クレジット・ブローカー

規制改革: 最新の進捗と今後の見通し
2012年10月12日
米国証券業金融市場協会(SIFMA)
上級副会長,公共政策及び政策提言担当
ケネス E ベンツェン ジュニア
SIFMA(米国証券業金融市場協会)について
SIFMAの使命
•数百の証券会社、銀行、資産運用会社の共通の関心
事項の取纏め。
SIFMAの概要
•
•
522会員会社
会員の概要:
•
•
バイサイド及びセルサイドの市場参加者
資産運用会社、保管銀行
グローバル、地域及び小規模のブローカー
グローバル、地域銀行
準会員として、法律事務所、関連ユーティリティ
会社、コンサルティング会社。
理事会メンバー44 / 執行委員会メンバー12
ワーキンググループ:209
•
•
特定の事項について対応する分科会、タスク
フォース
団体メンバー:4,522
専門団体 –ピアツーピア教育・ネットワーキング
•
o コンプライアンスと法
o 内部監査
o 財務管理
o 業務と技術
事務所(ニューヨーク及びワシントン)役職員数:148
o
o
o
o
o
•金融業界に対する信頼の構築に努める一方、金融市
場を強化し、資本の活用、雇用創出、経済成長を促す
政策・慣行を策定するため、会員会社の努力を結集。
•規制・監督当局が関与せず、提言者、代弁者及び業
界に係る情報の第一の情報源として機能。
o
•政策立案者その他関係者とともに、連邦、州、国際
的な課題について対応
•マスコミとの連絡・対応
2
SIFMA 連携・協力
正会員
•
グローバルな銀行、ブローカー、資産運用会社
準会員
•
法律事務所、テクノロージー会社及びサービスプロ
バイダー
金融、ビジネス業界団体
• 米国銀行協会 (ABA)
• 商工会議所 (CoC)
• 金融サービスラウンドテーブル(FSR)
• 先物業協会 (FIA)
• 国際銀行研究所 (IIB)
• 国際スワップデリバティブ協会 (ISDA)
• 米国投資信託協会 (ICI)
• TCH
•
•
o
o
o
•
米国以外の協会
グローバル金融市場協会 (GFMA)
SIFMAはGFMAの米国地域メンバー
欧州金融市場協会(AFME)
アジア証券業金融市場協会(ASIFMA)
SIFMA財団 (501(c)3)
3
新たな規制の見取図
米国
地方債規制委員会
商品先物取引委員会
米国議会
州規制当局
アジア
連邦準備制度理事会
証券取引委員会
米国財務省
韓国金融投資協会 シンガポール金融管理局
日本銀行
米国行政府 米国財務会計審議会 連邦住宅金融局
金融庁(日本)
通貨管理局 連邦預金保険公社 FINRA 労働省
連邦準備銀行
SNB 香港金融管理局 中国証券監督管理委員会
消費者金融保護局
香港証券先物取引委員会
金融安定監視委員会 金融調査局 会計検査院
グローバル
国際通貨基金
金融安定化理事会
国際会計基準審議会 バーゼル委員会 G-20
EU
ドイツ連邦金融監督庁 イタリア証券委員会
欧州委員会
英国金融庁
フランス金融市場庁
欧州銀行監督委員会
欧州証券監督者委員会
欧州議会 バンク・オブ・イングランド
欧州中銀
HMT
フランス中銀
欧州理事会
保険監督者国際機構
IOSCO
経済開発協力機構
G20
インド準備銀行 スイス連邦銀行委員会
オーストラリア準備銀行
カナダ投資業規制機構 スイス国立銀行
スイス金融市場監督庁
カナダ金融機関監督局
4
ドッド・フランク改革
• マクロ
o
o
o
o
システミックリスク規制 /強化された 健全性基準/ 資本
金融調査局/取引主体識別子(LEI)
リビングウィル/秩序だった清算手続き/ クロスボーダーでの破綻処理
ボルカ―ルール– 自己勘定取引 / ファンド
• 商品/市場規制
o OTCデリバティブ
o 証券化 / リスク保有
o 受託者原則
o 消費者金融保護局
5
広範な規制策定の一覧
ドッド・フランク法の規制策定要請件数
:398
•
•
•
•
131 最終化
135 提案中
132 未提案
145 策定期限が既に到来
•
•
•
•
CFTC は、60のうち14が期限を過ぎる。
SEC は 、95のうち51が期限を過ぎる。
銀行当局は、135のうち59が期限を過ぎる。
その後、108のうち21が期限を過ぎる。
400の規則制定、41の報告書、88の調査 – 18の新たな及び既存の省、部局及び米国政府説明責任局(GAO)に及ぶ。
統計資料は、デービス・ポークのドッドフランク進捗報告書(2012年10月4日付)より
( Davis-Polk Dodd-Frank Progress Report)
•
6
金融安定監視委員会 (FSOC)
ドッドフランク法により求められている最終規則:11*
現状
• 5 最終規則化
• 2 規則提案中
主要な進捗事項
•監督を求める権限 / 銀行以外の金融機関への規制(最終規則)
