
皆さん、お疲れ様でした!!
最後は、花火の打ち上げで夏祭りも終
了です。天候にも恵まれ今年もすばら
しい夏祭りでした。
夏祭りの準備に携わった委員やスタッフ
の皆さん、ほんとにご苦労さまでした!!
8 月 22 日の夏祭りの日、当院でのアルコール治療プログラムを受けた方を対象とした
「アルコール同窓会」が、デイケア「フレンズ」を会場に行なわれました。
この同窓会は、日々断酒継続の努力をしている方々が、年に一度顔を合わせ、お互いに
元気で生きていることを喜びあい、また当院で過ごした日々について思い返していただくこ
とにより、初心に戻ってまた新たな気持ちで頑張ろう!と思える機会にしていただく目的で、
去年から始まりました。今年は 28 名の方々が参加され、それぞれ近況報告をしたり、懐か
しの仲間やスタッフと談笑して楽しんでいらっしゃいました。
「アルコール同窓会」を来年以降も毎年 8 月第 4 土曜日、夏祭り
院長先生のご提案で、
の日の午後に定例で行われることとなりました。
来年も皆さんの元気な顔に会えることを楽しみにしています☆
第22号 平成21年9月
8月13、14日の2日間、アルコール治療で有名な水澤都加佐先生が来院
され、当院スタッフを対象に講義をして下さいました。
水澤先生はソーシャルワーカーとして神奈川県立精神医療センターせ
りがや病院心理相談科長を経て‘94 年より、(株)アスク・ヒューマン・ケア取
締役・研修相談センター所長および特定非営利活動法人ASK(アルコール
薬物問題全国市民協会)副代表を務めていらっしゃいます。自らカウンセリ
ングを行なうだけでなく、多くの治療者や援助者のスーパーバイザーを務
め、企業や官庁のメンタルヘルスに関するアドバイザーとしても活躍されて
います。
水澤先生と倉光病院とは、アルコール治療
のスーパーバイザーとして、たびたび来院して
いただきアルコール依存症や治療に関して助言
や指導をいただいてまいりました。
今回の研修は 8 月13、14 日、午前 10 時から
午後 5 時まで、当院 OT 室で行いました。当院か
らの参加者はのべ 52 名。今回の講義は、あらか
じめ先生にいくつかの質問をお送りし、その内容に沿って行われました。
初日は依存症の回復のプロセスと共依存について、二日目は本人や家族に対しての具体的な介入
方法についてが主な内容でした。
依存症の回復の為には、依存症にならざるをえなかったご本人の心の癒しが必要であること、また
ご本人ばかりでなくご家族の支援が特に大切であることを私たちスタッフに分かりやすく話して下さい
ました。スタッフ一同、今回の学びを今後の皆さんとの関わりの中で生かしていきたいと思っています。
(訪問支援科:三苫良子)
第22号 平成21年9月
病院の庭がきれいになりました!
ウッドデッキがすてきなデザインです。工事を担当した「田主丸緑地建設」は「小さな森の作り方」をコン
セプトに、時間と共に成長していく庭造りで有名で、有名旅館などの庭園を手がけておられます。
(第 8 回)
☆ 「飯盛会」に勤務する多士済々のスタッフたちに、
日頃のちょっとしたことをエッセイとして寄稿してもらいました。
今回は訪問支援科勤務の三苫看護師です、よろしくお願いします!!
