糖尿病栄養指導実践者教育ガイド

E-ガイド(糖尿病栄養指導実践者教育ガイド)とは
E-ガイドは一定レベルの効果・実績につながる栄養指導技術の確立と指導経験の浅い管理栄養士へ
の教育・指導ツールとして活用を目指しています。
E-ガイドでは自己効力理論、コーチング、問題解決志向などの心理的アプローチを活用しています。
栄養指導1回目
栄養指導1回目は現状把握が大切です。(糖尿病の説明は基本のみ)
現状に比べ極端な指導はしない。(ケトン体の産生、網膜症の進行に注意)
1.笑顔で しっかりと目を見てあいさつをする!
こんにちは!管理栄養士の○○です。宜しくお願いします。」(第一印象が大切!)
2.栄養指導開始の同意を得る
○○先生から栄養指導の依頼があり、こちらで、お話をさせていただきますが、
20分程度のお時間よろしいですか?
3.食事・生活習慣の調査票の利用
食事・生活習慣調査票記入にご記入いただきありがとうございます。
お困りの事がございましたらおっしゃって下さいね。(お礼、ねぎらいの言葉)
4.医師の治療方針の確認
本日、○○先生はどのようにおっしゃっていましたか?
→医師が患者に伝えている治療方針の確認。
5.病気と食生活習慣での問題点を患者さんが自覚しているか確認
本人が糖尿病と食生活習慣の問題を感じているか?
コーチングスキルの一つ。「相手の言い
糖尿病歴、栄養指導歴を確認し、これまでの思いを傾聴。
たいこと、伝えたいこと、願っていること」
を受容的・共感的態度で「聴く」こと。
6.栄養指導法の提案と同意
E-ガイドでの指導方針、継続指導スケジュールの説明
1回の栄養指導時間(目安20分)、継続指導3~6回
指導計画がわかる
「見える化」指導法
継続指導のポイント
1回目
・「聴く」
・「現状把握」
・「自己効力感の把握」
2回目
・「行動の振り返り」
・「信頼関係の構築」
・「実施結果の評価」
・「自己効力感の評価」
3回目
・「自信」
・「価値観の変化」
・「習慣化」
・「問題解決志向」
7.患者本人による行動目標の設定-自己効力感が高い、低い?
初回の行動目標設定は実行可能な小さな目標から始める。
たとえ効果が薄いと思っても患者さんの意見を尊重→目標設定ができることが大切!
管理栄養士が患者の問題点を探し出し指摘し、改善目標やプランを考えるのではなく、
すでに改善に向けて取り組んでいることがないか聞く。(食事内容だけにこだわらない)
良くない例:間食が悪いですね!間食をやめてください→患者さんを責めない!
*問題点を探し最適な資料で指導しても、行動変容につながるとは限らない。
8.記録をつけることの重要性を説明
毎日コツコツと○×や体重の記録により記憶に残し、習慣化、やる気の継続をめざす。
9.身体計測→体重、体脂肪の状態を数値化により現状から今後の改善意欲を高める。
10.食事記入説明
医師の指示エネルギーでの食事指導は次回、食事記録を確認後に行う。
食事記入は原則は3日分、継続指導でも毎回最低1日分は提出をお願いする。
→食事の写真をプリントすることでもよい→記入が無理な場合は強制しない!
目標設定ができない時:この状態は自己効力感が低いと考えられる。
治療、食事療法に取り組む心の余裕はあるか!優先順位が低いのではないか・・・
今、患者さんにとって一番大切なこと、譲れないと考えていることがあるのでは!
今回、目標が決められなくても次回に決めることにし、結論を急がない!
自己効力感とは・・・自分が行動しようと思っていることに自信や意欲があるとき、
その行動をとる可能性が高くなるという考え方で、この自信のことをいう。
できている日に焦点を当てる
「やる気を高める支援」「自信→達成感(喜び)」
計画指導と知識の段階的習得、患者が知識を実行に移し、習慣化に取り組む
①食事記録をもとに良い‘食べ方’に興味がもてる指導をする。
②メリットを感じて習慣化へ取り組めているか評価する。
③頑張りすぎ、燃え尽きに注意する。
④できている日を探す解決志向で関係を維持する。
継続指導終了時には患者さんに指導法の評価のため終了時アンケートに協力をしてもらう。
指導対象は著明な合併症がない2型糖尿病患者です。精神的・感情的負担を強く感じている
患者さんへの指導法ではありません。