•信用格付けに依拠しない、市場リスク資本要件の算定のための代替手法(共同最
終規則)
•金融調査局評価プログラム(規則提案中)
今後の予定
•条件付き資本、早期是正措置、担保債権者の債権削減(ヘアカット)に関す
る調査/報告
•マネーマーケットミューチュアルファンド(MMMF)に関する改革の提案
•銀行以外のシステム上重要な機関の選定に係る継続作業
•タイトルVIIに係る外国為替特例の決定
•
*複数の機関が共同で規則を発表した場合、規則策定件数はそれぞれ機関の合計の数字に表示している。
もし、共同規則が除外された場合の件数は7。
7
連邦準備制度理事会 (FRB)
ドッドフランク法により求められている最終規則:66*
現状
• 21 暫定/最終規則
• 19 規則提案中
主要な進捗事項
•連結資産で500億円以上の米国の銀行持株会社における
年間資本計画(最終)
• 市場リスク資本ルール (最終)
• バーゼルⅢ資本要件(提案中)
今後の予定
• 最終的なボルカ―ルールの業務制限
• 強化された健全性基準の実施のための最終規則
• スワップ・ディーラー及び証券関連スワップ・ディーラーに係る証拠金
及び資本要件の最終規則
• 資産担保証券(ABS)の共同最終規則
• 流動性規則
•
複数の機関が共同で規則を発表した場合、規則策定件数はそれぞれ機関の合計の数字に表示している。
もし、共同規則が除外された場合の件数は50。
8
連邦預金保険公社(FDIC)
ドッドフランク法により求められている最終規則:47
現状
• 12 暫定/最終規則
• 16 規則提案中
主要な進捗事項
• 秩序だった清算手続きのための権限 (最終規則)
•500億円以上の資産を保有する預金保険対象機関のための破綻処理計画
• ストレステスト要件 (規則提案中)
• リスクベース資本ガイドライン (規則提案中)
今後の予定
• ボルカ―ルールの最終化
• クロスボーダーでの破綻処理の仕組み
• 資産担保証券(ABS)のリスク・リテンションに関する共同最終規則
• 証拠金及び資本要件の最終規則(スワップ)
•証券投資家保護公社(SIPC)及びブローカーに対する秩序だった破綻処
理に係る権限(OLA)に関する最終規則
•バックアップホールディング会社の監督
9
通貨管理局(OCC)
ドッドフランク法により求められている最終規則:30
現状
• 6 暫定/最終規則
• 13 規則提案中
主要な進捗事項
• コリンズ修正の実施(最終規則)
• 貯蓄金融機関監督局の統合
• 連邦・州貯蓄貸付組合の許容投資 (最終規則)
• リスクベース資本基準 (最終規則)
• 年次ストレステスト要件 (最終規則)
今後の予定
• ボルカ―ルールの最終化
• 資産担保証券(ABS)のリスク・リテンションに関す
る共同最終規則
• 証拠金及び資本要件の最終規則(スワップ)
• 貸出限度に関する最終ルール
10
商品先物取引委員会 (CFTC)
ドッドフランク法により求められている最終規則:64*
現状
• 39 暫定/最終規則
• 24 規則提案中
主要な進捗事項
•スワップ、スワップディーラー、主要スワップ参加者
•スワップデータの記録保持と報告要件(最終規則)
•スワップディーラー業行為基準 (最終規則)
•取引主体識別子
今後の予定
•最終クロスボーダー解釈ガイドライン
•最終スワップ執行ファシリティー規則
•関係会社間(inter-affiliate)スワップの取扱い
•ポジション限度規則を無効判決とする最近の司法決定への対応
•スワップ・ディーラー及び証券関連スワップ・ディーラーに係る証拠
金及び資本要件の最終規則
•
複数の機関が共同で規則を発表した場合、規則策定件数はそれぞれ機関の合計の数字に表示している。
もし、共同規則が除外された場合の件数は55。
11
米国証券取引委員会 (SEC)
ドッドフランク法により求められている最終規則:98*
現状
• 33 暫定/最終規則
• 13 規則提案中
主要な進捗事項
•証券関連スワップ, 証券関連スワップディーラー 及び主要証券関連ス
ワップ参加者の定義
•認証投資家の純資産基準 (最終規則)
•資産担保証券の募集に係る発行体資産の点検 (最終規則)
•リスク・リテンション (規則提案中)
•地方債アドバイザー登録 (規則提案中)
今後の予定
• 最終的なボルカ―ルール
• ブローカーの受託者原則の提案
• スワップ・ディーラー及び証券関連スワップ・ディーラーに係る証拠金及び資
本要件の最終規則
•資産担保証券(ABS)のリスク・リテンションに関する共同最終規則
•スワップ規則の域外適用に係る規則
•
複数の機関が共同で規則を発表した場合、規則策定件数はそれぞれ機関の合計の数字に表示している。
もし、共同規則が除外された場合の件数は95。.