今回は「化粧の心理的効果」について、毎日フルメイクの
三苫が語りたいと思います。
高校時代、
「面とペルソナ」という題の評論を読んだことがありました。たしか、
「仮面や衣装はその人
をつくる」という内容であったと思います。
看護実習生の頃、私は指導者から注意を受けました。
「そんな『ひどい』顔で患者さんの前に出ないで。
患者さんが不快に思うから。
」と。当時の私は、睡眠不足と過緊張により、すっぴん顔に大量の赤ニキビ
とドス黒いクマ、表情もこわばっており、確かに『ひどい』顔でした。自分でも気にしていることを指摘
され、落ち込んだものの、対人業務である看護で患者さんを不快にさせては効果的な支援ができないとも
思いました。
そこで、翌日から化粧でニキビやクマを隠し、頬紅等で顔色をよく見せる努力をして実習に出たところ、
明らかに周りのスタッフや患者さんの私に対する反応が違うのです!なんだか、風あたりが柔らかくなっ
たような…。実習最終日に指導者に言われました。「化粧をしてからのあなたは笑顔も増えたし、自信を
もっててきぱきと行動していた」と。
化粧で第一印象はかわり、その印象がよければ、周囲の反応もよく、自分も快適に過ごせ、自然と笑顔
が出てきて動きも軽やかになるということを実感した瞬間でした。あれから4年が経ち、現在は良好な職
場環境に恵まれ、ニキビも改善していますが、自分に自信をもち行動できるようにしてくれた化粧を「お
守り」の儀式だと思い、私は今も化粧をしています。疲れていたり、嫌なことがあって仕事にいきたくな
い時でも、化粧をし、お気に入りの服を着ると、自然に笑顔が出て「今日も一日頑張ろう!」とファイト
が湧いてきます。
皆さんも、元気が出ない、やる気が出ない、そんな時にはあえて、自分が元気にみえるような明るいメ
イクをしたり、お気に入りの服を着てみるのはいかがでしょうか。きっとテンションがあがりますよ!
(訪問支援科
三苫良子)
)
☆次回は、認知症デイケアの宮崎稚子さんにバトンタッチ!!
わいわい新聞
第22号 平成21年9月
一 デイケア行事
デイケア行事
ㅻ天 地
行ってきました!ㅻ
ってきました!ㅻ
☆疲れたの一言に過ぎない。だけど見たり歩いたり、
速い地下鉄に乗って痛いところが治っていくような
気がする。なので、デイケア行事も必要と思った。
☆いつも慌しく通り過ぎるので気づかなかった天神
地下街の風情が楽しめました。もうちょっとスケジュ
ールをつめていろいろなところを回れると、なおよ
かったと思います。
☆自分では行かないような店に入って新しい発見が
あった。デイケアメンバーと行動するのも協調性がで
きてよかった。リーダーになって点呼が大変だった。
☆メンバーさんのおリボンを探すという楽しい仕事が
あってよかったです。私はカサとオロナインを買いま
した。雨が降ったが久しぶりの天神地下街だったので
楽しかったです。
☆今日は雨天で福岡市動植物園に行けなくて半分残
念でしたが、その分天神地下街の外食でおいしいラ
ーメンや喫茶店でコーヒーを飲んだりウィンドーショッ
ピングなど色々と楽しいひとときを過ごせて大変よ
かったと思いました。
☆一人で行くといつもは緊張する天神もみんなで行
くと不安になることもなく楽しめました。一人でない
というのはありがたいと思いました。買い物では物の
値段が高くて何も買えませんでしたがいいウィンドー
ショッピングになりました。
☆私は一人でなかなか天神まで行くことが体力的に
も精神的にもできないのに今日天神まで遠出がで
き、また両親と一緒でもなくグループの中で自分に
自信を得た。また今日は動植物園は雨で行けず残念
だったが私が天神の地下街で3人への東京の友達の
プレゼントを買うまでに30分くらい一人で時間がか
かった。でも私一人のために30分時間がかかっても
みんなの理解があり文句がなかった。グループのメ
ンバーは私のために30分間ずっと立って、帰りお茶
ができてもよかったのに自分に時間をもらいありが
たいと私は思った。一回もお茶はしなくてもいっぱい
動けて自分は楽しかった。周りにも感謝します。
から出 ㅻ!!
挨拶
第3号が無事にできまし
た!!新聞部一同よかったと
思っています。今回はデイケア
メンバーさんの多くのメッセー
ジがあり、全てを載せきれな
かったので、また次号でご紹
介したいと思います。今後とも
ぜひ新聞部をよろしくお願い
します。
新聞部一同
デイケアメンバーさ
デイケアメンバーさ
んの作品です
作品です☆☆
です☆☆
第3号
平成 21 年9月
デイケアフレンズ
ケイ・みかん
SM・Ya さん
ハチミツ
【 フレンズ畑
フレンズ畑の収穫 】
7月18日(晴) フレンズ畑の収穫をしました。何
度収穫しても感動します。たわわに実るトマトは、少
しずつ赤みを帯び、とても強く大地と自然の恵みの
力を感じます。きゅうりも数日前に比べ、みずみずし
く、スーパーでは見ることの出来ないとても大きな
きゅうりはシャキシャキとダイナミックにかぶりつき
たくなります。先日収穫した、なすのウネも葉っぱを
大きく茂らせ自然の命をはぐくんでいます。オクラ
の花を見るのも初めてです。あと一、二週間で実を
つけるそうです。とても楽しみです。
私は大阪で幼少期を過ごし、土地柄、畑がなかっ
たため、野菜といえばスーパーでしか見たことがな
く、野菜不足で育ったように思います。
本当によい
経験をさせて
もらっています。
(A・T)
フレンズ畑
フレンズ畑で
取れました!
れました!⇒
第22号 平成21年9月
皆
日
バーベキュー
☆7月22日水曜日午前11時10分デイケアメンバーが
屋外に出て、日食をみる。青空の間から太陽が白く
光っている。日がまぶしくて、目が痛くなる。めがね
は2つ3つずつしかなくて、これでは全員がみること
ができない。そのとき、黒い雲が青空に大きく広がり
始め、太陽を包むように次から次へと雲が出てくる。
黒い雲が太陽を包むと、光が消え月のようになった。
めがねをとり自分の目で日食を見る。そこにいた
人々は目で見る喜びをかみしめている。そのときの
様子がカメラに収まった写真だ。始めてみた人、2回
目の人など、多くの人は何かが自分の中に残ってい
ると思う。
☆私は家で日食の日を迎えました。本心はたいした
ことないと思っていました。実際見たときは幻想的
で神秘的な時間を過ごすことが出来ました。今度は
25年後、日本のどっかで見るぞ!!!!!!(S・I)
☆25年後が楽しみです。(M・S)
田 園
☆今日は雨で、バーベキューをどうやってするか、分
からなく、知りたい気持ちがありました。雨の中、おい
しい食事と楽しいビンゴゲームと、最後にスイカまで
食べれて、すごく贅沢で、300円の値段の価値があり
よかったです。いろいろな人たちとの交流とマナー
と、たくさんの人たちとの思い出になりました。とても
いい日でした。(Y・T)
☆今日は朝から雨が降って、山田農園へデイケアの仲
間と行きました。農園では、50名の友達がたくさん来
ていてわいわい騒いだり、久しぶりに会う友もあって、
いろいろ話しました。長く会わなかった先生にも会って
懐かしい思い出話をしました。またゲームもして、当た
る度に大きな歓声が上がりました。僕は洗濯ばさみが
当たりました。また食事もスイカ、おにぎりや野菜、バ
ーベキューなど多く出て、大勢で楽しかったです。おい
しかったです。今度もまた参加したいと思いました。
☆山田農園では、おいしい肉、おにぎりをたくさん頂
き、たくさんの人が来られていました。とても楽しい時
間を過ごすことができました。
おいしそうな
焼肉!
焼肉!焼肉!
焼肉!
デイケアメンバーの
デイケアメンバーの作 でㅻす!!
(撮影:M・T)
リレーコラム
ㄷ ハチミツ
今回は私の故郷を皆さんにご紹介します。
私の故郷は、長崎県の対馬です。
皆さんご存知でしょうか??