12
今後の見通し: ボルカ―ルール
現状:
•
5つの規制機関は、ドッドフランク法セクション619(ボルカ―ルール)を施行するための規制を策
定する課題を課せられた。提案の範囲及び複雑性は、重要な市場機能に確保しつつ、一定の形式の
自己取引及び投資活動を禁止する規則の策定にあたり、規制当局者が直面している困難を示してい
る。
o 16,000の意見書が提出された。
o 2012年7月21日の最終規則制定期限が遅れる。
o 法令遵守日は2014年7月21日に延期。
主要な懸念事項:
•
•
•
•
•
許容されている行為と自己取引の間の人為的な境界
取引毎のアプローチ
否定的な仮定、決め打ちされた基準への依拠
過度な特定の模範的なコンプライアンス体制
カバードボンド(Covered Fund)の広範な定義
o 銀行業務主体の定義
o Super 23a
13
今後の見通し: 域外に係る課題
•
各取引主体毎、取引毎のタイトルVII スワップ規則の適用あたっての米国先
物取引委員会(CFTC)の適用除外規定と最終ガイドラインは決着がついて
いない。米国証券取引委員会(SEC )のタイトルVII 制度の適用について間
もなく明らかになると期待されている。
•
ボルカールールとシングル・カウンターパーティー・クレジット・リミッ
ト(SCCL)規則
•
相互認証(“Mutual Recognition”)
14
今後の見通し:モーゲージ・ファイナンス
•
消費者金融保護局の適格ローン(QM)の定義
•
適格住宅ローン (QRM)の定義
•
信用リスク・リテンション
•
米国コンフォーミングローン市場の複雑性
•
政府系住宅金融機関(GSE)の改革
15
今後の見通し: 市場構造
•
取引の技術とスピード
o 高頻度取引
o アルゴリズム取引
•
自主規制機関としての取引所
•
統合された監査証跡(Audit Trail)
•
小型、中型株企業の呼値の単位の引き上げ
16
今後の見通し: バーゼル III
最低限のリスクベース資本の構成
資本レバレッジ規制
•米国のレバレッジ比率 (全連結資産の平均に対するTier
1資本は少なくとも 4%なければならない。) 全ての米国
銀行機関に適用される.
•バーゼル III補完レバレッジ比率 (全レバレッジエクスポー
ジャーに対するTier1資本は少なくとも3%なければならな
い。) 先進的銀行機関にのみ適用される。
提案
普通株 Tier 1:
システム上重要な銀行に対する
追加賦課
1% - 2.5%
普通株 Tier 1:
カウンターシクリカルな(景気変動抑制的
な)バッファー(実施する場合)
0% - 2.5%
普通株Tier 1:
資本保全バッファー
2.5%
Tier 2*
2.0%
追加Tier 1*
1.5%
提案規則とは別に
対応。
先進的銀行機関のみ
現行
Tier 2
4.0%
8% 合計資本
6% Tier 1資本
Tier 1
(主要な形式として
普通株、中核及び
制限資本要素
普通株Tier 1:
新最低基準
4.0%
4.5%
移行に係る対応
* 提案された規則では、米国銀行業務機関には追加的なTier1とTier2資本の最低所要額の保有を求めない見込み。
17