韓国との距離ズバリ、約50km!!(福岡よりも近
いんです)そんな対馬には、おいしい食べ物がたく
さんあります。まずはやっぱり海の幸、新鮮な魚の刺
身は絶品です。他にはいりやき、とんちゃん、かすま
きなどなど・・・。これらは対馬の伝統料理やお菓子
です。皆さんも、ぜひぜひ対馬へ来て味わってみて
ください。海が自慢なので、夏の対馬がおススメで
す。
第22号 平成21年9月
平成 21 年 5 月 21 日~29 日までの日程で、私、上村は日本精神科病院協会が主催する海外精神科
医療視察に参加しました。今回の目的地はスペイン。
日本の精神医療は入院治療を中心とした制度から、退院促進と地域生活支援を中心とした制度
へと、現在、構造改革が進行形。スペインはこうした取り組みが 1970 年代後半から始まり、精神科
病院も治療や目的によって機能分化が図られ、地域精神医療ネットワークを中心とした外来治療に
軸足を移している、と、出発前の下調べでは解っていたけど、今回の医療視察はそうした精神科医
療の現状と地域ネットワークについて実際に触れることが主たる目的。
そして最初の視察地である北部スペイン・バスク州の州都ビトリア・ガスティスにある「アラ
バ精神科病院」に到着したのは、5 月 25 日月曜日、私が日本を出発して 7 日目。
(院長のお許しを
得て研修ツアーより 3 日ほど早く私は日本を離れていました)
今回の視察旅行は 5 月 21 日夕方にパリ集合。そしてパリを発ち最初の目
的地のビトリア・ガスティスに到着するまで 3 泊 4 日、
既に距離にして約 1400km
を主にバスに揺られ移動してきた。
実はこの視察旅行、「サンチャゴへの巡礼の道」と呼ばれる、キリスト教
世界の三大巡礼地の一つサンチャゴ・デ・コンポステーラという世界遺産の街
に至る、中世からの巡礼路に沿っての移動。僕たちもバスク州に至るまで、フ
ランス国内山岳地方にある巡礼スタートの街ル・ピュイを皮切りに、マリア様
のお告げの泉の水で様々な病気を癒すという奇跡で有名な「ルルドの泉」など、
中世の巡礼者さながらタイムスリップしたような街々を巡ってきた。
中世の時代から生活に苦しむ、特に病気に苦しむ人たちは、聖人たちによ
る救済を信じ、ヨーロッパ中から奇跡を信じ、わずかな希望を胸に聖地を目指
した。道中、飢えや寒さ、盗賊などの恐怖にさらされながら、命を落とす人も少なくなかったろう、
皆、ホタテ貝の貝殻(ホタテのことをフランス語ではサンジャックというが、これは聖ヤコブのこ
と、そしてサンチャゴ・デ・コンポステーラには奇跡を行うという聖ヤコブを祀る大聖堂がある街
という訳)を身につけ、杖を持つという装束で、聖ヤコブの救済を求めサンチャゴ・デ・コンポス
テーラの大聖堂を目指し、ひたすら歩いた。
(ここのところ、興味のある方は、DVD で「サンジャッ
クへの道」というフランス映画、または NHK「世界ふれあい街歩き:巡礼の道シリーズ」をご覧下
さい)
そして僕たちはというと、病院見学をしながら、
この巡礼の道にほぼ沿って、全行程約 2300km もの距
離を約一週間で走破するという強行軍となったとい
う訳で、病気平癒を願う人々の気持ちを追体験する
という別の意味もあったのかもしれない。毎日平均
300km 強の移動、夕食が 9 時になることも。病院見学
をするこの日も、朝からすでに 150km 近く移動。天
候は不順、季節外れの北と小雨にさらされ、疲れが
ひたひたと染み入ってきて、身体が芯から冷え冷え
と感じる。
本題のスペインの医療事情について話を戻そう。
スペインの政治行政制度は地方分権が進み、医療福祉サービスも政策立案と実施については、各自
治州政府がそれぞれの地方の実情に即し、施設配置やサービスの提供が行っている。
バスク州では Osakidetza(バスク州健康サービス)というバスク州の厚労省に当たる組織が医
療サービスを管理運営し、バスク州全体はアラバ郡、サンセバスチャン郡、ビルバオ郡と 3 つの医
療サービス圏に分けられており、精神保健サービスもこの行政単位毎に整備されている。
第22号 平成21年9月
今回訪問したアラバ郡域の精神保健医療ネットワークは、アラ
バ精神科病院の他に、2 カ所の総合病院が精神科救急と児童思春期精
神科の入院治療を担い、相談・外来治療を担当する 5 カ所の地域精
神衛生センターと、青少年、アルコール依存症・ギャンブル依存症、
薬物依存それぞれの専門精神衛生センターが設置されている。さら
に中間施設として精神科デイケア、アルコールデイケア、地域リハ
ビリテーションサービス、中期入院治療センターが別に設置され、
これらがバスク州アラバ郡域人口 28 万人をカバーしている。
(ちな
みに早良区が約 20 万、西区約 17 万、前原市約 7 万って事を考える
と、我々と比べるとどれだけ充実しているかが分かる)
さて到着時に、既に疲れを隠せない僕たちを、アラバ精神科病
院のスタッフは、まずスペインの習慣に従って午前のティータイム
に誘ってくれた。その歓待ぶりはとても暖かく、フレンドリー。緊
張もほぐれ、冷え切った身体の芯からポッとあったかくなる。病院
に勤務するほとんどの精神科医や主立ったスタッフが見学に同行。
訪問視察は終始和やか、かつ熱心なもの。通訳を介してという言葉の壁はあったけど、お互いつた
ない英語を交えながら意見交換が続き、実際の
見学時間がだいぶんオーバー、出発間際の玄関
ホールでも熱心な議論が続いた。我々もせっか
くの機会だから色々なことを知りたいという思
いもあったが、彼らも自分たちの精神医療に対
する熱意と実績を、遠来の私たちに伝えたいと
いう思いが強く伝わってきた。
アラバ精神科病院は、上述したようにアラ
バ郡域唯一の精神科入院施設。通常の入院治療
の他、難治性、超長期入院患者、老年性に特化
した治療ユニットを含む、240 床、7 病棟。建物
は 3 階建てでこぢんまりとした印象、外観は明
るいベージュ色で明るく、色遣いはスペインらしい。
当日はさらに、現地 TV メディアによる記者会見がセッティングされていた。記者たちからの質
問に、極東の地より訪れし異国の精神科医への感謝と好奇心の高さを強く感じた。日本に鉄砲やキ
リスト教など多くの西欧文化をもたらしたスペインとの長い歴史を思うと、我々の長時間長距離バ
ス移動での訪問は、さながら天正遣欧少年使節団(僕たちの方は、だいぶ年齢がいっちゃっている
けど)の如き。メディアやインターネットの普及で、遠くの情報も簡単に手に入る世の中になった
が、出会いまでの時間と距離が長いほど、実際に出会い、語り合ったという経験はとても感動深く、
貴重なものだと痛感。話したいこと尋ねたいことは山ほどあったが、時間
は止まってくれない、後ろ髪を引かれながらの出発となった。
ちなみに、その日の昼食は更に 120km の移動後、午後 3 時 50 分から。
かくの如くスペイン最西端のガルシア州サンチャゴ・デ・コンポステーラ
を目指して、巡礼の旅は続く。紙面の関係上、残念ながらこれでおしまい。
今回の旅は僕にとっては巡礼の苦悩と内省の日々。不思議と続く苦痛
と試練、そこで受ける人々の助けと優しさ、そして縁。クリスチャンでは
ないけど、自然と“マリア様”を心の中でつぶやく自分があったし、シス
ターだった亡き叔母が見守るかの如く傍に常にいたような気がした。は痛
感した。今回の旅は僕にとって、まさに巡礼だったのだと。
最後になりましたが、こうした機会を与えてくださいました院長はじ
め病院スタッフのみなさんに、心から感謝申し上げます。
(医局:上村敬一)
第22号 平成21年9月
21 年 4 月より家族懇談会
より家族懇談会を
家族懇談会を『家族教室』
家族教室』と名前を
名前を変更し
変更し、新たにスタート
たにスタートしました
スタートしました。
しました。
21 年度は
年度は、3ヵ月に 1 回(4月・7月・10月
10月・1月)に開催しております
開催しております。
しております。心の病に関して
色々な事を知っていただき、
っていただき、またご家族自身
またご家族自身が
家族自身が癒される場所
される場所になればと
場所になればと考
になればと考え、取り組んでいま
す。
21 年度の
年度の担当スタッフ
担当スタッフは
スタッフは、2病棟⇒
病棟⇒石橋・
石橋・平野 3病棟⇒
病棟⇒久保山・
久保山・河村 4病棟⇒
病棟⇒瀧石・
瀧石・福
島 デイケア
デイケア「
「
フレンズ
フレン
ズ
」
⇒
高力・
高力
・
山本
地域移行推進課⇒
地域移行推進課
⇒
谷口です
谷口
です。
。
ケア
です
また、
また、医療相談員も
医療相談員も参加しておりますので
参加しておりますので気軽
しておりますので気軽にご
気軽にご相談下
にご相談下さい
相談下さい。
さい。
スタッフ一同
地域移行推進課 谷口
スタッフ一同、
一同、心よりお待
よりお待ちしております。
ちしております。
*上村先生より『病気と治療』について、ユーモアいっぱいで面白く、とても分かりやすく説明していただき、スタ
ッフも患者さんが抱えている病気について、改めて考える良い機会となりました。ご家族の方々もそれぞれの悩
みなどを話され、同じ様に辛い経験のあるご家族同士だからこそ共感し合える事も多かったのではないかと思
います。
≪デイケア 高力≫
高力≫
*上村先生の話が分かりやすくて、講座の後の懇談会も和やかな雰囲気で進みました。ご家族のお話はとっても
≪3病棟 久保山≫
役に立ちます。
久保山≫
*講義の中で2人ペアを組んで会話し、一方が表情変えずにコミュニケーションを図る。という設定で行なったの
ですが、表情を変えずに聞いていると相手には怒っているように思われ、話したい事、思っている事等が伝えら
れない。いかに、顔の表情や声のトーンが大切かが分かりました。統合失調症の患者様に多く、相手に上手く自分の
思っていることを伝えきれないので友人も出来ない。その事をご家族や回りの人たちが理解できたらいいなぁ~
≪2病棟 平野≫
平野≫
と思いました。
*初めての家族教室参加で、患者様やご家族の名前も分からない状態でしたが、家族教室ならではのご家族か
らの悩みを聞くことが出来、私自身、身の引き締まる思いでした。ソーシャルワーカーとして、社会資源等の情報
提供するのみに止まらず、“障害を抱える”事に対して支援できる“人”としての繋がりを持てるよう今後も努力し
ていきたいと思います。
≪地域移行推進課 医療相談科 村田≫
村田≫
*2 病棟の川上マネージャーに『統合失調症の理解』について講義をしてもらいました。ビデオを見た後に統合失
調症ってどんな病気? 精神科の歴史、社会的入院患者様の重要な問題、ご家族側の反応等、分かりやすく説明さ
れました。今回のご家族の集まりは少人数でしたが、後半の座談会はとても盛り上がり、盛り上がりの中での終了
でした。家族教室は決して堅苦しいものではありません。ご家族の方々に少しでもお役に立てばと思いスタッフも
頑張っていますので一緒にエネルギーの補給をしませんか? スタッフ一同お待ちしております。 ≪4 病棟瀧石
病棟瀧石≫
瀧石≫
*事例を交えて分かりやすく説明をして頂きました。少人数のご家族の参加でしたが、今まで辛かった出来事な
どを話され涙を流される場面もありました。こんな風にこの家族教室がもっともっと多くのご家族の癒しの場に
なれば・・・と思いました。
≪デイケア 高力≫
高力≫
*ご家族の病気の理解に対する思いに胸を打たれました。定期的な勉強会を通して今まで以上に精神障害に対
≪地域移行推進課 医療相談科 川島≫
する理解が広まっていけばと思います。
川島≫
*精神科で起きた大きな事件の事例を2~3 件話されました。そして現在は退院支援に力を入れていることをご
家族に理解していただく為に分かりやすく説明されました。少人数でとても残念で仕方ありません。とても良い
≪2病棟 平野≫
はなしでしたのでもっと多くのご家族に聞いていただきたかったです。
平野≫
第22号 平成21年9月
今回も新しい仲間が増えました。①部署②入職日③入職した時の第一印象は?④あなたの趣味は?
⑤業務上取り組んでみたいことは何ですか?⑥あなたのモットーは?という内容でお聞きしています。
(H21年1月~4月 入職順)
←森永 唯さん ①臨床心理科 ②H21.4.1 ③とてもきれいな空間に驚
き、誠実さの求められる所、という印象を持ちました。④旅行です。ETC
が大活躍しています。⑤依存症の方に対して、心理的援助として何ができ
るのか、と考えています。⑥自分のできることを、最大限にすることです。
→川島 健司さん
健司さん ①地域移行推進課 医療福祉相談科 ②H21.5.1 ③
患者様を大事にされてあり、職員の方々の思う気持ちが強く、患者様が心
安らぐ場所だなと思いました。④アウトドア(キャンプや BBQ)外に出る
ことが好きです。⑤チーム医療の一員として、周りのスタッフが仕事しや
すい環境を作れるようにお手伝いしていきたい。⑥時間厳守 無駄な時間
を作らない。
→永田 英年さん
英年さん ①2 病棟 看護師 ②H21.5.18 ③アットホームな雰
囲気でした ④ドライブ ⑤社会復帰に向けての支援を学びたい。⑥初心
にかえる。
←岡部 春美さん
春美さん ①4 病棟 看護師 ②スタッ
フの皆様より笑顔で挨拶を受け好感が持てました。 ③ウィンドウショッ
ピング ④信頼関係を築き、不安の緩和が出来る様、自立度に合わせた入
院生活の援助(支援)⑤明るく前向きな姿勢
←福田 リエさん
リエさん ①4 病棟 介護士 ②H21.6.15 ③皆さん親切で、これか
ら楽しみです。④遊ぶ事 ⑤1 日も早く仕事や患者さんの顔、名前を覚え、患者
さんとの触れ合いを大切にしていきたいです。⑦笑顔・挨拶
→由良 和美さん
和美さん ①3 病棟 看護師 ②H21.8.10
③職員間でのコミュニケーションがとれていると思いました。④ガーデニ
ング、読書 ⑤アルコール治療に関すること ⑥前向き
←細川 絵美子さん
絵美子さん ①認知症デイケア「桜」 介護士 ②H21.7.1 ③思
っていたより働きやすかったです ④旅行・海や空、星を見る事 ⑤今、与
えられている仕事を、早くこなせるようになってから考えたいです。
第22号 平成21年9月
☆ 当院外来は予約制です
☆ 予約は電話で受付けております。予約の変更もお電話下さい
☆ 外来診察は予約の方を優先しております。予約がない場合、長い時間
お待ちいただくか、場合によっては対応が困難な場合もございますので、
あらかじめご了承ください
外来・入院や当院についてのご相談・お問い合わせや、
アルコール症に関するご相談は
TEL:
TEL:092092-811811-1821(代)医療福祉相談科まで)
1821
初めて受診される方も外来受診の予約をお願いします
再来担当
月
火
水
木
精神科
渡邊
上村
倉光
渡邊
老年・内科系
久良木
田丸
佐藤
佐藤
金
倉光(アルコール)
上村(一般)
佐藤
◆公共交通機関:
①地下鉄七隈線「橋本駅」→西鉄バス「橋本駅バス
停」より「金武営業所行き」乗車
②地下鉄「姪浜駅」→西鉄バス「姪浜駅南口」より
「金武営業所行き」乗車
①②いずれも「羽根戸バス停」下車→看板従い、飯
盛交差点より山に向かって徒歩5分
◆車:飯盛交差点より看板に従い西に約 300m
【編集後記】☆先日友人に勧められ細木数子の本を見たら、自分は今年大殺界!! 通りでと、思い当たる事がた
くさん。そして考えてみると 12 年前も確かにそういう境遇だったような。星回りとは不思議な縁。ともあれ短気
は起こさないように、辛抱、辛抱・・・・・・(涙)
(上村)
☆ 秋を満喫しましょう!!(松田)
☆ 夏の疲れが寄せては返す・・・・・・(児玉)
☆ 今年中に、国内旅行に行きたいです。他に、もっと ARP について勉強したいと思っています。
(内藤)
☆ 今年こそはアビスパ福岡 J1 へ・・・(辻)
(←もうすぐお目出た、お休みに入ります。
“サンキュー”
)
【広報委員会からのささやかなお知らせ】少数精鋭で家内制手工業の如くこの広報誌を作っています広報委
員会でしたが、委員の新旧交代などがありましたので、この機会に現在の委員メンバーをご紹介申しあげま
す。
広報誌への掲載記事の企画や原稿がありましたら、委員メンバーまでよろしくお願いします。もちろん委
員から原稿の依頼などありました時は、どうぞ「喜んで!」
飯盛会広報誌「山鳩」22号
とお引き受けいただけますようお願い申し上げます。
上村敬一(医局)友岡智子(経理:新)児玉篤明(訪問) 発行日 平成21年9月7日
発行 医療法人社団「飯盛会」広報委員会
内藤徹生(4 階病棟)永田英年(2 階病棟:新)
〒819-0037 福岡市西区飯盛 664-1
中村礼二(3 階病棟:新)松田弘美(デイケア桜)
そして、これまで委員を担当していただいた、森澤雅志、辻悠 TEL:092-811-1821,FAX:092-812-3649
希の両君には心から感謝致します。ありがとう。
(上村)
http://www.kuramitsu-hp.or.jp/index.htm